JPWO2003001122A1 - 空気清浄方法及びこれに用いる空気清浄装置 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、空気中の化学汚染物質を水で洗浄して清浄にする空気清浄方法及びこれに用いる装置に関するものである。さらに詳しくは、半導体や液晶デバイスの製造工場、製薬工場やライフサイエンス関連設備等のクリーンルームに供給する空気の空気清浄方法及びこれに使用する空気清浄装置に関するものである。
背景技術
半導体や液晶デバイスの製造工場、製薬工場やライフサイエンス関連設備等では、製品歩留りを向上し、あるいは品質確保するために、従来の微粒子状の汚染物質に加え、ガス状化学汚染物質をも除去することが望まれている。このような化学汚染物質としては、例えば、ナトリウム、カリウム、カルシウム、ホウ素等の無機質の金属元素、フッ素イオン、塩化物イオン、硝酸イオン、亜硝酸イオン、硫酸イオン、亜硫酸イオン等のアニオン類や、アンモニウムイオン等のカチオン類等が挙げられる。従来の微粒子状の汚染物質はULPAフィルター等の集塵フィルターで除去できるが、これらの化学汚染物質はULPAフィルター等では除去できない。
このため、空気中の化学汚染物質は、従来より、いわゆる水シャワーと呼ばれる水滴のシャワーを用いる方法や、化学成分を吸着除去できるケミカルフィルターを用いる方法により除去されている。ここで、前者の水シャワーを用いる方法は、化学汚染物質を含む空気を水滴の噴霧により取り除く方法である。
しかしながら、前者の水シャワーを用いた方法は、被処理空気と水との接触効率が悪いために化学汚染物質の除去効率が低い。このため、水シャワー装置からなる加湿手段の奥行きは数m程度も必要になり、広大な設置スペースを要すると共に圧力損失も大きくなるという問題があった。また、水シャワーの処理水としては通常高価な脱イオン水(DIW)が用いられているが、処理水量も多く必要となるためコストが高くなるという問題があった。また、低コスト化のためにDIWは通常、循環使用されているが、一旦吸収した化学汚染物質の再気散が生じ易いという問題があった。また、後者のケミカルフィルターを用いた方法は、ケミカルフィルター自体が高価であり、しかも吸着能力に寿命があるため、コストが高くなるという問題があった。
従って、本発明の目的は、空気中の化学汚染物質の除去効率が高く、コストを低減できる空気処理方法を提供することにあり、また、本発明の他の目的は、処理装置がコンパクトで、圧力損失が小さく、低コスト処理できる空気処理装置を提供することにある。
発明の開示
かかる実情において、本発明者は鋭意検討を行った結果、加湿手段又は凝縮手段の一方又は両方に、斜行ハニカムを用い、該斜行ハニカムの前面開口部から空気を導入すると共に上面開口部から水を供給すれば、斜行ハニカムに導入される空気と供給される水とが効率よく接触して、加湿手段においては効率よく空気中の湿度を上昇させることができると共に、凝縮手段においてはガス状化学汚染物質が凝縮水中に効率よく取り込まれて除去されることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明(1)は、前後両面と上下両面とが開口して配置された斜行ハニカムを加湿手段に用い、該斜行ハニカムの前面開口部から化学汚染物質を含む空気を導入すると共に上面開口部から水を供給することにより、該空気を所定の湿度まで加湿すると共に、該空気中の化学汚染物質の少なくとも一部を過剰な水分に取り込んで該空気中から除去する加湿工程を有する空気清浄方法、また、本発明(2)は、前後両面と上下両面とが開口して配置された斜行ハニカムを凝縮手段に用い、該斜行ハニカムの前面開口部から化学汚染物質を含む空気を導入すると共に上面開口部から水を供給することにより、該空気を所定の湿度まで除湿すると共に、該空気中の化学汚染物質を凝縮水に取り込んで除去する除湿工程を有する空気清浄方法、また、本発明(3)は、前後両面と上下両面とが開口して配置された前段斜行ハニカムを加湿手段に用い、該前段斜行ハニカムの前面開口部から化学汚染物質を含む空気を導入すると共に、上面開口部から水を供給することにより、空気を所定の湿度まで加湿すると共に、該空気中の化学汚染物質の一部を過剰な水分に取り込んで該空気中から除去する加湿工程と、前後両面と上下両面とが開口して配置され、前記加湿工程よりも低温にされた後段斜行ハニカムを凝縮手段に用い、該後段斜行ハニカムの前面開口部から前記加湿工程で加湿された空気を導入すると共に、上面開口部から水を供給することにより、該加湿された空気を除湿し、前記加湿工程で除去されずに残存するガス状化学汚染物質を凝縮水に取り込んで除去する除湿工程とを有する空気清浄方法、また、本発明(4)は、前後両面と上下両面とが開口して配置された斜行ハニカムを加湿手段に用い、該斜行ハニカムの前面開口部から化学汚染物質を含む空気を導入すると共に、上面開口部から水を供給することにより、該空気を所定の湿度まで加湿すると共に、該空気中の化学汚染物質の一部を過剰な水分に取り込んで該空気中から除去する加湿工程と、該加湿工程で加湿された空気を凝集手段により所定の湿度まで除湿し、前記加湿工程で除去されずに残存するガス状化学汚染物質を凝縮水に取り込んで除去する除湿工程とを有する空気清浄方法、また、本発明(5)は、加湿手段により化学汚染物質を含む空気を所定の湿度まで加湿すると共に、該空気中の化学汚染物質の一部を過剰な水分に取り込んで該空気中から除去する加湿工程と、前後両面と上下両面とが開口して配置され、前記加湿工程より低温にされた斜行ハニカムを凝縮手段として用い、該斜行ハニカムの前面開口部から前記加湿工程で加湿された空気を導入すると共に、上面開口部から水を供給することにより、該加湿された空気を所定の湿度まで除湿し、前記加湿工程で除去されずに残存するガス状化学汚染物質を凝縮水に取り込んで除去する除湿工程とを有する空気清浄方法、また、本発明(6)は、前後両面と上下両面とが開口して配置された斜行ハニカムの前面開口部から空気を導入すると共に上面開口部から水を供給し、前記斜行ハニカムの前段部を、空気を所定の湿度まで加湿すると共に過剰な水分と得る加湿部とし、且つ前記斜行ハニカムの後段部を、空気を所定の湿度まで除湿すると共に凝縮水を得る凝縮部とすることにより、前記加湿部により化学汚染物質を含む空気を加湿すると共に、該空気中の化学汚染物質の一部を前記過剰な水分に取り込んで該空気中から除去する加湿工程を行ない、次いで、前記除湿部により該加湿工程で加湿された空気を除湿し、前記加湿部で除去されずに残存するガス状化学汚染物質を前記凝縮水に取り込んで除去する除湿工程を行なう空気清浄方法をそれぞれ提供するものである。
また、本発明(7)は第1空気導入口、第1水供給手段、前記第1空気導入口から導入された空気を前記第1水供給手段で供給された水により加湿する加湿手段、該加湿された空気を排出する第1空気排出口及び系内に溜まった水を系外に排出する第1水排出手段を備える加湿部と、前記第1空気排出口に連設される第2空気導入口、第2水供給手段、前記第2空気導入口より導入された空気中の水分を前記第2水供給手段で供給された水により凝縮する凝縮手段、該凝縮後の空気を排出する第2空気排出口及び系内に凝縮した水を系外に排出する第2水排出手段を備える凝縮部とを有する空気清浄装置であって、前記加湿手段及び前記凝縮手段に、前後両面と上下両面とが開口する斜行ハニカムが、該斜行ハニカムの前面をそれぞれ前記第1空気導入口側及び前記第2空気導入口側に向けて、且つ導入された空気が該斜行ハニカムを通過するように配置され、さらに、該斜行ハニカムの上方に前記第1水供給手段及び前記第2水供給手段が設けられている空気清浄装置、また、本発明(8)は、第1空気導入口、第1水供給手段、前記第1空気導入口から導入された空気を前記第1水供給手段で供給された水により加湿する加湿手段、該加湿された空気を排出する第1空気排出口及び系内に溜まった水を系外に排出する第1水排出手段を備える加湿部を有する空気清浄装置であって、前記加湿手段に、前後両面と上下両面とが開口する斜行ハニカムが、該斜行ハニカムの前面を前記第1空気導入口側に向けて、且つ導入された空気が該斜行ハニカムを通過するように配置され、さらに、該斜行ハニカムの上方に前記第1水供給手段が設けられている空気清浄装置、また、本発明(9)は、第2空気導入口、第2水供給手段、前記第2空気導入口から導入された空気中の水分を前記第2水供給手段で供給された水により凝縮する凝縮手段、該凝縮後の空気を排出する第2空気排出口及び系内に凝縮した水を系外に排出する第2水排出手段を備える凝縮部を有する空気清浄装置であって、前記凝縮手段に、前後両面と上下両面とが開口する斜行ハニカムが、該斜行ハニカムの前面を前記第2空気導入口側に向けて、且つ導入された空気が該斜行ハニカムを通過するように配置され、さらに、該斜行ハニカムの上方に前記第2水供給手段が設けられている空気清浄装置をそれぞれ提供するものである。
発明を実施するための最良の形態
本発明の第1発明である空気清浄方法について説明する。本発明において加湿手段とは、被処理空気への水分の供給手段及び適宜、水分の回収手段や温度調整手段を備えることにより、被処理空気を所定の湿度まで加湿すると共に、過剰な水分を得る手段である。該加湿手段は、被処理空気を加湿すると共に、被処理空気中に含まれるガス状化学汚染物質の少なくとも一部を該余分な水分中に取り込んで除去するものである。
また、凝縮手段とは、被処理空気と接触可能な低温部及び適宜、水分の回収手段を備えることにより、被処理空気を所定の湿度まで除湿すると共に、除湿の際に生じた凝縮水を得る手段である。該凝縮手段は、被処理空気中の化学汚染物質又は前記加湿手段で除去されなかった化学汚染物質を除湿の際に生じる凝縮水に可能な限り取り込んで除去するものである。
本発明では、上記加湿手段又は上記凝縮手段の一方又は両方に、前後両面と上下両面とが開口して配置された斜行ハニカムを用いる。当該斜行ハニカムを第1図を参照して説明する。ここで、斜行ハニカム1とは、一方向に向かって伝播する波形形状を有する波形シート2、3(以下、「コルゲート状シート」ともいう。)が複数積層されてハニカム形状を呈するものであって、積層されるコルゲート状シート2、3は波の伝播方向が一枚おきに斜めに交差するように積層され、且つ、二層おきのシートの波の伝播方向がそれぞれ略同一方向になるように配置されたハニカム状体である。
該斜行ハニカム1は、コルゲート状シート2、3に平行な面に対して垂直な4面101〜104で切断して直方体を形成し、且つ、該切断面がコルゲート状シートの波の伝播方向と平行でなく、且つ、垂直でもないようにした場合、該直方体を切断面の1つ104を下面にし、且つ、コルゲート状シートの最外層105、106をそれぞれ左右面にして載置すると、切断面である前後両面102、103及び上下両面101、104の4面は全てハニカムセルが開口し、左右面105、106はコルゲート状シートで閉じられた構造を有するものである。また、該切断面の、例えば前後両面102、103は、斜め上方向に延設されるセルと斜め下方向に延設されるセルとが一層おきに形成される。斜め方向に延設されるセルの前後両面からみた場合の空気の流入、流出方向(水平方向)に対する斜め角度(図中、符号X)は、通常15〜45度、好ましくは25〜35度の範囲内にする。上記斜め角度が該範囲内にあると、流下速度が適度の範囲となり接触効率が向上するため好ましい。
上記斜行ハニカム1において、積層されたコルゲート状シートの一層おきの波の伝播方向が互いに交差する角度(図中、符号Y)は、通常30〜90度、好ましくは50〜70度である。このようにコルゲート状シートを互いに上記角度範囲内で交差するように積層すると、上記のように斜め角度(X)を上記の15〜45度とした場合に、被処理空気及び水がハニカムセルと実質的に接触する面積が大きくなるため、被処理空気と水との接触、すなわち、加湿手段においては被処理空気の加湿の効率、また、凝縮手段においては被処理空気中の水分の凝縮による除湿の効率が高くなるため好ましい。すなわち、後述するように、本発明において、被処理空気は斜行ハニカム1の前面開口部103から導入され、また、水は上面開口部101から例えば、給水ダクト4により供給され斜行ハニカムのコルゲート状シートに浸透し、ゆっくりと下方に流下するため、被処理空気の通気方向と浸透壁面の水の流下方向とが適度の角を保持し、接触効率が高くなる。
本発明で用いられる斜行ハニカムのセルの高さ、すなわち、波形の山と谷間の寸法を示すセルの山高寸法は、通常2.0〜8.0mm、好ましくは3.0〜5.0mmである。セル寸法が2.0mm未満であると製造が困難であり、圧力損失が大きくなるため好ましくない。また、セル寸法が8.0mmを越えるとガス状化学汚染物質の除去効率が低下するため好ましくない。
斜行ハニカムのコルゲート状シートの状態におけるセルの幅、すなわち、セルピッチは、通常2.5〜12.0mm、好ましくは5〜10.0mmである。また、斜行ハニカムの前面開口部と後面開口部との間の寸法、すなわち、斜行ハニカムの厚さ(t)は、特に制限されないが、通常100〜1000mm、好ましくは200〜800mmである。また、梅雨時のように湿度が高い時期に、1台のハニカムで化学汚染物質の除去と除湿とを行う場合には、除湿を十分に行うために800mm程度の厚いものを使用した方がよい。該厚さが100mm未満であると、NO2 −等の除去効率が低下するため好ましくなく、厚さが1000mmを越えると、化学汚染物質の除去効率がこれ以上向上せず、圧力損失が大きくなるため好ましくない。なお、本発明において、斜行ハニカムの厚さは、斜行ハニカムを複数枚使用する場合には、この合計の厚さが上記範囲内のものであればよい。例えば、厚さが300mmの斜行ハニカムを用いる場合には、厚さが100mmの斜行ハニカムを3枚厚さ方向に重ねて合計の厚さを300mmとしてもよい。なお、従来加湿手段として用いられていた水シャワーは、装置の奥行きが数m程度必要であるが、本発明に係る斜行ハニカムを加湿手段として用いると斜行ハニカム自体の厚さはせいぜい400mm程度であるため、装置の設置スペースを大幅に小さくすることができる。このような大幅な省スペース化は半導体製造工場等の合理化の要求を満足する。さらに、水を循環するポンプの動力は、従来の水シャワーのものと比較すると格段に少なく、大幅な省エネルギー化をも図ることができる。
斜行ハニカムを構成するシート状部材は表面に凹凸があり、内部が多孔質である材料を使用することが、エレメントの表面積が大きく採れ、エレメントに浸透して流下する水と空気との接触面積が高まる点で好ましい。このようなシート状部材としては、例えば、3次元網目構造を有して所定の繊維間空隙率を有するものが挙げられ、具体的には、アルミナ、シリカ及びチタニアからなる群より選択される1又は2以上の充填材又は結合材を含有する無機繊維基材が使用できる。このうち、チタニアを配合したものが酸性のガス状化学汚染物質の除去効率が向上するため好ましい。また、シート状部材は、通常、充填材又は結合材を60〜93重量%、繊維基材を7〜40重量%を含み、好ましくは充填材又は結合材を70〜88重量%、繊維基材を12〜30重量%を含む。シート状部材の配合比率が該範囲内にあると、シート状部材の水浸透性及び強度が高いため好ましい。なお、シート状部材は、公知の方法で作製でき、例えば、ガラス繊維、セラミック繊維又はアルミナ繊維で作製されたペーパーを、アルミナゾル等の結合材とアルミナ水和物等の充填材を混合したスラリーに浸漬した後、乾燥し、コルゲート加工し、その後、乾燥処理と熱処理を行い、水分と有機分を除去する。アルミナ以外にシリカやチタニアを含有する場合、例えば、シリカ及びチタニアの配合量は、アルミナ100重量部に対してそれぞれ通常5〜40重量部である。
また、上記結合材又は充填材含有の無機繊維基材の繊維間空隙率は、通常65〜85%、好ましくは75〜82%である。繊維間空隙率を該範囲内とすることにより、ほどよい浸透性を実現でき、空気と水との接触効率を高めることができる。また、上記結合材又は充填材含有の無機繊維基材は、該無機繊維基材厚さ、すなわち、壁の厚さが通常200〜1000μm、好ましくは300〜800μmである。無機繊維基材が、上記空隙率と上記厚さを有すると、液ガス比及び水の浸透速度が適度な範囲となり、水と空気の接触効率を高めると共に、強度的にも十分となる。
上記無機繊維基材をコルゲート状シートに成形する方法としては、径方向に振幅する波形の凹凸が表面に形成された複数の歯車間に平板状シートを通すような公知のコルゲーターを用いる方法が挙げられる。得られたコルゲート状シートから上記斜行ハニカムを成形する方法としては、例えば、まず、上記コルゲート状シートを縦100mm(成形後の厚み寸法)×横3000mm程度の矩形の裁断型に対し、波の伝播方向が矩形型の一辺に対して15〜45度になるように配置して裁断して矩形のコルゲート状シートを作製し、次いで、得られた矩形のコルゲート状シートを1枚おきの波の伝播方向が斜交するように配置し、これらを接着又は接着することなく積層する方法が挙げられる。なお、このようにして製造した場合、上記裁断型の縦の長さが斜行ハニカム1枚の厚さとなる。このため、例えば、加湿手段や凝縮手段に必要な斜行ハニカムの厚さ、すなわち、斜行ハニカムの前面開口部と後面開口部との間の寸法を300mmとする場合には、縦100mmの裁断型で作製した厚さ100mmの斜行ハニカムを厚さ方向に3枚重ねて使用すればよい。また、このように複数枚重ねて使用する場合、斜行ハニカム同士は、接着しても接着しなくてもどちらでもよい。接着しない場合には、複数枚の斜行ハニカムを重ねて配置するだけでよい。
本発明において、上記斜行ハニカムが上記加湿手段又は上記凝縮手段の一方又は両方に用いられる場合、斜行ハニカムは前後両面と上下両面とが開口するように配置される。斜行ハニカムをこのように配置することにより、斜行ハニカムの前面開口部から被処理空気を導入すると共に上面開口部から水を供給することが可能になり、被処理空気と水との接触が被処理空気の通気方向と水の流下方向とが直交するようになる。このため、加湿手段又は凝縮手段として、斜行ハニカムを用いると、被処理空気と水との接触効率が従来の水シャワーを用いた加湿手段や冷却器を用いた凝縮手段に比べて高くなり、被処理空気中に含まれる化学汚染物質を効率よく除去することができ、装置の奥行きを大幅に小さくすることができる。
次に、第2発明の第1の実施形態における空気清浄装置を第2図を参照して説明する。空気清浄装置40は、加湿手段13及び凝縮手段23に、前後両面と上下両面とが開口する斜行ハニカム1が、斜行ハニカム1の前面をそれぞれ第1空気導入口11側及び第2空気導入口21側に向けて且つ導入された空気が該斜行ハニカム1を通過するように配置され、さらに、斜行ハニカム1の上面にそれぞれ第1水供給手段12及び第2水供給手段22が設けられる。第1空気排出口14と第2空気導入口21間はダクト等で連結される。
第1水供給手段12は、加湿部10に加湿手段13として配置された前段斜行ハニカム1の上面開口部101に上面から水を供給する手段であり、また、第2水供給手段22は、凝縮部20に凝縮手段23として配置された斜行ハニカム1の上面開口部101に上面から水を供給する手段である。第1水供給手段12又は第2水供給手段22としては、例えば、第1図に示すような給水ダクト4が挙げられる。加湿部10に供給された水は加湿手段13として配置された前段斜行ハニカム1を通過した後、第1水排出手段15から加湿部10系外に排出され、また、凝縮部20に供給された水は凝縮手段23として配置された後段斜行ハニカム1を通過した後、第2水排出手段25から凝縮部20系外に排出される。
第1の実施形態では、斜行ハニカムをこのように配置することにより、第1空気導入口11又は第2空気導入口21から導入される被処理空気の通気方向と、第1水供給手段12又は第2水供給手段22により供給される水301又は401の流下方向とが、すなわち、被処理空気と水との接触方向が所定の角度で交わるようになる。このため、加湿手段及び凝縮手段として斜行ハニカムを用いると、被処理空気と水との接触効率が従来の水シャワーを用いた加湿手段や冷却器を用いた凝縮手段に比べて高くなり、被処理空気中に含まれる化学汚染物質を効率よく除去することができ、装置の加湿手段及び凝縮手段の部分の奥行きを大幅に小さくすることができる。
第1の実施形態においては、第1水排出手段15による水の排出は配管15bを通り、第1循環ポンプ16により加湿手段13へ循環供給されるものと、循環水溜め部32の堰部15aから放流(over flow)されるものがある。配管15bと第1水供給手段12とを第1循環ポンプ16で接続し、加湿部10中で発生した余剰水302を第1水供給手段12に供給する水301として再利用すると、省資源、低コスト、化学汚染物質の除去効率の管理等の点から好ましい。また、循環水溜め部32の容量を適宜に設定し、連続又は間欠的に水302を系外へ放流し、且つ清浄な補給水を加えて希釈したりすることにより、加湿手段13に供給される循環水中の汚染物質の濃度を所定値以下に制御することができる。第2水排出手段25による水の排出は配管25bを通り、第2循環ポンプ26により凝縮手段23へ循環供給されるものと、循環水溜め部33の堰部25aから放流(over flow)されるものがある点は、前記加湿部と同様である。すなわち、凝縮部20においても、配管25bと第2水供給手段22とを第2循環ポンプ26で接続し、凝縮部20中で発生した凝縮水402を第2水供給手段22に供給する水401として再利用することが好ましく、循環水溜め部33の水401を放流したり、清浄水を補給したりする点は、前記と同様である。なお、加湿部10や凝縮部20に供給された水は循環使用することなく、1パスで放流する使用形態であってもよい。
また、加湿部10と凝縮部20とは、これらの間の被処理空気の導通が可能な範囲内で適宜仕切り50を設けること等により、加湿部10と凝縮部20のそれぞれに循環する水が混合せずに、独立した系のものとすることが好ましい。このように水系を独立したものとすることにより、例えば、加湿部10と凝縮部20のそれぞれに同質の水を供給した場合でも排水中の化学汚染物質の汚染の度合いが異なることがあるから、汚染の度合いの高い系の水が他の系の水を汚染することがないため好ましい。また、このように水系を独立したものとすることにより、加湿部10と凝縮部20とに供給する水として異質のものを用いても、排水を循環利用することが可能になるため好ましい。
加湿部10に第1水供給手段12により供給される水301としては、例えば、脱イオン水、市水、工業用水等が挙げられる。このうち、化学汚染物質の除去効率の点からは不純物をなるべく含まない水である脱イオン水が好ましく、また、コストの点からは市水や工業用水が好ましい。なお、第1の実施形態では加湿部10で処理された空気が凝縮部20でも処理されるため、コストの点から第1水供給手段12に供給される水301を市水又は工業用水とすることが好ましい。凝縮部20に第2水供給手段22により供給される水401としては、化学汚染物質を十分に除去する必要があるため、不純物をなるべく含まない水、例えば、脱イオン水が挙げられる。脱イオン水は特に制限されず、市水又は工業用水を前処理した後、イオン交換樹脂で処理した処理水を用いることができる。
すなわち、第1水供給手段及び第2水供給手段が脱イオン水供給手段であると、化学汚染物質の除去効率の点から好ましい。また、第1水供給手段が市水供給手段又は工業用水供給手段であり、前記第2水供給手段が脱イオン水供給手段であると、コストの点から好ましい。第1水供給手段12又は第2水供給手段22に供給される水301、401の温度や水の供給量は、被処理空気の通気量等に鑑みつつ、加湿部10及び凝縮部20における温度、湿度が所望のものとなるよう、適宜設定する。ただし、絶対湿度は、加湿部10内のほうが凝縮部20よりも常に高いものとなるため、第1水供給手段12に供給される水301の水温は、第2水供給手段22に供給される水401よりも高くなる。
第1の実施形態では、第2図に示すように、必要により上記第2空気排出口の後にさらに温度及び湿度の調整手段30やULPA5を備えることができる。このように温度及び湿度の調整手段30を設け、該手段で処理された空気の排出部をクリーンルーム等に接続することにより、例えば、クリーンルームに必要とされる温度、湿度とすることできる。温度及び湿度の調整手段としては、例えば、ヒータや温水等が挙げられる。ヒータを用いる場合は、空気の温度を上げるため処理により相対湿度は低下する。また、温水を用いる場合は、温水を処理後空気に間接的又は直接的に接触させればよい。例えば、温水を間接的に接触させるには熱交換器60等に温水を供給すればよい。温水を間接的に接触させる場合は処理後の空気の相対湿度は低下するが、直接的に接触させる場合は条件の設定いかんで処理後の空気の相対湿度は低下の、上昇のいずれにもすることができる。
次に、第1の実施形態の空気清浄装置における空気の浄化作用を説明する。まず、被処理空気は、ダクトを通してブロアー5等により加湿部10に導入される。加湿部10では、被処理空気は、加湿手段13である前段斜行ハニカム1の上部から水301が供給されて斜行ハニカム1をゆっくりと流下してセル全体が浸透壁構造になっているセルの表面と接触して、所定の温度に加温される。この際、被処理空気は表面から蒸発する水分により加湿されると共に、一方では被処理空気中の化学汚染物質の一部が水膜の水中に吸収される。この際、被処理空気から化学汚染物質がある程度除去される。浸透水は前段斜行ハニカム1から流下したところで余剰水302となり、第1水排出手段15により加湿部10の系内から排出される。
加湿部10を経て加湿された被処理空気は凝縮部20に導入される。凝縮部20では、被処理空気は、第2水供給手段22により供給され、且つ、熱交換器60等により加湿部10内よりも低温にされた水からなると共に、後段斜行ハニカム1のセルの表面に形成された水膜により冷却される。この際に空気中の水分が凝縮し、空気中に加湿部10内で除去されずに残存する化学汚染物質が略凝縮水402に取り込まれて供給水と共に回収され、この結果、被処理空気中から化学汚染物質が略除去される。上記の加湿部10内における水の温度、及び凝縮部20内における水の温度は、前者が後者よりも高いものであればよく、所望の湿度又は温度の空気が得られるように、適宜調整すればよい。凝縮部20による凝縮工程終了後は、そのまま又は温度及び湿度の調整手段30で適宜湿度や温度を調整してクリーンルーム等に用いられる清浄空気として使用される。
なお、クリーンルーム内は、通常、温度が23℃前後、相対湿度が40〜50%程度に調節されるため、クリーンルーム用の清浄空気を調製する場合、加湿工程及び凝縮工程の条件は、上記凝縮工程後に得られる清浄空気は23℃前後に適宜加熱された際に上記範囲内の相対湿度になるように設定される。このようにして得られた23℃前後、且つ、相対湿度が40〜50%程度の清浄空気がクリーンルーム用空気として用いられる。
本発明の第1の実施形態の空気清浄装置によれば、斜行ハニカムを構成する波形状の無機多孔質板に浸透して流下する水で加湿又は凝縮するために、循環使用等により化学汚染物質を含むようになった循環水を用いる場合でも、該循環水から化学汚染物質が再気散することがほとんどない。すなわち、従来の方法では、汚染物質を含む水をシャワー状で噴霧するため、ミストが空気に取り込まれて化学汚染物質の再飛散を引き起こしていた。これに対して、本発明の方法では、表面積の大きなハニカム表面の水のみが蒸発し、一度水に取り込まれた化学汚染物質は、水側に残るので、汚染物質の再飛散は起こりにくいと考えられる。このため、斜行ハニカムを加湿手段に用いる場合には、上記のように脱イオン水のみならず市水や工業用水を用いることができる。また、化学汚染物質の除去効率が高いため、従来公知の水シャワー等では1〜2程度必要であった液ガス比を0.1程度することができる。また、加湿手段や凝縮手段に供給される水を循環使用する場合に、使用する水量が少なくて済み、この結果、ポンプ容量等が小さくて済む。また、斜行ハニカムを形成する材料として、上記特定のものを用いることにより、従来除去することが困難であったNO2 −も効率よく除去することができる。第1の実施形態は、第2の実施形態又は第3の実施形態のいずれよりも化学汚染物質の除去効率や省スペース性に優れ、最も好ましい形態である。
次に第2の実施形態の空気清浄装置について説明する。第2の実施形態は、第1の実施形態において斜行ハニカムを加湿手段のみに用いるものであり、凝縮手段として特に限定しないものである。斜行ハニカムを用いると水と被処理空気との接触効率が高く、空気中の化学汚染物質の除去効率が高いため、凝縮手段として通常の冷却器等を用いたとしても、従来よりも化学汚染物質の除去効率が高いと共に加湿手段の分だけスペース効率を向上させることができる。従来の水シャワーに比べ、斜行ハニカムの厚さは100〜400mm程度で済むため、加湿部の厚さを従来の数分の1〜数十分の1程度にすることができる。
第2の実施形態においては、第1の実施形態の加湿部10と同様に、第1水排出手段15と第1水供給手段12とを第1循環ポンプ16で接続し、第1水排出手段15からの排水を第1水供給手段12に供給する水として再利用すると、第1の実施形態の加湿部10と同様の点から好ましい。また、第1の実施形態の加湿部10と同様の点から、加湿部10と凝縮部20とは、これらの間の被処理空気の導通が可能な範囲内で適宜仕切りを設けることが好ましい。
また、第1の実施形態の加湿部10と同様の点から、加湿部10に第1水供給手段12により供給される水としては、例えば、脱イオン水、市水、工業用水等が挙げられる。このうち、第1の実施形態の加湿部10と同様の点から、脱イオン水、市水や工業用水がそれぞれ好ましい。なお、第2の実施形態で化学汚染物質の除去効率をなるべく高くするためには、脱イオン水を用いることが好ましい。すなわち、第2の実施形態においては、第1水供給手段が脱イオン水供給手段であると、化学汚染物質の除去効率の点から好ましい。また、第2の実施形態においては、第1の実施形態と同様に、必要により第2空気排出口の後にさらに温度及び湿度の調整手段30を備えることができる。凝縮手段を設けない場合は、第1空気排出口14の後に、温度及び湿度の調整手段30を設けてもよい。第2の実施形態は、従来公知の水シャワー等を用いる加湿手段に比べて、第1の実施形態において加湿手段に斜行ハニカムを用いた効果と同様の効果を奏することができる。本例は、冬場の乾燥空気を被処理空気とする場合に好適である。
次に第3の実施形態の空気清浄装置について説明する。第3の実施形態は、第1の実施形態において斜行ハニカムを凝縮手段のみに用いるものであり、加湿手段として特に限定しないものである。斜行ハニカムを用いると水と被処理空気との接触効率が高く、空気中の化学汚染物質の除去効率が高いため、加湿手段として通常の水シャワー等を用いたとしても、従来よりも化学汚染物質の除去効率が高いと共に凝縮手段の分だけスペース効率を向上させることができる。従来の熱交換器等の冷却機に比べ、斜行ハニカムの厚さは100〜400mm程度で済むため、凝縮部の厚さを従来の数分の1〜数十分の1程度にすることができる。
また、第3の実施形態の空気清浄装置では、第1の実施形態の凝縮部20と同様に、第2水排出手段25と第2水供給手段22とを第2循環ポンプ26で接続し、第2水排出手段25からの排水を第2水供給手段22に供給する水として再利用すると、第1の実施形態の凝縮部20と同様の点から好ましい。また、第1の実施形態の凝縮部20と同様の点から、加湿部10と凝縮部20とは、これらの間の被処理空気の導通が可能な範囲内で適宜仕切りを設けることが好ましい。
また、第1の実施形態の凝縮部20と同様の点から、凝縮部20に第2水供給手段22により供給される水としては、化学汚染物質を十分に除去する必要があるため、不純物をなるべく含まない水、例えば、脱イオン水が挙げられる。すなわち、第3の実施形態においては、第2水供給手段が脱イオン水供給手段であると、化学汚染物質の除去効率の点から好ましい。
また、第3の実施形態においては、凝縮手段として斜行ハニカムを用いる凝縮部での化学汚染物質の除去効率が高いため、被処理空気の絶対湿度が高い場合や、被処理空気中の化学汚染物質の濃度が低い場合、さらに処理後空気の化学汚染物質の許容濃度が高い場合には、特に加湿手段を設けなくてもよい。特に梅雨時から夏場にかけては空気が高温高湿であり、そのまま被処理空気として供給できるため、本実施の形態は特に有効である。この場合は低コスト化や省スペース性の点から好ましいものとなる。また、第3の実施形態においては、第1の実施形態と同様に、必要により第2空気排出口の後にさらに温度及び湿度の調整手段30を備えることができる。第3の実施形態は、従来公知の冷却器等を用いる凝縮手段に比べて、第1の実施形態において凝縮手段に斜行ハニカムを用いた効果と同様の効果を奏することができる。
また、第4の実施の形態の空気清浄装置においては、前記第1空気排出口14と前記第2空気導入口21とは一体的に連接され、前記加湿及び前記凝縮を共に1台の斜行ハニカムで順次行うものである。すなわち、被処理空気は、ダクト4を通してブロアー5等により斜行ハニカムの前面の第1空気導入口11に供給される。斜行ハニカムの前段側は加湿領域となり、被処理空気は所定の湿度まで加湿され、該斜行ハニカム内で飽和状態まで除湿されることとなる。このため、前記加湿ゾーンで該空気中の化学汚染物質の一部が過剰な水分に取り込まれると共に、前記除湿ゾーンにより、前記加湿ゾーンで除去されずに残存する化学汚染物質が凝縮水に取り込まれて除去される。
また、第4の実施形態では、一つの水排出手段と一つの水供給手段とを循環ポンプで接続し、水排出手段からの排水を水供給手段に供給する水として再利用すると、第1の実施形態の凝縮部20などと同様の点から好ましい。また、加湿ゾーンや凝縮ゾーンに供給手段により供給される水としては、化学汚染物質を十分に除去する必要があるため、不純物をなるべく含まない水、例えば、脱イオン水が挙げられる。すなわち、第4の実施形態においては、水供給手段が脱イオン水供給手段であると、化学汚染物質の除去効率の点から好ましい。
本発明において化学汚染物質としては、高性能(ULPA)フィルターの編み目を通過するような微細な化学物質を意味し、例えば、ナトリウム、カリウム、カルシウム、ホウ素等の無機質の金属元素、フッ素イオン、塩化物イオン、硝酸イオン、亜硝酸イオン、硫酸イオン、亜硫酸イオン等のアニオン類や、アンモニウムイオン等のカチオン類等が挙げられる。
上記本発明に係る空気清浄装置のサイズは、特に制限されないが、半導体や液晶デバイスの製造工場において、当該装置に使用される斜行ハニカムの大きさは、例えば、縦1000〜5000mm、横1000〜5000mm、厚さ100〜400mmのものが使用できる。
実施例
次に、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例1〜11、比較例1〜3
表1〜3に示す仕様の加湿手段及び凝縮手段を有する空気清浄装置を作製し、これらをそれぞれ表4〜6に示す条件で処理した結果、それぞれ表7〜9に示す結果が得られた。また、得られた浄化空気を表10〜12に示す条件で加熱してクリーンルーム用の浄化空気を得た。結果を表10〜12に示す。なお、実施例5〜9は、加湿ゾーンを設けずに被処理空気を直接に凝縮ゾーンに供給するものである。また、斜行ハニカムは、表1〜3に記載の材質の不織布製コルゲート状シートが、1層おきに略直角に交差し、且つ、セルの斜め角度が空気の流入方向に対して30度であるものを用いた。また、加湿手段で用いられる水と凝縮手段で用いられる水とはそれぞれ独立した系とし、実施例4と比較例2については、それぞれの水は循環使用し、実施例1〜3、5〜11及び比較例1、3については1パスとした。また、補給水は、循環水中の汚染物質が所定濃度以下になるように供給した。例えば、循環水中のアンモニアイオン濃度は、実施例3では100ppb、実施例4では500ppbである。水中のアンモニアイオン濃度が500ppbを越えると、従来の水シャワーではアンモニアの気散が起こり、その吸収除去率は著しく低下する(比較例2)。表中、「エアオッシャー」は水シャワーのことである。
本発明に係る空気清浄方法は、以下のような効果を奏する。(1)ガス状化学汚染物質の除去効率が高い。(2)従来は、吸収効率の向上が困難であったNH4 +やNO2 −等を効率よく除去することができる。(3)斜行ハニカムを構成する波形状の無機多孔質板に浸透して流下する水と被処理空気とを接触させるため、表面積の大きなハニカム表面の水だけが蒸発し、一度水に取り込まれてしまった化学汚染物質は水側に残るので、化学汚染物質の再飛散は起こり難い。このため、被処理空気を再汚染する恐れが少ない。
本発明の空気清浄装置は、(1)安価な斜行ハニカムの使用により、空気清浄装置全体がコンパクトになるため、省資源であると共に、処理コストを大幅に低減できる。(2)使用する脱イオン水の量が少なくて済むため、脱イオン水の製造コストやポンプ搬送能力を削減できる。(3)処理する空気が空気清浄装置を通過する際の圧力損失が小さいため送風動力を低減できる。
産業上の利用可能性
本発明に係る空気清浄装置は、例えば、半導体や液晶デバイスの製造工場、製薬工場やライフサイエンス関連設備等のクリーンルームに供給する空気の空気清浄装置として用いることができる。また、本発明に係る空気清浄方法は、上記空気清浄装置を用いれば容易かつ確実に実施できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の空気清浄方法で使用する斜行ハニカムを説明する図である。
第2図は、本発明の第1の実施形態に係る空気清浄装置の概要を模式的に示す図である。
Claims (20)
- 前後両面と上下両面とが開口して配置された斜行ハニカムを加湿手段に用い、該斜行ハニカムの前面開口部から化学汚染物質を含む空気を導入すると共に上面開口部から水を供給することにより、該空気を所定の湿度まで加湿すると共に、該空気中の化学汚染物質の少なくとも一部を過剰な水分に取り込んで該空気中から除去する加湿工程を有することを特徴とする空気清浄方法。
- 前後両面と上下両面とが開口して配置された斜行ハニカムを凝縮手段に用い、該斜行ハニカムの前面開口部から化学汚染物質を含む空気を導入すると共に上面開口部から水を供給することにより、該空気を所定の湿度まで除湿すると共に、該空気中の化学汚染物質を凝縮水に取り込んで除去する除湿工程を有することを特徴とする空気清浄方法。
- 前後両面と上下両面とが開口して配置された前段斜行ハニカムを加湿手段に用い、該前段斜行ハニカムの前面開口部から化学汚染物質を含む空気を導入すると共に、上面開口部から水を供給することにより、空気を所定の湿度まで加湿すると共に、該空気中の化学汚染物質の一部を過剰な水分に取り込んで該空気中から除去する加湿工程と、前後両面と上下両面とが開口して配置され、前記加湿工程よりも低温にされた後段斜行ハニカムを凝縮手段に用い、該後段斜行ハニカムの前面開口部から前記加湿工程で加湿された空気を導入すると共に、上面開口部から水を供給することにより、該加湿された空気を除湿し、前記加湿工程で除去されずに残存するガス状化学汚染物質を凝縮水に取り込んで除去する除湿工程とを有する空気清浄方法。
- 前後両面と上下両面とが開口して配置された斜行ハニカムを加湿手段に用い、該斜行ハニカムの前面開口部から化学汚染物質を含む空気を導入すると共に、上面開口部から水を供給することにより、該空気を所定の湿度まで加湿すると共に、該空気中の化学汚染物質の一部を過剰な水分に取り込んで該空気中から除去する加湿工程と、該加湿工程で加湿された空気を凝集手段により所定の湿度まで除湿し、前記加湿工程で除去されずに残存するガス状化学汚染物質を凝縮水に取り込んで除去する除湿工程とを有することを特徴とする空気清浄方法。
- 加湿手段により化学汚染物質を含む空気を所定の湿度まで加湿すると共に、該空気中の化学汚染物質の一部を過剰な水分に取り込んで該空気中から除去する加湿工程と、前後両面と上下両面とが開口して配置され、前記加湿工程より低温にされた斜行ハニカムを凝縮手段として用い、該斜行ハニカムの前面開口部から前記加湿工程で加湿された空気を導入すると共に、上面開口部から水を供給することにより、該加湿された空気を所定の湿度まで除湿し、前記加湿工程で除去されずに残存するガス状化学汚染物質を凝縮水に取り込んで除去する除湿工程とを有する空気清浄方法。
- 前後両面と上下両面とが開口して配置された斜行ハニカムの前面開口部から空気を導入すると共に上面開口部から水を供給し、前記斜行ハニカムの前段部を、空気を所定の湿度まで加湿すると共に過剰な水分と得る加湿部とし、且つ前記斜行ハニカムの後段部を、空気を所定の湿度まで除湿すると共に凝縮水を得る凝縮部とすることにより、前記加湿部により化学汚染物質を含む空気を加湿すると共に、該空気中の化学汚染物質の一部を前記過剰な水分に取り込んで該空気中から除去する加湿工程を行ない、次いで、前記除湿部により該加湿工程で加湿された空気を除湿し、前記加湿部で除去されずに残存するガス状化学汚染物質を前記凝縮水に取り込んで除去する除湿工程を行なうことを特徴とする空気清浄方法。
- 前記斜行ハニカムに供給する水が脱イオン水であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の空気清浄方法。
- 前記加湿手段に用いる前段斜行ハニカムに供給する水が市水又は工業用水であり、前記凝縮手段に用いる後段斜行ハニカムに供給する水が脱イオン水であることを特徴とする請求項3に記載の空気清浄方法。
- 前記斜行ハニカムは、アルミナ、シリカ及びチタニアからなる群より選択される1又は2以上の充填材又は結合材を含有するガラス繊維、セラミック繊維又はアルミナ繊維基材を使用して作製されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の空気清浄方法。
- 前記除湿工程で除湿された浄化空気は、所定温度に加熱された後、クリーンルーム用の空気として使用されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の空気清浄方法。
- 第1空気導入口、第1水供給手段、前記第1空気導入口から導入された空気を前記第1水供給手段で供給された水により加湿する加湿手段、該加湿された空気を排出する第1空気排出口及び系内に溜まった水を系外に排出する第1水排出手段を備える加湿部と、前記第1空気排出口に連設される第2空気導入口、第2水供給手段、前記第2空気導入口より導入された空気中の水分を前記第2水供給手段で供給された水により凝縮する凝縮手段、該凝縮後の空気を排出する第2空気排出口及び系内に凝縮した水を系外に排出する第2水排出手段を備える凝縮部とを有する空気清浄装置であって、前記加湿手段及び前記凝縮手段に、前後両面と上下両面とが開口する斜行ハニカムが、該斜行ハニカムの前面をそれぞれ前記第1空気導入口側及び前記第2空気導入口側に向けて、且つ導入された空気が該斜行ハニカムを通過するように配置され、さらに、該斜行ハニカムの上方に前記第1水供給手段及び前記第2水供給手段が設けられていることを特徴とする空気清浄装置。
- 第1空気導入口、第1水供給手段、前記第1空気導入口から導入された空気を前記第1水供給手段で供給された水により加湿する加湿手段、該加湿された空気を排出する第1空気排出口及び系内に溜まった水を系外に排出する第1水排出手段を備える加湿部を有する空気清浄装置であって、前記加湿手段に、前後両面と上下両面とが開口する斜行ハニカムが、該斜行ハニカムの前面を前記第1空気導入口側に向けて、且つ導入された空気が該斜行ハニカムを通過するように配置され、さらに、該斜行ハニカムの上方に前記第1水供給手段が設けられていることを特徴とする空気清浄装置。
- 第2空気導入口、第2水供給手段、前記第2空気導入口から導入された空気中の水分を前記第2水供給手段で供給された水により凝縮する凝縮手段、該凝縮後の空気を排出する第2空気排出口及び系内に凝縮した水を系外に排出する第2水排出手段を備える凝縮部を有する空気清浄装置であって、前記凝縮手段に、前後両面と上下両面とが開口する斜行ハニカムが、該斜行ハニカムの前面を前記第2空気導入口側に向けて、且つ導入された空気が該斜行ハニカムを通過するように配置され、さらに、該斜行ハニカムの上方に前記第2水供給手段が設けられていることを特徴とする空気清浄装置。
- 前記第1空気排出口と前記第2空気導入口とは一体的に連接され、前記加湿及び前記凝縮を共に1台の斜行ハニカムで行うことを特徴とする請求項11記載の空気清浄装置。
- 前記斜行ハニカムは、セルの山高が2.0〜8.0mmであることを特徴とする請求項11〜13のいずれか1項記載の空気清浄装置。
- 前記第1水排出手段と前記第1水供給手段とが第1循環ポンプで接続されることを特徴とする請求項11又は12記載の空気清浄装置。
- 前記第2水排出手段と前記第2水供給手段とが第2循環ポンプで接続されることを特徴とする請求項11又は13記載の空気清浄装置。
- 前記加湿手段又は前記凝縮手段の一方、あるいは双方の下方にオーバーフローにより汚染物質の濃度を調整する循環水溜め部を設けることを特徴とする請求項11〜13のいずれか1項記載の空気清浄装置。
- 前記第2空気排出口の後に、さらに温度及び湿度の調整手段を備えることを特徴とする請求項11記載の空気清浄装置。
- 前記温度及び湿度の調整手段の空気の排出部がクリーンルームに接続されていることを特徴とする請求項19記載の空気清浄装置。
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