JP3179700B2 - ガス不純物の除去装置 - Google Patents

ガス不純物の除去装置

Info

Publication number
JP3179700B2
JP3179700B2 JP07943496A JP7943496A JP3179700B2 JP 3179700 B2 JP3179700 B2 JP 3179700B2 JP 07943496 A JP07943496 A JP 07943496A JP 7943496 A JP7943496 A JP 7943496A JP 3179700 B2 JP3179700 B2 JP 3179700B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
eliminator
chamber
impurities
nozzle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP07943496A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH09239224A (ja
Inventor
仁 稲葉
正憲 井上
隆紀 吉田
達也 三宅
典明 岡村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takasago Thermal Engineering Co Ltd
Original Assignee
Takasago Thermal Engineering Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=13689782&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP3179700(B2) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by Takasago Thermal Engineering Co Ltd filed Critical Takasago Thermal Engineering Co Ltd
Priority to JP07943496A priority Critical patent/JP3179700B2/ja
Publication of JPH09239224A publication Critical patent/JPH09239224A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3179700B2 publication Critical patent/JP3179700B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Gas Separation By Absorption (AREA)
  • Separating Particles In Gases By Inertia (AREA)
  • Separation Of Particles Using Liquids (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空気中に含まれる
ガス不純物、とりわけ空気中に微量(ppt〜ppmの
濃度)含まれる水溶性ガス状不純物(以下、「ガス状不
純物」という)の除去に適したガス不純物の除去装置に
関するものであり、例えば対象となる施設内に供給する
外気の清浄化処理や、特殊施設から発生する排ガスの清
浄化処理に利用される。
【0002】
【従来の技術】空気中に含まれるガス不純物の除去手段
としては、従来からケミカルフィルタ処理(乾式法)に
よる除去方法と、気液接触による除去方法とが知られて
いる。前者の乾式法は、気中のガス不純物を化学結合に
より取り込み除去するもので、ガス不純物の種類により
濾材の種類や処理方法および濾材に添着する化学物質の
種類が異なる。一方後者の気液接触による除去は、液滴
の噴霧や空隙率の高い、即ち表面積の大きい充填材に液
状物資を供給することにより、気中のガス状不純物を除
去するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の除去方法では、次のような問題点がある。まず、ケ
ミカルフィルタを用いた乾式法によれば、(a)寿命が
短くランニングコストが高い、そのため従来は寿命をチ
ェックできないために、約6カ月で交換していたのが実
状である。さらに(b)除去性能が連続的に低下してい
く、(c)再利用できないために、産業廃棄物として処
理しなければならない、(d)交換作業が必要となる、
(e)送風抵抗(圧力損失)が大きく送風コストが上昇
する、(f)化学添加物自身が給気室内の汚染源となる
危険性があるといった問題がある。次に気液接触による
除去方法では、(g)給水性の低い充填材を使用して、
気液接触面積を大きくしようとするために、大量の液状
物質を供給しなければならずランニングコストが高くな
る、(h)液滴径が大きいために(従来の粒径は、平均
粒径が100μmを越えていた)、大量の液状物質を供
給しなければならずこの点からもランニングコストが高
くなっていたのである。
【0004】本発明は、かかる点に鑑みてなされたもの
であり、前記した湿式法の欠点を解決すると同時に、乾
式法と同等の性能を有しながら乾式法の欠点も解消し
て、上記問題の解決を図ることを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め,請求項1の発明によれば,ガス不純物を含む対象空
気流をその内部で上流から下流に流通させることが可能
なチャンバと,平均液滴径が10μm〜100μmの粒
径の液体粒子を上記気流内に霧状に発生させるノズル及
びこのノズルから下流側に所定間隔離れて位置した不純
物除去手段とを夫々前記チャンバ内に有し,前記不純物
除去手段は,吸水性の素材からなるエリミネータからな
り,当該エリミネータが濡れた状態で保持されているこ
とを特徴とする,ガス不純物の除去装置が提供される。
また請求項2によれば,ガス不純物を含む対象空気流を
その内部で上流から下流に流通させることが可能なチャ
ンバと,液体粒子を前記チャンバ内に霧状に発生させる
ノズル及びこのノズルから下流側に所定間隔離れて位置
した不純物除去手段とを夫々前記チャンバ内に有し,前
記不純物除去手段は,吸水性素材からなるエリミネータ
であって,慣性衝突原理によって水滴を回収できる構造
を有していることを特徴とする,ガス不純物の除去装置
が提供される。 さらに請求項3によれば,ガス不純物を
含む対象空気流をその内部で上流から下流に流通させる
ことが可能なチャンバと,液体粒子を前記チャンバ内に
霧状に発生させるノズル及びこのノズルから下流側に所
定間隔離れて位置した不純物除去手段とを夫々前記チャ
ンバ内に有し,前記不純物除去手段は,吸水性素材から
なるエリミネータであって,前記エリミネータは気流の
流れに沿って配置されていることを特徴とする,ガス不
純物の除去装置が提供される。 請求項2,3の場合,請
求項4のように,エリミネータが濡れた状態で保持され
ていることが好ましい。 そして以上の各ガス不純物の除
去装置において使用される吸水性素材は,請求項5のよ
うに,気孔率が50vol.%以上であることが好まし
い。
【0006】この場合,使用する液体粒子は,請求項
に記載したように,純水の粒子,即ちノズルから純水を
噴出させるようにしてもよい。このとき,請求項に記
載したように,不純物除去手段からの液体を回収する液
体回収手段と,純水製造手段とを備え,前記液体回収手
段によって回収した液体を前記純水製造手段を経た後に
再びノズルへと供給するようにすれば,さらに好ましい
効果が得られる。
【0007】請求項に記載のガス不純物の除去装置に
よれば,ガス不純物を含む対象空気流をその内部で上流
から下流に流通させることが可能なチャンバと,このチ
ャンバ内に配置される吸水性素材からなるエリミネータ
と,このエリミネータの上方から水を直接垂らして給水
する給水手段とを備えてなるガス不純物の除去装置が提
供される。また請求項9によれば,ガス不純物を含む対
象空気流をその内部で上流から下流に流通させることが
可能なチャンバと,このチャンバ内に設けられる吸水性
素材からなるエリミネータと,このエリミネータに直接
給水する給水手段とを備え,前記給水手段の給水口は前
記エリミネータに接触しているガス不純物の除去装置が
提供される。
【0008】請求項1の発明は、まずノズルから噴霧さ
せる液体粒子の平均粒径を、10μm〜100μmに設
定すると共に、下流側に吸水性の素材からなるエリミネ
ータを設置している。かかる手段により、従来より極め
て少量のガス吸収液で従来と同等若しくはそれ以上の気
液接触面積を得ることができる。
【0009】即ち、液体粒子の平均粒径を10μm〜1
00μmにすることにより、液滴との気液接触面積が単
純に大きくなり、例えば従来の液滴径数百μm以上に対
して、同じ液量での気液接触面積は、最大で100倍も
大きくなっている。
【0010】そして下流側に吸水性素材からなるエリミ
ネータを設置しているので、前記小径の液滴粒子はその
小径ゆえにこのエリミネータの表面の広範囲に行き渡り
やすくなり、少液量で大面積のエリミネータを常にウェ
ットの状態にできる。また吸水性素材を利用したことに
より、液滴の到達しない面にも素材内部での液体の移動
によって液体が到達し、より広い面積をウェットな状態
にできる。その結果このウェット面での気液接触によっ
ても高いガス吸収効率を得られる。かかる点を鑑みる
と、吸水性素材の材質自体は高吸液(水)性の材質(気
孔率50vol.%以上)が好ましく、それによって構
成されるエリミネータの材料は、プレート状のものとし
て、ポリエステル繊維をフェノール樹脂をバインダーと
して0.5mm〜5mmtの厚さに成形したものが好まし
い。例えばフェノール系熱硬化性樹脂とポリエステル不
織布等の強化素材で複合化した、商品名「ユニベックス
−SB」が適している。もちろんエリミネータ構成であ
るから、液滴粒子が下流側に飛散することは防止され
る。
【0011】なおかかるエリミネータ自体に、スポンジ
状の多孔質ブロックを設置することも考えられるが、圧
力損失が大きくなって好ましくない。この点本発明では
容易に低圧損化が図れる。また吸水性の素材を採用して
いるので、表面に付着する不純物も、付着した液滴粒子
によって容易に洗い流すことができる。従って、例えば
後述の実施形態のように、吸水性の素材を板状に成形し
た吸水性の板を適宜組み合わせ配置したエリミネータの
方が、圧力損失、メンテナンスの点ではるかに有利であ
る。このような観点から、本願請求項1〜4の発明に使
用する吸水性素材の形態はプレート状のものが適してい
る。
【0012】なおノズルからの噴霧方向は、より好まし
くは、下流側に向けるとよい。それは、例えば上流側に
向ける場合よりも、ノズルに水等を供給する配管等に液
滴が付着してチャンバ内に落下することを防止できるか
らである。もちろん上流側に向けてもガス吸収効率は高
い。
【0013】そして請求項のように,ノズルから純水
を噴霧するようにすれば,特に水溶性ガス不純物を効率
よく除去することができる。
【0014】また請求項のように,液体回収手段と,
純水製造手段(例えば逆浸透膜を利用した純水製造装
置)とを備え,前記液体回収手段によって回収した液体
を前記純水製造手段を経た後に再びノズルへと供給する
ようにすれば,純水を再利用することができ,ランニン
グコストを抑えることが可能である。
【0015】さらに請求項8,9のガス不純物の除去装
置によれば,ガス不純物を含む対象空気流をその内部で
上流から下流に流通させることが可能なチャンバと,こ
のチャンバ内に設けられる吸水性素材からなるエリミネ
ータと,このエリミネータに直接給水する給水手段(例
えば純水を給水する手段)とを備えているので,ノズル
による噴霧がなくとも,エリミネータの表面を常にウェ
ットな状態にすることができる。従って,高いガス吸収
効率が得られる。またノズルを不要とすることから,ガ
ス吸収面積をより大きくとることができ,構成もより簡
素化されるという利点がある。直接給水する方法として
は,例えば請求項8のように,エリミネータの上方から
水を直接垂らしたり,請求項9のように,給水手段の給
水口をエリミネータに接触させることが提案できる。ま
た必ずしも上方ではなく,サイドから供給するようにし
てもよい。
【0016】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施形態にかか
るガス不純物の除去装置1を組み込んだクリーンルーム
(CR)用の外気処理空調機2の全体を示しており、チ
ャンバ3内には、上流側(入口側)から順に、プレフィ
ルタ4、除塩フィルタ5、加熱コイル6、冷却コイル
7、及びガス不純物の除去装置1、ファン8、再熱コイ
ル9、ULPAフィルタなどの超高性能微粒子除去フィ
ルタ10が配置されている。
【0017】そして本実施形態にかかるガス不純物の除
去装置1は、チャンバ3外に設置されている純水製造装
置11から往管12を通じて純水が供給され、これを下
流側に向けて噴霧する複数のノズル13と、このノズル
13から所定の距離lを隔てて位置しているエリミネー
タとなるウェットプレート群14とを有している。
【0018】各ノズル13は、処理空気の下流側に10
0μm以下の粒径の水滴を発生できる機能を有してお
り、所定の間隔で設置されている。図2に示したよう
に、各ノズル13の設置間隔dは、処理空気の流速によ
って決定する。例えば2m/sec程度の風速(=面風
速)では、15〜30cm間隔程度が望ましい。さらに
各ノズル13は、図2に示したように、チャンバ3に対
して同一垂直面内に位置するように設置することで、水
滴が偏ることなくウェットプレート群14に衝突して回
収される。なおノズル13とウェットプレート群14の
下部は共通のドレンパンになっている。
【0019】ノズル13とウェットプレート群14間の
距離lの最適値も、処理風速により決定される。水滴と
空気との気液接触率を向上させるためには長い程良い
が、他方ウェットプレート群14に均一に水滴が到達さ
せるためには、ある程度短い方がよい。従って、ノズル
13とウェットプレート群14間の距離lは、その双方
のバランスと処理風速とを考慮して決定し、例えば処理
風速2m/sec程度では、50〜170cm程度が望
ましい。
【0020】ウェットプレート群14は、複数のウェッ
トプレート15によって構成されており、ノズル13に
よって上流部に発生させた小径の水滴を回収し、かつ直
接気中のガス不純物を吸収除去できる機能を有してい
る。ウェットプレート群14の構成については、後述の
ように様々なものが考えられるが、実際の構造設計は、
次の4項目の機能の向上を考えて行われる。即ち、 1.水滴を慣性衝突原理により効率よく回収できる構造
であること、 2.送風圧力損失が低くなる構造であること、 3.ウェットプレート群の表面積(=気液接触面積)が
大きくできること、 4.ウェットプレート群の場所により水滴の付着密度に
差があっても(例えば上流部に集中する場合)、ウェッ
トプレート群全体が常に濡れた状態に保持できる構造で
あること、である。
【0021】本実施形態で採用したウェットプレート群
14は、平面からみて、つづら折りした複数のウェット
プレート15を気流の流れに沿って平行に配置した構成
をとっている。より詳述すれば、水滴の慣性力による回
収性能を向上させるため、各ウェットプレート15が気
流方向に対してある角度θをなすようにの折り角をつけ
ている。この角度θは、処理風速、ウェットプレートの
段数(折れている数のこと。本実施形態においては、6
段折りである)、ウェットプレート15の設置間隔(=
ピッチa)、折れ長さbによって最適値が設定される
が、120゜〜170゜範囲が好ましい。本実施形態で
は、角度θは135゜である。
【0022】送風圧損については、ウェットプレート1
5の厚さを薄くし、前記角度θを水滴を回収できる角度
より小さくしないように最適値に設定することで、従来
のケミカルフィルタよりもかなり低くできる。またその
ようにウェットプレート15の厚さを薄くすることによ
っても低圧損化が図られる。いずれにしろ、送風圧損を
最適なものに設定することが極めて容易である。具体的
にいえば、ウェットプレート15の厚さとしては1〜3
mm程度が適している。本実施形態におけるウェットプ
レート15の厚さは1mmであり、面風速2m/sec
での圧力損失は6mmAqである。
【0023】ウェットプレート群14での気液接触面積
の大面積化については、ピッチaを小さくかつ段数を多
くすることによって容易に達成できる。ただし、これは
圧力損失との兼ね合いもあり、必要なガス状不純物除去
性能と圧力損失の上限値から決定される。
【0024】なおよりウェットプレート群14のガス吸
収面積をより大きくとりたい場合は、ウェットプレート
群14の上部から、純水を垂らして直接給水をする手段
をとってもよい。この場合はノズル13が不要となり、
配管系も簡素化される。
【0025】ウェットプレート群14全体が常に濡れた
状態に保持するためには、水滴の付き易い部分(例えば
最上流側)と付きにくい部分(例えば最下流側)とが吸
水性の高い材質でつながっている構造にすればよい。本
実施形態におけるウェットプレート群14の場合、気流
方向には1枚のウェットプレート15を5ヶ所で折った
構造であるから、最上流側と最下流側とは完全につなが
っており、各ウェットプレート15、即ちウェットプレ
ート群14全体を容易にそのような濡れた状態に保持で
きる。
【0026】なおそのように構造的に上流側と下流側と
がつながっていない場合は、下流側のウェットプレート
15まで水滴が到達するように、ウェットプレートの形
状及び設置間隔などを設計すれば、全体を常に濡れた状
態に保持できる。
【0027】そしてウェットプレート群14の各ウェッ
トプレート15を伝ってチャンバ3内の下面に溜まる水
は、回収手段としての還管16によって純水製造装置1
1へと戻され、そこで再び純水が製造されて、ノズル1
3へと供給されるようになっている。従って、純水の再
利用が図れる。なおこの純水製造装置11へは、適宜損
失分(蒸発分)にみあった水が補給されるようになって
いる。
【0028】本実施形態にかかるガス不純物の除去装置
1を組み込んだクリーンルーム(CR)用の外気処理空
調機2は、以上のような構成を有しており、次にその運
転例について説明すると、この外気処理空調機2は既述
したように、クリーンルームに供給する外気の処理に使
われるもので、クリーンルーム内の絶対湿度に等しく制
御した清浄空気を供給することができる。例えば、23
℃、RH45%のクリーンルームに12℃、RH90%
の空気を供給する場合について、冬期の加湿モードの場
合と夏期の除湿モードの場合とに分けてそれぞれ説明す
る。
【0029】外気が5℃、70%(図3中の)の冬期
の加湿モードにおいては、図4にも示したように、まず
プレフィルタ4、除塩フィルタ5を介して、チャンバ3
内に前処理した外気を取り入れる。そしてそのようにし
て粒子を除去した空気を加熱コイル6によって、20.
5℃まで加熱する(図3中の)。そしてガス不純物除
去装置1によってガス状不純物を除去する。このとき水
加湿も行われるので、処理空気は10.3℃、RH10
0%となる(図3中の)。そしてファン8によって送
風されて再熱コイル9で加熱されると共に、超高性能微
粒子除去フィルタ10によって微粒子を除去し、所期の
12℃、RH90%の清浄空気がチャンバ3から送り出
される(図3中の)。そして当該清浄空気は、クリー
ンルーム(23℃、RH45%:図3中の)に供給さ
れる。
【0030】以上のようないわば加湿モードでは、ガス
不純物除去装置1は加湿器としても機能しており、加湿
しながらガス状不純物を除去する作用を奏する。加湿に
より蒸発する水量は、最高でも給水量の20%以下であ
る。なお加湿専用装置としてガス不純物除去装置1の上
流側に蒸気加湿器等の加湿器を設けてもよい。
【0031】一方外気が、30℃、RH70%(図5中
の)の夏期の減湿モードにおいては、まずプレフィル
タ4、HEPAフィルタなどの除塩フィルタ5を介し
て、チャンバ3内に前処理した外気を取り入れる。その
ようにして粒子を除去した空気を冷却コイル7によっ
て、10.3℃、RH100%まで冷却する(図5中の
)そしてガス不純物除去装置1によってガス状不純物
を除去する(図5中の)。次いでファン8によって送
風され、再熱コイル9で加熱されると共に、超高性能微
粒子除去フィルタ10によって微粒子を除去し、所期の
12℃、RH90%の清浄空気がチャンバ3から送り出
される(図5中の)。そして当該清浄空気は、クリー
ンルーム(23℃、RH45%:図5中の)に供給さ
れる。
【0032】以上のようないわば減湿モードでは、ガス
不純物除去装置1へは露点に達した空気が供給されるこ
とから、給水される水は一切蒸発しないで純水製造装置
11に戻され純水に再生される。この不純物除去に使用
された純水は、微量の水溶性のガス不純物だけが溶解し
ているだけで一般水に比べた場合はるかに不純物レベル
の低い水である。従って純水製造装置11に再び戻すこ
とによって容易に再生でき、このような再生循環形式を
採用することにより、純水コストを大幅に低減できる。
【0033】このような冬期の加湿モード、夏期の減湿
モードのいずれにおいても、ガス不純物除去装置1は、
処理空気中のガス状不純物を高効率で除去している。即
ちノズルから噴霧される純水の小径粒子によって、気液
接触効率が従来より大幅に向上して不純物が取り込ま
れ、そのままウェットプレート群14に衝突し、そこで
捕集される。そしてこのウェットプレート群14を構成
している各ウェットプレート15は、つづら折りされた
エリミネータを構成しているから、効率よく純水の小径
粒子を捕集することができる。しかも各ウェットプレー
ト15は、極めて吸水率の高いプレートであるから、偏
ることなく表面の広範囲に純水が行き渡り、このウェッ
ト面での気液接触によっても高いガス吸収効率を得られ
る。従って、処理空気中のガス状不純物を高い効率で除
去できる。そのうえ純水粒子は、記述したように、10
μm〜100μmという極めて小径のものであるから、
少ない液量で大面積の各ウェットプレート15を常にウ
ェットの状態にできる。
【0034】もちろんウェットプレート群14は、エリ
ミネータの構成をとっているから、下流側への純水粒子
の飛散の心配はない。しかも送風圧損の調整について
も、ウェットプレート群14を構成する各ウェットプレ
ート15の折れ角度θ、段数、設置間隔(=ピッチ
a)、折れ長さb、ウェットプレート15自体の厚さを
適宜変更することにより、極めて容易にこれを行うこと
ができる。
【0035】なお本発明のエリミネータとなる前記ウェ
ットプレート群14は、つづら折りしたウェットプレー
ト15を複数配置することで構成していたが、これに限
らず、本発明においては、図7〜図10に示したよう
に、種々の形態のウェットプレート群を提案できる。
【0036】図7に示した例は、平面からみてその頂部
21aがノズル13側になるように略V字形に折った複
数ウェットプレート21を、適宜の空隙Lを設けて気流
方向と垂直に横一列配置し、さらに次列を構成する複数
のウェットプレート21は、その頂部21aが、前列の
空隙Lの後方に位置するように配置し、以後気流方向に
沿って交互に頂部21aと空隙Lを位置させるようにし
て、ウェットプレート21を4列に配置したものであ
る。かかる構成のウェットプレート群22によっても、
前記実施形態におけるウェットプレート群14と同様な
作用効果が得られる。
【0037】図8に示した例は、前記図7の平面略V字
形のウェットプレート21に代えて、平面が略半円形の
ウェットプレート31を用いてウェットプレート群32
を構成した例である。
【0038】図9に示した例は、細幅でフラットなウェ
ットプレート41を用いて、ウェットプレート群42を
構成したものである。この場合、ウェットプレート41
自体は、湾曲させたり、折ったりする必要がないので、
より容易にウェットプレート群42を構成することがで
きる。
【0039】そして図10に示した例は、気流方向に沿
って配置される一の長幅のフラットな多孔板51に、複
数の短い幅の多孔板52を所定の間隔Mで直交させる形
で組み合わせたウェットプレート53を、気流方向と平
行にチャンバ3に沿って複数配置し、隣接する他のウェ
ットプレート53における多孔板52の端部が、前記間
隔Mの間に位置するように配設した構成したものであ
る。かかる構成のウェットプレート群54によれば、ウ
ェットプレート群を配置する長さ(チャンバ3の気流方
向の長さ)が小さくても、極めて大きい面積のウェット
面を創出することができる。
【0040】さらに前記実施形態では、純水を使用した
が、用途に応じて、例えば排気ガスに対処するため、純
水以外の吸収液、反応吸収液を用いてもよい。さらに露
点制御できる装置を併用してもよい。
【0041】
【実施例】前記実施形態にかかる外気処理空調機2を用
いて、減湿モード(夏期)において、空気中に含まれる
SO2ガスとNH3ガスの除去を実施した結果を表1に示
す。
【0042】
【表1】
【0043】この結果からもわかるように、処理風速が
1.5m/sのとき、SO2ガスについては、除去率が
91.0%、NH3ガスについては、同95.3%とい
う高い除去率が確認された。またそのときの送風圧損は
3.5mmAqという低い値であった。
【0044】
【発明の効果】請求項1〜にかかる本発明によれば,
乾式法と同等のガス不純物の除去効率が得られ,しかも
気液接触法の併用により性能の経時変化を克服した。ま
た実施形態で記載したような長寿命の素材を用いること
により,交換作業などのメンテナンス作業も極めて少な
くでき,発生する産業廃棄物も非常に少量である。そし
て液滴平均粒径が10μm〜100μmという小径の場
合,液体の使用量の大幅な低減が図れ,ランニングコス
トを低く抑えることができる。同時に吸水性エリミネー
タを採用したことにより,全気液接触面積を大幅に向上
させることが可能であり,少量の液体(例えば水や純水
など)で高い除去効率を達成できる。
【0045】さらに噴霧液滴の小径化は冬季のように処
理空気への加湿が必要な場合に、加湿効率の向上という
副次効果を生む。つまり液滴の小径化により蒸発が容易
となり加湿効率が向上するのである。またエリミネータ
面に吸水特性を付加したことも、少ない液量(例えば水
量)で濡れ面積を大きくできる結果、エリミネータでの
加湿効率も向上する。その他エリミネータ構成であるか
ら下流側への液滴粒子の飛散は防止され、プレート形状
を採用することにより、所望の送風圧損を考慮した設計
も容易である。
【0046】また請求項のようにノズルから純水を発
生させることにより,添加物による問題も生じない。さ
らに請求項のように純水を再利用することにより,新
たな水の補給量を減らしてより一層ランニングコストを
抑えることができる。
【0047】請求項8,9によれば,ノズルによる噴霧
がなくとも,エリミネータの表面を常にウェットな状態
にすることができ,高いガス吸収効率が得られる。また
ノズルを不要とすることから,ガス吸収面積をより大き
くとることができ,構成もより簡素化されるという利点
がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態にかかるガス不純物除去装置
を組み込んだ外気処理空調機の構成を示す斜視図であ
る。
【図2】図1のガス不純物除去装置の平面図である。
【図3】図1の外気処理空調機を用いた冬期の運転例の
空気線図である。
【図4】図1の外気処理空調機を用いた冬期の運転例の
処理フローを示す説明図である。
【図5】図1の外気処理空調機を用いた夏期の運転例の
空気線図である。
【図6】図1の外気処理空調機を用いた夏期の運転例の
処理フローを示す説明図である。
【図7】平面略V字形のウェットプレートを用いたガス
不純物除去装置の平面図である。
【図8】平面略半円形のウェットプレートを用いたガス
不純物除去装置の平面図である。
【図9】フラットな細幅のウェットプレートを用いたガ
ス不純物除去装置の平面図である。
【図10】フラットな長幅及び短幅の多孔板を組み合わ
せたウェットプレートを用いたガス不純物除去装置の平
面図である。
【符号の説明】
1 ガス不純物除去装置 2 外気処理空調機 3 チャンバ 8 ファン 11 純水製造装置 13 ノズル 14 ウェットプレート群 15 ウェットプレート 16 還管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡村 典明 神奈川県川崎市多摩区西生田3−20−9 (56)参考文献 特開 平7−96125(JP,A) 特開 平7−328361(JP,A) 特開 昭63−256116(JP,A) 実開 平6−3429(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01D 47/00 - 51/10 B01D 45/08 B01D 53/14 - 53/18

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガス不純物を含む対象空気流をその内部
    で上流から下流に流通させることが可能なチャンバと, 平均直径が10μm〜100μmの粒径の液体粒子を前
    記チャンバ内に霧状に発生させるノズル及びこのノズル
    から下流側に所定間隔離れて位置した不純物除去手段と
    を夫々前記チャンバ内に有し, 前記不純物除去手段は,吸水性素材からなるエリミネー
    からなり,当該エリミネータが濡れた状態に保持され
    ていることを特徴とする,ガス不純物の除去装置。
  2. 【請求項2】 ガス不純物を含む対象空気流をその内部
    で上流から下流に流通させることが可能なチャンバと, 液体粒子を前記チャンバ内に霧状に発生させるノズル及
    びこのノズルから下流側に所定間隔離れて位置した不純
    物除去手段とを夫々前記チャンバ内に有し, 前記不純物除去手段は,吸水性素材からなるエリミネー
    タであって,慣性衝突原理によって水滴を回収できる構
    造を有していることを特徴とする, ガス不純物の除去装
    置。
  3. 【請求項3】 ガス不純物を含む対象空気流をその内部
    で上流から下流に流通させることが可能なチャンバと, 液体粒子を前記チャンバ内に霧状に発生させるノズル及
    びこのノズルから下流側に所定間隔離れて位置した不純
    物除去手段とを夫々前記チャンバ内に有し, 前記不純物除去手段は,吸水性素材からなるエリミネー
    タであって,前記エリミネータは気流の流れに沿って配
    置されていることを特徴とする, ガス不純物の除去装
    置。
  4. 【請求項4】 前記エリミネータが濡れた状態で保持さ
    れていることを特徴とする,請求項2又は3に記載の
    ス不純物の除去装置。
  5. 【請求項5】 前記吸水性素材は,気孔率が50vo
    l.%以上であるであることを特徴とする,請求項1,
    2,3又は4のいずれかに記載のガス不純物の除去装
    置。
  6. 【請求項6】 液体粒子は,純水の粒子であることを特
    徴とする,請求項1 ,2,3,4又は5のいずれかに記
    載のガス不純物の除去装置。
  7. 【請求項7】 不純物除去手段からの液体を回収する液
    体回収手段と,純水製造手段とを備え,前記液体回収手
    段によって回収した液体を前記純水製造手段を経た後に
    再びノズルへと供給するようにしたことを特徴とする,
    請求項6に記載のガス不純物の除去装置。
  8. 【請求項8】 ガス不純物を含む対象空気流をその内部
    で上流から下流に流通させることが可能なチャンバと,
    このチャンバ内に設けられる吸水性素材からなるエリミ
    ネータと,このエリミネータの上方から水を直接垂らし
    て給水する給水手段とを備えてなるガス不純物の除去装
    置。
  9. 【請求項9】 ガス不純物を含む対象空気流をその内部
    で上流から下流に流通させることが可能なチャンバと,
    このチャンバ内に設けられる吸水性素材からなるエリミ
    ネータと,このエリミネータに直接給水する給水手段と
    を備え,前記給水手段の給水口は前記エリミネータに接
    触しているガス不純物の除去装置。
JP07943496A 1996-03-06 1996-03-06 ガス不純物の除去装置 Expired - Lifetime JP3179700B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP07943496A JP3179700B2 (ja) 1996-03-06 1996-03-06 ガス不純物の除去装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP07943496A JP3179700B2 (ja) 1996-03-06 1996-03-06 ガス不純物の除去装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09239224A JPH09239224A (ja) 1997-09-16
JP3179700B2 true JP3179700B2 (ja) 2001-06-25

Family

ID=13689782

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP07943496A Expired - Lifetime JP3179700B2 (ja) 1996-03-06 1996-03-06 ガス不純物の除去装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3179700B2 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001232131A (ja) 2000-02-25 2001-08-28 Oki Electric Ind Co Ltd 大気中ガス不純物の除去装置
KR20020060904A (ko) * 2001-01-13 2002-07-19 주식회사 원방테크 공기청정실용 기체정화장치
KR100476719B1 (ko) * 2002-12-05 2005-03-17 삼성전자주식회사 오염 제어 시스템 및 이를 이용한 기판 처리 장치의 공조시스템
JP2005313076A (ja) * 2004-04-28 2005-11-10 Daikin Ind Ltd 気体浄化装置
JP4642559B2 (ja) * 2005-06-09 2011-03-02 高砂熱学工業株式会社 不純物除去装置
JP6058723B2 (ja) * 2015-03-23 2017-01-11 三機工業株式会社 水噴霧加湿装置
CN107008135A (zh) * 2017-04-24 2017-08-04 克拉玛依市杰德科技有限责任公司 一种从大气量气体流中去除杂质的除杂装置
US11207627B2 (en) 2018-10-17 2021-12-28 University Of Kentucky Research Foundation Filter assembly and scrubber section for a continuous miner

Also Published As

Publication number Publication date
JPH09239224A (ja) 1997-09-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100568093B1 (ko) 공기 청정 방법 및 이것에 이용하는 공기 청정 장치
US6887303B2 (en) Device for continuously humidifying and dehumidifying feed air
JP3907255B2 (ja) エアワッシャ
JP3594463B2 (ja) ガス吸着装置
CN101228398B (zh) 冷却空气流的方法
SE425219B (sv) Sett och anordning att rena en forsmutsad gas, exempelvis procrssfranluft, och att dervid styra temperaturen och relativa fuktigheten
JP3179700B2 (ja) ガス不純物の除去装置
JP2000317248A (ja) ガス不純物の除去システム
JP2007245014A (ja) 淡水化装置
US6387165B1 (en) Airborne molecular contaminant removing apparatus
JP2001280657A (ja) 空調機
JPH0760044A (ja) 空気中不純物の除去装置
JP2004053238A (ja) 調湿機
JP3718177B2 (ja) 空気中ガス成分の除去方法
JPH0130060B2 (ja)
JP2003222355A (ja) 空気清浄装置
JP2593579B2 (ja) エアフィルタ兼加湿メディア
US10760797B2 (en) Air or spray washer for air conditioning units
JP2000033221A (ja) クリ―ンル―ム汚染物質除去システム
JPH10230117A (ja) ケミカルフィルタ装置及びその制御方法
JPH03284319A (ja) 空気処理エレメント及びこのエレメントを有する水膜型空気処理装置
JP3747708B2 (ja) 有害ガス除去装置
JP3716926B2 (ja) 空気清浄方法
JPS6113850B2 (ja)
JPS63150540A (ja) 海塩除去システム付空気調和機

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20010403

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090413

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090413

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100413

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100413

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110413

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110413

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120413

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130413

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130413

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140413

Year of fee payment: 13

EXPY Cancellation because of completion of term