JP2003222355A - 空気清浄装置 - Google Patents

空気清浄装置

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JP2003222355A JP2002024289A JP2002024289A JP2003222355A JP 2003222355 A JP2003222355 A JP 2003222355A JP 2002024289 A JP2002024289 A JP 2002024289A JP 2002024289 A JP2002024289 A JP 2002024289A JP 2003222355 A JP2003222355 A JP 2003222355A
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    • F24F3/00Air-conditioning systems in which conditioned primary air is supplied from one or more central stations to distributing units in the rooms or spaces where it may receive secondary treatment; Apparatus specially designed for such systems
    • F24F3/12Air-conditioning systems in which conditioned primary air is supplied from one or more central stations to distributing units in the rooms or spaces where it may receive secondary treatment; Apparatus specially designed for such systems characterised by the treatment of the air otherwise than by heating and cooling
    • F24F3/14Air-conditioning systems in which conditioned primary air is supplied from one or more central stations to distributing units in the rooms or spaces where it may receive secondary treatment; Apparatus specially designed for such systems characterised by the treatment of the air otherwise than by heating and cooling by humidification; by dehumidification
    • F24F3/1411Air-conditioning systems in which conditioned primary air is supplied from one or more central stations to distributing units in the rooms or spaces where it may receive secondary treatment; Apparatus specially designed for such systems characterised by the treatment of the air otherwise than by heating and cooling by humidification; by dehumidification by absorbing or adsorbing water, e.g. using an hygroscopic desiccant
    • F24F3/1417Air-conditioning systems in which conditioned primary air is supplied from one or more central stations to distributing units in the rooms or spaces where it may receive secondary treatment; Apparatus specially designed for such systems characterised by the treatment of the air otherwise than by heating and cooling by humidification; by dehumidification by absorbing or adsorbing water, e.g. using an hygroscopic desiccant with liquid hygroscopic desiccants

Abstract

(57)【要約】 【課題】 空気中の化学汚染物質の除去効率が高く、処
理装置がコンパクトで、圧力損失が小さく、低コストな
空気清浄装置の提供にある。 【解決手段】 第1空気導入口11、第1水供給手段1
2、加湿手段13、第1空気排出口14等を備える加湿
部10と、第1空気排出口14に連設される第2空気導
入口21、第2水供給手段22、凝縮手段23等を備え
る凝縮部20とを有する空気清浄装置40であり、加湿
手段13と凝縮手段23とに、前後両面と上下両面とが
開口する金属製斜行ハニカム1が、その前面を第1空気
導入口11側と第2空気導入口21側に向け、且つ、導
入された空気が内部を通過するように配置され、金属製
斜行ハニカム1の上面に第1水供給手段12と第2水供
給手段22とが設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空気中の化学汚染
物質を水で洗浄して清浄にする空気清浄装置に関するも
のである。さらに詳しくは、半導体や液晶デバイスの製
造工場、製薬工場やライフサイエンス関連設備等のクリ
ーンルームに供給する空気の空気清浄装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】半導体や液晶デバイスの製造工場、製薬
工場やライフサイエンス関連設備等では、製品歩留りを
向上し、或いは品質確保するために、従来の微粒子状の
汚染物質に加え、ガス状化学汚染物質をも除去すること
が望まれている。このような化学汚染物質としては、例
えば、ナトリウム、カリウム、カルシウム、ホウ素等の
無機質の金属元素、フッ素イオン、塩化物イオン、硝酸
イオン、亜硝酸イオン、硫酸イオン、亜硫酸イオン等の
アニオン類や、アンモニウムイオン等のカチオン類等が
挙げられる。従来の微粒子状の汚染物質はULPAフィ
ルター等の集塵フィルターで除去できるが、これらの化
学汚染物質はULPAフィルター等では除去できない。
【0003】このため、空気中の化学汚染物質は、従来
より、いわゆる水シャワーと呼ばれる水滴のシャワーを
用いる装置や、化学成分を吸着除去できるケミカルフィ
ルターを用いる装置により除去されている。ここで、前
者の水シャワーを用いる装置は、空気を加湿する加湿手
段と空気中の水分を凝縮除去する凝縮手段とを有し、化
学汚染物質を含む空気を水滴等の噴霧等の加湿手段によ
り加湿すると共に、過剰な水分を除去し、次いで、この
加湿された空気を冷却器等の凝縮手段により加湿手段で
除去しきれずに、空気中に残存する化学汚染物質を凝縮
水と共に除去する装置である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
水シャワーを用いた装置は、被処理空気と水との接触効
率が悪いために化学汚染物質の除去効率が低い。このた
め、水シャワーを用いた装置全体の奥行きは数m程度も
必要になり、広大な設置スペースを要すると共に、圧力
損失も大きくなるという問題があった。また、水シャワ
ーの処理水としては、通常高価な脱イオン水(DIW)
が用いられているが、処理水量も多く必要となるためコ
ストが高くなるという問題があった。さらに、低コスト
化のためにDIWは通常、循環使用されているが、一旦
吸収した化学汚染物質の再気散が生じ易いという問題が
あった。一方、後者のケミカルフィルターを用いた装置
は、ケミカルフィルター自体が高価であり、しかも吸着
能力に寿命があるため、コストが高くなるという問題が
あった。
【0005】従って、本発明の目的は、空気中の化学汚
染物質の除去効率が高く、処理装置がコンパクトで、圧
力損失が小さく、低コストな空気処理装置を提供するこ
とにある。
【0006】かかる実情において、本発明者らは鋭意検
討を行った結果、加湿手段又は凝縮手段の一方又は両方
に、金属製斜行ハニカムを用い、該金属製斜行ハニカム
の前面開口部から空気を導入すると共に、上面開口部か
ら水を供給すれば、金属製斜行ハニカムに導入される空
気と供給される水とが効率よく接触して、加湿手段にお
いては効率よく空気中の湿度を上昇させ、且つ、化学汚
染物質を効率よく除去することができる。また、凝縮手
段においては、加湿手段から排出された空気中に残存す
る化学汚染物質が凝縮水中に効率よく取り込まれて除去
されることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
発明は、空気導入口と、水供給手段と、前後両面と上下
両面とが開口した金属製斜行ハニカムとを有しており、
前面が空気導入口を向き、且つ、導入された空気が内部
を通過するように前記金属製斜行ハニカムを配置し、前
記水供給手段が該金属製斜行ハニカムの上方に配置され
たことを特徴としている。
【0008】本発明の請求項2記載の発明は、空気導入
口と、水供給手段と、前後両面と上下両面とが開口した
金属製斜行ハニカムとを有しており、前面が空気導入口
を向き、且つ、導入された空気が内部を通過するように
前記金属製斜行ハニカムを配置し、該金属製斜行ハニカ
ムの上方には水供給手段が配置され、該水供給手段で供
給された水により前記空気を加湿すると共に、得られる
過剰な水分に化学汚染物質の少なくとも一部を取り込む
ことで、空気中から化学汚染物質を除去することを特徴
としている。
【0009】空気導入口と、水供給手段と、前後両面と
上下両面とが開口した金属製斜行ハニカムとを有してお
り、前面が空気導入口を向き、且つ、導入された空気が
内部を通過するように前記金属製斜行ハニカムを配置
し、該金属製斜行ハニカムの上方には水供給手段が配置
され、該水供給手段で供給された水により前記空気を除
湿すると共に、得られる凝縮水に化学汚染物質の少なく
とも一部を取り込むことで、空気中から化学汚染物質を
除去することを特徴としている。
【0010】加湿部と凝縮部とを有する空気清浄装置で
あって、加湿部と凝縮部の各々が、空気導入口と、水供
給手段と、前後両面と上下両面とが開口した金属製斜行
ハニカムとを有しており、前面が空気導入口を向き、且
つ、導入された空気が内部を通過するように前記金属製
斜行ハニカムを配置し、該金属製斜行ハニカムの上方に
は水供給手段が配置され、前記加湿部では水供給手段で
供給された水により前記空気を加湿すると共に、得られ
る過剰な水分に化学汚染物質の少なくとも一部を取り込
むことで、空気中から化学汚染物質を除去し、前記凝縮
部では水供給手段で供給された水により空気を除湿する
と共に、得られる凝縮水に化学汚染物質の少なくとも一
部を取り込むことで、空気中から化学汚染物質を除去す
ることを特徴としている。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明に係る空気清浄装置は、加
湿部と凝縮部とを有するものであり、加湿部中の加湿手
段又は凝縮部中の凝縮手段の一方又は両方に金属製斜行
ハニカムが用いられるものである。本発明に係る空気清
浄装置の実施形態は、金属製斜行ハニカムの用い方によ
り大きく4つに分類される。具体的には、金属製斜行ハ
ニカムが加湿手段及び凝縮手段の両方に用いられる第1
の実施形態、金属製斜行ハニカムが加湿手段のみに用い
られる第2の実施形態、金属製斜行ハニカムが凝縮手段
のみに用いられる第3の実施形態及び1台の金属製斜行
ハニカムで加湿と凝縮とを共に行う第4の実施形態が挙
げられる。
【0012】まず、第1の実施形態について図1を参照
して説明する。図1は、第1の実施形態に係る空気清浄
装置の概要を模式的に示す図であり、1は金属製斜行ハ
ニカム、5はブロアー、10は加湿部、11は第1空気
導入口、12は第1水供給手段、13は加湿手段、14
は第1空気排出口、15は第1水排出手段、16は第1
循環ポンプ、20は凝縮部、21は第2空気導入口、2
2は第2水供給手段、23は凝縮手段、24は第2空気
排出口、25は第2水排出手段、26は第2循環ポン
プ、30は温度及び湿度の調整手段、31はULPAフ
ィルター、32は加湿手段循環水溜め部、33は凝縮手
段循環水溜め部、40は空気清浄装置を示す。
【0013】本発明において、加湿部10は、第1空気
導入口11、第1水供給手段12、第1空気導入口11
から導入された空気を第1水供給手段12で供給された
水により加湿する加湿手段13、加湿された空気を排出
する第1空気排出口14及び加湿手段循環水溜め部32
に溜まった系内の水を系外に排出する第1水排出手段1
5を備えるものである。
【0014】加湿部10では、被処理空気が第1空気導
入口11から導入されると共に、第1空気排出口14か
ら排出され、一方、水は第1水供給手段12で加湿手段
13に供給されると共に第1水排出手段15から排出さ
れる。この際、加湿部10中の加湿手段13において、
被処理空気と水が接触するようになっており、これによ
り加湿部10系内の被処理空気の湿度が高くなるように
なっている。加湿部10は、このように横成されること
により、被処理空気を加湿すると共に、被処理空気中に
含まれる化学汚染物質の一部を該余分な水分中に取り込
んで除去する作用を示す。
【0015】本発明において、凝縮部20は、第1空気
排出口11に連設される第2空気導入口21、第2水供
給手段22、第2空気導入口21より導入された空気中
の水分を第2水供給手段22で供給された水により凝縮
する凝縮手段23、該凝縮後の空気を排出する第2空気
排出口24及び凝縮手段循環水溜め部33に溜まった系
内の水を系外に排出する第2水排出手段25を備えるも
のである。
【0016】凝縮部20では、被処理空気が第2空気導
入口21から導入されると共に、第2空気排出口24か
ら排出され、一方、水は第2水供給手段22で凝縮手段
23に供給されると共に、第2水排出手段25から排出
される。この際、凝縮部20中の凝縮手段23におい
て、被処理空気と水が接触するようになっており、これ
により凝縮部20系内の被処理空気の湿度が低くなるよ
うになっている。凝縮部20は、このように構成される
ことにより、被処理空気を所定の湿度まで除湿して除湿
の際に生じた凝縮水を排出すると共に、加湿部10で除
去されずに被処理空気中に残存する化学汚染物質を凝縮
水に可能な限り取り込んで除去する。
【0017】本発明において、化学汚染物質とは、高性
能(ULPA)フィルターの編み目を通過するような微
細な化学物質を意味し、例えば、ナトリウム、カリウ
ム、カルシウム、ホウ素等の無機質の金属元素、フッ素
イオン、塩化物イオン、硝酸イオン、亜硝酸イオン、硫
酸イオン、亜硫酸イオン等のアニオン類や、アンモニウ
ムイオン等のカチオン類等である。
【0018】第1の実施形態は、加湿手段13及び凝縮
手段23として金属製斜行ハニカム1が用いられる。当
該金属製斜行ハニカム1を図2を参照して説明する。金
属製斜行ハニカム1は、一方向に向かって伝播する波形
形状を有する波形シート2,3(以下、「コルゲート状
シート」ともいう。)が複数積層されてハニカム形状を
呈するものであって、積層されるコルゲート状シート
2,3は、波の伝播方向が一枚おきに斜めに交差するよ
うに積層され、且つ、二層おきのシートの波の伝播方向
がそれぞれ略同一方向になるように配置されたハニカム
状体である。
【0019】金属製斜行ハニカム1は、コルゲート状シ
ート2,3に平行な面に対して垂直な4面101〜10
4で切断して直方体を形成し、該切断面がコルゲート状
シート2,3の波の伝播方向と平行でなく、且つ、垂直
でもないようにした場合、該直方体を切断面の1つ10
4を下面にし、且つ、コルゲート状シート2,3の最外
層105,106をそれぞれ左右面にして載置すると、
切断面である前後両面102,103及び上下両面10
1,104の4面は全てハニカムセルが開口し、左右面
105,106はコルゲート状シート2,3で閉じられ
た構造を有する。すなわち、金属製斜行ハニカム1は、
前後両面102,103と、上下両面101,104と
が開口する構造を有するものである。また、該切断面
の、例えば前後両面102,103は、斜め上方向に延
設されるセルと斜め下方向に延設されるセルとが一層お
きに形成される。斜め方向に延設されるセルの前後両面
からみた場合の空気の流入、流出方向(水平方向)に対
する斜め角度(図中、符号X)は、通常15〜45度、
好ましくは25〜35度の範囲内にする。上記斜め角度
が該範囲内にあると、流下速度が適度の範囲となり接触
効率が向上するため好ましい。
【0020】上記金属製斜行ハニカム1において、積層
されたコルゲート状シート2,3の一層おきや波の伝播
方向が互いに交差する角度(図中、符号Y)は、通常3
0〜90度、好ましくは50〜70度である。このよう
にコルゲート状シート2,3を上記角度範囲内で交差す
るように積層すると、上記のように斜め角度(X)を上
記の15〜45度とした場合に、被処理空気及び水がハ
ニカムセルと実質的に接触する面積が大きくなるため、
被処理空気と水との接触、すなわち、加湿手段において
は被処理空気の加湿の効率、また、凝縮手段においては
被処理空気中の水分の凝縮による除湿の効率が高くなる
ため好ましい。後述するように、本発明において、被処
理空気は金属製斜行ハニカム1の前面開口部103から
導入され、また、水面開口部101から第1水供給手段
12、例えば、給水ダクト4により供給され金属製斜行
ハニカム1のコルゲート状シート2,3に浸透し、且
つ、該コルゲート状シート2,3の極く表面をゆっくり
と下方に流下するため、被処理空気の通気方向と浸透壁
面の水の流下方向とが適度の角度を保持し、接触効率が
高くなる。
【0021】本発明で用いられ金属製斜行ハニカム1の
セルの高さ、すなわち、波形の山と谷間の寸法を示すセ
ルの山高寸法は、通常2〜8mm、好ましくは3〜5m
mである。セルの山高寸法が2mm未満であると製造が
困難であり、圧力損失が大きくなるため好ましくない。
また、セルの山高寸法が8mmを越えると、化学汚染物
質の除去効率が低下するため好ましくない。
【0022】金属製斜行ハニカムのコルゲート状シート
の状態におけるセルの幅、すなわち、セルピッチは、通
常2.5〜12.0mm、好ましくは5〜10.0mm
である。また、金属製斜行ハニカムの前面開口部と後面
開口部との間の寸法、すなわち、金属製斜行ハニカム1
の厚さ(t)は、通常100〜1000mm、好ましく
は200〜800mmである。該厚さが100mm未満
であると、NO2 -等の除去効率が低下するため好ましく
なく、該厚さが1000mmを越えると化学汚染物質の
除去効率がこれ以上向上せず、圧力損失が大きくなるた
め好ましくない。梅雨時のように湿度が高い時期に、1
台のハニカムで化学汚染物質の除去と除湿を行う場合に
は、除湿を十分に行うために800mm程度の厚いもの
を使用した方がよい。なお、本発明において、金属製斜
行ハニカムの厚さは、斜行ハニカムを複数枚使用する場
合には、この合計の厚さが上記範囲内のものであればよ
い。例えば、厚さが300mmの金属製斜行ハニカムを
用いる場合には、厚さが100mmの金属製斜行ハニカ
ムを3枚厚さ方向に重ねて合計の厚さを300mmとし
てもよい。また、従来加湿手段として用いられていた水
シャワーは、装置の奥行きが数m必要であるが、加湿手
段として金属製斜行ハニカムを用いると、金属製斜行ハ
ニカム自体の厚さはせいぜい400mm程度であるた
め、装置の設置スペースを大幅に小さくすることができ
る。このような大幅な省スペース化は半導体製造工場等
の合理化の要求を満足する。さらに、水を循環するポン
プの能力は、従来の水シャワーのものと比較すると格段
に少なくて済み、大幅な省エネルギー化をも図ることが
できる。
【0023】本発明で使用される金属製斜行ハニカムの
材質は、強度、化学的安定性等が金属ハニカム担体に要
求される条件を満たすものでものであればよく、特に限
定されないが、例えば、ステンレス、アルミニウム、銅
等が挙げられる。厚さは10〜200μmで、10μm
より薄いと、強度や加工性が悪く、200μmを超える
と重く、しかも圧力損失が大きいという問題がある。好
ましい厚さは30〜100μmである。
【0024】本発明で用いられるコルゲート状シート
は、平板状金属箔をコルゲート加工してなるものであ
り、金属箔の面内の一方向に波が進行するように凹凸が
形成されたものである。ここでコルゲート加工とは、平
板状物を波形状物に加工することを意味する。
【0025】上記無機繊維基材をコルゲート状シートに
成形する方法としては、径方向に振幅する波形の凹凸が
表面に形成された複数の歯車間に平板状シートを通すよ
うな公知のコルゲーターを用いる方法が挙げられる。得
られたコルゲート状シートから上記金属製斜行ハニカム
を成形する方法としては、例えば、まず、上記コルゲー
ト状シートを縦100mm(成形後の厚み寸法)×横3
000mm程度の矩形の裁断型に対し、波の伝播方向が
矩形型の一辺に対して15〜45度になるように配置し
て裁断して矩形のコルゲート状シートを作製し、次い
で、得られた矩形のコルゲート状シートを1枚おきの波
の伝播方向が斜交するように配置し、これらを積層する
方法が挙げられる。なお、このようにして製造した場
合、上記裁断型の長さが金属製斜行ハニカム1枚の厚さ
となる。このため、例えば、加湿手段や凝縮手段に必要
な金属製斜行ハニカムの厚さ、すなわち、金属製斜行ハ
ニカムの前面開口部と後面開口部との間の寸法を300
mmとする場合には、縦100mmの裁断型で作製した
厚さ100mmの金属製斜行ハニカムを長さ方向に3枚
重ねて使用すればよい。
【0026】第1の実施形態では、加湿手段13及び凝
縮手段23に、前後両面と上下両面とが開口す金属製斜
行ハニカム1が、該金属製斜行ハニカム1の前面をそれ
ぞれ第1空気導入口11側及び第2空気導入口21側に
向けて、且つ、導入された空気が金属製斜行ハニカム1
の内部を通過するように配置され、さらに、該金属製斜
行ハニカム1の上面にそれぞれ第1水供給手段12及び
第2水供給手段22が設けられる。第1空気排出口14
と第2空気導入口21間はダクト等で連結される。
【0027】第1水供給手段12は、加湿部10に加湿
手段13として配置された金属製斜行ハニカム1の上面
開口部101に上面から水を供給する手段であり、ま
た、第2水供給手段22は、凝縮部20に凝縮手段23
として配置された金属製斜行ハニカム1の上面開口部1
01に上面から水を供給する手段である。該第1水供給
手段12又は第2水供給手段22としては、例えば、図
2に示すような給水ダクト4が挙げられる。加湿部10
に供給された水は、加湿手段13として配置された金属
製斜行ハニカム1を通過した後、第1水排出手段15か
ら加湿部10系外に排出され、また、凝縮部20に供給
された水は、凝縮手段23として配置された金属製斜行
ハニカム1を通過した後、第2水排出手段25から凝縮
部20系外に排出される。
【0028】第1の実施形態では、金属製斜行ハニカム
1をこのように配置することにより、第1空気導入口1
1又は第2空気導入口21から導入される被処理空気の
通気方向と、第1水供給手段12又は第2水供給手段2
2により供給される水301又は401の流下方向と
が、すなわち、被処理空気と水との接触方向が所定の角
度で交わるようになる。このため、加湿手段及び凝縮手
段とし金属製斜行ハニカムを用いると、被処理空気と水
との接触効率が従来の水シャワーを用いた加湿手段や冷
却器を用いた凝縮手段に比べて高くなり、被処理空気中
に含まれる化学汚染物質を効率よく除去することがで
き、装置の加湿手段及び凝縮手段の部分の奥行きを大幅
に小さくすることができる。
【0029】第1の実施形態においては、第1水排出手
段15による水の排出は配管15bを通り、第1循環ポ
ンプ16により加湿手段13へ循環供給されるものと、
加湿手段循環水溜め部32の堰部15aから放流(ov
er flow)されるものがある。配管15bと第1
水供給手段12とを第1循環ポンプ16で接続し、加湿
部10中で発生した余剰水302を第1水供給手段12
に供給する水301として再利用すると、省資源、低コ
スト、化学汚染物質の除去効率の管理等の点から好まし
い。また、加湿手段循環水溜め部32の容量を適宜に設
定し、連続又は間欠的に水302を系外へ放流し、且
つ、清浄な補給水を加えて希釈したりすることにより、
加湿手段13に供給される循環水中の汚染物質の濃度を
所定値以下に制御することができる。第2水排出手段2
5による水の排出は配管25bを通り、第2循環ポンプ
26により凝縮手段23へ循環供給されるものと、凝縮
手段循環水溜め部33の堰部25aから放流(over
flow)されるものがある点は、前記加湿部と同様
である。すなわち、凝縮部20においても、配管25b
と第2水供給手段22とを第2循環ポンプ26で接続
し、凝縮部20中で発生した凝縮水402を第2水供給
手段22に供給する水401として再利用することが好
ましく、凝縮手段循環水溜め部33の水401を放流し
たり、清浄水を補給したりする点は、前記と同様であ
る。なお、加湿部10や凝縮部20に供給された水は循
環使用することなく、1パスで放流する使用形態であっ
てもよい。
【0030】加湿部10と凝縮部20とは、これらの間
の被処理空気の導通が可能な範囲内で適宜仕切り50を
設けること等により、加湿部10と凝縮部20のそれぞ
れに循環する水が混合せずに、独立した系のものとする
ことが好ましい。このように水系を独立したものとする
ことにより、例えば、加湿部10と凝縮部20のそれぞ
れに同質の水を供給した場合でも排水中の化学汚染物質
の汚染の度合いが異なることがあるから、汚染の度合い
の高い系の水が他の系の水を汚染することがないため好
ましい。また、このように水系を独立したものとするこ
とにより、加湿部10と凝縮部20とに供給する水とし
て異質のものを用いても、排水を循環利用することが可
能になるため好ましい。
【0031】加湿部10に第1水供給手段12により供
給される水301としては、例えば、脱イオン水、市
水、工業用水等が挙げられる。このうち、化学汚染物質
の除去効率の点からは不純物をなるべく含まない水であ
る脱イオン水が好ましく、また、コストの点からは市水
や工業用水が好ましい。なお、第1の実施形態では加湿
部10で処理された空気が凝縮部20でも処理されるた
め、コストの点から第1水供給手段12に供給される水
301を市水又は工業用水とすることが好ましい。凝縮
部20に第2水供給手段22により供給される水401
としては、化学汚染物質を十分に除去する必要があるた
め、不純物をなるべく含まない水、例えば、脱イオン水
が挙げられる。脱イオン水は特に制限されず、市水又は
工業用水を前処理した後、イオン交換樹脂で処理した処
理水を用いることができる。
【0032】すなわち、第1水供給手段12及び第2水
供給手段22が脱イオン水供給手段であると、化学汚染
物質の除去効率の点から好ましい。また、第1水供給手
段12が市水供給手段又は工業用水供給手段であり、前
記第2水供給手段22が脱イオン水供給手段であると、
コストの点から好ましい。第1水供給手段12又は第2
水供給手段22に供給される水301,401の温度や
水の供給量は、被処理空気の通気量等に鑑みつつ、加湿
部10及び凝縮部20における温度、湿度が所望のもの
となるよう適宜設定する。ただし、絶対湿度は、加湿部
10内の方が凝縮部20よりも常に高いものとなるた
め、第1水供給手段12に供給される水301の水温
は、第2水供給手段22に供給される水401よりも高
くなる。
【0033】第1の実施形態では、図1に示すように、
必要により上記第2空気排出口24の後にさらに温度及
び湿度の調整手段30やULPAフィルター5を備える
ことができる。このように温度及び湿度の調整手段30
を設け、該手段30で処理された空気の排出部をクリー
ンルーム等に接続することにより、例えば、クリーンル
ームに必要とされる温度、湿度とすることできる。該温
度及び湿度の調整手段30としては、例えば、ヒータや
温水等が挙げられる。ヒータを用いる場合は、空気の温
度を上げるため処理により相対湿度は低下する。また、
温水を用いる場合は、温水を処理後空気に間接的又は直
接的に接触させればよい。例えば、温水を間接的に接触
させるには、熱交換器60等に温水を供給すればよい。
温水を間接的に接触させる場合は、処理後の空気の相対
湿度は低下するが、直接的に接触させる場合は条件の設
定いかんで、処理後の空気の相対湿度は低下の、上昇の
いずれにもすることができる。
【0034】次に、第1の実施形態における作用を説明
する。まず、被処理空気は、ダクトを通してブロアー5
等により加湿部10に導入される。加湿部10では、被
処理空気は加湿手段13である金属製斜行ハニカム1の
上部から水301が供給され、金属製斜行ハニカム1を
ゆっくりと流下してセル全体が水膜壁構造になっている
セルの表面と接触して、所定の温度に加温される。この
際、被処理空気は表面から蒸発する水分により加湿され
ると共に、一方では被処理空気中の化学汚染物質の一部
が水膜の水中に吸収される。この際、被処理空気から化
学汚染物質がある程度除去される。浸透水は金属製斜行
ハニカム1から流下したところで余剰水302となり、
第1水排出手段15により加湿部10の系内から排出さ
れる。
【0035】加湿部10を経て加湿された被処理空気は
凝縮部20に導入される。凝縮部20では、被処理空気
は第2水供給手段22により供給され、且つ、熱交換器
60等により加湿部10内よりも低温にされた水からな
ると共に、金属製斜行ハニカム1のセルの表面に形成さ
れた水膜により冷却される。この際に空気中の水分が凝
縮し、空気中に加湿部10内で除去されずに残存する化
学汚染物質が、略凝縮水402に取り込まれて供給水と
共に回収され、この結果、被処理空気中から化学汚染物
質が略除去される。上記の加湿部10内における水の温
度、及び凝縮部20内における水の温度は、前者が後者
よりも高いものであればよく、所望の湿度又は温度の空
気が得られるように、適宜調整すればよい。凝縮部20
による凝縮工程終了後は、そのまま又は温度及び湿度の
調整手段30で適宜湿度や温度を調整してクリーンルー
ム等に用いられる清浄空気として使用される。
【0036】なお、クリーンルーム内は、通常、温度が
23℃前後、相対湿度が40〜50%軽度に調節される
ため、クリーンルーム用の清浄空気を調製する場合、加
湿工程及び凝縮工程の条件は、上記凝縮工程後に得られ
る清浄空気は23℃前後に適宜加熱された際に、上記範
囲内の相対湿度になるように設定される。このようにし
て得られた23℃前後、且つ、相対湿度が40〜50%
程度の清浄空気クリーンルーム用空気として用いられ
る。
【0037】本発明の第1の実施形態によれば、金属製
斜行ハニカムを構成する波形状の金属板表面を流下する
水で加湿又は凝縮するために、循環使用等により化学汚
染物質を含むようになった循環水を用いる場合でも、該
循環水から化学汚染物質が再気散することがほとんどな
い。すなわち、従来の方法では、汚染物質を含む水をシ
ャワー状で噴霧するため、ミストが空気に取り込まれて
化学汚染物質の再飛散を引き起こしていた。これに対し
て、本発明の方法では、表面積の大きなハニカム表面の
水のみが蒸発し、一度水に取り込まれた化学汚染物質
は、水側に残るので、汚染物質の再飛散は起こりにくい
と考えられる。このため、金属製斜行ハニカムを加湿手
段に用いる場合には、上記のように脱イオン水のみなら
ず市水や工業用水を用いることができる。また、化学汚
染物質の除去効率が高いため、従来公知の水シャワー等
では1〜2程度必要であった液ガス比を0.1程度する
ことができる。また、加湿手段や凝縮手段に供給される
水を循環使用する場合に使用する水量が少なくて済み、
この結果、ポンプ容量等が小さくて済む。第1の実施形
態は、第2の実施形態又は第3の実施形態のいずれより
も化学汚染物質の除去効率や省スペース性に優れ、最も
好ましい形態である。
【0038】第2の実施形態について説明する。第2の
実施形態は、第1の実施形態において金属製斜行ハニカ
ムを加湿手段のみに用いるものであり、凝縮手段として
特に限定しないものである。該金属製斜行ハニカムを用
いると水と被処理空気との接触効率が高く、空気中の化
学汚染物質の除去効率が高いため、凝縮手段として通常
の冷却器等を用いたとしても、従来よりも化学汚染物質
の除去効率が高いと共に、加湿手段の分だけスペース効
率を向上させることができる。従来の水シャワーに比
べ、金属製斜行ハニカムの厚さは100〜400mm程
度で済むため、加湿部の厚さを従来の数分の1〜数十分
の1程度にすることができる。
【0039】第2の実施形態においては、第1の実施形
態の加湿部10と同様に、第1水排出手段15と第1水
供給手段12とを第1循環ポンプ16で接続し、第1水
排出手段15からの排水を第1水供給手段12に供給す
る水として再利用すると、第1の実施形態の加湿部10
と同様の点から好ましい。また、第1の実施形態の加湿
部10と同様の点から、加湿部10と凝縮部20とは、
これらの間の被処理空気の導通が可能な範囲内で適宜仕
切りを設けることが好ましい。
【0040】さらに、第1の実施形態の加湿部10と同
様の点から、加湿部10に第1水供給手段12により供
給される水としては、例えば、脱イオン水、市水、工業
用水等が挙げられる。このうち、第1の実施形態の加湿
部10と同様の点から、脱イオン水、市水や工業用水が
それぞれ好ましい。なお、第2の実施形態で化学汚染物
質の除去効率をなるべく高くするためには、脱イオン水
を用いることが好ましい。すなわち、第2の実施形態に
おいては、第1水供給手段12が脱イオン水供給手段で
あると、化学汚染物質の除去効率の点から好ましい。ま
た、第2の実施形態においては、第1の実施形態と同様
に、必要により第2空気排出口25の後にさらに温度及
び湿度の調整手段30を備えることができる。凝縮手段
を設けない場合は、第1空気排出口14の後に、温度及
び湿度の調整手段30を設けてもよい。第2の実施形態
は、従来公知の水シャワー等を用いる加湿手段に比べ
て、第1の実施形態において、加湿手段に金属製斜行ハ
ニカムを用いた効果と同様の効果を奏することができ
る。本例は、冬場の乾燥空気を被処理空気とする場合に
好適である。
【0041】第3の実施形態について説明する。第3の
実施形態は、第1の実施形態において金属製斜行ハニカ
ムを凝縮手段のみに用いるものであり、加湿手段として
特に限定しないものである。該金属製斜行ハニカムを用
いると水と被処理空気との接触効率が高く、空気中の化
学汚染物質の除去効率が高いため、加湿手段として通常
の水シャワー等を用いたとしても、従来よりも化学汚染
物質の除去効率が高いと共に、凝縮手段の分だけスペー
ス効率を向上させることができる。従来の熱交換器等の
冷却機に比べ、金属製斜行ハニカムの厚さは100〜4
00mm程度で済むため、凝縮部の厚さを従来の数分の
1〜数十分の1程度にすることができる。
【0042】第3の実施形態では、第1の実施形態の凝
縮部20と同様に、第2水排出手段25と第2水供給手
段22とを第2循環ポンプ26で接続し、第2水排出手
段25からの排水を第2水供給手段22に供給する水と
して再利用すると、第1の実施形態の凝縮部20と同様
の点から好ましい。また、第1の実施形態の凝縮部20
と同様の点から、加湿部10と凝縮部20とは、これら
の間の被処理空気の導通が可能な範囲内で適宜仕切りを
設けることが好ましい。
【0043】また、第1の実施形態の凝縮部20と同様
の点から、凝縮部20に第2水供給手段22により供給
される水としては、化学汚染物質を十分に除去する必要
があるため、不純物をなるべく含まない水、例えば、脱
イオン水が挙げられる。すなわち、第3の実施形態にお
いては、第2水供給手段が脱イオン水供給手段である
と、化学汚染物質の除去効率の点から好ましい。
【0044】第3の実施形態においては、凝縮手段とし
て金属製斜行ハニカムを用いる凝縮部での化学汚染物質
の除去効率が高いため、被処理空気の絶対湿度が高い場
合や被処理空気中の化学汚染物質の濃度が低い場合、さ
らに、処理後空気の化学汚染物質の許容濃度が高い場合
には、特に加湿手段を設けなくてもよい。特に梅雨時か
ら夏場にかけては空気が高温高湿であり、そのまま被処
理空気として供給できるため、本実施の形態は特に有効
である。この場合は低コスト化や省スペース性の点から
好ましいものとなる。また、第3の実施形態において
は、第1の実施形態と同様に、必要により第2空気排出
口24の後にさらに温度及び湿度の調整手段30を備え
ることができる。このため、第3の実施形態は、従来公
知の冷却器等を用いる凝縮手段に比べて、第1の実施形
態において凝縮手段に金属製斜行ハニカムを用いた効果
と同様の効果を奏することができる。
【0045】第4の実施の形態においては、前記第1空
気排出口14と前記第2空気導入口21とは一体的に連
接され、前記加湿及び前記凝縮を共に1台の金属製斜行
ハニカム1で順次行うものである。すなわち、被処理空
気は、給水ダクト4を通してブロアー5等により金属製
斜行ハニカム1の前面の第1空気導入口11に供給され
る。該金属製斜行ハニカム1の前段側は加湿領域とな
り、被処理空気は所定の湿度まで加湿され、該金属製斜
行ハニカム1内で飽和状態まで除湿されることとなる。
このため、前記加湿ゾーンで該空気中の化学汚染物質の
一部が過剰な水分に取り込まれると共に、前記除湿ゾー
ンにより、前記加湿ゾーンで除去されずに残存する化学
汚染物質が凝縮水に取り込まれて除去される。
【0046】第4の実施形態では、一つの水排出手段と
一つの水供給手段とを循環ポンプで接続し、水排出手段
からの排水を水供給手段に供給する水として再利用する
と、第1の実施形態の凝縮部20などと同様の点から好
ましい。また、加湿ゾーンや凝縮ゾーンに供給手段によ
り供給される水としては、化学汚染物質を十分に除去す
る必要があるため、不純物をなるべく含まない水、例え
ば、脱イオン水が挙げられる。すなわち、第4の実施形
態においては、水供給手段が脱イオン水供給手段である
と、化学汚染物質の除去効率の点から好ましい。
【0047】上記本発明に係る空気清浄装置は、例え
ば、半導体や液晶デバイスの製造工場、製薬工場やライ
フサイエンス関連設備等のクリーンルームに供給する空
気の空気清浄装置として用いることができる。また、特
に、半導体や液晶デバイスの製造工場において、当該装
置に使用される金属製斜行ハニカムの大きさは、例え
ば、縦1000〜5000mm、横1000〜5000
mm、厚さ100〜400mmのものが使用できる。
【0048】
【実施例】次に、実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はこれに限定されるものではな
い。
【0049】(実施例1〜10、比較例1〜3)表1〜
3に示す仕様の加湿手段及び凝縮手段を有する空気清浄
装置を作製し、これらをそれぞれ表4〜6に示す条件で
処理した結果、それぞれ表7〜9に示す結果が得られ
た。また、得られた清浄空気を表10〜12に示す条件
で加熱してクリーンルーム用の清浄空気を得た。結果を
表10〜12に示す。なお、実施例5〜9は、加湿ゾー
ンを設けずに被処理空気を直接に凝縮ゾーンに供給する
ものである。また、金属製斜行ハニカムは、表1〜3に
記載のSUS製コルゲート状のシートが、1層おきに交
差し、且つ、セルの斜め角度が空気の流入方向に対して
30度であるものを用いた。また、加湿手段で用いられ
る水と凝縮手段で用いられる水とはそれぞれ独立した系
とし、実施例4と比較例2については、それぞれの水は
循環使用し、実施例1〜3,5〜10及び比較例1,3
については1パスとした。また、補給水は、循環水中の
汚染物質が所定濃度以下になるように供給した。例え
ば、循環水中のアンモニアイオン濃度は、実施例3では
100ppb、実施例4では500ppbである。水中
のアンモニアイオン濃度が500ppbを越えると、従
来の水シャワーではアンモニアの気散が起こり、その吸
収除去率は著しく低下する(比較例2)。「エアオッシ
ャー」は水シャワーのことである。
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】
【表3】
【0053】
【表4】
【0054】
【表5】
【0055】
【表6】
【0056】
【表7】
【0057】
【表8】
【0058】
【表9】
【0059】
【表10】
【0060】
【表11】
【0061】
【表12】
【0062】
【発明の効果】本発明に係る空気清浄装置は、以下のよ
うな効果を奏する。 (1)ガス状化学汚染物質の除去効率が高い。 (2)安価な金属製斜行ハニカムの使用により、空気清
浄装置全体がコンパクトになるため、省資源であると共
に、処理コストを大幅に低減できる。 (3)使用する脱イオン水の量が少なくて済むため、脱
イオン水の製造コストやポンプ搬送能力を削減できる。 (4)処理する空気が空気清浄装置を通過する際の圧力
損失が小さいため、送風動力を低減できる。 (5)金属製斜行ハニカムを構成する波形状の金属板の
上を流下する水と被処理空気とを接触させるため、表面
積の大きなハニカム表面の水だけが蒸発し、一度水に取
り込まれてしまった化学汚染物質は水側に残るので、化
学汚染物質の再飛散は起こり難い。このため、被処理空
気を再汚染する恐れが少ない。 (6)金属製斜行ハニカムが金属製であるため壁の強度
を強くできるので、該斜行ハニカムの壁を薄くできる。 (7)金属製斜行ハニカムの壁を薄くできるので、圧力
損失を小さくできる。 (8)耐水性や流水による耐磨耗性を含めた耐久性に優
れる。 (9)空気と水の接触を金属製斜行ハニカムを介して行
うため、使用する金属板からのパーティクルが空気に混
入することがないので、クリーンルームへ送る空気の清
浄化に好適である。 (10)空気と水の接触を金属製斜行ハニカムを介して
行うため、使用する金属板からのアウトガスが空気に混
入することがないので、クリーンルームへ送る空気の清
浄化に好適である。 (11)空気と水の接触を金属製斜行ハニカムを介して
行うため、かび、藻類の発生がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る空気清浄装置の
概要を模式的に示す図である。
【図2】本発明の空気清浄装置で使用する金属製斜行ハ
ニカムを説明する図である。
【符号の説明】
1 金属製斜行ハニカム 10 加湿部 11 第1空気導入口 12 第1水供給手段 13 加湿手段 14 第1空気排出口 20 凝縮部 21 第2空気導入口 22 第2水供給手段 23 凝縮手段 40 空気清浄装置
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01D 53/77 F24F 7/06 C 4D052 F24F 7/00 B01D 53/34 116C 7/06 Fターム(参考) 3L053 BD04 3L058 BF05 4C080 AA05 BB01 CC01 HH09 JJ03 KK08 LL03 MM01 NN01 QQ17 4D002 AA12 AA13 AA18 AA22 AB02 AC10 BA02 BA14 CA07 CA13 DA35 EA02 4D020 AA10 BA23 CB10 CB33 4D052 AA00 AA08 BA05 BB01 FA01 HB01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 空気導入口と、水供給手段と、前後両面
    と上下両面とが開口した金属製斜行ハニカムとを有して
    おり、 前面が空気導入口を向き、且つ、導入された空気が内部
    を通過するように前記金属製斜行ハニカムを配置し、 前記水供給手段が該金属製斜行ハニカムの上方に配置さ
    れたことを特徴とする空気清浄装置。
  2. 【請求項2】 空気導入口と、水供給手段と、前後両面
    と上下両面とが開口した金属製斜行ハニカムとを有して
    おり、 前面が空気導入口を向き、且つ、導入された空気が内部
    を通過するように前記金属製斜行ハニカムを配置し、 該金属製斜行ハニカムの上方には前記水供給手段が配置
    され、 該水供給手段で供給された水により前記空気を加湿する
    と共に、 得られる過剰な水分に化学汚染物質の少なくとも一部を
    取り込むことで、空気中から化学汚染物質を除去するこ
    とを特徴とする空気清浄装置。
  3. 【請求項3】 空気導入口と、水供給手段と、前後両面
    と上下両面とが開口した金属製斜行ハニカムとを有して
    おり、 前面が空気導入口を向き、且つ、導入された空気が内部
    を通過するように前記金属製斜行ハニカムを配置し、 該金属製斜行ハニカムの上方には水供給手段が配置さ
    れ、 該水供給手段で供給された水により前記空気を除湿する
    と共に、 得られる凝縮水に化学汚染物質の少なくとも一部を取り
    込むことで、空気中から化学汚染物質を除去することを
    特徴とする空気清浄装置。
  4. 【請求項4】 加湿部と凝縮部とを有する空気清浄装置
    であって、 加湿部と凝縮部の各々が、空気導入口と、水供給手段
    と、前後両面と上下両面とが開口した金属製斜行ハニカ
    ムとを有しており、 前面が空気導入口を向き、且つ、導入された空気が内部
    を通過するように前記金属製斜行ハニカムを配置し、 該金属製斜行ハニカムの上方には前記水供給手段が配置
    され、 前記加湿部では水供給手段で供給された水により前記空
    気を加湿すると共に、得られる過剰な水分に化学汚染物
    質の少なくとも一部を取り込むことで、空気中から化学
    汚染物質を除去し、 前記凝縮部では水供給手段で供給された水により空気を
    除湿すると共に、 得られる凝縮水に化学汚染物質の少なくとも一部を取り
    込むことで、空気中から化学汚染物質を除去することを
    特徴とする空気清浄装置。
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