JPWO2002070762A1 - 分離組織を有する部材およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、互いに異なる組成の2つの領域からなる分離組織を有する部材およびその製造方法に関する。本発明でいう部材は、板材、棒材、線材、管材、粉体を含むものとする。
背景技術
金属系材料の用途が拡大され、しかも使用環境が厳しくなるにしたがい、材料に要求される特性も高度化、多様化している。そして、また、同一材料の各部で異なる特性が要求される場合もある。このような要求に対しては、材料に表面処理を行う方法や、異なる材質の材料を張り合わせたクラッド材あるいはサンドイッチ構造にするなどの手法が考えられてきた。しかしながら、これらの手法は、複雑な工程と高度な調整技術を必要とし、製造コストも高価になるという問題があった。
また、最近では、材料内部から表面にかけて、化学組成や組織が連続的あるいは段階的に変化し、それに伴い特性も変化する傾斜機能材料が考えられるようになってきている。例えば、遠心力、焼結プラズマ、プラズマ溶射等を利用して、金属とセラミックスの割合を徐々に変化させ組成と組織を傾斜化して、表層は高硬度で、耐摩耗性、耐熱性等を有し、内層は靱性に富む材料とする研究が進められている(例えば、ふぇらむ,Vol.6(2001),No.1,p9〜13)。このような傾斜機能材料の応用分野は極めて広く、また要求される特性も多種に亘っている。
このような傾斜機能材料として、例えば、Cuコアはんだボールがある。
近年、電子機器には、さらなる小型化、軽量化、高機能化、高速化等が要求されている。このような要求に伴い、小型で高密度実装が可能な半導体パッケージが必要とされ、なかでも多ピン化対応および実装が容易なプラスチック系パッケージとしてBGA(Ball Grid Array)パッケージが注目されている。
BGAパッケージの入出力端子には、通常、球体(粉体)である、はんだボールが使用されている。はんだボールとしては、Sn−37Pb共晶はんだボールや少量のAgを含有したSn−36Pb−2Agはんだボールを使用することが多い。しかし、最近では、BGAパッケージとプリント基板との間隔を精度よく調整することができるハードコアボールの要求が高まり、Cuを核として表面にSn−37Pb共晶はんだをめっき法でコーティングしたCuコアはんだボールが開発されている。Cuコアはんだボールは、熱伝導性がよく半導体デバイスの発熱をプリント基板にすばやく逃がすことができ、また電気伝導性にも優れているとされている。
発明の開示
しかしながら、まだ、同一材料内で、化学組成、組織を多様に変化させて、目的とする機能を発現できる材料を、安定してかつ安価に製造することができていないのが現状である。
また、最近では、パッケージの更なる小型化の観点から700μm以下というさらに小径のCuコアはんだボールが要求されている。しかし、上記した、表面にSn−37Pb共晶はんだをめっき法によりコーティングしたCuコアはんだボールでは、安定して製造できる大きさ(直径)はたかだか700μm前後であり、この方法では更なる小径化は難しいという問題がある。また、最近では、環境汚染の問題から、Cuコアはんだボールでも、表面には鉛フリーはんだを形成することが要望されている。
本発明は、上記した状況に鑑みて、例えば、中心部と表層部で異なる特性となるように、材料内で、組成が異なる領域を適正に制御できる、分離組織を有する部材およびその製造方法を提案することを目的とする。
また、本発明は、部材として、球状の粉体であるはんだボールに着目し、BGAパッケージ用はんだボールとして好適な分離組織を有する粉体(部材)およびその製造方法を提案することを目的とする。
本発明者らは、上記した課題を達成するため、図1に示すような、液相状態で、互いに組成の異なる2つの液相に分離する、液相2相分離型合金を利用すれば、異なる組成の領域を、例えば、中心部と表層部に、分離配置することができることに想到した。液相が2相に分離する合金としては、Cu−Fe系合金、Cu−Co系合金が知られている(例えば、Y.Nakagawa:ACTA METALLURGICA,Vol.6(1958),p.704〜711)。しかし、これらの合金系では、準安定な液相2相分離であり、安定して分離組織を得ることはできないという問題があった。本発明者らは、さらに種々検討した結果、異なる組成の領域を、例えば、中心部と表層部に、2分して分離配置した、分離組織を有する材料を安定して得るためには、つぎのような諸条件
▲1▼安定した液相2相分離を有する合金を使用すること、
▲2▼広い温度範囲の液相2相分離領域を有する合金を用いること、
▲3▼液相からの鋳込温度を高くすること、
▲4▼合金組成を、2つの液相が5体積%以上の液相量差を有する組成とすること
が満足されることが肝要であるという知見を得た。
そこで、本発明者らは、まず、Cu−Fe基合金、Cu−Cr基合金、Cu−Co基合金に着目し、安定な液相2相分離状態の形成に影響する因子について研究した。その結果、安定した液相2相分離の形成には、第3元素(X)の添加(種類、含有量)が重要であることを見いだした。さらに、X元素として、Cu−Fe基合金では、所定量の、C、Mo、Nb、V、Cr、W、Si、B、S、Ta、Bi、Ag、Snのうちから選ばれた1種または2種以上の含有が有効であることを確認した。また、Cu−Cr基合金では、X元素として、所定量の、Fe、C、Mo、Nb、S、B、V、W、Si、Sn、Ta、Ag、Coのうちから選ばれた1種または2種以上、Cu−Co基合金では、X元素として、所定量の、Fe、C、Mo、Nb、S、B、V、W、Si、Sn、Ta、Ag、Crのうちから選ばれた1種または2種以上、であることも見いだした。
また、本発明者らは、分離組織を有する粉体(部材)が、BGAパッケージ用はんだボールに適用できることに思い至った。そして、本発明者らは、粉体の表層を鉛フリーのはんだ組成とし、コア層を電気伝導性、熱伝導性に優れた組成の分離組織とするために、Cu−Bi基合金、Al−Sn基合金に着目し、安定な液相2相分離状態の形成に影響する因子について研究した。その結果、安定した液相2相分離の形成には、第3元素(X)の添加(種類、含有量)が重要であることを見いだした。さらに、X元素として、Cu−Bi基合金、Al−Sn基合金では、所定量の、Sn、In、Ag、Sb、Zn、Al、Bi、Cu、Niの含有が有効であることを確認した。
本発明は、上記した知見に基づいて、さらに検討を加えて完成されたものである。
すなわち、本発明の要旨は、つぎのとおりである。
(1)合金で構成された部材であって、該部材が、互いに異なる組成の2つの領域からなる分離組織を有することを特徴とする分離組織を有する部材。
(2)(1)において、前記合金が、液相状態で互いに組成の異なる2つの液相に分離する、液相の2相分離を示し、かつ該液相の2相分離を示す領域の、最高温度Tcと最低温度Tdの差、ΔTで10℃以上を有することを特徴とする分離組織を有する部材。
(3)(1)または(2)において、前記合金が、前記互いに異なる組成の2つの液相の体積率の差が5%以上となる平均組成を有することを特徴とする分離組織を有する部材。
(4)(1)ないし(3)のいずれかにおいて、前記部材が、前記合金の溶湯を噴霧、急冷して得られた分離組織を有する粉体であることを特徴とする部材。
(5)(4)に記載の粉体である部材を使用して、成形、あるいはさらに焼結してなる部品。
(6)(1)ないし(4)のいずれかにおいて、前記合金がCu−Fe−X基合金、Cu−Cr−X基合金あるいはCu−Co−X基合金のいずれかであることを特徴とする分離組織を有する部材。
(7)(6)において、前記Cu−Fe−X基合金の、Feが質量%で15〜85%、Xが、質量%で、C:0.02〜2.0%、Mo:2〜20%、Nb:2〜20%、V:4〜20%、Cr:4〜30%、W:2〜20%、Si:4〜20%、B:0.2〜10%、S:0.2〜10%、Ta:2〜20%、Bi:1〜20%、Ag:2〜20%、Sn:2〜20%のうちから選ばれた1種または2種以上であることを特徴とする分離組織を有する部材。
(8)(6)において、前記Cu−Cr−X基合金の、Crが質量%で15〜85%、Xが、質量%で、Fe:4〜20%、C:0.02〜2.0%、Mo:2〜20%、Nb:2〜20%、S:0.2〜10%、B:0.2〜10%、V:4〜20%、W:2〜20%、Si:4〜20%、Sn:2〜20%、Ta:2〜20%、Ag:2〜20%、Co:2〜20%のうちから選ばれた1種または2種以上であることを特徴とする分離組織を有する部材。
(9)(6)において、前記Cu−Co−X基合金の、Coが質量%で15〜85%、Xが、質量%で、Fe:4〜20%、C:0.02〜2.0%、Mo:2〜20%、Nb:2〜20%、S:0.2〜10%、B:0.2〜10%、V:4〜20%、W:2〜20%、Si:4〜20%、Sn:2〜20%、Ta:2〜20%、Ag:2〜20%、Cr:2〜20%のうちから選ばれた1種または2種以上であることを特徴とする分離組織を有する部材。
(10)(1)ないし(3)のいずれかにおいて、前記部材が、棒状体、線材、板状体のうちのいずれかであることを特徴とする分離組織を有する部材。
(11)(1)ないし(4)のいずれかにおいて、前記合金に代えて、セラミックスとすることを特徴とする分離組織を有する部材。
(12)液相状態で互いに組成の異なる2つの液相に分離する、液相の2相分離を示し、かつ該液相の2相分離を示す領域の、最高温度Tc(℃)と最低温度Td(℃)の差、ΔTで10℃以上を有する合金の溶湯を、前記Tc+10℃以上の温度から、所定の形状に鋳込み、互いに異なる組成の2つの領域からなる分離組織を生成させることを特徴とする分離組織を有する部材の製造方法。
(13)(12)において、前記合金が、前記2つの液相の体積率の差が5%以上となる平均組成を有することを特徴とする部材の製造方法。
(14)(12)または(13)において、前記所定の形状に鋳込みに代えて、噴霧、急冷して、分離組織を生成させた粉体とすることを特徴とする部材の製造方法。
(15)(12)または(13)において、前記所定の形状が、棒状、線状、板状のうちのいずれかであることを特徴とする部材の製造方法。
(16)(12)ないし(15)のいずれかにおいて、前記合金が、Cu−Fe−X基合金、Cu−Cr−X基合金、あるいはCu−Co−X基合金であることを特徴とする部材の製造方法。
(17)(16)において、前記Cu−Fe−X基合金の、Feが質量%で15〜85%、Xが、質量%で、C:0.02〜2.0%、Mo:2〜20%、Nb:2〜20%、V:4〜20%、Cr:4〜30%、W:2〜20%、Si:4〜20%、B:0.2〜10%、S:0.2〜10%、Ta:2〜20%、Bi:1〜20%、Ag:2〜20%、Sn:2〜20%のうちから選ばれた1種または2種以上であることを特徴とする部材の製造方法。
(18)(16)において、前記Cu−Cr−X基合金の、Crが質量%で15〜85%、Xが、質量%で、Fe:4〜20%、C:0.02〜2.0%、Mo:2〜20%、Nb:2〜20%、S:0.2〜10%、B:0.2〜10%、V:4〜20%、W:2〜20%、Si:4〜20%、Sn:2〜20%、Ta:2〜20%、Ag:2〜20%、Co:2〜20%のうちから選ばれた1種または2種以上であることを特徴とする部材の製造方法。
(19)(16)において、前記Cu−Co−X基合金の、Coが質量%で15〜85%、Xが、質量%で、Fe:4〜20%、C:0.02〜2.0%、Mo:2〜20%、Nb:2〜20%、S:0.2〜10%、B:0.2〜10%、V:4〜20%、W:2〜20%、Si:4〜20%、Sn:2〜20%、Ta:2〜20%、Ag:2〜20%、Cr:2〜20%のうちから選ばれた1種または2種以上であることを特徴とする部材の製造方法。
(20)(4)において、前記部材が、はんだボールであって、前記粉体の前記分離組織が、鉛フリーのはんだ組成からなる表層と、電気伝導性と熱伝導性に優れた組成のコア層と、からなることを特徴とする部材。
(21)(20)において、前記コア層が、CuまたはAlを主成分とする組成を有することを特徴とする部材。
(22)(20)において、前記合金が、Cu−Bi−X基合金、Al−Sn−X基合金、あるいはAl−In−X基合金のいずれかであることを特徴とする部材。
(23)(22)において、前記Cu−Bi−X基合金の、Biが質量%で5〜70%、Xが、質量%で、Sn:0.1〜30%、In:0.1〜30%、Ag:0.1〜30%、Sb:0.1〜30%、Zn:0.1〜30%、Al:0.1〜30%のうちから選ばれた1種または2種以上であることを特徴とする部材。
(24)(22)において、前記Al−Sn−X基合金の、Snが質量%で5〜90%、Xが、質量%で、Bi:0.1〜30%、In:0.1〜30%、Ag:0.1〜30%、Sb:0.1〜30%、Zn:0.1〜30%、Cu:0.1〜30%、Ni:0.1〜15%のうちから選ばれた1種または2種以上であることを特徴とする部材。
(25)(22)において、前記Al−In−X基合金の、Inが質量%で10〜90%、Xが、質量%で、Sn:0.1〜30%、Bi:0.1〜30%、Cu:0.1〜30%、Ag:0.1〜30%、Sb:0.1〜30%、Zn:0.1〜30%、Ni:0.1〜15%のうちから選ばれた1種または2種以上であることを特徴とする部材。
(26)(14)において、前記部材が、はんだボールであって、前記粉体の前記分離組織が、鉛フリーのはんだ組成からなる表層と、電気伝導性と熱伝導性に優れた組成のコア層と、からなることを特徴とする部材の製造方法。
(27)(26)において、前記コア層が、CuまたはAlを主成分とする組成を有することを特徴とする部材の製造方法。
(28)(26)または(27)において、前記粉体が、平均粒径で700μm以下の粉体であることを特徴とする部材の製造方法。
(29)(26)ないし(28)のいずれかにおいて、前記合金が、Cu−Bi−X基合金、Al−Sn−X基合金、あるいはAl−In−X基合金のいずれかであることを特徴とする部材の製造方法。
(30)(29)において、前記Cu−Bi−X基合金の、Biが質量%で5〜70%、Xが、質量%で、Sn:0.1〜30%、In:0.1〜30%、Ag:0.1〜30%、Sb:0.1〜30%、Zn:0.1〜30%、Al:0.1〜30%のうちから選ばれた1種または2種以上であることを特徴とする部材の製造方法。
(31)(29)において、前記Al−Sn−X基合金の、Snが質量%で5〜90%、Xが、質量%で、Bi:0.1〜30%、In:0.1〜30%、Ag:0.1〜30%、Sb:0.1〜30%、Zn:0.1〜30%、Cu:0.1〜30%、Ni:0.1〜15%のうちから選ばれた1種または2種以上であることを特徴とする部材の製造方法。
(32)(29)において、前記Al−In−X基合金の、Inが質量%で10〜90%、Xが、質量%で、Sn:0.1〜30%、Bi:0.1〜30%、Cu:0.1〜30%、Ag:0.1〜30%、Sb:0.1〜30%、Zn:0.1〜30%、Ni:0.1〜15%のうちから選ばれた1種または2種以上であることを特徴とする部材の製造方法。
発明を実施するための最良の形態
本発明の分離組織を有する部材は、合金で構成された部材であって、互いに異なる組成の2つの領域からなる分離組織を有する。本発明の部材は、粉末(粉体)、棒状体、線材、板状体、管状体のうちのいずれでもよい。なお、本発明の部材には、鋳造まま、あるいは鋳造ままの部材をさらに、熱間、温間、冷間のいずれかで圧延、鍛造等の加工を施した部材が含まれることはいうまでもない。なお、本発明では合金に代えてセラミックスとしてもよい。
図2に、本発明の部材の一例として、Cu−Fe−X基合金製の棒状体(部材)についての縦断面組織の一例を模式的に示す。斜線部が、Cuリッチ相の領域、その他がFeリッチ相の領域であり、2つの組成の異なる領域に分離された組織となっている。図2(a)の棒状体(丸棒)の例では、表面側がFeリッチ相領域、中心部がCuリッチ相領域と、組成の異なる領域に分離した組織となっている。Cuリッチ相領域、Feリッチ相領域は、製造条件により、反転させることができる。
図2(b)の棒状体(丸棒)の例では、下層側がCuリッチ相領域、上層側がFeリッチ相領域と、上下に組成の異なる領域に分離した組織となっている。図示はしていないが、Cu−Fe−X基合金製粉体の場合には、一つの粒子内で表面部と中心部とで組成の異なる2つの領域(Cuリッチ相領域とFeリッチ相領域との2相)に分離した状態となる。
このような分離組織を有する部材とするためには、まず、使用する合金を、安定な液相2相分離を有する合金とする必要がある。そして、安定な液相2相分離を有し、かつ液相の2相分離を示す領域の、最高温度Tc(℃)と最低温度Td(℃)の差、ΔTが10℃以上を有する合金を使用することが好ましい。ここで、Tc、Tdは、図1に模式的に示すように、それぞれ液相2相分離を示す領域の、最高温度、最低温度である。分離組織は、ΔTが大きいほど、すなわち液相2相分離の温度領域が広いほど、分離組織の出現が容易となる。ΔTが10℃未満では、分離温度範囲が狭く、凝固中に2相分離する時間が十分でなく、安定した分離組織が出現しにくくなる。
また、本発明では、使用する合金は、上記した安定な液相2相分離を有し、かつ液相の2相分離を示す領域の、最高温度Tc(℃)と最低温度Td(℃)の差、ΔTが10℃以上を有する合金であって、さらにその平均組成を、分離した2種類の液相の体積率の差が5%以上となる組成とするのが好ましい。
例えば、Cu−Fe−X基合金を例に、分離組織の形成状況におよぼす、2類の液相の体積率の差の影響を図3に示す。Cuリッチ相とFeリッチ相(Fe−X)の各液相の体積率、VCu、VFe−Xの差、ΔVL=VCu−VFe−XまたはVFe−X−VCuが、5%以上の図3(a)、(c)では明確な分離組織が得られている。Cuリッチ相とFeリッチ相(Fe−X)のうち、液相量の多いほうが表層側に、少ないほうが中心部に配置される。一方、ΔVL=0の図3(b)では、組織(組成)が、中心部と表層部とに明確に2分されていない。なお、組成の異なる2つの液相の液相量は、状態図から計算により求めるものとする。
このように、本発明の部材は、安定した液相2相分離を有する、好ましくは上記した液相2相分離領域を有する成分系で、あるいはさらに上記した組成(平均組成)の合金で構成され、互いに異なる組成の2つの領域からなる分離組織を有する部材である。
上記したような、安定な液相2相分離を有する合金としては、Cu−Fe−X基合金、Cu−Cr−X基合金、Cu−Co−X基合金、Ag−Ti−X基合金、Al−Bi−X基合金などが例示される。また、はんだボール用として好適な、Cu−Bi−X基合金、Al−Sn−X基合金、あるいはAl−In−X基合金などがある。
上記した合金以外にも、液相2相分離が出現する系としては、液相に安定な2相分離がある系に加え、固相と液相の2相共存温度および組成が大きい系が含まれ、次のような合金(基系)、
Ag−B基系、Ag−Bi基系、Ag−Cr基系、Ag−Co基系、Ag−Fe基系、Ag−Mo基系、Ag−Ni基系、Ag−S基系、Ag−V基系、Al−Bi基系、Al−Cd基系、Al−In基系、Al−Pb基系、Al−Sn基系、Au−B基系、Ba−Ni基系、Ba−Y基系、Be−Ga基系、Be−Ge基系、Be−Zn基系、Bi−Cr基系、Bi−Cu基系、Bi−Ga基系、Bi−Ge基系、Bi−Si基系、Bi−Zn基系、Cd−Ge基系、Cd−Si基系、Co−In基系、Cr−Dy基系、Cr−Gd基系、Cr−La基系、Cr−Nd基系、Cr−Sn基系、Cr−Sm基系、Cr−Y基系、Cu−V基系、Fe−In基系、Fe−Sn基系、In−V基系、Nd−V基系、Ni−Pb基系、Sn−P基系、Pb−Si基系、Pb−Zn基系、Sb−S基系、Si−Zn基系、Ti−Y基系が例示できる。
なかでも、Cu−Fe−X基合金は、第3元素Xとして、所定量の、C、Mo、Nb、V、Cr、W、Si、B、S、Ta、Bi、Ag、Snのうちから選ばれた1種または2種以上を含有することにより、広範囲な、安定した液相2相分離を示すようになる。
Cu−Fe−X基合金における第3元素Xとしては、質量%で、C:0.02〜2.0%、Mo:2〜20%、Nb:2〜20%、V:4〜20%、Cr:4〜30%、W:2〜20%、Si:4〜20%、B:0.2〜10%、S:0.2〜10%、Ta:2〜20%、Bi:1〜20%、Ag:2〜20%、Sn:2〜20%のうちから選ばれた1種または2種以上とすることが好ましい。以下、質量%は単に%で記す。
なお、Cu−Fe−X基合金においては、第3元素Xがそれぞれ上記した範囲を外れると、安定した液相2相分離状態とならず、凝固後、組成の異なる領域に明瞭に分離しなくなり、分離組織の形成が困難となる場合や、液相2相分離を示す領域の最高温度が高い温度となり、通常の方法では溶解が困難となり、分離組織の形成が簡単には得られない。
また、Cu−Fe−X基合金においては、上記した第3元素に加えて、第4元素として、2〜8質量%のNiを含有することが好ましい。第4元素として、上記した範囲のNiを含有しても、分離組織の形成には何の影響も与えることはなく、むしろ耐食性、耐摩耗性、導電性を顕著に改善する効果を示し、さらに融点を低下させる等の効果がある。優れた耐食性、耐摩耗性、導電性等が要求される場合には、第4元素としてNiを添加することは有効である。
なお、上記した元素以外にも、例えば耐酸化性向上のためのAlのように分離組織の形成には寄与しないが、その他の特性を向上させるために添加することが有効な元素があり、本発明ではこのような第4元素の含有を含むものとする。
また、Cu−Cr−X基合金においては、第3元素Xとして、Fe:4〜20%、C:0.02〜2.0%、Mo:2〜20%、Nb:2〜20%、S:0.2〜10%、B:0.2〜10%、V:4〜20%、W:2〜20%、Si:4〜20%、Sn:2〜20%、Ta:2〜20%、Ag:2〜20%、Co:2〜20%のうちから選ばれた1種または2種以上を含有することにより、広範囲な、安定した液相2相分離を示すようになる。第3元素Xがそれぞれ上記した範囲を外れると、同様に、安定した液相2相分離状態とならず、凝固後、組成の異なる領域に明瞭に分離しなくなり、分離組織の形成が困難となる。なお、第3元素Xの含有量に応じ、Crは15〜85質量%の範囲とし、残部Cuおよび不可避的不純物とすることが好ましい。
また、Cu−Co−X基合金においては、第3元素Xとして、質量%で、Fe:4〜20%、C:0.02〜2.0%、Mo:2〜20%、Nb:2〜20%、S:0.2〜10%、B:0.2〜10%、V:4〜20%、W:2〜20%、Si:4〜20%、Sn:2〜20%、Ta:2〜20%、Ag:2〜20%、Cr:2〜20%のうちから選ばれた1種または2種以上を含有することにより、広範囲な、安定した液相2相分離を示すようになる。第3元素Xがそれぞれ上記した範囲を外れると、同様に、安定した液相2相分離状態とならず、凝固後、組成の異なる領域に明瞭に分離しなくなり、分離組織の形成が困難となる。なお、第3元素のXの含有量に応じ、Coは15〜85質量%の範囲とし、残部Cuおよび不可避的不純物となることが好ましい。
また、本発明では、上記したような合金に代えて、安定した液相2相分離を有する、セラミックス系とすることもできる。安定した液相2相分離を有するセラミックス系としては、SnO2−TiO2系、Al2O3−Cr2O3系、Al2O3−Cr2O3−Fe2O3系、CoFe2O3−Co3O4系、SiO2−Li2O系、SiO2−Na2O系、BaO−SiO2系などが考えられる。
また、とくに、分離組織を有する部材(粉体)として、鉛フリーのはんだ組成からなる表層と、電気伝導性と熱伝導性に優れた組成のコア層とからなる分離組織を有する、卵型コア構造(以下、卵型構造ともいう)の粉体は、はんだボールとすることが好ましい。なお、本発明でいう、「はんだ組成」とは、450℃以下の液相線温度を有する合金組成をいうものとする。
本発明のはんだボールの断面組織の一例を図12に示す。図12に示すはんだボールは、35質量%Cu−50%質量Bi−15質量%Sn組成の、卵型コア構造(コア構造あるいは卵型構造ともいう)を有するはんだボールである。このはんだボールは、Sn,Biリッチのはんだ組成(具体的には、9質量%Cu−6質量%Sn−残部Bi)の表層と、Cu,Snリッチ組成(具体的には、6質量%Bi−13質量%Sn−残部Cu)のコア層とからなる分離組織を有する粉体である。この粉体は、直径約80μmであり、直径700μm以下の小径の粉体となっている。
このような分離組織を有する粉体(はんだボール)とするためには、上記したと同様にまず、使用する合金を、上記した、安定な液相2相分離を有し、かつ液相の2相分離を示す領域の、最高温度Tc(℃)と最低温度Td(℃)の差、ΔTが10℃以上を有し、さらにその平均組成を、分離した2種類の液相の体積率の差が5%以上となる合金で、表層が鉛フリーのはんだ組成となり、コア層が電気伝導性と熱伝導性に優れた組成となる合金とする必要がある。なお、電気伝導性と熱伝導性に優れた組成とは、CuあるいはAlを主成分とする組成とすることが好ましい。
はんだボールに好適な、このような合金としては、本発明では、Cu−Bi−X基合金、Al−Sn−X基合金、あるいはAl−In−X基合金のいずれかとすることが好ましい。
そして、Cu−Bi−X基合金では、第3元素Xとして、質量%で、Sn:0.1〜30%、In:0.1〜30%、Ag:0.1〜30%、Sb:0.1〜30%、Zn:0.1〜30%、Al:0.1〜30%のうちから選ばれた1種または2種以上を含有することが好ましい。これにより合金は、広範囲な、安定した液相2相分離を示すようになる。上記した第3元素Xの含有量に応じ、Biは質量%で5〜70%、Cuは質量%で20〜80%の範囲、残部は不可避的不純物とすることが好ましい。
上記した組成とすることにより、表層が、50〜95質量%Bi−1〜30質量%Xのはんだ組成となる。一方、コア層は80〜99質量%Cu−0.1〜10質量%Biの電気伝導性と熱伝導性に優れた組成となる。なお、第3元素Xがそれぞれ上記した範囲を外れると、安定した液相2相分離状態とならず、凝固後、分離組織の形成が困難となる場合や、表層がはんだ組成となりにくい場合がある。
また、Al−Sn−X基合金では、第3元素Xとして、質量%で、Bi:0.1〜30%、In:0.1〜30%、Ag:0.1〜30%、Sb:0.1〜30%、Zn:0.1〜30%、Cu:0.1〜30%、Ni:0.1〜15%のうちから選ばれた1種または2種以上を含有することが好ましい。これにより、広範囲な、安定した液相2相分離を示すようになる。上記した第3元素Xの含有量に応じ、Snは質量%で5〜90%、Alは質量%で5〜50%の範囲、残部は不可避的不純物とすることが好ましい。上記した組成とすることにより、表層が、20〜95質量%Sn−1〜50質量%Xのはんだ組成となる。一方、コア層は80〜99質量%Al−1〜20質量%Snの電気伝導性と熱伝導性に優れた組成となる。なお、第3元素Xがそれぞれ上記した範囲を外れると、安定した液相2相分離状態とならず、凝固後、分離組織の形成が困難となる場合や、表層がはんだ組成となりにくい場合がある。
また、Al−In−X基合金では、第3元素Xとして、質量%で、Sn:0.1〜30%、Bi:0.1〜30%、Cu:0.1〜30%、Ag:0.1〜30%、Sb:0.1〜30%、Zn:0.1〜30%、Ni:0.1〜15%のうちから選ばれた1種または2種以上を含有することが好ましい。これにより、広範囲な、安定した液相2相分離を示すようになる。上記した第3元素Xの含有量に応じ、Inは質量%で10〜90%、Alは質量%で5〜50%の範囲、残部は不可避的不純物とすることが好ましい。上記した組成とすることにより、表層が、20〜95質量%In−1〜50質量%Xのはんだ組成となる。一方、コア層は80〜99質量%Al−1〜20質量%Inの電気伝導性と熱伝導性に優れた組成となる。なお、第3元素Xがそれぞれ上記した範囲を外れると、安定した液相2相分離状態とならず、凝固後、分離組織の形成が困難となる場合や、表層がはんだ組成となりにくい場合がある。
なお、上記した合金系はいずれも、上記したような安定した液相2相分離の条件を十分に満足している。
つぎに、このような分離組織を有する部材の製造方法について、説明する。
まず、安定した液相2相分離を有する、好ましくは上記した、ΔTが10℃以上の液相2相分離領域を有する成分系で、あるいはさらに上記した、分離した2種の液相の体積率の差が5%以上となる組成(平均組成)の合金溶湯を、溶製する。溶製方法は、とくに限定する必要はなく、通常公知の溶製方法がいずれも適用できる。
合金溶湯は、ついで所定の形状、所定の材質の鋳型に鋳込まれる。なお、本発明では、鋳込み温度が分離組織の形成に大きく影響する。鋳込温度は、Tc+10℃以上の温度とするのが好ましい。鋳込温度がTc+10℃未満と低すぎると、組成の異なる領域に2分された明確な分離組織が得られない。
Cu−Fe−X系合金を例にとり、このような分離組織の形成に及ぼす鋳込温度の影響を模式的に図4、図5に示す。図4、図5は、Cu−Fe−X三元系合金溶湯を溶製し、鋳込温度を変化して金属製鋳型(金型)に鋳込み円柱状部材(円柱体)とした。得られた円柱状部材(円柱体)の横断面について、マクロ組織を観察し、その結果を模式的に示したものである。図4はFeリッチ相の液相量が多い場合、図5は、Cuリッチ相液相量が多い場合である。
図4、図5から、鋳込温度が高い場合((a)と(b))には、Feリッチ相が円柱状部材(円柱体)の表面側に形成され、内部はCuリッチ相となるが、鋳込温度が低下するにしたがって((c)と(d))、Feリッチ相とCuリッチ相の分離が明確でなくなり、Cuリッチ相が内部で分散した状態で形成されるようになる。
このようなことから、本発明では、鋳込温度を、液相2相分離を示す領域の最高温度Tc(℃)を基準として、Tc+10℃以上の温度とする。Tc+10℃未満では、分離組織の形成が不十分となる。
また、本発明では、合金溶湯を注入する鋳型として、凝固時の冷却速度が比較的遅い、例えば、黒鉛製坩堝を用いると、上記した組成のいずれも、Cu−Fe−X基合金溶湯を棒状体鋳型に鋳込む場合、図2(b)に示すようなCuリッチ相とFeリッチ相とに上下二分された分離組織が得られる。一方、鋳型として、凝固時の冷却速度が速い、例えば、金属製鋳型(金型)を用いると、図2(a)に示すように、部材の表面側がFeリッチ相、内部がCuリッチ相(あるいはその逆)となる分離組織を形成する。使用する鋳型の材質により、すなわち凝固時の冷却速度によっても分離組織の形態が変化することもあり、鋳型材質の選定を適正にする必要がある。
また、本発明では、上記した範囲の組成に溶製した合金溶湯を、アトマイズ法を利用して、粉体(粉末)とすることにより、棒状体、線材等と同様に、表層と中心部で組成の異なる組織に2分された、分離組織を有する微細な粉末粒子を容易に製造することができる。アトマイズ法は、合金溶湯を噴霧・急冷して微細粉末とする粉体の製造方法であり、水アトマイズ法、ガスアトマイズ法、真空アトマイズ法等があり、粉体の量産に利用されている。これらの方法は、いずれも、本発明の部材(粉体)の製造においても好適に利用できるが、本発明では上記した方法に限定されるものではないことはいうまでもない。
水アトマイズ法は、合金溶湯を高圧の水ジェットで噴霧、急冷して粉体を得る方法であり、ガスアトマイズ法は水に代えて、高圧のN2ガスやArガスで噴霧する方法である。
合金溶湯を噴霧・急冷するアトマイズ法により、製造される微細粉末は、通常、100μm〜500μm以下程度の平均粒径を有するが、ガスの種類、ガスの噴霧圧、あるいはノズル穴の径を調整することにより、容易に平均粒径300μm以下の微細粉末とすることができる。例えば、ガスの種類として、N2ガス、Heガス等の原子(分子)量の小さいガスを使用し、ガス圧を高め、ノズル径を小さくすることが微細粉末の生成には好ましい。なお、BGAパッケージ用はんだボールにおけるように、さらに粒径ばらつきを少なくする必要がある場合には、篩等の分級により一定範囲の粒径のみを有する粉体としてもよい。
図6には、分離組織を有する粉末粒子の断面組織の一例を示す。図6に示す粉末粒子は、質量%で、60%Cu−31.8%Fe−7.2%Cr−1%Cを含有する、Cu−Fe−X基合金溶湯をガスアトマイズ法で噴霧、急冷して得られた、平均粒径約250μmの粉末粒子である。この粉末粒子は、表面側がFeリッチ相、中心部がCuリッチ相と、組成の異なる領域に明瞭に2分された分離組織を示している。
また、図7には、質量%で、60%Cu−32%Fe−8%Siを含有する、Cu−Fe−X基合金溶湯をガスアトマイズ法で噴霧、急冷して得られた粉末粒子の断面組織写真を示す。この粉末粒子は、表面側がCuリッチ相、中心部がFeリッチ相と、組成の異なる領域に明瞭に2分された分離組織を示している。
本発明によれば、このような分離組織を有する粉体(粉末)が容易に製造できるが、例えば、表層側をCuリッチ相とし、中心側をFeリッチ相とすることにより、焼結促進剤としての用途が考えられる。また、表層側をCuリッチ相等の高導電率を有する組成とし、中心側を例えばFeリッチ相とする粉体を焼結することにより、高強度を有する導電材料とすることも可能となる。
このような分離組織を有する粉体(粉末)は、合金系の選択によりその応用範囲は極めて広く、上記したようにBGAパッケージ用ボールとして、粉末のまま使用してもよいが、所定の形状の金型に装入され、加圧成形されたのち、必要に応じ焼結されて、所望の形状の部品(製品)とすることもできる。焼結後、必要に応じ種々の加工を施してもよい。
<実施例>
(実施例1)
表1に示す組成のCu−Fe−X3基合金をアーク溶解炉で溶製し、表1に示す条件で鋳型に注入・凝固させ、棒状部材(20mmφ)とした。得られた部材の横断面について、鋳造組織を観察し、分離組織の形成状況を調査した。
得られた結果を表1、表2に示す。鋳造組織は、図8に模式的に類別された組織形態で評価した。組織形態A−1〜A−2はFeリッチ相とCuリッチ相が明瞭に分離生成した分離組織であり、組織形態B−1〜B−2はFeリッチ相とCuリッチ相の分離が不十分な組織である。
なお、使用した合金の液相2相分離領域の最高温度Tc、最高温度と最低温度の差ΔTを、実験状態図や計算状態図から求め、表1に示す。また、使用した合金の、液相2相分離状態での組成の異なる2つの液相の体積率差ΔVを状態図から計算で求め、同様に表1、表2に示す。
本発明例はいずれも、表層側と中心側で組成の異なる領域、Cuリッチ相とFeリッチ相に2分された分離組織を有している。組成により、Cuリッチ相が表層側となる場合と、中心側となる場合がある。(2相分離時に液相量の多い方が表層側に配置される。)
一方、本発明の範囲を外れる比較例では、Feリッチ相とCuリッチ相の分離が不十分であり、分離組織の形成は認められなかった。
本発明例である、部材No.1−24の光学顕微鏡組織写真を図9、比較例である、部材No.1−7の光学顕微鏡組織写真を図10に示す。
得られた棒状部材(本発明例)のうち、表層側(外側)がCuリッチ相(Cu合金)となる部材では、Cuリッチ相(Cu合金)が高導電性、高耐食性、高放熱性等の特性を有するため、高強度導電材、高耐食性材等として好適である。一方、Feリッチ相(Fe合金)は、高強度、高耐摩耗性等の特性を有するため、表層側(外側)がFeリッチ相(Fe合金)となる部材では、耐摩耗性用材として好適である。
また、得られた棒状部材は、鋳造ままで製品とすることもでき、あるいは鋳造ままの部材をさらに、熱間、温間、冷間のいずれかで圧延、鍛造等の加工を施して製品とすることもできる。
(実施例2)
表3に示す組成のCu−Fe−X(X1:Cr、X2:Ni、C)基合金をアーク溶解炉で溶製し、表3に示す条件で鋳型に注入・凝固させ、棒状部材(20mmφ)とした。なお、得られた部材の横断面について、鋳造組織を観察するとともに、分離した各領域について電子線マイクロアナライザー(EPMA)を用いて各領域中の成分分析を実施した。鋳造組織は、実施例1と同様に図8に模式的に類別された組織形態で評価した。
得られた結果を表3および表4に示す。
本発明例はいずれも、表層側と中心側で組成の異なる領域、Cuリッチ相とFeリッチ相に2分された分離組織を有している。この合金系では、Feリッチ相は、Cr量が高くなりステンレス鋼(高Cr)組成となっている。そのため、Feリッチ相が表層側(外側)となる部材は、表層が耐食性に優れ、中心部が導電性に優れた材料となっている。とくに、Niを含有する部材No.2−4,No.2−5,No.2−6では、耐食性、導電性の向上は顕著となる。
(実施例3)
質量%で、Cu:65%−Fe:31.4%−Si:3%−C:0.6%組成のCu−Fe−X基合金をアーク溶解炉で溶製し、鋳込温度:1620℃として、ガスアトマイズ法で、噴霧急冷し、平均粒径300μm以下の粉末とした。この組成の合金は、Tc:1590℃、ΔT:270℃、ΔV:10%であった。得られた部材(粉体)の断面(粒子断面)について、組織を観察し、図11に示す。
得られた粉末は、分離組織を有しており、表層側がCuリッチ相、中心側がFeリッチ相に明確に2分されている。
(実施例4)
表5に示す組成のCu−Bi−X基合金をアーク溶解炉で溶製し、鋳込温度を表5に示す温度として、ガスアトマイズ法で、噴霧条件を表5に示す条件に調整して粉体(粉末)とした。得られた粉体の断面(粒子断面)について、組織を観察し、分離組織の形成状況(粉体の平均粒径、コアの平均粒径)を観察するとともに、分離した領域の組成を電子線マイクロアナライザー(EPMA)を用いて、各層の成分分析を行った。
得られた結果を表5に示す。
なお、各合金の液相2層分離領域の最高温度Tc、最高温度と最低温度の差ΔT、を実験状態図や計算状態図から求め、また、液層2相分離状態での組成の異なる2つの液相の体積率差ΔVを状態図から計算でもとめ、表5に併記して示す。また、本発明例(粉体No.4−5)のミクロ組織は図12に示す通りである。比較例(粉体No.4−2)のミクロ組織を図13に示す。
本発明例はいずれも、表層が鉛フリーのはんだ組成で、コア層がCu,Snを主成分とする電気伝導性と熱伝導性に優れた組成である、分離組織を有する700μm以下の小径の粉体であり、はんだボールとして好適な粉体となっている。一方、本発明の範囲を外れる比較例は、いずれも層分離が不十分で分離組織の形成が認められなかった。
(実施例5)
表6に示す組成のAl−Sn−X基合金、Al−In−X基合金をアーク溶解炉で溶製し、鋳込温度を表6に示す温度として、ガスアトマイズ法で、噴霧条件を表6に示す条件に調整して粉体(粉末)とした。実施例1と同様に粉体断面(粒子断面)について、組織を観察し、分離組織の形成状況を観察するとともに、各層の組成を電子線マイクロアナライザー(EPMA)を用いて、各層の成分分析を行った。
また、得られた粉体の平均粒径、コアの平均粒径を実施例4と同様に測定した。
得られた結果を表6に示す。
なお、各合金のTc、ΔT、を実施例4と同様に実験状態図や計算状態図から求め、また、ΔVを状態図から計算でもとめ、表6に併記して示す。また、本発明例(粉体No5−5)のミクロ組織を図14に示す。
実施例4と同様に、本発明例はいずれも、表層が鉛フリーのはんだ組成で、コア層がAl,Snを主成分とする電気伝導性と熱伝導性に優れた組成である、分離組織を有する500μm以下の小径の粉体であり、しかも粒径ばらつきも少なく寸法精度が高く、はんだボールとして好適な粉体となっている。一方、本発明の範囲を外れる比較例は、いずれも層分離が不十分で分離組織の形成が認められなかった。
以上、本発明は、上記した合金に限定されるものではないことはいうまでもない。
産業上の利用可能性
本発明によれば、組成が異なる領域を容易に分離、配置でき、所望の機能を適正に複合配置した機能性部材を、容易にしかも安価に製造でき、産業上格段の効果を奏する。また、本発明は、表層側に耐食性、耐酸化性、耐摩耗性に富む、例えば、Cu、Cr等の高価な合金元素量の多い合金(領域)を形成し、内側にはFe等の低廉な合金(領域)とすれば、省資源、低コストの複合材が容易に得られるという効果もある。また、粉体では、表層側に、Pd、Pt等の触媒特性を有する高価な組成とし、中心側を廉価な合金組成とすることにより安価な触媒を提供できるという効果もある。また、表層側を抗菌性を有する組成とし、中心側を廉価な材料とすることができ、安価な抗菌性粉も提供することができるという効果もある。また、表層側をCu等の高導電率を有する組成とすることにより、安価な導電性粉が、また、表層側をCu等に富む組成とし、中心部をCr、W、Mo等の熱膨張係数の小さい組成とすることにより、低膨張の粉体が、提供できるという効果もあるあり、その応用範囲は極めて広い。
また、本発明によれば、表層を鉛フリーのはんだ組成とし、内側(コア層)を電気伝導性と熱伝導性に優れた組成とする、分離組織を有する粉体を、寸法精度高く、容易にしかも安価に製造でき、BGAパッケージ用はんだボールを安価に提供できるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の部材製造に好適な、A−B系合金の状態図を模式的に示す説明図である。
図2は、部材の組織形態を示す模式図である。
図3は、Cuリッチ相とFeリッチ相の液相量差による部材の組織形態の変化を示す模式図である。
図4は、Cu−Fe−X基合金製部材の組織形態と鋳込温度との関係を示す模式図である。
図5は、Cu−Fe−X基合金製部材の組織形態と鋳込温度との関係を示す模式図である。
図6は、60%Cu−31.8%Fe−7.2%Cr−1%Cを含有する、Cu−Fe−X基合金製粉末の粒子断面組織を示す金属顕微鏡組織写真である。
図7は、60%Cu−32%Fe−8%Siを含有する、Cu−Fe−X基合金製粉末の粒子断面組織を示す金属顕微鏡組織写真である。
図8は、部材の組織形態の類別を示す模式図である。
図9は、本発明例(部材No.1−24)のミクロ組織を示す金属顕微鏡組織写真である。
図10は、比較例(部材No.1−7)のミクロ組織を示す金属顕微鏡組織写真である。
図11は、65%Cu−31.4%Fe−3%Si−0.6%Cを含有する、Cu−Fe−X基合金製粉末の粒子断面組織を示す金属顕微鏡組織写真である。
図12は、35質量%Cu−50%Bi−15質量%Snを含有する、Cu−Bi−X基合金製粉末の粒子断面組織を示す金属顕微鏡組織写真(a)、および(a)のスケッチ図(b)である。
図13は、比較例(部材No.4−2)のミクロ組織を示す金属顕微鏡組織写真である。
図14は、本発明例(部材No.5−5)のミクロ組織を示す金属顕微鏡写真である。
Claims (30)
- 合金で構成された部材であって、該部材が、互いに異なる組成の2つの領域からなる分離組織を有することを特徴とする分離組織を有する部材。
- 前記合金が、液相状態で互いに組成の異なる2つの液相に分離する、液相の2相分離を示し、かつ該液相の2相分離を示す領域の、最高温度Tcと最低温度Tdの差、ΔTで10℃以上を有することを特徴とする請求項1に記載の部材。
- 前記合金が、前記組成の異なる2つの液相の体積率の差が5%以上となる平均組成を有することを特徴とする請求項1または2に記載の部材。
- 前記部材が、前記合金の溶湯を噴霧、急冷して得られた分離組織を有する粉体であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の部材。
- 請求項4に記載の粉体である部材を使用して、成形、あるいはさらに焼結してなる部品。
- 前記合金が、Cu−Fe−X基合金、Cu−Cr−X基合金、あるいはCu−Co−X基合金のいずれかであることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の部材。
- 前記Cu−Fe−X基合金の、Feが質量%で15〜85%、Xが、質量%で、C:0.02〜2.0%、Mo:2〜20%、Nb:2〜20%、V:4〜20%、Cr:4〜30%、W:2〜20%、Si:4〜20%、B:0.2〜10%、S:0.2〜10%、Ta:2〜20%、Bi:1〜20%、Ag:2〜20%、Sn:2〜20%のうちから選ばれた1種または2種以上であることを特徴とする請求項6に記載の部材。
- 前記Cu−Cr−X基合金の、Crが質量%で15〜85%、Xが、質量%で、Fe:4〜20%、C:0.02〜2.0%、Mo:2〜20%、Nb:2〜20%、S:0.2〜10%、B:0.2〜10%、V:4〜20%、W:2〜20%、Si:4〜20%、Sn:2〜20%、Ta:2〜20%、Ag:2〜20%、Co:2〜20%のうちから選ばれた1種または2種以上であることを特徴とする請求項6に記載の部材。
- 前記Cu−Co−X基合金の、Coが質量%で15〜85%、Xが、質量%で、Fe:4〜20%、C:0.02〜2.0%、Mo:2〜20%、Nb:2〜20%、S:0.2〜10%、B:0.2〜10%、V:4〜20%、W:2〜20%、Si:4〜20%、Sn:2〜20%、Ta:2〜20%、Ag:2〜20%、Cr:2〜20%のうちから選ばれた1種または2種以上であることを特徴とする請求項6に記載の部材。
- 前記合金に代えて、セラミックスとすることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の部材。
- 液相状態で互いに組成の異なる2つの液相に分離する、液相の2相分離を示し、かつ該液相の2相分離を示す領域の、最高温度Tc(℃)と最低温度Td(℃)の差、ΔTで10℃以上を有する合金の溶湯を、前記Tc+10℃以上の温度から、所定の形状に鋳込み、互いに異なる組成の2つの領域からなる分離組織を生成させることを特徴とする分離組織を有する部材の製造方法。
- 前記合金が、前記2つの液相の体積率の差が5%以上となる平均組成を有することを特徴とする請求項11に記載の部材の製造方法。
- 前記所定の形状に鋳込みに代えて、噴霧、急冷して、互いに異なる組成の2つの領域からなる分離組織を生成させた粉体とすることを特徴とする請求項11または12に記載の部材の製造方法。
- 前記合金が、Cu−Fe−X基合金、Cu−Cr−X基合金、あるいはCu−Co−X基合金のいずれかであることを特徴とする請求項11ないし13のいずれかに記載の分離組織を有する部材の製造方法。
- 前記Cu−Fe−X基合金の、Feが質量%で15〜85%、Xが、質量%で、C:0.02〜2.0%、Mo:2〜20%、Nb:2〜20%、V:4〜20%、Cr:4〜30%、W:2〜20%、Si:4〜20%、B:0.2〜10%、S:0.2〜10%、Ta:2〜20%、Bi:1〜20%、Ag:2〜20%、Sn:2〜20%のうちから選ばれた1種または2種以上であることを特徴とする請求項14に記載の部材の製造方法。
- 前記Cu−Cr−X基合金の、Crが質量%で15〜85%、Xが、質量%で、Fe:4〜20%、C:0.02〜2.0%、Mo:2〜20%、Nb:2〜20%、S:0.2〜10%、B:0.2〜10%、V:4〜20%、W:2〜20%、Si:4〜20%、Sn:2〜20%、Ta:2〜20%、Ag:2〜20%、Co:2〜20%のうちから選ばれた1種または2種以上であることを特徴とする請求項14に記載の部材の製造方法。
- 前記Cu−Co−X基合金の、Coが質量%で15〜85%、Xが、質量%で、Fe:4〜20%、C:0.02〜2.0%、Mo:2〜20%、Nb:2〜20%、S:0.2〜10%、B:0.2〜10%、V:4〜20%、W:2〜20%、Si:4〜20%、Sn:2〜20%、Ta:2〜20%、Ag:2〜20%、Cr:2〜20%のうちから選ばれた1種または2種以上であることを特徴とする請求項14に記載の部材の製造方法。
- 前記部材が、はんだボールであって、前記粉体の前記分離組織が、鉛フリーのはんだ組成からなる表層と、電気伝導性と熱伝導性に優れた組成のコア層と、からなることを特徴とする請求項4に記載の部材。
- 前記コア層が、CuまたはAlを主成分とする組成を有することを特徴とする請求項18に記載の部材。
- 前記合金が、Cu−Bi−X基合金、Al−Sn−X基合金、あるいはAl−In−X基合金のいずれかであることを特徴とする請求項18に記載の部材。
- 前記Cu−Bi−X基合金の、Biが質量%で5〜70%、Xが、質量%で、Sn:0.1〜30%、In:0.1〜30%、Ag:0.1〜30%、Sb:0.1〜30%、Zn:0.1〜30%、Al:0.1〜30%のうちから選ばれた1種または2種以上であることを特徴とする請求項20に記載の部材。
- 前記Al−Sn−X基合金の、Snが質量%で5〜90%、Xが、質量%で、Bi:0.1〜30%、In:0.1〜30%、Ag:0.1〜30%、Sb:0.1〜30%、Zn:0.1〜30%、Cu:0.1〜30%、Ni:0.1〜15%のうちから選ばれた1種または2種以上であることを特徴とする請求項20に記載の部材。
- 前記Al−In−X基合金の、Inが質量%で10〜90%、Xが、質量%で、Sn:0.1〜30%、Bi:0.1〜30%、Cu:0.1〜30%、Ag:0.1〜30%、Sb:0.1〜30%、Zn:0.1〜30%、Ni:0.1〜15%のうちから選ばれた1種または2種以上であることを特徴とする請求項20に記載の部材。
- 前記部材が、はんだボールであって、前記粉体の前記分離組織が、鉛フリーのはんだ組成からなる表層と、電気伝導性と熱伝導性に優れた組成のコア層と、からなることを特徴とする請求項13に記載の部材の製造方法。
- 前記コア層が、CuまたはAlを主成分とする組成を有することを特徴とする請求項23に記載の部材の製造方法。
- 前記粉体が、平均粒径で700μm以下の粉体であることを特徴とする請求項23または24に記載の部材の製造方法。
- 前記合金が、Cu−Bi−X基合金、Al−Sn−X基合金、あるいはAl−In−X基合金のいずれかであることを特徴とする請求項23ないし25のいずれかに記載のの部材の製造方法。
- 前記Cu−Bi−X基合金の、Biが質量%で5〜70%、Xが、質量%で、Sn:0.1〜30%、In:0.1〜30%、Ag:0.1〜30%、Sb:0.1〜30%、Zn:0.1〜30%、Al:0.1〜30%のうちから選ばれた1種または2種以上であることを特徴とする請求項26に記載の部材の製造方法。
- 前記Al−Sn−X基合金の、Snが質量%で5〜90%、Xが、質量%で、Bi:0.1〜30%、In:0.1〜30%、Ag:0.1〜30%、Sb:0.1〜30%、Zn:0.1〜30%、Cu:0.1〜30%、Ni:0.1〜15%のうちから選ばれた1種または2種以上であることを特徴とする請求項26に記載の部材の製造方法。
- 前記Al−In−X基合金の、Inが質量%で10〜90%、Xが、質量%で、Sn:0.1〜30%、Bi:0.1〜30%、Cu:0.1〜30%、Ag:0.1〜30%、Sb:0.1〜30%、Zn:0.1〜30%、Ni:0.1〜15%のうちから選ばれた1種または2種以上であることを特徴とする請求項26に記載の部材の製造方法。
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