JPWO2002032113A1 - 画像処理装置、画像処理方法、記録媒体、およびプログラム - Google Patents

画像処理装置、画像処理方法、記録媒体、およびプログラム Download PDF

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Abstract

色変換モジュールで第1の表色系の画像データを第2の表色系の画像データに色変換する際に、小ドットあるいは淡ドットが形成される階調値範囲では、該第2の画像データの階調値を割増して変換する。次いで、第2の画像データを、単ドットあたりに表現する階調値の異なる各種のドットについてのドット形成密度に関わるドット量データに変換する。このとき、第2の画像データの階調値の割増分を補正して、適切なドット量データを得る。こうすれば、小ドットあるいは淡ドットが形成される領域でも、色変換時に画像データの分解能が不足することを補って、高画質な画像を表示することができる。

Description

技術分野
この発明は、カラー画像データを変換する技術に関し、詳しくは、第1の表色系による画像データを、第2の表色系の各色毎のドットについてのドット形成密度に関わるドット量データに変換する技術に関する。
背景技術
印刷媒体や液晶画面といった表示媒体上に各色ドットを形成することでカラー画像を表現する画像表示装置は、各種画像機器の出力装置として広く使用されている。かかる画像表示装置では、所定の限られた複数色のドットしか形成できないが、これら各色ドットを適切な割合で混在させて形成することにより、カラー画像を表現することが可能となっている。
画像表示装置に入力されるカラー画像データは、所定の各色の画像データが組み合わされたデータとして供給されるが、通常は、画像表示装置がカラー画像を表現するために用いる各色のドットは、カラー画像データを構成する所定の各色画像データとは異なる色の組合せを用いている。このため、画像表示装置でカラー画像を表示するためには、カラー画像データに次のようなデータ変換を施して、得られた画像データに基づき各色ドットを形成することになる。
先ず、各色画像データの組合せとして表現されているカラー画像データを、画像表示装置でドットを形成可能な所定の各色による画像データに変換する。このように、所定の各色の組合せとして表現されているカラー画像データを、異なる各色の組合せによるカラー画像データに変換する処理は、第1の表色系から第2の表色系への色変換、あるいは単に色変換と呼ばれる。カラー画像データを色変換することで、画像表示装置がドットを形成可能な所定の各色の組合せに一旦色変換したら、得られた各色の画像データを、ドットの形成有無による表現形式の画像データに各色毎に変換する。こうして得られたドットの形成有無による表現形式の画像データに基づいて、画像表示装置が表示媒体上に各色ドットを形成することによってカラー画像が表現される。
こうして形成されるカラー画像は、各色のドットによって表現されているので、ドットが目立つとざらざらした感じの、いわゆる粒状性の悪い画像となり画質が悪化する。このような粒状性の悪化を避けるために、目立ち難いドットを形成可能とした画像表示装置も広く使用されている。目立ち難いドットとしては、例えば、ドットの大きさが小さなドットや、あるいは淡い色のドットなどが使用される。これら目立ち難いドットを形成して画像を表現すれば、粒状性の良好な高画質の画像を表現することができる。
また、通常のドットに代えて、これらの目立ち難いドットを形成すれば、ドットを形成したことによる階調値の増加分、すなわちドットあたりに表現可能な階調値が小さくなる。従って、例えば小さなドット(小ドット)や淡い色のドット(淡ドット)を形成可能な画像表示装置では、細かな階調変化も表現することが可能であり、その意味からも高画質な画像を表現することができるものと考えられる。
しかし、小ドットや淡ドットを形成することにより、理屈の上では細かな階調変化を表現可能となったにも関わらず、実際に表現される画像では、さほど細かな階調変化が表現されていないという問題があった。もちろん、目立ち離いドットを形成することで、ドットの目立たない高画質の画像が表現されているが、これに加えて細かな階調変化を表現する効果は十分には得られていなかった。画像表示装置が持つ潜在的な性能を充分に引き出して、細かな階調変化も正確に表現可能とすれば、更に高画質の画像を表示することができると考えられる。
この発明は、従来技術における上述の課題を解決するためになされたものであり、小ドットあるいは淡ドットなどの目立ち難いドットを形成可能な画像表示装置において、画像表示装置の本来の性能を引き出した高画質の画像を表示可能とする技術の提供を目的とする。
発明の開示
上述の課題の少なくとも一部を解決するため、本発明の画像処理装置は、次の構成を採用した。すなわち、
カラー画像を表現し得る各種の階調値の組合せによって表現された画像データを、単ドットあたりに表現する階調値の異なる各種ドットについてのドットの形成密度に関するドット量データに変換する画像処理装置であって、
第1の表色系の各種の階調値の組合せによって表現された第1の画像データを受け取り、第2の表色系の各色の階調値の組合せによる第2の画像データに色変換する色変換手段と、
前記第2の画像データを、前記各種ドットについての前記ドット量データに、該第2の表色系の各色毎に変換するドット量データ変換手段と
を備え、
前記色変換手段は、前記第2の画像データが、少なくとも、単ドットあたりに表現する階調値の最も小さなドットたる最小ドットが形成される所定の階調範囲にある場合には、該第2の画像データ間の大小関係の序列を維持したまま、階調値が割増しされた該第2の画像データに色変換する手段であり、
前記ドット量データ変換手段は、前記階調値が割増しされた第2の画像データを、該割増しの解消された前記ドット量データに補正しながら変換する手段であることを要旨とする。
また、上記の画像処理装置に対応する本発明の画像処理方法は、
カラー画像を表現し得る各種の階調値の組合せによって表現された画像データを、単ドットあたりに表現する階調値の異なる各種ドットについてのドットの形成密度に関するドット量データに変換する画像処理方法であって、
(A)第1の表色系の各種の階調値の組合せによって表現された第1の画像データを受け取り、第2の表色系の各色の階調値の組合せによる第2の画像データに色変換する工程と、
(B)前記第2の画像データを、前記各種ドットについての前記ドット量データに、該第2の表色系の各色毎に変換する工程と
を備え、
前記工程(A)は、前記第2の画像データが、少なくとも、単ドットあたりに表現する階調値の最も小さなドットたる最小ドットが形成される所定の階調範囲にある場合には、該第2の画像データ間の大小関係の序列を維持したまま、階調値が割増しされた該第2の画像データに色変換する工程であり、
前記工程(B)は、前記階調値が割増しされた第2の画像データを、該割増しの解消された前記ドット量データに補正しながら変換する工程であることを要旨とする。
上記の本願発明は、小ドットあるいは淡ドット等の目立ち難いドットを形成可能な従来の画像表示装置において、画質の改善効果が充分に得られない理由を見出し、かかる知見に考察を加えることによって完成された。そこで、本願発明を、小ドットあるいは淡ドットなどの目立ち難いドットを形成可能な画像表示装置に適用することで、画像表示装置の本来の性能を引き出した高画質の画像を表示することが可能となる理由を説明する前に、先ず、新たに見出された知見について以下に説明する。
説明の便宜から、以下では、RGB画像データをCMY各色の画像データに色変換する場合を例にとって説明する。すなわち、第1の表色系による画像データがRGB画像データであり、第2の表色系の画像データがCMY画像データであるものとして説明する。もちろん、これに限られるものではなく、階調値の組合せによって表現された画像データは、いわゆるLab表色系による画像データ、あるいはXYZ表色系による画像データなど、種々の形式の画像データとすることができる。RGB画像データは、R,G,B各色の階調値の組合せによって表現されている。以下では、R,G,B各色の階調値がDR,DG,DBの値を取る画像データを(DR,DG,DB)と表示することにする。ここで、RGB画像データ(255,255,255)から(245,255,255)に変化する画像データを、CMY各色の画像データに色変換する場合を考える。RGB画像データを1バイト(8ビット)のデータとすれば、(255,255,255)は白色の画像を表現し、(245,255,255)は淡いシアン色の画像を表現している。
図22(a)は、このような白色から淡いシアン色に変化するRGB画像データを、CMY各色の画像データに色変換する様子を概念的に示した説明図である。図22(a)の横軸はRGB画像データを概念的に示し、横軸の左端が画像データ(255,255,255)を、右端が画像データ(245,255,255)を示している。詳細には後述するが、色変換は通常、色変換テーブルと呼ばれる数表を参照することによって行われる。色変換テーブルには、離散的に選択されたRGB各色階調値の組合せに対し、対応するCMY各色の階調値の組合せが設定されている。ここでは、色変換テーブルには、RGB画像データ(255,255,255)およびRGB画像データ(245,255,255)に対して、対応するCMY各色の階調値の組合せが設定されているものとする。
前述したように、RGB画像データ(255,255,255)は白色を表しているから、色変換テーブルにはCMY各色の階調値として、いずれも階調値「0」が設定されている。また、RGB画像データ(245,255,255)は淡いシアン色を表しているから、色変換テーブルには対応するCMY各色の階調値として、M,Yの階調値は「0]、Cの階調値のみ「0」でない値(例えば階調値「4」)が設定されている。このことから、白色からシアン色に変化するRGB画像データをCMY各色データに色変換する場合、C色の階調値にのみ着目すれば足りる。そこで図22(a)では、RGB画像データを色変換して得られたC色の階調値を縦軸に取って表示している。図示されているように、横軸左端のRGB画像データ(255,255,255)はC色の階調値「0」に変換され、横軸右端のRGB画像データ(245,255,255)はC色の階調値「4」に変換される。これら2点の間にあるRGB画像データを色変換する場合は、図22(a)中に破線で示したように2点間を補間すればよい。ここで、RGB画像データと同様にCMY各色の画像データも1バイトのデータであるとすると、C色の階調値は0以上の整数しか取り得ない。このため、本来は、図22(a)の破線のように補間されるところを、実線で示すように、0,1,2・・・と階段状に変化するデータに補間される。
図22(b)は、色変換して得られた画像データを更に変換することにより、表示媒体上に形成すべきドットの密度に相当するデータ(ドット量データ)を求めている様子を概念的に示す説明図である。画像表示装置はこうして得られたドット量データに基づき各種ドットを形成することで、表示媒体上に画像を表示する。図22(b)の横軸は、図22(a)と同様にRGB画像データを示している。また、ここではC色の階調値のみが階調値「0」から階調値「4」に変化する場合を考えているから、C色の小ドット(あるいは淡ドット)のみが形成される。そこで、図22(b)の縦軸には、C色の小ドットのドット量データを示している。前述したように小ドットは目立ち難いドットであるために、単位量の階調値の増加を表現するために、通常のドットよりも多くのドットを形成しなければならない。ここでは、C色の階調値が「1」増加することが、C色の小ドットのドット量データが「4」だけ増加することに対応するものとする。
図22(b)に示すように、RGB画像データが(255,255,255)から(245,255,255)に変化していくと、C色の小ドットのドット量データは、0,4,8・・・と変化していく。もちろん、ドット量データは、0,1,2・・・といった値を取り得るが、図22(a)に示したように、C色の階調値が0,1,2・・・と変化しているために、これを変換して得られたC色の小ドットのドット量データは、0,4,8・・・と階段状に変化してしまうのである。
以上の知見から、CMY各色の画像データの分解能を向上させて、CMY各色の階調値が小数も取り得るようにすれば、小ドットのドット量データを0,1,2・・・と滑らかに変化させることができると考えられる。しかし、1バイトデータとして表現されているCMY各色の画像データを、分解能を向上させるために2バイトデータとしたのでは、画像データの容量が大幅に増大するものと予想される。更に、色変換テーブルに記憶すべきCMY階調値も2バイトデータとして記憶することとすると、色変換テーブルを記憶するために必要な容量も大幅に増大すると予想される。
本願発明は、以上に説明したような知見と考察とに基づいて完成されたものであり、上述した構成を有している。本願発明を、小ドットあるいは淡ドットなどの目立ち難いドットを形成可能な画像表示装置に適用すれば、以下に説明する理由により、画像表示装置が潜在的に有する性能を引き出して、高画質な画像を簡便に表示することが可能となる。
上述した本願の画像処理装置および画像処理方法においては、前記第1の画像データを前記第2の画像データに色変換するに際して、少なくとも最小ドットが形成される所定の階調範囲では、階調値が割増しされた画像データに色変換する。図22を用いて前述した例に即して説明すれば、RGB画像データをCMY各色の画像データに色変換する際に、小ドットあるいは淡ドットが形成されるハイライト領域では、少なくともCMY各色の階調値を大きめの値の階調値に変換する。CMY各色の画像データの分解能を向上させる代わりに、CMY各色の階調値を大きめの値に変換すれば、分解能の不足を補うことができる。また、ハイライト領域では、CMY各色の階調値は小さな値を取るので、大きめの値の階調値に変換しても階調値「255」を越えないようにすることができる。
このように第1の画像データを、階調値が割増しされた第2の画像データに変換するに際して、該第2の画像データにおけるデータの大小関係の序列を維持したまま、階調値が割増しされた第2の画像データに色変換する。例えば、第1の画像データDa1,Db1を、階調値の割増しを行わずに色変換することによって、それぞれda2,db2が得られたとする。これら第2の画像データにda2>db2の関係があるならば、第1の画像データDa1,Db1を、階調値の割増しされた第2の画像データに色変換して得られたそれぞれの画像データDa2,Db2には、必ずDa2>Db2の関係が成り立つように色変換するのである。
こうして、大小関係の序列を維持したまま階調値の割増しされた第2の画像データが得られたら、該画像データを、画像表示装置が形成可能な各種ドットのついてのドット量データに変換する。このとき、第2の画像データの階調値が割増しされていることを考慮して、かかる割増しを解消しながらドット量データに変換する。前述したように、階調値の割増しされた第2の画像データは、画像データ同士の大小関係は維持されているので、階調値の割増し分を適切に解消して正確なドット量データを得ることができる。
このようにすれば、単ドットあたりに表現する階調値のもっとも小さな最小ドットが形成される所定の階調値範囲においても、必要な分解能の確保されたドット量データを得ることができる。こうして得られたドット量データに基づいてドットを形成すれば、画像表示装置が潜在的に有する性能を引き出して、細かな階調変化が適切に表現された高画質が画像を表現することが可能となる。
かかる方法においては、第2の画像データの分解能を向上させる代わりに、第2の画像データの階調値を割増しすることで、分解能の不足を補っている。従って、第2の画像データの分解能を実際に向上させる場合のように、画像データの容量の増大を招くおそれもない。
上述の画像処理装置においては、前記第1の表色系の各種の階調値の組合せと、前記階調値が割増しされた第2の表色系の各色階調値の組合せとを対応付けて割増色変換テーブルに記憶しておき、かかる割増色変換テーブルを参照することによって、前記第1の画像データを前記階調値の割増しされた第2の画像データに変換してもよい。
このような割増色変換テーブルを参照すれば、第1の画像データを階調値の割増しされた第2の画像データに迅速に変換することができるので好適である。また、かかる方法を用いれば、色変換テーブルに設定されている第2の画像データの階調値を、割増しされた階調値に変更しておきさえすれば、なんら特別な処理を行うことなく、第1の画像データを階調値の割増しされた第2の画像データに色変換することができるという利点もある。
上述の画像処理装置においては、前記階調値が割増しされた第2の画像データの階調値と、該割増しの解消された前記各種ドット毎のドット量データとを、前記第2の表色系の各色毎に対応付けて、補正ドット量テーブルに記憶しておき、かかる補正ドット量テーブルを参照することによって、前記階調値が割増しされた第2の画像データを、該割増しの解消された各種ドット毎のドット量データに、該第2の表色系の各色毎に変換することとしても良い。
このような補正ドット量テーブルを参照すれば、階調値が割増しされた第2の画像データを、該割増しが適切に解消された各種ドットについてのドット量データに迅速に変換することができる。また、かかる方法を用いれば、ドット量テーブルに設定されている各種ドットについてのドット量データを、適切な値に設定しておくだけで、何ら特別な処理を行うことなく、第2の画像データの割増し分を解消して適切なドット量データを得ることができるという利点もある。
上述の画像処理装置においては、次のように、第1の画像データの階調値に所定の割増しを加えた後に色変換を行っても良い。すなわち、少なくとも前記最小ドットが形成される所定の階調値範囲では、前記第2の画像データ間の大小関係を維持したまま、該第2の画像データの階調値が割増しされるように、前記第1の画像データの階調値を割増しする。こうして、割増しされた第1の画像データを、前記第2の画像データに色変換することによって、前記階調値が割増しされた第2の画像データを得ることとしてもよい。
このように、第1の画像データを割増ししてから色変換することとすれば、色変換テーブルを変更しなくても、該第1の画像データを、階調値が割増しされた第2の画像データに変換することができる。
上述の画像処理装置においては、前記最小ドットは、形成されるドットの大きさがもっとも小さいドットであるとして、このようなドットが形成される所定の階調範囲では、前記階調値が割増しされた第2の画像データに色変換することとしても良い。あるいは、形成されるドットの濃度がもっとも低いドットを前記最小ドットとして、このようなドットが形成される所定の階調範囲では、前記階調値が割増しされた第2の画像データに色変換することとしてもよい。
形成されるドットの大きさがもっとも小さいドット、あるいはドットの濃度がもっとも低いドットは、単ドットあたりに表現する階調値が小さいので、これら最小ドットが形成される所定の階調値範囲において、第1の画像データを階調値の割増しされた第2の画像データに変換すれば、第2の画像データの分解能を好適に補うことができる。
上述の画像処理装置においては、前記第1の表色系の画像データとして、少なくとも光の三原色を含む各色階調値による画像データを受け取り、該画像データを、少なくともインクの三原色を含む各色毎に前記ドット量データに変換することとしてもよい。
カラー画像データは、光の三原色である赤色,緑色,青色を含んだ各色画像データとして供給されることが多く、また、カラー画像を印刷する際には、インクの三原色であるシアン色,マゼンタ色,イエロ色を含む各色ドットを形成して印刷される場合が多い。従って、かかる画像処理装置は、カラー画像の印刷に広く適用することができるので好ましい。
また、上述した画像処理装置においては、次のような構成とすることもできる。すなわち、第1の表色系の各種の階調値の組合せと、第2の表色系の各色階調値の組合せとを対応付けた色変換テーブルを予め記憶しておく。画像データの変換に際しては、予め記憶されている色変換テーブルに所定の変換を施すことにより、前記第1の表色系の各種階調値の組合せと、前記階調値が割増しされた第2の表色系の各色階調値の組合せとが対応付けて記憶された割増色変換テーブルを生成する。こうして生成した割増色変換テーブルを参照しながら、第1の表色系の画像データを、前記階調値が割増しされた第2の表色系の画像データに色変換することとしてもよい。
色変換テーブルに所定の変換を施す場合、第2の表色系の画像データについての分解能が不足しているとデータが丸められる結果、得られた色変換テーブルには誤差が含まれることになり、正確なドット量データを得ることが困難となる。これに対して、色変換テーブルを前記割増色変換テーブルに変換してやれば、第2の表色系の画像データについての分解能が不足している場合にもこれを補うことができるので、正確なドット量データを得ることが可能となって好ましい。
こうした画像処理装置が生成する割増色変換テーブルは、テーブルを構成する第1の表色系の各種階調値の組合せが、予め記憶されている色変換テーブルを構成する第1の表色系の階調値の組合せとは、少なくとも一部が異なった組合せであるテーブルとしても良い。
色変換テーブルから、該テーブルには無い第1の表色系の各種階調値の新たな組合せを含んだ新たな色変換テーブルを生成する場合、該新たな組合せに対応する第2の表色系の画像データにはデータの丸めに起因する誤差が生じ得る。そこで、このような場合には、新たに生成する色変換テーブルを、階調値の割増しされた色変換テーブルとしてやれば、第2の表色系の画像データについての分解能が不足している場合でも、これを補うことにより正確なドット量データを得ることが可能となる。
あるいはこうした画像処理装置が生成する割増色変換テーブルは、テーブルを構成する第1の表色系の各種階調値の組合せが、予め記憶されている色変換テーブルを構成する第1の表色系の階調値の組合せよりも、多数の組合せから構成されているテーブルとしてもよい。
色変換テーブルから、該テーブルを構成する第1の表色系の階調値の組合せよりも、多数の組合せにより構成された色変換テーブルを生成する場合、新たに追加された組合せに対応する第2の表色系の画像データが算出される。第2の表色系の画像データについての分解能が不足していれば、これら算出された画像データにはデータの丸めによる誤差が生じ得る。そこで、このような場合には、新たに生成する色変換テーブルを、階調値の割増しされた色変換テーブルとしてやれば、第2の表色系の画像データについての分解能が不足している場合でも、これを補うことにより正確なドット量データを得ることが可能となるので好ましい。
また、印刷媒体上に各色のインクを用いて、単ドットあたりに表現する階調値の異なる各種ドットを形成することによりカラー画像を印刷する印刷部に対して、ドットの形成を制御するための印刷データを出力して、該印刷部を制御する印刷制御装置においては、本発明の画像処理装置を好適に適用することができる。すなわち、上述の画像処理装置は、第1の表色系で表現された画像データを受け取り、分解能を確保したまま第2の表色系によるドット量データに変換することができる。従って、単ドットあたりに表現する階調値の異なる各種ドットを形成可能な印刷部を制御する印刷制御装置に、かかる画像処理装置を適用すれば、印刷部の性能を引き出して高画質なカラー画像を印刷することが可能となる。
また、本発明は、上述した画像処理方法を実現するプログラムをコンピュータに読み込ませ、コンピュータを用いて実現することも可能である。従って、本発明は次のような記録媒体としての態様も含んでいる。すなわち、上述の画像処理方法に対応する本発明の記録媒体は、
カラー画像を表現し得る各種の階調値の組合せによって表現された画像データを、単ドットあたりに表現する階調値の異なる各種ドットについてのドットの形成密度に関するドット量データに変換する画像処理方法を実現するプログラムを、コンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体であって、
(A)第1の表色系の各種の階調値の組合せによって表現された第1の画像データを受け取り、第2の表色系の各色の階調値の組合せによる第2の画像データに色変換する機能と、
(B)前記第2の画像データを、前記各種ドットについての前記ドット量データに、該第2の表色系の各色毎に変換する機能と
をコンピュータにより実現するプログラムを記憶しており、
前記機能(A)は、前記第2の画像データが、少なくとも、単ドットあたりに表現する階調値の最も小さなドットたる最小ドットが形成される所定の階調範囲にある場合には、該第2の画像データ間の大小関係の序列を維持したまま、階調値が割増しされた該第2の画像データに色変換する機能であり、
前記機能(B)は、前記階調値が割増しされた第2の画像データを、該割増しの解消された前記ドット量データに補正しながら変換する機能であることを要旨とする。
かかる記録媒体に記録されているプログラムをコンピュータに読み込ませ、該コンピュータを用いて上述の各種機能を実現すれば、小ドットあるいは淡ドットの形成可能な画像表示装置が潜在的に有する性能を引き出して、高画質な画像を印刷することができる。
更には、本発明は、上述した各種の画像処理方法を実現するプログラムを、文字情報によって記述したプログラムとして把握することも可能である。すなわち、上述の画像処理方法に対応するプログラムは、
カラー画像を表現し得る各種の階調値の組合せによって表現された画像データを、単ドットあたりに表現する階調値の異なる各種ドットについてのドットの形成密度に関するドット量データに変換する画像処理方法を、コンピュータを用いて実現するプログラムであって、
(A)第1の表色系の各種の階調値の組合せによって表現された第1の画像データを受け取り、第2の表色系の各色の階調値の組合せによる第2の画像データに色変換する機能と、
(B)前記第2の画像データを、前記各種ドットについての前記ドット量データに、該第2の表色系の各色毎に変換する機能と
を備え、
前記機能(A)は、前記第2の画像データが、少なくとも、単ドットあたりに表現する階調値の最も小さなドットたる最小ドットが形成される所定の階調範囲にある場合には、該第2の画像データ間の大小関係の序列を維持したまま、階調値が割増しされた該第2の画像データに色変換する機能であり、
前記機能(B)は、前記階調値が割増しされた第2の画像データを、該割増しの解消された前記ドット量データに補正しながら変換する機能であることを要旨とする。
かかるプログラムをコンピュータに実行させれば、小ドットあるいは淡ドットの形成可能な画像表示装置が潜在的に有する性能を引き出して、高画質な画像を印刷することが可能となる。
発明を実施するための最良の形態
本発明の作用・効果をより明確に説明するために、本発明の実施の形態を、次のような順序に従って以下に説明する。
A.発明の概要:
B.第1実施例:
B−1.装置構成:
B−2.第1実施例の画像データ変換処理:
B−3.割増色変換テーブルの設定方法:
B−4.補正ドット量テーブルの設定方法:
B−5.第1実施例の変形例:
C.第2実施例:
C−1.第2実施例の画像データ変換処理:
C−2.プレ変換処理:
C−3.第2実施例の変形例:
A.発明の概要:
図1を参照しながら、本発明の概要について説明する。図1は、印刷システムを例にとって、本発明の概要を概念的に説明するための説明図である。本印刷システムは、画像処理装置としてのコンピュータ10と、カラープリンタ20等から構成されている。コンピュータ10は、デジタルカメラやカラースキャナなどの画像機器からRGBカラー画像の階調画像データを受け取ると、該画像データを、カラープリンタ20で印刷可能な各色ドットの形成有無により表現された印刷データに変換する。かかる画像データの変換は、プリンタドライバ12と呼ばれる専用のプログラムを用いて行われる。尚、RGBカラー画像の階調画像データは、各種アプリケーションプログラムを用いてコンピュータ10で作成することもできる。
プリンタドライバ12は、解像度変換モジュール,階調データ変換モジュール,階調数変換モジュール,インターレースモジュールといった複数のモジュールから構成されている。階調データ変換モジュールは、RGB画像データを受け取って、カラープリンタ20が形成可能な各種ドットについてのドット密度に相当するドット量データに変換する。階調データ変換モジュールは、図1に概念的に示すように、色変換モジュール14とドット量データ変換モジュール16の2つのモジュールから構成されている。
色変換モジュール14は、RGB各色によって表現された画像データに色変換を行うことによって、カラープリンタ20が形成可能なドットの色、すなわちシアン(C)色,マゼンタ(M)色,イエロ(Y)色の各色による画像データに変換する。かかる色変換は、色変換テーブル15と呼ばれる3次元の数表を参照することで迅速に行うことができる。つまり、色変換テーブル15にはRGB各色の階調値の組合せに対して、対応するC,M,Y各色の階調値が設定されており、このような色変換テーブルを参照することによって、RGB各色の画像データをC,M,Y各色の画像データに変換することができる。図1中に、RGB入力を横軸に取り、C,M,Y各色出力を縦軸に取って表示したグラフは、RGB各色階調値の組合せを決めるとC,M,Y各色の階調値を求めることができるという色変換テーブル115の機能を概念的に表現したものである。尚、ここでは説明が煩雑化することを避けるために、色変換テーブルにはC,M,Y各色の階調値が設定されているものとしたが、C,M,Y各色に加えて黒(K)色の階調値を設定しても構わない。色変換モジュールについては、後ほど詳しく説明する。
ドット量データ変換モジュール16は、色変換モジュール14からC,M,Y各色の画像データを受け取って、カラープリンタ20が形成可能なドットの種類毎に、各種ドットを形成すべき密度に相当するデータに変換するモジュールである。カラープリンタ20は、ドットの目立たない高画質の画像を印刷可能とするために、通常の大きさのドットに加えて小さなドットも形成可能となっている。ここでは、それぞれのドットを大ドット、小ドットと呼ぶ。ドット量データ変換モジュール16は、C,M,Y各色の画像データを受け取ると、画像データの階調値の応じて、各色毎に小ドットおよび大ドットについてのドット量データに変換する。このような変換は、ドット量テーブル17と呼ばれる1次元の数表を参照することで迅速に行うことができる。つまり、ドット量テーブル17にはC,M,Yの各色毎に、画像データの階調値に対して、対応する小ドットおよび大ドットのドット密度に相当するドット量が設定されており、このようなテーブルを参照することで、画像データを小ドットおよび大ドットのドット量データに各色毎に変換することができる。図1で、C,M,Y入力を横軸に取り、ドット量の出力を縦軸に取ったグラフは、このようなドット量テーブル17の機能を概念的に表現したものである。尚、ここでは説明が煩雑化することを避けるために、カラープリンタ20は小ドットと大ドットの2種類のドットを形成可能としたが、より多くの種類のドットを形成しても構わないのはもちろんである。ドット量データ変換モジュールについては、後ほど詳しく説明する。
以上のようにして、階調データ変換モジュールでドット量データに変換された画像データは、階調数変換モジュールおよびインターレースモジュールで更に所定の変換を施され、印刷データに変換される。これら各モジュールについては後述する。カラープリンタ20は、こうして得られた印刷データに基づいて、印刷媒体上に各色インクドットを形成することによってカラー画像を印刷する。
カラープリンタ20は大ドットに加えて小ドットを形成することができるので、その分だけ細かな階調変化を表現することが可能となっている。ところが、RGB画像データを色変換して得られるCMY各色画像データの分解能がそのままでは、小ドットを形成して細かな階調変化を表現可能なプリンタの性能を充分に発揮できない場合がある。つまり、画像データが必要以上に大きくなることを避けるため、色変換モジュールで得られるCMY各色の画像データの分解能は、通常の大きさのドット(ここでは大ドット)を基準に充分な分解能に設定されている。このような状況においては、小ドットを形成することによって表現可能な分解能が大きく向上しても、CMY各色画像データの分解能以上には細かな階調変化を表現することはできないのである。
これに対して、本実施例の色変換モジュール14が参照する色変換テーブル15は、RGB画像データが大きな階調値となるハイライト領域で、CMY各色の階調値が若干大きめの値に設定されている。図1の色変換テーブル15では、RGB画像データに対して大きめの値に設定されたCMY階調値を実線で概念的に示している。また、参考として、通常の値に設定されているCMY階調値を破線で示す。ハイライト領域は小ドットが主に形成されるので、画像データの分解能の不足が目立ち易い領域である。そこで、このような領域では分解能を向上させる代わりに、大きめの画像データに変換することによって分解能の不足を補うのである。次いでC,M,Y各色の画像データを小ドットおよび大ドットについてのドット量データに変換する際には、画像データが大きめの値に変換されていることを考慮して、これを補正するように小さめのドット量データに変換する。図1のドット量テーブル17では、C,M,Y各色の画像データに対して小さめの値に設定されたドット量データを実線で概念的に示している。参考として、通常の値に設定されているドット量データを破線で示す。
このように、小ドットが主に形成される領域では色変換の際に、画像データを割増して色変換を行うことによって分解能の不足を補い、次いでドット量データに変換する際に画像データの割増し分を解消すれば、小ドットを活用して細かな階調変化を表現することが可能となる。かかる方法は、色変換テーブルおよびドット量テーブルの設定値を変更するだけで、簡便に実現することができる。もちろん、画像データの分解能を向上させる場合のように、画像データが大きくなると言った問題を生じさせることもない。以下、このようにして画像データを変換する方法について、実施例に基づき詳細に説明する。
B.第1実施例:
B−1.装置構成:
図2は、第1実施例の画像処理装置としてのコンピュータ100の構成を示す説明図である。コンピュータ100は、CPU102を中心に、ROM104やRAM106などを、バス116で互いに接続して構成された周知のコンピュータである。
コンピュータ100には、フレキシブルディスク124やコンパクトディスク126のデータを読み込むためのディスクコントローラDDC109や、周辺機器とデータの授受を行うための周辺機器インターフェースP−I/F108、CRT114を駆動するためのビデオインターフェースV−I/F112等が接続されている。P−I/F108には、後述するカラープリンタ200や、ハードディスク118等が接続されている。また、デジタルカメラ120や、カラースキャナ122等をP−I/F108に接続すれば、デジタルカメラ120やカラースキャナ122で取り込んだ画像を印刷することも可能である。また、ネットワークインターフェースカードNIC110を装着すれば、コンピュータ100を通信回線300に接続して、通信回線に接続された記憶装置310に記憶されているデータを取得することもできる。
図3は、第1実施例のカラープリンタ200の概略構成を示す説明図である。カラープリンタ200はシアン,マゼンタ,イエロ,ブラックの4色インクのドットを形成可能なインクジェットプリンタである。もちろん、これら4色のインクに加えて、染料濃度の低いシアン(淡シアン)インクと染料濃度の低いマゼンタ(淡マゼンタ)インクとを含めた合計6色のインクドットを形成可能なインクジェットプリンタを用いることもできる。尚、以下では場合によって、シアンインク,マゼンタインク,イエロインク,ブラックインク,淡シアンインク,短マゼンタインクのそれぞれを、Cインク,Mインク,Yインク,Kインク,LCインク,LMインクと略称するものとする。
カラープリンタ200は、図示するように、キャリッジ240に搭載された印字ヘッド241を駆動してインクの吐出およびドット形成を行う機構と、このキャリッジ240をキャリッジモータ230によってプラテン236の軸方向に往復動させる機構と、紙送りモータ235によって印刷用紙Pを搬送する機構と、ドットの形成やキャリッジ240の移動および印刷用紙の搬送を制御する制御回路260とから構成されている。
キャリッジ240には、Kインクを収納するインクカートリッジ242と、Cインク,Mインク,Yインクの各種インクを収納するインクカートリッジ243とが装着されている。キャリッジ240にインクカートリッジ242,243を装着すると、カートリッジ内の各インクは図示しない導入管を通じて、印字ヘッド241の下面に設けられた各色毎のインク吐出用ヘッド244ないし247に供給される。各色毎のインク吐出用ヘッド244ないし247には、48個のノズルNzが一定のノズルピッチkで配列されたノズル列が1組ずつ設けられている。
制御回路260は、CPU261とROM262とRAM263等から構成されており、キャリッジモータ230と紙送りモータ235の動作を制御することによってキャリッジ240の主走査と副走査とを制御するとともに、コンピュータ100から供給される印刷データに基づいて、各ノズルから適切なタイミングでインク滴を吐出する。こうして、制御回路260の制御の下、印刷媒体上の適切な位置に各色のインクドットを形成することによって、カラープリンタ200はカラー画像を印刷することができる。
尚、各色のインク吐出ヘッドからインク滴を吐出する方法には、種々の方法を適用することができる。すなわち、ピエゾ素子を用いてインクを吐出する方式や、インク通路に配置したヒータでインク通路内に泡(バブル)を発生させてインク滴を吐出する方法などを用いることができる。また、インクを吐出する代わりに、熱転写などの現象を利用して印刷用紙上にインクドットを形成する方式や、静電気を利用して各色のトナー粉を印刷媒体上に付着させる方式のプリンタを使用することも可能である。
カラープリンタ200は、吐出するインク滴の大きさを制御することにより、印刷用紙上に形成されるインクドットの大きさを制御することができる。以下、カラープリンタ200で大きさの異なるインクドットを形成している方法について説明するが、その準備として、先ず、各色インクを吐出するノズルの内部構造について説明する。図4(a)は各色インクを吐出するノズルの内部構造を示した説明図である。各色のインク吐出用ヘッド244ないし247には、このようなノズルが複数設けられている。図示するように、各ノズルにはインク通路255と、インク室256と、インク室の上にピエゾ素子PEとが設けられている。キャリッジ240にインクカートリッジ242,243を装着すると、カートリッジ内のインクがインクギャラリ257を経由して、インク室256に供給される。ピエゾ素子PEは、周知のように電圧を印加すると、結晶構造が歪んで極めて高速に電気−機械エネルギの変換を行う素子である。第1実施例では、ピエゾ素子PEの両端に設けられた電極間に所定波形の電圧を印加することで、インク室256の側壁を変形させる。その結果、インク室256の容積が減少し、容積の減少分に相当するインクがインク滴IpとなってノズルNzから吐出される。このインク滴Ipがプラテン236に装着された印刷用紙Pに染み込むことで、印刷用紙上にインクドットが形成される。
図4(b)は、ピエゾ素子PEに印加する電圧波形を制御することで、吐出するインク滴の大きさを変更する原理を示した説明図である。ノズルからインク滴Ipを吐出するためには、ピエゾ素子PEに負の電圧を印加してインクギャラリ257からインク室256内に一旦インクを吸入し、その後、ピエゾ素子PEに正電圧を印加してインク室容積を減少させて、インク滴Ipを吐出させる。ここで、インクの吸引速度が適正であればインク室容積の変化量に相当するインクが流入するが、吸引速度が速すぎると、インクギャラリ257とインク室256との間には通路抵抗があるためにインクギャラリ257からのインクの流入が間に合わなくなる。その結果、インク通路255のインクがインク室内に逆流して、ノズル付近のインク界面が大きく後退した状態となる。図4(b)に実線で示した電圧波形aは、適正な速度でインクを吸引する波形を示し、破線で示した電圧波形bは適正速度より大きな速度で吸引する波形の一例を示している。
充分なインクがインク室256内に供給された状態で、ピエゾ素子PEに正電圧を印加すると、インク室256の容積減少に相当する体積のインク滴IpがノズルNzから吐出される。これに対して、インクの供給量が不足してインク界面が大きく後退した状態で正電圧を印加すると、吐出されるインク滴は小さなインク滴となる。このように、第1実施例のカラープリンタ200では、インク滴の吐出前に印加する負の電圧波形を制御してインクの吸引速度を変更することで、吐出するインク滴の大きさを制御し、大ドット,小ドットの2種類のインクドットを形成することが可能となっている。
もちろん、2種類に限らずより多種類のドットを形成することも可能である。更には、微細なインク滴を一度に複数吐出して、吐出するインク滴の数を制御するといった方法を用いて、印刷用紙上に形成されるインクドットの大きさを制御してもよい。
以上のようなハードウェア構成を有するカラープリンタ200は、キャリッジモータ230を駆動することによって、各色のインク吐出用ヘッド244ないし247を印刷用紙Pに対して主走査方向に移動させ、また紙送りモータ235を駆動することによって、印刷用紙Pを副走査方向に移動させる。制御回路260は、印刷データに従って、キャリッジ240の主走査および副走査を繰り返しながら、適切なタイミングでノズルを駆動してインク滴を吐出することによって、カラープリンタ200は印刷用紙上にカラー画像を印刷している。
B−2.第1実施例の画像データ変換処理:
図5は、第1実施例の画像処理装置としてのコンピュータ100が、受け取った画像データに所定の画像処理を加えることにより、印刷データに変換する処理の流れを示すフローチャートである。かかる処理は、コンピュータ100のオペレーティングシステムがプリンタドライバ12を起動することによって開始される。以下、図5に従って、第1実施例の画像データ変換処理について簡単に説明する。
プリンタドライバ12は、画像データ変換処理を開始すると、先ず初めに、変換すべきRGBカラー画像データの読み込みを開始する(ステップS100)。次いで、取り込んだ画像データの解像度を、カラープリンタ200が印刷するための解像度に変換する(ステップS102)。カラー画像データの解像度が印刷解像度よりも低い場合は、線形補間を行うことで隣接画像データ間に新たなデータを生成し、逆に印刷解像度よりも高い場合は、一定の割合でデータを間引くことによって画像データの解像度を印刷解像度に変換する。
こうして解像度を変換すると、カラー画像データの色変換処理を行う(ステップS104)。色変換処理とは、R,G,Bの階調値の組み合わせによって表現されているカラー画像データを、C,M,Y,Kなどのカラープリンタ200で使用する各色の階調値の組み合わせによって表現された画像データに変換する処理である。色変換処理は、色変換テーブルと呼ばれる3次元の数表を参照することで迅速に行うことができる。色変換テーブルは、図6に概念的に示すように、RGB各色の階調値の組合せで示される各格子点に、C,M,Y,Kなどの各色階調値を記憶した3次元の数表と考えることができる。このように、各色の階調値を互いに直行する3軸に取った空間は、色空間と呼ばれる。また、各色の階調値がそれぞれ最小値から最大値までの範囲を取ったときに、色空間内に形成される立体は色立体と呼ばれる。尚、色変換テーブルの各格子点に設定される各色階調値は、必ずしもC,M,Y,K各色の階調値に限られず、例えばC,M,Yの3色の階調値を設定しておき、色変換によって得られたC,M,Y各色の階調データに、下色除去と呼ばれる処理を行って、C,M,Y,K各色の階調値を求めても良い。あるいは、C,M,Y,K各色ドットに加えて、LC,LMドットを形成可能なカラープリンタでは、これらの6色分の階調値を設定しておいても良い。
色変換処理では、このような色変換テーブルを参照しつつ、必要に応じて補間演算を行うことによって、RGB階調値で表現された画像データを、C,M,Y,Kの各色階調値で表現された画像データに色変換する。図6を参照しながら簡単に説明すると、例えばRGB各色の階調値がRA,GA,BAである場合、RGB色空間内に座標値(RA,GA,BA)の点Aを考え、点Aを含むような小さな立方体dVを見つけ出す。次いで、立方体dVの各頂点となっている格子点に設定されたC,M,Y,K各色の階調値を読み出し、これら階調値から補間演算することで点Aの階調値を算出する。
第1実施例の画像処理においては、C,M,Y,K各色の画像データは8ビットデータとして表現されており、小ドットを用いて表現し得るような細かな階調変化を表現するには分解能が不足している。そこで、第1実施例の色変換処理では、各色階調値が大きめの値に設定された色変換テーブルを参照することによって、分解能の不足を補っている。このような色変換テーブルの設定方法については後述する。
こうして色変換処理を終了すると、ドット量データ変換処理を開始する(図5のステップS106)。ドット量データ変換処理とは、画像データを、プリンタが印刷用紙上に形成可能な各種ドットについてのドット密度を示すドット量データに変換する処理である。第1実施例のカラープリンタ200では、小ドットと大ドットの2種類のドットを形成可能であることに対応して、ステップS106のドット量データ変換処理では、色変換処理によって得られた各色の画像データを、小ドットおよび大ドットの各ドットについてドット密度を示すドット量データに変換する。かかる変換は、図7に示すような、ドット量テーブルを参照することによって行う。
図7に示すように、ドット量テーブルには、C,M,Y,K各色毎に、階調値に対して小ドットおよび大ドットのドット密度に関するデータが設定されている。ここで言うドット密度とは、ある領域内の画素にドットが形成される密度を意味している。例えばドット量データの値「0」は、ドットが全く形成されない状態を示している。また、ドット量データの値「128」は、約半分の画素にドットが形成されている状態を示し、ドット量データの値「255」は全ての画素にドットが形成されている状態を示している。
ドット量テーブルは、各色の階調値に対して次のように設定されている。C色の画像データを変換する場合を例にとって説明すると、入力階調値が「0」の場合は、小ドットおよび大ドットいずれのドット量データの値も「0」に設定されている。ドット量データ「0」の状態ではドットは全く形成されないので、印刷用紙上には用紙の地色がそのまま現れた状態となっている。入力階調値が増加すると、次第に小ドット密度が増加していき、これに伴って印刷用紙上に表現される色彩も用紙の地色から次第にシアン色に変化していく。入力階調値が所定値以上になると、小ドットのドット密度が減少に転じ、小ドットの置き換わるようにして大ドットが形成され始める。このように、小ドットを大ドットに置き換えていけば、印刷用紙上に表現される色彩は次第に濃いシアン色となっていく。入力階調値が所定値に達すると、全ての小ドットが大ドットに置き換わり、以降は入力階調値の増加とともに大ドットのドット密度が増加し、やがてドット量データの値「255」に達してすべての画素に大ドットが形成された状態となる。このように、ドット量テーブルは、入力階調値が増加するに従って、印刷用紙上に表現される色が次第に濃いシアン色に変化するように設定されている。尚、前述したように、第1実施例の色変換処理では、画像データの分解能の不足を補うために、C,M,Y,K各色階調値が大きめの値に変換されている。これを補正すべく、第1実施例のドット量テーブルには、入力階調値の対して小ドットおよび大ドットのドット量データとして、小さめの値が設定されている。このようなドット量デーブルの設定方法については後述する。
以上のようにして、色変換処理およびドット量データ変換処理を終了すると、次は階調数変換処理を開始する(図5のステップS108)。階調数変換処理とは次のような処理である。色変換処理およびドット量データ変換処理によって、RGB画像データは、C,M,Y,Kの各色の大ドットおよび小ドットについて、印刷用紙上に形成すべきドット密度を示すドット量データに変換されている。これらドット量データは、階調値0から255の256階調を有するデータとして表現されている。これに対し、第1実施例のカラープリンタ200は、各色毎に大小2種類のドットを形成可能であるとは言え、各ドット種類に着目すれば「ドットを形成する」,「ドットを形成しない」のいずれかの状態しか採り得ない。そこで、各ドット種類毎に256階調を有するドット量データを、カラープリンタ200が表現可能な2階調で表現された画像データに変換する必要がある。このような階調数の変換を行う処理が階調数変換処理である。階調数変換処理を行う手法には、誤差拡散法がもっとも一般的に使用されるが、もちろん組織的ディザ法など、他の周知な方法を適用することも可能である。
こうして階調数変換処理を終了したら、プリンタドライバはインターレース処理を開始する(ステップS110)。インターレース処理とは、ドットの形成有無を表す形式に変換された画像データを、ドットの形成順序を考慮しながらカラープリンタ200に転送すべき順序に並べ替える処理である。プリンタドライバは、インターレース処理を行って最終的に得られた画像データを、印刷データとしてカラープリンタ200に出力する(ステップS112)。カラープリンタ200は、印刷データに従って、各色のインクドットを印刷媒体上に形成する。その結果、画像データに対応したカラー画像が印刷媒体上に印刷される。
以上に説明したように、第1実施例の画像処理装置では、C,M,Y,K各色画像データの分解能の不足を補うように設定された色変換テーブルを参照して色変換を行う。こうして得られたC,M,Y,K各色の画像データは、分解能の不足を補うために、ハイライト領域で大きめの階調値に変換されている。そこで、続いて行うドット量データ変換処理においては、これを補正するように設定されたドット量テーブルを参照して、C,M,Y,K各色の画像データを各色毎に大ドットおよび小ドットのドット量データに変換する。こうすれば、C,M,Y,K各色の画像データを8ビットデータとしたまま、色変換の際に分解能を低下させることなく適切なドット量データを得ることができる。その結果、カラープリンタ200では、小ドットを活用することにより、RGB画像データの細かな階調変化に対応した高画質な画像を印刷することが可能となる。
また、かかる方法では、色変換処理あるいはドット量データ変換処理において、それぞれ参照する色変換テーブルあるいはドット量テーブルに特殊な値が設定されているものの、変換処理の手順自体は何ら特殊なものではない。すなわち、色変換テーブルとドット量テーブルとを第1実施例のテーブルに変更するだけで、小ドットを活用して細かな階調変化を表現した高画質な画像を印刷することが可能となる。そこで、以下では、これら割増色変換テーブルおよび補正ドット量変換テーブルの設定方法について説明する。
B−3.割増色変換テーブルの設定方法:
割増色変換テーブルは、色変換テーブルの各格子点に設定されているCMYK各色の画像データを変更することによって簡単に設定することができる。以下では、色変換テーブルに設定されている画像データに、エンコード係数Keを作用させることで、割増色変換テーブルを設定する方法について説明する。
図8は、エンコード係数の一例を示した説明図である。エンコード係数Keは画像データの階調値に対して設定されており、CMYK各色の画像データとエンコード係数Keとを乗算することによって、階調値の割増しされた画像データを算出する。図9は、画像データとエンコード係数Keとを乗算して、階調値の割増しされた画像データを算出している様子を示している。エンコード係数Keは、画像データが好適に割増しされるように、次の2つの条件を満たす範囲で自由に設定することができる。先ず、エンコード係数Keは、画像データの増加に伴って、割増しされた画像データが単調に増加するように設定する。次ぎに、割増しされた画像データの最大値が、画像データの最大値を超えないように設定する。図8に示したエンコード係数Keは、計算式
Ke=4/((data/255)+1)**2 ・・・(1)
を用いて算出している。ここで、dataは画像データの階調値(1バイトデータ)を示す。また、「**」はべき乗演算子を示す。上式により得られたエンコード係数Keは、画像データが小さな値をとる領域(すなわちハイライト領域)では、画像データをほぼ4倍に割増しし、画像データが大きくなるに従って割増し量が減少するような設定となっている。こうすれば、色変換したときに、ハイライト領域で、画像データの分解能が不足することを補うことができる。画像データの階調値が「255」の時には、エンコード係数Keの値は「1」となるので、割増しされた画像データの値は「255」となる。このようなエンコード係数Keを用いて、色変換テーブルから割増色変換テーブルを設定することができる。
図10は、割増色変換テーブルを設定する処理の流れを示すフローチャートである。前述したように色変換テーブルには、各色の階調値が設定されており、以下の処理も各色毎に行われるが、説明が煩雑となることを避けるために以下では色を特定せずに説明する。
割増色変換テーブル設定処理を開始すると、先ず初めに、修正する色変換テーブルの格子点に設定されている画像データを読み出す(ステップS200)。前述したように、画像データは1バイトデータとして記憶されており、0から255の整数の値を取る。次いで、読み出した画像データに対応するエンコード係数Keを算出する(ステップS202)。ここでは、上式(1)に基づいてエンコード係数Keを算出するものとする。もちろん、他の式を用いて算出してもよく、あるいは画像データと適切なエンコード係数Keとを予め対応付けて記憶しておいた数表を参照することによって、エンコード係数Keを求めても良い。
次いで、読み出した画像データと算出したエンコード係数Keと乗算することにより、階調値の割増しされた画像データを算出する(ステップS204)。エンコード係数Keは実数値を取り得るので、割増しされた画像データも実数値として求められる。こうして得られた画像データを0から255の範囲の整数値に変換した後、得られた整数値で、色変換テーブルの格子点に設定されているデータを更新する(ステップS206)。整数値への変換は、例えば、小数点以下の値を切り捨てることによって行う。
以上のようにして、1つの格子点についての処理を終了したら、全格子点についての処理を終了したか否かを判断し(ステップS208)、未処理の格子点が残っている場合は、ステップS200に戻って、全ての格子点の処理が終了するまで、続く一連の処理を繰り返す。こうして、全ての格子点の処理が完了したら、割増色変換テーブル設定処理を終了する。
こうして得られた割増色変換テーブルを参照してRGB画像データを色変換すれば、ハイライト領域でCMYK画像データの分解能が不足することを補うことができる。これを、図11を参照して説明する。
図11は、白色からシアン色に変化するRGB画像データを色変換している様子を概念的に示した説明図である。左側に(R,G,B)と表示した欄は、RGB画像データの入力値を示す。図22を用いて説明したように、RGB画像データ(255,255,255)は白色を表しており、RGB画像データ(245,255,255)はシアン色を表している。また、図11中で破線で囲って表示しているのは、色変換テーブルの格子点がある画像データを示している。色変換テーブルの格子点にはCMYK各色の階調値が設定されている。図22で前述したように、白色からシアン色に変化するRGB画像データを色変換する場合、C色の階調値の変化に着目すれば足りるので、図11においてもC色の階調値のみ表示している。
図11の右側にC_dataと表示した欄は、通常の色変換テーブル、すなわちエンコード係数を作用させていない色変換テーブルの格子点に設定されたC色の階調値を示している。一方、その1つ左側にE_C_dataと表示した欄には、エンコード係数を作用させた割増色変換テーブルの格子点に設定されたC色の階調値を示している。エンコード係数は、上述の(1)式によって算出した。
前述したように、色変換テーブルの格子点間のRGB画像データは、格子点に設定されている階調値を補間することによって、CMYK各色階調値に色変換する。割増色変換テーブルを用いて格子点間のRGB画像データを色変換して得られたC色の階調値を、E_C_dataの欄に示した。補間は、直線補間によって行ったが、他の周知の方法を適用することもできる。E_C_data欄に示したデータと、左端に表示した(R,G,B)欄とを比較すれば明らかなように、RGB画像データが白色を示す(255,255,255)からシアン色を示す(245,255,255)に変化するにつれて、E_C_dataの値は滑らかに変化している。これに対して、参考として示したC_dataの値には、RGB画像データが変化しても値の変化しない領域が存在している。例えばRGB画像データが(255,255,255)から(253,255,255)の間では、C_dataの値は「0」のまま変化していない。すなわち、エンコード係数を作用させた場合は、RGB画像データの細かな変化に伴ってC色の階調値(E_C_data)も変化するが、エンコード係数を作用させない場合は、RGB画像データが僅かに変化した程度ではC色の階調値(C_data)が変化しない領域が発生するのである。
エンコード係数を作用させることによって、このような違いが生じるのは、次の理由による。図11中のr_C_dataと表示した欄には、通常の色変換テーブルに設定された階調値を補間して得られた補間値を実数値で表示している。図11の右端に参考として示したC_dataは、こうして得られた補間値を整数に丸めた値である。このことから、通常の色変換テーブルを用いて色変換した場合、RGB画像データが変化してもC色の階調値の変化しない領域が発生するのは、補間値を整数に丸めているために発生しているためであると考えられる。図11中にKeと表示した欄には、r_C_dataに対して(1)式を適用して求めたエンコード係数を示している。確認のために、r_C_dataと対応するエンコード係数Keとを乗算し、得られた実数値を整数に丸めると、E_C_dataを補間して得られた値と一致する。このことから、割増色変換テーブルを用いて色変換すると、エンコード係数が乗算された補間値となるために、整数に丸めた場合でも、RGB画像データの僅かな変化を、色変換後の画像データに反映させることができるのである。
B−4.補正ドット量テーブルの設定方法:
割増色変換テーブルを用いて色変換されたCMYK各色の画像データは、通常の色変換テーブルによって得られた画像データにエンコード係数Keが乗算されたデータとなっている。そこで、前述したように、CMYK各色の画像データをドット量データに変換する際に、ドット量テーブルに替えて補正ドット量テーブルを参照することによって、これを補正する。
補正ドット量テーブルは、ドット量テーブルのデータを変更することによって、容易に設定することができる。以下では、図7および図9を参照することにより、ドット量テーブルを変更して補正ドット量テーブルを設定する原理を説明する。
前述したように、ドット量テーブルには、CMYK画像データの階調値に対して、各種ドットを形成すべきドット密度を示すドット量データが設定されている。第1実施例のカラープリンタ200は、小ドットと大ドットの2種類のドットを形成可能としていることに対応して、図7に示す例では、小ドットのドット量データと大ドットのドット量データとが設定されている。図7を参照することにより、例えば、画像データの階調値「64」に対しては、小ドットのドット量データおよび大ドットのドット量データを、それぞれ「ds64」,「0」と求めることができる。また、画像データの階調値「128」に対しては、小ドットのドット密度および大ドットのドット量データをそれぞれ「ds128」,「dL128」と求めることができる。
ここで、前述したように、割増色変換テーブルを参照して色変換されたCMYKの画像データは、通常の色変換テーブルによって得られたCMYK画像データに対して、エンコード係数Keが乗算された画像データとなっている。これを、図9を参照して具体的に説明する。通常の色変換テーブルによって得られるCMYK画像データの階調値が「64」であるとすると、割増色変換テーブルを参照した場合には、階調値「D64」の画像データに色変換されることになる。同様に、通常の色変換テーブルによって階調値「128」が得られる場合は、割増色変換テーブルを参照した場合には、階調値「D128」の画像データに変換されることになる。
このことから明らかなように、例えば、補正ドット量テーブルの階調値「D64」に対して、ドット量テーブルの階調値「64」に対するドット量データを設定しておけば、階調値「D64」から適切なドット量データを求めることが可能となる。図12は、このようにして補正ドット量テーブルを設定している様子を概念的に示した説明図である。図12中に示した細い破線は、通常のドット量テーブルに設定されている小ドットのドット量データである。これを矢印で示すように変形して、割増しされた階調値に対する小ドットのドット量データを得るのである。すなわち、階調値「64」に対する小ドットのドット量データ「ds64」を、エンコード係数Keを乗算して割増しされた階調値「D64」に対するドット量データとして設定するのである。大ドットのドット量データについても同様の変形を
行えばよい。
図13は、補正ドット量テーブルを設定する処理の流れを示すフローチャートである。ドット量テーブルはCMYK各色毎に設定されており、以下の処理も各色毎に行われるが、説明が煩雑となることを避けるために、以下では色を特定せずに説明する。
補正ドット量テーブル設定処理を開始すると、先ず初めに、ドット量データを設定しようとする処理階調値を1つ選択する(ステップS300)。処理階調値は、補正ドット量テーブルでは横軸の座標値となる階調値であり、第1実施例では画像データは1バイトで表現されているものとしているから、処理階調値は0から255の範囲の整数値をとる。次いで、エンコード係数Keを作用させる前の階調値を算出する(ステップS302)。すなわち、補正ドット量テーブルに設定しようとする処理階調値は、エンコード係数Keが乗算された階調値であるため、エンコード係数Keを乗算する前の階調値を算出するのである。かかる階調値を算出する方法としては、前述の(1)式のように、エンコード係数が数式で設定されている場合は、解析的な方法によって算出しても良いし、あるいは図9を用いて説明したように、グラフから読み出しても良い。得られた階調値は、整数に丸めておく。
こうして得られた階調値に対して、通常のドット量テーブルに設定されているドット量データを読み出す(ステップS304)。例えば、図7に示したドット量テーブルには、横軸にとった階調値に対して、小ドットおよび大ドットのドット量データが設定されているので、これらのドット量データを読み出すのである。
こうして、通常のドット量テーブルから読み出したドット量データを、処理階調値に対するドット量データとして、補正ドット量テーブルに設定する(ステップS306)。つまり、図12を用いて説明したように、小ドットおよび大ドットのそれぞれのドット量データを書き込むのである。
以上のようにして、1つの処理階調値についてドット量データを設定したら、全ての処理階調値についてドット量データを設定したか否かを判断し(ステップS308)、未設定の階調値が残っている場合は、ステップS300に戻って、全ての階調値の処理が終了するまで、続く一連の処理を繰り返す。こうして、全ての階調値について処理が完了したら、補正ドット量テーブル設定処理を終了する。
前述した方法で設定された割増色変換テーブルを参照して、RGB画像データを色変換し、得られたCMYK画像データを、上述した方法で設定した補正ドット量テーブルを参照してドット量データに変換すれば、RGB画像データに対応した適切なドット量データを得ることができる。かかる方法においては、RGB画像データを色変換して得られるCMYK画像データは、階調値の割増しされた画像データ、すなわちエンコード係数が作用した画像データとなっているので、前述したように、RGB画像データの僅かな階調値の変化を反映したドット量データを得ることができる。
B−5.第1実施例の変形例:
上述した第1実施例では、(1)式に示したような滑らかに変化する関数を用いてエンコード係数Keを設定し、エンコード係数Keから割増しされた各色画像データを算出したが、図14に示すように、階調値の割増しされた画像データを直接設定してもよい。例えば、図14に示すように、傾きが不連続に変化する連続関数(折れ線関数)を用いて設定しても構わない。前述したように、エンコード係数Keを設定する際には、階調値の割増しされた画像データが所定の条件を満足するように設定する必要があるが、階調値の割増しされた画像データを直接設定すれば、条件を満たすエンコード係数Keを容易に逆算することができる。更には、エンコード係数Keを逆算せずとも、図14から割増色変換テーブルを設定し、図14および図7から補正ドット量テーブルとを設定してもよい。
尚、かかる折れ線関数を用いる場合、割増色変換テーブルの格子点間のデータを補間する際に、補間結果に含まれる誤差を抑制する観点から、折れ線部分で直線の傾きがあまり大きく変化しないようにすることが望ましい。また、色変換テーブルの格子点間隔を小さな値とすることが望ましい。
C.第2実施例:
上述した第1実施例の画像データ変換処理においては、予め記憶されている割増色変換テーブルを参照して色変換を行った。これに対して、基準となる色変換テーブルを予め記憶しておき、色変換に先だって、基準となる色変換テーブルから割増色変換テーブルを生成した後、生成した割増色変換テーブルを参照して色変換を行っても良い。以下では、このような第2実施例の画像データ変換処理について説明する。
C−1.第2実施例の画像データ変換処理:
図15は、第2実施例の画像データ変換処理の流れを示すフローチャートである。図15に示した第2実施例の画像データ変換処理は、図5を用いて前述した第1実施例の画像データ変換処理に対して、色変換処理に先立ってプレ変換処理を行う点で大きく異なっている。以下、第1実施例の画像データ変換処理との相違点を中心にして、図15を参照しながら第2実施例の画像データ変換処理について説明する。
前述した第1実施例と同様に、第2実施例の画像データ変換処理も、コンピュータ100のオペレーティングシステムがプリンタドライバ12を起動することによって開始される。第2実施例の画像データ変換処理を開始すると、先ず初めにプリンタドライバ12は、変換すべきRGBカラー画像データを読み込み(ステップS400)、次いで、取り込んだ画像データの解像度を、カラープリンタ200が印刷するための解像度に変換する(ステップS402)。
こうして解像度を変換すると、第2実施例の画像データ変換処理では、色変換処理に先立って、プレ変換処理と呼ばれる処理を行う(ステップS404)。プレ変換処理とは、カラー画像の印刷画質を維持したまま、色変換処理を高速に実行するために行われる処理である。以下、図16および図17を参照しながら、プレ変換処理の原理について説明する。
図16は、プレ変換処理において、画像データが変換される様子を模式的に示した説明図である。図中に示した「プレ変換モジュール」および「色変換モジュール」は、コンピュータ100内で、プレ変換処理、色変換処理を実現しているそれぞれの機能を概念的に示したものである。もちろん、プレ変換処理あるいは色変換処理をそれぞれ専用の電子回路を用いて実現している場合は、これら専用の電子回路がそれぞれのモジュールに対応することになる。プレ変換モジュールは、解像度が変換されたR、G、B各色の画像データRo,Go,Boを受け取って所定の変換を施した後、得られたR、G、B各色の画像データRcn,Gcn,Bcnを、色変換モジュールに出力する。
図17は、プレ変換モジュールが行う変換の内容を概念的に示した説明図である。図6を用いて前述したように、R,G,B各色の階調値を3軸とするRGB色空間を考えると、RGB画像データは、RGB色空間内の座標点として表すことができる。また、色変換テーブルは、RGB色立体を格子状に細分し、各格子点に対応するCMYK各色の階調値を記憶した3次元の数表と考えることができる。今、解像度が変換されたRGB画像データ(Ro,Go,Bo)が与えられたとすると、色空間内で対応する座標点(Ro,Go,Bo)と、この座標点を含むような色変換テーブルの小さな立方体を考えることができる。図17中に示した黒丸●はRGB画像データに対応する座標点を表しており、また図中の白丸○は、小さな立方体の8つの格子点を表している。プレ変換モジュールは、受け取ったRGB画像データ(Ro,Go,Bo)を、小さな立方体のいずれかの頂点に対応する画像データに変換して、色変換モジュールに出力する。すなわち(R1,G1,B1)ないし(R8,G8,B8)のいずれかが、変換された画像データ(Rcn,Gcn,Bcn)として色変換モジュールに出力されることになる。
このようなプレ変換処理を行うことで、続く色変換処理を高速化することができる理由について説明する。図6を用いて説明したように、第1実施例の色変換処理では、次のようにしてRGB画像データをCMYK画像データに変換していた。先ず、RGB画像データを受け取ると、色変換テーブルを構成する立方体の中から、画像データに対応する座標点を含むような立方体を検出し、各頂点に記憶されているCMYK画像データを読み出す。次いで、読み出したCMYK画像データから補間演算を行うことにより、座標点のCMYK画像データを算出していた。これに対して、プレ変換処理では、受け取ったRGB画像データは、色変換テーブルを構成するいずれかの格子点の画像データに変換される。従って、続く色変換処理では、対応する格子点に記憶されているCMYK画像データを読み出すだけで良く、立方体の各頂点に記憶されたCMYK画像データを読み出して補間演算を行う必要がない。このため、プレ変換処理を行うことで、色変換処理を大幅に高速化することが可能となるのである。
もちろん、プレ変換処理では、受け取ったRGB画像データ(Ro,Go_,Bo)を色変換テーブルの格子点に対応する画像データ(Rcn,Gcn,Bcn)に変換しているため、一つ一つの画素に着目すれば変換に伴う量子化誤差が発生しており、入力されたRGB画像データに対応する色とは異なる色が印刷されることになる。しかし、個々の画素で発生する量子化誤差が互いに打ち消し合うように変換してやれば、一定の範囲では入力されたRGB画像データの色を正確に表現することができるので、実際には画質を悪化させることはない。
このように、個々の画素で発生する量子化誤差が互いに打ち消し合うように変換する手法としては、種々の方法を適用することができる。例えば、画像データの座標点を取り巻く8つの頂点から任意の頂点をランダムに選択し、選択した頂点の画像データに変換することとすることができる。こうすれば、変換毎に発生する量子化誤差が確率的に分散するので、一定の範囲では量子化誤差がほぼ打ち消し合うようにすることができる。あるいは、誤差拡散の手法を適用したり、分散型ディザの閾値マトリックスを用いた組織的ディザ法を適用して、画像データを格子点のデータに変換することとしても良い。これら手法は周知の手法であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
第2実施例の画像データ変換処理では、以上のようにしてプレ変換処理を行うことで、迅速に色変換処理を行うことができる。尚、詳細には後述するが、第2実施例の画像データ変換処理では、画質上の要請からプレ変換処理中で、階調値の割増しされた色変換テーブルを生成し、続く色変換処理ではかかる割増色変換テーブルを参照して色変換を行っている。
プリンタドライバ12は、こうして色変換処理を終了すると、ドット量データ変換処理を開始する(図15のステップS408)。ドット量データ変換処理の内容は、前述した第1実施例の処理と同様である。すなわち、色変換処理によって得られた、階調値の割増しされたCMYK画像データを、割増しの解消された小ドットおよび大ドットのドット量データに変換する。かかる変換は、図7に示すようなドット量テーブルを参照することによって行われる。
ドット量データ変換処理を終了すると、階調数変換処理(ステップS410)およびインターレース処理(ステップS412)を行って、得られた画像データを、印刷データとしてカラープリンタ200に出力する(ステップS414)。カラープリンタ200は、印刷データに従って、各色のインクドットを印刷媒体上に形成する。その結果、画像データに対応したカラー画像が印刷媒体上に印刷される。
C−2.プレ変換処理:
以下では、第2の実施例の画像データ変換処理中で行われるプレ変換処理について、より詳細に説明する。図18は、第2実施例のプレ変換処理の大まかな流れを示すフローチャートである。フローチャートに示されているように、第2実施例のプレ変換処理は、プレ変換用の色変換テーブルを生成する処理(ステップS500)、およびRGBデータ割付処理(ステップS502)の2つのステップにより実行される。プレ変換用色変換テーブル生成処理とは、プリンタドライバ12に予め記憶されている基準の色変換テーブルから、プリ変換処理で参照するためのプリ変換用色変換テーブルを生成する処理である。図19は、基準となる色変換テーブルからプレ変換用色変換テーブルを生成している様子を概念的に示した説明図である。図19(a)は基準の色変換テーブルを概念的に示しており、図19(b)はプリ変換用の色変換テーブルを概念的に示している。図示されているように、プリ変換用の色変換テーブルは、基準となる色変換テーブルよりも多数の格子点を有している。これは、次の理由によるものである。
色変換テーブルは、RGB画像データと、これと等しい色を表すCMYK画像データ(あるいはCMY画像データ)との対応関係を記述する機能を有している。従って、色変換テーブルの格子点は、RGB画像データとCMYK画像データとの対応関係を正確に記述可能な範囲で、あまり格子点数が多くならないように適切な位置および個数に設定されている。RGB画像データを色変換する際には、こうして設定された格子点のデータから補間演算を行って、CMYK画像データを算出する。
これに対してプレ変換処理を行う場合には、RGB画像データは色変換テーブルの格子点のRGB画像データに強制的に割り当てられるので、個々の画素についてはこれに伴う量子化誤差が発生する。もちろん、前述したように一定の範囲で見れば、個々の画素で発生した量子化誤差は互いに打ち消し合うので印刷された画像の色がずれることはない。しかし、量子化誤差があまりに大きくなるとざらざらした感じの画像になるので、画質の上からは、量子化誤差の大きさはある程度の範囲内にあることが望ましい。平均的な量子化誤差の大きさは、格子点の間隔が狭くなるほど、換言すれば色変換テーブルの格子点数が多くなるほど小さくなる。このことから、プレ変換処理を行うことを前提として、量子化誤差が許容範囲に収まるように設定された色変換テーブルの格子点は、プレ変換処理を前提としない色変換テーブルの格子点よりも多くなるのである。
また、格子点の位置についても、最適に設定されたプレ変換用色変換テーブルと通常の色変換テーブルとでは、通常は一致していない。図19(c)は、プレ変換用色変換テーブルの格子点位置を最適化した一例を示している。プレ変換用の色変換テーブルを生成する処理(図18のステップS500)では、図19(a)に示した基準となる色変換テーブルから、図19(c)に示すようなプリ変換用色変換テーブルを生成することとしても良い。
このように、プレ変換用色変換テーブル生成処理(図18のステップS500)では、プリンタドライバ12に記憶されている通常の色変換テーブル(すなわち基準となる色変換テーブル)から、プレ変換用色変換テーブルを生成する処理を行う。具体的には、プリンタドライバ12にはプレ変換用色変換テーブルの格子点位置が予め設定されていて、各格子点位置でのCMYK画像データを算出する。格子点位置のCMYK画像データは、基準となる色変換テーブルを参照しながら、格子点位置でのCMYK画像データを補間演算することにより算出される。プリ変換用色変換テーブルは基準となる色変換テーブルよりも格子点数が多いことから、テーブルを記憶するためには大きな記憶容量が必要となるが、こうして基準となる色変換テーブルから生成させることとすれば、記憶容量を節約することが可能となる。
尚、詳細には後述するが、プレ変換用色変換テーブルを用いて色変換を行った場合でも、分解能の不足に起因して、量子化誤差の大きさが所望の範囲内に収まらないことが生じ得る。そこで、こういった問題の発生を回避するために、第2実施例では、後述するプレ変換用色変換テーブル生成処理を行って階調値の割増しされた色変換テーブルを生成し、生成した色変換テーブルを参照しながらプリ変換処理を行っている。
図18に示すように、プレ変換用色変換テーブルを生成すると(ステップS500)、図15の解像度変換処理中で印刷解像度に変換されたRGB画像データを受け取り、RGBデータ割付処理を行う(ステップS502)。RGBデータ割付処理とは、図16、図17を用いて前述したように、RGB画像データ(Ro、Go、Bo)を受け取って、プレ変換用色変換テーブルの格子点のRGB画像データ(Rcn,Gcn,Bcn)に割り付ける処理である。すべてのRGB画像データ(Ro、Go、Bo)が、プレ変換用色変換テーブルの格子点のデータ(Rcn,Gcn,Bcn)に割り付けられたら、図18に示すプレ変換処理を終了して、図15の色変換処理(ステップS406)に復帰する。色変換処理では、プレ変換用色変換テーブルを参照することにより、RGB画像データをCMYK画像データに迅速に変換することができる。
前述したように、第2実施例のプレ変換用色変換テーブル生成処理では、分解能の不足に起因して量子化誤差の大きさが所望の範囲に収まらず、印刷画質が悪化するという問題の発生を回避するために、階調値の割増しされた色変換テーブルを生成している。処理の詳細について説明する準備として、このような問題が生じる理由について簡単に説明する。
図20は、基準となる色変換テーブルからプリ変換用色変換テーブルを生成している様子を概念的に示した説明図である。図20の白丸○は、基準の色変換テーブルの格子点を示している。プリ変換用色変換テーブルは、これら格子点の中間に×印で示す新たな格子点が新たに追加されたテーブルであるとする。図20は、R,G,B各色の階調値がいずれも「255」となる頂点近傍を拡大して示している。R,G,Bの各色階調値がいずれも「255」の画像データは、白色を表しているから、頂点(255,255,255)には、CMYK画像データとして(0,0,0,0)が記憶されている。また、この近傍の格子点には、CMYK画像データとして(0,0,0,0)か、あるいはこの値に近い小さな階調値の画像データが記憶されている。
プレ変換用色変換テーブルを生成するに際しては、白丸○で示したこれら格子点に記憶されているCMYK画像データから、×印で示す新たに生成した格子点のCMYK画像データを補間演算によって算出する。例えば、図20に示すように、頂点P0にはCMYK画像データ(0,0,0,0)が記憶されており、格子点P1にはCMYK画像データ(1,0,0,0)が記憶されているとする。このとき、これら格子点の間に新たに生成した格子点P2のCMYK画像データは、補間演算によって(0.5,0,0,0)と求めることができる。ところが色変換テーブルでは、CMYK画像データは整数型のデータとして記憶されているので、補間によって得られた画像データ(0.5,0,0,0)は、画像データ(0,0,0,0)に丸めて記憶される。結局、量子化誤差を小さくするために新たな格子点P2を生成し、RGB画像データを格子点P0ではなく格子点P2に割り当てたとしても、この格子点P2に記憶されるCMYK画像データは整数型に丸められた結果、格子点P0のデータと同じデータとなっているので量子化誤差を小さくすることはできない。このように、基準となる色変換テーブルから、新たな格子点のCMYK画像データを補間演算によって算出して、プレ変換用の色変換テーブルに格納する際に、CMYK画像データの分解能が不足しているためにデータが丸められて記憶されると、量子化誤差の大きさを所望の範囲に収めることが困難な場合が生じ得るのである。
もちろん、CMYK画像データを整数型のデータではなく、実数型のデータとして扱ったり、あるいは小数点も扱えるようにするといった方法により、色変換テーブルに記憶する画像データの分解能を向上させれば、このような問題の発生を回避することは可能である。しかし、このような方法によって画像データの分解能を向上させたので、色変換テーブルを記憶するために必要な記憶容量が大幅に増加させてしまうので好ましいことではない。
色変換テーブルに記憶される画像データの分解能の不足に起因したこのような問題の発生を回避するために、図18に示した第2実施例のプレ変換用色変換テーブル生成処理(ステップS502)では、次のようにしてプレ変換用の色変換テーブルを生成する。
図21は、プレ変換用色変換テーブルを生成する処理の流れを示すフローチャートである。以下では、フローチャートに従って説明する。プレ変換用色変換テーブルの生成処理を開始すると、先ず初めに、新たに生成する格子点の座標値を取得する(ステップS600)。生成する格子点の座標値は、プリンタドライバ12に予め設定されており、ステップS600では、これら格子点の中から座標値を1つだけ取得する。
次いで、取得した座標値の格子点に記憶すべきCMYK画像データを算出する(ステップS602)。CMYK画像データは、基準となる色変換テーブルを参照して、格子点の座標値に対応するCMYK画像データを補間演算することで算出することができる。色変換テーブルに記憶される前の画像データは、実数型で取り扱われているので、この段階ではデータの丸めによる誤差は発生していない。次いで、算出した画像データに対応するエンコード係数Keを算出する(ステップS604)。エンコード係数Keの算出は、前述した第1実施例と同様に、式(1)を用いて算出することができる。
次いで、算出したCMYK画像データと算出したエンコード係数Keと乗算することにより、階調値の割増しされたCMYK画像データを算出する(ステップS606)。こうして得られたCMYK画像データを、ステップS600で先に取得した格子点、すなわちプレ変換用色変換テーブルの格子点として新たに生成した格子点に対応付けて記憶する(ステップS608)。プレ変換用色変換テーブルも基準の色変換テーブルと同様に、画像データを整数型のデータとして取り扱っているので、エンコード係数Keが乗算されて割増されたCMYK画像データは、格子点に対応付けて記憶される際に整数型のデータに変換される。しかし、第1実施例と同様に、CMYK画像データにはエンコード係数Keが乗算されているので、整数型のデータに丸められても画像データの分解能が大きく損なわれることなく保存されている。
以上のようにして、1つの格子点についての処理を終了したら、生成すべき格子点として記憶されている全格子点についての処理を終了したか否かを判断し(ステップS610)、未処理の格子点が残っている場合は、ステップS600に戻って、全ての格子点の処理が終了するまで、続く一連の処理を繰り返す。こうして、全ての格子点の処理が完了したら、割増色変換テーブル設定処理を終了して、図18に示すプレ変換処理に復帰した後、図15の画像データ変換処理に戻ってドット量データ変換処理(ステップS408)を開始する。ドット量データ変換処理では、図12に示すような補正ドット量テーブルを参照することにより、階調値の割増しされたCMYK画像データから、割増しの解消された各種ドットのドット量データを得ることができる。
以上に説明したように、第2実施例の画像データ変換処理においては、基準の色変換テーブルからプリ変換処理で参照される色変換テーブルを生成する際に、各格子点に記憶される画像データの階調値が割増しされた色変換テーブルを生成する。こうすることにより、画像データを格子点に対応付けて記憶する際に、画像データの分解能の不足に起因して発生するデータの丸め誤差を抑制することができる。このようにして発生させたプリ変換用の色変換テーブルを参照してプリ変換処理および色変換処理を行うことにより、量子化誤差の大きさを所望の範囲内に抑制することができ、良好な画質の画像を印刷することが可能となる。
また、色変換処理後に得られるCMYK画像データは階調値の割増しされた画像データ、すなわちエンコード係数Keが乗算された画像データとなっているが、このデータをドット量データに変換する際に、通常のドット量テーブルに換えて、エンコード係数Keを考慮して設定された補正ドット量テーブルを参照して変換するだけで、割増しの解消された適切なドット量データを得ることができる。すなわち、第2実施例の画像データ変換処理では、処理時間の増大といった弊害を何ら伴うことなく、通常の処理に比べてプレ変換による量子化誤差を抑制して画質を大きく改善することが可能となる。
C−3.第2実施例の変形例:
上述した第2実施例では、プレ変換用の色変換テーブルは基準の色変換テーブルよりも多数の格子点を備えているものとして説明した。しかし、必ずしも格子点数を増やす場合に限らず、例えば、基準の色変換テーブルから格子点位置を移動させて色変換テーブルを生成する場合にも、第2実施例の方法を好滴に適用することができる。RGB画像データとCMYK画像データとの対応関係を記述するための格子点位置と、プレ変換処理による量子化誤差を小さくするための格子点位置とは一致するとは限らないことから、基準の色変換テーブルからプレ変換用に格子点位置をずらしたテーブルを生成する場合には、このようなことが起こり得る。
このように格子点位置を基準の色変換テーブルの格子点位置から移動させる場合、新たな格子点に記憶されるCMYK画像データは、基準の色変換テーブルを参照して補間演算によって算出される。このため、補間によって得られた画像データを格子点に対応付けて記憶する際に画像データの丸めによる誤差が生じ得る。そこで、補間によって得られた画像データを格子点に記憶させる前にエンコード係数を乗算して、階調値を割増してから記憶させるのである。こうすれば、補間によって得られた画像データの分解能を保存したまま、色変換テーブルを生成することができるので、量子化誤差の発生を効果的に抑制することができる。
また、画像の変換テーブルを生成させる際に、エンコード係数を作用させるなどして階調値を割増しした変換テーブルとすることで、データの分解能の不足に起因した問題の発生を回避する技術は、必ずしもプレ変換用の色変換テーブルを生成する場合に限ず、種々の場合に適用することができる。例えば、プリンタに搭載されているインクの種類が変更されたり、あるいは印刷データを出力するプリンタの機種が変更されたといった理由から、画像データの値を、新たなインクあるいは新たなプリンタに対応した画像データに変換しなければならない場合がある。このような場合には、画像データを変換するための変換テーブルを作成しておけば、画像データを容易に変換することが可能となる。しかし、変換テーブルに記憶するデータの分解能が不足している場合には、データの丸めによるごさが発生し得る。あるいは変換によって画像データの大きさを小さくする場合などには、画像データの丸めによる誤差が発生し得る。このような場合、変換テーブルに記憶するデータにエンコード係数を作用させることで、分解能の不足を補って画質を改善することが可能となる。
以上、各種の実施例について説明してきたが、本発明は上記すべての実施例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することができる。例えば、上述の機能を実現するソフトウェアプログラム(アプリケーションプログラム)を、通信回線を介してコンピュータシステムのメインメモリまたは外部記憶装置に供給し実行するものであってもよい。もちろん、CD−ROMやフレキシブルディスクに記憶されたソフトウェアプログラムを読み込んで実行するものであっても構わない。
また、上述した各種実施例では、階調数変換処理を含む画像データ変換処理はコンピュータ内で実行されるものとして説明したが、画像データ変換処理の一部あるいは全部をプリンタ側、あるいは専用の画像処理装置を用いて実行するものであっても構わない。
更には、画像表示装置は、必ずしも印刷媒体上にインクドットを形成して画像を印刷する印刷装置に限定されるものではなく、例えば、液晶表示画面上で輝点を適切な密度で分散させることにより、階調が連続的に変化する画像を表現する液晶表示装置であっても構わない。
産業上の利用の可能性
以上説明したように、本発明の画像処理装置、印刷制御装置、画像処理方法によれば、画像表示装置が持つ潜在的な性能を充分に引き出して、細かな階調変化も正確に表現することが可能となるので、画像の出力装置として好適に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
図1は、第1実施例の印刷システムの概略構成図。
図2は、第1実施例の画像処理装置としてのコンピュータの構成を示す説明図。
図3は、第1実施例の画像表示装置としてのプリンタの概略構成図。
図4は、第1実施例のプリンタが大きさの異なるドットを形成する原理を示す説明図。
図5は、第1実施例の画像処理装置で行われる画像データ変換処理の流れを示すフローチャート。
図6は、色変換テーブルを参照して色変換を行う原理を概念的に示す説明図。
図7は、補正ドット量テーブルを参照して、画像データをドット量データに変換する原理を示す説明図。
図8は、第1実施例で用いるエンコード係数を例示する説明図。
図9は、エンコード係数を作用させて画像データの階調値が割増しされる様子を示す説明図。
図10は、割増色変換テーブルを設定する処理の流れを示すフローチャート。
図11は、割増色変換テーブルを参照することにより、色変換後の画像データの解像度が向上する原理を示す説明図。
図12は、ドット量テーブルを修正することで補正ドット量テーブルを設定する原理を示す説明図。
図13は、補正ドット量テーブルを設定する処理の流れを示すフローチャート。
図14は、第1実施例の変形例において、階調値の割増しされた画像データを直接設定する様子を示す説明図。
図15は、第2実施例の画像処理装置で行われる画像データ変換処理の流れを示すフローチャート。
図16は、第2実施例の画像データ変換処理で行われるプレ変換処理の原理を示す説明図。
図17は、プレ変換処理において、RGB画像データを格子点の画像データに変換する様子を概念的に示す説明図。
図18は、プレ変換処理の流れを示すフローチャート。
図19は、プレ変換用色変換テーブル生成処理において、基準の色変換テーブルからプレ変換用の色変換テーブルを生成している様子を示す説明図。
図20は、プレ変換用に生成した色変換テーブルを参照してプレ変換を行っても分解能の不足に起因して量子化誤差が小さくならない場合がある理由を示す説明図。
図21は、プレ変換用色変換テーブル生成処理の流れを示すフローチャート。
図22は、色変換処理に伴って、画像データの解像度が低下する現象を説明するための説明図。

Claims (14)

  1. カラー画像を表現し得る各種の階調値の組合せによって表現された画像データを、単ドットあたりに表現する階調値の異なる各種ドットについてのドットの形成密度に関するドット量データに変換する画像処理装置であって、
    第1の表色系の各種の階調値の組合せによって表現された第1の画像データを受け取り、第2の表色系の各色の階調値の組合せによる第2の画像データに色変換する色変換手段と、
    前記第2の画像データを、前記各種ドットについての前記ドット量データに、該第2の表色系の各色毎に変換するドット量データ変換手段と
    を備え、
    前記色変換手段は、前記第2の画像データが、少なくとも、単ドットあたりに表現する階調値の最も小さなドットたる最小ドットが形成される所定の階調範囲にある場合には、該第2の画像データ間の大小関係の序列を維持したまま、階調値が割増しされた該第2の画像データに色変換する手段であり、
    前記ドット量データ変換手段は、前記階調値が割増しされた第2の画像データを、該割増しの解消された前記ドット量データに補正しながら変換する手段である画像処理装置。
  2. 請求項1記載の画像処理装置であって、
    前記第1の表色系の各種階調値の組合せと、前記階調値が割増しされた第2の表色系の各色階調値の組合せとを対応付けて記憶している割増色変換テーブルを備え、
    前記色変換手段は、前記割増色変換テーブルを参照することによって、前記第1の画像データを前記階調値が割増しされた第2の画像データに色変換する手段である画像処理装置。
  3. 請求項1記載の画像処理装置であって、
    前記階調値が割増しされた第2の画像データの階調値と、該割増しの解消された前記各種ドットのドット量データとを、前記第2の表色系の各色について対応付けた補正ドット量テーブルを記憶している補正ドット量テーブルを備え、
    前記ドット量データ変換手段は、前記補正ドット量テーブルを参照することによって、前記階調値が割増しされた第2の画像データを、該割増しの解消された前記各種ドット毎のドット量データに、前記第2の表色系の各色毎に変換する手段である画像処理装置。
  4. 請求項1記載の画像処理装置であって、
    前記色変換手段は、
    前記所定の階調範囲では、前記第2の画像データ間の大小関係の序列を維持したまま該第2の画像データの階調値が割増しされるように、前記第1の画像データの階調値を割増しする第1の画像データ割増手段を備えるとともに、
    前記割増しされた第1の画像データを、前記第2の画像データに色変換することによって、前記階調値が割増しされた第2の画像データを得る手段である画像処理装置。
  5. 前記最小ドットは、ドットの大きさが最も小さいドットである請求項1記載の画像処理装置。
  6. 前記最小ドットは、ドットの濃度が最も低いドットである請求項1記載の画像処理装置。
  7. 前記第1の表色系の画像データとして、少なくとも光の三原色を含む各色階調値による画像データを受け取り、該画像データを、少なくともインクの三原色を含む各色毎に前記ドット量データに変換する請求項1記載の画像処理装置。
  8. 請求項1記載の画像処理装置であって、
    前記第1の表色系の各種の階調値の組合せと、前記第2の表色系の各色階調値の組合せとを対応付けて記憶した色変換テーブルと、
    前記色変換テーブルに所定の変換を施して、前記第1の表色系の各種の階調値の組合せと、前記階調値が割増しされた第2の表色系の各色階調値の組合せとが対応付けて記憶された割増色変換テーブルを生成する割増色変換テーブル生成手段と
    を備え、
    前記色変換手段は、前記割増色変換テーブルを参照することによって、前記第1の画像データを前記階調値が割増しされた第2の画像データに色変換する手段である画像処理装置。
  9. 前記割増色変換テーブルを構成する前記第1の表色系の各種の階調値の組合せは、前記色変換テーブルを構成する前記第1の表色系の各種の階調値の組合せとは少なくとも一部が異なる組合せである請求項8記載の画像処理装置。
  10. 請求項8記載の画像処理装置であって、
    前記割増色変換テーブルは、前記色変換テーブルよりも多数の前記第1の表色系の各種階調値の組合せと、前記階調値が割増しされた第2の表色系の各色階調値の組合せとが対応付けて記憶されたテーブルである画像処理装置。
  11. カラー画像を表現し得る各種の階調値の組合せによって表現された画像データを、単ドットあたりに表現する階調値の異なる各種ドットについてのドットの形成有無により表現された印刷データに変換し、該印刷データを、印刷媒体上に該各種ドットを形成して画像を印刷する印刷部に出力することによって該印刷部を制御する印刷制御装置であって、
    第1の表色系の各種の階調値の組合せによって表現された第1の画像データを受け取り、第2の表色系の各色の階調値の組合せによる第2の画像データに色変換する色変換手段と、
    前記第2の画像データを、前記各種ドットについてのドットの形成密度に関するドット量データに、該第2の表色系の各色毎に変換するドット量データ変換手段と、
    前記ドット量データに基づいて、前記各種ドットについてのドットの形成有無を前記第2の表色系の各色毎に判断するドット形成判断手段と、
    前記ドットの形成有無についての判断結果を、前記印刷データとして前記印刷部に出力する印刷データ出力手段と
    を備え、
    前記色変換手段は、前記第2の画像データが、少なくとも、単ドットあたりに表現する階調値の最も小さなドットたる最小ドットが形成される所定の階調範囲にある場合には、該第2の画像データ間の大小関係の序列を維持したまま、階調値が割増しされた該第2の画像データに色変換する手段であり、
    前記ドット量データ変換手段は、前記階調値が割増しされた第2の画像データを、該割増しの解消された前記ドット量データに補正しながら変換する手段である画像処理装置。
  12. カラー画像を表現し得る各種の階調値の組合せによって表現された画像データを、単ドットあたりに表現する階調値の異なる各種ドットについてのドットの形成密度に関するドット量データに変換する画像処理方法であって、
    (A)第1の表色系の各種の階調値の組合せによって表現された第1の画像データを受け取り、第2の表色系の各色の階調値の組合せによる第2の画像データに色変換する工程と、
    (B)前記第2の画像データを、前記各種ドットについての前記ドット量データに、該第2の表色系の各色毎に変換する工程と
    を備え、
    前記工程(A)は、前記第2の画像データが、少なくとも、単ドットあたりに表現する階調値の最も小さなドットたる最小ドットが形成される所定の階調範囲にある場合には、該第2の画像データ間の大小関係の序列を維持したまま、階調値が割増しされた該第2の画像データに色変換する工程であり、
    前記工程(B)は、前記階調値が割増しされた第2の画像データを、該割増しの解消された前記ドット量データに補正しながら変換する工程である画像処理方法。
  13. カラー画像を表現し得る各種の階調値の組合せによって表現された画像データを、単ドットあたりに表現する階調値の異なる各種ドットについてのドットの形成密度に関するドット量データに変換する画像処理方法を実現するプログラムを、コンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体であって、
    (A)第1の表色系の各種の階調値の組合せによって表現された第1の画像データを受け取り、第2の表色系の各色の階調値の組合せによる第2の画像データに色変換する機能と、
    (B)前記第2の画像データを、前記各種ドットについての前記ドット量データに、該第2の表色系の各色毎に変換する機能と
    をコンピュータにより実現するプログラムを記憶しており、
    前記機能(A)は、前記第2の画像データが、少なくとも、単ドットあたりに表現する階調値の最も小さなドットたる最小ドットが形成される所定の階調範囲にある場合には、該第2の画像データ間の大小関係の序列を維持したまま、階調値が割増しされた該第2の画像データに色変換する機能であり、
    前記機能(B)は、前記階調値が割増しされた第2の画像データを、該割増しの解消された前記ドット量データに補正しながら変換する機能である記録媒体。
  14. カラー画像を表現し得る各種の階調値の組合せによって表現された画像データを、単ドットあたりに表現する階調値の異なる各種ドットについてのドットの形成密度に関するドット量データに変換する画像処理方法を、コンピュータを用いて実現するプログラムであって、
    (A)第1の表色系の各種の階調値の組合せによって表現された第1の画像データを受け取り、第2の表色系の各色の階調値の組合せによる第2の画像データに色変換する機能と、
    (B)前記第2の画像データを、前記各種ドットについての前記ドット量データに、該第2の表色系の各色毎に変換する機能と
    を備え、
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