JPWO2001095460A1 - 一体化磁石体およびそれを組み込んだモーター - Google Patents

一体化磁石体およびそれを組み込んだモーター Download PDF

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Abstract

本発明の一体化磁石体は、複数の磁石片を、磁石片と磁石片の間に絶縁性被膜を介して積層して固定した一体化磁石体であって、前記絶縁性被膜の膜厚が0.01μm以上であり、かつ、一体化磁石体の積層方向の全長に対する、前記絶縁性被膜の膜厚の総和の割合が0.0005%〜3%の範囲内にあることを特徴とする。本発明の一体化磁石体は、優れた絶縁性と有効体積比率を有するので、この一体化磁石体をモーターに組み込むことによりモーターの高効率化を達成することが可能となる。

Description

技術分野
本発明は、電気自動車用モーターや家電製品用モーターに使用される一体化磁石体およびこれを組み込んだモーターに関する。より詳細には、優れた絶縁性と有効体積比率を有する一体化磁石体およびこれを組み込んだ高効率モーターに関する。
背景技術
電気自動車(EV:Electric VehicleやHEV:Hybrid Electric Vehicle)用モーターや家電製品用モーターとして、例えば、R−Fe−B系永久磁石に代表される希土類系永久磁石を珪素鋼板などで形成されたローターの中に埋め込んで使用する、いわゆるIPM(Interior Permanent Magnet Motor:埋め込み磁石型モーター)やSPM(Surface Permanent Magnet Motor:表面磁石型モーター)と呼ばれるブラシレスモーターが開発されている。
近年、希土類系永久磁石の材料の改良が進み、それに伴ってモーターの性能も向上している。しかしながら、希土類系永久磁石は導電性を有するため、磁石に交流磁界がかかると、磁石に渦電流が発生して渦電流損としてモーター効率が低下したり、磁石の熱減磁によりモーター特性が低下したりするなどの不都合を生じさせるという問題点を有している。
磁石に発生する渦電流を低減する方法としては、磁石を分割し、複数の磁石片を互いに電気的に絶縁した状態で積層し、一体化磁石体としたものを使用する方法がある(例えば、特開平4−79741号公報を参照)。従来、この方法を採用するに際しては、例えば、絶縁性を有する接着剤を磁石片に塗布し、磁石片と磁石片を接着固定することにより行われていた。
しかしながら、上記のような絶縁性を有する接着剤を磁石片の表面に塗布し、接着固定する方法では、所定の接着強度を確保するためには磁石片と磁石片の間に形成される接着剤の膜厚を百μm以上と厚くしなければならなかった。従って、所定寸法の一体化磁石体において、各々の磁石片の間では十分な絶縁性が得られても、その接着剤の厚みの分だけ一体化磁石体を構成する磁石片自体の体積割合(以下、有効体積比率という)は低下することになった。その結果、有効磁束密度が低下し、モーター特性の低下ひいてはモーター効率の低下を招いていた。また、この方法では、接着剤の厚さが寸法精度に影響を及ぼし、高い寸法精度の一体化磁石体を得ることはできなかった。
そこで本発明は、優れた絶縁性と有効体積比率を有する一体化磁石体およびこれを組み込んだ高効率モーターを提供することを目的とする。
発明の開示
本発明者らは上記の点に鑑みて種々検討を行った結果、磁石片と磁石片の間に薄膜でも優れた絶縁性を有する被膜を形成し、前記絶縁性被膜の膜厚と、一体化磁石体の積層方向の全長に対する、前記絶縁性被膜の膜厚の総和の割合を特定の値に設定することで優れた絶縁性と有効体積比率を有する一体化磁石体が得られ、この一体化磁石体をモーターに組み込むことによりモーターの高効率化を達成することができることを知見した。
本発明は上記の知見に基づいてなされたものであり、本発明の一体化磁石体は、請求の範囲第1項記載の通り、複数の磁石片を、磁石片と磁石片の間に絶縁性被膜を介して積層して固定した一体化磁石体であって、前記絶縁性被膜の膜厚が0.01μm以上であり、かつ、一体化磁石体の積層方向の全長(L)に対する、前記絶縁性被膜の膜厚の総和(l)の割合(l/L)が0.0005%〜3%の範囲内にあることを特徴とする。
また、請求の範囲第2項記載の一体化磁石体は、請求の範囲第1項記載の一体化磁石体において、前記絶縁性被膜の膜厚が50μm以下であることを特徴とする。
また、請求の範囲第3項記載の一体化磁石体は、請求の範囲第1項または第2項記載の一体化磁石体において、一体化磁石体の積層方向の全長(L)に対する、前記絶縁性被膜の膜厚の総和(l)の割合(l/L)が0.01%〜1%の範囲内にあることを特徴とする。
また、請求の範囲第4項記載の一体化磁石体は、請求の範囲第1項乃至第3項のいずれかに記載の一体化磁石体において、絶縁性被膜がクロム酸化物、リン酸化物、ケイ素酸化物、アルミニウム酸化物、チタン酸化物、ジルコニウム酸化物から選ばれる少なくとも一つを主成分とする無機系絶縁性被膜であることを特徴とする。
また、請求の範囲第5項記載の一体化磁石体は、請求の範囲第1項乃至第3項のいずれかに記載の一体化磁石体において、絶縁性被膜が熱可塑性樹脂および/または熱硬化性樹脂からなる有機系絶縁性被膜であることを特徴とする。
また、請求の範囲第6項記載の一体化磁石体は、請求の範囲第1項乃至第5項のいずれかに記載の一体化磁石体において、複数の磁石片を、磁石片と磁石片の間に絶縁性被膜を介して積層することにより得られる積層体を有機樹脂にて包囲一体化することにより固定したことを特徴とする。
また、請求の範囲第7項記載の一体化磁石体は、請求の範囲第1項乃至第5項のいずれかに記載の一体化磁石体において、複数の磁石片を、磁石片と磁石片の間に絶縁性被膜を介して積層することにより得られる積層体を高強度繊維帯で締結することにより固定したことを特徴とする。
また、請求の範囲第8項記載の一体化磁石体は、請求の範囲第1項乃至第7項のいずれかに記載の一体化磁石体において、磁石片が希土類系永久磁石であることを特徴とする。
また、本発明のモーターは、請求の範囲第9項記載の通り、請求の範囲第1項乃至第8項のいずれかに記載の一体化磁石体が組み込まれていることを特徴とする。
発明を実施するための最良の形態
本発明の一体化磁石体は、複数の磁石片を、磁石片と磁石片の間に絶縁性被膜を介して積層して固定した一体化磁石体であって、前記絶縁性被膜の膜厚が0.01μm以上であり、かつ、一体化磁石体の積層方向の全長(L)に対する、前記絶縁性被膜の膜厚の総和(l)の割合(l/L)が0.0005%〜3%の範囲内にあることを特徴とするものである。
磁石片と磁石片の間に絶縁性被膜を介在させる方法は、互いに当接する磁石片の一方の当接面に絶縁性被膜を形成し、形成された絶縁性被膜上に隣り合う磁石片を積層する態様であってもよいし、双方の磁石片の当接面に絶縁性被膜を形成し、形成された各々の絶縁性被膜同士を当接させて積層する態様であってもよい。絶縁性被膜は、磁石片と磁石片の間にだけ形成しなければならないというものではないので、上記のいずれの態様においても必要に応じて絶縁性被膜を磁石片の当接面以外の面に形成してもよい。特に、上記の態様のうち後者の態様は、通常、個々の磁石片の全面に絶縁性被膜を形成することで達しうる。
本発明に適用される絶縁性被膜としては、例えば、クロム酸化物、リン酸化物、ケイ素酸化物、アルミニウム酸化物、チタン酸化物、ジルコニウム酸化物から選ばれる少なくとも一つを主成分とする無機系絶縁性被膜が挙げられる。これらの被膜を形成するための処理液は濡れ性が良好なので、磁石片の表面に処理液がすばやく浸透し、緻密で密着性に優れ、薄膜でも絶縁性に優れた被膜を形成することができる。
クロム酸化物を主成分とする絶縁性被膜を磁石片の表面に形成する方法としては、例えば、無水クロム酸および重クロム酸塩から選ばれる少なくとも1種を含有する処理液を磁石片の表面に塗布した後、加熱処理する方法が挙げられる。重クロム酸塩としては、重クロム酸ナトリウムや重クロム酸カリウムなどが挙げられる。
クロム酸化物は、例えば、クロムと2価の金属(Mg、Ca、Zr、Sr、Ba、Ni、Co、Zn、Mn、Sn、Pb、Cuなど)との複合クロム酸化物であってもよい。このような複合クロム酸化物を主成分とする絶縁性被膜、とりわけ、クロムとMg、Ca、Zr、Zn、Mnなどとの複合クロム酸化物を主成分とする絶縁性被膜は、上記の絶縁性被膜よりもより均一かつ緻密で密着性に優れた被膜であり、薄膜でも絶縁性に優れる。このような絶縁性被膜は、例えば、無水クロム酸および重クロム酸塩から選ばれる少なくとも1種を含有する処理液に2価の金属の酸化物や水酸化物や炭酸塩などを添加し、さらに適宜エチレングリコールなどの多価アルコールなどを還元剤として添加した処理液を用いることにより磁石片の表面に形成することができる。
また、絶縁性被膜の耐熱性の向上や耐食性の向上を目的として上記の処理液にホウ酸やリン酸などを適宜添加してもよい。
なお、上記の処理液にエマルションタイプの有機樹脂や水溶性タイプの有機樹脂を添加した処理液を用いて、有機樹脂を含有する絶縁性被膜を形成してもよい。有機樹脂を添加した処理液を用いて被膜を形成することにより、被膜の磁石片に対する密着性の向上、成膜時の被膜の割れ防止、被膜の耐熱性の向上、被膜の接着剤との接着性の向上、処理液と磁石片の表面との濡れ性の向上などを図ることができる。有機樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、エポキシ系樹脂、これらの有機樹脂の共重合物が挙げられる。有機樹脂は各種の変性処理が施されたものであってもよい。ウレタン変性アクリル系樹脂を添加すれば被膜の耐熱性の向上に効果がある。また、アクリル変性エポキシ系樹脂やシリカ変性アクリル系樹脂を添加すれば該被膜の接着剤との接着性が向上する効果がある。
リン酸化物を主成分とする絶縁性被膜を磁石片の表面に形成する方法としては、例えば、次亜リン酸ナトリウムなどの次亜リン酸塩と硝酸ナトリウムなどの酸化剤を含有する処理液や、リン酸鉄やリン酸カルシウムやリン酸亜鉛などのリン酸塩を含有する処理液を磁石片の表面に塗布した後、加熱処理する方法が挙げられる。絶縁被膜中には次亜リン酸塩やリン酸塩が存在することもある。
ケイ素酸化物を主成分とする絶縁性被膜を磁石片の表面に形成する方法としては、例えば、ケイ酸ナトリウムなどのケイ酸塩と水酸化物を含有する処理液を磁石片の表面に塗布した後、加熱処理する方法が挙げられる。また、テトラエトキシシランなどのケイ素化合物を含有する処理液を用いて塗布熱分解法で形成する方法もある。さらにケイ素化合物の加水分解反応や重合反応などにより得られる処理液を用いてゾルゲル成膜法で形成する方法もある。
同様に、アルミニウム酸化物を主成分とする絶縁性被膜を磁石片の表面に形成する方法としては、例えば、アルミン酸カリウムなどのアルミン酸塩と水酸化物を含有する処理液を用いて形成する方法、アルミアセチルアセトナートなどのアルミニウム化合物を含有する処理液を用いて塗布熱分解法で形成する方法、アルミニウム化合物の加水分解反応や重合反応などにより得られる処理液を用いてゾルゲル成膜法で形成する方法が挙げられる。
同様に、チタン酸化物を主成分とする絶縁性被膜を磁石片の表面に形成する方法としては、例えば、チタン酸ナトリウムなどのチタン酸塩と水酸化物を含有する処理液を用いて形成する方法、チタンカルボン酸塩などのチタン化合物を含有する処理液を用いて塗布熱分解法で形成する方法、チタン化合物の加水分解反応や重合反応などにより得られる処理液を用いてゾルゲル成膜法で形成する方法が挙げられる。
絶縁性被膜は、例えば、ケイ素酸化物とアルミニウム酸化物の両者を含む複合金属酸化物を主成分とするものであってもよい。このような被膜は、例えば、ケイ素化合物とアルミニウム化合物を含有する処理液を用いて形成することができる。また、ジルコニウム酸化物を主成分とする絶縁性被膜は、ケイ素酸化物やアルミニウム酸化物やチタン酸化物を主成分とする絶縁性被膜と同様にして磁石片の表面に形成することができる。
本発明に適用される絶縁性被膜としては、上記の無機系絶縁性被膜の他に、熱可塑性樹脂および/または熱硬化性樹脂からなる有機系絶縁性被膜が挙げられる。有機系絶縁性被膜を磁石片の表面に形成する方法としては、例えば、上記の樹脂を含有する処理液を磁石片の表面に塗布した後、加熱処理する方法が挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、前述のアクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂の他、フッ素系樹脂、飽和ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタールなどを用いることができる。これらの樹脂は、各種の変性処理が施されたものであってもよいし、エマルション化されたものであってもよい。また、これらの樹脂は、単独で用いてもよいし、適宜組み合わせて混合して用いてもよい。
熱硬化性樹脂としては、前述のエポキシ系樹脂の他、フェノール系樹脂、メラミン系樹脂、不飽和ポリエステル、ケイ素系樹脂、ポリウレタン、アルキド系樹脂、ポリイミド系樹脂などを用いることができる。これらの樹脂は、各種の変性処理が施されたものであってもよいし、エマルション化されたものであってもよい。また、これらの樹脂は、単独で用いてもよいし、適宜組み合わせて混合して用いてもよい。
有機系絶縁性被膜を磁石片の表面に形成する前に、磁石片と被膜との密着性を向上させるためや磁石片の腐食進行による絶縁性の劣化を防止するために、種々の下地処理を行ってもよい。このような下地処理としては、0.01N〜0.1Nのアルカリ溶液(水酸化リチウムや水酸化ナトリウムや水酸化カリウムや炭酸ナトリウムの水溶液、アンモニア水など)を磁石片の表面に塗布して加熱することによるアルカリ処理、特開平9−7867号公報などに記載のケイ酸リチウムやケイ酸ナトリウムなどを含有する溶液を磁石片の表面に塗布して加熱することによるアルカリケイ酸塩処理、モリブデン酸またはその塩を含有する溶液を磁石片の表面に塗布して加熱することによるモリブデン酸処理、磁石片を不活性ガス中にて400℃〜700℃で加熱することによる酸化処理などが挙げられる。
処理液を磁石片の表面に塗布する方法としては、例えば、ディッピング法(浸漬法)、ディップ−スピン法(浸漬−振り切り法)、スプレー塗装、ローラー塗装が採用される。なお、処理液の塗布前に磁石片の表面に対し、有機溶剤を用いた脱脂や、製造工程上(例えば、加工工程や研摩工程)で形成されうる表面変質層の除去のためのリン酸、酢酸、シュウ酸、硝酸などの水溶液を用いた弱酸洗などの前処理を施してもよい。
磁石片と磁石片の間に形成される絶縁性被膜の膜厚は、0.01μm以上とする。膜厚が0.01μm未満であると、被膜の絶縁性や耐食性に影響を及ぼす恐れがある。一方、絶縁性被膜の膜厚が厚すぎると、その厚みの分だけ一体化磁石体の有効体積比率は低下するので、有効磁束密度が低下し、ひいてはモーター効率の低下を招くことになる。従って、その膜厚は、50μm以下が望ましく、20μm以下がより望ましく、10μm以下がさらに望ましい。
一体化磁石体の積層方向の全長(L)に対する、磁石片と磁石片の間の絶縁性被膜の膜厚の総和(l)の割合(l/L)は、0.0005%〜3%の範囲内にあることとする。この割合の算出方法を図1を用いて説明する。
(a)のように、磁石片と磁石片の間に絶縁性被膜を介在させる方法として、互いに当接する磁石片の一方の当接面に絶縁性被膜を形成し、形成された絶縁性被膜上に隣り合う磁石片を積層する態様の場合(例えば、磁石片mと磁石片mとの関係について説明すると、磁石片m、の磁石片mとの当接面に形成された絶縁性被膜fだけで磁石片mと磁石片mとの絶縁性が確保される場合。磁石片mと磁石片mとの関係については、磁石片mの磁石片mとの当接面に形成された絶縁性被膜fだけで磁石片mと磁石片mとの絶縁性が確保され、磁石片mには絶縁性被膜は形成されていない。)、一体化磁石体の積層方向の全長はLで規定され、磁石片と磁石片の間の絶縁性被膜の膜厚の総和lは(l+l+l)で規定される。
(b)のように、双方の磁石片の当接面に絶縁性被膜を形成し、形成された各々の絶縁性被膜同士を当接させて積層する態様の場合、一体化磁石体の積層方向の全長はLで規定され、磁石片と磁石片の間の絶縁性被膜の膜厚の総和lは(l1+2+l2+3+l3+4)で規定される。
前述のように、絶縁性被膜は、磁石片と磁石片の間にだけ形成しなければならないというものではないので、図1の(b)のように、個々の磁石片の全面に形成されていても構わない。この場合、一体化磁石体の積層方向の全長には両末端の絶縁性被膜の膜厚は含めない。なお、本発明に適用される絶縁性被膜は薄膜であるので、被膜が磁石片の全面に形成されていても、一体化磁石体の有効体積比率にはさほど影響を与えない。磁石片の耐食性を確保するという観点からは、絶縁性被膜は磁石片の全面に0.005μm以上の膜厚で形成することが望ましい。
個々の磁石片の表面に耐食性を付与するためにアルミニウム被膜などの導電性被膜を形成し、その上に本発明の絶縁性被膜を形成する場合、導電性被膜の膜厚は磁石片の長さの一部として算出する。
一体化磁石体の積層方向の全長(L)に対する絶縁性被膜の膜厚の総和(l)の割合(l/L)が0.0005%未満であると、絶縁性が不足し、モーター回転時に発熱し、モーター効率の低下を招く恐れがある。一方、この割合が3%を超えると、一体化磁石体の有効体積比率は低下するので、有効磁束密度が低下し、ひいてはモーター効率の低下を招く恐れがある。実用上、この割合は、0.01%〜1%の範囲内にあることが望ましい。
複数の磁石片を積層して固定し、一体化磁石体とする方法としては、例えば、図2に示すように、予め、不飽和ポリエステルやエポキシ系樹脂などの有機樹脂からなる外枠3を作成しておき、その中に複数の磁石片1を、磁石片と磁石片の間に絶縁性被膜を介して積層することにより得られる積層体を収容した後、外部から加圧加熱を行って包囲一体化することにより固定し、一体化磁石体とする方法が挙げられる。
また、複数の磁石片を、磁石片と磁石片の間に絶縁性被膜を介して積層することにより得られる積層体を高強度繊維帯で締結することにより固定し、一体化磁石体とする方法もある。高強度繊維帯としては、例えば、アラミド繊維(芳香族ポリアミド繊維)が挙げられる。高強度繊維帯で締結する具体的な方法としては、例えば、図3に示すように、アラミド繊維をテープ状に織物したもの4を使用し、予め、その端の重なり部分にエポキシ系樹脂などを含浸させて接合部4aとしておき、これを積層体に巻き付けた後、接合部4aを熱融着して一体化磁石体2を得る方法が挙げられる。図3の一体化磁石体においては、積層体の主面(図中における上下面)に磁極が形成されるため、該主面に高強度繊維帯が配置されることは磁気的効率の観点からは有効ではない。従って、高強度繊維帯は積層体の側面に配置される。
さらに、公知の射出成形技術を用い、積層体全体を熱硬化性樹脂などで全面被覆することにより固定し、一体化磁石体としてもよい。
また、前述の通り、有機系絶縁性被膜を得るために種々の有機樹脂が選択されうるが、中でもアクリル系樹脂などの熱可塑性樹脂や、これらとエポキシ系樹脂などの熱硬化性樹脂との混合樹脂、これらの樹脂に対して変性処理を施した樹脂は、熱融着性を有している。従って、例えば、これらの樹脂を用いて磁石片の全面に絶縁性被膜をいったん形成した後、磁石片を絶縁性被膜を介して積層し、積層体を所定温度に加熱しながら軽加圧にて絶縁性被膜同士を熱融着させれば、効率的に一体化磁石体を得ることができる。
本発明に適用される磁石片としては、例えば、R−Co系永久磁石、R−Fe−B系永久磁石、R−Fe−N系永久磁石などの公知の希土類系永久磁石が挙げられる。中でも、R−Fe−B系永久磁石は、高い磁気特性、優れた量産性や経済性などの観点から望ましいものである。これらの希土類系永久磁石における希土類元素(R)は、Nd、Pr、Dy、Ho、Tb、Smのうち少なくとも1種、あるいはさらに、La、Ce、Gd、Er、Eu、Tm、Yb、Lu、Yのうち少なくとも1種を含むものが望ましい。
また、通常はRのうち1種をもって足りるが、実用上は2種以上の混合物(ミッシュメタルやジジムなど)を入手上の便宜などの理由によって使用することもできる。
さらに、Al、Ti、V、Cr、Mn、Bi、Nb、Ta、Mo、W、Sb、Ge、Sn、Zr、Ni、Si、Zn、Hf、Gaのうち少なくとも1種を添加することで、保磁力や減磁曲線の角型性の改善、製造性の改善、低価格化を図ることができる。
以上のようにして得られる本発明の一体化磁石体は、例えば、図4に示すような方法でIPMに組み込まれる。即ち、IPM5は、コアー6とその内側に配置されるローター7とで構成され、該ローター7の6箇所にローター用磁石8として本発明の一体化磁石体9が埋め込まれる。このようにして得られるモーターは、一体化磁石体が優れた絶縁性と有効体積比率を有するので、高い効率を有するモーターである。
実施例
本発明を実施例にて詳細に説明する。なお、以下の実施例は、焼結磁石を用いたものであるが、本発明は焼結磁石に限らずボンド磁石にも適用することができる。
実施例A(実施例1〜実施例5):
縦10mm×横50mm×高さ5mmの26wt%Nd−72wt%Fe−1wt%B−1wt%Co組成のNd−Fe−B系永久磁石(焼結磁石)を磁石片として用いて以下の実験を行った。
磁石片を有機溶剤で脱脂した後、5重量%リン酸水溶液で弱酸洗した。クロム酸350g/l、水酸化マグネシウム70g/l、アクリル系樹脂エマルション(ポリトロンF2000:旭化成工業社製)50g/l(樹脂分として)、還元剤としてエチレングリコール5g/l、ホウ酸20g/lを含有する処理液原液を調製した。この処理液原液を水で希釈することにより種々の濃度の処理液を調製し、この処理液を各々の磁石片の全面にディッピング法にて塗布し、280℃にて20分間加熱処理することで、クロムとマグネシウムとの複合クロム酸化物を主成分とした種々の膜厚の絶縁性被膜を磁石片の全面に形成した。膜厚の測定結果を表1に示す。また、この磁石片を温度80℃×相対湿度90%の高温高湿条件下にて300時間放置し、耐食性試験を行った。結果を表1に示す。
全面に絶縁性被膜を有するこの磁石片を、予め作成しておいた不飽和ポリエステルで成形された外枠の中に高さ方向に8個積層し、外部から加圧加熱を行って包囲一体化することにより固定し、一体化磁石体を得た(図2参照)。この一体化磁石体をIPM(4極型・15kW:パルス幅変調方式)に組み込み、回転数5400rpmにてモーター効率(出力電力/入力電力)を評価した。結果を表1に示す。
比較例1:
実施例Aに記載の磁石片を用い、実施例Aと同様にしてクロムとマグネシウムとの複合クロム酸化物を主成分とした膜厚が0.004μmの絶縁性被膜を磁石片の全面に形成した。全面に絶縁性被膜を有するこの磁石片について実施例Aに記載の耐食性試験を行った。結果を表1に示す。また、全面に絶縁性被膜を有するこの磁石片を用いて実施例Aと同様にして一体化磁石体を作製し、モーター効率を評価した。結果を表1に示す。
比較例2:
一体化磁石体の全長(L)を実施例Aとほぼ同寸法とするため、高さが4.85mmであること以外は、実施例Aで用いた磁石片と同じ磁石片を用い、実施例Aと同様にしてクロムとマグネシウムとの複合クロム酸化物を主成分とした膜厚が100μmの絶縁性被膜を磁石片の全面に形成した。全面に絶縁性被膜を有するこの磁石片について実施例Aに記載の耐食性試験を行った。結果を表1に示す。また、全面に絶縁性被膜を有するこの磁石片を用いて実施例Aと同様にして一体化磁石体を作製し、モーター効率を評価した。結果を表1に示す。
Figure 2001095460
表1から明らかなように、実施例A(実施例1〜実施例5)の一体化磁石体は、優れた絶縁性を示すとともに、個々の磁石片が優れた耐食性を示し、これらを組み込んだIPMは約90%以上のモーター効率を示した。比較例1の一体化磁石体は、絶縁性被膜が十分な絶縁性を発揮するだけの膜厚を持たないので、これを組み込んだIPMはモーター効率が悪かった。また、個々の磁石片の耐食性も悪かった。比較例2の一体化磁石体は、絶縁性被膜の膜厚が厚く、その厚みの分だけ一体化磁石体の有効体積比率が低下しており、これを組み込んだIPMはモーター効率が悪かった。
実施例B(実施例6〜実施例11):
実施例Aに記載の磁石片と同じ磁石片を用いて以下の実験を行った。表2に示す処理液を用い、実施例Aと同様にして膜厚が5μmの絶縁性被膜を磁石片の全面に形成した。全面に絶縁性被膜を有するこの磁石片について実施例Aに記載の耐食性試験を行った。結果を表3に示す。
全面に絶縁性被膜を有するこの磁石片を高さ方向に8個積層することにより得られた積層体を図3のようにしてアラミド繊維からなる高強度繊維帯で締結することにより固定し、一体化磁石体を得た(l/Lは0.18%)。この一体化磁石体について、実施例Aと同じ条件でモーター効率を評価した。結果を表3に示す。
Figure 2001095460
Figure 2001095460
表3から明らかなように、実施例B(実施例6〜実施例11)の一体化磁石体は、優れた絶縁性を示すとともに、個々の磁石片が優れた耐食性を示し、これらを組み込んだIPMは90%以上の高いモーター効率を示した。
実施例C(実施例12および実施例13):
縦10mm×横50mm×高さ5mmの23wt%Nd−75wt%Fe−1wt%B−1wt%Co組成のNd−Fe−B系永久磁石(焼結磁石)を磁石片として用いて以下の実験を行った。
磁石片を有機溶剤で脱脂した後、5重量%リン酸水溶液で弱酸洗した。アクリル系樹脂エマルション(ポリトロンF2000:旭化成工業社製)とエポキシ系樹脂(ユカレジンE−201:吉村油化学社製)とアミン系エポキシ硬化剤(ユカレジンH−35:吉村油化学社製)を樹脂分として重量比で50:42:8となるように混合して処理液原液を調製した。この処理液原液を水で希釈することにより2種類の濃度の処理液を調製し、この処理液を磁石片の全面にディッピング法にて塗布し、120℃にて10分間加熱処理することで、膜厚が2.5μmと6μmの有機系絶縁性被膜を磁石片の全面に形成した。全面に絶縁性被膜を有するこの磁石片について実施例Aに記載の耐食性試験を行った。結果を表4に示す。
全面に絶縁性被膜を有するこの磁石片を高さ方向に8個積層し、積層体を250℃に加熱しながら軽加圧にて、絶縁性被膜同士を熱融着させることで固定し、一体化磁石体を得た。この一体化磁石体をIPM(8極型・10kW:パルス幅変調方式)に組み込み、回転数7000rpmにてモーター効率(出力電力/入力電力)を評価した。結果を表4に示す。
比較例3:
一体化磁石体の全長(L)を実施例Cとほぼ同寸法とするため、高さが4.85mmであること以外は、実施例Cで用いた磁石片と同じ磁石片を用い、実施例Cと同様にして膜厚が100μmの有機系絶縁性被膜を磁石片の全面に形成した。全面に絶縁性被膜を有するこの磁石片について実施例Aに記載の耐食性試験を行った。結果を表4に示す。また、全面に絶縁性被膜を有するこの磁石片を用いて実施例Cと同様にして一体化磁石体を作製し、モーター効率を評価した。結果を表4に示す。
Figure 2001095460
表4から明らかなように、実施例C(実施例12および実施例13)の一体化磁石体は、優れた絶縁性を示すとともに、個々の磁石片が優れた耐食性を示し、これらを組み込んだIPMは約90%のモーター効率を示した。比較例3の一体化磁石体は、絶縁性被膜の膜厚が厚く、その厚みの分だけ一体化磁石体の有効体積比率が低下しており、これを組み込んだIPMはモーター効率が悪かった。
実施例D(実施例14および実施例15):
実施例Cに記載の磁石片と同じ磁石片を用いて以下の実験を行った。アクリル変性エポキシ系樹脂(ユカレジンKE−516:吉村油化学社製)とアミン系エポキシ硬化剤(ユカレジンH−35:吉村油化学社製)を樹脂分として重量比で90:10となるように混合して処理液原液を調製した。この処理液原液を水で希釈することにより2種類の濃度の処理液を調製し、この処理液を磁石片の全面にディッピング法にて塗布し、150℃にて10分間加熱処理することで、膜厚が1μmと6μmの有機系絶縁性被膜を磁石片の全面に形成した。全面に絶縁性被膜を有するこの磁石片について実施例Aに記載の耐食性試験を行った。結果を表5に示す。また、全面に絶縁性被膜を有するこの磁石片を用いて実施例Cと同様にして一体化磁石体を作製し、モーター効率を評価した。結果を表5に示す。
Figure 2001095460
表5から明らかなように、実施例D(実施例14と実施例15)の一体化磁石体は、優れた絶縁性を示すとともに、個々の磁石片が優れた耐食性を示し、これらを組み込んだIPMは90%以上のモーター効率を示した。
実施例E(実施例16〜実施例18):
縦10mm×横30mm×高さ3mmの26wt%Nd−72wt%Fe−1wt%B−1wt%Co組成のNd−Fe−B系永久磁石(焼結磁石)を磁石片として用い、有機溶剤で脱脂した後、5重量%硝酸水溶液で弱酸洗してから以下の実験に供した。
実施例16として以下の実験を行った。弱酸洗した磁石片を下地処理として、50℃の0.1N水酸化ナトリウム水溶液に20秒間浸漬した後、エアーブローで液切りし、120℃で10分間加熱処理を行った。下地処理を行った磁石片の全面に水系ウレタン系樹脂エマルション(ユーコートUWS−145:三洋化成工業製)とメラミン系架橋剤(サイメル325:三井サイテック社製)を樹脂分として重量比で85:15となるように混合し、水で希釈して調製した処理液をディッピング法にて塗布した後、150℃で20分間加熱処理することで膜厚が7μmの有機系絶縁性被膜を磁石片の全面に形成した。全面に絶縁性被膜を有するこの磁石片について実施例Aに記載の耐食性試験を行ったところ、発錆は観察されなかった。また、全面に絶縁性被膜を有するこの磁石片を用いて実施例Aと同様にして一体化磁石体を作製し(l/Lは0.41%)、モーター効率を評価したところ、この一体化磁石体を組み込んだIPMは90%のモーター効率を示した。
実施例17として以下の実験を行った。弱酸洗した磁石片を下地処理として、モリブデン酸ナトリウム0.1mol/L、リン酸0.18mol/L、硝酸ナトリウム0.1mol/Lを含有する処理液に15分間浸漬した後、水洗し、150℃で5分間加熱処理を行った。下地処理を行った磁石片の全面に水系ウレタン変性エポキシ系樹脂(ユカレジンKE−163:吉村油化学社製)55重量%(樹脂分として)を含有する処理液をスプレー塗装した後、180℃で20分間加熱処理することで膜厚が15μmの有機系絶縁性被膜を磁石片の全面に形成した。全面に絶縁性被膜を有するこの磁石片について実施例Aに記載の耐食性試験を行ったところ、発錆は観察されなかった。また、全面に絶縁性被膜を有するこの磁石片を用いて実施例Aと同様にして一体化磁石体を作製し(l/Lは0.87%)、モーター効率を評価したところ、この一体化磁石体を組み込んだIPMは88%のモーター効率を示した。
実施例18として以下の実験を行った。弱酸洗した磁石片を下地処理として、アルゴンガス中にて600℃で1時間加熱処理を行った。下地処理を行った磁石片の全面に溶剤系フェノール変性エポキシ系樹脂(ファスタイトNo.180:大橋化学工業社製)をスプレー塗装した後、180℃で20分間加熱処理することで膜厚が20μmの有機系絶縁性被膜を磁石片の全面に形成した。全面に絶縁性被膜を有するこの磁石片について実施例Aに記載の耐食性試験を行ったところ、発錆は観察されなかった。また、全面に絶縁性被膜を有するこの磁石片を用いて実施例Aと同様にして一体化磁石体を作製し(l/Lは1.2%)、モーター効率を評価したところ、この一体化磁石体を組み込んだIPMは87%のモーター効率を示した。
産業上の利用可能性
以上説明した通り、本発明の一体化磁石体は、磁石片と磁石片の間に薄膜でも優れた絶縁性を有する被膜が形成されているので、磁石の渦電流損や発熱を効果的に抑制することができ、また、磁石の有効体積比率の向上を図ることができるので、モーター特性の向上ひいてはモーターの高効率化を達成することができる。また、一体化磁石体の寸法精度の向上も図ることができるので、モーター効率の向上にあわせ、モーターの小型化や高性能化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、一体化磁石体の積層方向の全長に対する、磁石片と磁石片の間の絶縁性被膜の膜厚の総和の割合を算出するための参考図である。
第2図は、本発明の一体化磁石体を得るための固定方法の一例を示す斜視説明図である。
第3図は、本発明の一体化磁石体の一例を示す斜視図である。
第4図は、IPMの構成例を示す説明図である。

Claims (9)

  1. 複数の磁石片を、磁石片と磁石片の間に絶縁性被膜を介して積層して固定した一体化磁石体であって、前記絶縁性被膜の膜厚が0.01μm以上であり、かつ、一体化磁石体の積層方向の全長(L)に対する、前記絶縁性被膜の膜厚の総和(l)の割合(l/L)が0.0005%〜3%の範囲内にあることを特徴とする一体化磁石体。
  2. 前記絶縁性被膜の膜厚が50μm以下であることを特徴とする請求の範囲第1項記載の一体化磁石体。
  3. 一体化磁石体の積層方向の全長(L)に対する、前記絶縁性被膜の膜厚の総和(l)の割合(l/L)が0.01%〜1%の範囲内にあることを特徴とする請求の範囲第1項または第2項記載の一体化磁石体。
  4. 絶縁性被膜がクロム酸化物、リン酸化物、ケイ素酸化物、アルミニウム酸化物、チタン酸化物、ジルコニウム酸化物から選ばれる少なくとも一つを主成分とする無機系絶縁性被膜であることを特徴とする請求の範囲第1項乃至第3項のいずれかに記載の一体化磁石体。
  5. 絶縁性被膜が熱可塑性樹脂および/または熱硬化性樹脂からなる有機系絶縁性被膜であることを特徴とする請求の範囲第1項乃至第3項のいずれかに記載の一体化磁石体。
  6. 複数の磁石片を、磁石片と磁石片の間に絶縁性被膜を介して積層することにより得られる積層体を有機樹脂にて包囲一体化することにより固定したことを特徴とする請求の範囲第1項乃至第5項のいずれかに記載の一体化磁石体。
  7. 複数の磁石片を、磁石片と磁石片の間に絶縁性被膜を介して積層することにより得られる積層体を高強度繊維帯で締結することにより固定したことを特徴とする請求の範囲第1項乃至第5項のいずれかに記載の一体化磁石体。
  8. 磁石片が希土類系永久磁石であることを特徴とする請求の範囲第1項乃至第7項のいずれかに記載の一体化磁石体。
  9. 請求の範囲第1項乃至第8項のいずれかに記載の一体化磁石体が組み込まれていることを特徴とするモーター。
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