JP2001078402A - 希土類焼結永久磁石焼結体と永久磁石型同期モータ - Google Patents

希土類焼結永久磁石焼結体と永久磁石型同期モータ

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 渦電流の発生を低減させた永久磁石型同期モ
ータを提供する。 【解決手段】 上面3及び下面4の両方にスリット1、
2が設けられており、これらの面の一方にあるスリット
は、他方の面にあるスリットと面上の方向が異なり、か
つ、上面及び下面のそれぞれにおける最も深いスリット
の深さの合計が、上面と下面の間の長さの1〜5/3倍
の範囲にある希土類焼結永久磁石焼結体をロータに組み
込む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、希土類焼結永久磁
石焼結体と、高速回転を行う電気自動車用モータやFA
モータ等に最適な永久磁石型同期モータに関する。
【0002】
【従来の技術】希土類磁石は、主に音響・映像分野の電
気・電子機器に使用される小型モータの材料として用い
られている。その理由は、保磁力及び残留磁束密度の大
きな希土類磁石を用いると、モータ設計の自由度が大幅
に向上するため、小型で、偏平かつ高効率なモータを作
製して、電気・電子機器に組込むことが可能となるから
である。このような小型モータは、概ね定格が100W
以下であるため、モータ効率を損失させる要素として、
希土類磁石に発生する渦電流やそれに伴う発熱は、他の
モータ効率損失要素に比べると、モータ効率に与える影
響は小さかったことから特に問題にはならなかった。
【0003】ところが、近年、ACサーボモータとし
て、定格が数百W〜数十kW、電気自動車駆動用モータ
として、10kW〜数十kW級の大容量DCブラシレス
モータに希土類磁石が使用されるようになった。大容量
ACサーボモータや電気自動車駆動用モータのロータ
(回転子)に使用される希土類磁石は、小型モータのロ
ータに使用されるものよりも格段に大きく、かつ高回転
(例えば、5000rpm以上)を要求されることが多
い。そのため、希土類磁石に生じる渦電流やそれに伴う
発熱による永久磁石の熱減磁やモータ効率の低下が問題
となっている。また、ロータの磁石に逆磁場が印加され
たり、電機子磁場の急激な変化を伴う制御など、モータ
制御の面からも同様に渦電流が深刻な問題となってい
る。これらは小型モータにはなかった問題である。
【0004】希土類磁石の電気抵抗は10-4Ω・cm台
であり、鉄系材料の10-6Ω・cm台に比較すれば相対
的に高い抵抗を示す。しかし、希土類磁石は脆性材料
で、かつバルク形状で使用されるため、鉄系材料のよう
に薄板化して打抜き・絶縁積層することにより高抵抗化
することはできない。従来のモータに用いられていたフ
ェライト磁石は本質的に絶縁体であるので、フェライト
磁石を用いた従来の同期モータでは、磁石に生じる渦電
流は全く問題にならなかった。しかし、フェライト磁石
は磁気特性が低いため、フェライト磁石を用いた大型同
期モータは実用化されていない。一方、希土類磁石は抵
抗値に程度の差はあるが、金属材料であるといえる。し
たがって、前記のような使用分野・条件下では、希土類
磁石に生じる渦電流によるモータ効率の低下、希土類磁
石の発熱による該磁石の減磁が深刻である。なお、ロー
タコアは鉄系薄板の積層又は鉄系バルクコアであるた
め、この部分に生じる損失(渦電流損、鉄損)は従来と
同じである。
【0005】希土類磁石に生じる渦電流を低減するに
は、フェライト磁石のように磁石素材の電気抵抗を大き
くするか、磁石を細分化したセグメント磁石を接着固化
して所要の大きさの磁石とする方法が有効である。しか
し、前者の方法は磁石特性と両立させることが極めて困
難であるため、現在のところ実際になされた報告はほと
んどない。一方、後者の方法は現実的な方法ではあるも
のの、磁石の製造工程が増加し、製造コストの増加や磁
石重量歩留まりの低下を招く。また、磁石の表面処理の
工程において、セグメント磁石の接着部に良好なコーテ
ィングを施すことができないため、耐蝕性の低下を招く
危険性がある。セグメント磁石を接着固化せず小磁石の
まま用いることも考えられるが、磁石間の反発力に抗し
て小磁石をロータに組込み、固着することは難しく、ま
た、組み合わせた時の寸法精度も低下する。
【0006】磁石に生じる渦電流の問題を解決すること
はできないが、取敢えず高温で使用できるようにする方
法として、希土類磁石の耐熱性を向上させて、磁石が昇
温しても減磁させないようにする方法も考えられる。例
えば、NdFeB系焼結磁石では、Dyのような元素を
合金組成に加えることにより、保磁力が増大し、耐熱性
が向上することが知られている。室温での保磁力を増大
させることにより、磁石が高温に晒されても減磁しない
だけの充分な保磁力が確保できる。なお、電装用モータ
としては、NdFeB磁石に150℃程度の耐熱性が要
求され、電気自動車駆動用モータとしては、200℃ま
での耐熱性が要求される。しかしながら、NdFeB系
磁石では、保磁力を増大させるために上記元素を添加す
ると、残留磁化の低下を伴うため、磁石から取出せる磁
束が減少する。また、耐熱性を向上させた磁石は、原料
コストの増加を招くため、使用できる分野が限定され
る。
【0007】こうした問題点に対し、本発明者は、表面
に複数のスリットを設けて、磁石の有効断面積を低下さ
せ、それにより渦電流を低減させる希土類磁石と同期モ
ータを発明した(特願平11−95440号参照)。該
発明は渦電流の低減に有効であるが、スリットを設けた
磁石の下部には、スリットの入らないバルク状の部分が
存在する。そして、スリットのある部分では渦電流が低
減されるが、スリットのない部分には渦電流が流れるた
め、渦電流の低減効果はスリットの深さと相関してい
た。しかし、該スリットの深さを大きくしすぎると、磁
石の抗折力など、機械特性が低下しすぎるので好ましく
ない。したがって、上記発明には、渦電流の低減効果は
あるが、その低減効果の程度は、スリットの深さに概ね
比例していた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】以上説明したように、
容量がkW級以上の永久磁石型同期モータでは、高速回
転時にロータの希土類磁石に生じる渦電流による該磁石
の昇温と、それに伴う磁石の減磁、モータ効率の低下が
大きな問題であった。そこで、本発明は、耐渦電流性を
有する希土類焼結磁石焼結体と、ロータに該焼結体を使
用して、希土類磁石に生じる渦電流の発生を大幅に低減
させた永久磁石型同期モータを提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するため、希土類焼結磁石の実効的な電気抵抗を向
上させることについて鋭意検討した結果、本発明を完成
するに至った。すなわち、本発明は、上面及び下面の両
方にスリットが設けられており、これらの面の一方の面
にあるスリットは、他方の面にあるスリットと面上の方
向が異なり、かつ、上面及び下面のそれぞれにおける最
も深いスリットの深さの合計が、上面と下面の間の長さ
の1〜5/3倍である希土類焼結永久磁石焼結体と、前
記スリットを設けた面が概ね電機子に対向するように該
焼結体を配した内部磁石ロータを有する永久磁石型同期
モータである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の特徴は、上記したよう
に、永久磁石型同期モータのロータに組み込む希土類焼
結永久磁石焼結体の上面及び下面、すなわち、渦電流が
主に生じる電機子側の磁石表面及びその相対する面の両
方にスリットを設けてあり、これらの面の一方の面にあ
るスリットは、他方の面にあるスリットと面上の方向が
異なり、かつ、上面及び下面のそれぞれにおける最も深
いスリットの深さの合計が、上面と下面の間の長さの1
〜5/3倍とした点にある。これにより、渦電流の生じ
る実効面積を低下させて、渦電流の発生を大幅に抑制す
ることができる。渦電流は磁束変化を妨げる向きに導体
上に発生する電流である。モータにおいて渦電流が生じ
る原因は、ロータが回転することによりロータとステー
タ(電機子)の相対位置が変化し、スロット部分で特に
磁束変化が大きくなるのが1つの原因である。また、電
機子で作る回転磁束が滑らかなサイン波ではない点も渦
電流の原因の1つである。さらには、電機子に流す電機
子電流の高周波キャリア電流に伴う渦電流である。した
がって、渦電流が生じるのは磁石の部分のみではない
が、渦電流による発熱により磁石では熱減磁が起きるた
め、他の部材より渦電流の影響が深刻である。
【0011】渦電流は磁束変化部分で生じるため、ロー
タに組み込んだ磁石において渦電流が特に問題となる部
分は、電機子側の磁石表面である。磁束変化により渦電
流の流れる近傍の実効的抵抗値を上げることができれ
ば、渦電流による影響を避けることができることにな
る。磁石の厚み方向全域を切断して非導電剤で固着一体
化することにより、渦電流の流れる実質的な表面積を低
減することが一番確実であるが、既に述べたように製造
コストの増加や歩留まりの低下等の問題がある。そこ
で、渦電流の表皮深さより十分に深いスリットを磁石の
表面に形成してやることにより、渦電流の低減が可能と
なる。本発明においてスリットの形成は、磁束変化の主
に起こる面である電機子側の表面とそれに相対する面で
行い、該一対の面のスリットは互いに有意な角度をなし
ていることが特徴である。
【0012】以下、本発明について図面を参照して詳細
に説明する。図1は、本発明の希土類焼結磁石焼結体の
1例を示した説明図である。図1に示す希土類焼結磁石
焼結体では、スリット磁石上面3と、スリット磁石側面
4に示されたスリット磁石下面には、それぞれ上面スリ
ット1、下面スリット2が2本ずつ、2対のスリットが
設けられているが、スリットの数は、目標とする渦電流
の低減度合いによるので、最低、上面及び下面に1本ず
つ、1対あればよい。なお、スリットの数は、上面及び
下面で同数にする必要はない。また、図1ではスリット
磁石上面とスリット磁石下面に設けられた相対するスリ
ット1、2はほぼ直交しているが、面上の方向が異なっ
ていればよく、特に直角である必要はない。概ね10°
以上の角度を持っていればよく、90°までの間の任意
の角度でよい。
【0013】スリットの深さは、図1の例では上面及び
下面に設けられた一対のスリットの深さの合計は、ほぼ
磁石焼結体の厚みと同等となっているが、本発明では、
上面及び下面のそれぞれにおける最も深いスリットの深
さの合計が、上面と下両の間の長さ(すなわち、磁石焼
結体の厚み)の1〜5/3倍の範囲となるようにする限
りにおいて任意である。上記したスリットの深さの合計
が、上面と下面の間の長さの5/3倍を超えると、磁石
焼結体の機械強度(とりわけ抗折力)が大きく低下す
る。逆に、上記したスリットの深さの合計が1倍未満で
あると、渦電流の低減効果が小さくなる。
【0014】スリットの長さは、図1に示したように、
磁石幅の方向に磁石幅と同じ長さ、すなわち、磁石の端
から端までスリットの入っている場合が、渦電流低減の
ためには一番望ましい。しかし、図2に例示したよう
に、磁石幅よりも短い長さであっても、磁石幅の2/3
程度以上の長さがあれば、渦電流の流れる経路を充分に
大きくすることができるので、渦電流の優れた低減効果
が認められる。しかも、この場合は磁石焼結体の機械強
度の低下を低減できるというメリットもある。なお、図
2の(a)は、磁石焼結体の端から面の途中にスリット
1、2を設けた場合、(b)は面内にスリット1、2を
設けた場合を示す。
【0015】スリットの幅は、磁束分布を乱す効果が少
なく、かつ磁束量の減少がなるべく起こらないように、
1mm以下の狭い幅にするのが好ましい。スリットの幅
が1mmを超えると、表面の磁石ロスによる磁束密度分
布への影響が大きくなりすぎるので好ましくない。スリ
ットは内周刃あるいは外周刃切断機やワイヤーソー等で
溝切りして形成するため、切断刃やワイヤーの厚みを考
慮すると、望ましくは0.8mm以下である。一方、ス
リットの幅の下限は幾らでもよいが、切断機であるワイ
ヤーソーの制約から0.05mm以上が実際的である。
【0016】希土類焼結磁石の表面にスリットを形成す
るには、該磁石の大きさや形状等を考慮して有利な方法
を選択すればよい。例えば、ワイヤーソーを使用する
と、1度に複数のスリットを刻むことができ、かつスリ
ットの幅をワイヤー径近くまで狭くできるが、溝切り速
度が遅い。また、切断機を使用すると、溝切り速度が速
く、外周刃切断機ならば複数のスリットを刻めるが、ス
リットの幅がワイヤーソーより大きくなる。磁粉の圧粉
成形時に、パンチに突起を設けて成形体にスリットを形
成する方法も考えられるが、かかる方法ではスリットの
幅が0.8mm以下の狭いスリットを設けることが比較
的難しい。
【0017】上記のスリットを磁石表面に設けることに
より渦電流は低減されるが、既に述べたように抗折力は
低下する。特に表面磁石型ロータ(SPMタイプ)の場
合は、高速回転で磁石に大きな遠心力が働くため、機械
特性が良好でなければ磁石が破損し、飛散してしまう可
能性がある。しかし、内部磁石型ロータ(IPMタイ
プ)の場合は、ロータ内のキャビティーに磁石が挿入さ
れ、機械的に保持されるため、スリットを入れたことに
よる機械特性上の問題は軽減される。このような問題を
解決するには、スリットに接着剤や樹脂等の非導電性物
質を充填して機械強度の低下を補うのが好ましい。これ
により渦電流低減の効果を確保しつつ、抗折力の低下を
補償することが可能となる。本発明の希土類焼結磁石焼
結体は、表面磁石型ロータ(SPMタイプ)よりも、内
部磁石型ロータ(IPMタイプ)に適する。上記接着剤
や樹脂は、耐熱性と接着強度を両立できるものが望まし
く、例えばエポキシ系やアクリル系の接着剤や樹脂が挙
げられる。エポキシ系接着剤としては、例えば、スコッ
チウェルドEW−2(住友3M社製、商品名)が挙げら
れ、SPMタイプ、IPMタイプの両方に用いることが
可能である。なお、シリコーン系樹脂は耐熱性と弾力性
に優れているが、接着強度は高くないので、IPMタイ
プに用いることが望ましい。
【0018】スリットに充填する非導電性物質として、
ボンド磁石等に使用される永久磁石粉と樹脂を混練した
複合樹脂も使用することができる。該複合樹脂は磁石特
性を有するので、スリットを形成したことによる磁石特
性の低下を、ある程度補償することができる。ただし、
接着強度はほとんど期待できないので、内部磁石型ロー
タ(IPMタイプ)に用いることが望ましい。上記永久
磁石粉としては、NdFeB系急冷薄帯や2−17系S
mCo磁石粉等を使用することができる。上記した各種
非導電性物質をスリットに充填させるには、該非導電性
物質をスリットに埋め込み、固化させればよい。
【0019】本発明の希土類焼結磁石焼結体は、矩形や
瓦状等の希土類焼結磁石であり、具体的にはNdFeB
系焼結磁石やSmCo系焼結磁石等である。希土類ボン
ド磁石は樹脂と混合した複合磁石で、元々の電気抵抗が
高く渦電流の影響が少ない上に、樹脂の耐熱性の限界や
磁気特性が低いことから、大型同期モータ用の磁石の候
補として考えられていない。そのため該ボンド磁石は本
発明の対象とはならない。
【0020】本発明の希土類焼結磁石焼結体の製造は、
スリットを磁石表面に設ける工程が通常のスリットのな
い磁石を製造する粉末冶金法に比べて増えるが、セグメ
ント磁石を接着固化した磁石を製造するための分割接着
法に比較すると簡単で、それでいて該磁石とほぼ同等の
渦電流低減効果を奏することができる。また、スリット
を磁石表面に設けることにより減少する磁石の体積量は
僅かであり、磁束の低下も僅かで済むため、電磁トルク
の低下は小さい。したがって、従来の永久磁石型同期モ
ータにおけるように、渦電流による発熱・昇温を前提と
して、むやみに大きな保磁力を予め磁石に付与する必要
がなく、磁石の磁気特性や原料コストの面からも非常に
大きな効果が期待できる。さらに、本発明で使用する磁
石はスリットを設けた状態でもコーティングを良好に行
うことができるので、耐蝕性の点でも問題はない。
【0021】
【実施例】(実施例、比較例)寸法が40mm×60m
m×5mmで、42MGOeグレードのNdFeB焼結
磁石(信越化学社製/N42H)の成型体を4枚使用
し、直径70mm、長さ62mmの珪素鋼鈑積層(0.
5mm厚の珪素鋼鈑)からなるロータに、該磁石焼結体
を挿入してIPMタイプのロータを作製した。上記焼結
体は、上記磁石の電機子に対向する面(上面)とその相
対する面(下面)に、上面には60mm幅方向に平行
な、長さ60mm、幅0.5mm、深さ2.5mmのス
リットを、10mm間隔で3本入れ、下面には40mm
幅方向に平行な、長さ40mm、幅0.5mm、深さ
2.5mmのスリットを、10mm間隔で5本入れたも
のとした。スリットは、0.4mm厚の外周刃をマルチ
に組んだ外周刃切断機により設けた。また、該磁石を電
気Niメッキでコーティングした後、ロータに挿入する
時に、エポキシ系1液常温硬化接着剤(スコッチウェル
ドEW−2)をスリットに充填した。そして、該ロータ
を12スロットの電機子を持つステータに組込んで、該
電機子に3相交流電流を投入して、6000rpmで1
時間回転させた。停止後、直ちに分解し、ロータ端部の
磁石部の温度を計測したところ90℃であった。比較例
として、上記と同一の寸法と材料で、スリットを設けて
いない磁石を使用して同様のロータを製作し、同じ条件
で回転させて、温度上昇を計測した。その結果、ロータ
端部の磁石部の温度は145℃で、スリットを設けた場
合とは55℃以上昇温に差があった。すなわち、磁石に
スリットを設けたことにより磁石の温度上昇が抑えられ
た。
【0022】
【発明の効果】本発明により、ロータの磁石に生じる渦
電流が低減され、高回転でも該磁石が減磁しない汎用性
の高い永久磁石型同期モータを簡単な工程で提供するこ
とができるので、産業上、その利用価値は極めて高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の希土類焼結永久磁石焼結体を例示した
説明図である。
【図2】本発明の希土類焼結永久磁石焼結体を例示した
説明図であり、(a)は、磁石焼結体の端から面の途中
にスリットを設けた場合、(b)は面内にスリットを設
けた場合を示す。
【符号の説明】
1 上面スリット 3 スリット磁石
上面 2 下面スリット 4 スリット磁石
側面

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上面及び下面の両方にスリットが設けら
    れており、これらの面の一方の面にあるスリットは、他
    方の面にあるスリットと面上の方向が異なり、かつ、上
    面及び下面のそれぞれにおける最も深いスリットの深さ
    の合計が、上面と下面の間の長さの1〜5/3倍である
    希土類焼結永久磁石焼結体。
  2. 【請求項2】 前記スリットを設けた面が概ね電機子に
    対向するように請求項1記載の焼結体を配した内部磁石
    ロータを有する永久磁石型同期モータ。
  3. 【請求項3】 前記スリットに非導電性物質を充填して
    なる請求項2記載の永久磁石型同期モータ。
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