JPH1198729A - 同期電動機のロータ構造 - Google Patents

同期電動機のロータ構造

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JPH1198729A
JPH1198729A JP9270362A JP27036297A JPH1198729A JP H1198729 A JPH1198729 A JP H1198729A JP 9270362 A JP9270362 A JP 9270362A JP 27036297 A JP27036297 A JP 27036297A JP H1198729 A JPH1198729 A JP H1198729A
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rotor
magnet
synchronous motor
magnets
eddy current
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Hiroyuki Uchida
裕之 内田
Yuichi Endo
裕一 遠藤
Takeshi Tamaki
毅 田巻
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Fanuc Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 同期電動機において、渦電流損を低減し電動
機の出力を向上させる。 【解決手段】 ロータコアの外周部分にマグネットより
なる磁極を有する同期電動機のロータにおいて、ロータ
コア2に取り付けるマグネット1の形状を、縮小化やス
リット形成等によって特徴化させることによって、各マ
グネットに発生する渦電流損の大きさを減少させ、これ
によって、同期電動機が発生する渦電流損を低減し、電
動機の出力を向上させる。ロータ構造は、少なくともロ
ータ10の磁極の極数よりも多数個のマグネット1を用
いて磁極を構成し、これらのマグネットを少なくとも隣
接するマグネット間において電気的に絶縁して配置す
る。これによって、各ロータの磁極に対応するマグネッ
トは、複数の分割されたマグネット1により形成され、
各分割マグネットの寸法は縮小され、発生する渦電流損
は減少する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、同期電動機のロー
タ構造に関し、特にロータに設けたマグネットに発生す
る渦電流損を低減するロータ構造に関する。
【0002】
【従来の技術】永久磁石付きのロータを備えた同期電動
機において、ロータの表面にマグネットを貼り付けたロ
ータ構造や、ロータの内部にマグネットを埋め込むロー
タ構造が知られている。
【0003】図19は従来の永久磁石付き同期電動機を
説明するための概略図であり、ロータ構造のみを示して
いる。図19において、ロータ10はロータコア2の外
周表面に複数個のマグネット11を貼り付けた構成であ
る。複数個のマグネット11は固定磁極(図示していな
い)に対応して形成され、図3(a)に示すようにロー
タの外周形状に応じて湾曲形状に形成され、ロータコア
2の外周表面に貼り付けられる。従って、ロータ側の磁
極の極数を固定磁極の極数と同数とする場合には、n極
の固定磁極を有する同期電動機のロータはn個のマグネ
ットを備える。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】同期電動機のロータが
備えるマグネットとして、磁束密度の高い希土類マグネ
ットを用いる場合、希土類マグネットは電気抵抗が低い
ため、モータ動作時に磁束の変動によって渦電流が発生
し、この渦電流損によって発熱するという問題がある。
この渦電流損による発熱は、モータの出力を低下させる
ことにもなる。
【0005】図20は導体中の磁束密度の変動による渦
電流の発生を説明するための図である。図20におい
て、導体15の幅をb、長さをc、厚さをh、電気抵抗
をρとし、導体に印加する磁束の磁束密度の振幅をB、
変動の周波数をfとすると、渦電流損Wcは一般に以下
に式で表される。 Wc=b・c・h・B22/ρK なお、Kは渦電流回路によって与えられる係数である。
【0006】一般に、同期電動機のロータ構成は、ロー
タの組立性からマグネット1枚当たり1極以上の固定磁
極を割り当てる構造としている。図21に示す従来のロ
ータ構造図では、1枚のマグネット10に対して1極の
固定磁極3を割り当てた構成を示している。1枚のマグ
ネット10の寸法を幅b、長さc、厚さhとすると、幅
bおよび長さcは固定磁極3とほぼ同寸法となる。
【0007】このような同期電動機において、固定磁極
の電機子コイルに供給する電流に含まれる高調波によっ
て発生する磁束変動や、固定磁極とマグネットとの相対
的位置変化による磁束変動によって、マグネットに渦電
流が発生する。渦電流による渦電流損は上記式で定まる
ため、マグネット10の幅b、長さc、厚さhが大きく
なると大きな渦電流損が発生し、発熱が大きくなる。
【0008】従って、従来のロータ構造ではマグネット
の渦電流損による発熱が大きく、特に高速回転では周波
数が大きくなるため、ロータの発熱が大きくなり、モー
タの出力に大きく影響することになる。
【0009】従って、希土類マグネットは磁束密度が高
く電動機の高出力化を実現することができるが、高速回
転ではマグネットの発熱が大きくなって、電動機の出力
が低下することになる。
【0010】そこで、本発明は前記した従来の問題点を
解決し、同期電動機において渦電流損を低減し、電動機
の出力を向上させることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の同期電動機のロ
ータ構造は、ロータコアに取り付けるマグネットの形状
を、縮小化やスリット形成等によって特徴化させること
によって、各マグネットに発生する渦電流損の大きさを
減少させ、これによって、同期電動機が発生するトータ
ルな渦電流損を低減し、電動機の出力を向上させるもの
である。
【0012】本発明の同期電動機のロータ構造は、ロー
タコアの外周部分にマグネットよりなる磁極を有する同
期電動機のロータにおいて、少なくともロータの磁極の
極数よりも多数個のマグネットを用いて磁極を構成し、
これらのマグネットを少なくとも隣接するマグネット間
において電気的に絶縁して配置するものである。前記式
で示されるように、渦電流損Wcはb・c・h・B22
/ρKで表され、該渦電流損はマグネットの寸法b,
c,hに比例する。従って、マグネットの寸法b,c,
hを縮小することによって渦電流損を減少させることが
できる。
【0013】本発明のロータ構造は、各ロータの磁極に
対応するマグネットを、複数の分割されたマグネットに
より形成し、これによって、各分割マグネットの寸法を
縮小して、発生する渦電流損を減少させるものである
(請求項1に対応)。
【0014】多数個のマグネットの配置は、マグネット
をロータコアの周方向に分割し、この分割したマグネッ
トをロータコアの周方向に配列したり、又、マグネット
をロータコアの軸方向に分割し、分割したマグネットを
ロータコアの軸方向に配列して行うことができる(請求
項2に対応)。又、マグネットをロータコアの周方向及
び軸方向に分割し、分割したマグネットをロータコアの
周方向および軸方向に配列して行うこともできる。ロー
タコアの周方向及び軸方向に分割したマグネットを用い
る構成では、各分割マグネットに発生する渦電流損をよ
り小さくすることができる(請求項3に対応)。
【0015】又、ロータコアの外周部分にマグネットよ
りなる磁極を有する同期電動機のロータにおいて、少な
くとも磁極の極数よりも多数個のマグネットを、少なく
とも隣接するマグネット間において電気的に絶縁して周
方向に配置してロータユニットを形成し、このロータユ
ニットを軸方向に多段に積み重ねことによってロータの
磁極を構成することができる(請求項4に対応)。
【0016】ロータユニットを軸方向の多段積みする構
成において、各ロータユニットを周方向に連続的にずら
せて構成し、これによって、ロータの磁極をスキュウし
た構成とする。これによって、ロータの磁極が固定子の
磁極を通過する際の磁束の変動によって生じるトルク変
動や速度変動のコギングを低減することができる(請求
項5に対応)。
【0017】又、渦電流損Wcの式b・c・h・B22
/ρKにおいて、該渦電流損Wcはマグネットの電気抵
抗ρに逆比例し、マグネットの電気抵抗ρを増大するこ
とによって渦電流損を減少させることができる。
【0018】本発明の同期電動機の他のロータ構造は、
マグネットの電気抵抗ρを増大することによって渦電流
損を減少させるものであり、ロータコアの外周部分にマ
グネットよりなる磁極を有する同期電動機のロータにお
いて、このマグネットの表面にスリットを備えるもので
ある。マグネットの表面にスリットを備えることによ
り、渦電流が流れる渦電流回路の電気抵抗を増加させ
る。これによって、マグネットを流れる渦電流値は減少
し、発生する渦電流損は減少することになる。なお、各
マグネット間では、少なくとも隣接するマグネットとの
隣接面で電気的に絶縁を行うことにより、隣接するマグ
ネット間における渦電流を抑制することができる(請求
項6に対応)。
【0019】マグネットの表面に形成するスリットは、
ロータの周方向、軸方向、あるいは任意の方向とするこ
とができ、各スリットはマグネットの背面あるいは端部
においてつないで一体構造とすることができる。マグネ
ットの端面でつなぐ場合には、マグネットの一方あるい
は両方の端部でつないで櫛形形状とすることができる。
【0020】本発明の同期電動機のロータ構造におい
て、マグネット間の電気的絶縁は、少なくとも隣接する
マグネットとの隣接面に設けた絶縁皮膜のコーティン
グ、あるいは、少なくとも隣接するマグネットとの間に
間隔を開けて配置する離隔配置により行うことができる
(請求項7,8に対応)。
【0021】本発明の同期電動機のロータ構造におい
て、マグネットをロータコアに固定するには、ロータコ
アの外周部分に多数個のマグネットを配置し、この仮固
定したマグネットの外周に、薄肉の円筒状カップを圧入
することにより行うことができ(請求項9に対応)、
又、ロータコアの外周部分にマグネットを挿入する開口
部を形成し、この開口部内に分割したマグネットを挿入
することにより行うことができる(請求項10に対
応)。
【0022】本発明の同期電動機のロータ構造によれ
ば、マグネットを分割することによって、各分割マグネ
ットの形状を四角形等の単純な形状とすることができ、
従来のマグネットのように円弧状に加工することを要さ
ず、加工時間や加工コストを低減することができる。
又、マグネットにスリットを形成する構造では、簡易な
加工により行うことができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図を
参照しながら詳細に説明する。本発明の実施の形態の構
成例について、図1〜図18の本発明による同期電動機
のロータ構造を説明するための図を用いて説明する。
【0024】多数個のマグネットを用いたロータ構造に
ついて、図1〜図4を用いて説明する。このロータ構造
は、ロータコアの外周部分にマグネットよりなる磁極を
有する同期電動機のロータにおいて、少なくともロータ
の磁極の極数よりも多数個のマグネット1を用いて磁極
を構成し、これらのマグネットを少なくとも隣接するマ
グネット間において電気的に絶縁して配置する。マグネ
ット間の絶縁は、少なくとも隣接するマグネットの隣接
面に絶縁皮膜のコーティングを施したり、間隔を開けて
配置することによって行うことができる。
【0025】各ロータの磁極に対応するマグネットは、
複数の分割されたマグネット1により形成し、各分割マ
グネット1の寸法を縮小することにより発生する渦電流
損を減少させる。
【0026】図1に示すマグネット1aはロータコア2
の周方向に分割して形成し、分割したマグネット1aを
ロータコア2の周方向に配列して、ロータの磁極を構成
する。又、図示しないが、ロータコア2の軸方向に分割
したマグネットを、ロータコア2の軸方向に配列するこ
ともできる。
【0027】図2に示すマグネット1aは、周方向及び
軸方向に分割し配列する構成例であり、ロータコア2の
周方向及び軸方向に分割したマグネット1bをロータコ
ア2の周方向および軸方向に配列する。この構成によれ
ば、図1に示す構成よりも各分割マグネットの寸法が小
さくなり、各マグネットで発生する渦電流損を低減する
ことができる。
【0028】図3は、本発明の分割マグネットと従来の
マグネットとの比較図であり、図4は本発明のロータの
一部断面図である。図3(a)は従来のロータに使用す
るマグネットの断面形状であって、マグネット11の周
方向の長さは、少なくとも固定磁極の1極の長さがあ
り、ロータの外周に対応するために円弧状に湾曲して形
成される。これに対して、図3(b)は本発明のロータ
に使用するマグネット1の断面形状を示し、マグネット
1の周方向の長さは、分割することによって固定磁極の
1極の長さの分割数分の1となり、図4に示すようにロ
ータコア2の外周に対してほぼ直線的な形状で形成する
ことができる。
【0029】次に、本発明のロータにおいて、マグネッ
トをロータコアに固定する態様について説明する。第1
の固定の態様は圧入カップを用いるものであり、第2の
固定の態様はロータコア内への埋め込みによるものであ
る。
【0030】図5は第1の固定の態様を説明するための
図であり、ロータコア2の外周部分に多数個のマグネッ
ト1を配置して接着剤等によって仮固定し(図5
(a))、この仮固定したマグネットの外周に、薄肉の
円筒状カップ5を圧入し、外周面5bによってマグネッ
ト1を保持する。従って、マグネット1は円筒状カップ
5の外周面で支持される(図5(b))。図5(c)
は、円筒状カップ5を圧入した後の状態を示している。
図5(c)では、一つの円筒状カップ5によってマグネ
ット1を構成を示しているが、二つの円筒状カップ5を
ロータコア2の両方の端部から圧入することもできる。
【0031】なお、円筒状カップ5の一端の少なくとも
外周の内側に縁部5aを備え、この縁部5aを押圧する
ことによって、円筒状カップ5のロータコア2への圧入
を容易とすることができる。
【0032】図6,7は第2の固定の態様を説明するた
めの斜視図及び一部断面図であり、ロータコア2の外周
部分にマグネット1を挿入する開口部6を形成し、この
開口部内6に分割したマグネット1を挿入することによ
り行うことができる。図6,7に示す例の開口部6の周
方向の長さは、一つの極に対応する長さとし、該開口部
6内に複数個のマグネット1を隣接させて挿入して固定
する。従って、マグネット1はロータコア2の外周部分
で支持される。この構成では、隣接するマグネット1の
隣接面には絶縁を施しておく。また、開口部を分割した
個々のマグネット1に対応して細分して形成することも
でき、この構成によれば、ロータコア2が絶縁材であれ
ば、各マグネット1に絶縁を施すことなく用いることが
できる。
【0033】次に、本発明のロータを複数のロータユニ
ットで構成する例について、図8,9,10を用いて説
明する。図8,9は前記した第1の固定態様によってロ
ータユニットを形成し、該ロータユニットを軸方向に積
み重ねるものであり、図10は前記した第2の固定態様
によってロータユニットを形成し、該ロータユニットを
軸方向に積み重ねるものである。
【0034】図8(a)において、軸方向長さを短く形
成したロータコア2aに対して、前記した第1の固定態
様を用いて、外周面に分割したマグネット1を接着剤等
で仮固定してロータユニット7aを形成する。同様に、
軸方向長さが短いロータコア2b,2c(図示していな
い)の外周面に分割したマグネット1を仮固定してロー
タユニット7b,7cを形成する。形成したロータユニ
ット7a,7b,7cを図8(b)に示すように軸方向
に積み重ねる。
【0035】次に、図8(c)に示すように、複数のロ
ータユニット7a,7b,7cを層状に積み重ねてロー
タユニット体7を形成し、そのロータユニット体7の外
周に円筒状カップ5を圧入して固定して、図8(d)に
示すようにロータを形成する。
【0036】図9は、図8と同様な工程によって、マグ
ネットを周方向に連続的にずらしてスキュウを行う構成
例を示している。図9(a)において、軸方向長さを短
く形成したロータコア2a,2b,2c,2d(2b,
2c,2dは図示していない)に対して、前記と同様
に、外周面に分割したマグネット1を接着剤等で仮固定
してロータユニット7a,7b,7c,7dを形成す
る。形成したロータユニット7a,7b,7c,7dを
図9(b)に示すように軸方向に積み重ねる。この積み
重ねにおいて、各ロータユニット7a,7b,7c,7
dを周方向に連続して順にずらせる。これによって、形
成されるマグネットにはスキュウが形成され、コギング
の抑制を行うことができる。
【0037】さらに、図9(c)に示すように、複数の
ロータユニット7a,7b,7c,7cを層状に積み重
ねてロータユニット体7を形成し、そのロータユニット
体7の外周に円筒状カップ5を圧入して固定して、図9
(d)に示すようにロータを形成する。なお、図8,9
中の符号4は軸穴を示している。
【0038】図10に示す構成例は、第2の固定態様を
用いてマグネットをロータコア内に埋め込むことによっ
てロータユニットを形成し、このロータユニットを軸方
向に積み重ねるものである。なお、図10(b)の構成
例はロータユニットの位置を合わせて重ね合わせた例を
示し、図10(c)の構成例はロータユニットの位置を
ずらしてスキュウを形成した例を示している。
【0039】図10(b)に示す構成例では、図10
(a)において、軸方向長さを短く形成したロータコア
8a,8b,8c(8b,8cは図示していない)に開
口部を形成し、該開口部内に分割したマグネット1を挿
入して固定してロータユニット8a,8b,8cを形成
する。形成したロータユニット8a,8b,8cを図1
0(b)に示すように軸方向に積み重ね、各ロータユニ
ット8a,8b,8cを接合する。
【0040】又、図10(c)に示す構成例では、図1
0(a)において、前記と同様にして形成したロータユ
ニット8a,8b,8c,8dを図10(c)に示すよ
うに軸方向に積み重ね、各ロータユニット8a,8b,
8c,8dを接合する。この積み重ねにおいて、各ロー
タユニット8a,8b,8c,8dを周方向に連続して
順にずらせる。これによって、形成されるマグネットに
はスキュウが形成され、コギングの抑制を行うことがで
きる。
【0041】なお、ロータユニットの軸方向長さや積み
重ね段数は、ロータの軸方向の長さや分割マグネットの
大きさ等に応じて任意に設定することができる。
【0042】次に、スリットを備えたマグネットを用い
たロータ構造について、図11〜図14を用いて説明す
る。このロータ構造は、マグネットの電気抵抗ρを増大
することによって渦電流損を減少させるものであり、マ
グネットの表面にスリットを備えるものである。このス
リットによってマグネット内で渦電流が流れる渦電流回
路の電気抵抗を増加させることにより、渦電流値を減少
させ、発生する渦電流損を減少させる。各マグネット間
では、少なくとも隣接するマグネットとの隣接面で電気
的に絶縁を行うことにより、渦電流が隣接するマグネッ
ト間で流れないよう抑制する。このスリットによって渦
電流損を減少させる構成では、ロータコアに取り付ける
マグネットの個数を少なくすることができる。
【0043】図11,12はマグネット表面に軸方向の
スリットを形成する構成例である。図11において、マ
グネット1cは一体であり、その表面の軸方向にスリッ
ト12を備える。マグネット1cは、スリット12の位
置で薄くなる。渦電流はこの厚みの薄い部分で電気抵抗
が高まり、渦電流値が減少する。なお、隣接するマグネ
ット1c間では、少なくとも隣接面に絶縁皮膜を設ける
ことによって、渦電流の流れを制限する。
【0044】図12はスリットの構成例である。図12
(a)は図11に示すスリット例であり、スリット12
はマグネット1cの軸方向の両端間に形成される。スリ
ット12はマグネット1cの表面のみに形成され、スリ
ット12の底部のつながり部13で結合して、マグネッ
ト1cを一体構造としている。
【0045】図12(b)に示すスリット構造では、マ
グネット1dの軸方向の一端から途中までのスリット1
2を交互に形成し、つなぎ部13で結合して一体構造と
している。
【0046】図12(c)に示すスリット構造では、マ
グネット1eの軸方向の一端から途中までのスリット1
2を同一端に形成し、他端のつなぎ部13で結合して一
体構造としている。
【0047】図12(d)に示すスリット構造では、マ
グネット1fの軸方向の一端から途中までのスリット1
2を両端に形成し、中央部のつなぎ部13で結合して一
体構造としている。
【0048】図12(b),(c),(d)において、
つなぎ部13では、断面積が小さくなるため電気抵抗が
高まる。これによって、渦電流値は小さくなり渦電流損
も低減する。
【0049】図13,14はマグネット表面に周方向の
スリットを形成する構成例である。図13において、マ
グネット1iは一体であり、その表面の周方向にスリッ
ト12を備える。マグネット1iは、スリット12によ
って渦電流が流れる渦電流回路の電気抵抗が高まり、渦
電流値が減少する。なお、隣接するマグネット1c間で
は、少なくとも隣接面に絶縁皮膜を設けることによっ
て、渦電流の流れを制限する。
【0050】図14はスリットの構成例である。図14
(a)に示すスリット構造では、マグネット1gの周方
向の両端間に形成される。スリット12はマグネット1
cの表面のみに形成され、スリット12の底部のつなが
り部13(図示していない)で結合して、マグネット1
cを一体構造としている。
【0051】図14(b)に示すスリット構造では、マ
グネット1dの軸方向の一端から途中までのスリット1
2を交互に形成し、つなぎ部13で結合して一体構造と
している。
【0052】図14(c)は図13に示すスリット例で
あり、スリット12はマグネット1iの一端から途中ま
でのスリット12を両端に形成し、中央部のつなぎ部1
3で結合して一体構造としている。このとき、スリット
12の長さを順に異ならせることによって、スキュウを
形成することができる。
【0053】なお、図14では示していないが、図12
(c)と同様に、マグネットの周方向の一端から途中ま
でのスリットを同一端に形成することもできる。
【0054】更に別の構成例を、図15,17の一部を
切り欠いた斜視図及び図16,18のマグネット部分の
切り欠き図を用いて説明する。
【0055】図15〜18に示す構成例は、ロータコア
2の外周部分に設けた開口部6内に分割マグネットを挿
入し、かつスキュウさせる構成例である。図15,16
に示す構成例は、開放部6に軸方向に順にずれる段部を
形成し、この開口部6内に分割したマグネット1を挿入
することによってロータ側の磁極をスキュウさせるもの
である。
【0056】又、図17,18に示す構成例は、開放部
6内にマグネット1を積み重ねて挿入する際に、周方向
の長さが異なるスペーサ14をはさむことによってロー
タ側の磁極をスキュウさせるものである。
【0057】なお、図15〜図18の構成例において、
挿入するマグネットの形状及び大きさは任意に設定する
ことができる。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の同期電動
機のロータ構造によれば、同期電動機の渦電流損を低減
し、電動機の出力を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の同期電動機のロータ構造を説明するた
めの図である。
【図2】本発明の同期電動機のロータ構造を説明するた
めの図である。
【図3】本発明の分割マグネットと従来のマグネットと
の比較図である。
【図4】本発明のロータの一部断面図である。
【図5】本発明のロータのマグネットを固定する第1の
態様を説明するための斜視図である。
【図6】本発明のロータのマグネットを固定する第2の
態様を説明するための斜視図である。
【図7】本発明のロータのマグネットを固定する第2の
態様を説明するための一部断面図である。
【図8】本発明のロータを複数のロータユニットで構成
する例を説明するための図である。
【図9】本発明のロータを複数のロータユニットで構成
する例を説明するための図である。
【図10】本発明のロータを複数のロータユニットで構
成する例を説明するための図である。
【図11】本発明のマグネット表面に軸方向のスリット
を形成したロータの構成例を説明するための図である。
【図12】本発明のマグネット表面に軸方向のスリット
を形成したロータの構成例を説明するための図である。
【図13】本発明のマグネット表面に周方向のスリット
を形成したロータの構成例を説明するための図である。
【図14】本発明のマグネット表面に周方向のスリット
を形成したロータの構成例を説明するための図である。
【図15】本発明の別の構成例を説明するための一部を
切り欠いた斜視図である。
【図16】本発明の別の構成例を説明するためのマグネ
ット部分の切り欠き図である。
【図17】本発明の別の構成例を説明するための一部を
切り欠いた斜視図である。
【図18】本発明の別の構成例を説明するためのマグネ
ット部分の切り欠き図である。
【図19】従来の永久磁石付き同期電動機を説明するた
めの概略図である。
【図20】導体中の磁束密度の変動による渦電流の発生
を説明するための図である。
【図21】従来のロータ構造を説明するための図であ
る。
【符号の説明】
1,1a〜1i マグネット 2 ロータコア 2a ロータコア外周部 3 固定磁極 4 軸穴 5 ロータカップ 5a ロータカップ縁部 5b ロータカップ外周部 6 開口部 7,7a,7b,7c,8,8a,8b,8c ロータ
ユニット 10 ロータ 12 スリット 13 つながり部 14 スペーサ

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロータコアの外周部分にマグネットより
    なる磁極を有する同期電動機のロータにおいて、前記ロ
    ータの磁極は少なくとも磁極の極数よりも多数個のマグ
    ネットを、少なくとも隣接するマグネット間において電
    気的に絶縁して配置することを特徴とする同期電動機の
    ロータ構造。
  2. 【請求項2】 前記多数個のマグネットはロータコアの
    周方向又は軸方向に配列することを特徴とする請求項1
    記載の同期電動機のロータ構造。
  3. 【請求項3】 前記多数個のマグネットはロータコアの
    周方向および軸方向に配列することを特徴とする請求項
    1記載の同期電動機のロータ構造。
  4. 【請求項4】 ロータコアの外周部分にマグネットより
    なる磁極を有する同期電動機のロータにおいて、前記ロ
    ータの磁極は少なくとも磁極の極数よりも多数個のマグ
    ネットを少なくとも隣接するマグネット間において電気
    的に絶縁して周方向に配置したロータユニットを、軸方
    向に多段に積み重ねたことを特徴とする同期電動機のロ
    ータ構造。
  5. 【請求項5】 前記ロータユニットの軸方向の多段積み
    において、各ロータユニットを周方向に連続的にずらせ
    たことを特徴とする請求項4記載の同期電動機のロータ
    構造。
  6. 【請求項6】 ロータコアの外周部分にマグネットより
    なる磁極を有する同期電動機のロータにおいて、前記マ
    グネットは表面にスリットを有することを特徴とする同
    期電動機のロータ構造。
  7. 【請求項7】 前記マグネットの電気的絶縁は、少なく
    とも隣接するマグネットとの隣接面に設けた絶縁皮膜に
    より行うことを特徴とする請求項1,2,3,4,5,
    及び6記載の同期電動機のロータ構造。
  8. 【請求項8】 前記マグネットの電気的絶縁は、少なく
    とも隣接するマグネットとの間に間隔を開けて配置する
    離隔配置により行うことを特徴とする請求項1,2,
    3,4,5及び6記載の同期電動機のロータ構造。
  9. 【請求項9】 前記ロータコアの外周部分に配置した多
    数個のマグネットの外周への圧入によって、マグネット
    の固定を行う薄肉の円筒状カップを備えたことを特徴と
    する請求項1,2,3,4,5,及び6記載の同期電動
    機のロータ構造。
  10. 【請求項10】 前記ロータコアは、外周部分にマグネ
    ットを挿入する開口部を備えたことを特徴とする請求項
    1,2,3,4,5,及び6記載の同期電動機のロータ
    構造。
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