JP2006223033A - R−Fe−B系ラジアル異方性焼結リング磁石及びボイスコイルモータ - Google Patents

R−Fe−B系ラジアル異方性焼結リング磁石及びボイスコイルモータ Download PDF

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Abstract

【課題】 ボイスコイルモータの可動磁石部材を構成するとともに渦電流を低減したR−Fe−B系ラジアル異方性焼結リング磁石、及びそれを用いた高効率の可動磁石型ボイスコイルモータを提供する。
【解決手段】 円筒状ヨークと、前記ヨークの周囲に配設された界磁用コイルを有するステータ部材と、界磁用コイルと空隙を介して対向するR−Fe−B系(RはYを含む希土類元素のうちの少なくとも1種である)ラジアル異方性焼結リング磁石と、前記リング磁石を支持する支持部材とを有する可動磁石部材とを備え、前記リング磁石は上側及び下側端面からそれぞれ少なくとも1つのスリットが軸方向に沿って形成され、前記スリットは前記リング磁石の軸方向長さ(L)より短い長さ(Ls)を有するボイスコイルモータ。
【選択図】 図2

Description

本発明は、家電機器や発電機などのボイスコイルモータ用の界磁磁石として有用な、渦電流を低減したR−Fe−B系(RはYを含む希土類元素の少なくとも1種である)ラジアル異方性焼結リング磁石、特に可動磁石型ボイスコイルモータの可動磁石部材を構成するとともに渦電流を低減したR−Fe−B系ラジアル異方性焼結リング磁石、及びそれを用いた、高推力で高効率の可動磁石型ボイスコイルモータに関する。
家電機器では、インバータ運転を行うことにより可変速運転が容易となり、省エネルギーを図れるインダクションモータや同期モータなどを使用した交流可変速システムが一般的に採用されている。例えば冷蔵庫に組み込まれるコンプレッサは、レシプロタイプのコンプレッサ部とインダクションモータのロータをロータ軸で結合し、鉄製のハーメッチック容器内で両者をバネで一体的に結合した構造を有するのが一般的である。しかして屋内に設置されることが多い家電機器では、省エネルギーに加えて低騒音化を図ることも重要なので、インダクションモータの代わりに、ヨークとその周囲に配置された界磁用コイルを有するステータ部材と、リング磁石を有し、軸方向に往復移動する可動磁石部材とを備えた往復駆動装置(ボイスコイルモータ)の採用が検討されている。特にボイスコイルモータの効率を向上するのが懸案になっている。
特許文献1には、図5に示す可動磁石型リニアモータが開示されている。図5において、101は筒状のアウターヨークであり、間隙103を隔ててインナーヨーク104が設けられている。空隙3内には筒状の永久磁石106が設けてあり、アウターヨーク101の内側にはコイル107(巻線方向は永久磁石106によって形成される磁路108と交差する方向)が設けられている。111はシャフト110の往復動を円滑にする軸受である。ヨーク101,104は透磁率の高い多数の薄板を中心軸の回りに放射状に向けて形成されたもので鉄損の中の渦電流損失を低減するようになっている。
特許文献2では、ロータの磁石に生じる渦電流を低減し、高回転でも該磁石が減磁しない汎用性の高い永久磁石型同期モータを簡単な工程で提供するために、図6に示す構成の希土類焼結磁石体を提案している。図6において、スリット磁石上面153と、スリット磁石側面154に示されたスリット磁石下面には、それぞれ上面スリット151、下面スリット152が2本ずつ(2対のスリットが)設けられている。
特許文献3では、図7に示すように、軸方向に貫通したスリット202を有するNd−Fe−B系ラジアル異方性焼結リング磁石201を回転子コア203の外周側に固着して構成した表面磁石型回転子210を提案している。
特許文献4では、図8に示すように、永久磁石301を回転子鉄心302に接着し、永久磁石301の外径側に軸方向長さを等分するように周方向の複数の平行なスリット304が刻まれた非磁性ステンレス製の円筒303を取付けた構成の永久磁石同期電動機の回転子を提案している。
特開平10−323002号公報(第4−5頁、図1、図2) 特開2001−78402号公報(第3−5頁、図1) 特開平9−131006号公報(段落[0017]、図2) 特開平8−163803号公報(段落[0009]、図1)
特許文献1の提案ではヨーク101,104に流れる渦電流の発生を低減できるが、筒状の永久磁石106に流れる渦電流を何ら考慮していない。即ち、特許文献1のリニアモータでは、シャフト110が往復動するに際し、図4に破線115で示すように筒状の永久磁石106の表面部(表層部)の広い領域わたって渦電流が発生するので、発熱が大きくなり、モータ効率が低下する。なお、実際の渦電流は破線115で示される渦電流路の方向に分布して流れ、筒状の永久磁石106を有する可動磁石部材の移動方向に対してほぼ垂直の細長いループ状渦電流を発生する傾向にあるが、1つの破線で代表して図示している。
特許文献2の提案は回転電機のロータ用希土類焼結磁石体の渦電流低減のために2対でかつ異なる方向にスリットを形成している点で本発明とは異なる。即ち、本発明では往復動するボイスコイルモータ用の可動磁石部材を構成するR−Fe−B系ラジアル異方性焼結リング磁石の渦電流を低減するのを目的としているが、特許文献2ではこの考慮は何らされていない。
特許文献3の提案は熱応力割れの防止が目的であり、後述の比較例3に示す通り、実用性に乏しい。
特許文献4の提案は回転電機のロータの渦電流低減のためにロータの回転方向に沿ってスリットを形成している点で本発明のボイスコイルモータ及びそれに用いるR−Fe−B系ラジアル異方性焼結リング磁石とは異なるものである。
従って、本発明の目的は、渦電流を低減したR−Fe−B系ラジアル異方性焼結リング磁石、特に可動磁石型ボイスコイルモータの可動磁石部材を構成するとともに渦電流を低減したR−Fe−B系ラジアル異方性焼結リング磁石、及びそれを用いた、高推力で高効率の可動磁石型ボイスコイルモータを提供することである。
上記目的を達成するために、本発明のR−Fe−B系ラジアル異方性焼結リング磁石は、R−Fe−B系(RはYを含む希土類元素のうちの少なくとも1種である)の組成を有し、前記リング磁石は上側端面及び下側端面からそれぞれ少なくとも1つのスリットが軸方向に沿って形成されており、前記スリットは前記リング磁石の軸方向長さ(L)より短い長さ(Ls)を有して軸方向に貫通していないことを特徴とする。
前記リング磁石をその軸方向に対して垂直な平面上に投影して見た時、前記スリットは円周方向に等角度間隔で形成されており、前記スリットの幅(W)は0.2〜1mmの範囲にあり、前記スリットの軸方向長さ(Ls)と前記リング磁石の軸方向長さ(L)との比率(Ls/L)は0.2〜0.8の範囲にあるのが好ましい。
前記リング磁石は、内周面がN極でかつ外周面がS極であるか、あるいは内周面がS極でかつ外周面がN極であるように着磁してボイスコイルモータに組み込むのが実用的である。
本発明のボイスコイルモータは、強磁性体からなる円筒状のヨークと、前記ヨークの周囲に配設された界磁用コイルとを有するステータ部材と、前記界磁用コイルと空隙を介して対向するR−Fe−B系(RはYを含む希土類元素のうちの少なくとも1種である)ラジアル異方性焼結リング磁石と、前記リング磁石を支持する支持部材とを有する可動磁石部材とを備えたボイスコイルモータであって、前記リング磁石は上側端面及び下側端面からそれぞれ少なくとも1つのスリットが軸方向に沿って形成されており、前記スリットは前記リング磁石の軸方向長さ(L)より短い長さ(Ls)を有して軸方向に貫通していないことを特徴とする。
前記界磁用コイルは前記リング磁石の磁束と鎖交する方向に巻回された巻線を有するとともに交流電源に接続して使用するのが実用的である。
本発明によれば、軸方向に移動するリング磁石には、両端面から軸方向に沿って途中までスリットが設けてあるので、リング磁石の表面には渦電流が発生するものの、発生した渦電流は軸方向に沿って形成されたスリットで区切られた狭い領域(ドメイン)を流れて渦電流損失が低減される。即ち、渦電流が発生したドメインがほぼ均一微小サイズなので該ドメインの渦電流発生による温度上昇が少なく均一化されて、該リング磁石の局所的な温度上昇が抑制される結果、渦電流の発生に対するリング磁石の磁気的な耐熱性が向上するので、もってボイスコイルモータの効率を向上することができる。
以下本発明の詳細を図面により説明する。
図1は本発明の実施の形態に係わるボイスコイルモータの概略断面図、図2は可動磁石部材を構成するR−Fe−B系ラジアル異方性焼結リング磁石の斜視図、図3は図2のリング磁石に渦電流が発生する状態を模式的に示す斜視図である。
ボイスコイルモータ100は、外ヨーク部21と内ヨーク部22が磁気的に結合された円筒状のヨーク2と、外ヨーク部21の内周面に固設された界磁用コイル3を有するステータ部材1と、ラジアル異方性を有するR−Fe−B系焼結リング磁石5とそれを支持する支持部材6を有する可動磁石部材4とを備えている。ヨーク2は、軟鉄や鋼等の強磁性体で形成されているとともに、環状の界磁用コイル3は、リング磁石5の表面から発生する磁束と鎖交する向きに巻回されている。支持部材6は界磁用コイル3との間に微小間隔gの空隙10を形成しており、リング磁石5が固着されたカップ状の支持リング61とそれが固設されたシャフト62を有し、いずれもオーステナイト系ステンレス鋼などの非磁性体で形成されている。シャフト62は、スラスト軸受7を介して、内ヨーク部22の内周面に軸方向移動自在に支持されている。リング磁石5は、例えば外周面がN極でかつ内周面がS極となるように着磁されている。シャフト62の外周面には、外周面がN極でかつ内周面がS極となるように半径方向に磁化されたリング状のセンサ磁石8が固着され、その周囲にはホール素子などの磁界検出センサ9が配設されている。
図2に示すように、リング磁石5には、上側端面56から軸方向に沿って軸方向長さ(L)よりも短い長さ(Ls1)を有する4個のスリット51と、下側端面58から軸方向に沿って軸方向長さ(L)よりも短い長さ(Ls2)を有する4個のスリット52とが設けてある。スリット51及び52をリング磁石5の軸方向に対して垂直な平面上に投影して見た時にスリット51及び52はリング磁石5の円周に沿って交互にかつ等角度間隔(45°)で重ならない位置に対称に形成されている。スリット51,52の数及び幅(W)は、リング磁石5の機械的強度の低下やボイスコイルモータ100の出力低下が実用上問題とならない範囲で適宜設定される。またボイスコイルモータ100の駆動電流の周波数が増大すると渦電流損失も増大するので、その点を考慮してスリット51,52の数、長さ(Ls1,Ls2)及び幅(W)を設定する必要がある。
図2に限定されず、スリット51,52は、リング磁石5の両端面から少なくとも一箇所ずつ(全体で2箇所以上)、好ましくは両端面からそれぞれ複数箇所ずつ軸方向に沿って形成されるが、ボイスコイルモータ100の効率向上の点から、両端面からそれぞれ2〜8箇所(全体で4〜16箇所)軸方向に沿って伸びていることが望ましい。スリット51,52を設けない場合は効率向上の効果が得られず、前記スリット数を超えても効率の向上効果はほぼ飽和している。スリット51と52とは、同数で、かつ軸方向に対して垂直な平面上に投影した時にスリット51及び52が円周方向に等間隔で配置されているのが好ましい。この理由は、前記条件を満足しないと、渦電流の発生するドメインのサイズの不均一度が顕著になり、各ドメインに流れる渦電流の発生程度の差異が顕著になって最も渦電流の多く流れたドメインのリング磁石5の部分の熱減磁が全体のリング磁石5の熱減磁特性を支配し、結果的にリング磁石5の熱減磁を顕著に促進させてしまう。
スリット51,52の長さ(Ls1、Ls2)はリング磁石5の軸方向途中まで形成されているのが好ましく、例えばリング磁石5の軸方向長さ(L)の0.2〜0.8倍の範囲に収まるようにする。スリットの幅(W)は、0.2〜1mm、好ましくは0.2〜0.5mmの範囲に収まるように設定することが好ましい。Ls1,Ls2及びWが前記範囲を外れるとリング磁石5の機械的強度の低下やボイスコイルモータ100の推力不足を招来し、実用に耐えなくなる。また、(Ls1/Ls2)=1が理想であるが、(Ls1/Ls2)=0.7〜1.3が許容できる。これは(Ls1/Ls2)が前記範囲内であれば前述した通り、渦電流の発生するドメインのサイズの不均一度が抑制されて実用上支障の無いレベルのボイスコイルモータの推力が得られるからである。
スリット51,52はリング磁石5の軸方向に沿って形成するのが理想であるが、渦電流の発生するドメインのサイズの不均一度を抑制し、かつ実用的なスリットの形成を行うために、リング磁石5の軸方向に対するスリット51,52の形成角度のずれを20°以内、好ましくは10°以内にすることが望ましい。
本発明の焼結リング磁石は薄肉な程低質量になり推力の増大を図れるが、極端に薄肉の焼結リング磁石を作製しようとしても、該焼結リング磁石の成形工程で成形体が割れやすくなる。従って、本発明の焼結リング磁石の内径(Di)と外径(Do)との比率(Di/Do)が0.75〜0.95の範囲に収まるように成形体寸法を管理することが好ましい。
本発明の焼結リング磁石は、例えば、所定の組成、組織及び結晶粒径を有する成形用原料粉末をリング形状に成形するとともに該成形体にラジアル異方性を付与するために行う磁場中圧縮成形工程と、得られた成形体を焼結する工程と、得られた焼結体を熱処理する工程と、焼結体を加工する工程と、例えばNiめっき及び/または樹脂被覆(電着エポキシ樹脂コーティングなど)等の表面処理を施す工程を経て得られる。なお前記焼結体を加工後に熱処理しても良い。
本発明の焼結リング磁石のスリットは、磁場中成形工程において、スリット付き成形体を成形することにより形成するのが好ましい。あるいはリング状焼結体に内周刃あるいは外周刃切断機、またはワイヤーソー等で溝切りしてスリットを形成しても良い。この場合は、実用上、例えばワイヤーソーにより0.2〜0.5mmの幅(W)のスリットを形成でき、ダイヤモンドカッターにより0.2〜1.0mmの幅(W)のスリットを形成できる。
ボイスコイルモータの推力を高めるために、本発明の焼結リング磁石はRFe14B相を主相とする焼結磁石とする。希土類元素RとしてNd,Dy,Pr及びTbのうちの少なくとも1種が有用であり、好ましくはDy及び/又はTbを必須に含み、主要構成成分の(R+B+Fe)=100質量%とした時、R含有量は27〜33質量%、B含有量は0.8〜1.2質量%、残部Fe(但し、Fe含有量を100質量%とした時、Feの0.1〜10質量%をCoで置換するのが好ましく、かつFeの0.1〜5質量%をGa,Cu及びAlのうちの少なくとも1種で置換するのが好ましい)とするのが実用に耐える高い磁気特性の耐熱性を有するために必要である。
図1のボイスコイルモータ100は以下のように駆動される。
界磁用コイル3を商用交流電源(図示を省略)に接続し、界磁用コイル3に例えば単相の交流電流(100V、60Hz)を印加すると、リング磁石5から発生した磁場中に置かれた界磁用コイル3(導体)にはフレミングの左手の法則により軸方向にトルクが発生するので、その反作用により、可動磁石部材4が軸方向に(トルク発生方向と反対側)に移動する。例えば可動磁石部材4がS1方向に移動し、センサ磁石8が磁界検出センサ9に近接した場合には、磁界検出センサ9の出力信号が電流切換回路(図示を省略)に入力されて、逆向きの電流が界磁用コイル3に供給されるので、可動磁石部材4はS2方向に移動する。このように可動磁石部材4の位置情報を磁界検出センサ9で検出し、その位置情報により駆動電流の向きを切り替えることにより、可動磁石部材4の往復移動が可能となる。ボイスコイルモータ100の界磁用コイル3に通電すると、図3に示すように、リング磁石5の表面(表層部)には渦電流55が発生するものの、渦電流55はスリット51,52で仕切られた極めて狭い領域を流れるだけなので、渦電流55による発熱が大幅に低減され、ボイスコイルモータ100の効率を向上することができる。なお、実際の渦電流は破線55で示される渦電流路の方向に分布して流れ、リング磁石5を有する可動磁石部材4の移動方向に対してほぼ垂直の細長いループ状渦電流を発生する傾向にあるが、1つの破線で代表して図示している。
以下、下記の実施例により本発明を詳細に説明するが、それらの実施例により本発明が限定されるものではない。
(実施例1)
図1のボイスコイルモータ100用のリング磁石5として、表面をエポキシ樹脂で被覆したスリット付きNd−Fe−B系ラジアル異方性焼結リング磁石(NEOMAX社製、商品名:NMX−30ER、外径30mm、内径24mm、(Di/Do)=0.8、軸方向長さ(L)=20mm)を準備した。このリング磁石には、上側端面からのスリットが1箇所、及び下側端面からのスリットが1箇所、それぞれ該リング磁石の軸方向に沿って形成されているとともに、前記合計2箇所のスリットは該リング磁石の円周方向に180°間隔で形成されている。前記合計2箇所のスリットはいずれも幅(W)=0.5mm、軸方向長さ(Ls1)=(Ls2)=10mm、(Ls1/L)=(Ls2/L)=0.5とした。このリング磁石を用いて図1のボイスコイルモータ100を組立てた。
(実施例2)
上側端面からのスリットが2箇所、及び下側端面からのスリットが2箇所、それぞれ該リング磁石の軸方向に沿って形成されているとともに、前記合計4箇所のスリットは該リング磁石の円周方向に90°間隔で、かつ上側端面からのスリットと下側端面からのスリットとが該リング磁石の円周方向に交互に形成されている以外は実施例1と同様にしてスリット付きNd−Fe−B系ラジアル異方性焼結リング磁石を準備した。このリング磁石の(Ls1/L)、(Ls2/L)、及び全スリットのWの寸法を表1に示す。得られたスリット付きNd−Fe−B系ラジアル異方性焼結リング磁石を用いて図1のボイスコイルモータ100を組立てた。
(実施例3)
上側端面からのスリットが3箇所、及び下側端面からのスリットが3箇所、それぞれ該リング磁石の軸方向に沿って形成されているとともに、前記合計6箇所のスリットは該リング磁石の円周方向に60°間隔で、かつ上側端面からのスリットと下側端面からのスリットとが該リング磁石の円周方向に交互に形成されている以外は実施例1と同様にしてスリット付きNd−Fe−B系ラジアル異方性焼結リング磁石を準備した。このリング磁石の(Ls1/L)、(Ls2/L)、及び全スリットのWの寸法を表1に示す。得られたスリット付きNd−Fe−B系ラジアル異方性焼結リング磁石を用いて図1のボイスコイルモータ100を組立てた。
(実施例4)
上側端面からのスリットが4箇所、及び下側端面からのスリットが4箇所、それぞれ該リング磁石の軸方向に沿って形成されているとともに、前記合計8箇所のスリットは該リング磁石の円周方向に45°間隔で、かつ上側端面からのスリットと下側端面からのスリットとが該リング磁石の円周方向に交互に形成されている以外は実施例1と同様にしてスリット付きNd−Fe−B系ラジアル異方性焼結リング磁石を準備した。このリング磁石の(Ls1/L)、(Ls2/L)、及び全スリットのWの寸法を表1に示す。得られたスリット付きNd−Fe−B系ラジアル異方性焼結リング磁石を用いて図1のボイスコイルモータ100を組立てた。
(実施例5〜8)
上側端面からのスリットが4箇所、及び下側端面からのスリットが4箇所、それぞれ該リング磁石の軸方向に沿って形成されているとともに、前記合計8箇所のスリットは該リング磁石の円周方向に45°間隔で、かつ上側端面からのスリットと下側端面からのスリットとは該リング磁石の円周方向に交互に形成されており、Ls1とLs2の寸法を変更した以外は実施例1と同様にしてスリット付きNd−Fe−B系ラジアル異方性焼結リング磁石を準備した。実施例5ではLs1=Ls2=4mm、実施例6ではLs1=Ls2=8mm、実施例7ではLs1=Ls2=12mm、実施例8ではLs1=Ls2=16mmとした。各実施例のリング磁石の(Ls1/L)、(Ls2/L)、及び全スリットのWの寸法を表1に示す。これらの各リング磁石をそれぞれ用いて図1のボイスコイルモータ100を組立てた。
(実施例9〜11)
上側端面からのスリットが4箇所、及び下側端面からのスリットが4箇所、それぞれ該リング磁石の軸方向に沿って形成されているとともに、前記合計8箇所のスリットは該リング磁石の円周方向に45°間隔で、かつ上側端面からのスリットと下側端面からのスリットとが該リング磁石の円周方向に交互に形成されており、全スリットのWの寸法を変更した以外は実施例1と同様にしてスリット付きNd−Fe−B系ラジアル異方性焼結リング磁石を準備した。実施例9ではW=0.2mm、実施例10ではW=0.6mm、実施例11ではW=1mmとした。各実施例のリング磁石の(Ls1/L)、(Ls2/L)、及びWの寸法を表1に示す。これらの各リング磁石をそれぞれ用いて図1のボイスコイルモータ100を組立てた。
(比較例1)
スリットを設けない以外は実施例1と同様にしてスリット無しNd−Fe−B系ラジアル異方性焼結リング磁石を準備した。このリング磁石を用いて図1のボイスコイルモータ100を組立てた。
(比較例2)
スリット数を8個とし、(Ls1/L)=(Ls2/L)=0.1、W=0.5mmとした以外は実施例1と同様にしてスリット付きNd−Fe−B系ラジアル異方性焼結リング磁石を準備した。このリング磁石を用いて図1のボイスコイルモータ100を組立てた。
(比較例3)
図7と同様の、W=1mmの軸方向に貫通したスリットを形成したNd−Fe−B系ラジアル異方性C字形焼結磁石を準備した。このC字形焼結磁石を用いて図1のボイスコイルモータ100を組立てた。
図1のヨーク2(SS400製)、空隙10の間隔(g)=0.3mm、界磁用コイル3への印加電圧:100Vの単相交流電流(60Hz)、入力電力:100J/sとした条件で、各実施例のボイスコイルモータ100を駆動し、出力(回転トルク)を測定した。出力は、シャフト62にクランク機構(図示を省略)を接続して可動磁石部材4の往復運動を回転運動に変換し、その回転トルクを測定して下記式から算出した。算出した出力から下記式により効率を算出した。
出力(J/s)=[2π×回転数(r.p.m.)×回転トルク(Nm)]÷60
効率(%)=出力÷入力電力×100
各実施例及び比較例のモータ効率を表1に示す。
Figure 2006223033
表1から、各実施例のボイスコイルモータの効率は、いずれも、比較例1のスリット無しのリング磁石を用いたボイスコイルモータ、比較例2のLs1及びLs2が過小寸法のスリット付きリング磁石を用いたボイスコイルモータ、比較例3の軸方向に貫通したスリットを形成したC字形磁石を用いたボイスコイルモータよりも高い効率なのがわかる。各実施例と比較例1〜3との間のモータ効率の差はリング磁石に形成したスリットによる渦電流低減効果を反映した効果であり、本発明の焼結リング磁石の優位性が確認された。
比較例3では実施例5に近い効率を得られたが、比較例3のC字形磁石は軸方向に貫通したスリットを形成したことにより同軸度が悪くなっており、シャフト62に偏心した状態で取り付けざるを得ず長期信頼性に乏しいのがわかった。
(実施例12〜15)
図1のボイスコイルモータ100用のリング磁石5として、表面をエポキシ樹脂で被覆したスリット付きNd−Fe−B系ラジアル異方性焼結リング磁石(NEOMAX社製、商品名:NMX−30ER、外径50mm、内径47.5mm、(Di/Do)=0.95、軸方向長さ(L)=20mm)を準備した。このリング磁石には、上側端面からのスリットが4箇所、及び下側端面からのスリットが4箇所、それぞれ該リング磁石の軸方向に沿って形成されているとともに、前記合計8箇所のスリットは該リング磁石の円周方向に45°間隔で、かつ上側端面からのスリットと下側端面からのスリットとが該リング磁石の円周方向に交互に形成されており、Ls1とLs2を下記の寸法とし、全スリットのW=0.5mmとした。
実施例12では(Ls1/L)=(Ls2/L)=0.2、実施例13では(Ls1/L)=(Ls2/L)=0.4、実施例14では(Ls1/L)=(Ls2/L)=0.6、実施例15では(Ls1/L)=(Ls2/L)=0.8とした。
各実施例のリング磁石をそれぞれ用いて図1のボイスコイルモータ100を組立てた後、実施例1と同様にしてモータ効率を測定した。その結果、各実施例でいずれも92.0%を超えるモータ効率が得られた。
(比較例4)
スリット無しとした以外は実施例12と同様にしてスリット無しのNd−Fe−B系ラジアル異方性焼結リング磁石を準備した。このリング磁石を用いて図1のボイスコイルモータ100を組立て、モータ効率を測定した結果、モータ効率は約90%であった。
本発明の焼結リング磁石は、平均結晶粒径が0.01〜0.5μmであり、R’Fe14B相(R’はNd及び/またはPrを必須に含む希土類元素の少なくとも1種である)を主相とするR’−Fe−B系微結晶合金からなるラジアル異方性リング磁石(いわゆるラジアル異方性を付与したR’−Fe−B系温間加工磁石)素材に上記所定のスリットを形成したものを包含する。
上記実施例ではボイスコイルモータ100が可動磁石型の場合を記載したが特に限定されない。本発明の焼結リング磁石は、該スリット付きリング磁石を界磁磁石として装着した磁気回路部分を固定子とし、前記固定子のスリット付きリング磁石と磁気空隙を介して対向するように配設された環状の界磁用コイルを可動子とした構成の可動コイル型ボイスコイルモータにも有用である。
本発明のボイスコイルモータの一実施形態を示す断面図である。 本発明のリング磁石の一例を示す斜視図である。 本発明のリング磁石に渦電流が発生する状況を模式的に示す斜視図である。 従来のリング磁石に渦電流が発生する状況を模式的に示す斜視図である。 従来のリニアモータを示す断面図である。 従来のスリット入り磁石を示す図である。 貫通したスリット入りC字形磁石を用いた従来例を示す斜視図である。 従来のスリット入りロータを示す斜視図である。
符号の説明
1:ステータ部材、2:ヨーク、21:外ヨーク部、22:内ヨーク部、3:界磁用コイル、4:可動磁石部材、5:リング磁石、51、52:スリット、6:支持部材、61支持リング、62:シャフト、7:スラスト軸受、8:センサ磁石、9:磁界検出センサ、100:ボイスコイルモータ。

Claims (4)

  1. R−Fe−B系(RはYを含む希土類元素のうちの少なくとも1種である)ラジアル異方性焼結リング磁石であって、
    前記リング磁石は上側端面及び下側端面からそれぞれ少なくとも1つのスリットが軸方向に沿って形成されており、前記スリットは前記リング磁石の軸方向長さ(L)より短い長さ(Ls)を有して軸方向に貫通していないことを特徴とするR−Fe−B系ラジアル異方性焼結リング磁石。
  2. 前記リング磁石をその軸方向に対して垂直な平面上に投影して見た時、前記スリットは円周方向に等角度間隔で形成されており、前記スリットの幅(W)は0.2〜1mmの範囲にあり、前記スリットの軸方向長さ(Ls)と前記リング磁石の軸方向長さ(L)との比率(Ls/L)は0.2〜0.8の範囲にある請求項1に記載のR−Fe−B系ラジアル異方性焼結リング磁石。
  3. 前記リング磁石は、内周面がN極でかつ外周面がS極であるか、あるいは内周面がS極でかつ外周面がN極である請求項1または2に記載のR−Fe−B系ラジアル異方性焼結リング磁石。
  4. 強磁性体からなる円筒状のヨークと、前記ヨークの周囲に配設された界磁用コイルとを有するステータ部材と、
    前記界磁用コイルと空隙を介して対向するR−Fe−B系(RはYを含む希土類元素のうちの少なくとも1種である)ラジアル異方性焼結リング磁石と、前記リング磁石を支持する支持部材とを有する可動磁石部材とを備えたボイスコイルモータであって、
    前記リング磁石は上側端面及び下側端面からそれぞれ少なくとも1つのスリットが軸方向に沿って形成されており、前記スリットは前記リング磁石の軸方向長さ(L)より短い長さ(Ls)を有して軸方向に貫通していないことを特徴とするボイスコイルモータ。
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