JP2006180677A - 鉄心一体型スキュー磁石回転子およびその製造方法 - Google Patents

鉄心一体型スキュー磁石回転子およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 表面磁石型のモータ用磁石回転子において、磁石を螺旋形状にスキューさせて低コギング化を図るとともに、互いに異なる極性の磁石間に鉄心部を設けてリラクタンストルクを発生可能にする。さらに同磁石回転子を、生産性良く安価に、且つ構造信頼性高く実現する。
【解決手段】 磁石粉末および結合材を主とするボンド磁石部と、軟磁性粉末および結合材を主とする軟磁性部とを低圧力で螺旋状に仮成形し、それらを交互に組み合わせて本成形し一体化する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、永久磁石を使用したモータ、発電機などの高効率化および低コギング化を両立することを目的とした、鉄心一体型のスキュー磁石回転子に関するものである。
従来、永久磁石式モータは様々な構成が考案されてきた。すなわち、永久磁石が回転子外周部に配置されたいわゆる表面磁石型モータ(SPM)、永久磁石が回転子内部に配置されている磁石埋設設型モータ(IPM)などである。前者は図4にその要部断面図の例を示すように、回転子表面に設置された永久磁石31が回転子鉄心32および固定子間のエアギャップ14に直接接している形式である。17は固定子コイルである。この磁気回路形式を一般に表面磁石型磁気回路と呼ぶ。図4の表面磁石型磁気回路の場合、永久磁石31の任意の永久磁石31aのN極から出た磁束A3は、矢印で示すようにエアギャップ14を貫通し、固定子鉄心13a部分に達する。次いで、この磁束A3は固定子ヨーク13bおよび13c部分を経由して再びエアギャップ14を貫通し、さらに永久磁石31bおよび回転子鉄心32を経由して永久磁石31aのS極へ戻る閉ループを形成する。一方、後者は磁石埋設型磁気回路もしくは内部磁石型磁気回路と呼ばれるもので、図5にその要部断面図の例を示す。図5において、永久磁石31は回転子鉄心32内に埋設配置されており、永久磁石31のN磁極側から出た磁束A4は矢印で示すように回転子鉄心32を経由して固定子13と回転子間のエアギャップ14を貫通する。次いで、この磁束A4は固定子鉄心13a、13b、13c部分を順次経由して再びエアギャップ14を通過後、回転子鉄心32を経由して永久磁石31のS磁極に戻る閉ループを形成する。
また、図5のA5に示すようなリラクタンス効果を狙う、磁石回転子の軟磁性部分の突極性を利用したリラクタンスモータも多数考案されている(堺、他:「永久磁石式リラクタンス電動機の基礎特性」、平成10年電気学会全国大会、講演番号1002参照)。これを固定子側の分類から考えると、スイッチドリラクタンスモータとシンクロナスリラクタンスモータとに大別される。スイッチドリラクタンスモータは集中巻きの巻線を持っているのが一般的であり、歯車形状の回転子が集中巻きに施されている固定子の歯に磁気吸引力で吸引され回転を行うものである。これに対し、シンクロナスリラクタンスモータは分布巻きの巻線を持っているものが一般的であり、回転子もスイッチドリラクタンスモータの様な歯車形状ではなく、回転子内部に単数あるいは複数の磁気障壁を設け、磁束の通りやすいd軸と磁束の通り難いq軸とを設け、両軸のインダクタンスの違いによりリラクタンストルクを発生する原理となっている。
永久磁石と、珪素鋼鈑に代表される軟磁性材料とを比較すると、永久磁石の比透磁率は軟磁性材料の比透磁率に比べ大幅に小さいことは周知の事実である。この永久磁石と軟磁性材料との比透磁率の違いを利用して永久磁石式モータとリラクタンスモータとの両方の特性を有するモータを実現できる。例えば、IPMにおいても永久磁石を磁気障壁にみたてることにより、リラクタンストルクを発生せしめ、永久磁石モータとリラクタンスモータの両方の特性を有するモータを実現することができる。特に磁石埋設型を基本としたモータは、永久磁石が発生する磁束を有効利用し低速回転時の効率を向上させ、副産物としてのリラクタンストルクを利用することにより高速回転領域までの回転能力を確保することができる。
一方、モータの低コギング化も重要な課題である。コギングトルクはモータ回転時に振動や騒音をもたらすことから、その低減が望まれる。コギングトルクは、磁極間の吸引力およびその矩形性によって変化する。コギングトルクの低減策として、固定子の歯先形状や、磁石の磁極面の形状および、または着磁方向を工夫して、固定子と回転子間の空隙磁束密度分布を正弦波に近付ける、固定子と回転子双方の磁極数の組み合わせを最適化する、磁極をスキューさせて回転軸方向へトルクを分散させる、などの方法が知られている。なかでも磁極のスキューは非常に効果的な、かつ公知の技術として広く一般的に普及している。
なお、磁極をスキューさせる手段として、コイルを巻回する鉄心に薄板の電磁鋼板を使用してそれらを斜めに積層する方式が挙げられる。しかし、この方式では巻線作業が困難なためにコイルの占積率が低下し、モータ効率が悪化するという問題を含む。また他の手段として、磁石の磁極をスキューさせる方式があり、例えば磁石を回転軸方向へ分割し、磁極を周方向へずらしながら階段状に積層する方式が挙げられる。しかし、この方式では細分化するほど磁石の生産性や組立て作業性が悪化し、逆に分割数を減らすと充分なスキュー効果が得られないという欠点がある。その回避策として、リング形状の磁石を使用して、着磁パターンをスキューにすることが多い。しかし、回転子の表面が全て磁石で覆われている場合、前述のリラクタンストルクを発生することができない。そこで、例えば磁石を1極ごとにスキュー形状にセグメント化して、磁石と磁石の間に鉄心を設ける構成にすることで、スキュー磁極を有するSPM回転子でありながらリラクタンストルクを発生するという構成が考えられる。しかし、この方式では磁石や鉄心をスキュー形状に機械加工する必要があるため生産性が悪く、さらに磁石を鉄心の外周面に接着固定する必要があるので、接着強度のばらつきが懸念される。
以上上記のように、従来技術では永久磁石や鉄心の形状を単純化して、磁石単体及び電磁鋼鈑の加工を簡単にして、製造コストの上昇を避ける必要があった。さらに磁石と鉄心との接着強度の確保も重要な技術課題であった。形状への制約としては、例えば磁石にしろ電磁鋼鈑などの鉄心にしろ、スキューなど3次元的に複雑な形状に対するものが特に顕著である。一方、低コギング化やリラクタンストルクの有効活用などの観点から、磁石や鉄心への複雑形状の要求は今後ますます増大する。このような問題点を解決する一つの手段として特許文献1では、永久磁石と軟磁性材料とを一体で成形する製造方法が開示されている。しかしながら、このものでは磁石が単純なリング形状のSPM型モータにしか適用できず、上記したようなリラクタンストルクの発生は期待できない。
またIPM型モータ回転子では、複数の永久磁石の間には衝突防止用、補強用の軟磁性材料の橋渡し部分が必要となり、永久磁石からの磁束がこの部分で短絡し、漏れ磁束を生じ、永久磁石の磁束量を無駄なく有効利用する妨げとなる、という不具合点も生じている。このような問題点を解決する一つの手段として特許文献2では、強磁性部分と非磁性部分とが共存した部材によりヨークを構成し、橋渡し部分には非磁性部分を形成することが開示されている。しかしながら、このものでは上記したような加工上また製造上の問題点を解決するものではなかった。
また、特許文献3等に記載されているように、電磁鋼板等で作成した磁石挿入用穴の空いた薄板を積層し、この磁石挿入用穴にボンド磁石用コンパウンドを射出し、焼結磁石の替わりにボンド磁石をクリアランス無く回転子の内部に設ける手法もある。しかしながらこの方法では、コンパウンドの流動性を良くするために樹脂量を多くし、磁粉や鉄粉の混合量を低下せざるを得ないため、磁気特性が低下してしまうという問題がある。
特開平7−169633号公報((0040)〜(0043)、図1) 特開平8−331784号公報((0021)〜(0023)、図1) 特開2002−134311号公報((0087)〜(0090)) 三田:「表面磁石型モータのうず電流解析」、’98モータ技術シンポジウム(1998)
本発明は上述した従来技術では生産困難な、永久磁石にスキュー角を有すると共に、その磁極間に鉄心部を有する表面磁石型の磁石回転子を、生産性良く安価に、尚且つ高強度に実現するためのものである。
本発明は、磁石粉末および結合材を主とするボンド磁石部と、軟磁性粉末および結合材を主とする軟磁性部からなる、鉄心一体型の磁石回転子であって、前記ボンド磁石部が螺旋状にスキュー角を有すると共に、ボンド磁石部と軟磁性部とが周方向へ交互に連なっていることを構造上の特長としている。前記ボンド磁石部を形成する磁石粉末および結合材の混錬物と前記軟磁性部を形成する軟磁性粉末および結合材の混錬物とをそれぞれ複動プレスにて加圧成形後、250℃以下で硬化処理することにより鉄心一体型の磁石回転子を製造する。前記ボンド磁石部を形成する磁石粉末および結合材には、それぞれ等方性または異方性の希土類磁石粉末および熱硬化性樹脂との混錬物を使用することが好ましい。また前記軟磁性部を形成する軟磁性粉末および結合材には、それぞれアトマイズ鉄粉やFe−Co合金粉末、ナノ結晶粉末などの高透磁率材料および熱硬化性樹脂との混錬物を使用することが好ましい。
前記ボンド磁石部が中心軸に対して螺旋状にスキュー角を有すると共に、ボンド磁石部と軟磁性部とが周方向へ交互に連なる構造を得る手段として、主に希土類磁石粉末および結合材からなる材料を螺旋形状に低圧力で仮成形してボンド磁石の仮成形体を形成し、同様に軟磁性粉末および結合材からなる材料を螺旋状に低圧力で仮成形して圧粉磁心の仮成形体を形成し、前記ボンド磁石の仮成形体と圧粉磁心の仮成形体とを交互に組み合わせて、仮成形圧力よりも高い圧力で本成形し一体化することを製造上の特長としている。
この製造方法は、少ない工数で成形することができ、しかも射出成形品などと比べて少ない樹脂量で高密度の成形体が得られるという特徴がある。さらに、磁石部と鉄心部とを一体で成形できることから、接着などの組立て作業を削減することができ、しかも成形圧力を制御することでボンド磁石部と鉄心部との圧着強度を安定化することができる。
なお、前述のリラクタンストルクを有効に発生させるためには、前記軟磁性部の隣接極どうしが磁気的に結合されていることが好ましい。従って、前記ボンド磁石部と軟磁性部とが周方向へ交互に連なるリング状の複合成形体に対して、その内径側を軟磁性体片で満たすことが望ましい。その手段の一つとして、前記複合成形体の内径側へ機械加工などによって切り出した円柱状の軟磁性体片を接着固定することができる。または、前記ボンド磁石の仮成形体と圧粉磁心の仮成形体を交互に並べたものの内径側に、円柱状の圧粉磁心の仮成形体を挿入し、3者を同時に前記仮成形圧力よりも高い圧力で本成形し一体化することもできる。
リラクタンストルクを有効活用することで、リング磁石型のSPM回転子よりもさらに優れたモータ出力が得られる。なお、リラクタンストルクを有効活用するということは回転子鉄心部に過大な交番磁界がかかるので渦電流損失が顕著になる。その渦電流損失を避けるため、一般的には絶縁処理された薄板状の電磁鋼板を積層するが、本発明のような軟磁性部とボンド磁石部を一体成形するものでは鉄心部の電気伝導率を極めて下げる必要がある。リング磁石方式のSPM回転子用の鉄心ではこの点に関して全く考慮する必要はないが、本発明においては重要な技術要素である。本発明の構成において、前記軟磁性部の電気伝導率は20kS/m以下であることが好ましい。
実際の製造において、ボンド磁石部と圧粉磁心部の各々は、樹脂バインダー(結合材)を含む各種微粉末から成る圧縮成形体で形成すると共に、各々の圧縮成形体において製造初期の段階で成形体表面の微粉末が脱落可能な程度に弱く結合するよう300MPa程度の低圧力で仮成形する。その後、得られたボンド磁石部と圧粉磁心部の仮成形体を組み合わせて、600〜1000MPa程度の高圧力で本成形する。このようにして製造した複合一体成形品は接合面の微粉末どうしが良く噛み込み、熱硬化後の樹脂バインダーの結合力を、界面においても安定して生じさせることができるという特長を有する。本発明の製造方法によりボンド磁石部と圧粉磁心部との界面の接合強度を10MPa以上とすることができる。接合強度を高めるための工夫として、仮成形圧力はより低い方が好ましい。但し、仮成形圧力が300MPaよりも極端に低いと製品を金型から取り出した後の粉の脱落が顕著になり、製品のハンドリングが困難となる。また、本成形圧力はより高い方が好ましい。但し、成形圧力が600MPaで成形体密度はボンド磁石、圧粉磁心ともに飽和値の95%以上に達するため、必要充分な接合強度が得られる。さらに、成形圧力が1000MPaを大幅に上回ると、圧縮成形用金型の耐圧強度不足によって金型を破損する恐れが生じる。ボンド磁石部と圧粉磁心部との界面接合強度は、広く一般的に使用されているエポキシ系接着剤の接着強度と同程度の10MPa以上であることが好ましい。なお界面接合強度とは引張り強度のことを指し、一体成形品から引張り試験片を切り出して実測した値である。
磁石粉末の平均粒径は50〜200μmであり、前記軟磁性粉末の平均粒径は1〜50μmであるものが好ましい。相互に粒径を変えることでボンド磁石部と軟磁性部の密着強度を高めることができる。さらに好ましい磁石粉末の平均粒径は80〜150μmであり、さらに好ましい軟磁性粉末の平均粒径は5〜30μmである。磁石粉末はメルトスピニング(超急冷凝固)法やストリップキャスト(連続鋳造)法などを用いて母合金を作成し、これを粉砕・熱処理して磁気特性を得るために、いわゆる造粒を行なうことが出来ない。その磁石粉末に対して、界面接合強度の高くなる軟磁性粉末の前記平均粒径を選択することが重要である。
磁石粉末は、等方性のR−Fe−B系磁石粉末あるいはSm−Fe−N系磁石粉末であることが望ましい。もしくは、異方性のR−Fe−B系磁石粉末あるいはSm−Fe−N系磁石粉末であることが望ましい。スキュー角を有する磁石回転子では、コギング特性が良好になるものの、回転トルクに寄与する磁束をある程度犠牲にせざるを得ないため、例えばフェライト系ボンド磁石の様に残留磁束密度Brが0.4T未満だと回転子表面に必要充分な磁束を得ることができない。したがって、Br≧0.4T、保磁力Hcj≧600kA/mの希土類ボンド磁石を使用することが望ましい。
一方、軟磁性粉末はアトマイズ鉄粉、Fe−Co鉄粉、Fe基ナノ結晶磁性粉末などを用いて、電気伝導率は20kS/m以下であり、磁気特性が飽和磁束密度Bm≧1.4T、保磁力Hc≦800A/mにすることが望ましい。電気伝導率が20kS/m以下であると、渦電流損を珪素鋼板などの絶縁積層品と略同等に低減することができる。また、飽和磁束密度が低いと必要充分な磁束が得られず、また保磁力が高すぎるとモータ回転時のヒステリシス損が顕著になりモータ効率が著しく低下する。
また軟磁性粉末に、絶縁皮膜のコーティングをなすことも好ましい。あるいは希土類磁石粉末に、絶縁皮膜コーティングをなすことも好ましい。絶縁皮膜のコーティングを施すと電気抵抗が増加して、モータ回転時の渦電流損を低減することができる。
鉄心一体型の永久磁石回転子を得る圧縮成形用原料としては、磁石粉末コンパウンド、軟磁性粉末コンパウンドともに樹脂バインダー(結合材)を添加する。結合材としては熱硬化性樹脂を、磁石粉末コンパウンドであれば1〜5質量%、軟磁性粉末コンパウンドであれば0.1〜3質量%含むことが望ましい。樹脂コンパウンドの添加量は、所望の結合力が得られる範囲内で極力少ないことが、磁気特性を高めるうえで好ましい。
本発明により、磁石や鉄心への複雑な機械加工が不要になる。また磁石と鉄心との接着作業が不要になり、安定した接合強度を得ることができる。さらに低コギングで、尚且つリラクタンストルク併用型の高効率な表面磁石式回転子が実現できる。
以下、本発明の実施形態について図面とともに説明する。
先ず、本発明の一実施例に関わる永久磁石回転子の斜視図を図1に示す。図1において、本発明による鉄心一体型のスキュー磁石回転子1は、スキュー角を有するボンド磁石部2とシャフト挿入穴4を有する鉄心部3とで構成される。ボンド磁石部2と鉄心部3とは、圧縮成形手段により一体化される。その一体化のための製造手段を図2に示す。図2(a)はボンド磁石2、鉄心(外周)部3a、および鉄心(内周)部3bの仮成形体を得るための圧縮成形装置を示したものである。図2(a)中のボンド磁石2および鉄心(外周)部3aは、4箇所の螺旋形状の圧縮成形キャビティそれぞれに原料粉を投入し、4箇所を同時に加圧する様子を示している。加圧方向に対してキャビティが傾斜していても、成形圧力が低くて良いので、金型強度を必要以上に高める必要がない。また4個を同時に成形できるので生産性も良い。また、内径部3bにはシャフト挿入穴4が設けられている。
ボンド磁石部には平均粒径が150μmの等方性NdFeBボンド磁粉に熱硬化性樹脂を3質量%混合したものを使用した。また鉄心部には平均粒径が40μmの純Fe粉に熱硬化性樹脂を1質量%混合したものを使用した。仮成形体を得るための成形圧力は、各々300MPaとした。図2(b)は金型から取り出した各仮成形体の形状を示したものである。
図2(c)は本成形する前に上記の仮成形体を組み合わせた状態を示したものである。鉄心3は、互いに隣接するボンド磁石2間に設ける外周部3aと、ボンド磁石2の内周側に設ける内径部3bとで構成される。図2(d)はその仮成形体を組み合わせたものを円筒状のキャビティ内へ投入し、成形圧力800MPaで本成形している様子を示したものである。本成形によりボンド磁石2及び軟磁性部3の密度が増加し各々残留磁束密度および飽和磁束密度を向上させることができる。また、ボンド磁石2、鉄心(外周)部3a、および鉄心(内周)部3bの接合面の微粉末どうしが良く噛み合い接合強度の向上が図られる。図2(e)は最終的に得られた鉄心一体型のスキュー磁石回転子1を示したものである。上記原料粉の平均粒径、および仮成形圧力を採用したうえで、本成形圧力を800MPa、熱硬化温度を180℃にすると、ボンド磁石部と鉄心部との界面せん断強度を15MPaにすることができる。
以上、上記の製造方法によって得られた4極の磁極部を有する鉄心一体型のスキュー磁石回転子1を、6極の固定子に組み込んだモータ断面図を図3に示す。図3中のA1はマグネットトルクの発生を示す有効磁束、A2はリラクタンストルクの発生を示す有効磁束の模式線図である。
本発明の一実施例に関わる永久磁石回転子の斜視図である。 本発明の永久磁石回転子を製造する方法の一実施例を示す斜視図および断面図である。 本発明の一実施例に関わる永久磁石型モータの模式断面図である。 従来の表面磁石型モータの模式断面図である(SPM)。 従来の磁石埋設型モータの模式断面図である(IPM)。
符号の説明
1:鉄心一体型スキュー磁石回転子
2:ボンド磁石部
3:鉄心部
3a:鉄心(外周)部
3b:鉄心(内周)部
4:シャフト納入穴
13:固定子
14:エアギャップ
17:固定子コイル
A1〜A5:有効磁束
B1、B2:磁束の短絡
31:永久磁石
32:回転子ヨーク

Claims (8)

  1. 磁石粉末および結合材を主とするボンド磁石部と、軟磁性粉末および結合材を主とする圧粉磁心部とを、螺旋状に周方向へ交互に並べて一体化したことを特徴とする鉄心一体型磁石回転子。
  2. 前記磁石回転子の内径側または外径側へ、軟磁性粉末および結合材を主とする圧粉磁心部を形成し一体化したことを特徴とする、鉄心一体型磁石回転子。
  3. 前記磁石粉末の平均粒径が50〜200μmであり、前記軟磁性粉末の平均粒径が1〜50μmである請求項1または2に記載の鉄心一体型磁石回転子。
  4. 前記軟磁性部の電気伝導率は20kS/m以下であり、かつ飽和磁束密度Bm≧1.4T、保磁力Hc≦800A/mであることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の鉄心一体型磁石回転子。
  5. 前記ボンド磁石部が残留磁束密度Br≧0.4T、保磁力Hcj≧600kA/mであることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の鉄心一体型磁石回転子。
  6. 前記ボンド磁石部と前記軟磁性部との界面のせん断強度が10MPa以上であることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の鉄心一体型磁石回転子。
  7. 主に磁石粉末および結合材からなる材料を加圧して螺旋状に仮成形してボンド磁石部を形成し、主に軟磁性粉末および結合材からなる材料を加圧して螺旋状に仮成形して鉄心部を形成し、前記ボンド磁石部と鉄心部とを組み合わせて仮成形圧力よりも高い圧力で本成形し一体化することを特徴とする鉄心一体型磁石回転子の製造方法。
  8. 主に磁石粉末および結合材からなる材料を加圧して螺旋状に仮成形してボンド磁石部を形成し、主に軟磁性粉末および結合材からなる材料を加圧して螺旋状に仮成形して外周鉄心部を形成し、主に軟磁性粉末および結合材からなる材料を加圧して略円柱状に仮成形して内周鉄心部を形成し、前記ボンド磁石部と外周鉄心部と内周鉄心部とを組み合わせて仮成形圧力よりも高い圧力で本成形し一体化することを特徴とする鉄心一体型磁石回転子の製造方法。

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