JP2009027847A - 永久磁石およびこれを用いた埋込磁石型モータ - Google Patents

永久磁石およびこれを用いた埋込磁石型モータ Download PDF

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Abstract

【課題】埋込磁石型モータに好適に用いることができ、モータの小型化、高出力化を図ることが可能な永久磁石を提供すること。
【解決手段】モータのロータ内部に埋め込まれる永久磁石であって、保磁力の異なる複数の磁石材料を寄せ合わせて板状に一体的に形成されており、ロータ内部に埋め込まれた際、ロータ表面に最も近接する部分には、上記磁石材料のうち、最も高い保磁力を示す磁石材料より形成された高保磁力部を少なくとも存在させ、当該磁石の磁化容易軸を、板面に略垂直な方向に配向させる。
【選択図】図6

Description

本発明は、永久磁石およびこれを用いた埋込磁石型モータに関するものである。
近年、ハイブリッド自動車(HEV)、大型ACサーボなどに組み込まれるモータの需要が増加している。
例えば、自動車分野等では、燃費改善、室内空間の確保、排出ガスの低減などの要求が高まっており、車載されるという観点から、従来よりも小型で高出力な高性能のモータが求められている。
この種のモータとしては、ロータ表面に永久磁石を貼り付けた表面磁石型(Surface Permanent Magnet)モータ(SPMモータ)、ロータ内部に永久磁石を埋め込んだ埋込磁石型(Internal Permanent Magnet)モータ(IPMモータ)などが知られている。
後者の埋込磁石型モータは、前者の表面磁石型モータに比較して、マグネットトルクのみならず、リラクタンストルクをも有効に利用することができる。そのため、広いモータ回転数にわたってモータの効率を高めやすいという長所がある。
モータの高性能化を図ろうとした場合、少ない体積でモータトルクを実現することが重要である。しかし、一般に、モータトルクは、モータ直径の2乗に比例して大きくなり、長さに比例して大きくなる。したがって、モータを単に小型化すれば、大きなトルクが得られず、それに伴い出力も低下してしまう。
そのため、モータの高性能化には、用いられる永久磁石の磁力を向上させることが一般的な手法となる。
磁力の大きな磁石材料としては、Nd−Fe−B系などが知られている。従来、このような磁石材料によって構成された単一成分の永久磁石がモータに広く用いられてきた。
最近では、異なる磁石材料を組み合わせて永久磁石を構成し、これをモータに用いる提案もなされるようになってきている。
例えば、特許文献1には、第一の磁石と、第一の磁石を囲繞する第二の磁石とからなり、第一の磁石は、磁束密度が相対的に高く、保磁力が相対的に低い材料から構成されており、第二の磁石は、磁束密度が相対的に低く、保磁力が相対的に高い材料から構成された永久磁石が開示されている。また、特許文献1には、その永久磁石をロータ内部に埋め込んだ埋込磁石型モータが開示されている。
第一の磁石材料としては、具体的には、保磁力が10〜20kOeのネオジム、第二の磁石材料としては、保磁力が20kOeよりも大きなネオジムにジスプロシウムを添加した材料を用いる点が記載されている。
特開2006−261433号公報
ところで、モータに組み込まれる永久磁石は、モータの使用環境温度、磁石へ印加される反磁界などによる減磁により、モータ使用中に磁力の低下が生じやすい。そのため、モータに用いる永久磁石は、これらに耐えうる保磁力を有している必要がある。
しかしながら、磁石の保磁力(iHc)と磁束密度(B)との関係は、一方が大きくなると他方が小さくなるといった、トレードオフの関係になっている。
そのため、従来広く用いられてきた単一成分からなる永久磁石を使用する場合、磁石使用環境、モータ構造が決まった時点で、それに必要な保磁力(iHc)を確保しようとすれば、それに伴い磁束密度(B)が定まり、その結果、磁石の大きさがほぼ確定する。
この場合、大きな保磁力を必要とすれば、残留磁束密度が小さくなるため、モータ体積(磁石体積)を小さくし難く、モータの小型化、高出力化は困難を極める。
なお、特許文献1の永久磁石は、第二の磁石が第一の磁石を囲繞する構造を採用しているが、モータの小型化、高出力化を図る上では、さらなる改良の余地がある。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、本発明が解決しようとする課題は、埋込磁石型モータに好適に用いることができ、モータの小型化、高出力化を図ることが可能な永久磁石を提供することにある。また、この永久磁石を用いた埋込磁石型モータを提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明に係る永久磁石は、モータのロータ内部に埋め込まれる永久磁石であって、保磁力の異なる複数の磁石材料を寄せ合わせて板状に一体的に形成されており、上記ロータ内部に埋め込まれた際、ロータ表面に最も近接する部分には、上記磁石材料のうち、最も高い保磁力を示す磁石材料より形成された高保磁力部が少なくとも存在し、当該磁石の磁化容易軸が、板面に略垂直な方向に配向していることを要旨とする。
具体的には、本発明に係る第1の永久磁石は、上記高保磁力部が、モータのステータに対向する上記板面に接する磁石両縁部全体にわたって存在しており、これら両高保磁力部の間は、上記高保磁力部を形成する磁石材料よりも低い保磁力を示す磁石材料より形成されていることを要旨とする。
また、本発明に係る第2の永久磁石は、磁石厚み方向に複数の磁石層が積層されてなる積層構造を有し、上記各磁石層の保磁力は、ロータ中心部側からモータのステータ側に向かって順に高く設定されていることを要旨とする。
また、本発明に係る第3の永久磁石は、磁石厚み方向に複数の磁石層が積層されてなる積層構造を有し、上記各磁石層の保磁力は、ロータ中心部側からモータのステータ側に向かって順に高く設定されており、上記ステータに対向する磁石層は、その層両縁部の全体にわたって上記高保磁力部が存在しており、これら両高保磁力部の間は、上記高保磁力部を形成する磁石材料よりも低い保磁力を示す磁石材料より形成されていることを要旨とする。
また、本発明に係る第4の永久磁石は、ロータ中心部を中心とした略同心円状に複数の磁石層が積層されてなる積層構造を有し、上記各磁石層の保磁力は、ロータ中心部側からモータのステータ側に向かって順に高く設定されていることを要旨とする。
上記永久磁石の磁石材料としては、R−X1−X2系磁石材料(但し、R:Nd、Pr、Dy、TbおよびHoから選択される1種または2種以上の希土類元素、X1:Feおよび/またはCo、X2:Bおよび/またはC)を好適に用いることができる。
一方、本発明に係る埋込磁石型モータは、上記本発明に係る永久磁石がロータ内部に埋め込まれていることを要旨とする。
本発明に係る永久磁石は、保磁力の異なる複数の磁石材料を寄せ合わせて板状に一体的に形成されており、ロータ内部に埋め込まれた際、ロータ表面に最も近接する部分には、上記磁石材料のうち、最も高い保磁力を示す磁石材料より形成された高保磁力部が少なくとも存在する。
埋込磁石型モータでは、ロータ内部に埋め込まれた際、ロータ表面に最も近接する部分が、最も大きな反磁界が印加されるため磁束密度が低下しやすいが、本発明に係る永久磁石によれば、この部分に、相対的に最も高い保磁力を示す磁石材料が配置されている。
そのため、その他の部分については、相対的に低い保磁力を示す磁石材料が配置されることになり、磁石全体として高い磁力が得られることになる。
その結果、単一成分の磁石材料からなる永久磁石に比べ、永久磁石の体積を小さくすることが可能となり、埋込磁石型モータの小型化、高出力化を図ることが可能になる。
また、上記永久磁石は、熱間押出し加工を用いた成形で製造することが可能であることから、磁石製造性にも優れる。
この際、第1の永久磁石によれば、用いる磁石材料の数が最も少なくて済む。そのため、磁石の製造が容易になって、製造コストを低減しやすくなる。
また、板状の永久磁石における磁石厚み方向については、ロータ中心部側からモータのステータ側に向かって、磁束密度が低下しやすい傾向がある。
そのため、上記第2の永久磁石の構成を採用した場合、各磁石層内におけるロータ表面からロータ中心部方向への距離の分布を完全に一致させることはできないものの、簡易な積層構造を用いて、ロータ表面から等距離になる領域と各磁石層とを重複させることができる。
そのため、おおよそ磁束密度の高低の分布に合わせて、各磁石層に必要な保磁力を細かく調整することが可能となる。
また、上記第3の永久磁石によれば、ステータに対向する磁石層の層両縁部の全体にわたって局所的に保磁力を高めつつ、上記第2の永久磁石と同様に、おおよそ磁束密度の高低の分布に合わせて、他の各磁石層について必要な保磁力を細かく調整することが可能となる。
また、上記第4の永久磁石によれば、ロータ表面からロータ中心部方向への距離の分布を各磁石層内においてほぼ完全に一致させることができる。そして、各磁石層の保磁力は、ロータ中心部側からモータのステータ側に向かって順に高く設定されている。これにより、磁束密度の高低の分布に一致させて、各磁石層に必要な保磁力を細かく調整することが可能となる。
上記永久磁石を構成する複数の磁石材料を、R−X1−X2系磁石材料(但し、R:Nd、Pr、Dy、TbおよびHoから選択される1種または2種以上の希土類元素、X1:Feおよび/またはCo、X2:Bおよび/またはC)から選択して用いた場合には、必要な保磁力を確保しやすく、高い磁力を有する磁石を得やすくなる。すなわち、R成分の含有量、R成分の構成比率により広い範囲で保磁力設計をしやすく、磁石の最適箇所に必要最低限の保磁力成分を配置することで磁石全体の磁力を向上させることができる。
一方、本発明に係る埋込磁石型モータは、上記本発明に係る永久磁石がロータ内部に埋め込まれている。そのため、小型で高出力なモータとなる。したがって、ハイブリッド自動車(HEV)、電気自動車(EV)、燃料電池自動車(FCEV)、大型ACサーボなどに好適である。
以下、本発明に係る永久磁石(以下、「本永久磁石」ということがある。)、本発明に係る埋込磁石型モータ(以下、「本モータ」ということがある。)について詳細に説明する。
図1は、本発明に係る永久磁石を備えた、本発明に係る埋込磁石型モータの断面構造の一例を示した図である。図1に示すように、本モータ10は、ステータ12と、ロータ14とを備えている。
ステータ12は、全体的に略円筒状に形成されており、外形を形成するヨーク12aと、ヨーク12aの内周面から径方向に向かって延設された複数のティース12bと、ティース12bに巻回された巻線12c(図1中、一部のみ図示)とを備えている。
ロータ14は、全体的に略円柱形状に形成されたロータコア14aと、ロータコア14aの内部に埋め込まれた板状の永久磁石M(図1では、磁石構成を省略して図示)とを備えている。なお、図1では、本モータ10は、永久磁石Mが4つ埋め込まれているが、その数は特に限定されるものではない。
ステータ12とロータ14とは、ステータ12のティース12bの先端部と、ロータ14の永久磁石Mの表面との間に所定の隙間(ギャップ)16を介して、略同軸に対向配置されている。
上述したように、本永久磁石は、ロータ内部に埋め込まれて配置される磁石である。なお、永久磁石の埋込形態は、図1に示したように、ロータ径方向と磁石板面とがほぼ直交するような配置に限定されるわけではない。例えば、図2に示すように、ロータ径方向と磁石板面とがほぼ平行となるように永久磁石を配置しても良いし、図3に示すように、図1と図2との組み合わせであっても良い。さらには、図4に示すように、略ハの字状に配置しても良いし、図5に示すように、略V字状に配置しても良い(上記図2〜図5では、図1同様に磁石構成を省略して図示)。上記配置は、磁石により発生するトルクとリラクタンス差により発生するトルクの比率を使用回転数域、効率分布などの要因等を考慮して最適な配置を選択することができる。
ここで、本永久磁石は、保磁力(iHc)の異なる複数の磁石材料を寄せ合わせて板状に一体的に形成されている。つまり、本永久磁石は、磁石特性を考慮すると、典型的には、保磁力(iHc)、残留磁束密度(Br)が異なる複数の磁石材料から構成されていることになる。
もっとも、磁石組成の選択の仕方によっては、保磁力が異なっていても残留磁束密度が一致することもあり得る。そのため、本永久磁石は、少なくとも保磁力の異なる複数の磁石材料より形成されておれば、各磁石材料間で残留磁束密度が一致していても構わない。
本永久磁石は、ロータ内部に埋め込まれた際、ロータ表面に最も近接する部分に、上記複数の磁石材料のうちで、最も高い保磁力を示す磁石材料より形成された高保磁力部が、少なくとも存在している。
例えば、図1、図4のような磁石配置であれば、永久磁石内で、ロータ表面に最も近接する部分は、ステータ側の磁石板面に接する両縁部である。また、図2、図5のような磁石配置であれば、永久磁石内で、ロータ表面に最も近接する部分は、ステータ側の磁石片端部である。
本永久磁石Mにおいて、上記高保磁力部は、モータ軸と略平行な方向(図1〜5において紙面に垂直な方向)に連続的に存在しても良いし、不連続な部分があっても良い。好ましくは、磁石性能の安定性などの観点から、高保磁力部は、モータ軸と略平行な方向に連続的に存在していると良い。
本永久磁石において、高保磁力部を存在させる部分以外の部分(以下、「残余部分」ということがある。)については、基本的には、上記複数の磁石材料のうち、最も高い保磁力を示す磁石材料以外の磁石材料(以下、「残余の磁石材料」ということがある。)により形成されることになる。
本永久磁石において、残余の磁石材料の配置は特に限定されるものではない。好ましくは、磁石全体として高い磁力を効率良く得ることができるなどの観点から、ロータ表面に近い位置ほど、保磁力が大きくなる(残留磁束密度が小さくなる)ように、残余の磁石材料を配置すると良い。
具体的には、以下の通りである。すなわち、第1の磁石材料[iHc、Br]、第2の磁石材料[iHc、Br]、第3の磁石材料[iHc、Br]があり、各保磁力の関係が、iHc>iHc>iHcであるとする。そうすると、磁石特性から、基本的には、各残留磁束密度Brの関係は、Br>Br>Brとなる。
本永久磁石が、第1の磁石材料、および、第2の磁石材料の2つからなる場合、例えば、高保磁力部は、第1の磁石材料より構成し、残余部分は、第2の磁石材料より構成すれば良い。
本永久磁石が、第1の磁石材料、第2の磁石材料、および、第3の磁石材料の3つからなる場合、例えば、高保磁力部は、第1の磁石材料より構成し、残余部分は、第2の磁石材料、第3の磁石材料より構成すれば良い。この場合、第3の磁石材料よりも保磁力の大きい第2の磁石材料は、第3の磁石材料よりもロータ表面に近い部分に配置するのが好ましい。これは例えば、磁石厚み方向に複数の磁石層を形成したり、ロータ中心部を中心とした略同心円状に複数の磁石層を形成したりし、ステータ側により近い磁石層に第2の磁石材料を配置するなどすれば、実現することができる。
本永久磁石を構成する複数の磁石材料としては、R−X1−X2系磁石材料(但し、R:Nd、Pr、Dy、TbおよびHoから選択される1種または2種以上の希土類元素、X1:Feおよび/またはCo、X2:Bおよび/またはC)などを好適なものとして用いることができる。モータ性能などを考慮し、保磁力が異なるように適宜選択して用いることができる。
好ましくは、高い飽和磁化と高い異方性磁界とを兼ね備え、磁力が強力であるなどの観点から、Nd−Fe−B系磁石材料を好適に用いることができる。
本永久磁石は、当該磁石の磁化容易軸が、板面に略垂直な方向に配向している。磁化容易軸とは、磁石材料に外部磁界を加えたとき、磁化されやすい方向のことである。当該磁石の磁化容易軸を、板面に略垂直な方向に配向させるためには、例えば、押出加工時の最大圧縮方向が板面に略垂直な方向と平行になるようにすれば良い。
本永久磁石は、例えば、以下のようにして製造することができる。すなわち、先ず、保磁力の異なる複数の磁石材料を寄せ合わせて一体化した予備成形体を成形する。この際、予備成形体のうち、高保磁力部になりうる部分には、上記複数の磁石材料のうち、最も高い保磁力を示す磁石材料を配置する。
なお、予備成形体の形状は、当初から本永久磁石と同じ形状にはなっていないことが多いが、同じ形状になっていても良い。加工による変形により発生する歪みで、高い異方性を発現させる、成形性、その後の加工性などの観点から、予備成形体の形状は、立方体、直方体などの四角柱形状などが好ましい。
かかる予備成形体は、例えば、金型内を所定の領域に区画し、区画された各空隙に、所定の各磁石粉末材料を充填し、冷間プレスした後、更に600℃〜900℃でホットプレスをするなどして成形することができる。
他の方法としては、例えば、圧延加工などにより、各磁石粉末材料より部分成形体を成形し、これらを貼り合わせるなどしても良い。
各磁性粉末材料は、所定組成となるように配合した原料を溶解して得られた溶湯を、回転ロールに噴出させて、急冷薄片体を形成し、これを成形に最適な粒径に粉砕するなどして準備することができる。
次いで、得られた予備成形体を、板状になるように押出加工する。
この工程では、予備成形体の厚み、幅、長さ(高さ)と、得られる永久磁石の厚み、幅、長さ(高さ)とが、それぞれ、ほぼ同じ方向に揃うように、押出金型内に予備成形体を配置し、その後これを押し出せば良い。
そうすると、予備成形体の押出し断面の厚み方向の寸法が絞られるとともに、この厚み方向と直交する幅方向の寸法が拡げられるように押し出される。
これにより、板面に略垂直な方向に磁化容易軸方向が配向した永久磁石が得られる。
上記押出加工時の温度は、用いた磁石材料の種類などによっても異なるが、十分に密度を上げることができれば、特に限定されるものではない。
上記押出加工時の温度は、好ましくは、700〜900℃の範囲内、より好ましくは、750〜850℃の範囲内であると良い。
次いで、得られた押出体を周知の方法により着磁すれば、本永久磁石を得ることができる。
次に、第1実施形態に係る永久磁石M、第2実施形態に係る永久磁石M、第3実施形態に係る永久磁石M、第4実施形態に係る永久磁石Mを用いて、本発明に係る永久磁石Mをより具体的に説明する。なお、以下では、上記永久磁石M〜Mを、図1などに示すように、磁石板面がロータ径方向と略垂直になるように好適に配置する場合について説明する。
(第1実施形態)
図6は、第1実施形態に係る永久磁石Mについて示した図であり、(a)は平面図、(b)は外観図、(c)は永久磁石Mの作製に供する予備成形体の一例である。
図6(a)(b)に示すように、第1実施形態に係る永久磁石Mは、モータのステータに対向する板面Sに接する磁石両縁部全体にわたって高保磁力部Aが存在している。
これら両高保磁力部Aの間は、高保磁力部Aを形成する磁石材料よりも低い保磁力を示す磁石材料より形成された低保磁力部Bとされている。
なお、永久磁石Mの磁化容易軸は、板面Sに略垂直な方向に配向している(図6(a)中の矢印方向、以下、永久磁石M〜Mでは省略する。)。
高保磁力部Aを形成する磁石材料[iHc(A)、Br(A)]、低保磁力部Bを形成する磁石材料[iHc(B)、Br(B)]とすると、各保磁力の関係は、iHc(A)>iHc(B)となっている。また、磁石特性から、各残留磁束密度Brの関係は、Br(B)>Br(A)となっている。
上記構成の永久磁石Mは、用いる磁石材料の数が最も少なくて済む。そのため、磁石の製造が容易になって、製造コストを低減しやすくなるなどの利点がある。
図7は、熱間押出加工により、永久磁石Mを作製する様子を示した図である。図7中、押出方向はZ方向である。
上記永久磁石Mは、例えば、図7に示すように、略角形状の予備成形体M’を押出金型(不図示)内にセットし、予備成形体M’を800℃程度の温度で押し出すことにより得ることができる。
より具体的には、図6に示すように、予備成形体M’の各寸法を、厚みT’、幅W’、長さL’とする。また、永久磁石Mの各寸法を、厚みT、幅W、長さLとする。
この場合、図7に示すように、予備成形体M’と永久磁石Mとを、X方向にT’とT、Y方向にW’とW、Z方向にL’とLがほぼ揃うように配置し、その後押出しを行う。
そうすると、予備成形体M’の押出し断面のX方向の寸法が絞られるとともに、このX方向と直交するY方向の寸法が拡げられるように押し出され、永久磁石Mが得られる。
この際、Y方向の寸法を拡げる量は、ひずみ比ε/ε=ln(W/W’)//ln(L/L’)が、好ましくは、0.2〜3.5の範囲内、より好ましくは、0.4〜1.6の範囲内、最も好ましくは、0.9〜1.1となるよう寸法を設定すると良い。(但し、lnは自然対数である。)。
これにより、図6(a)に示すように磁化容易軸方向が、板面Sに略垂直な方向に配向した永久磁石Mを得ることができる。
なお、上記予備成形体M’は、高保磁力部Aとなりうる磁石粉末材料A’、低保磁力部Bとなりうる磁石粉末材料B’を、永久磁石Mの配置関係と対応させた状態で金型内に配置し、冷間プレスした後、更に800℃程度でホットプレスをするなどすれば、成形することができる。
上記永久磁石Mにおいて、高保磁力部Aを存在させる領域は、特に限定されるものではなく、モータに要求される出力、用いる磁石材料の組成などに応じて最適な領域とすれば良い。
(第2実施形態)
図8は、第2実施形態に係る永久磁石Mについて示した図であり、(a)は平面図、(b)は外観図、(c)は永久磁石Mの作製に供する予備成形体の一例である。
図8(a)(b)に示すように、第2実施形態に係る永久磁石Mは、磁石厚み方向に複数の磁石層(ここでは、磁石層A、磁石層B、磁石層Cの3層)が積層されてなる積層構造を有している。
そして、各磁石層A〜Cの保磁力は、ロータ中心部側からモータのステータ側(板面S側)に向かって順に高く設定されている。
すなわち、磁石層Aを形成する磁石材料[iHc(A)、Br(A)]、磁石層Bを形成する磁石材料[iHc(B)、Br(B)]、磁石層Cを形成する磁石材料[iHc(C)、Br(C)]とすると、各保磁力の関係は、iHc(A)>iHc(B)>iHc(C)となっている。また、磁石特性から、各残留磁束密度Brの関係は、Br(C)>Br(B)>Br(A)となっている。
上記構成の永久磁石Mは、最も磁束密度が低下しやすい、モータのステータに対向する板面Sに接する両縁部分以外に、さらに、次に磁束密度が低下しやすい板面S側の表層についても、相対的に高い保磁力の磁石材料で形成されている。また、磁石厚み方向で見た場合、ロータ中心部側からモータのステータ側(板面S側)に向かって、順に保磁力が高くなるような層構成になっている。
そのため、上記構成の永久磁石Mは、各磁石層内におけるロータ表面からロータ中心部方向への距離の分布を完全に一致させることはできないが、簡易な積層構造を用いて、ロータ表面から等距離になる領域と各磁石層とを重複させることができる。それ故、おおよそ磁束密度の高低の分布に合わせて、各磁石層に必要な保磁力を細かく調整することができる。
なお、上記永久磁石Mは、例えば、図8(c)に示した予備成形体M’を用いて、上記永久磁石Mと同様に作製することができる。また、予備成形体M’は、磁石層Aとなりうる磁石粉末材料A’、磁石層Bとなりうる磁石粉末材料B’、磁石層Cとなりうる磁石粉末材料C’を用いて、上記予備成形体M’と同様に作製することができる。
(第3実施形態)
図9は、第3実施形態に係る永久磁石Mについて示した図であり、(a)は平面図、(b)は外観図、(c)は永久磁石Mの作製に供する予備成形体の一例である。
図9(a)(b)に示すように、第3実施形態に係る永久磁石Mは、磁石厚み方向に複数の磁石層(ここでは、磁石層A、磁石層B、磁石層Cの3層)が積層されてなる積層構造を有している。
また、各磁石層A〜Cの保磁力は、ロータ中心部側からモータのステータ側(板面S側)に向かって順に高く設定されている。
そして、少なくとも、ステータに対向する磁石層Aは、その層両縁部の全体にわたって高保磁力部a31が存在している。また、これら両高保磁力部a31の間には、高保磁力部a31を形成する磁石材料よりも低い保磁力を示す磁石材料より形成された低保磁力部a32が存在している
すなわち、磁石層Aの高保磁力部a31を形成する磁石材料[iHc(A・a31)、Br(A・a31)]、磁石層Aの低保磁力部a32を形成する磁石材料[iHc(A・a32)、Br(A・a32)]、磁石層Bを形成する磁石材料[iHc(B)、Br(B)]、磁石層Cを形成する磁石材料[iHc(C)、Br(C)]とすると、各保磁力の関係は、iHc(A・a31)>iHc(A・a32)>iHc(B)>iHc(C)となっている。また、磁石特性から、各残留磁束密度Brの関係は、Br(C)>Br(B)>Br(A・a32)>Br(A・a31)となっている。
上記永久磁石Mは、永久磁石M、永久磁石Mをほぼ組み合わせた構造になっている。上記永久磁石Mによれば、ステータに対向する磁石層の層両縁部の全体にわたって局所的に保磁力を高めつつ、上記永久磁石Mと同様に、おおよそ磁束密度の高低の分布に合わせて、他の各磁石層について必要な保磁力を細かく調整することができる。
なお、上記永久磁石Mは、例えば、図9(c)に示した予備成形体M’を用いて、上記永久磁石Mと同様に作製することができる。また、予備成形体M’は、磁石層Aの高保磁力部a31となりうる磁石粉末材料a31’、磁石層Aの低保磁力部a32となりうる磁石粉末材料a32’、磁石層Bとなりうる磁石粉末材料B’、磁石層Cとなりうる磁石粉末材料C’を用いて、上記予備成形体M’と同様に作製することができる。
(第4実施形態)
図10は、第4実施形態に係る永久磁石Mについて示した図であり、(a)は平面図、(b)は外観図、(c)は永久磁石Mの作製に供する予備成形体の一例である。
図10(a)(b)に示すように、第4実施形態に係る永久磁石Mは、ロータ中心部を中心とした略同心円状に複数の磁石層(ここでは、磁石層A、磁石層B、磁石層C、磁石層D、磁石層Eの5層)が積層されてなる積層構造を有している。この際、磁石層Aは、板面Sに接する磁石両端部に配置されている。
また、各磁石層A〜Eの保磁力は、ロータ中心部側からモータのステータ側(板面S側)に向かって順に高く設定されている。
すなわち、磁石層Aを形成する磁石材料[iHc(A)、Br(A)]、磁石層Bを形成する磁石材料[iHc(B)、Br(B)]、磁石層Cを形成する磁石材料[iHc(C)、Br(C)]、磁石層Dを形成する磁石材料[iHc(D)、Br(D)]、磁石層Eを形成する磁石材料[iHc(E)、Br(E)]とすると、各保磁力の関係は、iHc(A)>iHc(B)>iHc(C)>iHc(D)>iHc(E)となっている。また、磁石特性から、各残留磁束密度Brの関係は、Br(E)>Br(D)>Br(C)>Br(B)>Br(A)となっている。
上記永久磁石Mは、永久磁石Mに比較して、ロータ表面からロータ中心部方向への距離の分布を各磁石層内においてほぼ完全に一致させることができる。そのため、磁束密度の高低の分布に一致させて、各磁石層に必要な保磁力を細かく調整することができる。
なお、上記永久磁石Mは、例えば、図10(c)に示した予備成形体M’を用いて、上記永久磁石Mと同様に作製することができる。また、予備成形体M’は、磁石層Aとなりうる磁石粉末材料A’、磁石層Bとなりうる磁石粉末材料B’、磁石層Cとなりうる磁石粉末材料C’、磁石層Dとなりうる磁石粉末材料D’、磁石層Eとなりうる磁石粉末材料E’を用いて、上記予備成形体M’と同様に作製することができる。
上記では、図1などに示すように、磁石板面がロータ径方向と略垂直な方向となるように永久磁石を配置する場合について、具体的な磁石構成を例示したが、本発明に係る永久磁石は、このような配置に限定されるものではない。
例えば、図2などに示したように、磁石板面がロータ径方向と略平行になるように永久磁石を配置する場合には、図11(a)(b)に示す永久磁石MやMにように、ロータ表面に最も近接する部分に、高保磁力部AやAを配置し、残りの部分については、上述した永久磁石M〜Mに準じて、高保磁力部AやAよりも保磁力の小さい磁石材料で構成すれば良い(BやB、C、D、E)。 なお、これらの場合には、隣接して配置された永久磁石間で各磁力同士が反発するため、その結果として、ロータ径方向に磁束を向けることが可能である。
図11(a)に示す永久磁石Mは、次のようにして得ることができる。すなわち、図12(a)に示すような予備成形体M’(A’:高保磁力部Aとなりうる磁石粉末材料、B’:低保磁力部B’となりうる磁石粉末材料)を、図12(b)に示すように、Y方向の寸法が絞られ、Y方向と直交するX、Z方向の寸法が拡げられるように押し出し、その後、X方向に沿って所定の大きさに切り出せば(図12(b)中の破線部)、磁化容易軸が板面に略垂直な永久磁石Mを得ることができる。図11(b)に示す永久磁石Mもこれと同様にして作製することができる。
また、例えば、図4、図5などに示したように、磁石板面がロータ径方向と所定の角度(0°超〜90°未満)をなすように永久磁石を配置する場合には、図13(a)(b)に示す永久磁石MやMにように、ロータ表面に最も近接する部分に、高保磁力部AやAを配置し、残りの部分については、上述した永久磁石M〜Mに準じて、高保磁力部AやAよりも保磁力の小さい磁石材料で構成すれば良い(BやB、C、D、E)。
なお、図13(a)に示す永久磁石Mは、次のようにして得ることができる。すなわち、図14(a)に示すような予備成形体M’(A’:高保磁力部Aとなりうる磁石粉末材料、B’:低保磁力部Bとなりうる磁石粉末材料)を、図14(b)に示すように、Y方向の寸法が絞られ、Y方向と直交するX、Z方向の寸法が拡げられるように押し出し、その後、X方向に沿って所定の大きさに切り出せば(図14(b)中の破線部)、磁化容易軸が板面に略垂直な永久磁石Mを得ることができる。図13(b)に示す永久磁石Mもこれと同様にして作製することができる。
実際に、1500W、6P36S、180℃の耐熱性が必要な埋込磁石型モータについて、図6に示す磁石構成の永久磁石を設計した結果、高保磁力部Aを形成する磁石材料[iHc(A)=2387k[A/m]、Br(A)=1.05[T]]、低保磁力部Bを形成する磁石材料[iHc(B)=1591k[A/m]、Br(B)=1.25[T]]とすることにより、高保磁力部Aを形成する磁石材料[iHc(A)=2387k[A/m]、Br(A)=1.05[T]]単一で全体を設計した永久磁石と比較して、磁石高さを20%削減できた。その結果、モータ体積も同じ出力のまま10%削減できた。なお、上述の「6P36S」とは、磁石の極数が6極、巻線を施し、印加電流により界磁するステータ極数が36極であることを意味している。
また、高保磁力部Aを形成する磁石材料[iHc(A)=2785k[A/m]、Br(A)=0.95[T]]、低保磁力部Bを形成する磁石材料[iHc(B)=2387k[A/m]、Br(B)=1.05[T]]とし、比較的高い保磁力を有する磁石材料を組み合わせることで、永久磁石をモータのギャップ部へ1mm近づけた設計が可能となり、同様の効果を得ることができた。
以上、本発明に係る永久磁石、埋込磁石型モータについて説明したが、本発明は、上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改変が可能である。
本発明に係る永久磁石を備えた、本発明に係る埋込磁石型モータの断面構造の一例を示した図である。 ロータ径方向と磁石板面とがほぼ平行となるように永久磁石が配置されたロータの一例を示した図である。 ロータ径方向と磁石板面とがほぼ垂直となるように一部の永久磁石が配置されるとともに、ロータ径方向と磁石板面とがほぼ平行となるように残りの永久磁石が配置されたロータの一例を示した図である。 略ハの字状に永久磁石が配置されたロータの一例を示した図である。 略V字状に永久磁石が配置されたロータの一例を示した図である。 第1実施形態に係る永久磁石Mについて示した図であり、(a)は平面図、(b)は外観図、(c)は永久磁石Mの作製に供する予備成形体の一例である。 熱間押出加工により、永久磁石Mを作製する様子を示した図である。 第2実施形態に係る永久磁石Mについて示した図であり、(a)は平面図、(b)は外観図、(c)は永久磁石Mの作製に供する予備成形体の一例である。 第3実施形態に係る永久磁石Mについて示した図であり、(a)は平面図、(b)は外観図、(c)は永久磁石Mの作製に供する予備成形体の一例である。 第4実施形態に係る永久磁石Mについて示した図であり、(a)は平面図、(b)は外観図、(c)は永久磁石Mの作製に供する予備成形体の一例である。 磁石板面がロータ径方向と略平行になるように永久磁石を配置する場合における磁石構成の一例を説明するための図である。 図11に示した各永久磁石を作製する様子を示した図である。 磁石板面がロータ径方向と所定の角度をなすように永久磁石を配置する場合における磁石構成の一例を説明するための図である。 図13に示した各永久磁石を作製する様子を示した図である。
符号の説明
10 埋込磁石型モータ(本モータ)
12 ステータ
12a ヨーク
12b ティース
12c 巻線
14 ロータ
14a ロータコア
16 隙間(ギャップ部)
M 永久磁石
永久磁石
高保磁力部
低保磁力部
’ 予備成形体
’ 高保磁力部Aとなりうる磁石粉末材料
’ 低保磁力部Bとなりうる磁石粉末材料
永久磁石
磁石層
磁石層
磁石層
’ 予備成形体
’ 磁石層Aとなりうる磁石粉末材料
’ 磁石層Bとなりうる磁石粉末材料
’ 磁石層Cとなりうる磁石粉末材料
永久磁石
磁石層
31 高保磁力部
32 低保磁力部
磁石層
磁石層
’ 予備成形体
31’ 磁石層Aの高保磁力部a31となりうる磁石粉末材料
32’ 磁石層Aの低保磁力部a32となりうる磁石粉末材料
’ 磁石層Bとなりうる磁石粉末材料
’ 磁石層Cとなりうる磁石粉末材料
永久磁石
磁石層
磁石層
磁石層
磁石層
磁石層
’ 予備成形体
’ 磁石層Aとなりうる磁石粉末材料
’ 磁石層Bとなりうる磁石粉末材料
’ 磁石層Cとなりうる磁石粉末材料
’ 磁石層Dとなりうる磁石粉末材料
’ 磁石層Eとなりうる磁石粉末材料
S 板面

Claims (7)

  1. モータのロータ内部に埋め込まれる永久磁石であって、
    保磁力の異なる複数の磁石材料を寄せ合わせて板状に一体的に形成されており、
    前記ロータ内部に埋め込まれた際、ロータ表面に最も近接する部分には、
    前記磁石材料のうち、最も高い保磁力を示す磁石材料より形成された高保磁力部が少なくとも存在し、
    当該磁石の磁化容易軸が、板面に略垂直な方向に配向していることを特徴とする永久磁石。
  2. 前記高保磁力部は、モータのステータに対向する前記板面に接する磁石両縁部全体にわたって存在しており、
    これら両高保磁力部の間は、前記高保磁力部を形成する磁石材料よりも低い保磁力を示す磁石材料より形成されていることを特徴とする請求項1に記載の永久磁石。
  3. 磁石厚み方向に複数の磁石層が積層されてなる積層構造を有し、
    前記各磁石層の保磁力は、ロータ中心部側からモータのステータ側に向かって順に高く設定されていることを特徴とする請求項1に記載の永久磁石。
  4. 磁石厚み方向に複数の磁石層が積層されてなる積層構造を有し、
    前記各磁石層の保磁力は、ロータ中心部側からモータのステータ側に向かって順に高く設定されており、
    前記ステータに対向する磁石層は、その層両縁部の全体にわたって前記高保磁力部が存在しており、これら両高保磁力部の間は、前記高保磁力部を形成する磁石材料よりも低い保磁力を示す磁石材料より形成されていることを特徴とする請求項1に記載の永久磁石。
  5. ロータ中心部を中心とした略同心円状に複数の磁石層が積層されてなる積層構造を有し、
    前記各磁石層の保磁力は、ロータ中心部側からモータのステータ側に向かって順に高く設定されていることを特徴とする請求項1に記載の永久磁石。
  6. 前記磁石材料は、R−X1−X2系磁石材料(但し、R:Nd、Pr、Dy、TbおよびHoから選択される1種または2種以上の希土類元素、X1:Feおよび/またはCo、X2:Bおよび/またはC)であることを特徴とする請求項1から5の何れかに記載の永久磁石。
  7. 請求項1から6の何れかに記載の永久磁石がロータ内部に埋め込まれた埋込磁石型モータ。
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