JP5320702B2 - 永久磁石モータおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、磁性材料よりなるロータコアの外周面に永久磁石を固設した永久磁石モータおよびその製造方法に関する。
従来、永久磁石モータのロータコアの外周面固設される永久磁石には、主にボンド磁石が利用されてきた。ここで、ボンド磁石とは、フェライト系や希土類系の永久磁石の粉末をゴム、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂などの結合材料で接着し固化した複合材料永久磁石のことである。このボンド磁石は、結合成分を含むことから、焼結法により作製された結合剤成分を含まない焼結磁石と比較して磁気特性が低い。
しかしながら、このようなボンド磁石は、焼結によって収縮するという問題が小さいため、高い寸法精度で環状、円弧形状、薄肉形状などの特殊な形状とすることができるという利点を持っている。そして、このような環状、円弧形状、薄肉形状などの特殊な形状としても、割れや欠けなどの問題を生じさせることなく製造できるという利点もある。このため、近年では、環状のボンド磁石が、家電用モータや情報機器用モータに多く用いられている。
ここで、ボンド磁石は、異方性ボンド磁石と等方性ボンド磁石とに分類される。異方性ボンド磁石は、特定方向に高い磁力を発生するため、モータの小型化や高性能化に貢献することが知られている。しかしながら、異方性ボンド磁石を製造する場合には、磁場中で磁石粉末を一定方向に配列しながら成形しなければならない。特に、環状で径方向に磁石粉末を配列するような特殊形状の永久磁石を製造する場合には、たとえ高保磁力であるとされる希土類系磁石粉末を利用したとしても、その性能を100%引き出すことが困難となっていた。このため、環状の磁石を製造する場合には、無磁場中で圧縮成形または射出成形するだけで簡単に製造することができる等方性ボンド磁石が用いられてきた。
また、希土類系磁石粉末は、一般的には、フェライト系磁石粉末と比較して、高価である。このため、希土類系磁石粉末を用いて環状の永久磁石を製造する場合には、永久磁石の径方向の厚みを薄くして、磁石粉末量を低減することが求められる。
しかしながら、このように、永久磁石の径方向の厚みを薄くすると、その表面磁束波形と正弦波波形との乖離が大きくなるという傾向がある。このため、このような磁石を用いたモータを回転させた場合に、コギングトルクが大きく、モータ回転時の音や振動が大きくなってしまうという問題が生じる。
ここで、環状の永久磁石の径方向の厚みと表面磁束波形との関係を説明する。
図16は、環状の永久磁石の径方向の厚みと表面磁束波形との関係を示す説明図である。この図16では、8極の磁極を有する外径50mmの希土類等方性ボンド磁石の表面磁束をガウスメータで測定したものである。そして、その内径を46mm(磁石肉厚2mm)、42mm(磁石肉厚4mm)、38mm(磁石肉厚6mm)、35.6mm(磁石肉厚7.2mm)と変化させて測定している。
この図16から、環状の永久磁石の厚みを薄くするにしたがって、表面磁束のピーク値が減少することがわかる。また、環状の永久磁石の厚みを薄くするにしたがって、表面磁束波形が正弦波波形から乖離していることがわかる。
そこで、このような表面磁束波形を正弦波波形に近づけるために、特許文献1や特許文献2に記載のような技術が提案されている。
この特許文献1に記載の技術は、永久磁石の内周面を円筒形に形成し、外周面を非円筒形に形成するものである。そして、永久磁石の磁極間部の径方向厚さを磁極中央部の径方向厚さの0.3乃至0.7倍の範囲に設定するものである。このような特許文献1に記載の技術によれば、表面磁束波形を正弦波波形に近づけることができ、コギングトルク、騒音、および、振動を低減することができる。
また、特許文献2に記載の技術は、略正弦波状に着磁された複数の磁極を備えた環状の永久磁石に関するものである。このような特許文献2に記載の技術によれば、表面磁束波形を正弦波波形に近づけることができ、コギングトルク、騒音、および、振動を低減することができる。
特開平6−217418号公報 特開2003−111360号公報
しかしながら、特許文献1に記載される技術では、永久磁石の凹凸部とステータとが対向して配置されており、磁極間部でのステータと永久磁石との間隔が大きくなり、磁力を有効に活用することができないという問題が生じる。
また、特許文献2に記載される技術では、磁極間部の磁束が0値となるように不完全着磁の状態で着磁するため、磁力を有効に活用することができないという問題が生じる。
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたものであり、永久磁石の体積を削減することによるコストの低減、永久磁石モータの高効率化、およびコギングトルク、騒音、および、振動を低減することができるモータを提供することを目的とする。さらに、永久磁石の製造時における割れや欠けを防止して高品質の永久磁石モータを提供することを目的とする。
発明は、磁性材料よりなる多角柱形状のロータコアと前記ロータコアの外周面に永久磁石を有するロータと、前記ロータの外周面に対向し電気巻線を有するステータよりなり、前記永久磁石は、前記多角柱形状の各々の角部に対応する位置に断面が円弧形状の凹部を備え、前記凹部と隣接する凹部との中間位置に最厚肉部を有し、前記最厚肉部が磁極中心となるように着磁され、前記永久磁石は、希土類系のボンド磁石であって、断面の外周が直径30〜50mmの円形で、前記最厚肉部の肉厚が2〜4mmであり、前記断面が円弧形状の凹部において最薄肉部を形成し、前記円弧形状の円弧半径は、4mm乃至9mmの範囲であることを特徴とする永久磁石モータに関する
の発明は、永久磁石モータであって、前記多角柱形状は、8角柱形状である。
の発明は、上記の永久磁石モータを搭載した電気機器に関する
の発明は、前記電気機器は、エアコン室内機、エアコン室外機、給湯器、または、空気清浄機のいずれかである。
さらに他の発明は、永久磁石モータに使用される永久磁石の製造方法であって、前記永久磁石モータは、磁性材料よりなる多角柱形状のロータコアと前記ロータコアの外周面に前記永久磁石を有するロータと、前記ロータの外周面に対向し電気巻線を有するステータよりなり、前記永久磁石は、希土類系のボンド磁石であって、断面の外周面は直径30〜50mmの円形で内周面は前記ロータコアの外周面に密着する多角柱形状であり、前記多角柱形状の各々の角部に対応する位置に断面が円弧形状の凹部を備え、前記凹部と隣接する凹部との中間位置に最厚肉部を有し、前記断面が円弧形状の凹部において最薄肉部を形成し、前記最厚肉部の肉厚が2〜4mmであり、かつ前記円弧形状の円弧半径は、4mm乃至9mmの範囲であり、前記製造方法は、円柱状の貫通孔が形成されたダイと、前記貫通孔と同軸の中心軸を有する多角柱形状のコアとの間に、磁石粉末を充填する磁石粉末充填ステップと、前記充填された磁石粉末を上パンチと下パンチとにより圧縮成形を行う圧縮成形ステップと、前記圧縮成形ステップにより成形された磁石粉末に対して所定の保持圧力を加える保持圧力加圧ステップと、前記上パンチと前記下パンチとにより前記成形された磁石粉末に前記所定の保持圧力を加えた状態で、前記上パンチと前記下パンチによる加圧方向と平行方向でかつ同一方向に前記ダイおよび前記コアを移動させて所定形状の永久磁石を前記ダイおよび前記コアから露出させる移動ステップと、を含むことを特徴とする永久磁石の製造方法に関する
さらに他の発明は、前記永久磁石は、前記最厚肉部が磁極中心となるように着磁される永久磁石の製造方法に関する
発明によれば、永久磁石は、多角柱形状の各々の角部に対応する位置に断面が円弧形状の凹部を備え、凹部と隣接する凹部との中間位置に最厚肉部を有し、最厚肉部が磁極中心となるように着磁されることから、永久磁石の体積を削減することによるコストの低減、永久磁石モータの高効率化、およびコギングトルク、騒音、および、振動を低減することができる。
また、断面が円弧形状の凹部において最薄肉部を形成することから、永久磁石の製造時の割れや欠けを防止することができる。
また、円弧形状の円弧半径は4mm乃至9mmの範囲であることから、最薄肉部の強度を確保することができる。
また、磁石の内周面は、8角柱形状であることから、永久磁石の製造時の割れや欠けを防止することができる。
また、永久磁石が希土類系のボンド磁石であることから、高保磁力とすることができる。
また、上パンチと下パンチとにより、圧縮成形工ステップにより成形された磁石粉末に対して所定の保持圧力を加える保持圧力加圧ステップと、所定の圧力を加えた状態で、ダイおよびコアを移動させて所定形状の永久磁石を得る移動ステップと、を含むことから、永久磁石の製造時の割れや欠けを防止することができる。
以下、この発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
(実施の形態)
図1はこの発明の実施の形態における永久磁石モータ(以下、モータと称す)を示す斜視図、図2はその平面図である。
この実施の形態のモータは、ロータ101とその外周面に対向するステータ103よりなる8極12スロットのインナーロータ型モータである。ロータ101は、磁性材料からなるロータコア3と、ロータコア3の中心部に配置されたシャフト2と、ロータコア3の外周面に固設される永久磁石1とを有する。ステータ103は、電気巻線102を有する。
図3(a)はこの実施の形態のモータを構成するロータの平面図、図3(b)はその斜視図である。
ロータコア3は、薄板磁性鋼板を積層して構成され、中心部にシャフト穴を有し、外周面が多角柱形状、具体的には8角柱形状となっている。この多角柱形状の各々の角部は面取りされている。
永久磁石1は、ロータコア3に固着されており、外周面が円柱形状となっている。永久磁石1の内周面は、ロータコア3に密着し、ロータコア3の8角柱形状の各々の角部に対応する位置に、8箇所の凹部15を有する。永久磁石1の断面は、各々の凹部15が最薄肉部17を、各々の凹部15と隣接する凹部15との中間位置に最厚肉部16を形成している。
そして、最厚肉部16が磁極中心となり、最薄肉部17が磁極臨界部となるように着磁されている。すなわち、図3(a)のNS表示のように着磁されている。そして、各々の凹部15は円弧形状に形成され、その円弧の半径Rは4mm乃至9mmの範囲に設定されている。より詳細には、後述する。
また、この永久磁石1は、メルトスピニング法により作製されたフレーク状のNdFeB磁石粉末と、1分子鎖中に2個のエポキシ有するエポキシ樹脂と、硬化剤と、を主構成とするボンド磁石用樹脂組成物を、圧縮成形機により圧縮し、樹脂成分を硬化させることにより製造される。すなわち、この実施の形態の永久磁石1としては、希土類系のボンド磁石が好適である。
以上のような構成により、ステータ103と永久磁石1とのギャップをモータの回転方向において、常に同間隔とすることができる。つまり、ステータ103と永久磁石1との間を積極的に広げることを防止するため、永久磁石1の全周面にわたり、最大着磁状態としながら、コギングトルク、騒音、および、振動を低減することができる。
また、永久磁石1の凹部15の円弧半径Rを4mm以上の円弧形状とすることにより、最薄肉部17の強度を確保し、割れや欠けを防止することができる。
次に、この発明に係るモータを構成する永久磁石1の製造方法について説明する。
図4(a)および図4(b)は、永久磁石1の成形時の状況を示す説明図である。また、図5は、永久磁石1の製造工程を示すフロー図である。なお、図4(a)は上パンチ12と下パンチ13により加圧保持される状態を示し、図4(b)は上パンチ12と下パンチ13により加圧保持されながらダイ10とコア11から抜出される状態を示している。
永久磁石1を製造する圧縮成形金型は、円柱形状の貫通孔が形成されたダイ10とダイ10の貫通孔と同軸の中心軸を有する8角柱形状のコア11と、ダイ10の貫通孔と略同形状の外周面を有し、コア11の8角柱形状と略同形状の内周面を有する上パンチ12および下パンチ13とを備える。なお、上パンチ12としたパンチ13とは、ダイ10とコア11との間に形成される隙間を上下方向に移動可能とするように構成されている。
そして、まず、ダイ10とコアとの間に磁石粉末を充填する(ステップS1)。ステップS1において充填された磁石粉末を上パンチ12および下パンチ13により圧縮成形を行う(ステップS2)。磁石粉末の圧縮成形を終えると、磁石1に対して所定の保持圧力を加える(ステップS3)。そして、この保持圧力を付与した状態で、ダイ10およびコア11を下降させる(ステップS4)。以上のようにして、磁石1が成形されることにより、最薄肉部17にクラックを発生させることや、割れや欠けを防止することができる。
次に、永久磁石1の内周面を8角柱形状とする理由について説明する。
図6は、8角柱形状の内周面を有する永久磁石(例1)と、円柱形状の内周面を有する磁石(例2、例3)と、の性能を比較して示す図である。なお、この図6においては、内周面を内接円直径を36.9mmとする正8角柱形状、外周面を直径40.9mmとする円柱形状とし、最厚肉部を磁極中心にして8極着磁した永久磁石を用いたモータを例1としている。そして比較のために、内周面を直径37.9mmとする円柱形状、外周面を直径40.9mmとする円柱形状とし、8極着磁した磁石を用いたモータを例2とし、内周面を直径37.4mmとする円柱形状、外周面を直径40.9mmとする円柱形状とし、8極着磁した磁石を用いたモータを例3としている。
これらの例1乃至例3は、いずれも高さを14mmとし、希土類等方性ボンド磁石を利用して構成されている。また、例1と例2は、磁石体積が同一となるように構成されている。
例1の表面磁束波形は、例2および例3の表面磁束波形と比較して、正弦波波形に近似している。これにより、内周面8角柱形状の永久磁石によれば、内周面円柱形状の磁石よりも、コギングトルクを低減することができることが分かる。
また、例1の誘起電圧値を基準値1とすると、同一磁石体積の例2の誘起電圧値は0.88となる。さらに、磁石体積が1.16倍の例3の誘起電圧値は0.98となる。この結果から、内周面8角柱形状の磁石によれば、内周面円柱形状の磁石よりも、高誘起電圧となることが分かる。
また、例1の効率を基準値1とすると、同一磁石体積の例2の効率は0.96となる。さらに、磁石体積が1.16倍の例3の効率は0.98となる。この結果から、内周面8角柱形状の永久磁石によれば、内周面円柱形状の永久磁石よりも高効率となることが分かる。
次に、永久磁石1の凹部15の円弧半径Rを4mm以上の円弧形状とすることにより、最薄肉部17の強度を確保することができる理由について説明する。
図7乃至図9は、永久磁石1の凹部15の円弧半径Rと、永久磁石内部最大応力との関係を、最厚肉部の厚み毎に示す図である。なお、この図7乃至図9においては、最厚肉部の厚み2mmの永久磁石を一点鎖線で、最厚肉部の厚み3mmの永久磁石を点線で、最厚肉部の厚み4mmの永久磁石を実線で示している。また、図7は永久磁石の外周面の直径を30mmとして、図8は永久磁石の外周面の直径を40mmとして、図9は磁石の外周面の直径を50mmとして、示している。
外周面の直径30mmとした場合には、図7に示すように、最厚肉部の厚みが2mm、3mm、4mmのいずれも、円弧半径R=0mmでは25MPa乃至30MPaの磁石内部最大応力が生じている。そして、Rが0mm乃至4mmの間で磁石内部最大応力が急激に下降し、Rが4mm以上では15MPa以下となっている。
また、外周面の直径40mmとした場合には、図8に示すように、円弧半径R=0mmでは、最厚肉部の厚みが2mm、3mm、4mmの間で、磁石内部最大応力にバラつきがある。しかし、最厚肉部の厚み2mm、3mm、4mmのいずれも、Rが0mm乃至4mmの間で磁石内部最大応力が急激に下降し、断面半径4mm以上では15MPa以下となっている。
また、外周面の直径50mmとした場合には、図9に示すように、円弧半径R=0mmでは、最厚肉部の厚みが2mm、3mm、4mmの間で、磁石内部最大応力にバラつきがある。しかし、最厚肉部の厚み2mm、3mm、4mmのいずれも、Rが0mm乃至4mmの間で磁石内部最大応力が急激に下降し、Rが4mm以上では15MPa以下となっている。
以上から、凹部15の円弧半径Rを4mm以上とすれば、磁石内部最大応力を飛躍的に低減することができ、割れや欠けを防止するということができる。
また、図10は、内周面8角柱形状の磁石と、内周面円柱形状の永久磁石とを、破壊荷重を比較して示す図である。
なお、この図10においては、内周面の内接円直径を36.9mmとする正8角柱形状、外周面を直径40.9mmとする円柱形状とした永久磁石と、内周面を直径37.9mmとする円柱形状、外周面を直径40.9mmとする円柱形状とした永久磁石と、を比較している。
内周面8角柱形状の凹部15の円弧半径R=0mmの永久磁石の破壊荷重は4.5Nであるのに対し、内周面円柱形状の永久磁石の破壊荷重は45Nであり、約10倍の差異が生じている。
これに対し、内周面8角柱形状の凹部15の円弧半径R=4mmの永久磁石の破壊荷重は20Nであり、内周面円柱形状の永久磁石の破壊荷重とは、約2倍程度の差異で収まる。このことから、凹部15の円弧半径Rを4mm以上とすれば、破壊荷重を飛躍的に増大することができ、割れや欠けを防止するということができる。
また、さらに、内周面8角柱形状の凹部15の円弧半径R=9mmの永久磁石の破壊荷重は35Nであり、内周面円柱形状の永久磁石の破壊荷重とは、約1.3倍程度の差異で収まる。このことから、凹部15の円弧半径Rを9mmとすると、破壊荷重をさらに増大することができ、割れや欠けを防止するということができる。
なお、この凹部15の円弧半径Rを9mm以上とすると、内周面8角柱形状は円柱形状に近づいてくることになり、永久磁石表面の磁束密度を正弦波波形にするというこの発明の効果を削減する結果となり好ましくない。したがって、この凹部15の円弧半径Rは、4mm乃至9mmの範囲が好ましい。
次に、この発明に係る電気機器の例として、エアコン室内機、エアコン室外機、給湯器、空気清浄機について説明する。
図11は、この発明の実施の形態における電気機器(エアコン室内機210)の構造説明図である。
図11に示すように、エアコン室内機210の筐体211内にはモータ201が搭載されている。このモータ201の回転軸にはクロスフローファン212が取り付けられている。モータ201は、モータ駆動装置213により駆動される。モータ駆動装置213からの通電により、モータ201が回転し、それに伴いクロスフローファン212が回転する。そのクロスフローファン212の回転により、室内機用熱交換器(図示しない)によって空気調和された空気を室内に送風する。
ここで、モータ201は、上述した永久磁石1を利用したモータを適用する。これにより、コギングトルク、騒音、および、振動を低減することができる。そして、室内機への入力電流値を低下させても、高出力を得ることができ、消費電力削減の効果を得ることができる。
次に、図12は、この発明の実施の形態における電気機器(エアコン室外機301)の構造説明図である。
図12に示すように、エアコン室外機301は、筐体311の内部にモータ308を搭載している。このモータ308は回転軸にファン312を取り付けており、送風用ファンモータとして機能する。
エアコン室外機301は、筐体311の底板302に立設した仕切り板304により、圧縮機室306と熱交換器室309とに区画されている。圧縮機室306には圧縮機305が配設されている。熱交換器室309には熱交換器307および送風用ファンモータ308が配設されている。仕切り板304の上部には、電装部品箱310が配設されている。
送風用ファンモータ308は、電装部品箱310内に収容されたモータ駆動装置303により駆動されるモータ308の回転に伴い、送風ファン312が回転し、熱交換器307を通して熱交換器室309に送風する。ここで、モータ308は、上述した永久磁石1を利用したモータを適用する。これにより、コギングトルク、騒音、および、振動を低減することができる。そして、室内機への入力電流値を低下させても、高出力を得ることができ、消費電力削減の効果を得ることができる。
次に、図13は、この発明の実施の形態における電気機器(給湯器330)の構造説明図である。
図13に示すように、給湯器330の筐体331内には、モータ333が搭載される。このモータ333の回転軸にはファン332が取り付けられている。モータ333はモータ駆動装置334によって駆動される。モータ駆動装置334の通電により、モータ333が回転し、それに伴い、ファン332が回転する。そのファン332の回転により、燃料気化室(図示しない)に対して燃焼に必要な空気が送風される。ここでモータ333は、上述した永久磁石1を利用したモータを適用する。これにより、コギングトルク、騒音、および、振動を低減することができる。そして、給湯器への入力電流値を低下させても、高出力を得ることができ、消費電力削減の効果を得ることができる。
次に、図14は、この発明の実施の形態における電気機器(空気清浄機340)の構造説明図である。
図14に示すように、空気清浄機340の筐体341内にはモータ343が搭載されている。このモータ343の回転軸には空気循環用ファン342が取り付けられている。モータ343は、モータ駆動装置344によって駆動される。モータ駆動装置344からの通電により、モータ343が回転し、それに伴いファン342が回転する。そのファン342の回転により空気を循環する。ここで、モータ343は、上述した永久磁石1を利用したモータを適用する。これにより、コギングトルク、騒音、および、振動を低減することができる。そして、空気清浄機への入力電流値を低下させても、高出力を得ることができ、消費電力削減の効果を得ることができる。
なお、上述した説明においては、この発明に係る電気機器の例として、エアコン室内機、エアコン室外機、給湯器、空気清浄機を挙げているが、その他のモータを搭載する機器(たとえば各種情報機器や産業機器)にも適用できる。
また、上述した実施形態においては、8角柱形状のロータコア3と、その内周面が8角柱形状の永久磁石1とを備えているが、周方向に複数の磁極を有し、その内周面が磁極間毎に凹部を有する8角柱形状以外の多角柱形状の磁石を備える構成であればよい。
また、上述した実施形態において、永久磁石1を、等方性ボンド磁石、等方性焼結磁石、等方性フェライト磁石、異方性ボンド磁石、異方性焼結磁石、または、異方性フェライト磁石のいずれにより構成しても良い。
また、上述した実施形態においては、永久磁石1の凹部15の断面が円弧形状とする構成を採用しているが、磁石1の凹部15を面取りする構成を採用してもよい。
次に、図15(a)はこの発明の実施の形態における他のモータのロータの平面図、図15(b)はその平面図を示している。このロータは、磁性材料からなる多角柱形状の中空部が形成されるロータコア403と、ロータコア403の中心部に配置されたシャフト402と、外周面が凸部を有する多角柱形状であり、その内周面が円筒形状の永久磁石401とからなる。この発明は、このロータを備えたいわゆるアウターロータ型モータに展開することも可能である。
この発明に係るモータは、コギングトルク、騒音、および振動を低減することができ、特に低騒音、低振動が要求されるエアコン室内機、エアコン室外機、給湯機、空気清浄機などに搭載されるファンモータ等のモータに有効である。
この発明の実施の形態におけるモータの斜視図 この発明の実施の形態におけるモータの平面図 (a)この発明の実施の形態のモータを構成するロータの平面図 (b)この発明の実施の形態のモータを構成するロータの斜視図 永久磁石1の成形時の状況を示す説明図 永久磁石1の製造工程を示すフロー図 永久磁石の形状違いによるモータ性能の比較説明図 永久磁石形状の凹部15の円弧半径Rと、永久磁石内部最大応力との関係を、最厚肉部の厚み毎に示す図(永久磁石外径30mmの場合) 永久磁石形状の凹部15の円弧半径Rと、永久磁石内部最大応力との関係を、最厚肉部の厚み毎に示す図(永久磁石外径40mmの場合) 永久磁石形状の凹部15の円弧半径Rと、永久磁石内部最大応力との関係を、最厚肉部の厚み毎に示す図(永久磁石外径50mmの場合) 永久磁石の形状違いによる破壊荷重の比較説明図 この発明の実施の形態における電気機器(エアコン室内機210)の構造説明図 この発明の実施の形態における電気機器(エアコン室外機301)の構造説明図 この発明の実施の形態における電気機器(給湯器330)の構造説明図 この発明の実施の形態における電気機器(空気清浄機340)の構造説明図 (a)この発明の実施の形態における他のモータのロータの平面図(b)この発明の実施の形態における他のモータのロータの斜視図 従来のモータにおける永久磁石の形状違いによる表面磁束波形を示す説明図
1 磁石
2 シャフト
3 ロータコア
10 ダイ
11 コア
12 上パンチ
13 下パンチ
15 凹部
16 最大肉厚部
101 ロータ
102 電気巻線
103 ステータ
201 モータ
210 エアコン室内機
211 筐体
212 クロスフローファン
213 モータ駆動装置
301 エアコン室外機
302 底板
303 モータ駆動装置
304 仕切り板
305 圧縮機
306 圧縮機室
307 熱交換器室
308 モータ
309 熱交換器室
310 電装部品箱
311 筐体
312 ファン
330 給湯器
331 筐体
332 ファン
333 モータ
334 モータ駆動装置
340 空気清浄機
341 筐体
342 ファン
343 モータ
344 モータ駆動装置
401 磁石
402 シャフト
403 ロータコア

Claims (6)

  1. 磁性材料よりなる多角柱形状のロータコアと前記ロータコアの外周面に永久磁石を有するロータと、前記ロータの外周面に対向し電気巻線を有するステータよりなり、
    前記永久磁石は、前記多角柱形状の各々の角部に対応する位置に断面が円弧形状の凹部を備え、
    前記凹部と隣接する凹部との中間位置に最厚肉部を有し、前記最厚肉部が磁極中心となるように着磁され、
    前記永久磁石は、希土類系のボンド磁石であって、断面の外周が直径30〜50mmの円形で、前記最厚肉部の肉厚が2〜4mmであり、前記断面が円弧形状の凹部において最薄肉部を形成し、
    前記円弧形状の円弧半径は、4mm乃至9mmの範囲であることを特徴とする永久磁石モータ。
  2. 請求項1に記載の永久磁石モータであって、
    前記多角柱形状は、8角柱形状である永久磁石モータ。
  3. 請求項1または2に記載の永久磁石モータを搭載した電気機器。
  4. 請求項に記載の電気機器であって、
    前記電気機器は、エアコン室内機、エアコン室外機、給湯器、または、空気清浄機のいずれかである電気機器。
  5. 永久磁石モータに使用される永久磁石の製造方法であって、
    前記永久磁石モータは、磁性材料よりなる多角柱形状のロータコアと前記ロータコアの外周面に前記永久磁石を有するロータと、前記ロータの外周面に対向し電気巻線を有するステータよりなり、
    前記永久磁石は、希土類系のボンド磁石であって、断面の外周面は直径30〜50mmの円形で内周面は前記ロータコアの外周面に密着する多角柱形状であり、前記多角柱形状の各々の角部に対応する位置に断面が円弧形状の凹部を備え、前記凹部と隣接する凹部との中間位置に最厚肉部を有し、前記断面が円弧形状の凹部において最薄肉部を形成し、前記最厚肉部の肉厚が2〜4mmであり、かつ前記円弧形状の円弧半径は、4mm乃至9mmの範囲であり、
    前記製造方法は、
    円柱状の貫通孔が形成されたダイと、前記貫通孔と同軸の中心軸を有する多角柱形状のコアとの間に、磁石粉末を充填する磁石粉末充填ステップと、
    前記充填された磁石粉末を上パンチと下パンチとにより圧縮成形を行う圧縮成形ステップと、
    前記圧縮成形ステップにより成形された磁石粉末に対して所定の保持圧力を加える保持圧力加圧ステップと、
    前記上パンチと前記下パンチとにより前記成形された磁石粉末に前記所定の保持圧力を加えた状態で、前記上パンチと前記下パンチによる加圧方向と平行方向でかつ同一方向に前記ダイおよび前記コアを移動させて所定形状の永久磁石を前記ダイおよび前記コアから露出させる移動ステップと、
    を含むことを特徴とする永久磁石の製造方法。
  6. 請求項に記載の永久磁石の製造方法であって、
    前記永久磁石は、前記最厚肉部が磁極中心となるように着磁される永久磁石の製造方法。
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