JP6121914B2 - 同期電動機 - Google Patents

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Description

本発明は、同期電動機の回転子およびその製造方法ならびに同期電動機に関するものである。
同期電動機の回転子に高磁力な磁石を用いる場合、希土類磁石は、非常に高価な材料であるため、使用量を抑えるために、できるだけ肉厚を薄くした形状で利用することが多い。また、送風機用途の電動機の場合、羽根を直接電動機の回転軸に取り付けて使用するため、電動機の出力するトルクに脈動が生じると、羽根を通して騒音の要因となるため、リラクタンストルクによるトルク脈動が発生しやすい磁石埋込型(IPM:Interior Permanent Magnet)の構造よりも、磁石を回転子表面に配置する構造(SPM:Surface Permanent Magnet)をとることが多い。この場合の回転子は、鉄などの軟磁性材料をバックヨークとして、回転子表面に薄肉のリング磁石あるいは円弧状の瓦磁石を配置する構造をとるものが一般的である(例えば特許文献1,2)。
また、電動機の外径が軸方向の寸法よりも大きな、扁平なモータの場合、固定子鉄心の積厚よりも回転子の軸方向長を大きく取ったときに、回転子が固定子鉄心と対向しない部分の磁束が固定子に鎖交する量が電動機特性に与える影響が大きいことから、固定子鉄心の積厚よりも回転子の永久磁石の軸方向の寸法を大きくとることが多い。
しかしながら、永久磁石の軸方向の寸法を固定子鉄心よりも大きくした場合、固定子鉄心に対向しない部分は、磁石表面に非磁性の空間(空気)が多く存在することとなり、磁石のパーミアンスが低下して磁石が発生する磁力が低下する。希土類磁石を用いた回転子の場合、永久磁石を薄く用いるため、このパーミアンスの低下による磁力の低下はより大きなものとなる。このため、固定子の積厚に対して、永久磁石の回転子軸方向長を長くしても、材料コストの増加に対して効果が小さくなる。
回転子を軸方向において複数の異なる構造あるいは磁石材料で構成するものがあり、高磁力な希土類の焼結磁石およびフェライトの焼結磁石を用いた回転子がある(例えば特許文献3,4)。焼結希土類磁石は、その製造方法が、大きな磁石のブロックを焼結した後、ここから所定の形状に切り出す方法をとることが多いことから、磁石の製造コストを抑えるため、平板形状で利用する場合が多い。このため、同期電動機の回転子で利用する場合には、軟磁性のコアに磁石挿入孔を設けて、回転子内部に永久磁石を配置するIPMの形態をとることが多い。また、フェライトの焼結磁石も回転周波数が高い用途などでは、遠心力による磁石の飛散を防止するために、同様にIPMの形態での構造をとることが多い。
しかしながら、IPM構造の回転子の場合、隣り合う磁極の間に鉄心である軟磁性材料が存在するため、この部分を通過して、隣の磁極に短絡する磁束が多く存在する。フェライト焼結磁石の場合は、希土類の焼結磁石と比較すると磁力が低いため、磁極間の磁束の短絡の影響が希土類磁石に比べて大きい。これを固定子鉄心に対向しない回転子軸方向の両端に配置した場合、回転子表面より外側は空気であるため、磁気抵抗が大きく、パーミアンスが低下し、磁石から発生する磁束が低下する。回転子内部の磁極間で短絡する磁束は、固定子鉄心の有無に大きく影響されないため、短絡する磁束量に変化は少なく、結果として磁石より発生する磁束に対して、回転子内部で短絡する磁束量の割合が大きくなり、効果的に磁石の磁力を利用することが難しくなる。
回転子の性能を向上させるため、より磁力の高い希土類磁石を用いることがあるが、材料が高価であるため、低磁力の磁石で構成される回転子の一部に希土類磁石を組み込む方法がある(例えば特許文献5,6)。
しかしながら、特許文献5のような構成の場合、磁力の高い永久磁石によりステータのバックヨークが磁気飽和を起こして磁束がモータの外部に漏れるのを防ぐ必要があるため、それほど高い磁力を得ることができない。また、特許文献6の様な構成とした場合、高磁力の磁石によって周方向の一部の磁力が強くなるため、回転子表面の磁束密度の分布波形が大きく歪んでしまい、電動機の運転時にトルクの脈動が生じやすく、振動や騒音が発生する要因となる。
特許文献7では、低磁力の磁石と高磁力の磁石を組み合わせて、高性能化を図る回転子が記載されている。この回転子の内側には、磁力の低い磁石を用いるが、この磁石には、極異方の配向がなされていて、磁極中心付近に磁束が集中する効果により、磁力の低い磁石であっても比較的高い磁力を得ることができる。この磁石の外周であり、回転子の表面には、磁力の高い磁石が配置されている。希土類磁石のような磁力の高い磁石は材料が高価であるため、使用量を抑えるため薄肉で用いることが多いが、この回転子の場合は、磁石の内側が磁力の低い磁石材料であるため、磁力の高い磁石は、パーミアンスが低くなり、十分な磁力が得られないことがある。この回転子の場合、内側に極異方の磁石を配置することで高磁力の磁石の磁力の低下分を補い、高い磁力を得ることができる。
しかしながら、前述した通り、薄肉の高磁力の磁石は、パーミアンスが低い状態では、十分な磁力を取り出すことが難しいので、これを固定子と対向しない部分に配置した場合(回転子の軸方向寸法を固定子よりも大きくした場合)、寸法を大きくした程の磁力の向上は得られないことが多く、コストパフォーマンスが低下する。
特開2005−312166号公報 特開2009−142144号公報 特開2005−304204号公報 特開2010−68600号公報 実開平7−3278号公報 特開平9−205746号公報 特開2011−87393号公報
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、高価な高磁力磁石の使用量を減らしても、十分な磁束量を得ることが可能な同期電動機の回転子およびその製造方法ならびに同期電動機を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る同期電動機は、回転子表面に配置された環状の第1の永久磁石と、前記第1の永久磁石よりも磁力が低く、前記第1の永久磁石の回転軸方向の両端および内周面側を囲うようにして前記第1の永久磁石が外周面に配置された環状の第2の永久磁石と、を有する回転子と、前記第1の永久磁石の外周面と対向する固定子鉄心を有し、前記固定子鉄心の前記回転軸方向の長さが前記第1の永久磁石の前記回転軸方向の長さよりも長くかつ前記固定子鉄心の前記回転軸方向の長さが前記第2の永久磁石の前記回転軸方向の長さよりも短い固定子と、を備え、前記第2の永久磁石は、前記回転子の磁極に合わせた極異方の配向がなされており、前記第2の永久磁石の前記回転軸方向の両端は、前記回転軸方向において前記固定子鉄心の前記回転軸方向の両端の外側に配置され、前記固定子鉄心の前記回転軸方向の両端は、前記回転軸方向において前記第1の永久磁石の前記回転軸方向の両端の外側に配置される。
本発明によれば、高価な高磁力の第1の永久磁石の使用量を減らしても、十分な磁束量を得ることができる、という効果を奏する。
また、第2の永久磁石に対し、磁極中心に磁束を集中させることができる極異方配向を行うことで、低磁力でありながらもより多くの磁束を得ることがでる。また、第2の永久磁石の厚みを大きくすることで、固定子からの距離が離れていても、磁束密度の低下を抑えてより効果的に磁束を得ることができる。
図1は、実施の形態1に係る回転子を用いた同期電動機の構成を示す縦断面図である。 図2は、図1における回転子のA−A横断面図である。 図3は、図1における回転子のB−B横断面図である。 図4は、実施の形態1に係る回転子6の誘起電圧と従来の構成に係る回転子の誘起電圧とを比較した図である。 図5は、実施の形態2に係る回転子の製造方法を示す図である。 図6は、実施の形態3に係る回転子の製造方法を示す図である。 図7は、実施の形態4に係る回転子の製造方法を示す図である。
以下に、本発明に係る同期電動機の回転子およびその製造方法ならびに同期電動機の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
本実施の形態に係る同期電動機の回転子について説明する。図1は、本実施の形態に係る回転子を用いた同期電動機の構成を示す縦断面図である。図2は、図1における回転子のA−A横断面図、図3は、図1における回転子のB−B横断面図である。A−A横断面およびB−B横断面は回転子の回転軸方向と垂直な断面である。本実施の形態に係る同期電動機は、円環状の固定子3と、この固定子3の内側に回転可能に配置され中心部に回転軸7が設けられた回転子6とを備えて構成される。
固定子3は、電磁鋼板を積層して形成した環状の固定子鉄心4とこの固定子鉄心4に巻装された巻線5とを備えている。固定子鉄心4の内部には、回転子6が回転可能に配置されている。固定子鉄心4には、その内周側に複数の突起状の鉄心部分であるティース部(図示せず)が周方向にわたって設けられており、ティース部間の空間であるスロット部(図示せず)に外部から電流を印加するための巻線5が巻回されている。巻線5は、各ティース部毎に集中的に巻回されている。
回転子6は、磁気特性の異なる2種類の永久磁石1,2を備えて構成される。ここで永久磁石1(第1の永久磁石)は、高磁力の永久磁石を示しており、例えば、希土類磁石と樹脂を混合したボンド磁石であり、希土類磁石にはNdFeBまたはSmFeNなどの材料が用いられる。また、樹脂の材料には、ナイロンもしくはPPS(ポリフェニレンサルファイド)またはエポキシなどの材料が用いられる。永久磁石2(第2の永久磁石)は、低磁力の永久磁石を示しており、例えばフェライト磁石と樹脂を混合したボンド磁石が用いられる。これに用いられる樹脂材料は、前記のものと同様である。回転子6の軸方向長(回転軸7の軸方向の長さ)は、固定子3の積厚(固定子鉄心4の軸方向長)よりも大きくなっている。
図1〜図3を参照して、永久磁石1,2の配置構成について説明する。永久磁石1は環状であり、その外周面は固定子鉄心4と対向している。永久磁石1の軸方向長は固定子鉄心4の軸方向長よりも短寸である。永久磁石1はその軸方向の両端面および内周面を永久磁石2により囲まれている。すなわち、永久磁石2にはその外周面の軸方向の中央付近に全周にわたって永久磁石1を組み込むための溝が形成されており、永久磁石1はこの溝内に配置されて永久磁石2の外周面に埋設された形となっている。なお、永久磁石1は永久磁石2に対して同軸的に配置される。このように、環状の永久磁石2の外周側でかつ軸方向中央付近には永久磁石1が配置され、永久磁石1の軸方向の両端部および内周面側には永久磁石2が配置された構成となっている。また、永久磁石1,2は回転子6の同一の円筒状の外周面を形成しており、回転子6の外周面は軸方向に永久磁石1の外周面とこの外周面を軸方向に挟む永久磁石2の外周面とで構成されている。
図2に示すように、永久磁石1は、例えば回転子6の磁極に合わせて磁石の肉厚を変化させた偏肉形状を有している。すなわち、磁極の中心P付近の(径方向の)厚みを増やして磁力を高め、極間Qの厚みを薄くすることで均一な肉厚のリング磁石と比較してより多くの磁束量を得られるようにしている。また、永久磁石1の磁石内部の配向は、例えば極異方に近い配向になっている。永久磁石2の外周は永久磁石1の内周の形状に応じた形となっている。
永久磁石2には、例えば回転子6の磁極に合わせた極異方の配向がなされている。永久磁石1は、永久磁石2に比べれば、薄肉の磁石であり、軟磁性の鉄心をバックヨークに用いていないため、磁石のパーミアンスが低く、永久磁石1単体からすると、バックヨークがある場合に比べて回転子表面に発生する磁束量は低くなっている。しかし、永久磁石1の内面には永久磁石2が存在しているため、実際に回転子表面で得られる磁束量は、永久磁石1と永久磁石2がそれぞれ発生する磁束量を足したものとなっており、永久磁石1単体とバックヨークを用いた構成に近い性能を得ることができる。また、永久磁石2は極異方の配向がなされているため、磁石の中の磁極を構成している磁石の肉厚は、寸法上の肉厚(外径−内径)よりも大きくなっており、固定子鉄心4からの距離が遠くても磁石のパーミアンスの低下が小さく、固定子鉄心4の距離が離れている割には、磁束量の低下が少ない。
永久磁石1は、固定子鉄心4と対向しない位置に配置すると、永久磁石1の外側は非磁性の材料および空気で囲まれることになるため、磁気抵抗が高くなりパーミアンスが下がり表面に現れる磁束が大きく低下する。このため、永久磁石1の軸方向寸法を拡大した場合には、寸法を増やした割には、磁束量の増加少なく、コストパフォーマンスが悪くなる。
このため、回転子6の軸方向端部には、図3に示すような永久磁石2のみで構成された構造を用いている。永久磁石2は、例えばフェライトのボンド磁石を用いており、回転子6の磁極に合わせた極異方の配向がなされている。図3では、極異方の配向方向を矢印で示している。極異方の磁石は、前述のように磁石の厚みが大きくとれるため、固定子鉄心4に対向しない回転子6の軸方向端部においても比較的大きな磁束を回転子表面に発生することが可能である。
このように、本実施の形態では、同期電動機の構成の中で、磁石のパーミアンスを高くとれる回転子6の軸方向中央付近で固定子鉄心4に対向している部分には、高磁力の永久磁石1を配置し、パーミアンスが低くなりやすい固定子鉄心4の軸方向端部付近には低磁力ではあるが極異方の配向をもった永久磁石2を配置することで、高価な高磁力の永久磁石1の使用量を減らしつつも特性の低下を抑える同期電動機を得ることができる。
次に、本実施の形態の動作について説明する。図4は、本実施の形態に係る回転子6の誘起電圧と従来の構成に係る回転子の誘起電圧とを比較した図である。具体的には、固定子鉄心4の積厚(L3)を15mmとした場合に、図2および図3の構造の組み合せからなる回転子6を備えた同期電動機で得られる誘起電圧と、図2の構造のみからなる回転子を備えた従来の同期電動機で得られる誘起電圧とを比較したものである。すなわち、従来の構成に係る回転子は、軸方向に垂直な任意のその横断面は図2の構造を有するものであり、永久磁石1の軸方向長と永久磁石2の軸方向長が等しく構成されている。
図4では、横軸は、図2に示す構造部分の軸方向の寸法、すなわち、永久磁石1軸長を示している。ここで、回転子6の軸方向の全長は固定(18mm)とし、永久磁石1軸長を横軸にとったときの曲線(L1,L2)を示している。L1は本実施の形態の回転子6を示し、L2は従来の構成に係る回転子を示している。なお、回転子の軸方向寸法を固定しているため、この固定の寸法から図2の構造部分の軸方向寸法(すなわち、永久磁石1軸長)を差し引いた寸法が、図3の構造部分の寸法となる。また、図4では、固定子鉄心の積厚(L3)と従来の構成に係る回転子の軸方向長が同じ場合(すなわち、L2とL3との交点)に得られる誘起電圧を100%とし、縦軸を誘起電圧比率としている。
図4に示すように、従来の構成に係る回転子では、希土類の永久磁石1の軸方向長を固定子鉄心4と同じ15mmとしたときに誘起電圧比率が100%であるのに対し、実施の形態に係る回転子6を用いた場合には、誘起電圧比率が100%となるのは、希土類の永久磁石1の軸方向長を11mm弱としたときであり、回転子6の軸方向長は3mm長くはなっているが、永久磁石1の体積は従来の構成と比べて約30%少なくなっている。希土類磁石(永久磁石1)とフェライト磁石(永久磁石2)の材料単価は、10倍以上異なっているため、本実施の形態によれば、回転子6の軸方向長が長くなりフェライト磁石の使用量が増加してはいるものの、材料コスト全体から見たコスト低減効果は十分大きくなる。
以上説明したように、本実施の形態では、固定子3に対向する回転子6の表面側に磁気特性の異なる二種類の磁石、すなわち、高磁力の永久磁石1(例えば希土類磁石)と低磁力の永久磁石2(例えばフェライト磁石)とを配置し、永久磁石1の軸方向両端の外側および径方向内側に永久磁石2が配置されるよう永久磁石1を永久磁石2の外周面における軸方向中央付近で埋め込んだ形とし、さらに永久磁石2は極異方の配向を施している。
本実施の形態によれば、高価な高磁力の永久磁石1(希土類磁石)の使用量を減らし、電動機の材料コストを抑制しつつも、十分な磁束量を得ることが可能な同期電動機の回転子を実現することができる。
また、永久磁石2では、磁極中心に磁束を集中させることができる極異方の配向を行うことで、低磁力磁石からより多くの磁束を得ることがでる。また、永久磁石2の厚みを大きくすることで、固定子3からの距離が離れていても、磁束密度の低下を抑えてより効果的に永久磁石2の磁束を得ることができる。
なお、駆動回路を内蔵する同期電動機の場合、回転子に電導率の高い軟磁性材料が存在すると、固定子鉄心、回転子、回転軸を経由して転がり軸受けに駆動回路で発生する高周波電流(軸電流)が流れやすくなり、電食(放電)の要因となりやすい。本実施の形態の回転子6は、回転子6に軟磁性材料を用いる必要が無いため、軸電流の流れる要因を減らすことができる。
実施の形態2.
図5は、本実施の形態に係る回転子の製造方法を示す図である。本実施の形態の回転子は、実施の形態1の回転子6と同じ構成である。すなわち、本実施の形態の回転子は、図2および図3の構造の組み合せからなる回転子6である。永久磁石1,2については実施の形態1で説明した通りであり、それぞれ例えばボンド磁石とすることができる。
図2の永久磁石2と図3の永久磁石2は、同一の材料であってよいので、これらを一体に形成できれば良いが、永久磁石2は軸方向の中央付近に永久磁石1を配置する凹状空間を有する構造となるため、外径が小さくなっている部分(凹状部分)が存在することとなる。この場合、成形金型から取り出すことが出来ないため、永久磁石2は、全体を一体にした成形は困難である。また、永久磁石1を先に成形した後、インサート成形で永久磁石2を一体に成形しようとすると、薄肉の永久磁石1は成形時に内径側からの成形圧力を受けて割れる可能性が高い。
このため、本実施の形態では、回転子6の図2の形状部分と図3の形状部分の成形を別個に行う。詳細には、次の通りである。まず、永久磁石1とその内側に配置された環状の永久磁石2aとを例えば射出成形により一体に成形する(図5(a))。永久磁石2aは、永久磁石2と同一の材料からなり同一の磁気特性を有する。永久磁石2aは、永久磁石2のうち永久磁石1の内周面側でかつ軸方向に永久磁石1と配置位置が重なる部分に相当する。
また、環状の永久磁石2b,2cをそれぞれ別個に例えば射出成形により成形する(図5(a))。永久磁石2b,2cは、永久磁石2と同一の材料からなり同一の磁気特性を有する。永久磁石2b,2cは同じ断面形状であり、その内径は永久磁石2aの内径に等しく、その外径は永久磁石1の外径に等しい。永久磁石2bは、永久磁石2のうち軸方向に永久磁石1の一端の外側に配置された部分に相当し、永久磁石2cは、永久磁石2のうち軸方向に永久磁石1の他端の外側に配置された部分に相当する。
そして、永久磁石1と一体に成形された永久磁石2a(第1の磁石部品)を永久磁石2b(第2の磁石部品)と永久磁石2c(第3の磁石部品)とにより軸方向の両側から挟むようにして、これらを軸方向に積み重ねて互いに接合することにより、実施の形態1の回転子6と同じ構成の回転子を製造することができる(図5(b))。この場合、永久磁石2は、三つの永久磁石2a〜2cを軸方向に接合して構成される。
本実施の形態によれば、永久磁石2を永久磁石2aと永久磁石2bと永久磁石2cとに分割し、永久磁石1および永久磁石2aと永久磁石2bと永久磁石2cとをそれぞれ別個に成形、製造することで、実施の形態1の回転子6の製造が可能となる。
また、永久磁石2a〜2cのそれぞれを別個に成形できるため、それぞれに適した極異方の配向をかけることも出来、成形する金型の配向磁場もそれぞれに合わせて調整することできる。
実施の形態3.
図6は、本実施の形態に係る回転子の製造方法を示す図である。本実施の形態の回転子は、実施の形態1の回転子6と同じ構成である。すなわち、本実施の形態の回転子は、図2および図3の構造の組み合せからなる回転子6である。永久磁石1,2については実施の形態1で説明した通りであり、それぞれ例えばボンド磁石とすることができる。
製造方法の詳細は次の通りである。まず、実施の形態2で説明した永久磁石2aと永久磁石2cとを一体に成形したものに相当する永久磁石2dを例えば射出成形により一体に成形する(図6(a))。永久磁石2dは、永久磁石2と同一の材料からなり同一の磁気特性を有する。すなわち、永久磁石2dは、実施の形態1の永久磁石2のうち、永久磁石1の内周面側でかつ軸方向に永久磁石1と配置位置が重なる部分(第1の部分)と、軸方向に永久磁石1の一端の外側に配置された部分(第2の部分)とを一体に成形したものである。
この後、インサート成形により、永久磁石1を永久磁石2dの第1の部分に嵌め込む形となるように、永久磁石1を永久磁石2dと一体に成形する(図6(b))。また、別途、環状の永久磁石2eを単体で例えば射出成形により成形する(図6(b))。永久磁石2eは、永久磁石2と同一の材料からなり同一の磁気特性を有する。永久磁石2eは、その内径は永久磁石2dの内径に等しく、その外径は永久磁石1の最大の外径に等しい。
そして、永久磁石1と一体に成形された永久磁石2d(第1の磁石部品)と永久磁石2e(第2の磁石部品)とを、永久磁石1が接続面に配置されるようにして、軸方向に積み重ねて互いに接合することにより、実施の形態1の回転子6と同じ構成の回転子を製造することができる(図6(b))。この場合、回転子6は、永久磁石1と一体に成形された永久磁石2dと、永久磁石2eの二つの部品から製造することができる。永久磁石2は、永久磁石2dと永久磁石2eから構成される。
本実施の形態によれば、回転子6の永久磁石1,2を構成する部品を二つに減らすことができるため、部品点数を減らすことができ、製造の加工コストを削減することが可能である。
実施の形態4.
図7は、本実施の形態に係る回転子の製造方法を示す図である。本実施の形態の回転子は、実施の形態1の回転子6と同じ構成である。すなわち、本実施の形態の回転子は、図2および図3の構造の組み合せからなる回転子6である。永久磁石1,2については実施の形態1で説明した通りであり、それぞれ例えばボンド磁石とすることができる。
製造方法の詳細は次の通りである。まず、実施の形態2で説明した永久磁石2aを軸方向に等分割したものの一方と永久磁石2cとを一体に成形したものに相当する永久磁石2fを例えば射出成形により一体に成形する(図7)。永久磁石2fは、永久磁石2と同一の材料からなり同一の磁気特性を有する。すなわち、永久磁石2fは、実施の形態1の永久磁石2のうち、永久磁石1の内周面側でかつ軸方向に永久磁石1と配置位置が重なる部分を軸方向に半分にしたものと、軸方向に永久磁石1の一端の外側に配置された部分とを合わせたものである。
この後、永久磁石1を軸方向に等分割したものの一方である永久磁石1aが永久磁石2fに嵌め込まれた形となるように、インサート成形により、永久磁石1aを永久磁石2fと一体に成形する(図7)。こうして得られた永久磁石1aの嵌め込まれた永久磁石2fを2個用意し、これらを永久磁石1aが接合面となるようにして、軸方向に積み重ねて互いに接合することにより、実施の形態1の回転子6と同じ構成の回転子を製造することができる(図7)。この場合、回転子6は、二つの部品から製造することができる。また、永久磁石2は二つの永久磁石2fから構成され、永久磁石1は二つの永久磁石1aから構成される。
本実施の形態によれば、回転子6の永久磁石1,2を構成する部品を二つに減らすことができるため、製造の加工コストを削減することが可能である。また、同じ形状の部品を二つ組み合わせるため、この部品を成型する金型は同一で良く、金型の種類を減らすことができ、金型の費用を削減することができる。
以上のように、本発明は、同期電動機の回転子として有用である。
1,1a,2,2a〜2f 永久磁石
3 固定子
4 固定子鉄心
5 巻線
6 回転子
7 回転軸

Claims (3)

  1. 回転子表面に配置された環状の第1の永久磁石と、前記第1の永久磁石よりも磁力が低く、前記第1の永久磁石の回転軸方向の両端および内周面側を囲うようにして前記第1の永久磁石が外周面に配置された環状の第2の永久磁石と、を有する回転子と、
    前記第1の永久磁石の外周面と対向する固定子鉄心を有し、前記固定子鉄心の前記回転軸方向の長さが前記第1の永久磁石の前記回転軸方向の長さよりも長くかつ前記固定子鉄心の前記回転軸方向の長さが前記第2の永久磁石の前記回転軸方向の長さよりも短い固定子と、
    を備え、
    前記第2の永久磁石は、前記回転子の磁極に合わせた極異方の配向がなされており、
    前記第2の永久磁石の前記回転軸方向の両端は、前記回転軸方向において前記固定子鉄心の前記回転軸方向の両端の外側に配置され、
    前記固定子鉄心の前記回転軸方向の両端は、前記回転軸方向において前記第1の永久磁石の前記回転軸方向の両端の外側に配置される同期電動機。
  2. 前記第1の永久磁石は、前記回転軸方向と垂直な断面において、前記回転子の磁極中心におけるその厚みが極間におけるその厚みよりも大きい請求項1に記載の同期電動機。
  3. 前記第1の永久磁石は、希土類磁石であり、
    前記第2の永久磁石は、フェライト磁石である
    請求項1または2に記載の同期電動機。
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