JP5929146B2 - 回転電機のロータ及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、回転電機のロータに関し、特に、埋込磁石型同期モータのロータ及びその製造方法に関するものである。
従来から、埋込磁石型同期モータ(IPMSM)は、自動車の駆動用モータやポンプ類駆動用モータ、パワステ駆動用モータ、さらには冷蔵庫や洗濯機、乾燥機といった家電製品の駆動用モータに用いられており、その高出力化および高効率化が求められている。
このような状況において、樹脂中に永久磁石粉末を分散させた、所謂ボンド磁石の長所である磁化方向制御の簡便さや、形状成形自由度の高さや、他部材との一体成形性の容易さを利用して、従来の埋込磁石型同期モータの性能を向上させることが試みられている。
例えば、特許文献1には、圧粉磁心と磁石とで構成された回転子で、前記圧粉磁心と磁石とを同時に圧縮成形することが記されている。具体的には、特許文献1に記載された発明は、モータのロータコアを粉末材料を成形して構成し、その成形体は結合材および磁石粉末を主とするボンド磁石部と、結合材および軟磁性粉末を主とする軟磁性部とを有し、圧縮成形手段を用いて形成された永久磁石型のロータであり、低コギング化と高出力化とを実現しようとするものである。
また、鉄心内に永久磁石を埋込むタイプではないが、特許文献2には、表面磁石型のモータ用磁石回転子において、磁石を螺旋形状にスキューさせて低コギング化を図るとともに、互いに異なる極性の磁石間に鉄心部を設けてリラクタンストルクを発生可能にすることが開示されている。
特開2006−320036号公報 特開2006−180677号公報
ところで、現行の埋込磁石型同期モータでは、ロータコアに埋め込まれた磁石間で、短絡磁束やステータ巻線に鎖交しない(ロータ内で磁路が完結する)磁束成分といった、トルク発生に寄与しない磁束成分が発生することから、埋込磁石の磁束を有効利用できておらず、このため、トルク発生に寄与しない磁束成分を低減することによって、トルク密度を向上することが求められている。
また、その一方で、埋込磁石型同期モータには、低コギング化による振動低減や騒音低減も求められている。しかしながら、上記特許文献1及び2のものでは、低コギング化は図れるものの、トルク発生に寄与しない磁束成分を低減することについては何ら開示されていないことから、かかる磁束成分を低減することによるトルク密度の向上と、低コギング化を同時に達成するための有効な手段となり得ない。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、埋込磁石型同期モータのロータにおいて、トルク密度の向上と低コギング化とを両立する技術を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明に係る回転電機のロータでは、埋込磁石の磁束を整流する機能と、ロータとステータとの間のエアギャップ磁束密度の急峻な変化を抑制する機能とを有するリング状のボンド磁石部材によって、ロータコアの外周面を覆うようにしている。
具体的には、第1の発明は、回転中心となる回転軸部材と、当該回転軸部材の外側に設けられる略円筒形状のロータコアと、を備え、当該ロータコアの外周部に、当該回転軸部材の軸方向に延びる複数の永久磁石部材が当該ロータコアの円周方向に略等間隔で配設された回転電機のロータを対象とする。
そして、上記ロータコアは、略円環状の磁性鋼板が上記回転軸部材の軸方向に積層されたものであり、上記ロータコアの外周面を覆う、永久磁石粉末と樹脂材とを含むリング状のボンド磁石部材をさらに備え、上記ボンド磁石部材は、当該ボンド磁石部材の極が、上記永久磁石部材の極と同極が対向し且つ当該永久磁石部材から出た磁束が、磁極中心線に向かって整流されるように、極異方着磁されていることを特徴とするものである。
第1の発明によれば、その極が永久磁石部材の極と同極が対向し且つ永久磁石部材から出た磁束が磁極中心線に向かって整流されるように極異方着磁されたボンド磁石部材を、ロータコアの外周面を覆うように設けているので、かかるボンド磁石部材が、永久磁石部材(埋込磁石)の磁束をステータ側に整流する役割を果たすことから、有効な鎖交磁束成分を増やして(トルク発生に寄与しない磁束成分を低減して)、トルク密度を向上させることができる。
また、極異方着磁したボンド磁石部材によってロータコアの外周面を覆うことにより、ロータコアの外周面で正弦波的な磁束密度波形が得られことから、コギングトルクを低減することができる。
これらにより、埋込磁石型同期モータのロータにおいて、トルク密度の向上と低コギング化とを両立することが可能となる。
第2の発明は、上記ボンド磁石部材は、上記永久磁石部材と同数の極を有していることを特徴とするものである。
第2の発明によれば、永久磁石部材の磁束をステータ側に効率よく整流して、有効な鎖交磁束成分をより一層増やすことができる。
第3の発明は、回転中心となる回転軸部材と、当該回転軸部材の外側に設けられる略円筒形状のロータコアと、を備え、当該ロータコアの外周部に、当該回転軸部材の軸方向に延びる複数の永久磁石部材が当該ロータコアの円周方向に略等間隔で配設された回転電機のロータの製造方法を対象とする。
そして、その外周部に、永久磁石部材を挿通可能な開口を複数個有する略円環状の磁性鋼板を、当該開口が上記回転軸部材の軸方向に連なるように積層一体化し、上記ロータコアを形成するロータコア形成工程と、永久磁石粉末と樹脂材とを混合してコンパウンド化するコンパウンド化工程と、上記ロータコアを金型に形成されたキャビティ内に設置する設置工程と、上記開口と径方向に対向するように金型の外側に配置された配向用磁石から、複数の極を形成するように配向磁場を付与しながら、上記ロータコアの外周を囲むキャビティに上記コンパウンド化された材料を射出して、当該ロータコアの外周面を覆うようにリング状のボンド磁石部材を成型する磁場配向射出工程と、上記ロータコア及び上記ボンド磁石部材を金型から離型した後、当該ボンド磁石部材に含有される永久磁石粉末に極異方着磁を施す着磁工程と、上記回転軸部材を上記ロータコアに挿通して固定するとともに、上記永久磁石部材を当該ロータコアの上記開口に挿通して固定する挿通固定工程と、を含むことを特徴とするものである。
第3の発明によれば、トルク密度の向上と低コギング化とを両立することが可能な埋込磁石型同期モータを、簡単に製造することができる。
第4の発明は、回転中心となる回転軸部材と、当該回転軸部材の外側に設けられる略円筒形状のロータコアと、を備え、当該ロータコアの外周部に、当該回転軸部材の軸方向に延びる複数の永久磁石部材が当該ロータコアの円周方向に略等間隔で配設された回転電機のロータの製造方法を対象とする。
そして、その外周部に、永久磁石部材を挿通可能な開口を複数個有する略円環状の磁性鋼板を、当該開口が上記回転軸部材の軸方向に連なるように積層一体化した上記ロータコアと、永久磁石粉末と樹脂材とを含有し、且つ、当該永久磁石粉末に極異方着磁が施されたボンド磁石部材と、を用意し、上記ボンド磁石部材の極と上記永久磁石部材の極との同極が対向するように、上記ロータコアの外周面と当該ボンド磁石部材の内周面とを接合する接合工程と、上記回転軸部材を上記ロータコアに挿通して固定するとともに、上記永久磁石部材を当該ロータコアの上記開口に挿通して固定する挿通固定工程と、を含むことを特徴とするものである。
第4の発明によれば、トルク密度の向上と低コギング化とを両立することが可能な埋込磁石型同期モータを、より一層簡単に製造することができる。
本発明に係る回転電機のロータによれば、その極が永久磁石部材の極と同極が対向し且つ永久磁石部材から出た磁束が磁極中心線に向かって整流されるように極異方着磁されたボンド磁石部材を、ロータコアの外周面を覆うように設けているので、かかるボンド磁石部材が、永久磁石部材の磁束をステータ側に整流することから、トルク発生に寄与しない磁束成分を低減して、トルク密度を向上させることができるとともに、磁極間の界面で正弦波的な磁束密度波形が得られことから、コギングトルクを低減することができる。よって、埋込磁石型同期モータのロータにおいて、トルク密度の向上と低コギング化とを両立することが可能となる。
また、本発明に係る回転電機のロータの製造方法によれば、簡単な方法で、トルク密度の向上と低コギング化とを両立した埋込磁石型同期モータのロータを製造することができる。
本発明の実施形態に係る回転電機のロータを示す斜視図である。 図1のII−II線の矢視図である。 図2のA部の部分拡大図である。 ロータコアに埋め込まれた永久磁石部材の漏れ磁束を模式的に示す図であり、同図(a)は、ボンド磁石部材を設けていない場合を示す図であり、同図(b)は、ボンド磁石部材を設けた場合を示す図である。 横軸に回転角度を縦軸に磁束密度をとったときの、ロータコア外周面における磁束密度波形を表す図である。 回転電機のロータの製造方法のフローチャートである。 金型及びこれに配置されたロータコアを示す断面図である。 磁場配向射出成形を説明する模式図である。 回転電機のロータの製造方法のフローチャートである。 磁場配向射出成形を説明する模式図である。 接合工程を模式的に説明する図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(実施形態1)
−ロータ構造−
図1は、本実施形態に係る回転電機のロータを示す斜視図であり、図2は、図1のII−II線の矢視図である。このロータ1は、例えば、車両におけるポンプ類駆動用モータやパワステ駆動用モータさらには家電製品の駆動用モータ等、2kW以下の比較的低出力のモータに好適に用いられるものであり、図1に示すように、回転中心となる金属製のロータシャフト(回転軸部材)3と、当該ロータシャフト3の外側に設けられる略円筒形状のロータコア5と、当該ロータコア5の外周面を覆うリング状のボンド磁石部材7と、を備えている。
ロータコア5は、プレスで打ち抜いた薄い磁性鋼板15を、より詳しくは、中央部に形成された円形開口15aと、外周部に等間隔で形成された8つの矩形開口15bとを有する略円環状の薄い磁性鋼板15を、円形開口15a及び矩形開口15bがロータシャフト3の軸方向に連なるように積層一体化することにより形成されている。これにより、ロータコア5は、その中央部に断面円形の中央貫通孔5a(円形開口15aの連なり)を有するとともに、その外周部に当該ロータコア5の円周方向に等間隔で並ぶ8つの断面矩形状の貫通孔5bを有する、略円筒形状をなしている。
そうして、かかる中央貫通孔5aには、ロータシャフト3が挿通固定されている一方、外周部の8つの貫通孔5bには、ロータシャフト3の軸方向に延びる断面矩形状の永久磁石部材11(例えば、Nd焼結磁石、フェライト等)がそれぞれ挿通固定されている。換言すると、このロータコア5では、8本の永久磁石部材11がその長手方向が円周方向に沿うように等間隔で配置されていて、これら8本の永久磁石部材11が、径方向外側にN極とS極とが交互に並ぶ8つの磁極を形成するようになっている。つまり、本実施形態のロータ1は、埋込磁石型同期モータであり、ロータコア5の磁化によるリラクタンストルクと永久磁石部材11の磁化によるマグネットトルクの両方を利用することが可能となっている。
ボンド磁石部材7は、バインダー樹脂(例えば、ポリアミド(PA12等)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)等)と、永久磁石粉末(例えば、Nd焼結磁石、フェライ
ト等)とを含んでおり、後述するように、これらバインダー樹脂(樹脂材)と永久磁石粉末とを混合してコンパウンド化した後、金型9で配向磁場射出成形することによりリング状に形成されていて、当該ボンド磁石部材7の内周面とロータコア5と外周面とがバインダー樹脂で接着されている。
このボンド磁石部材7は、図2に示すように、当該ボンド磁石部材7の極7aが、永久磁石部材11の極と同極が対向するように(ボンド磁石部材7の外周円とロータコア5の磁極中心線5cとの交点に位置するように)、極異方着磁されている。より詳しくは、このボンド磁石部材7は、配向磁場射出成形の際に、8つの極の配向磁界を作り、磁化容易軸が揃うように永久磁石粉末を配向した後に着磁することにより、そのN極が永久磁石部材11のN極と対向し且つそのS極が永久磁石部材11のS極と対向した、永久磁石部材11と同数である8つの極7aを有している。
このように、ロータコア5の外周面を覆うリング状のボンド磁石部材7を、その極7aが永久磁石部材11の極と同極が対向するように極異方着磁することにより、図3に示すように、ボンド磁石部材7によって白抜き矢印の方向に磁束が流れ易くなることから、永久磁石部材11のN極から出た磁束(磁力線の束)11aが、不図示のステータ側に整流されることになる。
これにより、ボンド磁石部材7を設けていない従来のロータ101では、図4(a)に示すように、漏れ磁束111b(トルク発生に寄与しない磁束成分)が大量に発生しているため有効磁束111a(トルク発生に寄与す磁束成分)が少ないのに対し、ボンド磁石部材7を設けていた本実施形態のロータ1では、図4(b)に示すように、永久磁石部材11の漏れ磁束11bが大幅に減少するとともに、減少した分の漏れ磁束11bがボンド磁石部材7によってステータ側に整流されて、有効磁束11aが増大し、トルク密度を向上させることができる。なお、図4では、図を見易くするために、8つの永久磁石部材11のうちの一部についてだけ、磁束を図示しているが、他の永久磁石部材11についても同様の現象が起きる。
加えて、本実施形態のロータ1では、極7aが永久磁石部材11の極と同極が対向するように極異方着磁されたボンド磁石部材7によってロータコア5の外周面を覆うことにより、磁束を通し難い極中心でも径方向の磁束密度が増大すること等により、ロータコア5の外周面における磁束密度波形(ギャップの磁束密度分布)を正弦波に近づけることができる。これにより、図5に示すように、本実施形態のロータ1の場合(図5の実線a)は、ボンド磁石部材7を設けていない従来のロータの場合(図5の破線b)と比較して、磁束密度の急峻な変化を抑制して、換言すると、磁束変化の勾配をなだらかにして、コギングトルクを大幅に低減することができ、その結果、埋込磁石型同期モータの振動低減や騒音低減を実現することができる。
−ロータの製造方法−
次に、本実施形態に係る回転電機のロータ1の製造方法を、図6に示すフローチャートに基づいて説明する。
先ず、ステップSA1では、中央部に形成された円形開口15aと、外周部に等間隔で形成された8つの矩形開口15bとを有する略円環状の磁性鋼板15をプレスで打ち抜き、かかる磁性鋼板15を、円形開口15a及び矩形開口15bが軸方向に連なるように積層一体化し、ロータコア5を形成する(ロータコア形成工程)。
次のステップSA2では、永久磁石粉末と樹脂材とを混合してコンパウンド化する(コンパウンド化工程)。
次いで、金型9を用意する。この金型9は、図7に示すように、リング状の突条部19aを有する固定型19と、中央に円柱部29aを有する有底筒状の可動型29とを備えており、突条部19aによって相対的に凹んだ部位19bに円柱部29aの先端を挿入するとともに、リング状の突条部19aに可動型29の筒部29bを外嵌合させて、固定型19と可動型29とを組み合わせることにより、その内部に略円筒形状のキャビティ9aが形成されるようになっている。また、固定型19のリング状の突条部19aの外周部には、8つのゲート部13が等間隔をあけて貫通形成されており、これら8本のゲート部13は、コンパウンド化された永久磁石粉末及びバインダー樹脂を射出するための射出ユニット23とそれぞれ繋がっている。
そうして、ステップSA3で、円柱部29aをロータコア5の中央貫通孔5aに差し込んで、金型9を型締めすることにより、ロータコア5を金型9に形成されたキャビティ9a内に設置する(設置工程)。これにより、キャビティ9a内に設置されたロータコア5の周りには、8本のゲート部13が臨む、リング状の空間9bが形成される。
次のステップSA4では、図8に示すように、金型9の外側で、且つ、キャビティ9a内に設置されたロータコア5の貫通孔5bと径方向に対向する位置に、8つの配向用電磁石25を配置する。そうして、8の極を形成するように、より具体的には、8つの永久磁石部材11が径方向外側にN極とS極が交互に並ぶように8つの貫通孔5bに挿通されていると仮定したときに、永久磁石部材11の極と同極が対向する8つの極を形成するように、8つの配向用電磁石25から配向磁場を印加しながら、ステップSA2でコンパウンド化された材料をゲート部13から空間9bに射出して、ロータコア5の外周面を覆うようにリング状のボンド磁石部材7を成型する(磁場配向射出工程)。なお、図8では、図を見易くするために、金型9を図示省略している。
また、磁場配向射出成形における成形条件は、バインダー樹脂がポリアミドの場合には、シリンダー温度が220〜270(℃)、金型温度が50〜100(℃)、射出圧力が120〜170(MPa)、配向磁場が5〜15(kOe)であることが望ましく、また、バインダー樹脂がポリフェニレンサルファイドの場合には、シリンダー温度が270〜340(℃)、金型温度が120〜150(℃)、射出圧力が130〜180(MPa)、配向磁場が5〜15(kOe)であることが望ましい。
永久磁石粉末がバインダー樹脂によって接着されると、ステップSA5において、可動型29を固定型19から離間させて金型9を型開きし、ロータコア5及びこれに接着されたボンド磁石部材7を金型9から脱型する。そうして、次のステップSA6では、脱型されたボンド磁石部材7に含有される永久磁石粉末に極異方着磁を施す(着磁工程)。
次のステップSA7では、ロータコア5に形成された中央貫通孔5aにロータシャフト3を挿通固定し、次のステップSA8では、着磁された8つの永久磁石部材11を、径方向外側にN極とS極が交互に並ぶように8つの貫通孔5bに挿通固定する(挿通固定工程)。
以上により、その極が永久磁石部材11の極と同極が対向するように極異方着磁されたボンド磁石部材7によってロータコア5の外周面が覆われた埋込磁石型同期モータのロータ1を、磁場配向射出成形を用いた簡単な方法で製造することができる。
−効果−
本実施形態によれば、その極7aが永久磁石部材11の極と同極が対向し且つ永久磁石部材11のN極から出た磁束11aが磁極中心線5cに向かって整流されるように極異方着磁されたボンド磁石部材7を、ロータコア5の外周面を覆うように設けているので、かかるボンド磁石部材7が、永久磁石部材11の磁束をステータ側に整流する役割を果たすことから、有効な鎖交磁束成分を増やして、トルク密度を向上させることができるとともに、ロータコア5の外周面で正弦波的な磁束密度波形が得られことから、コギングトルクを低減することができる。これらにより、埋込磁石型同期モータのロータ1において、トルク密度の向上と低コギング化とを両立することが可能となる。
また、ボンド磁石部材7は、永久磁石部材11と同数の極7aを有していることから、永久磁石部材11の磁束をステータ側に効率よく整流して、有効な鎖交磁束成分をより一層増やすことができる。
(実施形態2)
本実施形態は、ボンド磁石部材7をロータコア5とは独立に成形する点が実施形態1と異なるものである。以下、実施形態1と異なる点について説明する。
−ロータの製造方法−
本実施形態に係る回転電機のロータ1の製造方法を、図9に示すフローチャートに基づいて説明する。
先ず、ロータコア5とボンド磁石部材7とを用意する。なお、ロータコア5は、上記実施形態1のステップSA1と同様に、中央部に形成された円形開口15aと、外周部に等間隔で形成された8つの矩形開口15bとを有する略円環状の磁性鋼板15をプレスで打ち抜き、かかる磁性鋼板15を、矩形開口15bが軸方向に連なるように積層することによって製造することができる。
また、ボンド磁石部材7は、例えば、上記実施形態1で用いた金型9のキャビティ9a内にロータコア5と略同大同形のダミー中子を設置し、図10に示すように、8の極を形成するように、8つの配向用電磁石25から配向磁場を印加しながら、コンパウンド化された永久磁石粉末と樹脂材とをゲート部13から空間9bに射出することにより製造することができる。なお、図10では、図を見易くするために、金型9を図示省略している。
そうして、ステップSB1では、ボンド磁石部材7の8つの極と、ロータコア5に埋め込まれた8つの永久磁石部材11の極との同極が対向するように、ロータコア5と永久磁石部材11とを位置決めした後、図11に示すように、ロータコア5をボンド磁石部材7に挿入し、ロータコア5の外周面とボンド磁石部材7の内周面とを例えば接着剤を用いて接合する(接合工程)。
次のステップSB2では、ロータコア5に形成された中央貫通孔5aにロータシャフト3を挿通固定し、次のステップSB3では、8つの貫通孔5b、着磁された8つの永久磁石部材11が径方向外側にN極とS極が交互に並ぶように挿通固定する(挿通固定工程)。
−効果−
本実施形態によれば、トルク密度の向上と低コギング化とを両立することが可能な埋込磁石型同期モータを、より一層簡単に製造することができる。
(その他の実施形態)
本発明は、実施形態に限定されず、その精神又は主要な特徴から逸脱することなく他の色々な形で実施することができる。
上記実施形態1及び2では、バインダー樹脂としてポリアミド、ポリフェニレンサルファイドを、また、永久磁石粉末としてNd焼結磁石、フェライトを挙げたが、これらは例示であり、他のバインダー樹脂及び永久磁石粉末を用いてもよい。
また、上記実施形態1及び2では、ロータコア5に埋め込まれる永久磁石部材11を8つとしたが、これに限らず、6つ以下や10以上としてもよい。
さらに、上記実施形態1及び2では、ボンド磁石部材7の極の数を、永久磁石部材11と同数としたが、これに限らず、永久磁石部材11の数よりも少なくしてもよいし、多くしてもよい。
このように、上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
以上説明したように、本発明は、回転中心となる回転軸部材と、その外側に設けられる略円筒形状のロータコアと、を備え、ロータコアの外周部に複数の永久磁石部材が略等間隔で配設された回転電機のロータ及びその製造方法等について有用である。
1 ロータ
3 ロータシャフト(回転軸部材)
5 ロータコア
7 ボンド磁石部材
7a 極
9 金型
9a キャビティ
11 永久磁石部材
15 磁性鋼板
15b 矩形開口(開口)
25 配向用電磁石(配向用磁石)
SA1 ロータコア形成工程
SA2 コンパウンド化工程
SA3 設置工程
SA4 磁場配向射出工程
SA6 着磁工程
SA7,SA8,SB2,SB3 挿通固定工程
SB1 接合工程

Claims (4)

  1. 回転中心となる回転軸部材と、当該回転軸部材の外側に設けられる略円筒形状のロータコアと、を備え、当該ロータコアの外周部に、当該回転軸部材の軸方向に延びる複数の永久磁石部材が当該ロータコアの円周方向に略等間隔で配設された回転電機のロータであって、
    上記ロータコアは、略円環状の磁性鋼板が上記回転軸部材の軸方向に積層されたものであり、
    上記ロータコアの外周面を覆う、永久磁石粉末と樹脂材とを含むリング状のボンド磁石部材をさらに備え、
    上記ボンド磁石部材は、当該ボンド磁石部材の極が、上記永久磁石部材の極と同極が対向し且つ当該永久磁石部材から出た磁束が、磁極中心線に向かって整流されるように、極異方着磁されていることを特徴とする回転電機のロータ。
  2. 請求項1記載の回転電機のロータにおいて、
    上記ボンド磁石部材は、上記永久磁石部材と同数の極を有していることを特徴とする回転電機のロータ。
  3. 回転中心となる回転軸部材と、当該回転軸部材の外側に設けられる略円筒形状のロータコアと、を備え、当該ロータコアの外周部に、当該回転軸部材の軸方向に延びる複数の永久磁石部材が当該ロータコアの円周方向に略等間隔で配設された回転電機のロータの製造方法であって、
    その外周部に、永久磁石部材を挿通可能な開口を複数個有する略円環状の磁性鋼板を、当該開口が上記回転軸部材の軸方向に連なるように積層一体化し、上記ロータコアを形成するロータコア形成工程と、
    永久磁石粉末と樹脂材とを混合してコンパウンド化するコンパウンド化工程と、
    上記ロータコアを金型に形成されたキャビティ内に設置する設置工程と、
    上記開口と径方向に対向するように金型の外側に配置された配向用磁石から、複数の極を形成するように配向磁場を付与しながら、上記ロータコアの外周を囲むキャビティに上記コンパウンド化された材料を射出して、当該ロータコアの外周面を覆うようにリング状のボンド磁石部材を成型する磁場配向射出工程と、
    上記ロータコア及び上記ボンド磁石部材を金型から離型した後、当該ボンド磁石部材に含有される永久磁石粉末に極異方着磁を施す着磁工程と、
    上記回転軸部材を上記ロータコアに挿通して固定するとともに、上記永久磁石部材を当該ロータコアの上記開口に挿通して固定する挿通固定工程と、を含むことを特徴とする回転電機のロータの製造方法。
  4. 回転中心となる回転軸部材と、当該回転軸部材の外側に設けられる略円筒形状のロータコアと、を備え、当該ロータコアの外周部に、当該回転軸部材の軸方向に延びる複数の永久磁石部材が当該ロータコアの円周方向に略等間隔で配設された回転電機のロータの製造方法であって、
    その外周部に、永久磁石部材を挿通可能な開口を複数個有する略円環状の磁性鋼板を、当該開口が上記回転軸部材の軸方向に連なるように積層一体化した上記ロータコアと、
    永久磁石粉末と樹脂材とを含有し、且つ、当該永久磁石粉末に極異方着磁が施されたボンド磁石部材と、を用意し、
    上記ボンド磁石部材の極と上記永久磁石部材の極との同極が対向するように、上記ロータコアの外周面と当該ボンド磁石部材の内周面とを接合する接合工程と、
    上記回転軸部材を上記ロータコアに挿通して固定するとともに、上記永久磁石部材を当該ロータコアの上記開口に挿通して固定する挿通固定工程と、を含むことを特徴とする回転電機のロータの製造方法。
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