JP5274302B2 - 回転電機 - Google Patents

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この発明は、車両用電動機などの回転電機に関し、特に永久磁石を周方向に配置固定する回転子構造に関するものである。
従来、回転子の界磁発生手段として永久磁石を用いた永久磁石式モータが使用されていた。そして、永久磁石式モータの回転子の高速回転時の遠心力が永久磁石に作用することから、永久磁石を回転子内部に埋め込んだ、耐遠心力性を高めた磁石保持構造をもつ内部磁石埋込型モータ(以下、IPM(Interior Permanent Magnet)モータという)が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1に記載のIPMモータの回転子では、回転子鉄心の内周側に軸方向に伸びる断面矩形の収納部を複数個形成し、この収納部に断面矩形の永久磁石を挿入して構成されており、永久磁石に作用する遠心力を収納部の外径側の内壁面(磁石保持面)で受けて耐遠心力性を高めている。
しかし、電車などの主電動機用モータなど比較的大型、かつ高速回転するモータでは、永久磁石に作用する遠心力が大きく、かつ永久磁石の周方向幅が長くなる。そこで、特許文献1に記載のIPMモータにおける磁石保持構造では、磁石保持面が回転子鉄心に与える等分布加重はモーメントを持って、永久磁石の周方向両端部の磁石保持ブリッジ部に加わるため、回転子鉄心の曲げ応力が大きくなり、最悪の場合、永久磁石を保持できなくなるという不具合があった。
このような状況を鑑み、台形の内形形状の収納部に台形の外形形状の永久磁石を挿入するようにして、永久磁石に作用する遠心力を収納部の周方向両側の内壁面で受け、曲げモーメントの発生を抑える磁石保持構造をもつIPMモータが提案されている(例えば、特許文献2参照)。さらに、回転子鉄心の外周面上から突出する複数の突極を備え、隣り合う突極間に挟み込まれるように永久磁石を装着し、永久磁石に作用する遠心力を突極の外周部から周方向の外側に突出された爪部で受け、曲げモーメントの発生を抑える磁石保持構造をもつIPMモータが提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開平5−76146号公報 特許第4138406号公報 特開2001−169485号公報
しかしながら、特許文献2に記載のIPMモータでは、永久磁石の周方向両側面の全面が収納部の周方向両側の内壁面に接しているので、永久磁石の周方向両端部から発生した磁束の一部が、固定子鉄心に流れ込まずに、永久磁石の外径側に位置する回転子鉄心の部位を周方向に流れて永久磁石の両側面から永久磁石に戻ってしまい、永久磁石の起磁力を有効に活用できなかった。
また、特許文献3に記載のIPMモータでは、複数の突極が回転子鉄心の外周面上に所定のピッチで形成されているので、各突極の周方向両側に段差が生じ、回転子鉄心の外径を高精度に仕上げることが困難となる。そこで、固定子鉄心と回転子鉄心との間の空隙を狭くすることができず、固定子鉄心と回転子鉄心との間の磁気抵抗が増大するので、固定子コイルへの鎖交磁束量が減少してしまう。
さらに、特許文献3に記載のIPMモータでは、永久磁石が露出しているので、固定子磁束が永久磁石に直接侵入する。そこで、永久磁石として導電性を有する希土類磁石を用いた場合には、渦電流が流れ、永久磁石が発熱して熱減磁してしまう。
この発明は、このような課題を解決するためになされたものであって、永久磁石の磁束の漏れを抑えて、永久磁石の起磁力を有効に活用でき、永久磁石を回転子鉄心内に埋設して、回転子鉄心の外径精度を高めることができる内部磁石埋込式の回転電機を得ることを目的とする。
この発明による回転電機は、スロットが、内周側に開口して、かつ溝方向を軸方向として、周方向に複数配列された円筒状の固定子鉄心、および該固定子鉄心に巻装された固定子コイルを有する固定子と、回転軸が軸心位置に固着されて上記固定子内に所定の空隙を有して同軸に配設された外周面を円筒面とする回転子鉄心、およびそれぞれ該回転子鉄心の内部に埋め込まれて周方向に配設された複数の永久磁石を有する回転子と、を備えている。そして、複数の磁石収納穴は、それぞれ、周方向の両側面が径方向外方に向かって該磁石収納穴の周方向中央と上記回転子鉄心の軸心とを含む平面に近づく方向に傾斜する遠心力受け面と該遠心力受け面の外径側に連設されて周方向外方に凸状に湾曲する湾曲面とからなり、穴方向を軸方向として上記回転子鉄心の外径側に周方向に互いに離間して穿設されている。さらに、上記複数の永久磁石は、それぞれ、両側面が傾斜面に形成され、該両側面の下端側が上記遠心力受け面に支持されるように、かつ隣り合う上記回転子鉄心の外周面側の極性が逆極性となるように上記複数の磁石収納穴のそれぞれに嵌合され、磁石保持部材が非磁性材料でL字状に作製され、上記複数の磁石保持穴のそれぞれの上記遠心力受け面および底面の遠心力受け面側の縁部と該磁石保持穴に嵌合されている上記永久磁石の上記両側面および底面の両側面側の縁部との間に介装され、空洞が上記複数の磁石収納穴のそれぞれの上記湾曲面と該磁石保持穴に嵌合されている上記永久磁石の両側面との間に形成されている。
この発明によれば、永久磁石を埋め込むための磁石保持穴が回転子鉄心の内部に形成されているので、回転子鉄心の外周面が円筒面となり、外径研磨処理などにより、外径精度を高めることができる。
また、永久磁石が磁石保持穴に嵌合されて回転子鉄心の内部に埋め込まれているので、永久磁石が回転子鉄心の外周面から露出しない。そこで、固定子磁束が永久磁石に直接侵入することがなく、渦電流が永久磁石に流れることに起因する永久磁石の熱減磁が防止される。
また、永久磁石はその両側面の下端側を磁石保持穴の遠心力受け面に支持されて磁石保持穴に嵌合され、空洞が永久磁石の両側面の上端側の周方向外方に形成されている。そこで、永久磁石から発生した磁束が固定子コイルを鎖交することなく永久磁石の側面から永久磁石に戻る漏れ磁束の磁路の磁気抵抗が増大する。これにより、漏れ磁束量が低減し、永久磁石の起磁力を有効に活用することができる。
この発明の実施の形態1に係る内部磁石埋込型モータを模式的に示す断面図である。 この発明の実施の形態1に係る内部磁石埋込型モータに適用される回転子を模式的に示す断面図である。 この発明の実施の形態1に係る内部磁石埋込型モータに適用される回転子における漏れ磁束の流れを説明する図である。 この発明の実施の形態2に係る内部磁石埋込型モータにおける磁石保持構造を説明する図である。 この発明の実施の形態3に係る内部磁石埋込型モータにおける磁石保持構造を説明する図である。 この発明の実施の形態4に係る内部磁石埋込型モータに適用される永久磁石を示す側面図である。 この発明の実施の形態5に係る内部磁石埋込型モータに適用される永久磁石を示す側面図である。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係る内部磁石埋込型モータを模式的に示す断面図、図2はこの発明の実施の形態1に係る内部磁石埋込型モータに適用される回転子を模式的に示す断面図、図3はこの発明の実施の形態1に係る内部磁石埋込型モータに適用される回転子における漏れ磁束の流れを説明する図である。
図1および図2において、回転電機としてのIPMモータ1は、固定子2と、回転子5と、を備えている。
固定子2は、36個のスロット3aが、内周側に開口し、かつ溝方向を軸方向として、周方向に等角ピッチで配列された円筒状の固定子鉄心3と、導体線をスロット3aのそれぞれに収納させて固定子鉄心3に巻装された固定子コイル4と、を備えている。
回転子5は、例えば所定枚数の磁性鋼板を積層、一体化して作製され、6つの磁石収納穴7が等角ピッチで配列するように形成された外周面を円筒面とする回転子鉄心6と、各磁石収納穴7内に収納された永久磁石8と、を備えている。そして、永久磁石8は、隣り合う永久磁石8同士が回転子表面に向かって互いに逆極性の磁束を発生するように着磁配向されている。つまり、隣り合う永久磁石8の着磁配向方向9は、逆向きになっている。
そして、回転子5は、回転子鉄心6の軸心位置に穿設された貫通穴10に圧入、固着された回転軸11をフレーム(図示せず)に軸受を介して支持され、フレーム内に回転自在に配設される。また、固定子2が、回転子5に対して一定の空隙を有して、回転子5の外周を囲繞するようにフレームに配設される。
このように構成されたIPMモータ1では、永久磁石8が回転子5の内部に埋め込まれているので、固定子コイル4から見たインダクタンスが回転子5の位置の関係で変化し、リラクタンストルクが発生する。そこで、IPMモータ1は、リラクタンストルクと永久磁石8の磁化によるマグネットトルクとの両方のトルクを利用することができる。
つぎに、永久磁石8の保持構造について説明する。
永久磁石8は、例えば、断面が底辺と斜辺とのなす角度を70度とする等脚台形の四角柱に作製されたネオジウム・鉄・ボロン系希土類焼結磁石である。磁石収納穴7は、永久磁石8の断面形状に略等しい等脚台形の相対する両斜辺の上辺側の部位を上辺の長さ方向外方に凸状に湾曲させた断面形状を有し、等脚台形の下辺からなる面が径方向に対して直交し、かつ内径側に位置するように、回転子鉄心6に軸方向に貫通するように形成されている。ここで、永久磁石8の断面等脚台形の下辺からなる面、上辺からなる面、および相対する斜辺からなる面を、それぞれ底面8a、上面8b、および側面8cとする。同様に、磁石収納穴7の断面等脚台形の下辺からなる面、上辺からなる面、相対する両斜辺の下辺側からなる面、および両斜辺の上辺側を凸状に湾曲させた部位からなる面を、それぞれ底面7a、上面7b、遠心力受け面7cおよび湾曲面7dとする。
磁石収納穴7は、永久磁石8の外形形状より僅かに大きな内形形状に形成されている。永久磁石8が磁石収納穴7のそれぞれに軸方向から挿入、保持される。なお、接着剤が永久磁石8の側面8cと磁石収納穴7の遠心力受け面7cとの間の隙間に充填されてもよい。そして、空洞12が、永久磁石8の側面8cの上面8b側の周方向外側に形成されている。この空洞12は、磁石収納穴7の湾曲面7dと永久磁石8の側面8cとにより画成されている。この空洞12の径方向幅は、磁石収納穴7の底面7aと上面7bとの間の径方向幅(等脚台形の高さに相当)の約3/4に設定されている。そこで、磁石収納穴7の穴形状は永久磁石8と略等しいので、遠心力受け面7cの径方向幅は、永久磁石8の底面8aと上面8bとの間の径方向幅(等脚台形の高さに相当)の約1/4に設定されている。また、永久磁石8の上面8bの周方向幅が、機械角で30度〜40度に設定されている。
永久磁石8がこのように回転子鉄心6の磁石保持穴7に嵌合されて保持されているので、回転子5が回転すると、遠心力が永久磁石8に作用し、永久磁石8が回転子5の外径側に変位する。そして、永久磁石8の側面8cが磁石収納穴7の遠心力受け面7cに当接し、永久磁石8に作用する遠心力が磁石収納穴7の遠心力受け面7cで受けられ、永久磁石8のそれ以上の外径側への変位が阻止される。なお、接着剤が塗布されている場合には、永久磁石8は遠心力により永久磁石8の側面8cと磁石収納穴7の遠心力受け面7cとの間の接着剤層が圧縮する分だけ外径側に変位する。そして、永久磁石8に作用する遠心力が圧縮した接着剤を介して磁石収納穴7の遠心力受け面7cで受けられ、永久磁石8のそれ以上の外径側への変位が阻止される。
そこで、永久磁石8に作用する遠心力は、磁石収納穴7の両遠心力受け面7cで受けられているので、曲げモーメントの発生が抑えられ、永久磁石8を安定して保持できる。
また、永久磁石8に作用する遠心力は、磁石収納穴7の両遠心力受け面7cで受けられ、回転子鉄心6の磁石収納穴7の外径側の部位である薄皮部13に作用しない。そこで、薄皮部13の剛性を過度に高める必要がない。つまり、薄皮部13の薄肉化が図られるので、永久磁石8の径方向における収納位置を回転子5の表面に近づけることができる。これにより、固定子コイル4から見たインダクタンスの変化が大きくなり、大きなリラクタンストルクを得ることができる。
また、空洞12が永久磁石8の側面8cの上面8b側の部位の周方向外方に形成されているので、空洞12がなく永久磁石8の側面8cの全域が磁石収納穴の遠心力受け面に密接する永久磁石の保持構造に比べ、永久磁石8の上面8bから薄皮部13を介して側面8cに至る磁路の磁気抵抗は高くなる。そこで、図3に示されるように、永久磁石8から発生した磁束が薄皮部13を流れて側面8cから永久磁石8に流れ込む漏れ磁束14が低減され、固定子コイル4の鎖交磁束量が増大される。このように、永久磁石8の起磁力を有効に活用でき、大きなマグネットトルクを得ることができる。
また、永久磁石8が回転子鉄心6の内部に埋め込まれているので、外径研磨処理などにより、回転子鉄心6の外径を高精度に仕上げることができる。そこで、固定子鉄心3と回転子鉄心6との間の空隙を狭くしても、回転子5の回転時の固定子鉄心3と回転子鉄心6との衝突の発生を防止できる。これにより、空隙を狭くして空隙における磁気抵抗を低減でき、固定子コイル4への鎖交磁束量を増大することができる。
また、永久磁石8が露出していないので、固定子コイル4を鎖交した磁束が固定子2から永久磁石8に直接侵入しない。そこで、渦電流が流れることに起因する永久磁石8の熱減磁が抑制される。
ここで、回転子5が回転すると、遠心力が永久磁石8および薄皮部13に作用する。そして、永久磁石8は、側面8cが直接、あるいは接着剤などの介装物を介して遠心力受け面7cに押圧されるように径方向外側に変位する。一方、薄皮部13は、径方向外方に膨らむように変位する。そこで、遠心力が作用したときの永久磁石8の径方向外方への変位量が、遠心力が作用したときの薄皮部13の径方向外方への変位量より小さくなるようにすることが好ましい。これにより、永久磁石8が遠心力により径方向外方に変位して薄皮部13を押圧することが未然に回避される。つまり、永久磁石8に作用する遠心力が薄皮部13に作用しないので、薄皮部13は自身に直接作用する遠心力に抗する剛性を有していればよく、薄皮部13の一層の薄肉化が可能となる。
なお、上記実施の形態1では、永久磁石の底面と側面とのなす角度が70度に、遠心力受け面の径方向幅が永久磁石の径方向幅の1/4に、永久磁石の上面の周方向幅が機械角で30度〜40度に設定されているものとしているが、これらの値は、回転子の極数および固定子のスロット数に応じて適宜設定される。
実施の形態2.
図4はこの発明の実施の形態2に係る内部磁石埋込型モータにおける磁石保持構造を説明する図である。
図4において、磁石保持部材15が、磁石収納穴7の遠心力受け面7cと永久磁石8の側面8cとの間の隙間に介装されている。この磁石保持部材15は、遠心力受け面7cと側面8cとの間の隙間をなくすように、複数枚のアルミ、銅、ステンレスなどの非磁性金属薄板を当該隙間に挿入して構成されている。
なお、他の構成は上記実施の形態1と同様に構成されている。
この実施の形態2では、磁石保持部材15が遠心力受け面7cと側面8cとの間に介装されているので、遠心力受け面7cと側面8cとの間の隙間が縮小されている。そこで、遠心力が作用したときの永久磁石8の径方向外方への変位量が低減され、永久磁石8の安定した保持が実現される。
また、非磁性の磁石保持部材15が遠心力受け面7cと側面8cとの間に介装されているので、遠心力受け面7cと側面8cとの間の磁気抵抗が増大し、永久磁石8から発生した磁束が薄皮部13を流れて側面8cから永久磁石8に流れ込む漏れ磁束14を低減できる。
なお、上記実施の形態2では、磁石保持部材が非磁性金属薄板で構成されているものとしているが、磁石保持部材は、鉄などの磁性金属薄板で構成してもよい。この場合、漏れ磁束の低減効果は劣るものの、永久磁石の安定した保持が実現できる。
また、磁石保持部材として、例えば比透磁率が数十程度の磁性粉末の成型体を用いてもよい。この成型体の比透磁率は鉄の非透磁率に比べて小さいので、鉄製の磁石保持部材を用いる場合に比べ、漏れ磁束の低減効果が得られる。
実施の形態3.
図5はこの発明の実施の形態3に係る内部磁石埋込型モータにおける磁石保持構造を説明する図である。
図5において、磁石保持部材16は、アルミ、銅、ステンレス等の非磁性金属をL字状に屈曲成形して作製され、永久磁石8の底面8aと両側面8cとに密接した状態で、磁石収納穴7に挿入されている。さらに、磁気誘導部材17が、永久磁石8の底面8aと磁石収納穴7の底面7aとの間の隙間に介装されている。この磁気誘導部材17は、底面7a,8a間の隙間をなくすように、複数枚の鉄等の磁性金属薄板を底面7a,8a間の隙間に挿入して構成されている。
なお、他の構成は上記実施の形態1と同様に構成されている。
この実施の形態3では、磁石保持部材16がL字状に成形されているので、磁石保持部材16が永久磁石8の底面8aと側面8cとの2面を支持することになり、永久磁石8をより強固に回転子鉄心6に保持できる。
また、磁気誘導部材17が、永久磁石8の底面8aと磁石収納穴7の底面7aとの間の隙間に介装されている。これにより、永久磁石8の割れの発生が抑制される。さらに、永久磁石8の底面8aと磁石収納穴7の底面7aとの間の磁気抵抗が低減される。そこで、固定子コイル4を鎖交する磁束が流れる磁路の磁気抵抗が低減され、永久磁石8の起磁力を有効に活用できる。
実施の形態4.
図6はこの発明の実施の形態4に係る内部磁石埋込型モータに適用される永久磁石を示す側面図である。
図6の(a)において、永久磁石20Aは、ネオジウム・鉄・ボロン系希土類焼結磁石からなる2つの磁石体21を接着固定して構成されている。磁石体21は、上記実施の形態1における永久磁石8を周方向に2等分割した形状に作製されている。そして、各磁石体21は、着磁配向方向9が、径方向の外方に向かって、2つの磁石体21の接合面に近づく方向、すなわち永久磁石20Aの周方向中央と回転子鉄心6の軸心とを含む平面に近づく方向に傾斜するように着磁配向されている。
図6の(b)において、永久磁石20Bは、磁石体21と同一の材料で同一の形状に作製された2つの磁石体22を接着固定して構成されている。そして、各磁石体22は、着磁配向方向9が、径方向の内方に向かって、2つの磁石体22の接合面から離反する方向、すなわち永久磁石20Bの周方向中央と回転子鉄心6の軸心とを含む平面から離反する方向に傾斜するように着磁配向されている。
そして、図示していないが、永久磁石20A,20Bが、それぞれ磁石収納穴7に嵌合されて、周方向に交互に配列されている。
なお、他の構成は上記実施の形態1と同様に構成されている。
したがって、この実施の形態4においても、上記実施の形態1と同様に効果が得られる。
また、この実施の形態4によれば、永久磁石20Aを構成する2つの磁石体21の着磁配向方向9が、径方向の外方に向かって、永久磁石20Aの周方向中央と回転子鉄心6の軸心とを含む平面に近づく方向に傾斜しており、永久磁石20Bを構成する2つの磁石体22の着磁配向方向9が、径方向の内方に向かって、永久磁石20Bの周方向中央と回転子鉄心6の軸心とを含む平面から離反する方向に傾斜している。そこで、磁束は、永久磁石20A,20Bの周方向中央に、すなわち極中心に集中され、固定子鉄心3と回転子鉄心6との間の空隙の磁束密度分布が正弦波に近づく。これにより、磁束密度の高調波成分が抑制され、損失を低減させることができる。
実施の形態5.
図7はこの発明の実施の形態5に係る内部磁石埋込型モータに適用される永久磁石を示す側面図である。
図7の(a)において、永久磁石25Aは、ネオジウム・鉄・ボロン系希土類焼結磁石からなる1つの磁石体26と2つの磁石体27とを備え、2つの磁石体27を磁石体26の両側に接着固定して構成されている。磁石体26,27が連接して1列に配列して構成された永久磁石25Aは、上記実施の形態1における永久磁石8と同等の形状に作製されている。そして、磁石体26は、着磁配向方向9が径方向の外方に向かう方向に着磁配向され、各磁石体27は、着磁配向方向9が径方向外方に向かって磁石体26,27の接合面に近づく方向、すなわち永久磁石25Aの周方向中央と回転子鉄心6の軸心とを含む平面に近づく方向に傾斜するように着磁配向されている。
図7の(b)において、永久磁石25Bは、磁石体26と同一の材料で同一の形状に作製された1つの磁石体28と、磁石体27と同一の材料で同一の形状に作製された2つの磁石体29とを備え、2つの磁石体29を磁石体27の両側に接着固定して構成されている。そして、磁石体28は、着磁配向方向9が径方向の内方に向かう方向に着磁配向され、各磁石体29は、着磁配向方向9が径方向の内方に向かって、磁石体28,29の接合面から離反する方向、すなわち永久磁石25Bの周方向中央と回転子鉄心6の軸心とを含む平面から離反する方向に傾斜するように着磁配向されている。
そして、図示していないが、永久磁石25A,25Bが、それぞれ磁石収納穴7に嵌合されて、周方向に交互に配列されている。
なお、他の構成は上記実施の形態4と同様に構成されている。
したがって、この実施の形態5においても、上記実施の形態4と同様に効果が得られる。
ここで、永久磁石25Aは、磁石体26,27を1列に配列して接着固定するものとしているが、永久磁石25Aに作用する遠心力が大きく、磁石体26,27間の接合強度が不十分である場合には、1列に配列された磁石体26,27を樹脂モールド、或いはカバーにより一体化するようにすればよい。また、永久磁石25Bについても、同様に、1列に配列された磁石体28,29を樹脂モールド、或いはカバーにより一体化するようにすればよい。
なお、上記各実施の形態では、6極36スロットのIPMモータについて説明しているが、IPMモータの極数およびスロット数はこれに限定されないことは言うまでもないことである。
また、上記各実施の形態では、永久磁石としてネオジウム・鉄・ボロン系希土類焼結磁石を用いるものとしているが、永久磁石はネオジウム・鉄・ボロン系希土類焼結磁石に限定されるものではなく、例えばフェライト磁石を用いてもよい。
また、上記各実施の形態では、永久磁石が断面等脚台形の四角柱に作製されているものとしているが、永久磁石は断面が等脚台形の四角柱に限定されるものではなく、例えば、断面が弧状帯状の短冊体でもよい。このとき、回転子鉄心に装着された永久磁石の周方向中心と回転子鉄心の軸心とを含む平面と直交する方向において、永久磁石の内径側の面(底面)の周方向両端部間の長さが外径側の面(上面)の周方向両端部間の長さより長くなっていればよい。このように構成される永久磁石の底面と上面とを連結する側面は、径方向外方に向かって、永久磁石の周方向中心と回転子鉄心の軸心とを含む平面に近づく傾斜面となる。そこで、磁石保持穴の遠心力受け面も、永久磁石の側面と同等の傾きをもった傾斜面に形成される。これにより、永久磁石に作用する遠心力を遠心力受け面で受けることできる。
1 IPMモータ(回転電機)、2 固定子、3 固定子鉄心、3a スロット、4 固定子コイル、5 回転子、6 回転子鉄心、7 磁石保持穴、7a 底面、7c 遠心力受け面、7d 湾曲面、8 永久磁石、8a 底面、8c 側面、9 着磁配向方向、11 回転軸、12 空洞、13 薄皮部、15,16 磁石保持部材、17 磁気誘導部材、20A,20B 永久磁石、21,22 磁石体、25A,25B 永久磁石、26,27,28,29 磁石体。

Claims (4)

  1. スロットが、内周側に開口して、かつ溝方向を軸方向として、周方向に複数配列された円筒状の固定子鉄心、および該固定子鉄心に巻装された固定子コイルを有する固定子と、
    回転軸が軸心位置に固着されて上記固定子内に所定の空隙を有して同軸に配設された外周面を円筒面とする回転子鉄心、およびそれぞれ該回転子鉄心の内部に埋め込まれて周方向に配設された複数の永久磁石を有する回転子と、を備え、
    複数の磁石収納穴は、それぞれ、周方向の両側面が径方向外方に向かって該磁石収納穴の周方向中央と上記回転子鉄心の軸心とを含む平面に近づく方向に傾斜する遠心力受け面と該遠心力受け面の外径側に連設されて周方向外方に凸状に湾曲する湾曲面とからなり、穴方向を軸方向として上記回転子鉄心の外径側に周方向に互いに離間して穿設され、
    上記複数の永久磁石は、それぞれ、両側面が傾斜面に形成され、該両側面の下端側が上記遠心力受け面に支持されるように、かつ隣り合う上記回転子鉄心の外周面側の極性が逆極性となるように上記複数の磁石収納穴のそれぞれに嵌合され、
    磁石保持部材が非磁性材料でL字状に作製され、上記複数の磁石保持穴のそれぞれの上記遠心力受け面および底面の遠心力受け面側の縁部と該磁石保持穴に嵌合されている上記永久磁石の上記両側面および底面の両側面側の縁部との間に介装され、
    空洞が上記複数の磁石収納穴のそれぞれの上記湾曲面と該磁石保持穴に嵌合されている上記永久磁石の両側面との間に形成されていることを特徴とする回転電機。
  2. 上記複数の永久磁石は、それぞれ、複数個の磁石体を連接して構成され、連接された該複数個の磁石体のそれぞれが、着磁配向方向を径方向外方かつ極中心に向かう方向、又は径方向内方かつ極中心から離れる方向とするように着磁配向されていることを特徴とする請求項1記載の回転電機。
  3. 磁性材料からなる磁気誘導部材が、上記磁石保持部材の間、かつ上記複数の磁石保持穴のそれぞれの底面と該磁石保持穴に嵌合されている上記永久磁石の底面との間に介装されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の回転電機。
  4. 上記複数の磁石収納穴は、それぞれ、遠心力が該磁石保持穴に嵌合されている上記永久磁石に作用したときに、該永久磁石に作用する該遠心力を該永久磁石の両側面を介して上記遠心力受け面で受け、該永久磁石が上記回転子鉄心の該磁石収納穴の外径側に位置する薄皮部を押圧することを阻止するように形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の回転電機。
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