JP4197584B2 - 永久磁石式回転電機の回転子の製造方法 - Google Patents

永久磁石式回転電機の回転子の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転子鉄心と永久磁石とを備えて構成される永久磁石式回転電機の回転子の製造方法に係り、特に回転子の製造を容易に行なえるようにした永久磁石式回転電機の回転子の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図16は、この種の従来の永久磁石式回転電機の構成例を示す径方向断面図である。
【0003】
図16に示すように、永久磁石式回転電機は、一般に、固定子1と、当該固定子1の内側で空隙2を介して回転する回転子3とを備えて構成されている。
【0004】
固定子1は、固定子鉄心4に設けたスロット内に、電機子コイル5を収納して構成されている。
【0005】
回転子3には、界磁を形成するためのコイルが設けられず、磁性部を有し周方向に磁気的に凹凸が形成された回転子鉄心6と、凸部側面に当該回転子鉄心6の隣合う磁極間を通る電機子コイル5からの磁束を打ち消すように設けられた永久磁石7とのみで構成されている。
【0006】
回転子鉄心6は、磁化容易方向(所謂d軸)に沿う8個の空洞部8を設けた電磁鋼板を積層して構成されている。
【0007】
回転子鉄心6の8個の空洞部8は、図示のように十字状に配置され、内部に永久磁石7が埋め込まれて、凸極と凹部とが交互に配置されて4極が構成されている。
【0008】
なお、永久磁石7の素材としては、高エネルギー積の希土類磁石磁石、好ましくはNdFeB磁石が使用される。
【0009】
また、好ましくはほぼ周方向に、より好ましくは磁極軸に垂直な方向に磁化されると共に、回転子鉄心6の磁極環の外周近傍に、扇形の切り欠き(空洞部)9からなる非磁性部が形成されている。
【0010】
従って、一般的な巻線型回転電機に比較して、構造を簡素化することができ、システム全体を安価にすることができるといった特徴がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような永久磁石式回転電機において、その回転子を製造する際に、従来では、永久磁石(1極分)7は、磁石片を多数貼り合わせて一極分としており、これを回転子鉄心6に接着剤を用いて接着して取り付け、楔で固定するようにしている。
【0012】
しかしながら、この場合、永久磁石7は磁力を有していることから、着磁(磁石材料を永久磁石にすること)後における接着作業が非常に面倒である。
【0013】
特に、大きい永久磁石7の場合には、その取り扱いにも注意を要することになる。
【0014】
以上のような点から、従来では、永久磁石式回転電機の回転子3の製造を容易に行なうことが困難となっているのが実状である。
【0015】
本発明の目的は、回転子の製造を容易に行なうことが可能な永久磁石式回転電機の回転子の製造方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、磁性部を有し周方向に磁気的に凹凸が形成された回転子鉄心と、当該回転子鉄心の隣合う磁極間を通る電機子コイルからの磁束を打ち消すように設けられた永久磁石とを備えて構成される永久磁石式回転電機の回転子の製造方法において、前記回転子鉄心および永久磁石を、軸方向に直交する方向に3以上の奇数個に分割して回転子鉄心片および磁石片とし、前記回転子鉄心片および磁石片を各々貼り合せて回転子片を構成し、前記回転子片を各々順次重ね合わせて前記回転子全体を構成し、前記回転子片を各々順次重ね合わせて前記回転子全体を構成する際に、重ね合わせる各々の前記回転子片の間に電気的に絶縁する絶縁物を充填しながら重ね合わせ、真ん中の回転子片を基準に両側で斜極を構成するように各々の回転子片を1片ごとに同一方向に回転させながら前記回転子全体を構成するようにしている。
【0052】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0053】
(第1の実施の形態)
図1は、本実施の形態による永久磁石式回転電機の回転子の製造方法の一例を示す平面図であり、図16と同一要素には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0054】
すなわち、本実施の形態では、磁性部を有し周方向に磁気的に凹凸が形成された回転子鉄心6と、当該回転子鉄心6の隣合う磁極間を通る電機子コイル5からの磁束を打ち消すように設けられた永久磁石7とを備えて構成される、前述した永久磁石式回転電機の回転子3を製造する際に、図1に示すように、回転子鉄心6および永久磁石7を、軸方向に直交する方向に複数に分割して回転子鉄心片および磁石片とし、当該回転子鉄心片および磁石片を各々貼り合せて回転子片11を構成し、当該回転子片11を各々順次重ね合わせて回転子全体を構成するようにしている。
【0055】
また、この場合、本実施の形態では、回転子片11を各々順次重ね合わせて回転子全体を構成する際に、重ね合わせる回転子片11の間に絶縁物12を充填しながら重ね合わせるようにしている。
【0056】
次に、以上のような本実施の形態による永久磁石式回転電機の回転子の製造方法においては、回転子鉄心片を磁石片に合わせて分割し、回転子鉄心片に磁石片を取付けて(接着剤+楔)回転子片11を構成し、さらにこれらの回転子片11を複数積層して回転子3全体を構成していることにより、回転子3の製造が容易となり、永久磁石7の取り扱いにもそれ程の注意が必要ではなくなる。
【0057】
すなわち、従来では、永久磁石(1極分)7は、磁石片を多数貼り合わせて一極分とし、これを回転子鉄心6に接着して取り付けて、楔で固定するようにしているが、永久磁石7は磁力を有していることから、着磁後における接着作業が非常に面倒であり、特に大きい永久磁石7の場合には取り扱いにも注意を要していたが、この点本実施の形態では、かかる問題点を解消することができる。
【0058】
また、重ね合わせる各々の回転子片11の間に絶縁物12を充填していることにより、永久磁石7表面の渦電流損の発生を軽減して、永久磁石7の発熱を抑えることができる。
【0059】
すなわち、従来では、永久磁石(1極分)7は、磁石片を多数隙間無く貼り合わせて1極分としているが、このように構成した永久磁石7を電動機に使用した場合には、渦電流損が永久磁石7表面に発生して永久磁石7を加熱させる。そして、永久磁石7は温度が高くなるとその特性が落ちることから、温度上昇はなるべく抑えるようにしたいが、この点本実施の形態では、かかる問題点を解消することができる。
【0060】
上述したように、本実施の形態による永久磁石式回転電機の回転子の製造方法では、回転子3の製造を容易に行なうことが可能となると共に、永久磁石7表面の渦電流損の発生を軽減して、永久磁石7の発熱を抑えることが可能となる。
【0061】
(第2の実施の形態)
図2は、本実施の形態による永久磁石式回転電機の回転子の製造方法の一例を示す平面図であり、図1と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0062】
すなわち、本実施の形態では、図2に示すように、前述した第1の実施の形態において、回転子片11を各々順次重ね合わせて回転子全体を構成する際に、重ね合わせる各々の回転子片11の間に所定の間隔13を存して重ね合わせるようにしている。
【0063】
次に、以上のような本実施の形態による永久磁石式回転電機の回転子の製造方法においては、重ね合わせる各々の回転子片11の間に空間13を設けていることにより、永久磁石7表面の渦電流損の発生を軽減して、永久磁石7の発熱を抑えることができる。
【0064】
すなわち、従来では、永久磁石(1極分)7は、磁石片を多数隙間無く貼り合わせて1極分としているが、このように構成した永久磁石7を電動機に使用した場合には、渦電流損が永久磁石7表面に発生して、永久磁石7を加熱させる。そして、永久磁石7は温度が高くなるとその特性が落ちることから、温度上昇はなるべく抑えるようにしたいが、この点本実施の形態では、かかる問題点を解消することができる。
【0065】
また、当該空間13を利用した空気対流が発生するため、冷却も積極的に行なうことが可能となり、永久磁石7の発熱を抑えることができる。
【0066】
上述したように、本実施の形態による永久磁石式回転電機の回転子の製造方法では、回転子3の製造を容易に行なうことが可能となると共に、永久磁石7表面の渦電流損の発生を軽減して、永久磁石7の発熱を抑えることが可能となり、冷却も積極的に行なうことが可能となる。
【0067】
(第3の実施の形態)
図3は、本実施の形態による永久磁石式回転電機の回転子の製造方法の一例を示す平面図であり、図16と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0068】
すなわち、本実施の形態では、磁性部を有し周方向に磁気的に凹凸が形成された回転子鉄心6と、当該回転子鉄心6の隣合う磁極間を通る電機子コイル5からの磁束を打ち消すように設けられた永久磁石7とを備えて構成される、前述した永久磁石式回転電機の回転子3を製造する際に、図3に示すように、永久磁石7を、軸方向に直交する方向に複数に分割して磁石片7aとし、当該各々の磁石片7aを、斜極を構成するように互いにずらして回転子鉄心6に貼り合せて回転子3全体を構成するようにしている。
【0069】
また、この場合、本実施の形態では、各々の磁石片7aを貼り合せて斜極を構成する際に、貼り合せる各々の磁石片7aの間に絶縁物12を充填しながら貼り合せるようにしている。
【0070】
次に、以上のような本実施の形態による永久磁石式回転電機の回転子の製造方法においては、回転子鉄心6に各々の磁石片7aを軸方向に対して斜めに貼り合せて斜極を構成していることにより、固定子1を斜極する場合に比較して、大容量であればあるほど、回転子3の製造の手間を少なくすることができる。
【0071】
すなわち、従来では、斜極は回転の滑らかさを生むために用いられ、固定子1あるいは回転子3に施されているが、固定子1に施す場合には、鉄板をある量だけ回転させながら積層することにより構成していることから、固定子スキューは、積層時、コイル挿入時に手間を要していたが、この点本実施の形態では、かかる問題点を解消することができる。
【0072】
また、斜極を構成するために斜めに貼り合わされる各々の磁石片7aの間に絶縁物12を充填していることにより、永久磁石7表面の渦電流損の発生を軽減して、永久磁石7の発熱を抑えることができる。
【0073】
すなわち、従来では、永久磁石(1極分)7は、磁石片を多数隙間無く貼り合わせて1極分としているが、このように構成した永久磁石7を電動機に使用した場合には、渦電流損が永久磁石7表面に発生して永久磁石7を加熱させる。そして、永久磁石7は温度が高くなるとその特性が落ちることから、温度上昇はなるべく抑えるようにしたいが、この点本実施の形態では、かかる問題点を解消することができる。
【0074】
上述したように、本実施の形態による永久磁石式回転電機の回転子の製造方法では、回転子3の製造を容易に行なうことが可能となると共に、永久磁石7表面の渦電流損の発生を軽減して、永久磁石7の発熱を抑えることが可能となる。
【0075】
(第4の実施の形態)
図4は、本実施の形態による永久磁石式回転電機の回転子の製造方法の一例を示す概要図であり、図16と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0076】
すなわち、本実施の形態では、磁性部を有し周方向に磁気的に凹凸が形成された回転子鉄心6と、当該回転子鉄心6の隣合う磁極間を通る電機子コイル5からの磁束を打ち消すように設けられた永久磁石7とを備えて構成される、前述した永久磁石式回転電機の回転子3を製造する際に、図4に示すように、回転子鉄心6および永久磁石7を、軸方向に直交する方向に複数に分割して回転子鉄心片および磁石片とし、当該回転子鉄心片および磁石片から各々回転子片11を構成し、当該回転子片11を、全体で斜極を構成するように各々の回転子片11を1片ごとに回転させながら回転子3全体を構成するようにしている。
【0077】
次に、以上のような本実施の形態による永久磁石式回転電機の回転子の製造方法においては、軸方向に直交する方向に分割された磁石片および回転子鉄心片から回転子片11を構成し、当該構成された回転子片11を全体として斜極となるように配置構成し、回転子片11を軸方向に対して斜めに貼り合わせて斜極を構成していることにより、固定子1を斜極する場合に比較して、回転子3の製造の手間を少なくすることができる。
【0078】
すなわち、従来では、斜極は回転の滑らかさを生むために用いられ、固定子1あるいは回転子3に施されているが、固定子1に施す場合には、鉄板をある量だけ回転させながら積層することにより構成していることから、固定子スキューは、積層時、コイル挿入時に手間を要していたが、この点本実施の形態では、かかる問題点を解消することができる。
【0079】
上述したように、本実施の形態による永久磁石式回転電機の回転子の製造方法では、回転子3の製造を容易に行なうことが可能となると共に、永久磁石7表面の渦電流損の発生を軽減して、永久磁石7の発熱を抑えることが可能となる。
【0080】
(第5の実施の形態)
図5は、本実施の形態による永久磁石式回転電機の回転子の製造方法の一例を示す平面図であり、図16と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0081】
すなわち、本実施の形態では、磁性部を有し周方向に磁気的に凹凸が形成された回転子鉄心6と、当該回転子鉄心6の隣合う磁極間を通る電機子コイル5からの磁束を打ち消すように設けられた永久磁石7とを備えて構成される、前述した永久磁石式回転電機の回転子3を製造する際に、図5に示すように、回転子鉄心6および永久磁石7を、軸方向に直交する方向に3以上の奇数個に分割して回転子鉄心片および磁石片とし、当該回転子鉄心片および磁石片から各々回転子片11を構成し、当該真ん中の回転子片11cを基準に両側で斜極を構成するように各々の回転子片11を1片ごとに同一方向に回転させながら回転子3全体を構成するようにしている。
【0082】
次に、以上のような本実施の形態による永久磁石式回転電機の回転子の製造方法においては、軸方向に直交する方向に分割された磁石片および回転子鉄心片から回転子片11を構成し、当該構成された回転子片11を全体として斜極となるように配置構成し、回転子片11を軸方向に対して斜めに貼り合わせて斜極を構成していることにより、固定子1を斜極する場合に比較して、回転子3の製造の手間を少なくすることができる。
【0083】
すなわち、従来では、斜極は回転の滑らかさを生むために用いられ、固定子1あるいは回転子3に施されているが、固定子1に施す場合には、鉄板をある量だけ回転させながら積層することにより構成していることから、固定子スキューは、積層時、コイル挿入時に手間を要していたが、この点本実施の形態では、かかる問題点を解消することができる。
【0084】
また、軸端両側からの斜極構成により、磁気推力を打ち消すことができる。
【0085】
すなわち、従来では、一方向の斜極構成としていることから、軸方向の磁気推力が働き、回転子3が固定子1から飛び出してしまうことがあったが、この点本実施の形態では、かかる問題点を解消することができる。
【0086】
上述したように、本実施の形態による永久磁石式回転電機の回転子の製造方法では、回転子3の製造を容易に行なうことが可能となると共に、永久磁石7表面の渦電流損の発生を軽減して、永久磁石7の発熱を抑えることが可能となり、さらに固定子1からの回転子3の飛び出しを防止することが可能となる。
【0087】
(第6の実施の形態)
図6は、本実施の形態による永久磁石式回転電機の回転子の製造方法の一例を示す概要図であり、図16と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0088】
すなわち、本実施の形態では、磁性部を有し周方向に磁気的に凹凸が形成された回転子鉄心6と、当該回転子鉄心6の隣合う磁極間を通る電機子コイル5からの磁束を打ち消すように設けられた永久磁石7とを備えて構成される、前述した永久磁石式回転電機の回転子3を製造する際に、図6に示すように、回転子鉄心6の磁極間部におのおの溝14を設けて回転子3全体を構成するようにしている。
【0089】
また、この場合、本実施の形態では、回転子3全体で軸方向に風を送るようにしている。
【0090】
次に、以上のような本実施の形態による永久磁石式回転電機の回転子の製造方法においては、回転子鉄心6の磁極間部に溝14を設けていることにより、永久磁石7の固定方法を容易とすることができる。
【0091】
すなわち、従来のように、磁極間部に溝を設けない場合には、永久磁石7の固定が困難となっていたが、この点本実施の形態では、かかる問題点を解消することができる。
【0092】
また、適切な極幅としていることにより、永久磁石7の使用量を低減して、コストダウンを図ることができる。
【0093】
さらに、より一層大きな突極性が現われ、リラクタンストルクを利用することができる。
【0094】
一方、回転子鉄心6の磁極間部に溝14を設け、かつ回転子片11を複数組み合わせていることにより、回転子3に、ファンあるいはフィン無しで軸方向へ風を送って、冷却も積極的に行なうことが可能となり、永久磁石7の発熱を抑えることができる。
【0095】
すなわち、従来では、回転子3に軸方向に風を送る場合には、回転子3にブァンあるいはフィンを取付ける必要があり、また回転子3を積極的に冷却しない場合には、永久磁石7が渦電流さらに固定子1からの輻射によって発熱する。そして、永久磁石7は温度が高くなるとその特性が落ちることから、温度上昇はなるべく抑えるようにしたいが、この点本実施の形態では、かかる問題点を解消することができる。
【0096】
上述したように、本実施の形態による永久磁石式回転電機の回転子の製造方法では、回転子3の製造を容易に行なうことが可能となると共に、永久磁石7表面の渦電流損の発生を軽減して、永久磁石7の発熱を抑えることが可能となり、冷却も積極的に行なうことが可能となり、さらにコストダウンを図ることが可能となる。
【0097】
(第7の実施の形態)
図7は、本実施の形態による永久磁石式回転電機の回転子の製造方法の一例を示す平面図および側面図であり、図16と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0098】
すなわち、本実施の形態では、磁性部を有し周方向に磁気的に凹凸が形成された回転子鉄心6と、当該回転子鉄心6の隣合う磁極間を通る電機子コイル5からの磁束を打ち消すように設けられた永久磁石7とを備えて構成される、前述した永久磁石式回転電機の回転子3を製造する際に、図7に示すように、永久磁石7の表面に溝15を設けて凹凸を形成して回転子3全体を構成するようにしている。
【0099】
次に、以上のような本実施の形態による永久磁石式回転電機の回転子の製造方法においては、永久磁石7の表面に溝15による凹凸をつけていることにより、永久磁石7表面の渦電流損の発生を軽減して、永久磁石7の発熱を抑えることができる。
【0100】
すなわち、従来では、永久磁石7の表面は滑らかとなっているが、このように構成した永久磁石7を電動機に使用した場合には、渦電流損が永久磁石7表面に発生して永久磁石7を加熱させる。そして、永久磁石7は温度が高くなるとその特性が落ちることから、温度上昇はなるべく抑えるようにしたいが、この点本実施の形態では、かかる問題点を解消することができる。
【0101】
上述したように、本実施の形態による永久磁石式回転電機の回転子の製造方法では、回転子3の製造を容易に行なうことが可能となると共に、永久磁石7表面の渦電流損の発生を軽減して、永久磁石7の発熱を抑えることが可能となる。
【0102】
(第8の実施の形態)
図8は、本実施の形態による永久磁石式回転電機の回転子の製造方法の一例を示す側面図であり、図16と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0103】
すなわち、本実施の形態では、磁性部を有し周方向に磁気的に凹凸が形成された回転子鉄心6と、当該回転子鉄心6の隣合う磁極間を通る電機子コイル5からの磁束を打ち消すように設けられた永久磁石7とを備えて構成される、前述した永久磁石式回転電機の回転子3を製造する際に、図8に示すように、永久磁石7を、軸方向に直交する方向に複数に分割して磁石片7aとし、回転子径方向の長さ(高さ)が異なる磁石片7aを各々交互に貼り合わせて永久磁石7全体に凹凸を形成して回転子3全体を構成するようにしている。
【0104】
また、この場合、本実施の形態では、各々の磁石片7aを貼り合せる際に、貼り合せる各々の磁石片7aの間に絶縁物12を充填しながら貼り合せるようにしている。
【0105】
次に、以上のような本実施の形態による永久磁石式回転電機の回転子の製造方法においては、複数分割した回転子径方向の長さが異なる磁石片7aを各々交互に貼り合わせて、永久磁石7全体に凹凸を構成して永久磁石7表面に凹凸をつけていることにより、永久磁石7表面の渦電流損の発生を軽減して、永久磁石7の発熱を抑えることができる。
【0106】
すなわち、従来では、永久磁石7の表面は滑らかとなっているが、このように構成した永久磁石7を電動機に使用した場合には、渦電流損が永久磁石7表面に発生して永久磁石7を加熱させる。そして、永久磁石7は温度が高くなるとその特性が落ちることから、温度上昇はなるべく抑えるようにしたいが、この点本実施の形態では、かかる問題点を解消することができる。
【0107】
また、各々の磁石片7aを貼り合わせる際に、絶縁物を充填していることにより、より一層渦電流損の発生を軽減して、永久磁石7の発熱をより一層効果的に抑えることができる。
【0108】
上述したように、本実施の形態による永久磁石式回転電機の回転子の製造方法では、回転子3の製造を容易に行なうことが可能となると共に、永久磁石7表面の渦電流損の発生を軽減して、永久磁石7の発熱を抑えることが可能となる。
【0109】
(第9の実施の形態)
図9は、本実施の形態による永久磁石式回転電機の回転子の製造方法の一例を示す平面図および断面図であり、図16と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0110】
すなわち、本実施の形態では、磁性部を有し周方向に磁気的に凹凸が形成された回転子鉄心6と、当該回転子鉄心6の隣合う磁極間を通る電機子コイル5からの磁束を打ち消すように設けられた永久磁石7とを備えて構成される、前述した永久磁石式回転電機の回転子3を製造する際に、図9に示すように、1極分の永久磁石7を、複数に分割して磁石片7aとし、当該磁石片7aを磁性体(鉄、ステンレス(例えばSUS400)等の強磁性体が好ましい)16の表面に各々互いに所定の空隙17を設けて貼り合わせて、磁性体16と永久磁石7とを一体化して回転子3全体を構成するようにしている。
【0111】
次に、以上のような本実施の形態による永久磁石式回転電機の回転子の製造方法においては、各々の磁石片7aを貼り合わせる間に空間17を設けていることにより、永久磁石7表面の渦電流損の発生を軽減して、永久磁石7の発熱を抑えることができる。
【0112】
すなわち、従来では、永久磁石(1極分)7は、磁石片を多数隙間無く貼り合わせて1極分としているが、このように構成した永久磁石7を電動機に使用した場合には、渦電流損が永久磁石7表面に発生して永久磁石7を加熱させる。そして、永久磁石7は温度が高くなるとその特性が落ちることから、温度上昇はなるべく抑えるようにしたいが、この点本実施の形態では、かかる問題点を解消することができる。
【0113】
上述したように、本実施の形態による永久磁石式回転電機の回転子の製造方法では、回転子3の製造を容易に行なうことが可能となると共に、永久磁石7表面の渦電流損の発生を軽減して、永久磁石7の発熱を抑えることが可能となる。
【0114】
(第10の実施の形態)
図10は、本実施の形態による永久磁石式回転電機の回転子の製造方法の一例を示す断面図であり、図9と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0115】
すなわち、本実施の形態では、図10に示すように、前述した第9の実施の形態において、磁石片7aを磁性体16の表面に各々互いに所定の空隙17を設けて貼り合わせて回転子3全体を構成する際に、空隙17に絶縁物18を挿入しながら貼り合せるようにしている。
【0116】
次に、以上のような本実施の形態による永久磁石式回転電機の回転子の製造方法においては、各々の磁石片7aを貼り合わせる間に空間を設ける、すなわち絶縁物18を挿入していることにより、永久磁石7表面の渦電流損の発生を軽減して、永久磁石7の発熱を抑えることができる。
【0117】
すなわち、従来では、永久磁石(1極分)7は、磁石片を多数隙間無く貼り合わせて1極分としているが、このように構成した永久磁石7を電動機に使用した場合には、渦電流損が永久磁石7表面に発生して、永久磁石7を加熱させる。そして、永久磁石7は温度が高くなるとその特性が落ちることから、温度上昇はなるべく抑えるようにしたいが、この点本実施の形態では、かかる問題点を解消することができる。
【0118】
また、各々の磁石片7aの貼り合わせにおいて空間に絶縁物18を挿入していることにより、磁石片7aの貼り合わせ寸法精度を向上させることができる。
【0119】
すなわち、従来では、着磁後の永久磁石7をある間隔を設けて貼り合せることは、磁力があることから決められた位置に貼り合せることは困難であったが、この点本実施の形態では、かかる問題点を解消することができる。
【0120】
上述したように、本実施の形態による永久磁石式回転電機の回転子の製造方法では、回転子3の製造を容易に行なうことが可能となると共に、永久磁石7表面の渦電流損の発生を軽減して、永久磁石7の発熱を抑えることが可能となり、さらに磁石片7aの貼り合わせ寸法精度を向上させることが可能となる。
【0121】
(第11の実施の形態)
図11は、本実施の形態による永久磁石式回転電機の回転子の製造方法の一例を示す断面図であり、図10と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0122】
すなわち、本実施の形態では、図11に示すように、前述した第10の実施の形態において、磁石片7aを磁性体16の表面に各々互いに所定の空隙17を設けて貼り合わせて回転子3全体を構成する際に、空隙17に、絶縁物18の代わりに、絶縁コーティング19を施した磁性体(例えばけい素鋼鈑)等の強磁性体が好ましい)20を挿入しながら貼り合せるようにしている。
【0123】
次に、以上のような本実施の形態による永久磁石式回転電機の回転子の製造方法においては、各々の磁石片7aを貼り合わせる間に空間を設ける、すなわち絶縁コーティング19した磁性体20を挿入していることにより、永久磁石7表面の渦電流損の発生を軽減して、永久磁石7の発熱を抑えることができる。
【0124】
また、各々の磁石片7aの貼り合わせにおいて空間に絶縁コーティング19した磁性体20を挿入していることにより、磁束量を増やすことができ、1極の構成を小さくすることができる。
【0125】
すなわち、前述のように、磁石片7a間に空隙17を設けた場合、あるいは絶縁物18を充填した場合には、1極分の全磁束量ば磁石片7a面に空間を設けない場合よりも少ない。このため、同じ磁束量を得る場合には、1極の構成が磁石片7a間に空間を設けた場合大きくなってしまう可能性があるが、この点本実施の形態では、かかる不具合をも解消することができる。
【0126】
上述したように、本実施の形態による永久磁石式回転電機の回転子の製造方法では、回転子3の製造を容易に行なうことが可能となると共に、永久磁石7表面の渦電流損の発生を軽減して、永久磁石7の発熱を抑えることが可能となり、さらに1極の構成を小さくすることが可能となる。
【0127】
(第12の実施の形態)
図12は、本実施の形態による永久磁石式回転電機の回転子の製造方法の一例を示す断面図であり、図10および図11と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0128】
すなわち、本実施の形態では、図12に示すように、前述した第10または第11の実施の形態において、前記絶縁物18、または絶縁コーティングした磁性体20の表面を、永久磁石7の表面よりも突出させるようにしている。
【0129】
次に、以上のような本実施の形態による永久磁石式回転電機の回転子の製造方法においては、各々の磁石片7aを貼り合わせる間に空間を設けていることにより、永久磁石7表面の渦電流損の発生をより一層軽減して、永久磁石7の発熱をより一層効果的に抑えることができる。
【0130】
また、各々の磁石片7aの貼り合わせにおいて空間に絶縁コーティングした磁性体20を挿入していることにより、磁束量を増やすことができ、1極の構成を小さくすることができる。
【0131】
すなわち、前述のように、磁石片7a間に空隙17を設けた場合、あるいは絶縁物18を充填した場合には、1極分の全磁束量ば磁石片7a面に空間を設けない場合よりも少ない。このため、同じ磁束量を得る場合には、1極の構成が磁石片7a間に空間を設けた場合大きくなってしまう可能性があるが、この点本実施の形態では、かかる不具合をも解消することができる。
【0132】
さらに、絶縁物18、または絶縁コーティングした磁性体20の表面を、永久磁石7の表面よりも突出させていることにより、固定子1に回転子3を組み入れる際に、永久磁石7の表面が固定子1の表面にぶつかったり、擦れたりすることなく組み入れることができ、結果として永久磁石7を保護することができる。
【0133】
すなわち、固定子1に回転子3を組み入れる際に、回転子3表面にある永久磁石7が固定子1表面とぶつかったり、擦れれたりしないような方策が必要であるが、この点本実施の形態では、かかる問題点を解消することができる。
【0134】
上述したように、本実施の形態による永久磁石式回転電機の回転子の製造方法では、回転子3の製造を容易に行なうことが可能となると共に、永久磁石7表面の渦電流損の発生を軽減して、永久磁石7の発熱を抑えることが可能となり、また1極の構成を小さくすることが可能となり、さらに固定子1に回転子3を組み入れる際に永久磁石7を保護することが可能となる。
【0135】
(第13の実施の形態)
図13は、本実施の形態による永久磁石式回転電機の回転子の製造方法の一例を示す断面図であり、図9と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0136】
すなわち、本実施の形態では、磁性部を有し周方向に磁気的に凹凸が形成された回転子鉄心6と、当該回転子鉄心6の隣合う磁極間を通る電機子コイル5からの磁束を打ち消すように設けられた永久磁石7とを備えて構成される、前述した永久磁石式回転電機の回転子3を製造する際に、図13に示すように、1極分の永久磁石7を、複数に分割して磁石片7aとし、当該磁石片7aを各々互いに所定の空隙17を設けて並べて樹脂モールド21して、分割された磁石片7aを一体化して回転子3全体を構成するようにしている。
【0137】
次に、以上のような本実施の形態による永久磁石式回転電機の回転子の製造方法においては、各々の磁石片7aを空間を設けて樹脂モールド21していることにより、永久磁石7表面の渦電流損の発生を軽減して、永久磁石7の発熱を抑えることができる。
【0138】
すなわち、従来では、永久磁石(1極分)7は、磁石片を多数隙間無く貼り合わせて1極分としているが、このように構成した永久磁石7を電動機に使用した場合には、渦電流損が永久磁石7表面に発生して、永久磁石7を加熱させる。そして、永久磁石7は温度が高くなるとその特性が落ちることから、温度上昇はなるべく抑えるようにしたいが、この点本実施の形態では、かかる問題点を解消することができる。
【0139】
また、各々の磁石片7aを樹脂モールド21していることにより、固定子1に回転子3を組み入れる際に、永久磁石7の表面が固定子1の表面にぶつかったり、擦れたりすることなく組み入れることができ、結果として永久磁石7を保護することができる。
【0140】
すなわち、固定子1に回転子3を組み入れる際に、回転子3表面にある永久磁石7が固定子1表面とぶつかったり、擦れれたりしないような方策が必要であるが、この点本実施の形態では、かかる問題点を解消することができる。
【0141】
上述したように、本実施の形態による永久磁石式回転電機の回転子の製造方法では、回転子3の製造を容易に行なうことが可能となると共に、永久磁石7表面の渦電流損の発生を軽減して、永久磁石7の発熱を抑えることが可能となり、さらに固定子1に回転子3を組み入れる際に永久磁石7を保護することが可能となる。
【0142】
(第14の実施の形態)
図14は、本実施の形態による永久磁石式回転電機の回転子の製造方法の一例を示す平面図であり、図9と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0143】
すなわち、本実施の形態では、前述した第9の実施の形態において、磁石片7aを磁性体16の表面に互いに所定の空隙17を設けて貼り合わせて回転子3全体を構成する際に、空隙17間に電気的に接触しないように短絡された導電性材料(例えば、銅、アルミ等)22を挿入しながら貼り合せるようにしている。
【0144】
次に、以上のような本実施の形態による永久磁石式回転電機の回転子の製造方法においては、永久磁石7を用いた同期電動機でも、図14に示すように、磁石片7a間に制動巻線を構成するようにして、トルク変動の際の振動抑制、電源変動による振動抑制を図ることができる。
【0145】
すなわち、一般産業用の同期電動機が、例えばコンプレッサのような往復運動機械を負荷とするような場合には、負荷のトルクが一定でなく、平均値の上下に脈動する。そして、この場合、同期電動機が一定速度を保つことができず、強制振動によって電流の振幅が周期的に変化し、安定に運転することができない。そこで、従来では、同期電動機が同期速度から少しでも外れる時に、これを制動するのに有効な手段として、磁極片にスロットを設け、導体を挿入して両端を短絡環で結んでかご形巻線(制動巻線)を設ける必要があったが、この点本実施の形態では、かかる問題点を解消することができる。
【0146】
また、永久磁石7aを分割していることにより、永久磁石7表面の渦電流損の発生を軽減して、永久磁石7の発熱を抑えることができる。
【0147】
上述したように、本実施の形態による永久磁石式回転電機の回転子の製造方法では、回転子3の製造を容易に行なうことが可能となると共に、永久磁石7表面の渦電流損の発生を軽減して、永久磁石7の発熱を抑えることが可能となり、さらにトルク変動の際の振動抑制、電源変動による振動抑制を図ることが可能となる。
【0148】
(第15の実施の形態)
図15は、本実施の形態による永久磁石式回転電機の回転子の製造方法の一例を示す平面図であり、図9と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0149】
すなわち、本実施の形態では、図15に示すように、前述した第9の実施の形態において、磁石片7aを磁性体16の表面に互いに所定の空隙17を設けて貼り合わせて回転子3全体を構成する際に、永久磁石7の周囲に短絡された導電性材料(例えば、銅、アルミ等)22を構成しながら貼り合せるようにしている。
【0150】
次に、以上のような本実施の形態による永久磁石式回転電機の回転子の製造方法においては、永久磁石7を用いた同期電動機でも、図15に示すように、磁石片7a間に制動巻線を構成するようにして、トルク変動の際の振動抑制、電源変動による振動抑制を図ることができる。
【0151】
すなわち、一般産業用の同期電動機が、例えばコンプレッサのような往復運動機械を負荷とするような場合には、負荷のトルクが一定でなく、平均値の上下に脈動する。そして、この場合、同期電動機が一定速度を保つことができず、強制振動によって電流の振幅が周期的に変化し、安定に運転することができない。そこで、従来では、同期電動機が同期速度から少しでも外れる時に、これを制動するのに有効な手段として、磁極片にスロットを設け、導体を挿入して両端を短絡環で結んでかご形巻線(制動巻線)を設ける必要があったが、この点本実施の形態では、かかる問題点を解消することができる。
【0152】
また、永久磁石7aを分割していることにより、永久磁石7表面の渦電流損の発生を軽減して、永久磁石7の発熱を抑えることができる。
【0153】
上述したように、本実施の形態による永久磁石式回転電機の回転子の製造方法では、回転子3の製造を容易に行なうことが可能となると共に、永久磁石7表面の渦電流損の発生を軽減して、永久磁石7の発熱を抑えることが可能となり、さらにトルク変動の際の振動抑制、電源変動による振動抑制を図ることが可能となる。
【0154】
(その他の実施の形態)
尚、本発明は、上記各実施の形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で、種々に変形して実施することが可能である。
例えば、前記第1の実施の形態では、回転子片11を各々順次重ね合わせて回転子全体を構成する際に、重ね合わせる回転子片11の間に絶縁物12を充填しながら重ね合わせる場合について説明したが、必ずしも、絶縁物12を充填しながら重ね合わせる必要はない。
【0155】
また、前記第3の実施の形態では、各々の磁石片7aを貼り合せて斜極を構成する際に、貼り合せる各々の磁石片7aの間に絶縁物12を充填しながら貼り合せる場合について説明したが、必ずしも、絶縁物12を充填しながら重ね合わせる必要はない。
【0156】
さらに、前記第6の実施の形態では、回転子3全体で軸方向に風を送るようにする場合について説明したが、必ずしも、回転子3全体で軸方向に風を送るようにする必要はない。
【0157】
さらにまた、前記第8の実施の形態では、各々の磁石片7aを貼り合せる際に、貼り合せる各々の磁石片7aの間に絶縁物12を充填しながら貼り合せる場合について説明したが、必ずしも、絶縁物12を充填しながら重ね合わせる必要はない。
【0158】
一方、各実施の形態は可能な限り適宜組合わせて実施してもよく、その場合には組合わせた作用効果を得ることができる。
さらに、上記各実施の形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組合わせにより、種々の発明を抽出することができる。
例えば、実施の形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題(の少なくとも一つ)が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果(の少なくとも一つ)が得られる場合には、この構成要件が削除された構成を発明として抽出することができる。
【0159】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の永久磁石式回転電機の回転子の製造方法によれば、回転子の製造を容易に行なうことが可能となる。
【0160】
また、本発明の永久磁石式回転電機の回転子の製造方法によれば、永久磁石表面の渦電流損の発生を軽減して、永久磁石の発熱を抑えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による永久磁石式回転電機の回転子の製造方法の第1の実施の形態を示す平面図。
【図2】本発明による永久磁石式回転電機の回転子の製造方法の第2の実施の形態を示す平面図。
【図3】本発明による永久磁石式回転電機の回転子の製造方法の第3の実施の形態を示す平面図。
【図4】本発明による永久磁石式回転電機の回転子の製造方法の第4の実施の形態を示す概要図。
【図5】本発明による永久磁石式回転電機の回転子の製造方法の第5の実施の形態を示す平面図。
【図6】本発明による永久磁石式回転電機の回転子の製造方法の第6の実施の形態を示す概要図。
【図7】本発明による永久磁石式回転電機の回転子の製造方法の第7の実施の形態を示す平面図および側面図。
【図8】本発明による永久磁石式回転電機の回転子の製造方法の第8の実施の形態を示す側面図。
【図9】本発明による永久磁石式回転電機の回転子の製造方法の第9の実施の形態を示す平面図および断面図。
【図10】本発明による永久磁石式回転電機の回転子の製造方法の第10の実施の形態を示す断面図。
【図11】本発明による永久磁石式回転電機の回転子の製造方法の第11の実施の形態を示す断面図。
【図12】本発明による永久磁石式回転電機の回転子の製造方法の第12の実施の形態を示す断面図。
【図13】本発明による永久磁石式回転電機の回転子の製造方法の第13の実施の形態を示す断面図。
【図14】本発明による永久磁石式回転電機の回転子の製造方法の第14の実施の形態を示す平面図。
【図15】本発明による永久磁石式回転電機の回転子の製造方法の第15の実施の形態を示す平面図。
【図16】従来の永久磁石式回転電機の構成例を示す径方向断面図。
【符号の説明】
1…固定子、
2…空隙、
3…回転子、
4…固定子鉄心、
5…電機子コイル、
6…回転子鉄心、
7…永久磁石、
7a…磁石片
8…空洞部、
9…切り欠き(空洞部)、
11…回転子片、
11c…回転子片、
12…絶縁物、
13…間隔、
14…溝、
15…溝、
16…磁性体、
17…空隙、
18…絶縁物、
19…絶縁コーティング、
20…磁性体、
21…樹脂モールド、
22…短絡された導電性材料。

Claims (4)

  1. 磁性部を有し周方向に磁気的に凹凸が形成された回転子鉄心と、当該回転子鉄心の隣合う磁極間を通る電機子コイルからの磁束を打ち消すように設けられた永久磁石とを備えて構成される永久磁石式回転電機の回転子の製造方法において、
    前記回転子鉄心および永久磁石を、軸方向に直交する方向に3以上の奇数個に分割して回転子鉄心片および磁石片とし、
    前記回転子鉄心片および磁石片を各々貼り合せて回転子片を構成し、
    前記回転子片を各々順次重ね合わせて前記回転子全体を構成し、
    前記回転子片を各々順次重ね合わせて前記回転子全体を構成する際に、重ね合わせる各々の前記回転子片の間に電気的に絶縁する絶縁物を充填しながら重ね合わせ
    真ん中の回転子片を基準に両側で斜極を構成するように各々の回転子片を1片ごとに同一方向に回転させながら前記回転子全体を構成するようにしたことを特徴とする永久磁石式回転電機の回転子の製造方法。
  2. 前記請求項1に記載の永久磁石式回転電機の回転子の製造方法において、
    前記回転子全体で軸方向に風を送るようにしたことを特徴とする永久磁石式回転電機の回転子の製造方法。
  3. 磁性部を有し周方向に磁気的に凹凸が形成された回転子鉄心と、当該回転子鉄心の隣合う磁極間を通る電機子コイルからの磁束を打ち消すように設けられた永久磁石とを備えて構成される永久磁石式回転電機の回転子の製造方法において、
    1極分の前記永久磁石を、複数に分割して前記磁石片とし、
    前記磁石片を磁性体の表面に各々互いに所定の空隙を設けて貼り合わせて前記磁性体と永久磁石とを一体化して回転子全体を構成し、
    前記磁石片を磁性体の表面に互いに所定の空隙を設けて貼り合わせて回転子全体を構成する際に、前記一極分の永久磁石毎に、前記空隙間に電気的に接触しないように、短絡された導電性材料を挿入しながら貼り合せるようにしたことを特徴とする永久磁石式回転電機の回転子の製造方法。
  4. 前記請求項に記載の永久磁石式回転電機の回転子の製造方法において、
    前記磁石片を磁性体の表面に互いに所定の空隙を設けて貼り合わせて回転子全体を構成する際に、前記永久磁石の周囲に短絡された導電性材料を構成しながら貼り合せるようにしたことを特徴とする永久磁石式回転電機の回転子の製造方法。
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