JP4649973B2 - アキシャルギャップ型回転電機のコイル結線構造 - Google Patents
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Description
しかしながら、従来のバスバー積層体は、絶縁材によるバスバーケースに形成された軸方向のバスバー溝に対し、複数のバスバーが同心円状で半径方向同一位置に軸方向に積層して設けられるため、隣接する2つのバスバー間の絶縁材による沿面距離が短い距離となり、高い絶縁性能が確保されず、バスバーに高電圧が通電される場合、短い絶縁表面に沿って2つのバスバー間で漏電損失が発生してしまう、という問題があった。
前記ステータコイルは、絶縁材によるバスバーケースに形成された軸方向のバスバー溝に対し、同心円状で半径方向に積層して設けられた複数のバスバーに結線し、
前記複数のバスバーをそれぞれ軸方向にずらして階段状に配置した傾斜バスバー積層体を設け、ステータの内周位置に傾斜バスバー積層体を配置し、且つ、バスバーケースのロータと対向しないケース背面を、複数のバスバーの階段状配置に沿った第1テーパ面とし、ステータケースに、バスバーケースの背面に近接する位置まで軸方向に延びる第1冷媒路を形成したことを特徴とする。
そして、前記複数のバスバーをそれぞれ軸方向にずらして階段状に配置した傾斜バスバー積層体が設けられるため、複数のバスバーが同一軸上に一致させて配置されたバスバー積層体に比べ、隣接する2つのバスバー間の絶縁材による沿面距離が長い距離となる。
この結果、ステータコイルへの結線構造としてバスバー積層体を適用しながら、隣接するバスバー間の絶縁性能を向上させることができるとともに冷却性能も向上させることができる。
図1は実施例1のコイル結線構造が適用された1ロータ・2ステータ型のアキシャルギャップ型回転電機を示す全体断面図、図2は実施例1のコイル結線構造が適用されたアキシャルギャップ型回転電機のステータを示す正面図である。
実施例1のアキシャルギャップ型回転電機は、ロータ軸1と、ロータ2と、一対のステータ3,3と、回転電機ケース4と、を備えていて、前記ロータ2と前記一対のステータ3,3とは軸方向に対向して配設されている。
前記傾斜バスバー積層体18は、絶縁材によるバスバーケース30に形成された軸方向のバスバー溝30aに対し、同心円状で半径方向に積層して設けられた複数のバスバー31をそれぞれ軸方向にずらして階段状に配置している。そして、複数のバスバー31のそれぞれは、U相・V相・W相・中性を分担し、12個のステータコイル16に対し三相交流を供給するべく、周方向にU相バスバー・V相バスバー・W相バスバーという順番を4回繰り返しながら結線し、中性バスバーは全てのステータコイル16に結線している(図2参照)。なお、中性バスバーは省略が可能である。
従来のバスバー積層体は、例えば、図4(a)に示すように、絶縁材によるバスバーケースに形成された軸方向のバスバー溝に対し、複数のバスバーが同心円状で半径方向同一位置に軸方向に積層して設けられるため、図4(b)に示すように、隣接する2つのバスバー間の絶縁材による沿面距離が短い距離となり、高い絶縁性能が確保されず、バスバーに高電圧が通電される場合、短い絶縁表面に沿って2つのバスバー間で漏電損失が発生してしまう。つまり、バスバーとバスバー溝との引き込み量をa、バスバーケース厚をb、とした場合、沿面距離は(2a+b)となる。
したがって、隣接する2つのバスバー31,31間の絶縁材による沿面距離が長い距離となるため、バスバー31,31間の絶縁性能を向上させることができる。
実施例1のアキシャルギャップ型回転電機のコイル結線構造にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
すなわち、実施例4のアキシャルギャップ型回転電機のコイル結線構造は、図7に示すように、前記傾斜バスバー積層体18は、階段状に配置されている複数のバスバー31のうち、内周側のバスバー31とロータ中心線との軸方向間隔を長く設定し、外周側のバスバー31とロータ中心線との軸方向間隔を短く設定している。
前記傾斜バスバー積層体18は、ステータ3の内周位置に配置され、且つ、前記バスバーケース30のロータ2と対向しないケース背面は、複数のバスバー31の階段状配置に沿った第1テーパ面30bとされ、前記ステータコア14とステータコイル16を収納するステータケース13に、前記バスバーケース30の背面に近接する位置まで軸方向に延びる冷媒ギャラリー20(第1冷媒路)を形成している。なお、他の構成は実施例1と同様であるので、対応する構成に同一符号を付して説明を省略する。また、作用についても、ロータ剛性の確保作用と冷媒噴射作用を除き、実施例1と同様であるの説明を省略する。
よって、実施例4のアキシャルギャップ型回転電機のコイル結線構造にあっては、実施例1の(1),(2),(4)の効果を得ることができる。
すなわち、実施例5のアキシャルギャップ型回転電機のコイル結線構造は、図8に示すように、前記傾斜バスバー積層体18は、階段状に配置されている複数のバスバー31のうち、内周側のバスバー31とロータ中心線との軸方向間隔を長く設定し、外周側のバスバー31とロータ中心線との軸方向間隔を短く設定している。
前記傾斜バスバー積層体18は、ステータ3の内周位置に配置され、前記ロータ2は、前記傾斜バスバー積層体18と軸方向に対向する内周部分を、ロータ軸に向かってロータ厚が徐々に拡大するテーパ補強部2aとしている。
前記傾斜バスバー積層体18は、ステータ3の内周位置に配置され、且つ、前記バスバーケース30のロータ2と対向しないケース背面は、複数のバスバー31の階段状配置に沿った第1テーパ面30bとされ、前記ステータコア14とステータコイル16を収納するステータケース13に、前記バスバーケース30の背面に近接する位置まで軸方向に延びる冷媒ギャラリー20(第1冷媒路)を形成している。なお、他の構成は実施例1と同様であるので、対応する構成に同一符号を付して説明を省略する。また、作用についても、ロータ剛性の確保作用と冷媒噴射作用を除き、実施例1と同様であるの説明を省略する。
よって、実施例5のアキシャルギャップ型回転電機のコイル結線構造にあっては、実施例1の(1),(2),(3),(4)の効果を得ることができる。
2 ロータ
2a テーパ補強部
3 ステータ
4 回転電機ケース
5 第1軸受け
6 第2軸受け
7 軸心油路
8 第1径方向油路(第2冷媒路)
9 第2径方向油路
10 第3径方向油路
11 ロータプレート
12 永久磁石
13 ステータケース
14 ステータコア
15 絶縁体
16 ステータコイル
17 コアベース
18 傾斜バスバー積層体
19 送電端子
20 冷媒ギャラリー(第1冷媒路)
21 樹脂モールド部
21a 第2テーパ面
30 バスバーケース
30a バスバー溝
30b 第1テーパ面
31 バスバー
Claims (2)
- 永久磁石を配置したロータと、ステータコアとステータコイルを有するステータと、を備え、前記ロータと前記ステータが軸方向に配設されたアキシャルギャップ型回転電機において、
前記ステータコイルは、絶縁材によるバスバーケースに形成された軸方向のバスバー溝に対し、同心円状で半径方向に積層して設けられた複数のバスバーに結線し、
前記複数のバスバーをそれぞれ軸方向にずらして階段状に配置した傾斜バスバー積層体を設け、
前記傾斜バスバー積層体は、ステータの内周位置に配置され、且つ、前記バスバーケースのロータと対向しないケース背面は、複数のバスバーの階段状配置に沿った第1テーパ面とされ、
前記ステータコアとステータコイルを収納するステータケースに、前記バスバーケースの背面に近接する位置まで軸方向に延びる第1冷媒路を形成したことを特徴とするアキシャルギャップ型回転電機のコイル結線構造。 - 永久磁石を配置したロータと、ステータコアとステータコイルを有するステータと、を備え、前記ロータと前記ステータが軸方向に配設されたアキシャルギャップ型回転電機において、
前記ステータコイルは、絶縁材によるバスバーケースに形成された軸方向のバスバー溝に対し、同心円状で半径方向に積層して設けられた複数のバスバーに結線し、
前記複数のバスバーをそれぞれ軸方向にずらして階段状に配置した傾斜バスバー積層体を設け、
前記傾斜バスバー積層体は、ステータの内周位置に配置され、且つ、前記バスバーケースのロータと対向するケース正面は、樹脂モールド部により複数のバスバーの階段状配置に沿った第2テーパ面とされ、
前記ロータを支持するロータ軸に、ロータ表面と前記第2テーパ面との間に向かって半径方向に冷媒を噴射する第2冷媒路を形成したことを特徴とするアキシャルギャップ型回転電機のコイル結線構造。
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