JP2003299287A - 同期モータのコイル給電構造 - Google Patents

同期モータのコイル給電構造

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JP2003299287A
JP2003299287A JP2002098293A JP2002098293A JP2003299287A JP 2003299287 A JP2003299287 A JP 2003299287A JP 2002098293 A JP2002098293 A JP 2002098293A JP 2002098293 A JP2002098293 A JP 2002098293A JP 2003299287 A JP2003299287 A JP 2003299287A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 良好なコイル線の結線作業性と、各相毎のコ
イル抵抗のバラツキ防止と、簡単なコイル線接続による
コイル線の分配/集結性と、を省スペースにて実現する
ことができる同期モータのコイル給電構造を提供するこ
と。 【解決手段】 相用のバスバー70,71,72と中性
点用バスバー73とを互いにクリアランスを介して軸方
向に重ね合わせた積層バスバーとし、この積層バスバー
をステータ4の端部に沿った配置とし、かつ、積層バス
バー状態で相用のバスバー70,71,72のコイル接
続部70c,71c,72cと中性点用バスバー73の
コイル接続部73bとを各相毎に一対とし、この複数対
のコイル接続部を、各対のコイル接続部と対応関係にあ
る各相のコイル42U,42V,42Wの位置に近接す
る配置とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ステータ側にコイ
ル、ロータ側に永久磁石を使用し、ステータ側の磁界を
回転させることによってロータを回転させる同期モータ
のコイル給電構造の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】従来、多層モータのコイル給電構造とし
ては、例えば、特開2000−14986号公報に記載
のものが知られている。
【0003】この従来公報には、インナーロータとアウ
ターロータとの間にステータが配置された多層モータに
おいて、複数のステータ積層体に巻かれるコイルに対す
る給電構造として、ステータの端面から延伸された複数
のコイル線端部をそれぞれ絶縁パイプにて被覆し、複数
のU相コイルの端部を互いに接続して1つのU相給電線
とし、複数のV相コイルの端部を互いに接続して1つの
V相給電線とし、複数のW相コイルの端部を互いに接続
して1つのW相給電線とし、また、複数の中性点コイル
の端部を互いに接続する。そして、これら複数のコイル
線をステータの端面円周上に沿わせて束ね、最後に、U
相給電線とV相給電線とW相給電線との3本の給電線を
取り出すものが記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
多層モータのコイル給電構造にあっては、下記に列挙す
る問題点があった。
【0005】(1)モータの中性点や各相への給電線への
接続を、コイル巻き線同士の圧着や半田付けにより実現
していたため、コイル巻き線の取り廻しや接続部分の絶
縁処理等の作業が煩雑となっていた。
【0006】(2)従来は、集中巻きされたステータコア
の結線時にコイルを引き回して接続していたため、コイ
ル線の長さがばらつき、コイルの抵抗がばらつくという
問題があった。
【0007】(3)また、多層モータは、各相に複数の極
が並列に接続されて構成されるため、分配/集結のため
の接続が複雑になる。
【0008】本発明は、上記問題点に着目してなされた
もので、良好なコイル線の結線作業性と、各相毎のコイ
ル抵抗のバラツキ防止と、簡単なコイル線接続によるコ
イル線の分配/集結性と、を省スペースにて実現するこ
とができる同期モータのコイル給電構造を提供すること
を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明では、モータ相数に対応する各相のコイルに
対し回転方向にトルクを発生するように電流を流し、ス
テータの磁界を回転させることによってロータを回転さ
せる同期モータのコイル給電構造において、内側に突出
する給電部と外側に突出するコイル接続部を有し、モー
タ相数だけ用意されたプレートリング状の相用バスバー
と、外側に突出するコイル接続部を有するプレートリン
グ状の中性点用バスバーと、を備え、相用バスバーと中
性点用バスバーとを互いにクリアランスを介して軸方向
に重ね合わせた積層バスバーとし、この積層バスバーを
ステータの端部に沿った配置とし、かつ、積層バスバー
状態で相用バスバーのコイル接続部と中性点用バスバー
のコイル接続部とを各相毎に一対とし、この複数対のコ
イル接続部を、各対のコイル接続部と対応関係にある各
相のコイル位置に近接する配置とした。
【0010】ここで、同期モータは、1ロータ・1ステ
ータに限らず、複数のロータや複数のステータを有する
モータも含まれる。
【0011】また、バスバーとは、コイル線と電流印加
線との接続部に用いられる導電接続材を意味する。
【0012】
【発明の効果】よって、本発明にあっては、各相のコイ
ルの端部から延伸された2本のコイル線を、それぞれ相
用バスバーのコイル接続部と中性点用バスバーのコイル
接続部とに接続し、相用バスバーの給電部に給電線を接
続するだけで結線作業を終了するというように、良好な
コイル線の結線作業性が得られる。また、各相について
同じプレートリング状の相用バスバーを採用したため、
各相毎のコイル抵抗のバラツキを防止することができ
る。また、外側にコイル接続部を内側に給電部を設けた
相用バスバーを採用したため、簡単なコイル線接続によ
るコイル線の分配/集結性を得ることができる。加え
て、全体として積層バスバーが構成されるため、ステー
タの端部の僅かなスペースを占有するだけで、省スペー
スにてコイル給電構造を実現することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の同期モータのコイ
ル給電構造を実現する実施の形態を、請求項1,2,
3,4,5に係る発明に対応する第1実施例に基づいて
説明する。
【0014】(第1実施例)まず、全体構成を説明す
る。図1は第1実施例のコイル給電構造が適用された多
層モータM(三相同期モータの一例)を示す縦断側面
図、図2は第1実施例のステータ支持構造が適用された
多層モータMを示す一部縦断正面図、図3は第1実施例
のステータを背面側から視た図である。
【0015】多層モータMは、インナーロータ中空軸1
(第一の回転軸)に接続されたインナーロータ2と、該
インナーロータ2の外周に配置され、モータハウジング
3に固定されたステータ4と、該ステータ4の外周に配
置され、アウターロータ軸5(第二の回転軸)に接続さ
れたアウターロータ6と、を有する三層モータ構造とさ
れている。
【0016】前記インナーロータ2は、その内筒面がイ
ンナーロータ中空軸1の段差軸端部に対して圧入により
固定されている。このインナーロータ2には、図2に示
すように、ロータベース20に対し磁束形成を考慮した
配置によるインナーロータマグネット21(永久磁石)
が軸方向に12本埋設されている。
【0017】前記ステータ4は、ステータピース40と
ステータピース積層体41とコイル42と冷却水路43
とインナー側ボルト・ナット44とアウター側ボルト・
ナット45と非磁性体樹脂層46とを有して構成されて
いる。そして、ステータ4の正面側端部が、正面側エン
ドプレート7とステータ固定ケース8とを介してモータ
ハウジング3に固定されている。
【0018】前記コイル42は、コイル数が18で、図
3に示すように、U相コイル42Uと、V相コイル42
Vと、W相コイル42Wと1グループとし、これを6回
繰り返しながら円周上に配置される。
【0019】そして、前記U相コイル42U、V相コイ
ル42V、W相コイル42Wに対しては、図外のインバ
ータから給電接続端子9と給電リング10と給電コネク
タ11とコイル給電構造12を介して複合電流が印加さ
れる。
【0020】前記アウターロータ6は、その外筒面がア
ウターロータ固定ケース13に対して圧入固定されてい
る。そして、アウターロータ固定ケース13の背面側端
部には連結ケース部14が固定され、この連結ケース部
14にアウターロータ軸5がスプライン結合されてい
る。このアウターロータ6には、図2に示すように、ロ
ータベース60に対し磁束形成を考慮した配置によるア
ウターロータマグネット61(永久磁石)が、両端位置
に空間を介して軸方向に12本埋設されている。
【0021】なお、図1において、80,81はアウタ
ーロータ6をモータハウジング3に支持する一対のアウ
ターロータ軸受、82はインナーロータ2をモータハウ
ジング3に支持するインナーロータ軸受、83はアウタ
ーロータ6の回転を許容しながらステータ4を支持する
ステータ軸受、84はインナーロータ中空軸1とアウタ
ーロータ軸5との間に介装される相対回転軸受である。
また、85はインナーロータ2の回転位置を検出するイ
ンナーロータレゾルバ、86はアウターロータ6の回転
位置を検出するアウターロータレゾルバである、次に、
コイル給電構造12の構成を説明する。
【0022】図4は第1実施例のコイル給電構造12を
示す全体図、図5は第1実施例のコイル給電構造12の
U相部断面図、図6は第1実施例のコイル給電構造12
の橋パーアッセンブリ部品を示す図、図7は第1実施例
のコイル給電構造12のU相バスバーとV相バスバーを
示す図、図8は第1実施例のコイル給電構造12のW相
バスバーと中性点用バスバーと絶縁材を示す図、図9は
第1実施例のコイル給電構造12のバスバー積層体を示
す断面図、図10は第1実施例のコイル給電構造12の
切り欠き部を有するバスバー積層体を示す図である。た
だし、図4〜図10では、コイル給電構造12の構成を
簡単で分かりやすく説明するために、実際にはコイル数
が18であるが1/3のコイル数6のものを示す。
【0023】前記コイル給電構造12は、図6に示すよ
うに、U相バスバー70(相用バスバー)と、V相バス
バー71(相用バスバー)と、W相バスバー72(相用
バスバー)と、中性点用バスバー73との間のそれぞれ
に絶縁材74を3枚介装して積層した後、図9に示すよ
うに、全体を絶縁樹脂75で封止したバスバー積層体7
6により構成される。
【0024】前記U相バスバー70は、図7(イ)に示
すように、プレートリング状の本体部70aと、該本体
部70aから内側に突出する1つのU相給電部70b
(給電部)と、前記本体部70aから外側に突出するコ
イル接続部70c(U相コイル42Uに対応する数)
と、を有して構成される。
【0025】前記V相バスバー71は、図7(ロ)に示
すように、プレートリング状の本体部71aと、該本体
部71aから内側に突出する1つのU相給電部71b
(給電部)と、前記本体部71aから外側に突出するコ
イル接続部71c(V相コイル42Vに対応する数)
と、を有して構成される。
【0026】前記W相バスバー72は、図8(イ)に示
すように、プレートリング状の本体部72aと、該本体
部72aから内側に突出する1つのW相給電部72b
(給電部)と、前記本体部72aから外側に突出するコ
イル接続部72c(W相コイル42Wに対応する数)
と、を有して構成される。
【0027】前記中性点用バスバー73は、図8(ロ)
に示すように、プレートリング状の本体部73aと、該
本体部73aから外側に突出するコイル接続部73b
(各相全てもコイル数に対応する数)と、を有して構成
される。
【0028】前記絶縁材74は、図8(ハ)に示すよう
に、プレートリング状であり、絶縁紙等を素材として作
られる。なお、これらのバスバー70,71,72,7
3の本体部70a,71a,72a,73aと絶縁材7
4は、同じ内径寸法と外径寸法を有するプレートリング
状のものである。
【0029】前記バスバー積層体76は、図10に示す
ように、周上の一部に冷却水を供給する経路を確保する
ために切り欠き部76aを有する。
【0030】前記バスバー積層体76は、図1に示すよ
うに、ステータ4の正面側端部の内側位置に沿った配置
とされる。そして、図4に示すように、バスバー積層体
76は、U相コイル接続部70cと中性点コイル接続部
73bによる一対の接続部と、V相コイル接続部71c
と中性点コイル接続部73bによる一対の接続部と、W
相コイル接続部72cと中性点コイル接続部73bによ
る一対の接続部とを、円周上に等間隔にて放射状に配置
している。
【0031】さらに、前記複数対のコイル接続部を、図
4に示すように、各対のコイル接続部と対応関係にある
U相コイル42UとV相コイル42VとW相コイル42
Wの位置に近接する配置としている。そして、バスバー
積層体76の内側には、U相給電部70bとV相給電部
71bとW相給電部72bとを、円周上に等間隔にて放
射状に配置している。
【0032】次に、作用を説明する。
【0033】[多層モータの基本機能]2ロータ・1ス
テータの多層モータMを採用したことで、図2に示すよ
うに、アウターロータ磁力線とインナーロータ磁力線と
の2つの磁力線が作られ、コイル42及び図外のインバ
ータを2つのインナーロータ2とアウターロータ6に対
し共用できる。そして、インナーロータ2に対する電流
とアウターロータ6に対する電流を重ね合わせた複合電
流を1つのコイル42に印加することにより、2つのロ
ータ2,6をそれぞれ独立に制御することができる。つ
まり、外観的には、1つの多層モータMであるが、モー
タ機能とジェネレータ機能の異種または同種の機能を組
み合わせものとして使える。
【0034】よって、例えば、ロータとステータを持つ
モータと、ロータとステータを持つジェネレータの2つ
のものを設ける場合に比べて大幅にコンパクトになり、
スペース・コスト・重量の面で有利であると共に、コイ
ル共用化により電流による損失(銅損,スイッチングロ
ス)を低減することができる。
【0035】また、複合電流制御のみで(モータ+ジェ
ネレータ)の使い方に限らず、(モータ+モータ)や
(ジェネレータ+ジェネレータ)の使い方も可能である
というように、高い選択自由度を持ち、例えば、ハイブ
リッド車の駆動源に採用した場合、これら多数の選択肢
の中から車両状態に応じて最も効果的或いは効率的な組
み合わせを選択することができる。
【0036】[コイルの結線作業]従来の多層モータの
コイル給電構造は、モータの中性点や各相への給電線へ
の接続を、コイル巻き線同士の圧着や半田付けにより実
現していたため、コイル巻き線の取り廻しや接続部分の
絶縁処理等の作業が煩雑となっていた。
【0037】これに対し、第1実施例のコイル給電構造
12は、バスバー積層体76の外側には、複数対のコイ
ル接続部を、各対のコイル接続部と対応関係にあるU相
コイル42UとV相コイル42VとW相コイル42Wの
位置に近接する配置とし、バスバー積層体76の内側に
は、U相給電部70bとV相給電部71bとW相給電部
72bとを、円周上に等間隔にて放射状に配置してい
る。
【0038】この配置により、例えば、U相コイル42
Uを接続する場合、図5に示すように、U相コイル42
Uの端部から延伸された短い2本のコイル線を、それぞ
れU相バスバー70のコイル接続部70cと中性点用バ
スバー73のコイル接続部73bとに接続し、U相バス
バー70の給電部70bにインバータからの給電線を接
続するだけで結線作業を終了する。V相コイル42Vや
W相コイル42Wについても同様であり、コイルとバス
バーとの結線作業が放射状に配置された各コイル42
U,42V,42Wの近傍で容易に行える。
【0039】さらに、第1実施例のコイル給電構造12
は、一対の接続部となる各相のコイル接続部70c,7
1c,72cと中性点コイル接続部73bとがそれぞれ
軸方向に離れた位置に配置されているため、コイルと接
続点との結線作業時に工具がアクセスしやすく、半田付
け等の結合作業が容易となる。
【0040】加えて、各相のコイル接続部70c,71
c,72cと中性点コイル接続部73bとを放射状に延
伸する細長い形状としているため、この接続部に熱を加
えた場合に本体部への熱移動が抑制されて、接続部の温
度が上昇し易くなるので、半田付け機器や溶接機器等の
出力が小さくて済むと共に、コイルとの接続作業時間も
短縮することができる。
【0041】[各相のコイル抵抗]従来の多層モータの
コイル給電構造は、集中巻きされたステータコアの結線
時にコイルを引き回して接続していたため、コイル線の
長さがばらつき、コイルの抵抗がばらつくという問題が
あった。
【0042】これに対し、第1実施例のコイル給電構造
12では、U相とV相とW相の各相について同じプレー
トリング状のU相バスバー70とV相バスバー71とW
相バスバー72を採用したため、放射状に離れたところ
にあるU相コイル42UとV相コイル42VとW相コイ
ル42Wから給電部70b,71b,72bまでの抵抗
が均一化され、各相毎のコイル抵抗のバラツキが緩和さ
れる。
【0043】[コイル線の分配/集結性]従来の多層モ
ータのコイル給電構造では、各相に複数の極が並列に接
続されて構成されるため、分配/集結のための接続が複
雑になる。例えば、第1実施例で示した多層モータMの
場合、三相で各相について6極であり、36個所に分配
する接続(コイルとの接続個所数)と3個所に集結する
接続(給電部との接続個所数)を要する。
【0044】これに対し、第1実施例のコイル給電構造
12では、図11に示すように、各相毎に共通のU相バ
スバー70とV相バスバー71とW相バスバー72を設
け、全ての相に共通の中性点バスバー73を採用したた
め、各相毎に配線を集中・分配することができる。つま
り、複雑なコイル線の分配/集結であっても簡単なコイ
ル線接続によりコイル線を分配/集結させることができ
る。
【0045】[各相間の電気遮断性]各相間では、互い
に電気的な影響を与えないために、沿面放電距離と空間
距離を大きくとる必要があるが、従来のコイル給電構造
では、少しでも占有スペースを小さく抑えようとしてコ
イル線を円周上に束ねるという手法が採用されているた
め、相が異なるコイル線が絶縁膜だけを介して隣接配置
されてしまい、十分な沿面放電距離と空間距離が取れな
いし、また、沿面放電距離と空間距離の管理もなされて
いない。
【0046】これに対し、第1実施例のコイル給電構造
12では、バスバー積層体76は、U相コイル接続部7
0cと中性点コイル接続部73bによる一対の接続部
と、V相コイル接続部71cと中性点コイル接続部73
bによる一対の接続部と、W相コイル接続部72cと中
性点コイル接続部73bによる一対の接続部とを、円周
上に等間隔にて放射状に配置しているため、各々の相に
よる接続部が互いに離れた位置の配置となり、相間の沿
面放電距離と空間距離を十分に大きくとることができ
る。
【0047】さらに、U相バスバー70とV相バスバー
71とW相バスバー72と中性点バスバー73との間に
挟まれた絶縁材74により接近した各バスバー70,7
1,72,73間の絶縁を確保し、かつ、全体を絶縁樹
脂75で封止することでバスバー積層体76が構成され
るため、各相の端子間の沿面放電距離と空間距離を管理
された一定距離間隔に確保することができる。
【0048】加えて、バスバー積層体76とすること
で、ステータ4の端部の僅かなスペースを占有するだけ
で、省スペースにてコイル給電構造12を実現すること
ができることになり、多層モータMの軸方向寸法の短縮
による小型化も併せて達成されることになる。
【0049】[冷却水路等の確保]コイル抵抗値よりバ
スパー抵抗値が十分に小さい場合には、バスバーを全周
が繋がったリング状にする必要が無く、図10に示すよ
うに、一部に切り欠き部76aを有する円弧状にするこ
とができる。
【0050】このようにバスバー積層体76を円弧状と
することにより生まれる切り欠き部76aを用いて、冷
却に用いる水路や信号線の配線等を設置することができ
る。すなわち、バスバー積層体76に切り欠き部76a
を設けることで、多層モータMの軸方向寸法を長くする
ことなく、電気経路や冷却水路等の経路を同時に実現す
ることができる。ちなみに、図1に示す多層モータMで
は、インナーロータレゾルバ85の信号線と冷却水路を
切り欠き部76aに設置し、多層モータMの軸方向寸法
の短縮化を図っている。
【0051】次に、効果を説明する。
【0052】第1実施例の同期モータのコイル給電構造
にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
【0053】(1) 内側に突出する給電部70b,71
b,72bと外側に突出するコイル接続部70c,71
c,72cを有し、モータ相数だけ用意されたプレート
リング状の相用のバスバー70,71,72と、外側に
突出するコイル接続部73bを有するプレートリング状
の中性点用バスバー73と、を備え、相用のバスバー7
0,71,72と中性点用バスバー73とを互いにクリ
アランスを介して軸方向に重ね合わせた積層バスバーと
し、この積層バスバーをステータ4の端部に沿った配置
とし、かつ、積層バスバー状態で相用のバスバー70,
71,72のコイル接続部70c,71c,72cと中
性点用バスバー73のコイル接続部73bとを各相毎に
一対とし、この複数対のコイル接続部を、各対のコイル
接続部と対応関係にある各相のコイル42U,42V,
42Wの位置に近接する配置としたため、良好なコイル
線の結線作業性と、各相毎のコイル抵抗のバラツキ防止
と、簡単なコイル線接続によるコイル線の分配/集結性
と、を省スペースにて実現することができる。加えて、
コイル42を引き回して接続しないため、樹脂成形時の
圧力で、隣り合うコイル42,42が干渉して、コイル
42の絶縁が保てなくなることもない。
【0054】(2) 積層バスバーを、各相用のバスバー7
0,71,72と中性点用バスバー73との間のそれぞ
れに絶縁材74を介装して積層した後、全体を絶縁樹脂
75で封止したバスバー積層体76としたため、軸方向
にも径方向にもコンパクトなコイル給電構造12としな
がら、各相間の沿面放電距離と空間距離を管理された一
定の距離間隔に確保することができる。
【0055】(3) バスバー積層体76は、周上の一部に
切り欠き部76aを有するため、この切り欠き部76a
を用いて、冷却に用いる水路や信号線の配線等を設置す
ることができる。
【0056】(4) 同期モータは、インナーロータ中空軸
1に接続されたインナーロータ2と、該インナーロータ
2の外周に配置され、モータハウジング3に固定された
ステータ4と、該ステータ4の外周に配置され、アウタ
ーロータ軸5に接続されたアウターロータ6と、を有す
る多層モータMであるため、コイル42を有するステー
タ4がインナーロータ2とアウターロータ6に挟まれた
スペース余裕の少ない構成であるにもかかわらず、ステ
ータ4の端部位置に省スペースにて結線作業性の高いコ
イル給電構造12を配置することができる。
【0057】(5) ステータ4は、U相コイル42UとV
相コイル42VとW相コイル42Wを有し、バスバー積
層体76の外側には、U相コイル接続部70cとV相コ
イル接続部71cとW相コイル接続部72cのそれぞれ
に中性点コイル接続部73bを加えた接続対を、円周上
に等間隔にて放射状に配置し、バスバー積層体76の内
側には、U相給電部70bとV相給電部71bとW相給
電部72bとを、円周上に等間隔にて放射状に配置した
ため、コイルとの接続個所数が多大になるにもかかわら
ず、U相とV相とW相の相間の沿面放電距離と空間距離
を十分に取ることができると共に、コイル42との接続
作業が容易で、しかも、コイルとの接続作業時間を短縮
化することができる。
【0058】以上、本発明の同期モータのコイル給電構
造を第1実施例に基づき説明してきたが、具体的な構成
については、この第1実施例に限られるものではなく、
特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しな
い限り、設計の変更や追加等は許容される。
【0059】例えば、第1実施例では、同期モータとし
て2ロータ・1ステータの多層モータの例を示したが、
1ロータ・1ステータの同期モータにも適用できるし、
さらに、2以上のロータや2以上のステータを有する同
期モータにも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例のコイル給電構造が適用された多層
モータMを示す縦断側面図である。
【図2】第1実施例のコイル給電構造が適用された多層
モータMを示す一部縦断正面図である。
【図3】第1実施例のステータを背面側から視た図であ
る。
【図4】第1実施例のコイル給電構造を示す正面図であ
る。
【図5】第1実施例のU相コイルの結線状態を示すU相
部縦断面図である。
【図6】第1実施例のコイル給電構造におけるバスバー
アッセンブリ部品図である。
【図7】第1実施例のコイル給電構造におけるU相バス
バーとV相バスバーを示す図である。
【図8】第1実施例のコイル給電構造におけるW相バス
バーと中性点用バスバーと絶縁材を示す図である。
【図9】第1実施例のコイル給電構造におけるバスバー
積層体を示す一部断面図である。
【図10】第1実施例のコイル給電構造における切り欠
き部を有するバスバー積層体を示す正面図である。
【図11】第1実施例のコイル給電構造におけるコイル
・バスバー間結線概要図である。
【符号の説明】
M 多層モータ 1 インナーロータ中空軸(第一の回転軸) 2 インナーロータ 3 モータハウジング 4 ステータ 40 ステータピース 41 ステータピース積層体 42 コイル 42U U相コイル 42V V相コイル 42W W相コイル 43 冷却水路 44 インナー側ボルト・ナット 45 アウター側ボルト・ナット 46 非磁性体樹脂層 5 アウターロータ軸5(第二の回転軸) 6 アウターロータ 9 給電接続端子 10 給電リング 11 給電コネクタ 12 コイル給電構造 70 U相バスバー(相用バスバー) 70a 本体部 70b U相給電部(給電部) 70c コイル接続部 71 V相バスバー(相用バスバー) 71a 本体部 71b V相給電部(給電部) 71c コイル接続部 72 W相バスバー(相用バスバー) 72a 本体部 72b W相給電部(給電部) 72c コイル接続部 73 中性点用バスバー 73a 本体部 73b コイル接続部 74 絶縁材 75 絶縁樹脂 76 バスバー積層体 76a 切り欠き部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5H603 AA03 AA04 AA09 BB01 BB09 BB12 CA01 CA10 CB18 CC11 CD02 CD22 CE02 FA04 5H604 AA08 BB01 BB10 BB14 CC01 CC05 CC16 DB15 PC03

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モータハウジングに固定され、コイルが
    巻かれたステータピース積層体を円周上に複数配列する
    ことで構成されたステータと、 円周上に永久磁石が埋め込まれたロータと、を有し、 モータ相数に対応する各相のコイルに対し回転方向にト
    ルクを発生するように電流を流し、ステータの磁界を回
    転させることによってロータを回転させる同期モータの
    コイル給電構造において、 内側に突出する給電部と外側に突出するコイル接続部を
    有し、モータ相数だけ用意されたプレートリング状の相
    用バスバーと、 外側に突出するコイル接続部を有するプレートリング状
    の中性点用バスバーと、を備え、 前記相用バスバーと中性点用バスバーとを互いにクリア
    ランスを介して軸方向に重ね合わせた積層バスバーと
    し、この積層バスバーをステータの端部に沿った配置と
    し、 かつ、前記積層バスバー状態で相用バスバーのコイル接
    続部と中性点用バスバーのコイル接続部とを各相毎に一
    対とし、この複数対のコイル接続部を、各対のコイル接
    続部と対応関係にある各相のコイル位置に近接する配置
    としたことを特徴とする同期モータのコイル給電構造。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載された同期モータのコイ
    ル給電構造において、 前記積層バスバーを、各相用バスバーと中性点用バスバ
    ーとの間のそれぞれに絶縁材を介装して積層した後、全
    体を絶縁樹脂で封止したバスバー積層体としたことを特
    徴とする同期モータのコイル給電構造。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載された同期モータのコイ
    ル給電構造において、 前記バスバー積層体は、周上の一部に切り欠き部を有す
    ることを特徴とする同期モータのコイル給電構造。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3の何れかに記載
    された同期モータのコイル給電構造において、 前記同期モータは、第一の回転軸に接続されたインナー
    ロータと、該インナーロータの外周に配置され、モータ
    ハウジングに固定されたステータと、該ステータの外周
    に配置され、第二の回転軸に接続されたアウターロータ
    と、を有する多層モータであることを特徴とする同期モ
    ータのコイル給電構造。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載された同期モータのコイ
    ル給電構造において、 前記ステータは、U相コイルとV相コイルとW相コイル
    を有し、 前記バスバー積層体の外側には、U相コイル接続部とV
    相コイル接続部とW相コイル接続部のそれぞれに中性点
    コイル接続部を加えた接続対を、円周上に放射状配置
    し、 前記バスバー積層体の内側には、U相給電部とV相給電
    部とW相給電部とを、円周上に放射状配置したことを特
    徴とする同期モータのコイル給電構造。
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