JP2010098863A - 円筒状磁石素材および表面磁石型モータ - Google Patents
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Abstract
【課題】表面磁石型モータの小型化、高出力化を図ることが可能な円筒状磁石素材を提供すること。
【解決手段】円筒状磁石素材MSは、多極着磁をして用いるものである。当該磁石素材MSは、内周層20と、内周層20の外周に配置された外周層22と、外周層22のうち、着磁後に極変わり目となる部分に配置された極変わり目部24とが一体的に形成されており、内周層20の保磁力<外周層22の保磁力<極変わり目部24の保磁力の関係を満たしている。
【選択図】図4
【解決手段】円筒状磁石素材MSは、多極着磁をして用いるものである。当該磁石素材MSは、内周層20と、内周層20の外周に配置された外周層22と、外周層22のうち、着磁後に極変わり目となる部分に配置された極変わり目部24とが一体的に形成されており、内周層20の保磁力<外周層22の保磁力<極変わり目部24の保磁力の関係を満たしている。
【選択図】図4
Description
本発明は、円筒状磁石素材および表面磁石型モータに関するものである。
近年、ハイブリッド自動車(HEV)用に代表される車載用モータ、ACサーボ等に組み込まれるモータの需要が増加している。この種の代表的なモータとしては、ロータ表面に永久磁石を有する表面磁石型(Surface Permanent Magnet)モータ(SPMモータ)が知られている。
上記モータを用いるアイテムの高性能化を図るため、モータの小型、軽量化への要求が非常に高い。この小型、軽量化を実現するには、少ない体積で大きなモータトルクを出力する必要がある。一般に、モータトルクは、モータ直径の2乗に比例して大きくなり、長さに比例して大きくなる。したがって、モータを単に小型化した場合、トルクが低下し、それに伴い出力も低下してしまう。そのため、モータの高性能化には、永久磁石の磁力を向上させることが一般的な手法となる。
従来、比較的磁力の大きな永久磁石としては、Nd−Fe−B系希土類永久磁石が知られている。これまで、モータには単一成分による永久磁石が用いられてきたが、最近では、異なる成分の磁石材料を組み合わせて永久磁石を構成する試みもなされるようになっている。
例えば、特許文献1には、モータに用いられる円筒状永久磁石において、希土類永久磁石粉末とプラスチックバインダーよりなる駆動用の円筒状永久磁石の一端面に、前記した希土類永久磁石粉末より保磁力の低い永久磁石粉末とプラスチックバインダーよりなる信号用の円筒状永久磁石を一体成形してなる複合円筒状永久磁石が記載されている。
また、特許文献2には、内側に高エネルギー磁石が配置され、外側に耐熱性磁石が配置された永久磁石の外周に保持環を焼き嵌めする技術が記載されている。
また、特許文献3には、高磁束密度磁性部とこの高磁束密度磁性部の両端に設けられた高保磁力磁性部とを備えた円弧状永久磁石が記載されている。
一般に、モータに用いられる永久磁石は、モータの使用環境温度、磁石へ印加される反磁界等による減磁により、モータ使用中に磁力の低下が生じる場合がある。そのため、モータに用いられる永久磁石は、減磁を発生させないため、これらに耐えうる保磁力を有している必要がある。
ところが、磁石の保磁力と磁力との関係は、一方が大きくなると他方が小さくなるといった、トレードオフの関係になっている。そのため、単一成分の永久磁石の場合、磁石使用環境、モータ構造が決まった時点で、必要な保磁力を確保しようとすれば、それに伴い磁力が定まり、その結果、磁石の大きさがほぼ確定することになる。
それ故、単一成分の永久磁石では、大きな保磁力を確保しつつモータ体積(磁石体積)を小さくすることは困難であり、モータの小型化、高出力化には限界があった。
また、特許文献1の技術は、回転位置センサ部の精度を向上させるため、着磁極数を多極化する場合、着磁性を向上させ、信号用出力の向上を図るもので、モータトルクに関連する磁石部の反磁界に対する耐力は従来と同程度である。
また、特許文献2の技術は、磁石保持環の焼き嵌めに起因する磁力の低下を抑制するものであり、焼結プロセスで成形する焼結磁石では、プロセス温度が1100℃以上と高温なため、複合した磁石として一体での成形が困難であり、特性が分布しない単一磁石となってしまう。また、別々に成形した単一磁石を機械的に組み合わせて、複合した磁石とした場合においても、磁石と磁石との間にギャップが生じてしまい、そのギャップは磁石でなく空気層となるため、磁石の発生する磁力への磁気抵抗となる。そのため、磁力が大きく低下し、磁石と磁石との間のギャップ幅を一定とすることは難しく、特性の安定性を確保することは非常に困難である。
このように従来技術は、表面磁石型モータの小型化、高出力化を図る上で未だ十分ではなかった。
なお、特許文献3の技術は、いわゆるセグメント磁石に関するもので、円筒状磁石に関する技術ではない。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、本発明が解決しようとする課題は、表面磁石型モータの小型化、高出力化を図ることが可能な円筒状磁石素材を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明に係る円筒状磁石素材は、多極着磁をして用いるものであって、内周層と、上記内周層の外周に配置された外周層と、上記外周層のうち、着磁後に極変わり目となる部分に配置された極変わり目部とが一体的に形成されており、上記内周層の保磁力<上記外周層の保磁力<上記極変わり目部の保磁力の関係を満たすことを要旨とする。
ここで、本発明に係る円筒状磁石素材は、R−X1−X2系磁石材料(但し、R:Nd、Pr、Dy、TbおよびHoから選択される1種または2種以上の希土類元素、X1:Feおよび/またはCo、X2:Bおよび/またはC)より構成されていることが好ましい。
また、本発明に係る円筒状磁石素材は、熱間加工プロセスを用いた成形により一体的に形成されていることが好ましい。
本発明に係る表面磁石型モータは、上述した円筒状磁石素材を備えていることを要旨とする。
本発明者によるこれまでの研究によれば、表面磁石型モータに用いられる多極着磁型の円筒状磁石の場合、(1)磁石の最内周<中央<最外周の順で反磁界の影響が大きくなること、(2)磁石最内周、中央、最外周の何れの場合も着磁後の極変わり目部分で反磁界の影響があるが、とりわけ、磁石の最外周かつ極変わり目の部分で最も反磁界の影響が大きいという知見が得られている。
本発明に係る円筒状磁石素材は、上記知見に基づきなされたもので、本発明に係る円筒状磁石素材は、内周層と、内周層の外周に配置された外周層と、外周層のうち、着磁後に極変わり目となる部分に配置された極変わり目部とが一体的に形成されており、内周層の保磁力<外周層の保磁力<極変わり目部の保磁力の関係を満たしている。
このように磁石を複合化し、相対的に高い保磁力が必要となる部位については保磁力を高くし、相対的に低い保磁力で足りる部位については保磁力が低くなるように磁石内の保磁力を分布させることで、高温時においても反磁界の影響を効果的に回避しつつ、磁石全体として磁力を高めることができる。それ故、本発明に係る円筒状磁石素材によれば、磁石体積を小さくすることが可能となり、表面磁石型モータの小型化、高出力化を図ることが可能になる。
また、本発明に係る円筒状磁石素材は、熱間押し出し加工を用いた成形により一体的に形成することが可能であり、磁石製造性にも優れる。
この際、上記円筒状磁石素材が、主として、R−X1−X2系磁石材料(但し、R:Nd、Pr、Dy、TbおよびHoから選択される1種または2種以上の希土類元素、X1:Feおよび/またはCo、X2:Bおよび/またはC)より構成されている場合には、必要な保磁力を確保しやすく、高い磁力を得やすくなる。すなわち、R成分の含有量、R成分の構成比率により広い範囲で保磁力設計をしやすく、磁石の最適箇所に必要最低限の保磁力成分を配置することで磁石全体の磁力を向上させることができる。
また、上記円筒状磁石素材が熱間加工プロセスを用いた成形により一体的に形成されている場合には、プロセス温度が約800℃と比較的低温なため、プロセス中に配置した成分が、拡散などにより単一磁石となることなく、一体の複合磁石として成形することが容易である。
一方、本発明に係る表面磁石型モータは、上記円筒状磁石素材をロータ表面に備えている。そのため、小型で高出力なモータとなる。したがって、ハイブリッド自動車(HEV)、電気自動車(EV)、燃料電池自動車(FCEV)等の車載駆動用モータ、X−by−Wire用等の車搭載ACサーボモータ、産業機器・ロボット等に用いられるACサーボなどに好適である。
以下、本発明に係る円筒状磁石素材(以下、「本磁石素材」ということがある。)、本発明に係る表面磁石型モータ(以下、「本モータ」ということがある。)について詳細に説明する。
本発明に係る円筒状磁石素材は、ロータにおいて、回転シャフトの外周に配置した表面磁石型のモータに好適に用いることができるものである。図1は、本発明に係る円筒状磁石素材を備えた、本発明に係る表面磁石型モータの断面構造の一例を示した図である。
図1に示すように、本モータ10は、ロータ12と、ステータ14とを備えている。
ロータ12は、全体的に略円柱形状に形成されたロータコア12aと、ロータコア12aの表面に貼り付けされた磁石Mとを備えている。なお、図1では、磁石Mの詳細な構成を省略して図示してある。
また、ステータ14は、全体的に略円筒状に形成されており、外形を形成するヨーク14aと、ヨーク14aの内周面から径方向に向かって延設された複数のティース14bと、ティース14bに巻回された巻線14c(図1中、一部のみ図示)とを備えている。
そして、ロータ12とステータ14とは、ロータ12の磁石Mの表面とステータ14のティース14bの先端部との間に所定の隙間16を介して、略同軸に対向配置されている。
磁石Mは本磁石素材を着磁したものである。本磁石素材は、ギャップのない略円筒形状に形成されている。このような形状は、当業界において略リング形状と称されることもある。また、本磁石素材は、円周方向に複数の極を備えるように多極着磁をして用いるものである。このように本磁石素材は、略円筒状かつ多極着磁をして用いるものであることから、着磁後に極変わり目が複数生じることになる。
なお、本磁石素材において、着磁後の極数は特に限定されるものではないが、高保磁力となる部位が少ないほど磁力向上の効果が大きくなること、極数が多くなり過ぎるとモータ制御の高速化が必要になること等の観点から、好ましくは、着磁後の極数は、2極〜20極の範囲内にあると良い。なお、図1は、6極の場合を例示している。
ここで、多極着磁型の円筒状磁石を有する表面磁石型モータについて、磁石内部の磁界分布を計算により求めた結果について説明する。
図2は、磁石内部の磁界分布を計算するモデルを模式的に示したもので、(a)は、ロータ回転の基準位置を、(b)は、90度を回転させた後のロータの位置を示している。なお、計算に用いたモータは6P9Sである。Pは磁石極数、Sはステータのスロット極数を示している。
図3に、ロータ角度と磁石内部の磁界との関係を示す。図3に示すように、表面磁石型モータに用いられる多極着磁型の円筒状磁石の場合、(1)磁石の最内周<中央<最外周の順で反磁界の影響が大きくなること、(2)磁石最内周、中央、最外周の何れの場合も極変わり目部分で反磁界の影響があるが、とりわけ、磁石の最外周かつ極変わり目の部分で最も反磁界の影響が大きいことが分かる。このような結果を考慮して、本磁石素材は、以下に説明する特定の層構成を有している。
<第1実施形態>
図4は、第1実施形態に係る6極型の円筒状磁石素材を示したものであり、(a)は断面図(平面図)、(b)は外観斜視図である。図4において、着磁後に極変わり目となる位置は、点線で示した箇所である。
図4は、第1実施形態に係る6極型の円筒状磁石素材を示したものであり、(a)は断面図(平面図)、(b)は外観斜視図である。図4において、着磁後に極変わり目となる位置は、点線で示した箇所である。
図4に示すように、本磁石素材MSは、内周層20と、内周層20の外周に配置された外周層22とを基本的に有している。そして、外周層22のうち、着磁後に極変わり目となる部分には、極変わり目部24が配置されている。極変わり目部24は、円筒軸に沿って配置されている。本磁石素材MSにおいて、これら内周層20と外周層22と極変わり目部24とは、一体的に形成されている。
ここで、内周層20の保磁力をHIN、外周層22の保磁力をHOUT、極変わり目部24の保磁力をHPCとすると、本磁石素材MSでは、HIN<HOUT<HPCの関係を満たしている。上述した図3の結果から、保磁力の必要性に応じた保磁力分布とすることで、反磁界の影響を回避しつつ、磁石全体として磁力を高めるためである。
なお、内周層20の残留磁束密度をBIN、外周層22の残留磁束密度をBOUT、極変わり目部24の残留磁束密度をBPCとすると、本磁石素材MSでは、磁石特性から、BPC<BOUT<BINの関係を満たしていることになる。
この際、外周層22の保磁力HOUTは、好ましくは、内周層20の保磁力HINの1.08倍〜1.20倍の範囲内の範囲内にあると良い。この範囲は、必要耐熱温度、モータ投入電流大きさにより確定し、通常用いられる必要温度150℃以下では、好ましくは、1.13倍〜1.18倍の範囲内にあると良い。
また、極変わり目部24の保磁力HPCは、好ましくは、内周層20の保磁力HINの1.18倍〜1.42倍の範囲内の範囲内にあると良い。この範囲は、必要耐熱温度、モータ投入電流大きさにより確定し、通常用いられる必要温度150℃以下では、好ましくは、1.27倍〜1.38倍の範囲内にあると良い。
また、外層の厚みは、必要耐熱温度、投入される電流大きさがほぼ確定し、好ましくは、内層の厚みの0.5倍〜0.8倍の範囲内の範囲内にあると良い。必要耐熱温度が150℃以上であり、巻き線密度を高め、投入される電流量が非常に大きい場合には、好ましくは、0.6倍〜0.75倍の範囲内にあると良い。
また、極変わり目部24の円周方向の幅は、投入される電流大きさがほぼ確定し、一極の幅に対して、好ましくは、30%以上、巻き線密度を高め、投入される電流量が非常に大きい場合には、保磁力を確保する観点から、20%以上の範囲内にあると良い。
上述したような保磁力関係とするためには、内周層20、外周層22および極変わり目部24における各磁石成分組成をそれぞれ調整すれば良い。
この際、内周層20、外周層22および極変わり目部24を構成する磁石材料としては、R−X1−X2系磁石材料(但し、R:Nd、Pr、Dy、TbおよびHoから選択される1種または2種以上の希土類元素、X1:Feおよび/またはCo、X2:Bおよび/またはC)等を好適なものとして用いることができる。R成分の含有量、R成分の構成比率により広い範囲で保磁力設計をしやすく、磁石の最適箇所に必要最低限の保磁力成分を配置することで磁石全体の磁力を向上させることができるからである。
より好ましくは、高い飽和磁化と高い異方性磁界とを兼ね備え、磁力が強力である(Nd、Dy)−Fe−B系磁石材料であると良い。Nd+Dyの含有量、NdとDyとの含有比率を調整することで、広い範囲の保磁力を容易に調整することができるからである。
<第2実施形態>
図5は、第2実施形態に係る4極型の円筒状磁石素材を示したものであり、(a)は断面図(平面図)、(b)は外観斜視図である。図5において、着磁後に極変わり目となる位置は、点線で示した箇所である。
図5は、第2実施形態に係る4極型の円筒状磁石素材を示したものであり、(a)は断面図(平面図)、(b)は外観斜視図である。図5において、着磁後に極変わり目となる位置は、点線で示した箇所である。
このように極数が異なる場合でも、6極型にて説明した通り、極数以外の部分については、上述した構成を採用することで本発明の効果を奏することができる。
上述した本磁石素材は、基本的には、概略以下のようにして製造することができる。先ず、金型内の所定位置に3種類の磁石材料をそれぞれ充填配置する(充填工程)。次に、これを冷間プレスし、冷間成形体とする(冷間成形工程)。次に、冷間成形体を熱間プレスし、熱間成形体とする(熱間成形工程)。次に、熱間成形体を、熱間押し出し加工する(熱間押し出し工程)。
より具体的には、先ず、充填工程では、後工程である熱間押し出し工程での押し出し後の材料配置になるように、金型の円筒状キャビティ内に3種類の磁石材料粉末を充填する。この際、上記充填は、予めキャビティ内を仕切り治具により区画しておき、各区画空間内に、それぞれの磁石材料粉末を充填し、その後に仕切り治具を取り除くなどして行うことができる。
この際、充填性を高めるため、磁石材料粉末の充填中および/または充填後に振動を加えても良い。また、上記充填は、必要に応じて繰り返し行っても良い。また、上記磁石材料粉末は、例えば、所定組成となるように配合した原料を溶解して得られた溶湯を、回転ロールに噴出させて、急冷薄片体を形成し、これを成形に最適な粒径に粉砕するなどして準備することができる。
次に、冷間成形工程では、円筒状キャビティ内に所定の配置で充填されている原料粉末を冷間成形し、冷間成形体とする。冷間成形時の圧力としては、好ましくは、100MPa〜500MPa程度とすることができる。
次に、熱間成形工程では、得られた円筒状の冷間成形体を熱間成形し、熱間成形体とする。熱間成形時の温度としては、好ましくは、600℃〜900℃程度とすることができる。また、熱間成形時の圧力としては、好ましくは、300MPa〜500MPa程度とすることができる。
次に、熱間押し出し工程では、得られた熱間成形体を後方熱間押し出し加工する。これにより、円周面に略垂直な方向に磁化容易軸を配向させることができる。また、内周層、外周層、極変わり目部が所定位置に配置される。押し出し加工時の温度としては、好ましくは、700〜900℃の範囲内、より好ましくは、750〜850℃の範囲内とすることができる。以上の工程により本磁石素材を得ることができる。
次に、得られた磁石素材を公知の方法により多極に着磁する。これにより、例えば、表面磁石型モータに適用可能な磁石を得ることができる。
実際に、500W、6P9S、180℃の耐熱性が必要な表面磁石型モータについて、図4に示す円筒状磁石素材MSを着磁して円筒状磁石を設計した結果、内周層[HIN=1200k[A/m]、BrIN=1.37[T]]、外周層[HOUT=1380k[A/m]、BrOUT=1.31[T]]、極変わり目部[HPC=1600k[A/m]、BrPC=1.27[T]]とすることにより、単一の磁石材料[保磁力H=1600k[A/m]、残留磁束密度Br=1.27[T]]で全体を設計した円筒状磁石と比較して、磁石高さを9%削減できた。その結果、モータ体積も同じ出力のまま9%削減できた。なお、上述の「6P9S」とは、磁石の極数が6極、巻線を施し、印加電流により界磁するステータ極数が9極であることを意味している。
以上、本発明に係る円筒状磁石素材、表面磁石型モータについて説明したが、本発明は、上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改変が可能である。
10 表面磁石型モータ
12 ロータ
12a ロータコア
14 ステータ
14a ヨーク
14b ティース
14c 巻線
16 隙間
20 内周層
22 外周層
24 極変わり目部
M 円筒状磁石
MS 円筒状磁石素材
12 ロータ
12a ロータコア
14 ステータ
14a ヨーク
14b ティース
14c 巻線
16 隙間
20 内周層
22 外周層
24 極変わり目部
M 円筒状磁石
MS 円筒状磁石素材
Claims (4)
- 多極着磁をして用いる円筒状磁石素材であって、
内周層と、
前記内周層の外周に配置された外周層と、
前記外周層のうち、着磁後に極変わり目となる部分に配置された極変わり目部とが一体的に形成され、
前記内周層の保磁力<前記外周層の保磁力<前記極変わり目部の保磁力
の関係を満たしていることを特徴とする円筒状磁石素材。 - R−X1−X2系磁石材料(但し、R:Nd、Pr、Dy、TbおよびHoから選択される1種または2種以上の希土類元素、X1:Feおよび/またはCo、X2:Bおよび/またはC)より構成されていることを特徴とする請求項1に記載の円筒状磁石素材。
- 熱間加工プロセスを用いた成形により一体的に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の円筒状磁石素材。
- 請求項1から3のいずれか1項に記載の円筒状磁石素材を備えた表面磁石型モータ。
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---|---|---|---|
JP2008268160A JP2010098863A (ja) | 2008-10-17 | 2008-10-17 | 円筒状磁石素材および表面磁石型モータ |
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