JPWO2001062522A1 - 装飾方法およびこの方法に用いる両面接着シート積層体並びに箔付シート - Google Patents
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Abstract
粘着剤層3および粘着剤層3より弱い粘着性を有する伸展性樹脂フイルム4からなる両面接着シート6の両面に、第1剥離シート5および第2剥離シート2を貼着してなる両面接着シート積層体1に、カッティングマシンにより所望の形状の切れ目を入れ(工程a)、第1剥離シート5a、5bおよび両面接着シートの不要部6bを取り除いた後図形状とされた両面接着シート上に粘着剤層8が設けられた転写シート7を接着し(工程b’)、次いで転写シート7を引き剥がすことにより図形状とされた両面接着シートを転写シート7とともに第2剥離シート2から剥離し(工程c’)、剥離した両面接着シートの粘着剤層面を被着体B上に押圧接着せしめた後転写シートを両面接着シートから引き剥がし(工程d’)、被着体上の両面接着シート表面に箔付シートから金箔Gを接着せしめる(工程e)。
Description
技術分野
本発明は、金属箔などの箔、金属箔フレークなどの箔フレーク、金属粉、顔料粉などの粉体を用いて被着体表面に装飾表面あるいは装飾図形を形成する方法およびこの方法に用いる両面接着シート積層体並びに箔付シートに関する。さらに詳細には、看板、室内壁面、工芸品、什器、テーブルなどの家具、本等の種々の被着体表面に金箔、銀箔、銅箔などの箔や、これらの金属の箔フレーク、金属粉あるいは顔料粉などの粉体を用いて装飾表面あるいは装飾図形を形成する方法およびこの方法に用いる両面接着シート積層体並び箔付シートに関する。
背景技術
金箔などの貴金属箔、貴金属の箔フレーク、貴金属粉、顔料粉末などを用いて被着体表面に装飾模様あるいは装飾文字を形成することは、従来から広く行われている。これら貴金属箔、箔フレーク、金属粉を用いた装飾の例として、例えば、工芸品、什器、家具、仏壇、仏具など漆を用いた製品の装飾、ショーウィンドウなどのディスプレー、ガラスドアなどへの装飾、文字などの施工、室内壁面の装飾、襖など建具の装飾、看板の文字あるいは装飾など種々のものを挙げることができる。このような貴金属箔などの材料を用いての装飾には、熟練した技術が必要とされ、特殊な技術を有する職人による所謂職人技に頼っていたのが現状である。
その理由は、まず、金箔等の貴金属箔は、展性が極めて高く、形成された箔の厚みが極めて薄いため、箔自体の取り扱いが非常に難しいことによる。加えて、このような取り扱い困難な箔を被着体に貼り付ける際にも、接着剤となる漆、膠などの材料の選択、接着剤液の調整、塗布、箔貼り付け時期の選択、貼り付け技術などに熟練した技を要するからである、また、被着体上に所望の形状の装飾を施すには、これに相当する膠、漆などからなる接着剤の絵を被着体上に直接描かなくてはならないこともその理由の一つとしてあげられる。そして、使用される貴金属箔などは高価であり、失敗も許されないこともその理由の一つである。これらのことは、貴金属フレーク、貴金属粉、顔料粉を用いる装飾においても同様である。
このような職人技によることなく箔装飾を施すために、合成樹脂フィルムの両面に粘着剤層が設けられた所謂両面接着テープ、あるいは両面接着シートの一方の粘着剤面に金箔等の貴金属箔が貼り付けられ、他面に剥離紙などの剥離シートが接着された、所謂タックシートが提案されている。このタックシートにあっては、タックシートを所望の形状に切り抜き、剥離紙を除去して箔付きの合成樹脂フィルムを被着体の所望の場所に接着することにより、特別の技術を要することなく、簡便に被着体上に箔を接着することができる。
しかし、従来提案されたタックシートでは、表面に設けられた金箔などの厚みが極めて薄く、また金箔などに割れ目、隙間などが存在するため、タックシートが被着体(被装飾物)に接着された後に装飾製品の周囲の温度が上昇すると、箔の表面にタックシートの粘着剤がブリード(しみだし)してくることがある。また、貼り付けられた箔と箔との間から両面接着テープあるいは両面接着シートの粘着剤がブリードするなどして、装飾表面がべたついたり、更には箔表面にブリードしてきた粘着剤に塵、挨などが付着し装飾効果を損ねるなどの問題がある。そして、タックシートでは、箔が接着された両面接着シートの伸展性が悪い場合、シートを被着体の曲面に合わせて接着することが難しく、結果として金箔などを被着体の曲面に合わせて貼り付けることができないとか、更に、両面接着シートが伸展性を有し、被着体の曲面に合わせてタックシートを伸展せしめて貼り付けることが出来たとしたとしても、シートの伸展に伴って箔の割れや隙間を生じ、製品価値が無くなるという問題があった。
そして、これらの問題は、箔フレーク、金粉などの金属粉、鉱物粉などの顔料粉などの粉体を表面に担持するタックシートを用いる場合にも同様に起こるものであった。
本発明は、上記のごとき現状に鑑み、従来の問題点のない、すなわち特別な技能を必要とせず、簡便に、且つ箔などの装飾表面への粘着剤のブリードが起きない、被着体表面の装飾方法を提供することを目的とするものである。
また、本発明は、曲面状の被着体表面に金属箔などにより装飾を良好に行うことができる被着体表面の装飾方法を提供することを目的とするものである。
さらに、本発明は、上記方法に好適に用いることができる両面接着シート積層体及び箔付シートを提供することを目的とするものである。
発明の開示
本発明者等は鋭意研究、検討を行ったところ、少なくとも一方の面が粘着性を示す伸展性樹脂フィルムの他方の面に粘着剤層が設けられてなる両面接着シートの粘着剤層側を装飾が施される基体(被着体)に接合した後、箔、箔フレーク、粉体などをこの伸展性樹脂フィルムの粘着性表面に接着することにより、上記課題を解決することができることを見出して、本発明をなしたものである。
即ち、本発明は、少なくとも一方の面が粘着性を示す伸展性樹脂フィルムの他方の面に粘着剤層が設けられてなる両面接着シートの粘着剤層面を被着体表面に貼着した後、前記伸展性樹脂フィルムの粘着性表面に箔、箔フレークあるいは粉体を接着することを特徴とする被着体表面の装飾方法を提供するものである。
上記本発明の装飾方法においては、両面接着シートがフィルム移動過程やカスあげ過程において、所望する形状を保つようにすることが好ましい。これにより、被着体の必要な部分にのみ箔、箔フレーク、粉体などの接着による所望の装飾を簡便に施すことができるからである。これに対し、フィルム移動過程やカスあげ過程において、カッティングされた伸展性樹脂フィルムがその形状を保てない場合には、得られた装飾図形は意図した形状と異なるものとなってしまい、所期の目的を達成することが難しくなる。
本発明の被着体表面の装飾方法においては、箔、箔フレーク、粉体等が接着される両面接着シートを構成する素材として伸展性樹脂フィルムが使用されているため、被着体表面の曲面に合わせて両面接着シートを容易に貼着することができるとともに、両面接着シートを被着体に貼着した後で伸展性フィルムの粘着性表面に箔、箔フレーク、粉体が接着されるため、箔等を被着体に簡単に接着することができる。また、箔等が接着される伸展性樹脂フィルム面には粘着剤層が存在しないため、粘着剤が箔等の表面にブリードすることもない。さらに、箔は両面接着シートを被着体に貼着した後において接着されるので、予め箔を備えたタックシートを曲面を有する被着体に貼着した場合に生ずる箔の割れの発生を防止することもできる。
本発明の被着体表面を装飾する方法としては、次のような方法が好ましい方法として挙げられる。
まず、第1の方法としては、前記少なくとも一方の面が粘着性を示す伸展性樹脂フィルムの他方の面に粘着剤層が設けられてなる両面接着シートの表裏面に第1および第2剥離シートが設けられた両面接着シート積層体を用意し、この第1および第2剥離シートが積層された積層体を所望の形状に切り抜き、粘着剤層側の第2剥離シートを剥離して、両面接着シートの粘着剤層面を被着体表面に接着した後、伸展性樹脂フィルムの粘着性表面上の第1剥離シートを剥離し、被着体に接着、残留する伸展性樹脂フィルムの粘着性表面に箔、箔フレークあるいは粉体を接着する方法である。
第2の方法は、前記第1の方法と同様に両面接着シートの表裏面に第1および第2剥離シートが設けられた両面接着シート積層体を用意し、この第1および第2剥離シートが積層された積層体を所望の形状に切り抜いた後、この切り抜いた積層体の第1剥離シート表面に転写シートを接合せしめ、次いで粘着剤層側の第2剥離シートを剥離し、粘着剤層面を被着体表面に接着した後、転写シートを伸展性樹脂フィルムの粘着性表面上の第1剥離シートとともに剥離し、被着体に接着、残留する伸展性樹脂フィルムの粘着性表面に箔、箔フレークあるいは粉体を接着する方法である。
第3の方法は、前記両面接着シートの表裏面に第1および第2剥離シートが設けられた両面接着シート積層体を用意し、この第1および第2剥離シートが積層された積層体を所望の形状に切り抜き、該両面接着シートの伸展性樹脂フィルム上の第1剥離シートを剥離した後に両面接着シートの伸展性樹脂フィルムの粘着性表面に転写シートを接合し、次いで粘着剤層側の第2剥離シートを剥離し、両面接着シートの粘着剤層面を被着体表面に接着した後、転写シートを引き剥がし、被着体に接着、残留する伸展性樹脂フィルムの粘着性表面に箔、箔フレークあるいは粉体を接着する方法である。
第4の方法は、前記両面接着シートの表裏面に第1および第2剥離シートが設けられた両面接着シート積層体を用意し、この第1および第2剥離シートが積層された積層体の伸展性樹脂フィルムの粘着性表面上の第1剥離シート側から、背面の第2剥離シートを切り抜かないように所望の形状に切れ目を入れ、不要部分の第1剥離シートおよび両面接着シートを除去し、残留する積層体の第1剥離フィルム表面に転写シートを接合した後、積層体と転写シートを第2剥離シートから引き剥がすことにより、所望の形状を有する両面接着シートおよび第1剥離シートを転写シートに転写し、その後この転写シートに転写された両面接着シートの粘着剤面を被着体に接着し、次いで転写シートを第1剥離シートとともに引き剥がし、被着体に接着、残留する伸展性樹脂フィルムの粘着性表面に箔、箔フレークあるいは粉体を接着する方法である。
第5の方法は、前記両面接着シートの表裏面に第1および第2剥離シートが設けられた両面接着シート積層体を用意し、この第1および第2剥離シートが積層された積層体の伸展性樹脂フィルムの粘着性表面上の第1剥離シート側から、背面の第2剥離シートを切り抜かないように所望の形状に切れ目を入れ、この切れ目が入れられた所望形状を有する部分の第1剥離シートおよびそれ以外の不要部分の第1剥離シート並びに両面接着シートを除去し、残留する所望形状を有する伸展性樹脂フィルムの粘着性表面に転写シートを接合した後に第2剥離シートから引き剥がすことにより、切れ目を入れられて形成された所望の形状を有する両面接着シートを転写シートに転写し、次いでこの転写シートに転写された両面接着シートの粘着剤面を被着体に接着した後、転写シートを両面接着シートの粘着性表面から引き剥がし、被着体に接着、残留する伸展性樹脂フィルム表面に箔、箔フレークあるいは粉体を接着する方法である。
上記本発明の被着体表面の装飾方法において、伸展性樹脂フィルムの粘着性表面に箔、箔フレークあるいは粉体を接着する際には、伸展性樹脂フィルムの粘着性表面をアルコールにより拭いた後に箔などの接着を行うことが好ましい。アルコールで粘着性表面を拭くことにより、粘着性表面の活性を高くすることができ、これにより粘着力が増大し、箔、箔フレーク、粉体の接着を確実に行うことができるからである。また、必要であれば被着体を加温するとか、両面接着シートを加温しておいても接着力の強化を図ることができる。
また、上記本発明の被着体表面の装飾方法においては、伸展性樹脂フィルムの粘着性表面に箔を接着する場合、キャリアフィルムの片側に箔が接合された箔付シートを用い、該箔付シートの箔側を伸展性樹脂フィルムの粘着性表面に接着し、その後、箔付シートからキャリアフィルムを剥離するようにすることが好ましい。
箔フレークや粉末を伸展性樹脂フィルムの粘着性表面に接着する場合には、粘着性表面に向けて箔フレークや粉末を落下させるあるいは吹きつける等すれば、箔フレーク、粉末などを粘着性表面に容易に接着することができるが、箔の場合、金箔を例にしても判るように、箔自体を直接取り扱うことは非常に難しいため、直接箔のみを接着することは容易ではない。そこで、上記の如く所謂箔付シートとして、粘着性表面へ箔を接着するようにすれば、より簡単に箔の接着が可能となる。この場合において、箔付シートは、キャリアフィルムの片面に箔が接合されてなるものであるが、このキャリアフィルムと箔との接合強度は、伸展性樹脂フィルムの粘着性表面における粘着力よりも小さく、そして、当然に、伸展性樹脂フィルムの粘着剤層の粘着力よりも小さいことが必要である。そうでなければ、伸展性樹脂フィルムの粘着性表面に箔付シートを接着した後、箔付シートからキャリアフィルムを除去する際に、箔が粘着性表面から剥離したり、或いは伸展性樹脂フィルムの粘着剤層と被着体表面との粘着部分に剥がれを生じるからである。
また、本発明の被着体の装飾方法においては、取り扱いの簡便性、正確な装飾模様の形成の観点から、上記した如く両面接着シートの両面に剥離シートが接合された両面接着シート積層体を用いることが好ましい。本発明で好ましく用いられる前記両面接着シート積層体の構成としては、例えば、少なくとも一面に粘着性表面を有する伸展性樹脂フィルム、該伸展性樹脂フィルムの一面の粘着性表面に設けられた第1剥離シート、該伸展性樹脂フィルムの他面に設けられた粘着剤層、該粘着剤層の表面に設けられた第2剥離シートからなるものが挙げられる。この伸展性樹脂フィルムとしては、その表面に箔、箔フレークあるいは粉体が接着されて装飾表面とされたとき、箔などの装飾表面に伸展性樹脂フィルムの成分がブリードしない特性を有するものが用いられる。
このような特性を有する樹脂フィルムとしては、その材料として、従来の両面接着テープあるいは両面接着シートで用いられる粘着剤に比べより樹脂成分のブリードしにくい材料が用いられる。このような樹脂材料としては、従来粘着剤において用いられている樹脂に比べ平均分子量のより大きい樹脂を用いるとか、使用する樹脂の共重合成分の選択など樹脂自体の特性がよりブリードしにくい構造特性を有するものを用いるとか、従来の粘着剤と樹脂との混合物を用いるなど適宜の方法によればよい。より平均分子量が大きい樹脂あるいはブリードしにくい構造特性を有する樹脂あるいはブリードしにくい樹脂と粘着剤からなる混合物では、従来市販されている両面接着テープあるいは両面接着シートに比べ粘着力が通常弱くなる。しかし、箔、箔フレークあるいは粉体が接着される伸展性樹脂フィルム面の粘着力は、伸展性樹脂フィルムを被着体に貼着するために必要とされるほどの大きさが必要とされるものではない。
一方、上記両面接着シート積層体を構成する伸展性樹脂フィルムは、被着体曲面への当該樹脂フィルムの追随性を確保するため、伸展性が必要とされる。伸展性を付与するためには、樹脂フィルムの膜厚および樹脂フィルムの材料が、このような特性を満たすようなものであることが必要である。また、伸展性樹脂フィルムは、少なくとも一方の面が粘着性を有していれば良く、樹脂フィルムが一層の樹脂フィルムから構成されていてもよいし、樹脂フィルムの他面側に粘着性あるいは非粘着性表面を形成する樹脂フィルムが存在する積層構造とされたものであってもよい。伸展性樹脂フィルムの膜厚は、通常50〜150μm程度の厚みとされる。また、伸展性樹脂フィルムの伸び率は、70〜200%の伸びであることが曲面への適応性の観点から好ましい。このような伸びを有すると、複雑形状の被着体表面であっても、その曲面に合わせて容易に両面接着シートを接着することができる。なお、この時の伸び率は、JIS K7113「プラスチックの引張試験方法」に基づいて測定されたものである。測定条件は、引っ張り速度200mm/分、試料幅15mm、チャック間距離100mm、室温20〜25℃である。
また、両面接着シート積層体の伸展性樹脂フィルム表面の粘着力は、粘着剤層の粘着力より弱いことが好ましい。このような粘着力の関係があれば、伸展性樹脂フィルムを被着体表面に確実に貼着することできるからである。伸展性樹脂フィルムの粘着力及び粘着剤層の粘着力は、具体的には、各々JIS Z0237に基づき測定された粘着力で40〜280g/cm(100〜700g/25mm)及び400g/cm(1000g/25mm)以上であることが好ましい。本発明においては、伸展性樹脂フィルムの粘着力は、より好ましくは、40〜120g/cm(100〜300g/25mm)であり、一方粘着剤層の粘着力はより好ましくは400〜600g/cm(1000〜1500g/25mm)程度である。なお、粘着力の測定条件(対ステンレス180°ピール試験)は、[室温24〜25℃、引き剥がし速度300mm/分、1時間後]である。
さらに、伸属性樹脂フィルムの特性としては、粘着剤層との親和性も挙げられる。このような種々の特性を満たす伸展性樹脂フィルム材料としては、粘着剤と樹脂との混合物からなるものが好ましい。このような材料からなる樹脂フィルムであると適度の表面粘着力及び伸展性を有し、且つフィルムからの粘着剤のブリードが発生せず、さらに粘着剤層との接着性の良好なフィルムを得ることができるからである。前記樹脂とともに用いられる粘着剤としては、通常アクリル系粘着剤が好ましく、一方、樹脂としてはアクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、セルロース系樹脂(例えばエチルセルロース、ニトロセルロースなど)、ポリエステル樹脂、酢酸ビニル−塩化ビニルのグラフト共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、ウレタン樹脂などのいずれか一種またはそれらの二種以上の混合物が好ましいものである。該アクリル系粘着剤と樹脂との割合(アクリル系粘着剤:樹脂)は、2.5:1〜3.5:1であるものが好ましい。粘着剤の量がこれらの範囲より少ない場合、伸展性樹脂フィルムの粘着力が弱すぎて箔等の接着に十分な接着力が得られない場合があり、また前記範囲より多い場合、伸展性樹脂フィルム表面の粘着力が大きすぎるとか粘着剤のブリードの発生や、フィルム形成性、フィルムの伸展性に問題が生じる場合があるからである。なお、樹脂は、粘着剤、例えばアクリル系粘着剤と相溶性であることが必要である。更に、本発明の伸展性樹脂フィルムの材料としては、上記特性を有するものである限り粘着剤と樹脂との混合物に限られるものでなく、樹脂単独あるいは樹脂に更に可塑剤などが添加されているものであってもよいことは勿論である。
また、粘着剤層の材料としてはアクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ゴム系粘着剤など従来粘着剤として公知のものの何れのものをも用いることができるが、中でもアクリル系粘着剤が好ましいものである。また粘着剤層の厚みは、通常10乃至50μm程度が望ましい。
この粘着剤層と上記粘着性を有する伸展性樹脂フィルムにより、両面接着シートが構成される。伸展性樹脂フィルムが複数のフィルムから構成され、該伸展性樹脂フィルムの一側表面の粘着力が400g/cm(1000g/25mm)以上あるような場合には、粘着剤層を省くこともできるし、必要であればこの粘着性伸展性フィルム上に更に粘着剤層を設けるようにしてもよい。複数の樹脂フィルムを積層して構成した伸展性樹脂フィルムを用いて、粘着剤層を省いた場合には装飾被着体に貼着されることになる樹脂フィルムが直接本発明の両面接着剤シートの粘着剤層の役割を果たすことになる。
さらに、伸展性樹脂フィルム面および粘着剤層面を保護するために剥離シートが用いられてもよい。伸展性樹脂フィルム面を保護するために用いられる第1剥離シートは通常30〜150μm程度、好ましくは40μm程度の厚みを有するポリエチレンテレフタレート(PET)などの樹脂フィルムからなる。また、粘着剤層面を保護するために用いられる第2剥離シートは、通常離型性表面を有する剥離紙とされる。
また、カッティングされた両面接着シートあるいは両面接着シート積層体が一時的に接着される転写シートとしては、表面に粘着層が設けられたPET、ポリプロピレン(PP)、酢酸セルロース、ポリエチレン、塩化ビニル樹脂などの樹脂フィルム、紙あるいは樹脂が含浸された紙などが好ましいものである。転写フィルムは伸展性を有していても有していなくてもよいが、通常は伸展性のないものがカッティングされた両面接着シートの変形がないため好ましい。この樹脂フィルムの材質、膜厚、粘着力の強さは、本発明の目的が達成できる範囲であればどのようなものであってもよい。
一方、本発明の被着体の装飾方法において好ましく用いることができる箔付シートとしては、キャリアフィルムと、該キャリアフィルムの片面に接合された箔とからなり、箔の接合強度が引き剥がし強さで0.01〜25g/cmのものが挙げられる。この引き剥がし強さが0.01g/cm未満であると、キャリアフィルムと箔との接合が不十分なため、容易に箔とキャリアフィルムとが剥がれ、取り扱いが困難となるからである。また、25g/cmを超えると、キャリアフィルムと箔との剥離が難しくなり、箔を伸展性樹脂フィルムの粘着性表面へ確実に接着することが難しくなるからである。そして、この箔とキャリアフィルムにおける接合強度は、両面接着シート積層体における伸展性樹脂フィルムの粘着性表面の接着力より小さいことが必要とされる。粘着性表面における接着力と同等以上の強度であると、粘着性表面に箔を確実に接着することが難しくなるからである。また、箔とキャリアフィルムとの接合強度は、当然に伸展性樹脂フィルムの粘着剤層の粘着力よりも小さいことが必要である、そうでなければ箔を伸展性樹脂フィルムの粘着性表面に接着した後に箔付シートからキャリアフィルムを除去する際に、伸展性フィルムの粘着剤層と被着体表面との粘着部分から剥離を生じるからである。
本発明で用いる箔付シートは、キャリアフィルムに箔が接合されている状態のものであれば、その構造自体には特に制限されるものではない。例えば、キャリアフィルム自体が粘着性表面を有する場合には、直接キャリアフィルムに箔を接合したものでよく、またキャリアフィルム自体が粘着性表面を有しない場合には、キャリアフィルムの片面に糊や接着剤等の接合層を設け、その接合層上に箔を張り合わせたものであってもよい。また、後述するようにスパッタリング法、真空蒸着法、メッキ法などにより、キャリアフィルム上に箔を形成する場合では、箔とキャリアフィルムとが剥離可能となるように、キャリアフィルムと箔との間に、離型剤を介在させたものを箔付シートとして用いることができる。要は、伸展性樹脂フィルムの粘着性表面に箔を接着し、その状態で箔付シートからキャリアフィルムを確実に剥離でき、該粘着性表面に箔を接着した状態を実現できればよいのである。
なお、箔付シートの箔は、スパッタリング法、真空蒸着法またはメッキ法により形成されることが好ましい。金箔のように予め箔状にされたものを準備し、それをキャリアフィルムに接合して箔付シートを形成することも可能であるが、箔自体はその取り扱いが難しいため、箔付シートの形成が容易でなくなる。そこで、スパッタリング法、真空蒸着法、メッキ法を利用して、キャリアフィルムに箔を形成するようにすると、非常に簡単に箔付シートを形成できる。また、これらの方法により箔付シートを形成すると、全面均一的な箔、即ち、ピンホールや割れ、皺などがない状態で箔付シートを形成でき、箔の厚みコントロールも容易となる。
これらの方法により箔付シートを形成する場合、キャリアフィルム表面に直接箔を形成することもできるが、キャリアフィルムと箔との剥離が確実に行えるように、キャリアフィルム表面に離型剤を塗布しておくことが好ましい。スパッタリング法、真空蒸着法、メッキ法により、キャリアフィルム表面に直接箔を形成すると、箔とキャリアフィルムとの接合強度が非常に大きくなり易く、箔とキャリアフィルムとが剥離できない場合が生じるからである。この離型剤は、一般的に知られているものを用いることができ、シリコーン樹脂、ポリビニルアルコール、パラフィン、ワックス類等が使用できる。
この箔付シートの箔材質としては、例えば、Au、Ag、Cu、Pt、Pd、Ir、Rh、Ru、Al、Niまたはこれらの任意の2種以上の合金を挙げることができる。これらの金属又は合金は、装飾用材料として好適なもので、装飾目的に合わせて適宜選択して用いればよい。合金としては、例えば、Au−Ag、Au−Cu、Ag−Cu,Au−Ag−Cu,Au−Pt,Pt−Pd,Pt−Irなどが代表的なものとして挙げられる。
また、この箔付シートのキャリアフィルムとしては、樹脂材、紙材、ゴム材、金属材のいずれかの材質のものを使用することができる。これらの各材質を適宜選択し、装飾目的に合わせた箔付シートを形成することで、より簡便に被着体表面を装飾することが可能となる。
キャリアフィルムの材質として、樹脂材、ゴム材を使用する場合、透明(半透明のものも含む)の樹脂材又はゴム材を用い、少なくともフィルム片面に着色又は印刷がされているものを使用することにより、箔付シートの表裏の見分けが簡単となり、伸展性樹脂フィルムの粘着性表面に箔付シートを接着する際に、誤ってキャリアフィルム側を接着するミスを防止することができる。
発明の実施の態様
以下、本発明について、好適な実施形態を図面に基づき詳細に説明する。
第1図に、本発明の被着体の装飾方法に好ましく用いることができる両面接着シート積層体の断面図が示されている。この第1図において、両面接着シート積層体1は、伸展性樹脂フィルム4、この伸展性樹脂フィルム4の粘着を有する一面4aに設けられた第1剥離シート5、伸展性樹脂フィルム4の他面4bに設けられた粘着剤層3、この粘着剤層3上に設けられた第2剥離シート2からなる。なお、両面接着シート6は、伸展性樹脂フィルム4と粘着剤層3により構成される。
上記伸展性且つ粘着性を有する樹脂フィルム4の一面4aには最終的には金属箔などの箔、金属箔フレークなどの箔フレーク、金属粉あるいは顔料粉などの粉体が接着される。そして、伸展性樹脂フィルム4は、その表面に箔、箔フレークあるいは粉体が接着されて装飾表面とされたとき、装飾表面に伸展性樹脂フィルム4の成分がブリードしない特性を有する材料によって形成される。
本例においては、伸展性樹脂フィルム4はアクリル系粘着剤とポリエステル樹脂との3:1の混合物からなり、JIS Z0237に基づき測定された値で約80g/cmの表面粘着力、70μm程度の厚み、70〜200%の伸びを有するものである。接着剤層3は40μm厚を有するアクリル系粘着剤層とされ、この接着剤層3の粘着力は約500g/cmであった。
さらに、第1剥離シート5としては、40μm程度の厚みを有するポリエチレンテレフタレートが、また第2剥離シート2としては、表面に離型層を有する剥離紙が用いられた。
本発明において用いられる両面接着シート積層体1は、従来知られた何れの方法によって製造されてもよい。両面接着シート積層体1の製造法の一例を挙げると、まず、第1剥離シート5上に伸展性樹脂フィルムを構成する樹脂と粘着剤を含む塗料を塗布し、乾燥して伸展性樹脂フィルム4を形成し、この伸展性樹脂フィルム面に紙セパレータを貼合して中間積層品を製造する。一方第2剥離シート2上に粘着剤をコーティングして粘着剤層3を形成し、この粘着剤層3の表面に、先に製造した中間積層品の伸展性樹脂フィルム面を紙セパレータを剥がしながら貼合せる方法が挙げられる。
以下では、第2図を参照しつつ、本発明の両面接着シート積層体1を用い、被着体表面に金箔により装飾を施す方法の一例を説明する。
まず、両面接着シート積層体1の第1剥離シート5の上からカッティングマシンによるコンピュータカットあるいはカッティングナイフによるカットによって所望の図形をカットする。このカッティングは、第2剥離シート2の厚みの途中までの深さとされる(工程a)。
次いで、第1剥離シート5および両面接着シート6の不要部5b,6bを除去(カスあげ)した後、片面に適宜の粘着力を有する粘着剤層8を担持する転写シート7を押し当て所望の図形状とされた第1剥離シート5上に転写シート7を接着する(工程b)。
転写シート7を引き剥がすことにより、転写シート7とともに所望の図形状とされた第1剥離シート5aおよび両面接着シートを第2剥離シート2から剥離して、転写シート7の粘着剤層8上に所望形状にカットされた両面接着シートを転写する(工程c)。
必要であればこれらの工程を繰り返し行って、同一転写シート7上にカットされた複数の両面接着シート図形を所望の配列で配置せしめる。このようにして得られた図形を粘着剤層3側から被着体Bに押し当て、両面接着シート6と第1剥離シート5からなる図形を被着体Bの所望位置に接着し、その後転写シート7とともに第1剥離シート5を剥離する(工程d)。
伸展性樹脂フィルムの粘着性表面4aを必要に応じアルコールなどで拭いて粘着性表面4aの活性化を行い、金箔Gを粘着性表面4aに接着し、タンポンあるいは指などで金箔Gを押さえ、不要部分の金箔Gは刷毛等で掃いて取り除き、金箔Gにより装飾された表面を形成する(工程e)。
更に必要であれば金箔G上に、金箔Gを保護するクリヤーラッカーが塗布されて装飾模様とされる。
なお、ここでは、金箔G自体を直接接着する方法で説明しているが、後述する金箔付シートを使用して金箔を伸展性樹脂フィルム上に接着してもよい。
続いて、第3図を参照しつつ被着体表面を金箔により装飾する他の方法を説明する。
第3図の(a)工程は第2図の(a)工程と同じであるので説明を省略する。
第3図の(a)工程で所望の形状に切れ目が入れられた積層体の第1剥離シート5の図形部5aおよび不要部5b、両面接着シート6の不要部6bを除去した後、片面に適宜の粘着力を有する粘着剤層8を担持する転写シート7を、第2剥離シート上に残留する伸展性樹脂フィルム4の粘着性表面4aに押し当て所望の図形を両面接着シート6に接着せしめる(工程b’)。
次いで、転写シート7を剥がすことにより図形状の両面接着シートを第2剥離シート2から剥離して、転写シート7の粘着剤層8上に転写する。これらの工程を必要であれば繰り返し行って、同一転写シート7上に複数の両面接着シート図形を所望の配列で配置せしめる(工程c’)。
このようにして得られた図形を粘着剤層3側から被着体Bに押し当て、両面接着シート6からなる図形を被着体Bの所望位置に接着し、その後転写シート7を剥離して図形を被着体B上に転写させる(工程d’)。
伸展性樹脂フィルム4の粘着性表面4aを必要に応じアルコールなどで拭いて粘着性表面4aの活性化を行い、金箔Gを粘着性表面4aに接着し、タンポンあるいは指などで金箔Gを押さえ、不要部分の金箔Gは刷毛等で掃いて取り除き、金箔Gにより装飾された表面を形成する(工程e)。
更に必要であれば第2図の方法と同様に金箔G上に、金箔Gを保護するクリヤーラッカーが塗布されて装飾模様とされる。
なお、この方法においても、金箔G自体を直接接着する方法で説明しているが、後述する金箔付シートを使用して金箔を伸展性樹脂フィルム上に接着してもよい。
さらに、上記第2図、第3図の例では、両面接着シート積層体1のカッティングは第2剥離シート2の厚みの途中までの深さとされたが、第2剥離シート2を貫通させる、あるいは鋏などにより図形を切り抜き、切り抜いた図形の第2剥離シート2を剥離し、この剥離された面を被着体B表面に接着した後に第1剥離シートを剥離し、粘着性表面4aに金箔Gなどを接着するようにしてもよい。このとき、必要であれば、切り抜かれた図形の第2剥離シート2を剥離することなく第1剥離シート5を剥離した後に、あるいは第2剥離シート2および第1剥離シート5のいずれも剥離することなく一旦転写シート7上に切り抜かれた図形を接着、配置し、その後複数の図形を同様にして順次転写シート7上に配置した後第2剥離シート2を剥離し、上記dまたはd’工程を行い、一度に複数の図形状の粘着表面を被着体B上に形成するようにしてもよい。さらに、被着体の装飾範囲が被着体の全面に及ぶなどの場合には、必要であれば被着体全面を第1剥離シート5付きの両面接着シート6により覆い、その後被着体の大きさに併せて不要となる剥離シートと両面接着シートをカットするようにしてもよく、最終的に装飾が必要とされる場所に、両面接着シート6を構成する伸展性フィルム4の粘着性表面4aが存在するようにしてやればよい。
さらに、図示は省略するが、例えば凹部表面などに両面接着シート6を貼り付けるには、装飾を行いたい部分の大きさより幾分大きい形状に両面接着シート積層体1をカットし、第1及び第2剥離シートを剥離した後、装飾したい部分に両面接着シートを被せ、被着体の凹部表面から背面にまで連通する如く設けられた孔を通して被着体背面から真空吸引することにより、両面接着シートの伸びを利用して両面接着シート6を凹部表面に密着、接着することもできる。この後、上記工程(e)を実施して、金箔などによる装飾を施せばよい。
なお、本発明の装飾方法においては、必要に応じ転写シート7が用いられるが、この転写シート7の第1剥離シート5表面との接着強度、あるいはこの転写シート7の伸展性樹脂フィルム4の粘着性表面4aとの接着強度は、粘着剤層3と第2剥離シート2との接着強度および伸展性樹脂フィルム4の粘着性表面4aと第1剥離シート5との接着強度よりは強く、粘着剤層3と被着体B表面との接着強度よりは弱くなるようにされる。
また、上記ではアルコールによる粘着性表面4aの活性化について記載したが、加熱によっても粘着性表面4aの活性化は可能である。また、被着体Bが布などの場合、被着体Bを暖めておく、あるいは粘着剤層3を加熱するなどして、被着体Bに対する粘着強度の増大化や、被着体Bに対する両面接着シートの密着性の向上を図ることも可能である。
上記第2図及び第3図の例では装飾材料として金箔を用いたが、金箔以外の金属箔、例えば銀、銅、アルミニウム、錫あるいはこれらの金属の合金、さらにはステンレスの箔など単一金属箔あるいは合金箔等のいずれのものであってもよい。また、箔は表面に酸化処理、硫化処理などが施されているものであってもよい。従来金箔などは極めて厚みが薄く取り扱いにくいが、この金箔などの厚みを例えば1〜10μm程度と従来のものより厚くしたものを用いて金箔処理を行えば、箔の取り扱いも簡単になり、本発明の両面接着シート積層体の使用とあいまって、熟練した職人によらずとも、金箔などによる被着体表面の装飾が簡単に行える。なお、酸化処理した箔としては、例えば黄銀箔、赤銀箔、青銀箔、黒銀箔があげられる。
また、上記第2図及び第3図では、直接金箔を接着する場合を例にして説明したが、第4図に示す金箔付シートを使用して接着する方法によれば、より簡単に金箔Gの接着が行えるものとなる。第4図に示す金箔付シート9は、キャリアフィルム10の片面に金箔Gを接合した状態で形成されたものである。
この金箔付シート9の金箔G側を、第2図及び第3図で説明した伸展性樹脂フィルム4の粘着性表面4aに押し当てて、キャリアフィルム10を引き剥がすことにより、金箔Gを極めて容易に接着することができる。この場合、金箔Gの厚さが非常に薄ものであっても、キャリアフィルム10の存在により、金箔G自体を直接取り扱う場合に比べ、比較にならないほど取り扱いが容易となり、接着する金箔Gには皺などが殆ど発生しなくなる。
この金箔付シート9のキャリアフィルム10としては、プラスチックなどの有機材質からなるものが好適で、具体的には、有機材質としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)等の樹脂が好ましいものであるが、これ以外にも紙、ゴム、金属等でもよく、キャリアフィルム10に設ける箔の材質や装飾目的の被着体Bの材質、形状等に合わせて適宜選択することができる。また、このキャリアフィルム10の厚みは、5〜100μmであることが好ましい。5μmより薄すぎると、キャリアフィルム10自体の強度が弱くなり、箔付シート9自体の取り扱いやキャリアフィルム10の引き剥がしが難しくなり、逆に100μmより厚すぎると、箔等を伸展性樹脂フィルム4の粘着性表面4aに合わせて接着することが困難となるからである。
また、このキャリアフィルム10として、透明又は半透明の樹脂材又はゴム材を使用し、そのキャリアフィルム10の片面側に着色或いは図形や文字などを印刷しておけば、金箔付シート9の表裏が見分け易くなり、金箔付シート9のキャリアフィルム10側を、伸展性樹脂フィルム4の粘着性表面4aに接着するという作業上のミスを防止できる。
そして、この金箔付シート9は、キャリアフィルム10と金箔Gとの接合強度が、例えばJIS 8504半田の密着強度の測定法に基づき、細線の引張り試験機を用いて行った幅15mmのキャリアフィルム10と金箔Gの引き剥がしテストより測定された値で、0.01〜25g/cmの引き剥がし強度であればよく、好ましくは、0.1〜5g/cm、より実用的には0.3〜3g/cmであればよい。また、このような範囲の接合強度を有する金箔付シート9を形成する場合には、金箔Gとキャリアフィルム10における接合強度が、両面接着シート積層体1における伸展性樹脂フィルム4の粘着性表面4aの粘着力よりも小さくする必要があり、そして、当然に、伸展性樹脂フィルム4の粘着剤層3の粘着力よりも小さい必要がある。そうでなければ、金箔付シート9からキャリアフィルム10を引き剥がす際に、伸展性樹脂フィルム4の粘着性表面4aに金箔Gを確実に接着できなくなるか、あるいは、被着体Bに接着された両面接着シート6が被着体から剥離されることになるからである。
この金箔付シート9は、金箔を例にしているが、他の金属あるいは合金箔であってもよい。金箔を含めこれらの金属箔を用いて箔付シートを形成する場合、箔の厚みは0.05 〜50μmであればよく、好ましくは0.1〜20μm、より好ましくは0.1〜1μmである。箔の厚みが0.05μm未満であると、箔にピンホールなどの欠陥を有し、粘着剤のブリードが発生しやすくなる傾向となり、また厚みが50μmを超えると箔自体の柔軟性が損なわれ、小さな曲面の形成性が悪くなるからである。
この金箔付シート9は、キャリアフィルム10の片面に、金箔Gを直接貼り付けて形成したものであっても、スパッタリング法、真空蒸着法、めっき法により、キャリアフィルム10の片面に、所定厚みの金を接合して形成したものであってもよい。
金箔Gをキャリアフィルム10に直接貼り付けて金箔付シート9を形成する方法としては、次の二方法が挙げられる。すなわち、まず第一の方法としては、キャリアフィルム10自体が粘着性表面を有する場合には、直接キャリアフィルム10の片面側に、予め準備した金箔Gを重ねて接合することで金箔付シート9を形成する方法である。このような粘着性表面を有するキャリアフィルム10としては、フィルム自体粘着性を有するものか、あるいはフィルムに粘着剤層を設け表面が粘着性にされたものが挙げられる。フィルム自体が粘着性を有するものとしては、例えば酢酸ビニル−塩化ビニルのグラフト共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、アクリル樹脂のようなものが、またそれ自身は粘着性を有しないが可塑剤を添加することにより粘着性を有するものとなる例えば塩化ビニル樹脂、ニトロセルロース等セルロースの誘導体樹脂、ウレタン樹脂などが挙げられる。また、キャリアフィルム10自体が粘着性表面を有しない場合には、キャリアフィルム10の片面側に、糊、接着剤を塗布するか、或いは、粘着性両面テープを貼り付けて接合層を形成した後、その接合層上に金箔Gを重ねて接合することで、金箔付シート9を形成できる。この接合層を設ける場合、図示は省略するが、第4図での金箔付シート9において、キャリアフィルム10と金箔Gとの間に接合層が存在した状態のものとなる。
また、スパッタリング法を用いての金箔付シートの形成は、例えば次のようにして行うことができる。先ず、キャリアフィルム10として、0.02〜0.2mm厚のPET(或いはPP)製シートを準備し、離型剤であるシリコーン樹脂を片面に塗布する。この離型剤が塗布されたキャリアフィルムを、スパッタリング装置のチャンバー内にセットし、真空度1.5〜3.75×10−5Pa(2〜5×10−3Torr)の状態で約100秒間放置後、印加電力を0.1〜0.2kWとし、約10分間のスパッタリングを行い、厚さ約2000Åの金膜をキャリアフィルム10上に堆積させ、金箔付シート9を形成する。このスパッタリングには、純度99.99%の金ターゲットを使用した。尚、このスパッタリング法による場合、図示は省略するが、第4図での金箔付シート9において、キャリアフィルム10と金箔Gとの間に離型剤が存在した状態のものとなる。
また、真空蒸着法を用いて金箔付シートを形成する場合、上記したスパッタリング法の場合と同様に、キャリアフィルム10として、0.02〜0.2mm厚さのPET(或いはPP)製シートを準備し、離型剤であるシリコーン樹脂を片面に塗布したものを準備する。そして、この離型剤が塗布されたキャリアフィルム10を、真空蒸着装置のチャンバー内にセットし、圧力1.0〜3.0×10−3Pa、20℃の窒素ガス雰囲気中に約100秒間放置後、金蒸着源(純度99.99%)の所定温度に加熱して金を蒸発させ、原さ約2000Åの金膜をキャリアフィルム10上に堆積して金箔付シート9を形成した。尚、この真空蒸着法による場合も、図示は省略するが、第4図での金箔付シート9において、キャリアフィルム10と金箔Gとの聞に離型剤が存存した状態のものとなる。
続いて、メッキ法で金箔付シートを形成する場合、金箔層は例えば次のようにして形成することができる。始めに、チタン(又はSUS)製の回転ドラムを金メッキ液中に浸漬し、該回転ドラムをカソードとして回転ドラム表面に金を析出させる(膜厚2000Å)。このとき使用する金メッキ液は、弱アルカリ性の高純度金メッキ液で、金濃度10g/L、比重12〜25Be、温度50℃、pH8のものである。また、電流密度は0.2〜0.6A/dm2の範囲内で設定し、白金/チタンアノードを用いて金メッキ処理を行う。このようにして金メッキ処理された回転ドラムを金メッキ液から取り出し、洗浄、乾燥処理を行った後、粘着性両面テープを片面側に張り合わされたPET製のキャリアフィルム10を、粘着性両面テープ側を回転ドラムの金メッキ表面に重ねあわせ、回転ドラムから金メッキを剥離することにより、金箔付シート9を形成することができる。
上記したように、被着体Bに接着された伸展性樹脂フルム4の粘着性表面4aに接着する装飾材料として、箔を使用することができるが、更に金箔フレーク、銀箔フレークなどの金属箔フレーク、金パウダー、銀パウダーなどの金属粉、顔料粉などいずれのものであっても同様に施工することができる。フレークや粉末材料の場合には、これらを粘着性表面4aに降りかけた後、指などを用いて押さえ、不要のフレーク、パウダーを取り除いてやればよい。
本発明の方法により装飾することができる被着体B材料としては、金属、プラスチック、石材、木材、ガラス、繊維製品、紙、漆製品、皮などいずれのものであってもよいし、被着体Bの表面は、平坦であっても、凹凸を有するものであってもよい。
発明の効果
以上詳述したように、本発明によれば熟練した技術を要することなく、簡単に且つドライな状態で、金箔などの金属箔、金箔フレーク等の金属フレーク、金粉などの金属粉、顔料粉など本物の素材を用いて、あらゆる素材からなる被着体に対し装飾を施すことができる。また、本発明の方法及び両面接着シート積層体の使用により粘着剤の装飾表面へのしみ出しがなく、いつまでも作成時の状態が保たれた装飾を施すことができる。そして、本発明の両面接着シートは柔軟性且つ伸展性を有するため被着体が曲面をなしていても対応することができる。さらに本発明の箔付シートを用いると、極薄の箔であっても、極めて簡単に被着体表面の装飾を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の両面接着シート積層体の一例の断面図である。
第2図は、本発明の被着体表面の装飾方法の一例を説明する工程図である。
第3図は、本発明の被着体表面の装飾方法の他の例を説明する工程図である。
第4図は、本発明の被着体表面の装飾方法において用いられる、金箔付シートの断面図である。
本発明は、金属箔などの箔、金属箔フレークなどの箔フレーク、金属粉、顔料粉などの粉体を用いて被着体表面に装飾表面あるいは装飾図形を形成する方法およびこの方法に用いる両面接着シート積層体並びに箔付シートに関する。さらに詳細には、看板、室内壁面、工芸品、什器、テーブルなどの家具、本等の種々の被着体表面に金箔、銀箔、銅箔などの箔や、これらの金属の箔フレーク、金属粉あるいは顔料粉などの粉体を用いて装飾表面あるいは装飾図形を形成する方法およびこの方法に用いる両面接着シート積層体並び箔付シートに関する。
背景技術
金箔などの貴金属箔、貴金属の箔フレーク、貴金属粉、顔料粉末などを用いて被着体表面に装飾模様あるいは装飾文字を形成することは、従来から広く行われている。これら貴金属箔、箔フレーク、金属粉を用いた装飾の例として、例えば、工芸品、什器、家具、仏壇、仏具など漆を用いた製品の装飾、ショーウィンドウなどのディスプレー、ガラスドアなどへの装飾、文字などの施工、室内壁面の装飾、襖など建具の装飾、看板の文字あるいは装飾など種々のものを挙げることができる。このような貴金属箔などの材料を用いての装飾には、熟練した技術が必要とされ、特殊な技術を有する職人による所謂職人技に頼っていたのが現状である。
その理由は、まず、金箔等の貴金属箔は、展性が極めて高く、形成された箔の厚みが極めて薄いため、箔自体の取り扱いが非常に難しいことによる。加えて、このような取り扱い困難な箔を被着体に貼り付ける際にも、接着剤となる漆、膠などの材料の選択、接着剤液の調整、塗布、箔貼り付け時期の選択、貼り付け技術などに熟練した技を要するからである、また、被着体上に所望の形状の装飾を施すには、これに相当する膠、漆などからなる接着剤の絵を被着体上に直接描かなくてはならないこともその理由の一つとしてあげられる。そして、使用される貴金属箔などは高価であり、失敗も許されないこともその理由の一つである。これらのことは、貴金属フレーク、貴金属粉、顔料粉を用いる装飾においても同様である。
このような職人技によることなく箔装飾を施すために、合成樹脂フィルムの両面に粘着剤層が設けられた所謂両面接着テープ、あるいは両面接着シートの一方の粘着剤面に金箔等の貴金属箔が貼り付けられ、他面に剥離紙などの剥離シートが接着された、所謂タックシートが提案されている。このタックシートにあっては、タックシートを所望の形状に切り抜き、剥離紙を除去して箔付きの合成樹脂フィルムを被着体の所望の場所に接着することにより、特別の技術を要することなく、簡便に被着体上に箔を接着することができる。
しかし、従来提案されたタックシートでは、表面に設けられた金箔などの厚みが極めて薄く、また金箔などに割れ目、隙間などが存在するため、タックシートが被着体(被装飾物)に接着された後に装飾製品の周囲の温度が上昇すると、箔の表面にタックシートの粘着剤がブリード(しみだし)してくることがある。また、貼り付けられた箔と箔との間から両面接着テープあるいは両面接着シートの粘着剤がブリードするなどして、装飾表面がべたついたり、更には箔表面にブリードしてきた粘着剤に塵、挨などが付着し装飾効果を損ねるなどの問題がある。そして、タックシートでは、箔が接着された両面接着シートの伸展性が悪い場合、シートを被着体の曲面に合わせて接着することが難しく、結果として金箔などを被着体の曲面に合わせて貼り付けることができないとか、更に、両面接着シートが伸展性を有し、被着体の曲面に合わせてタックシートを伸展せしめて貼り付けることが出来たとしたとしても、シートの伸展に伴って箔の割れや隙間を生じ、製品価値が無くなるという問題があった。
そして、これらの問題は、箔フレーク、金粉などの金属粉、鉱物粉などの顔料粉などの粉体を表面に担持するタックシートを用いる場合にも同様に起こるものであった。
本発明は、上記のごとき現状に鑑み、従来の問題点のない、すなわち特別な技能を必要とせず、簡便に、且つ箔などの装飾表面への粘着剤のブリードが起きない、被着体表面の装飾方法を提供することを目的とするものである。
また、本発明は、曲面状の被着体表面に金属箔などにより装飾を良好に行うことができる被着体表面の装飾方法を提供することを目的とするものである。
さらに、本発明は、上記方法に好適に用いることができる両面接着シート積層体及び箔付シートを提供することを目的とするものである。
発明の開示
本発明者等は鋭意研究、検討を行ったところ、少なくとも一方の面が粘着性を示す伸展性樹脂フィルムの他方の面に粘着剤層が設けられてなる両面接着シートの粘着剤層側を装飾が施される基体(被着体)に接合した後、箔、箔フレーク、粉体などをこの伸展性樹脂フィルムの粘着性表面に接着することにより、上記課題を解決することができることを見出して、本発明をなしたものである。
即ち、本発明は、少なくとも一方の面が粘着性を示す伸展性樹脂フィルムの他方の面に粘着剤層が設けられてなる両面接着シートの粘着剤層面を被着体表面に貼着した後、前記伸展性樹脂フィルムの粘着性表面に箔、箔フレークあるいは粉体を接着することを特徴とする被着体表面の装飾方法を提供するものである。
上記本発明の装飾方法においては、両面接着シートがフィルム移動過程やカスあげ過程において、所望する形状を保つようにすることが好ましい。これにより、被着体の必要な部分にのみ箔、箔フレーク、粉体などの接着による所望の装飾を簡便に施すことができるからである。これに対し、フィルム移動過程やカスあげ過程において、カッティングされた伸展性樹脂フィルムがその形状を保てない場合には、得られた装飾図形は意図した形状と異なるものとなってしまい、所期の目的を達成することが難しくなる。
本発明の被着体表面の装飾方法においては、箔、箔フレーク、粉体等が接着される両面接着シートを構成する素材として伸展性樹脂フィルムが使用されているため、被着体表面の曲面に合わせて両面接着シートを容易に貼着することができるとともに、両面接着シートを被着体に貼着した後で伸展性フィルムの粘着性表面に箔、箔フレーク、粉体が接着されるため、箔等を被着体に簡単に接着することができる。また、箔等が接着される伸展性樹脂フィルム面には粘着剤層が存在しないため、粘着剤が箔等の表面にブリードすることもない。さらに、箔は両面接着シートを被着体に貼着した後において接着されるので、予め箔を備えたタックシートを曲面を有する被着体に貼着した場合に生ずる箔の割れの発生を防止することもできる。
本発明の被着体表面を装飾する方法としては、次のような方法が好ましい方法として挙げられる。
まず、第1の方法としては、前記少なくとも一方の面が粘着性を示す伸展性樹脂フィルムの他方の面に粘着剤層が設けられてなる両面接着シートの表裏面に第1および第2剥離シートが設けられた両面接着シート積層体を用意し、この第1および第2剥離シートが積層された積層体を所望の形状に切り抜き、粘着剤層側の第2剥離シートを剥離して、両面接着シートの粘着剤層面を被着体表面に接着した後、伸展性樹脂フィルムの粘着性表面上の第1剥離シートを剥離し、被着体に接着、残留する伸展性樹脂フィルムの粘着性表面に箔、箔フレークあるいは粉体を接着する方法である。
第2の方法は、前記第1の方法と同様に両面接着シートの表裏面に第1および第2剥離シートが設けられた両面接着シート積層体を用意し、この第1および第2剥離シートが積層された積層体を所望の形状に切り抜いた後、この切り抜いた積層体の第1剥離シート表面に転写シートを接合せしめ、次いで粘着剤層側の第2剥離シートを剥離し、粘着剤層面を被着体表面に接着した後、転写シートを伸展性樹脂フィルムの粘着性表面上の第1剥離シートとともに剥離し、被着体に接着、残留する伸展性樹脂フィルムの粘着性表面に箔、箔フレークあるいは粉体を接着する方法である。
第3の方法は、前記両面接着シートの表裏面に第1および第2剥離シートが設けられた両面接着シート積層体を用意し、この第1および第2剥離シートが積層された積層体を所望の形状に切り抜き、該両面接着シートの伸展性樹脂フィルム上の第1剥離シートを剥離した後に両面接着シートの伸展性樹脂フィルムの粘着性表面に転写シートを接合し、次いで粘着剤層側の第2剥離シートを剥離し、両面接着シートの粘着剤層面を被着体表面に接着した後、転写シートを引き剥がし、被着体に接着、残留する伸展性樹脂フィルムの粘着性表面に箔、箔フレークあるいは粉体を接着する方法である。
第4の方法は、前記両面接着シートの表裏面に第1および第2剥離シートが設けられた両面接着シート積層体を用意し、この第1および第2剥離シートが積層された積層体の伸展性樹脂フィルムの粘着性表面上の第1剥離シート側から、背面の第2剥離シートを切り抜かないように所望の形状に切れ目を入れ、不要部分の第1剥離シートおよび両面接着シートを除去し、残留する積層体の第1剥離フィルム表面に転写シートを接合した後、積層体と転写シートを第2剥離シートから引き剥がすことにより、所望の形状を有する両面接着シートおよび第1剥離シートを転写シートに転写し、その後この転写シートに転写された両面接着シートの粘着剤面を被着体に接着し、次いで転写シートを第1剥離シートとともに引き剥がし、被着体に接着、残留する伸展性樹脂フィルムの粘着性表面に箔、箔フレークあるいは粉体を接着する方法である。
第5の方法は、前記両面接着シートの表裏面に第1および第2剥離シートが設けられた両面接着シート積層体を用意し、この第1および第2剥離シートが積層された積層体の伸展性樹脂フィルムの粘着性表面上の第1剥離シート側から、背面の第2剥離シートを切り抜かないように所望の形状に切れ目を入れ、この切れ目が入れられた所望形状を有する部分の第1剥離シートおよびそれ以外の不要部分の第1剥離シート並びに両面接着シートを除去し、残留する所望形状を有する伸展性樹脂フィルムの粘着性表面に転写シートを接合した後に第2剥離シートから引き剥がすことにより、切れ目を入れられて形成された所望の形状を有する両面接着シートを転写シートに転写し、次いでこの転写シートに転写された両面接着シートの粘着剤面を被着体に接着した後、転写シートを両面接着シートの粘着性表面から引き剥がし、被着体に接着、残留する伸展性樹脂フィルム表面に箔、箔フレークあるいは粉体を接着する方法である。
上記本発明の被着体表面の装飾方法において、伸展性樹脂フィルムの粘着性表面に箔、箔フレークあるいは粉体を接着する際には、伸展性樹脂フィルムの粘着性表面をアルコールにより拭いた後に箔などの接着を行うことが好ましい。アルコールで粘着性表面を拭くことにより、粘着性表面の活性を高くすることができ、これにより粘着力が増大し、箔、箔フレーク、粉体の接着を確実に行うことができるからである。また、必要であれば被着体を加温するとか、両面接着シートを加温しておいても接着力の強化を図ることができる。
また、上記本発明の被着体表面の装飾方法においては、伸展性樹脂フィルムの粘着性表面に箔を接着する場合、キャリアフィルムの片側に箔が接合された箔付シートを用い、該箔付シートの箔側を伸展性樹脂フィルムの粘着性表面に接着し、その後、箔付シートからキャリアフィルムを剥離するようにすることが好ましい。
箔フレークや粉末を伸展性樹脂フィルムの粘着性表面に接着する場合には、粘着性表面に向けて箔フレークや粉末を落下させるあるいは吹きつける等すれば、箔フレーク、粉末などを粘着性表面に容易に接着することができるが、箔の場合、金箔を例にしても判るように、箔自体を直接取り扱うことは非常に難しいため、直接箔のみを接着することは容易ではない。そこで、上記の如く所謂箔付シートとして、粘着性表面へ箔を接着するようにすれば、より簡単に箔の接着が可能となる。この場合において、箔付シートは、キャリアフィルムの片面に箔が接合されてなるものであるが、このキャリアフィルムと箔との接合強度は、伸展性樹脂フィルムの粘着性表面における粘着力よりも小さく、そして、当然に、伸展性樹脂フィルムの粘着剤層の粘着力よりも小さいことが必要である。そうでなければ、伸展性樹脂フィルムの粘着性表面に箔付シートを接着した後、箔付シートからキャリアフィルムを除去する際に、箔が粘着性表面から剥離したり、或いは伸展性樹脂フィルムの粘着剤層と被着体表面との粘着部分に剥がれを生じるからである。
また、本発明の被着体の装飾方法においては、取り扱いの簡便性、正確な装飾模様の形成の観点から、上記した如く両面接着シートの両面に剥離シートが接合された両面接着シート積層体を用いることが好ましい。本発明で好ましく用いられる前記両面接着シート積層体の構成としては、例えば、少なくとも一面に粘着性表面を有する伸展性樹脂フィルム、該伸展性樹脂フィルムの一面の粘着性表面に設けられた第1剥離シート、該伸展性樹脂フィルムの他面に設けられた粘着剤層、該粘着剤層の表面に設けられた第2剥離シートからなるものが挙げられる。この伸展性樹脂フィルムとしては、その表面に箔、箔フレークあるいは粉体が接着されて装飾表面とされたとき、箔などの装飾表面に伸展性樹脂フィルムの成分がブリードしない特性を有するものが用いられる。
このような特性を有する樹脂フィルムとしては、その材料として、従来の両面接着テープあるいは両面接着シートで用いられる粘着剤に比べより樹脂成分のブリードしにくい材料が用いられる。このような樹脂材料としては、従来粘着剤において用いられている樹脂に比べ平均分子量のより大きい樹脂を用いるとか、使用する樹脂の共重合成分の選択など樹脂自体の特性がよりブリードしにくい構造特性を有するものを用いるとか、従来の粘着剤と樹脂との混合物を用いるなど適宜の方法によればよい。より平均分子量が大きい樹脂あるいはブリードしにくい構造特性を有する樹脂あるいはブリードしにくい樹脂と粘着剤からなる混合物では、従来市販されている両面接着テープあるいは両面接着シートに比べ粘着力が通常弱くなる。しかし、箔、箔フレークあるいは粉体が接着される伸展性樹脂フィルム面の粘着力は、伸展性樹脂フィルムを被着体に貼着するために必要とされるほどの大きさが必要とされるものではない。
一方、上記両面接着シート積層体を構成する伸展性樹脂フィルムは、被着体曲面への当該樹脂フィルムの追随性を確保するため、伸展性が必要とされる。伸展性を付与するためには、樹脂フィルムの膜厚および樹脂フィルムの材料が、このような特性を満たすようなものであることが必要である。また、伸展性樹脂フィルムは、少なくとも一方の面が粘着性を有していれば良く、樹脂フィルムが一層の樹脂フィルムから構成されていてもよいし、樹脂フィルムの他面側に粘着性あるいは非粘着性表面を形成する樹脂フィルムが存在する積層構造とされたものであってもよい。伸展性樹脂フィルムの膜厚は、通常50〜150μm程度の厚みとされる。また、伸展性樹脂フィルムの伸び率は、70〜200%の伸びであることが曲面への適応性の観点から好ましい。このような伸びを有すると、複雑形状の被着体表面であっても、その曲面に合わせて容易に両面接着シートを接着することができる。なお、この時の伸び率は、JIS K7113「プラスチックの引張試験方法」に基づいて測定されたものである。測定条件は、引っ張り速度200mm/分、試料幅15mm、チャック間距離100mm、室温20〜25℃である。
また、両面接着シート積層体の伸展性樹脂フィルム表面の粘着力は、粘着剤層の粘着力より弱いことが好ましい。このような粘着力の関係があれば、伸展性樹脂フィルムを被着体表面に確実に貼着することできるからである。伸展性樹脂フィルムの粘着力及び粘着剤層の粘着力は、具体的には、各々JIS Z0237に基づき測定された粘着力で40〜280g/cm(100〜700g/25mm)及び400g/cm(1000g/25mm)以上であることが好ましい。本発明においては、伸展性樹脂フィルムの粘着力は、より好ましくは、40〜120g/cm(100〜300g/25mm)であり、一方粘着剤層の粘着力はより好ましくは400〜600g/cm(1000〜1500g/25mm)程度である。なお、粘着力の測定条件(対ステンレス180°ピール試験)は、[室温24〜25℃、引き剥がし速度300mm/分、1時間後]である。
さらに、伸属性樹脂フィルムの特性としては、粘着剤層との親和性も挙げられる。このような種々の特性を満たす伸展性樹脂フィルム材料としては、粘着剤と樹脂との混合物からなるものが好ましい。このような材料からなる樹脂フィルムであると適度の表面粘着力及び伸展性を有し、且つフィルムからの粘着剤のブリードが発生せず、さらに粘着剤層との接着性の良好なフィルムを得ることができるからである。前記樹脂とともに用いられる粘着剤としては、通常アクリル系粘着剤が好ましく、一方、樹脂としてはアクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、セルロース系樹脂(例えばエチルセルロース、ニトロセルロースなど)、ポリエステル樹脂、酢酸ビニル−塩化ビニルのグラフト共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、ウレタン樹脂などのいずれか一種またはそれらの二種以上の混合物が好ましいものである。該アクリル系粘着剤と樹脂との割合(アクリル系粘着剤:樹脂)は、2.5:1〜3.5:1であるものが好ましい。粘着剤の量がこれらの範囲より少ない場合、伸展性樹脂フィルムの粘着力が弱すぎて箔等の接着に十分な接着力が得られない場合があり、また前記範囲より多い場合、伸展性樹脂フィルム表面の粘着力が大きすぎるとか粘着剤のブリードの発生や、フィルム形成性、フィルムの伸展性に問題が生じる場合があるからである。なお、樹脂は、粘着剤、例えばアクリル系粘着剤と相溶性であることが必要である。更に、本発明の伸展性樹脂フィルムの材料としては、上記特性を有するものである限り粘着剤と樹脂との混合物に限られるものでなく、樹脂単独あるいは樹脂に更に可塑剤などが添加されているものであってもよいことは勿論である。
また、粘着剤層の材料としてはアクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ゴム系粘着剤など従来粘着剤として公知のものの何れのものをも用いることができるが、中でもアクリル系粘着剤が好ましいものである。また粘着剤層の厚みは、通常10乃至50μm程度が望ましい。
この粘着剤層と上記粘着性を有する伸展性樹脂フィルムにより、両面接着シートが構成される。伸展性樹脂フィルムが複数のフィルムから構成され、該伸展性樹脂フィルムの一側表面の粘着力が400g/cm(1000g/25mm)以上あるような場合には、粘着剤層を省くこともできるし、必要であればこの粘着性伸展性フィルム上に更に粘着剤層を設けるようにしてもよい。複数の樹脂フィルムを積層して構成した伸展性樹脂フィルムを用いて、粘着剤層を省いた場合には装飾被着体に貼着されることになる樹脂フィルムが直接本発明の両面接着剤シートの粘着剤層の役割を果たすことになる。
さらに、伸展性樹脂フィルム面および粘着剤層面を保護するために剥離シートが用いられてもよい。伸展性樹脂フィルム面を保護するために用いられる第1剥離シートは通常30〜150μm程度、好ましくは40μm程度の厚みを有するポリエチレンテレフタレート(PET)などの樹脂フィルムからなる。また、粘着剤層面を保護するために用いられる第2剥離シートは、通常離型性表面を有する剥離紙とされる。
また、カッティングされた両面接着シートあるいは両面接着シート積層体が一時的に接着される転写シートとしては、表面に粘着層が設けられたPET、ポリプロピレン(PP)、酢酸セルロース、ポリエチレン、塩化ビニル樹脂などの樹脂フィルム、紙あるいは樹脂が含浸された紙などが好ましいものである。転写フィルムは伸展性を有していても有していなくてもよいが、通常は伸展性のないものがカッティングされた両面接着シートの変形がないため好ましい。この樹脂フィルムの材質、膜厚、粘着力の強さは、本発明の目的が達成できる範囲であればどのようなものであってもよい。
一方、本発明の被着体の装飾方法において好ましく用いることができる箔付シートとしては、キャリアフィルムと、該キャリアフィルムの片面に接合された箔とからなり、箔の接合強度が引き剥がし強さで0.01〜25g/cmのものが挙げられる。この引き剥がし強さが0.01g/cm未満であると、キャリアフィルムと箔との接合が不十分なため、容易に箔とキャリアフィルムとが剥がれ、取り扱いが困難となるからである。また、25g/cmを超えると、キャリアフィルムと箔との剥離が難しくなり、箔を伸展性樹脂フィルムの粘着性表面へ確実に接着することが難しくなるからである。そして、この箔とキャリアフィルムにおける接合強度は、両面接着シート積層体における伸展性樹脂フィルムの粘着性表面の接着力より小さいことが必要とされる。粘着性表面における接着力と同等以上の強度であると、粘着性表面に箔を確実に接着することが難しくなるからである。また、箔とキャリアフィルムとの接合強度は、当然に伸展性樹脂フィルムの粘着剤層の粘着力よりも小さいことが必要である、そうでなければ箔を伸展性樹脂フィルムの粘着性表面に接着した後に箔付シートからキャリアフィルムを除去する際に、伸展性フィルムの粘着剤層と被着体表面との粘着部分から剥離を生じるからである。
本発明で用いる箔付シートは、キャリアフィルムに箔が接合されている状態のものであれば、その構造自体には特に制限されるものではない。例えば、キャリアフィルム自体が粘着性表面を有する場合には、直接キャリアフィルムに箔を接合したものでよく、またキャリアフィルム自体が粘着性表面を有しない場合には、キャリアフィルムの片面に糊や接着剤等の接合層を設け、その接合層上に箔を張り合わせたものであってもよい。また、後述するようにスパッタリング法、真空蒸着法、メッキ法などにより、キャリアフィルム上に箔を形成する場合では、箔とキャリアフィルムとが剥離可能となるように、キャリアフィルムと箔との間に、離型剤を介在させたものを箔付シートとして用いることができる。要は、伸展性樹脂フィルムの粘着性表面に箔を接着し、その状態で箔付シートからキャリアフィルムを確実に剥離でき、該粘着性表面に箔を接着した状態を実現できればよいのである。
なお、箔付シートの箔は、スパッタリング法、真空蒸着法またはメッキ法により形成されることが好ましい。金箔のように予め箔状にされたものを準備し、それをキャリアフィルムに接合して箔付シートを形成することも可能であるが、箔自体はその取り扱いが難しいため、箔付シートの形成が容易でなくなる。そこで、スパッタリング法、真空蒸着法、メッキ法を利用して、キャリアフィルムに箔を形成するようにすると、非常に簡単に箔付シートを形成できる。また、これらの方法により箔付シートを形成すると、全面均一的な箔、即ち、ピンホールや割れ、皺などがない状態で箔付シートを形成でき、箔の厚みコントロールも容易となる。
これらの方法により箔付シートを形成する場合、キャリアフィルム表面に直接箔を形成することもできるが、キャリアフィルムと箔との剥離が確実に行えるように、キャリアフィルム表面に離型剤を塗布しておくことが好ましい。スパッタリング法、真空蒸着法、メッキ法により、キャリアフィルム表面に直接箔を形成すると、箔とキャリアフィルムとの接合強度が非常に大きくなり易く、箔とキャリアフィルムとが剥離できない場合が生じるからである。この離型剤は、一般的に知られているものを用いることができ、シリコーン樹脂、ポリビニルアルコール、パラフィン、ワックス類等が使用できる。
この箔付シートの箔材質としては、例えば、Au、Ag、Cu、Pt、Pd、Ir、Rh、Ru、Al、Niまたはこれらの任意の2種以上の合金を挙げることができる。これらの金属又は合金は、装飾用材料として好適なもので、装飾目的に合わせて適宜選択して用いればよい。合金としては、例えば、Au−Ag、Au−Cu、Ag−Cu,Au−Ag−Cu,Au−Pt,Pt−Pd,Pt−Irなどが代表的なものとして挙げられる。
また、この箔付シートのキャリアフィルムとしては、樹脂材、紙材、ゴム材、金属材のいずれかの材質のものを使用することができる。これらの各材質を適宜選択し、装飾目的に合わせた箔付シートを形成することで、より簡便に被着体表面を装飾することが可能となる。
キャリアフィルムの材質として、樹脂材、ゴム材を使用する場合、透明(半透明のものも含む)の樹脂材又はゴム材を用い、少なくともフィルム片面に着色又は印刷がされているものを使用することにより、箔付シートの表裏の見分けが簡単となり、伸展性樹脂フィルムの粘着性表面に箔付シートを接着する際に、誤ってキャリアフィルム側を接着するミスを防止することができる。
発明の実施の態様
以下、本発明について、好適な実施形態を図面に基づき詳細に説明する。
第1図に、本発明の被着体の装飾方法に好ましく用いることができる両面接着シート積層体の断面図が示されている。この第1図において、両面接着シート積層体1は、伸展性樹脂フィルム4、この伸展性樹脂フィルム4の粘着を有する一面4aに設けられた第1剥離シート5、伸展性樹脂フィルム4の他面4bに設けられた粘着剤層3、この粘着剤層3上に設けられた第2剥離シート2からなる。なお、両面接着シート6は、伸展性樹脂フィルム4と粘着剤層3により構成される。
上記伸展性且つ粘着性を有する樹脂フィルム4の一面4aには最終的には金属箔などの箔、金属箔フレークなどの箔フレーク、金属粉あるいは顔料粉などの粉体が接着される。そして、伸展性樹脂フィルム4は、その表面に箔、箔フレークあるいは粉体が接着されて装飾表面とされたとき、装飾表面に伸展性樹脂フィルム4の成分がブリードしない特性を有する材料によって形成される。
本例においては、伸展性樹脂フィルム4はアクリル系粘着剤とポリエステル樹脂との3:1の混合物からなり、JIS Z0237に基づき測定された値で約80g/cmの表面粘着力、70μm程度の厚み、70〜200%の伸びを有するものである。接着剤層3は40μm厚を有するアクリル系粘着剤層とされ、この接着剤層3の粘着力は約500g/cmであった。
さらに、第1剥離シート5としては、40μm程度の厚みを有するポリエチレンテレフタレートが、また第2剥離シート2としては、表面に離型層を有する剥離紙が用いられた。
本発明において用いられる両面接着シート積層体1は、従来知られた何れの方法によって製造されてもよい。両面接着シート積層体1の製造法の一例を挙げると、まず、第1剥離シート5上に伸展性樹脂フィルムを構成する樹脂と粘着剤を含む塗料を塗布し、乾燥して伸展性樹脂フィルム4を形成し、この伸展性樹脂フィルム面に紙セパレータを貼合して中間積層品を製造する。一方第2剥離シート2上に粘着剤をコーティングして粘着剤層3を形成し、この粘着剤層3の表面に、先に製造した中間積層品の伸展性樹脂フィルム面を紙セパレータを剥がしながら貼合せる方法が挙げられる。
以下では、第2図を参照しつつ、本発明の両面接着シート積層体1を用い、被着体表面に金箔により装飾を施す方法の一例を説明する。
まず、両面接着シート積層体1の第1剥離シート5の上からカッティングマシンによるコンピュータカットあるいはカッティングナイフによるカットによって所望の図形をカットする。このカッティングは、第2剥離シート2の厚みの途中までの深さとされる(工程a)。
次いで、第1剥離シート5および両面接着シート6の不要部5b,6bを除去(カスあげ)した後、片面に適宜の粘着力を有する粘着剤層8を担持する転写シート7を押し当て所望の図形状とされた第1剥離シート5上に転写シート7を接着する(工程b)。
転写シート7を引き剥がすことにより、転写シート7とともに所望の図形状とされた第1剥離シート5aおよび両面接着シートを第2剥離シート2から剥離して、転写シート7の粘着剤層8上に所望形状にカットされた両面接着シートを転写する(工程c)。
必要であればこれらの工程を繰り返し行って、同一転写シート7上にカットされた複数の両面接着シート図形を所望の配列で配置せしめる。このようにして得られた図形を粘着剤層3側から被着体Bに押し当て、両面接着シート6と第1剥離シート5からなる図形を被着体Bの所望位置に接着し、その後転写シート7とともに第1剥離シート5を剥離する(工程d)。
伸展性樹脂フィルムの粘着性表面4aを必要に応じアルコールなどで拭いて粘着性表面4aの活性化を行い、金箔Gを粘着性表面4aに接着し、タンポンあるいは指などで金箔Gを押さえ、不要部分の金箔Gは刷毛等で掃いて取り除き、金箔Gにより装飾された表面を形成する(工程e)。
更に必要であれば金箔G上に、金箔Gを保護するクリヤーラッカーが塗布されて装飾模様とされる。
なお、ここでは、金箔G自体を直接接着する方法で説明しているが、後述する金箔付シートを使用して金箔を伸展性樹脂フィルム上に接着してもよい。
続いて、第3図を参照しつつ被着体表面を金箔により装飾する他の方法を説明する。
第3図の(a)工程は第2図の(a)工程と同じであるので説明を省略する。
第3図の(a)工程で所望の形状に切れ目が入れられた積層体の第1剥離シート5の図形部5aおよび不要部5b、両面接着シート6の不要部6bを除去した後、片面に適宜の粘着力を有する粘着剤層8を担持する転写シート7を、第2剥離シート上に残留する伸展性樹脂フィルム4の粘着性表面4aに押し当て所望の図形を両面接着シート6に接着せしめる(工程b’)。
次いで、転写シート7を剥がすことにより図形状の両面接着シートを第2剥離シート2から剥離して、転写シート7の粘着剤層8上に転写する。これらの工程を必要であれば繰り返し行って、同一転写シート7上に複数の両面接着シート図形を所望の配列で配置せしめる(工程c’)。
このようにして得られた図形を粘着剤層3側から被着体Bに押し当て、両面接着シート6からなる図形を被着体Bの所望位置に接着し、その後転写シート7を剥離して図形を被着体B上に転写させる(工程d’)。
伸展性樹脂フィルム4の粘着性表面4aを必要に応じアルコールなどで拭いて粘着性表面4aの活性化を行い、金箔Gを粘着性表面4aに接着し、タンポンあるいは指などで金箔Gを押さえ、不要部分の金箔Gは刷毛等で掃いて取り除き、金箔Gにより装飾された表面を形成する(工程e)。
更に必要であれば第2図の方法と同様に金箔G上に、金箔Gを保護するクリヤーラッカーが塗布されて装飾模様とされる。
なお、この方法においても、金箔G自体を直接接着する方法で説明しているが、後述する金箔付シートを使用して金箔を伸展性樹脂フィルム上に接着してもよい。
さらに、上記第2図、第3図の例では、両面接着シート積層体1のカッティングは第2剥離シート2の厚みの途中までの深さとされたが、第2剥離シート2を貫通させる、あるいは鋏などにより図形を切り抜き、切り抜いた図形の第2剥離シート2を剥離し、この剥離された面を被着体B表面に接着した後に第1剥離シートを剥離し、粘着性表面4aに金箔Gなどを接着するようにしてもよい。このとき、必要であれば、切り抜かれた図形の第2剥離シート2を剥離することなく第1剥離シート5を剥離した後に、あるいは第2剥離シート2および第1剥離シート5のいずれも剥離することなく一旦転写シート7上に切り抜かれた図形を接着、配置し、その後複数の図形を同様にして順次転写シート7上に配置した後第2剥離シート2を剥離し、上記dまたはd’工程を行い、一度に複数の図形状の粘着表面を被着体B上に形成するようにしてもよい。さらに、被着体の装飾範囲が被着体の全面に及ぶなどの場合には、必要であれば被着体全面を第1剥離シート5付きの両面接着シート6により覆い、その後被着体の大きさに併せて不要となる剥離シートと両面接着シートをカットするようにしてもよく、最終的に装飾が必要とされる場所に、両面接着シート6を構成する伸展性フィルム4の粘着性表面4aが存在するようにしてやればよい。
さらに、図示は省略するが、例えば凹部表面などに両面接着シート6を貼り付けるには、装飾を行いたい部分の大きさより幾分大きい形状に両面接着シート積層体1をカットし、第1及び第2剥離シートを剥離した後、装飾したい部分に両面接着シートを被せ、被着体の凹部表面から背面にまで連通する如く設けられた孔を通して被着体背面から真空吸引することにより、両面接着シートの伸びを利用して両面接着シート6を凹部表面に密着、接着することもできる。この後、上記工程(e)を実施して、金箔などによる装飾を施せばよい。
なお、本発明の装飾方法においては、必要に応じ転写シート7が用いられるが、この転写シート7の第1剥離シート5表面との接着強度、あるいはこの転写シート7の伸展性樹脂フィルム4の粘着性表面4aとの接着強度は、粘着剤層3と第2剥離シート2との接着強度および伸展性樹脂フィルム4の粘着性表面4aと第1剥離シート5との接着強度よりは強く、粘着剤層3と被着体B表面との接着強度よりは弱くなるようにされる。
また、上記ではアルコールによる粘着性表面4aの活性化について記載したが、加熱によっても粘着性表面4aの活性化は可能である。また、被着体Bが布などの場合、被着体Bを暖めておく、あるいは粘着剤層3を加熱するなどして、被着体Bに対する粘着強度の増大化や、被着体Bに対する両面接着シートの密着性の向上を図ることも可能である。
上記第2図及び第3図の例では装飾材料として金箔を用いたが、金箔以外の金属箔、例えば銀、銅、アルミニウム、錫あるいはこれらの金属の合金、さらにはステンレスの箔など単一金属箔あるいは合金箔等のいずれのものであってもよい。また、箔は表面に酸化処理、硫化処理などが施されているものであってもよい。従来金箔などは極めて厚みが薄く取り扱いにくいが、この金箔などの厚みを例えば1〜10μm程度と従来のものより厚くしたものを用いて金箔処理を行えば、箔の取り扱いも簡単になり、本発明の両面接着シート積層体の使用とあいまって、熟練した職人によらずとも、金箔などによる被着体表面の装飾が簡単に行える。なお、酸化処理した箔としては、例えば黄銀箔、赤銀箔、青銀箔、黒銀箔があげられる。
また、上記第2図及び第3図では、直接金箔を接着する場合を例にして説明したが、第4図に示す金箔付シートを使用して接着する方法によれば、より簡単に金箔Gの接着が行えるものとなる。第4図に示す金箔付シート9は、キャリアフィルム10の片面に金箔Gを接合した状態で形成されたものである。
この金箔付シート9の金箔G側を、第2図及び第3図で説明した伸展性樹脂フィルム4の粘着性表面4aに押し当てて、キャリアフィルム10を引き剥がすことにより、金箔Gを極めて容易に接着することができる。この場合、金箔Gの厚さが非常に薄ものであっても、キャリアフィルム10の存在により、金箔G自体を直接取り扱う場合に比べ、比較にならないほど取り扱いが容易となり、接着する金箔Gには皺などが殆ど発生しなくなる。
この金箔付シート9のキャリアフィルム10としては、プラスチックなどの有機材質からなるものが好適で、具体的には、有機材質としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)等の樹脂が好ましいものであるが、これ以外にも紙、ゴム、金属等でもよく、キャリアフィルム10に設ける箔の材質や装飾目的の被着体Bの材質、形状等に合わせて適宜選択することができる。また、このキャリアフィルム10の厚みは、5〜100μmであることが好ましい。5μmより薄すぎると、キャリアフィルム10自体の強度が弱くなり、箔付シート9自体の取り扱いやキャリアフィルム10の引き剥がしが難しくなり、逆に100μmより厚すぎると、箔等を伸展性樹脂フィルム4の粘着性表面4aに合わせて接着することが困難となるからである。
また、このキャリアフィルム10として、透明又は半透明の樹脂材又はゴム材を使用し、そのキャリアフィルム10の片面側に着色或いは図形や文字などを印刷しておけば、金箔付シート9の表裏が見分け易くなり、金箔付シート9のキャリアフィルム10側を、伸展性樹脂フィルム4の粘着性表面4aに接着するという作業上のミスを防止できる。
そして、この金箔付シート9は、キャリアフィルム10と金箔Gとの接合強度が、例えばJIS 8504半田の密着強度の測定法に基づき、細線の引張り試験機を用いて行った幅15mmのキャリアフィルム10と金箔Gの引き剥がしテストより測定された値で、0.01〜25g/cmの引き剥がし強度であればよく、好ましくは、0.1〜5g/cm、より実用的には0.3〜3g/cmであればよい。また、このような範囲の接合強度を有する金箔付シート9を形成する場合には、金箔Gとキャリアフィルム10における接合強度が、両面接着シート積層体1における伸展性樹脂フィルム4の粘着性表面4aの粘着力よりも小さくする必要があり、そして、当然に、伸展性樹脂フィルム4の粘着剤層3の粘着力よりも小さい必要がある。そうでなければ、金箔付シート9からキャリアフィルム10を引き剥がす際に、伸展性樹脂フィルム4の粘着性表面4aに金箔Gを確実に接着できなくなるか、あるいは、被着体Bに接着された両面接着シート6が被着体から剥離されることになるからである。
この金箔付シート9は、金箔を例にしているが、他の金属あるいは合金箔であってもよい。金箔を含めこれらの金属箔を用いて箔付シートを形成する場合、箔の厚みは0.05 〜50μmであればよく、好ましくは0.1〜20μm、より好ましくは0.1〜1μmである。箔の厚みが0.05μm未満であると、箔にピンホールなどの欠陥を有し、粘着剤のブリードが発生しやすくなる傾向となり、また厚みが50μmを超えると箔自体の柔軟性が損なわれ、小さな曲面の形成性が悪くなるからである。
この金箔付シート9は、キャリアフィルム10の片面に、金箔Gを直接貼り付けて形成したものであっても、スパッタリング法、真空蒸着法、めっき法により、キャリアフィルム10の片面に、所定厚みの金を接合して形成したものであってもよい。
金箔Gをキャリアフィルム10に直接貼り付けて金箔付シート9を形成する方法としては、次の二方法が挙げられる。すなわち、まず第一の方法としては、キャリアフィルム10自体が粘着性表面を有する場合には、直接キャリアフィルム10の片面側に、予め準備した金箔Gを重ねて接合することで金箔付シート9を形成する方法である。このような粘着性表面を有するキャリアフィルム10としては、フィルム自体粘着性を有するものか、あるいはフィルムに粘着剤層を設け表面が粘着性にされたものが挙げられる。フィルム自体が粘着性を有するものとしては、例えば酢酸ビニル−塩化ビニルのグラフト共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、アクリル樹脂のようなものが、またそれ自身は粘着性を有しないが可塑剤を添加することにより粘着性を有するものとなる例えば塩化ビニル樹脂、ニトロセルロース等セルロースの誘導体樹脂、ウレタン樹脂などが挙げられる。また、キャリアフィルム10自体が粘着性表面を有しない場合には、キャリアフィルム10の片面側に、糊、接着剤を塗布するか、或いは、粘着性両面テープを貼り付けて接合層を形成した後、その接合層上に金箔Gを重ねて接合することで、金箔付シート9を形成できる。この接合層を設ける場合、図示は省略するが、第4図での金箔付シート9において、キャリアフィルム10と金箔Gとの間に接合層が存在した状態のものとなる。
また、スパッタリング法を用いての金箔付シートの形成は、例えば次のようにして行うことができる。先ず、キャリアフィルム10として、0.02〜0.2mm厚のPET(或いはPP)製シートを準備し、離型剤であるシリコーン樹脂を片面に塗布する。この離型剤が塗布されたキャリアフィルムを、スパッタリング装置のチャンバー内にセットし、真空度1.5〜3.75×10−5Pa(2〜5×10−3Torr)の状態で約100秒間放置後、印加電力を0.1〜0.2kWとし、約10分間のスパッタリングを行い、厚さ約2000Åの金膜をキャリアフィルム10上に堆積させ、金箔付シート9を形成する。このスパッタリングには、純度99.99%の金ターゲットを使用した。尚、このスパッタリング法による場合、図示は省略するが、第4図での金箔付シート9において、キャリアフィルム10と金箔Gとの間に離型剤が存在した状態のものとなる。
また、真空蒸着法を用いて金箔付シートを形成する場合、上記したスパッタリング法の場合と同様に、キャリアフィルム10として、0.02〜0.2mm厚さのPET(或いはPP)製シートを準備し、離型剤であるシリコーン樹脂を片面に塗布したものを準備する。そして、この離型剤が塗布されたキャリアフィルム10を、真空蒸着装置のチャンバー内にセットし、圧力1.0〜3.0×10−3Pa、20℃の窒素ガス雰囲気中に約100秒間放置後、金蒸着源(純度99.99%)の所定温度に加熱して金を蒸発させ、原さ約2000Åの金膜をキャリアフィルム10上に堆積して金箔付シート9を形成した。尚、この真空蒸着法による場合も、図示は省略するが、第4図での金箔付シート9において、キャリアフィルム10と金箔Gとの聞に離型剤が存存した状態のものとなる。
続いて、メッキ法で金箔付シートを形成する場合、金箔層は例えば次のようにして形成することができる。始めに、チタン(又はSUS)製の回転ドラムを金メッキ液中に浸漬し、該回転ドラムをカソードとして回転ドラム表面に金を析出させる(膜厚2000Å)。このとき使用する金メッキ液は、弱アルカリ性の高純度金メッキ液で、金濃度10g/L、比重12〜25Be、温度50℃、pH8のものである。また、電流密度は0.2〜0.6A/dm2の範囲内で設定し、白金/チタンアノードを用いて金メッキ処理を行う。このようにして金メッキ処理された回転ドラムを金メッキ液から取り出し、洗浄、乾燥処理を行った後、粘着性両面テープを片面側に張り合わされたPET製のキャリアフィルム10を、粘着性両面テープ側を回転ドラムの金メッキ表面に重ねあわせ、回転ドラムから金メッキを剥離することにより、金箔付シート9を形成することができる。
上記したように、被着体Bに接着された伸展性樹脂フルム4の粘着性表面4aに接着する装飾材料として、箔を使用することができるが、更に金箔フレーク、銀箔フレークなどの金属箔フレーク、金パウダー、銀パウダーなどの金属粉、顔料粉などいずれのものであっても同様に施工することができる。フレークや粉末材料の場合には、これらを粘着性表面4aに降りかけた後、指などを用いて押さえ、不要のフレーク、パウダーを取り除いてやればよい。
本発明の方法により装飾することができる被着体B材料としては、金属、プラスチック、石材、木材、ガラス、繊維製品、紙、漆製品、皮などいずれのものであってもよいし、被着体Bの表面は、平坦であっても、凹凸を有するものであってもよい。
発明の効果
以上詳述したように、本発明によれば熟練した技術を要することなく、簡単に且つドライな状態で、金箔などの金属箔、金箔フレーク等の金属フレーク、金粉などの金属粉、顔料粉など本物の素材を用いて、あらゆる素材からなる被着体に対し装飾を施すことができる。また、本発明の方法及び両面接着シート積層体の使用により粘着剤の装飾表面へのしみ出しがなく、いつまでも作成時の状態が保たれた装飾を施すことができる。そして、本発明の両面接着シートは柔軟性且つ伸展性を有するため被着体が曲面をなしていても対応することができる。さらに本発明の箔付シートを用いると、極薄の箔であっても、極めて簡単に被着体表面の装飾を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の両面接着シート積層体の一例の断面図である。
第2図は、本発明の被着体表面の装飾方法の一例を説明する工程図である。
第3図は、本発明の被着体表面の装飾方法の他の例を説明する工程図である。
第4図は、本発明の被着体表面の装飾方法において用いられる、金箔付シートの断面図である。
Claims (22)
- 少なくとも一方の面が粘着性を示す伸展性樹脂フィルムの他方の面に粘着剤層が設けられてなる両面接着シートの粘着剤層面を被着体表面に接着した後、前記伸展性樹脂フィルムの粘着性表面に箔、箔フレークあるいは粉体を接着することを特徴とする被着体表面の装飾方法。
- 請求の範囲第1項記載の被着体表面の装飾方法において、前記両面接着シートがフィルム移動過程やカスあげ過程において、所望する形状を保つことを特徴とする被着体表面の装飾方法。
- 請求の範囲第1項記載の被着体表面の装飾方法において、前記両面接着シートはその表裏面に第1および第2剥離シートが設けられてなり、この第1および第2剥離シートが積層された積層体を所望の形状に切り抜き、粘着剤層側の第2剥離シートを剥離して、粘着剤層側表面を被着体表面に接着した後、前記伸展性樹脂フィルムの粘着性表面上の第1剥離シートを剥離し、被着体に接着、残留する伸展性樹脂フィルムの粘着性表面に箔、箔フレークあるいは粉体を接着することを特徴とする被着体表面の装飾方法。
- 請求の範囲第1項記載の被着体表面の装飾方法において、前記両面接着シートはその表裏面に第1および第2剥離シートが設けられてなり、この第1および第2剥離シートが積層された積層体を所望の形状に切り抜いた後、切り抜いた積層体の第1剥離シート表面に転写シートを接合せしめ、次いで粘着剤層側の第2剥離シートを剥離し、粘着剤層側表面を被着体表面に接着した後、前記転写シートを伸展性樹脂フィルムの粘着性表面上の第1剥離シートとともに伸展性樹脂フィルムから剥離し、被着体に接着、残留する伸展性樹脂フィルムの粘着性表面に箔、箔フレークあるいは粉体を接着することを特徴とする被着体表面の装飾方法。
- 請求の範囲第1項記載の被着体表面の装飾方法において、前記両面接着シートはその表裏面に第1および第2剥離シートが設けられてなり、この第1および第2剥離シートが積層された積層体を所望の形状に切り抜き、両面接着シートの伸展性樹脂フィルム上の第1剥離シートを剥離した後前記両面接着シートの伸展性樹脂フィルムの粘着性表面に転写シートを接合し、次いで粘着剤層側の第2剥離シートを剥離し、両面接着シートの粘着剤層面を被着体表面に接着した後、転写シートを剥離し、被着体に接着、残留する伸展性樹脂フィルムの粘着性表面に箔、箔フレークあるいは粉体を接着することを特徴とする被着体表面の装飾方法。
- 請求の範囲第1項記載の被着体表面の装飾方法において、前記両面接着シートはその表裏面に第1および第2剥離シートが設けられてなり、この第1および第2剥離シートが積層された積層体の伸展性樹脂フィルムの表面上の第1剥離シート側から背面の第2剥離シートを切り抜かないように所望の形状に切れ目を入れ、不要部分の第1剥離シートおよび両面接着シートを除去し、残留する積層体の第1剥離フィルム表面に転写シートを接合した後、積層体と転写シートを第2剥離シートから引き剥がすことにより、所望の形状を有する両面接着シートおよび第1剥離シートを転写シートに転写し、その後この転写シートに転写された両面接着シートの粘着剤面を被着体に貼着し、次いで転写シートを第1剥離シートとともに引き剥がし、被着体に接着、残留する伸展性樹脂フィルムの粘着性表面に箔、箔フレークあるいは粉体を接着することを特徴とする被着体表面の装飾方法。
- 請求の範囲第1項記載の被着体表面の装飾方法において、前記両面接着シートはその表裏面に第1および第2剥離シートが設けられてなり、この第1および第2剥離シートが積層された積層体の伸展性樹脂フィルムの表面上の第1剥離シート側から背面の第2剥離シートを切り抜かないように所望の形状に切れ目を入れ、この切れ目が入れられた部分の第1剥離シートおよびそれ以外の不要部分の第1剥離シートおよび両面接着シートを剥離除去し、残留する伸展性樹脂フィルムの粘着性表面に転写シートを接合した後引き剥がすことにより、切れ目を入れられて形成された所望の形状を有する両面接着シートを転写シートに転写し、次いでこの転写シートに転写された両面接着シートの粘着剤面を被着体に接着した後、転写シートを引き剥がし、被着体に接着、残留する伸展性樹脂フィルムの粘着性表面に箔、箔フレークあるいは粉体を接着することを特徴とする被着体表面の装飾方法。
- 請求の範囲第1〜7項のいずれか1項に記載された被着体表面の装飾方法において、伸展性樹脂フィルムの粘着性表面への箔、箔フレークあるいは粉体の接着が、伸展性樹脂フィルムの粘着性表面をアルコールにより拭いた後に行われることを特徴とする被着体表面の装飾方法。
- 請求の範囲第1〜8項のいずれか1項に記載された被着体表面の装飾方法において、伸展性樹脂フィルムの粘着性表面への箔の接着が、キャリアフィルムの片面に箔を接合した箔付シートの箔表面を前記粘着性表面に対し接着し、その後、箔付シートから前記キャリアシートを剥離することにより行われることを特徴とする被着体表面への装飾方法。
- 少なくとも一面に粘着性表面を有する伸展性樹脂フィルム、該伸展性樹脂フィルムの一面の粘着性表面に設けられた第1剥離シート、該伸展性樹脂フィルムの他面に設けられた粘着剤層、該粘着剤層の表面に設けられた第2剥離シートからなる両面接着シート積層体。
- 請求の範囲第10項記載の両面接着シート積層体において、伸展性樹脂フィルムおよび粘着剤層からなる両面接着シートの伸びが70〜200%であることを特徴とする両面接着シート積層体。
- 請求の範囲第10項または第11項記載の両面接着シート積層体において、伸展性樹脂フィルムの粘着力が、粘着剤層の粘着力より弱いことを特徴とする両面接着シート積層体。
- 請求の範囲第12項記載の両面接着シート積層体において、JIS Z0237に基づき測定された伸展性樹脂フィルムの粘着力が40〜280g/cm(100〜700g/25mm)であり、粘着剤層の粘着剤の粘着力が400g/cm(1000g/25mm)以上であることを特徴とする両面接着シート積層体。
- 請求の範囲第10〜13項のいずれか1項に記載の両面接着シート積層体において、伸展性樹脂フィルムが粘着剤と樹脂との混合物からなることを特徴とする両面接着シート積層体。
- 請求の範囲第14項記載の両面接着シート積層体において、粘着剤がアクリル系粘着剤からなり、該アクリル系粘着剤と樹脂との比が、アクリル系粘着剤:樹脂で2.5:1〜3.5:1であることを特徴とする両面接着シート積層体。
- 請求の範囲第14項または第15項に記載の両面接着シート積層体において、粘着剤がアクリル系粘着剤であり、樹脂がアクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、セルロース系樹脂、ポリエステル樹脂、酢酸ビニル−塩化ビニルのグラフト共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、ウレタン樹脂のいずれか一種またはそれらの二種以上の混合物であることを特徴とする両面接着シート積層体。
- 請求の範囲第10〜16のいずれかに記載される両面接着シート積層体の粘着性表面に接着する箔付シートであって、
前記箔付シートは、キャリアフィルムと、該キャリアフィルムの片面に接合された箔とからなり、箔の接合強度が引き剥がし強さで0.01〜25g/cmであることを特徴とする箔付シート。 - キャリアフィルムと箔との接合強度が、両面接着シート積層体における伸展性樹脂フィルムの粘着性表面の粘着力よりも弱いものであることを特徴とする請求の範囲第17項に記載の箔付シート。
- 箔は、スパッタリング法、真空蒸着法またはメッキ法により形成されたものであることを特徴とする請求の範囲第17項または第18項に記載の箔付シート。
- 箔の材質は、Au、Ag、Cu、Pt、Pd、Ir、Rh、Ru、Al、Niまたはこれらの任意2種以上の合金であることを特徴とする請求の範囲第17〜19項のいずれか1項に記載された箔付シート。
- キャリアフィルムの材質は、樹脂、紙、ゴムまたは金属であることを特徴とする請求の範囲第17〜20項のいずれかに記載の箔付シート。
- キャリアフィルムは、透明の樹脂またはゴムからなり、少なくとも片面に着色または印刷がされていることを特徴とする請求の範囲第21項に記載の箔付シート。
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