JPS64722Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 その考案は、ロータリー耕耘装置の耕耘軸に装
着される耕耘爪に係り、さらに詳細には、正逆お
よび逆転耕耘が可能な正逆転両用の耕耘爪に関す
るものである。

従来、ロータリー耕耘装置を用いて逆転耕耘を
行う場合には、耕耘軸から正転爪を取外した後、
その軸に逆転爪を取付けて逆転ローターを構成し
て逆転耕耘作業を行つている。

そして、この爪の組変え作業は、一般に圃場で
行うのであるが、全部の爪を取外し、これに代え
て別の爪を取付けるには、多大の努力と時間とを
要し、このために、耕耘作業の能率が著しく低下
するという問題があつた。

この考案は、上記の問題点に鑑み創案されたも
のであり、その目的とするところは、ロータリー
耕耘装置の耕耘軸の回転方向を切り換えるだけ
で、正転耕耘および逆転耕耘ができる耕耘爪を提
供するものである。

この目的を達成するためにこの考案は、基端側
部分と先端側部分とからなり、この先端側部分を
基端側部分に対して側方に湾曲させ、また回転方
向の前後縁に縦刃部を設けた平板状の耕耘爪であ
つて、前記先端側部分を基端側部分より先端に向
つて徐々に幅広とし、前記縦刃部と回転方向に連
続する平板部と、この平板部と回転方向に連続し
前記側方へ突出する傾斜面とを、前記先端側部分
に対称的に設けたことを特徴とする耕耘爪とした
ものである。

以下、この考案の一実施例を図面を用いて詳細
に説明する。第１図ないし第３図はこの考案に係
る耕耘爪の一実施例を示す図である。

耕耘爪は、耕耘爪ホルダー（図示せず）を介し
て耕耘軸１に取り付けられる。耕耘爪は、平板状
であつて、耕耘爪ホルダーに嵌合される基端側部
分３と、土壌を耕起する先端側部分４とからなつ
ている。基端側部分３の略中央には取付孔１１が
穿設されており、この取付孔１１にはピン又はボ
ルト等を挿通して耕耘爪ホルダーに取り付ける。

先端側部分４は基端側部分３より先端に向つて
徐々に幅広に形成されてテーパ状となつており、
この先端側部分４の回転方向（第１図中Ａ方向）
前後縁には縦刃部５ａ，５ｂが対称的に設けられ
ている。縦刃部５ａ，５ｂの間には、この縦刃部
５ａ，５ｂと連続する横刃部７ａ，７ｂが回転方
向に向けて設けられている。このため、先端側部
分４は縦刃部５ａ，５ｂを等辺とする略二等辺三
角形状になつている。先端側部分４は基端側部分
３に対して、回転方向における垂直面に対して側
方（第２図においては上方）に徐々に湾曲されて
いる。この先端側部分４であつて、回転方向前後
縁の中心線Ｌより一方側（第１図中下方側）に
は、縦刃部５ａと連続する平板部６ａが縦刃部５
ａに沿つて設けられ、平板部６ａと回転方向に連
続する傾斜面９ａが前記側方に突出するように形
成されている。また先端側部分４であつて、回転
方向前後縁の中心線Ｌより他方側（第１図中上方
側）には同様な平板部６ｂと傾斜面９ｂが形成さ
れている。このため、この耕耘爪は従来のナタ爪
の左爪と右爪とに傾斜面を設けたものを、背中合
せで一体にした形状とした構成となつている。

正転耕耘時には、正転耕耘する側、例えば第１
図中下方側の縦刃部５ａ横刃部７ａおよび傾斜面
９ａによつて土壌を耕起する。また、逆転耕耘時
には逆転耕耘する側、例えば第１図中上方側の縦
刃部５ｂ、横刃部７ｂおよび傾斜面９ｂによつて
土壌を耕起する。したがつて、正逆耕耘時毎に正
逆転耕耘に合致するように耕耘爪を装着し替える
煩雑さがない。

また、耕耘爪の左爪と右爪とが一体的に構成さ
れているので、わざわざ左爪、右爪を別々に用意
する必要がない。したがつて、耕耘爪の種類が少
なくなるから保管上において簡便となる。さら
に、耕耘爪の在庫量を減少させることができ、経
済的にも効果がある。

加えて、耕耘爪の一方側、例えば下方側の縦刃
部５ａ、縦刃部７ａおよび傾斜面９ａが摩耗して
場合には、耕耘爪の他方側、例えば上方側の縦刃
部５ｂ、横刃部７ｂおよび傾斜面９ｂを使用でき
るので、極めて便利なものである。

ここで、この耕耘爪は先端側部分４を基端側部
分３より先端に向つて徐々に幅広とし、縦刃部５
ａ，５ｂと回転方向に連続する平板部６ａ，６ｂ
と、この平板部６ａ，６ｂと回転方向に連続し側
方へ突出する傾斜面９ａ，９ｂとを、先端側部分
４に設けてある。このため、耕耘爪には充分な幅
の平板部６ａ，６ｂと、大きな傾斜面９ａ，９ｂ
とが設けられている。したがつて、この耕耘爪に
よつて土壌を耕起するときには、平板部６ａ，６
ｂで土壌の充分な量が切り込まれ、切り込まれた
充分な量の土壌は大きな傾斜面９ａ，９ｂによつ
て反転され、土壌の反転性を向上させることがで
きる。

また、先端側部分４が基端側部分３に対して側
方に湾曲するようにしたので、切り込まれた充分
な量の土壌は、反転されながらより側方へ跳ね上
げられる。したがつて、側方へ跳ね上げられた充
分な量の土壌は、耕耘カバーに強く衝突されて砕
土され、土壌の砕土性を向上させることができ
る。

その結果、土壌の反転性や砕土性が向上するこ
とにより、土壌の下層部には団魂の土壌が位置
し、上層には細分化された土壌が位置することに
なり、理想的な耕起、盛土、培土作業を行うこと
ができ、かつ土壌の持ち回り現象を軽減する。

一方、横刃部７ａ，７ｂは平面的（第１図に示
す）に見て、その先端部中央が凹んで連続しない
形状となつているので、凹んだ部分だけ横刃部７
ａ，７ｂの受ける抵抗は少い。このため、耕耘爪
を駆動させる駆動を軽減させることができる。

以上説明したように、この考案によれば、正・
逆転耕耘時毎に、耕耘爪を正・逆転耕耘に合致す
るように差し替える煩雑さがない。

また、耕耘爪には充分な幅の平板部と、大きな
傾斜面が設けられているので、平板部で土壌の充
分な量が切り込まれ、切り込まれた充分な量の土
壌は大きな傾斜面によつて反転され、土壌の反転
性を向上させることができる。さらに、先端側部
分が基端側部分に対して側方に湾曲するようにし
たので、切り込まれた充分な量の土壌は反転され
ながらより側方へ跳ね上げられる。したがつて、
側方へ跳ね上げられた充分な量の土壌は、耕耘カ
バーに強く衝突されて砕土され、土壌の砕土性を
向上させることができる。その結果、土壌の下層
部には団魂の土壌が位置し、上層には細分化され
た土壌が位置することになり、理想的な耕耘、盛
土、培土作業を行うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第３図はこの考案に係る耕耘爪を
示す図であり、第１図はこの耕耘爪の平面図、第
２図はこの耕耘爪の側面図、第３図は第２図にお
ける矢視図である。 ３……基端側部分、４……先端側部分、５ａ，
５ｂ……縦刃部、６ａ，６ｂ……平板部、９ａ，
９ｂ……傾斜面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 基端側部分と先端側部分とからなり、この先端
   側部分を基端側部分に対して側方に湾曲させ、ま
   た回転方向の前後縁に縦刃部を設けた平板状の耕
   耘爪であつて、前記先端側部分を基端側部分より
   先端に向つて徐々に幅広とし、前記縦刃部と回転
   方向に連続する平板部と、この平板部と回転方向
   に連続し前記側方へ突出する傾斜面とを、前記先
   端側部分に対称的に設けたことを特徴とする耕耘
   爪。