JPS646654Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は例えばスイングケースを介して水田車
輪を機体に出入自在に支持させると共に、植付深
さ調節リンク及び緩衝部材を介して機体下方にフ
ロートを装設し、水田車輪及びフロートによつて
機体重量を分担して支える田植機の改良に関する
もので、水田車輪の出入と連動してフロートの分
担荷重設定バネ力を変化させる連結部材を備え、
浅田でのフロート分担荷重を大きく且つ深田での
フロート分担荷重を小さくすることにより、深田
での田植え作業において、フロート前部による泥
押し作用並びにフロート後部の沈下などを阻止し
得、フロートの沈下量を適正に保つて植付け田面
を希望する状態で得られると共に、浅田での田植
え作業において、フロートを植付け田面に適正に
押圧保持し得、フロートの均平作用を確実に行わ
せ得、常に一定したフロート走行性能を安定して
得られるようにした田植機を提供しようとするも
のである。

以下本考案の実施例を図面に基づいて詳述す
る。第１図は全体の概略側面図であり、図中１は
エンジン、２はミツシヨンケース、３は植付伝動
ケース、４は前記ミツシヨンケース２両側方にス
イングケース５を介して支持する水田車輪、６は
前記エンジン１及び各ケース２，３からなる機体
を植付深さ調節リンク７及び緩衝部材８を介して
支持するフロート、９は前記伝動ケース３後端に
連設する操向ハンドル、１０はガイド部材１１，
１２を介して前記ケース３及びハンドル９上部に
沿わせて設け且つ左右に往復移動させる前低後高
の苗載台、１３は前記伝動ケース３にクランクア
ーム１４を介して取付け苗載台１０から一株分の
苗を取出して植付ける植付爪である。

第２図及び第３図に示す如く、前記ミツシヨン
ケース２の上面に油圧ケース１５を搭載し、該ケ
ース１５の駆動プーリ１６をエンジン１の出力プ
ーリ１７にＶベルト１８を介して常時連動連結さ
せると共に、ピストンロツド１９を機体後方に突
出させる油圧シリンダ２０を油圧ケース１５に組
込み、前記ピストンロツド１９先端に揺動支点軸
２１を介してスイングプレート２２の中間を支承
させ、該プレート２２に中立保持バネ２３を附勢
する。また左右のスイングケース５，５基端に一
体連設するスイングアーム２４，２４にスイング
ロツド２５，２５を介して前記スイングプレート
２２の両端を連結させ、前記ピストンロツド１９
を進退させて左右の水田車輪４，４を同時に出入
調節すると共に、前記揺動支点軸２１を中心とす
るスイングプレート２２の揺動を規制するロツク
プレート２６をピストンロツド１９先端に固定さ
せ、スイングプレート２２に係脱させるロツクピ
ン２７を前記ロツクプレート２６に取付け、路上
走行などにおいて前記ピン２７を介して各プレー
ト２２，２６を係合固定し、左右の水田車輪４，
４を略同一高さに支持する一方、田植え作業のと
きにスイングプレート２２から前記ロツクピン２
７を離脱し、スイングプレート２２を支点軸２１
を中心に揺動自在に支持させ、圃場の耕盤の凹凸
に応じて左右の水田車輪４，４の支持高さを異な
らせ、機体を略水平に支持するように形成する。

更に上記油圧シリンダ２０を駆動制御するため
の油圧切換シヤフト２８及び油圧切換アーム２９
を油圧ケース１５に取付けると共に、前記シリン
ダ２０の一側に支軸３０を介してＬ形の自動昇降
リンク３１の中間を回転自在に支承させ、前記リ
ンク３１の一端に油圧切換アーム２９を結合ロツ
ド３２によつて連結し、前記リンク３１の他端に
自動昇降ロツド３３の上端を連結する。前詰自動
昇降ロツド３３の下端を軸受筒３４に挿通させ、
前記ロツド３３及び軸受筒３４を衝撃吸収バネ３
５によつて連結すると共に、前記軸受筒３４を一
体連結するブラケツト３６をフロート６に固定さ
せ、前記フロート６が緩衝部材８の伸縮によつて
昇降したとき、前記リンク３１及びロツド３２，
３３を介して油圧切換アーム２９を変移させ、油
圧シリンダ２０を駆動してピストンロツド１９を
進退させ、水田車輪４を出入調節してフロート６
の接地圧を略一定に保つように形成する。

次いで前記フロート６を下降させる方向に自動
昇降リンク３１に分担荷重設定バネ３７の上端を
連結させると共に、ミツシヨンケース２の一側に
支軸３８を介して回転自在に支承させるアイドル
リンク３９に前記バネ３７の下端を連結させる。
前記バネ３７よりも比較的大きな引張り力を有す
るリンク復帰バネ４０を、前記バネ３７に抗して
前記リンク３９を揺動下降させるように該リンク
３９に附勢すると共に、水田車輪４の出入と連動
してフロート６の分担荷重設定バネ３７力を変化
させる連結部材であるワイヤ４１をアイドルロー
ラ４２を介して張設し、前記ワイヤ４１の一端を
前記アイドルリンク３９に、またピストンロツド
１９中間に固定するバネ受板４３に前記ワイヤ４
１の他端を夫々連結固定させるもので、浅田での
フロート６分担荷重を大きく且つ深田でのフロー
ト６分担荷重を小さくするように形成するもので
ある。

本考案は上記の如く構成しており、第１図の状
態において苗載台１０に苗を搭載し、苗載台１０
及び植付爪１３を駆動して折返し走行させ連続的
に田植え作業を行うもので、浅田での田植え作業
時、ピストンロツド１９と連動して水田車輪４を
退入させると、ピストンロツド１９にワイヤ４１
を介して連結しているアイドルリンク３９を復帰
バネ４０によつて揺動下降させ、自動昇降リンク
３１に附加する分担荷重設定バネ３７の引張り力
を大きくし、水田車輪４に対するフロート６の分
担荷重を増やして大きな接地圧でフロート６を植
付け田面に押圧する。また深田での田植え作業
時、ピストンロツド１９と連動して水田車輪４を
進出させると、ピストンロツド１９に連結してい
るワイヤ４１を介してアイドルリンク３９を復帰
バネ４０に抗して揺動上昇させ、自動昇降リンク
３１に附加する分担荷重設定バネ３７の引張り力
を小さくし、水田車輪４に対するフロート６の分
担荷重を減らして小さな接地圧でフロート６を植
付け田面に押圧するもので、植付け田面の軟硬度
に応じてフロート６の分担荷重を自動的に増減
し、フロート６の沈下量を常に略一定に保つもの
である。

更に第４図は他の実施例を示すもので、ミツシ
ヨンケース２の一側に支軸４４を介してＬ形アイ
ドルリンク４５の中間を回転自在に支承させ、水
田車輪４の出入と連動してフロート６の分担荷重
設定バネ３７力を変化させる連結部材であるワイ
ヤ４６によつてバネ受板４３とアイドルリンク４
５の一端とを連結すると共に、自動昇降リンク３
１に附勢する前記バネ３７に連結部材であるワイ
ヤ４７の一端を連結させ、アイドルローラ４８を
介して張設する前記ワイヤ４７他端を前記アイド
ルリンク４５の他端に連結する。そして前記バネ
３７に抗してアイドルリンク４５を回転させる復
帰バネ４０を該リンク４５に附勢するもので、上
記実施例と同様に浅田での水田車輪４の退入と連
動して分担荷重設定バネ３７の引張り力を大きく
すると共に、深田での水田車輪４の進出と連動し
て分担荷重設定バネ３７の引張り力を小さくし、
浅田でのフロート６の分担荷重を増加させ、且つ
深田でのフロート６分担荷重を減少させるもので
ある。

以上実施例から明らかなように本考案は、水田
車輪４及びフロート６によつて機体重量を分担し
て支える構造において、水田車輪４の出入と連動
してフロート６の分担荷重設定バネ３７力を変化
させるワイヤ４１，４６，４７などの連結部材を
備え、浅田でのフロート６分担荷重を大きく且つ
深田でのフロート６分担荷重を小さくするもの
で、深田での田植え作業において、フロート６前
部による泥押し作用並びにフロート６後部の沈下
などを阻止でき、フロート６の沈下量を適正に保
つて植付け田面を希望する状態で得ることができ
ると共に、浅田での田植え作業において、フロー
ト６を植付け田面に適正に押圧保持でき、フロー
ト６の均平作用を確実に行わせることができ、常
に一定したフロート６走行性能を安定して得るこ
とができ、簡便に取扱えて頗る実用的である等の
顕著な効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す全体の側面
図、第２図は要部の側面図、第３図は同平面図、
第４図は他の実施例を示す要部の側面図である。 ４……水田車輪、６……フロート、３７……分
担荷重設定バネ、４１，４６，４７……ワイヤ
（連結部材）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 水田車輪及びフロートによつて機体重量を分担
   して支える構造において、水田車輪の出入と連動
   してフロートの分担荷重設定バネ力を変化させる
   連結部材を備え、浅田でのフロート分担荷重を大
   きく且つ深田でのフロート分担荷重を小さくする
   ように構成したことを特徴とする田植機。