JPS642587Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、駆動昇降自在な走行車輪と植付け装
置側に付設のフロートとを介して機体を対地支持
すべく構成するとともに、整地圧変化により上下
に揺動するセンサーの上下揺動に連係して、前記
走行車輪の昇降駆動機構を、前記センサーの対機
体姿勢が設定範囲内に維持されるように作動させ
る連動機構を設け、もつて、センサーの上下揺動
に連係した走行車輪の昇降により、耕盤深さ変動
にかかわらず、植付け装置の対泥面高さ、つま
り、植付け深さを設定範囲内に自動維持すべく構
成してある田植機に関し、その目的は、前記セン
サーに車輪昇降駆動機構を連係させるための連動
機構に対する簡単な構造改良をもつて、植付け姿
勢を適正良好な設定範囲内に維持できるようにし
ようとする点にある。

詳述すると、前記の田植機においては、走行車
輪の昇降等に起因して変動する走行駆動反力の変
動や、植付け装置に対してフロートの取付け位置
を上下に変更しての設定植付け深さの調節によつ
て、機体の走行車輪周りでの対泥面姿勢、つま
り、植付け装置の対泥面姿勢が変化して、植付け
苗姿勢を安定させることができない問題があつ
た。又、植付け装置における苗のせ台上での植付
け部への苗送り作用を、載置苗床土の性状等の違
いにかかわらず一定化するために、前記苗のせ台
の対地姿勢を調節可能に構成してある田植機にお
いては、苗のせ台の対地姿勢変更によつても、植
付け苗姿勢が変わつていた。

本考案による田植機は、かかる点に鑑みて開発
されたものであつて、冒記のものにおいて、連動
機構中に、前記昇降駆動機構が昇降停止状態にあ
るときの前記センサーの対機体姿勢を変更調節可
能な機構を組込むとともに、この調節機構の操作
具を操縦部に設けてあることを特徴とする。

即ち、連動機構中に、昇降駆動機構が昇降停止
状態にあるときのセンサーの対機体姿勢を変更調
節可能な機構を組込んで、この調節機構の操作に
より、植付け深さを設定範囲内に維持した状態で
の機体の車輪周りでの対泥面姿勢を調節できるよ
うにし、走行駆動反力の大きさや設定植付け深さ
に応じて、これらに起因した機体の姿勢変更を相
殺するように前記の調節を行なうことによつて、
機体の対泥面姿勢を設定範囲に維持して、植付け
苗姿勢を設定範囲内に維持できる。しかも、調節
機構に対する操作具を操縦部に設けることによつ
て、作業中、刻々と変動する走行駆動反力の変動
に対して遅滞なく迅速に調節操作できるようにし
てあるから、連動機構中に、操縦部にその操作具
を備えた調節機構を組込むといつた極く簡単な構
造改造をもつて、設定植付け深さの調節はもちろ
ん、走行駆動反力の変動にかかわらず、常に、植
付け苗姿勢を適正良好な設定範囲内に維持できる
に至つた。

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
ると、左右一対の駆動昇降自在な走行車輪１，１
と、これの後部に配設した植付け装置２側に付設
の左右一対のフロート３，３とを介して機体を対
地支持すべく構成するとともに、整地圧変化によ
りその前端部を支点Ｒとして上下に揺動するよう
に前記車輪１，１対前方の機体部分に装備させた
フロート状のセンサー４の前記の上下揺動に連係
して、前記走行車輪１，１対の駆動昇降用油圧シ
リンダ５を、前記センサー４の対機体姿勢が設定
範囲内に維持されるように作動させる連動機構６
を設けて、前記植付け装置２による植付け深さを
設定範囲内に自動維持すべく構成し、かつ、前記
フロート３，３対の植付け装置２に対する上下位
置を変更することにより、前記植付け深さの設定
範囲を変更すべく構成してある歩行型４条植式田
植機であつて、各装置部分は、次のように構成さ
れている。

植付け装置２は、横方向に駆動往復移動自在な
後傾姿勢の苗のせ台７を設けるとともに、この苗
のせ台７の横移動に連動して上下に循環移動すこ
とにより、苗のせ台７上の苗を苗のせ台７傾斜下
端部の苗取出口８…から単位量づつ取出して植付
ける植付け爪機構９…を設けて、構成されてい
る。前記苗のせ台７は、第３図に示すように、そ
の下端部に装着した受板１０と、これを摺動自在
に支持するレール１１との摺動面を横軸芯Ｘ周り
の円弧面に形成するとともに、苗のせ台７中間部
を摺動自在に支持するローラ１２を前後方向に位
置変更固定自在に構成することにより、その対地
姿勢を調節可能に構成され、かつ、前記レール１
１は、苗のせ台７に対する前記横軸芯Ｘ周り姿勢
を調節すべく、植付け装置フレーム１３に前記横
軸芯Ｘ周りに揺動並びに固定自在に装着されてい
る。図中１４は、前記レール１１の姿勢を調節す
るためのボルトである。又、前記植付け爪機構９
は、第３図に示すように、駆動クランクアーム１
５を揺動アーム１６とを介して上下に循環作動す
る植付けアーム１７に、植付け爪１８と、この植
付け爪１８の泥土への突入に連動して爪先端側に
移動することにより、植付け爪１８に保持された
取出苗を押出す押出具１９とを付設して、構成さ
れ、前記押出具１９の先端作用部１９Ａは、第４
図に示すように、左右一対の押出し面１９ａ，１
９ａと下方への泥土押圧面１９ｂとを有するよう
に、正面視において下向きコの字形に構成されて
いる。

前記左右一対のフロート３，３は、その後端部
近くを支点R′として上下揺動自在な状態で前記
植付け装置フレーム１３に支持され、かつ、前記
支点R′位置を上下に変更することにより、上下
方向での対植付け装置位置を調節可能に構成さ
れ、又、これらは、左右両側の植付け予定泥面を
整地する整地具を兼用するものである。

前記フロート状センサー４は、左右中央側の植
付け予定泥面を整地する整地具を兼用するもので
ある。

前記の連動機構６は、センサー４の上下揺動に
連動するロツド２０と、このロツド２０の上下移
動に連動して前記油圧シリンダ５の切替弁５Ａを
操作するベルクランク２１とから構成され、前記
ロツド２０は、伸縮自在なように二つに分割構成
され、両分割ロツド部分２０Ａ，２０Ｂ間には、
センサー４を接地方向に揺動付勢するスプリング
２２と、このスプリング２２による付勢力、つま
り、設定接地圧を調節するためのナツト２３とが
介装されている。

図中２４は原動装置、２５は後方に延出する操
縦ハンドルである。

而して、前記一方の分割ロツド部分２０Ａに、
これの長さを変えることにより、前記切替弁５Ｂ
が昇降停止の中立状態にあるときの前記センサー
４の対機体姿勢（以下中立姿勢と称する。）を変
更調節可能なシリンダ２６を介装するとともに、
前記操縦ハンドル２５に、前記シリンダ２６に対
するマスターシリンダ２７を操作可能な操作レバ
ー２８と、この操作レバー２８を複数の操作位置
夫々において係合固定可能な操作案内板２９とを
付設して、前記センサー４の中立姿勢を複数段に
調節すべく構成されている。

上記構成によれば、耕盤深さが深くなつて走行
駆動反力が増大した場合や、設定植付け深さを大
にした場合には、通常よりも植付け装置２側が下
方に変位するものの、センサー４の中立姿勢を、
図示する角度θが小さくなるように調節すること
によつて、機体前部を通常よりも下方に変位させ
ることができるから、結果として、機体の車輪１
周りでの対泥面姿勢を一定にすることができ、
又、耕盤深さが浅くなつて走行駆動反力が減少し
た場合や、設定植付け深さを小にした場合には、
通常よりも植付け装置２側が上方に変位するもの
の、センサー４の中立姿勢を、前記の角度θが大
きくなるように調節することによつて、機体前部
を通常よりも上方に変位させることができるか
ら、結果として、機体の車輪１周りでの対泥面姿
勢を一定にすることができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る田植機の実施の態様を例示
し、第１図は側面図、第２図は要部の拡大側面
図、第３図は要部の一部切欠き拡大側面図、第４
図は要部の拡大斜視図である。 １……走行車輪、２……植付け装置、３……フ
ロート、５……昇降駆動機構、６…連動機構、２
５……調節機構、２８……操作具、４……センサ
ー。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 駆動昇降自在な走行車輪１と植付け装置２側
   に付設のフロート３とを介して機体を対地支持
   すべく構成するとともに、接地圧変化により上
   下に揺動するセンサー４の上下揺動に連係し
   て、前記走行車輪１の昇降駆動機構５を、前記
   センサー４の対機体姿勢が設定範囲内に維持さ
   れるように作動させる連動機構６を設けてある
   田植機において、前記連動機構６中に、前記昇
   降駆動機構５が昇降停止状態にあるときの前記
   センサー４の対機体姿勢を変更調節可能な機構
   ２６を組込むとともに、この調節機構２６の操
   作具２８を操縦部に設けてあることを特徴とす
   る田植機。 前記昇降駆動機構５が油圧シリンダであり、
   かつ前記の連動機構６が、センサー４の上下揺
   動に連動するロツド２０と、このロツド２０の
   上下移動に連動して、前記油圧シリンダ５の切
   換弁５Ａを操作するベルクランク２１とから構
   成されたものであり、更に前記の調節機構２６
   が、前記ロツド２０長さを複数段に変更固定す
   るものである実用新案登録請求の範囲第項に
   記載の田植機。