JPS645524Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は携帯用の化粧品容器、詳しくはふたを
従来にない簡単な手段で開くことができるととも
にすぐれた外観をもたせることができる携帯用化
粧品容器に関するものである。

従来の技術 従来、携帯用化粧品容器においてふたと本体と
を蝶番で結合し、その反対側縁において互いに噛
合せ結合して組立てたものは、爪を掛けてこじ
る、ふたまたは本体を押して弾性変形させる、別
部品の押釦を指先で押すという操作のいずれかに
よつて噛合せ結合部を外すものである。

考案が解決しようとする問題点 従つて、ふたが不用意に開かないように噛合せ
強度を大きくすると、こじあけまたは弾性変形さ
せるのに大きな力を必要とするばかりか爪を傷つ
ける心配がある。また、押釦を設けたものはこれ
が側縁に露出しているので外観を損いやすいとと
もに押釦の設置場所や大きさによつては操作が不
便となるのを免れない。

本考案はこのような従来の欠点を除去し、ふた
を簡単に開くことができ、更にすぐれた外観をも
たせることができる携帯用化粧品容器を提供する
ことを目的として考案されたものである。

問題点を解決するための手段 前記問題点を解決するため、本考案に係る携帯
用化粧品容器は、本体に蝶番結合されその反対側
縁において本体と噛合せ結合される内ふたと、こ
の内ふたを覆つた外ふたと、前記本体の噛合せ部
を有する側縁に設けられた奥へ向つて高くなる傾
斜面と、前記外ふたに設けられ前記傾斜面に接す
る脚壁とを具え、前記外ふたは前記内ふたに前記
蝶番結合部と直角の方向へ可動に結合して重ねら
れている構成とした。

作 用 外ふたを蝶番結合部へ向つて移動させると、内
ふたに対してすべり動きながら脚壁が傾斜面に沿
つてせり上ることによつて内ふたを一緒に持ち上
げ、本体と内ふたとの噛合せ結合部を外す。

実施例 本考案の具体例を図面に基いて説明すると、化
粧料を入れた中皿を嵌装する空所２を有する本体
１と裏面に鏡１２を有する内ふた１１とが一側端
縁において蝶番結合部９によつて結合され、本体
１の蝶番結合部９と反対側縁の中央部に形成され
たくぼみ３の奥面４に横方向へ延びる突起からな
る噛合せ部５が設けられているとともに、このく
ぼみ３の底面は奥面４へ向つて高くなる傾斜面６
に形成されている。内ふた１１の蝶番結合部９と
反対側縁の中央部には横方向へ延びる突起からな
る噛合せ部１３を有する舌片１４が突出形成さ
れ、また蝶番結合部９と直角の互いに平行な二つ
の側面１５には前後方向へ延びる突条１６が設け
られていて、前記二つの噛合せ部５，１３を互い
に係合することによつて本体１と内ふた１１とが
閉じ合せられる。

外ふた２１は前記内ふた１１の上面１７、前面
１８、側面１５を覆う頂壁２２、前壁２３、側壁
２４を有し、左右の二つの側壁２４の内面には前
後方向へ延び且つ前記突条１６よりも少し長い溝
２５が形成されていて、この溝２５に突条１６が
嵌装することによつて外ふた２１は内ふた１１に
前後方向可動に重ねられ且つ内ふた１１と一体に
回転するのである。また、この外ふた２１の前壁
２３の中央部には本体１のくぼみ３とほぼ等しい
長さの脚壁２６が設けられている。

本体１と内ふた１１とを閉じ合せたとき、外ふ
た２１の前壁２３および側壁２４は本体１の上面
７に接するとともに脚壁２６はくぼみ３を塞いで
傾斜面６に接し、蝶番結合部９を除いて本体１と
外ふた２１との合せ目に凹凸や段部がない形状と
なる。

このように構成した本具体例は、例えば本体１
の底面と外ふた２１の頂壁２２とを指で挟んで外
ふた２１を蝶番結合部９へ向つて移動させるよう
に指を動かすもので、内ふた１１の突条１６に溝
２５が嵌つている外ふた２１は蝶番結合部９へ向
つてすべり動きながら脚壁２６が傾斜面６に沿つ
てせり上がることによつて内ふた１１を一緒に持
ち上げ、その際に舌片１４が弾性変形して噛合せ
部５，１３の係合が外れるのである（第４図）。
また、外ふた２１を本体１と重ねるように回動さ
せると噛合せ部５，１３が再び係合するもので、
脚壁２６が傾斜面６に沿つて下降することによつ
て第１，３図に示す閉じ合せ状態となるが、外ふ
た２１を蝶番結合部９と反対方向へ移動させた後
に回動し閉じ合せてもよい。

第７，８，９図は本考案の異なる具体例であつ
て、本体１は前記具体例と同じ噛合せ部５と傾斜
面６とを有するくぼみ３を蝶番結合部９と反対側
縁の中央部に有している。本体１に蝶番結合され
た内ふた３１は周縁部を形成する枠状に形成さ
れ、蝶番結合部９と反対側縁の中央部には前記具
体例と同じ噛合せ部３３を有する舌片３４が突出
形成されているとともに、蝶番結合部９と直角の
互いに平行な二つの側面３５に前後方向へ延びる
突条３６が設けられていて、前記二つの噛合せ部
５，３３を互いに係合することによつて本体１と
内ふた３１とが閉じ合せられる。

外ふた４１は前記内ふた３１の上面、前面およ
び側面３５を覆う頂壁４２、前壁４３および側壁
４４を有し、頂壁４２の裏面に鏡１２が取付けら
れているとともに、左右の二つの側壁４４の内面
には前後方向へ延び且つ前記突条３６よりも少し
長い溝４５が形成されていて、この溝４５に突条
３６が嵌装することによつて外ふた４１は内ふた
３１に前後方向可動に重ねられ且つ内ふた３１と
一体に回動するのであつて、鏡１２は枠状の内ふ
た３１の開口３９に前後方向可動に嵌り込んでい
る。また、この外ふた４１の前壁４３の中央部に
は本体１のくぼみ３とほぼ等しい長さの脚壁４６
が設けられ、本体１と内ふた３１とを閉じ合せた
とき脚壁４６は傾斜面６に接する。

この具体例においても、外ふた４１を蝶番結合
部９へ向つてすべり移動させるとき脚壁４６が傾
斜面６に沿つてせり上がることによつて内ふた３
１を一緒に持ち上げ噛合せ部５，３３の係合を外
すのであつて、この具体例では鏡１２が内ふた３
１と同一面に配置されるため内ふた３１と外ふた
４１との重なり厚さをそれだけ薄くすることがで
きる。

尚、突条１６，３６を外ふた２１，４１に設け
溝２５，４５を内ふた１１，３１に設けても同じ
である。

考案の効果 本考案によると、本体に蝶番結合されたふたを
内ふたとこれを覆つて蝶番結合部と直角の方向へ
可動に結合して重ねた外ふたとによつて構成し、
本体と内ふたとの噛合せ結合部をを外ふたの脚壁
が傾斜面に沿いせり上げられることによつて外ふ
たと内ふたとを一緒に持ち上げて外すようにした
ものであるから、ふたが不用意に開かないように
噛合せ強度をを大きくしても外ふたをすべらせる
力が傾斜面に従う回転力に変換されて噛合せ結合
部を容易に外すことができるものであり、また外
ふたの任意の個所に指を当てて動かせばよいので
爪を傷つける心配なく開くことができ、且つ操作
にきわめて便利である。更に本考案によると、噛
合せ結合部ばかりでなく外ふたの形状を適宣に設
計することによつて蝶番結合部も遮蔽することが
でき外形を簡素な形状とすることが可能となるば
かりか、外ふたを自由な材料で任意の模様、形状
に作ることもでき、すぐれた外観の携帯用化粧品
容器が提供されるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の具体例の縦断面図、第２図は
第１図Ｘ−Ｘ線に沿う断面図、第３図、第４図は
拡大縦断面部分図、第５図はふたを開いた斜視
図、第６図はふたの分解斜視図、第７図は本考案
の異なる具体例の縦断面図、第８図は第７図Ｙ−
Ｙ線に沿う断面図、第９図はふたの分解斜視図で
ある。 １……本体、３……くぼみ、５……噛合せ部、
６……傾斜面、９……蝶番結合部、１１，３１…
…内ふた、１３，３３……噛合せ部、１６，３６
……突条、２１，４１……外ふた、２５，４５…
…溝、２６，４６……脚壁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 本体１に蝶番結合されその反対側縁において本
   体１と噛合せ結合される内ふた１１，３１と、こ
   の内ふた１１，３１を覆つた外ふた２１，４１
   と、前記本体１の噛合せ部５を有する側縁に設け
   られた奥へ向つて高くなる傾斜面６と、前記外ふ
   た２１，４１に設けられ前記傾斜面６に接する脚
   壁２６，４６とを具え、前記外ふた２１，４１は
   前記内ふた１１，３１に前記蝶番結合部９と直角
   の方向へ可動に結合して重ねられていることを特
   徴とする携帯用化粧品容器。