JPS64387B2 - - Google Patents

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JPS64387B2
JPS64387B2 JP56170990A JP17099081A JPS64387B2 JP S64387 B2 JPS64387 B2 JP S64387B2 JP 56170990 A JP56170990 A JP 56170990A JP 17099081 A JP17099081 A JP 17099081A JP S64387 B2 JPS64387 B2 JP S64387B2
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JP
Japan
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phenylcarbamate
group
acid
reaction
ethyl
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JP56170990A
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JPS5872552A (ja
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Shinsuke Fukuoka
Tomoya Watanabe
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPS5872552A publication Critical patent/JPS5872552A/ja
Publication of JPS64387B2 publication Critical patent/JPS64387B2/ja
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

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  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
  • Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)
  • Phenolic Resins Or Amino Resins (AREA)
  • Polyurethanes Or Polyureas (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、N―フエニルカルバミン酸エステル
をメチレン結合を介して縮合させる方法に関する
もので、さらに詳しくいえば、本発明は、N―フ
エニルカルバミン酸エステルをメチレン化剤と反
応させて縮合させる際に、高選択率でメチレン―
ビス―(4―フエニルカルバミン酸エステル)を
得る工業的に有利な方法に関するものである。
このメチレン―ビス―(4―フエニルカルバミ
ン酸エステル)は、4,4′―ジフエニルメタンジ
イソシアナート(いわゆるピユアーMDI)の前
駆体として、またこのメチレン―ビス―(4―フ
エニルカルバミン酸エステル)と、一般式 (式中R1はアルキル基又は芳香族基又は脂環
族基を、nは1〜4の整数を示す) で表わされるポリメチレンポリフエニルカルバミ
ン酸エステルとの混合物は、いわゆるクルード
MDIの前駆体として有用な物質である。これら
のイソシアナート類はポリウレタンの原料として
工業的に極めて重要であり、特にピユアーMDI
はポリウレタンエラストマー、スパンデツクス、
人工皮革用コーテイング材などの原料として、近
年需要が急増している。したがつてその原料とな
りうるメチレン―ビス―(4―フエニルカルバミ
ン酸エステル)を大量に含むポリメチレンポリフ
エニルカルバミン酸エステル類を、工業的に有利
に製造できる方法を開発することが望まれてい
る。
従来、N―フエニルカルバミン酸エステルを出
発原料としてメチレン―ビス―(4―フエニルカ
ルバミン酸エステル)を製造する方法としては、
ホルマリンやパラホルムアルデヒドやトリオキサ
ンなどを縮合剤として用い、塩酸、硫酸、リン酸
などの鉱酸を触媒として水溶液媒体中で反応させ
る方法、あるいは有機スルホン酸を触媒として有
機溶媒中で反応させる方法などが知られている。
(例えば、特開昭55―57550号公報、特開昭55―
79358号公報、特開昭55―81850号公報、特開昭55
―81851号公報、特開昭55―105658号公報、特開
昭55―115862号公報、特開昭55―129260号公報、
特開昭55―160012号公報、特開昭55―167273号公
報、特開昭56―26861号公報、特開昭56―51443号
公報、特開昭56―57758号公報、特開昭56―57759
号公報、特開昭56―57760号公報、特開昭56―
57761号公報、特開昭56―68656号公報、特開昭56
―65864号公報) しかしながら、これらの方法においては、副生
物が多量に生成するため、目的とするメチレン―
ビス―(4―フエニルカルバミン酸エステル)の
収率が低く、また目的物の単離に手間がかかるな
どの欠点があり、満足できるものではない。例え
ば水溶液媒体中での反応においては、N―フエニ
ルカルバミン酸エステル中の窒素が関与してN―
(アルコキシカルボニル)フエニルアミノメチル
フエニル化合物やこの化合物の二量体、三量体な
どのN―ベンジル化合物がかなりの量で生成する
し、また、有機スルホン酸を触媒とする有機溶媒
中での反応においても、ベンゼン環を三個以上含
む多核体のポリメチレンポリフエニルカルバミン
酸エステルがかなりの量で副生し、目的物の選択
性はそれほど高くない。
また、前記の液体酸触媒を用いる場合、装置の
腐食が大きい、触媒の分離回収に多大の費用を要
する、さらに廃酸の処理をしなければならないな
どの種々の欠点を有している。
また、液体酸を触媒として用いる場合に必然的
にともなう不都合を回避する目的で強酸性イオン
交換樹脂を用いる方法が提案されている。しかし
ながら、通常知られているようなイオン交換樹脂
を触媒として用いた場合、その反応条件下ではイ
オン交換樹脂の膨潤が著しく、機械的強度が低下
し、あるいは好ましい反応温度が樹脂の耐熱温度
よりも高く実質的に使用できないなどの欠点があ
る。また、生成物であるN―フエニルカルバミン
酸エステルのメチレン化縮合物が比較的高分子量
であり、しかも極性が大きいため、これが樹脂に
吸着され酸根を覆うことによるものと推定される
が、触媒の経時的な活性低下が著しく、工業触媒
として到底採用できないものである。
そこで本発明者らは、これらの欠点を克服すべ
くN―フエニルカルバミン酸エステルをメチレン
結合を介して縮合させる効果的な方法について鋭
意研究を重ねた結果、スルホン酸基を有する有機
残基または有機ケイ素化合物残基をケイ素又はア
ルミニウムあるいはその両方の酸化物を主成分と
する無機酸化物に結合させた化合物を触媒として
用いることによつて、前記のような種々な欠点が
解決され、高選択率でメチレン―ビス―(4―フ
エニルカルバミン酸エステル)を製造できること
を見出し、この知見に基づいて本発明を完成する
に至つた。
すなわち、本発明は、ケイ素又はアルミニウム
あるいはその両方の酸化物を主成分とする無機酸
化物に、スルホン酸基をもつ炭素数30以下の有機
残基又は炭素数30以下の有機ケイ素化合物残基が
結合した触媒の存在下で、N―フエニルカルバミ
ン酸エステルとメチレン化剤とを反応させること
を特徴とするN―フエニルカルバミン酸エステル
の縮合方法を提供するものである。
本発明において用いられる触媒は、一般式 ―R―SO3H …() (式中のRは炭素数30以下の二価の有機残基又
は有機ケイ素化合物残基である)で表される基を
結合した、ケイ素又はアルミニウムあるいはその
両方の酸化物を主成分とする無機酸化物であつ
て、この式中のRは特に炭素数20以下のものが好
ましい。このような有機残基としては、例えば脂
肪族、芳香族、脂肪―芳香族の飽和又は不飽和炭
化水素基、これらの炭化水素基の末端又は主鎖中
に、エーテル結合、チオエーテル結合、スルホン
結合、カルボニル結合、エステル結合、アミド結
合、イミノ結合、複素環部分を含有するものなど
があり、また、有機ケイ素化合物残基としては、
前記した有機残基の末端又は主鎖中にケイ素が結
合したものがある。この有機ケイ素化合物残基と
しては、特に調製が容易、無機酸化物と安定な結
合を形成するなどの点で末端にケイ素原子をもつ
有機ケイ素化合物残基、例えば末端にハロシリル
基又はアルコキシシリル基などをもつ有機ケイ素
化合物残基が有利である。
前記した有機残基又は有機ケイ素化合物残基
は、その中に存在する水素原子の一部が、さらに
フツ素、塩素、臭素などのハロゲン原子、アルキ
ル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキ
シ基、ヒドロキシル基、ニトリル基、アルコキシ
カルボニル基、カルボキシル基、スルホン酸基な
どの基によつて置換されているものであつてもよ
い。一般式()の基―R―SO3Hを結合させる
ケイ素又はアルミニウムあるいはその両方の酸化
物を主成分とする無機酸化物としては、例えばシ
リカ、シリカ―アルミナ、アルミナ、ゼオライ
ト、ケイソウ土、粘土物質、ガラス、チタニア―
アルミナ、シリカ―チタニア、シリカ―ジルコニ
アなどの表面に水酸基を有する酸化物が好適であ
る。特に好ましいのはシリカ、多孔質ガラス、シ
リカ―アルミナである。このような無機酸化物の
形状としては粉末、ビーズ、ペレツト、球などど
のようなものであつてもよい。
本発明で用いられる無機酸化物と前記式()
で表わされる基とを結合させた触媒は種々の方法
で調製することができるが、以下の反応式に示す
ようにして無機酸化物の表面の水酸基を利用して
―R―SO3Hを導入する方法などが好ましい。
(無機酸化物)―OH+X―R―SO3H →(無機酸化物)―O―R―SO3H (上記式において、Xは、Rが有機残基又は主
鎖中にケイ素を有する有機ケイ素化合物残基の場
合には、例えばハロゲン原子又はヒドロキシル基
であり、またRが主鎖の末端に金属を有する有機
金属化合物残基の場合には、例えばハロゲン原子
又はアルコキシ基である。) あるいは (無機酸化物)―OH+SOCl2 →(無機酸化物)―Cl+SO2+HCl (無機酸化物)―Cl+Y―R―Z
→(無機酸化物)―R―Z―YCl (上記式において、Yは例えばアミノ基、ヒド
ロキシル基、アルカリ金属、―MgBrなどの基を
表わし、Zはスルホン酸基またはスルホン酸基に
変換可能な基を表わす) 上記のような本発明において用いる触媒は、も
ちろんスルホン酸基を含まない有機残基又は有機
ケイ素化合物残基と無機酸化物とを結合させたの
ちスルホン酸基を導入する方法で作つてもよい
し、スルホン酸の前駆体となる部分を含む有機残
基又は有機ケイ素化合物残基と無機酸化物を結合
させたのち、所定の処理によりスルホン酸に変換
させてもよい。
このようにして調製された本発明の方法に用い
る触媒は、無機酸化物と結合した前記式で表わさ
れる基中のRが炭素数30以下の有機残基又は有機
ケイ素化合物残基のような比較的低分子量のもの
では、特に通常の高分子量のイオン交換体又はイ
オン交換樹脂のような膨潤及びそれに伴なう物理
的強度の低下は実質的になく、膨潤状態でのメチ
レン化生成物の付着による触媒活性の低下などの
現象が全く起らないか、あるいは起つてもその程
度は非常に小さいことが見いだされた。
本発明で用いられるN―フエニルカルバミン酸
エステルは一般式 で表わされる化合物であり、ここでR1は脂肪族
基又は芳香族基又は脂環族基を表わし、R2は水
素又はアルキル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シ
アノ基、アルコキシ基脂環族基などの置換基を表
わし、これらの置換基はウレタン基に対してオル
ト位又はメタ位に結合しており、rは0〜4の整
数を表わす。また、rが2以上の場合はR1は同
じものであつてもよいし、異なる置換基であつて
もよい。さらに、R1はその1個以上の水素が前
記の置換基で置換されたものであつてもよい。
このようなN―フエニルカルバミン酸エステル
としては、例えば前記の一般式()において
R1がメチル基、エチル基、2,2,2―トリク
ロロエチル基、2,2,2―トリフルオロエチル
基、プロピル基(n―、iso―)、ブチル基(n―
及び各種異性体)、ペンチル基(n―及び各種異
性体)、ヘキシル基(n―及び各種異性体)など
のアルキル基、又はシクロペンチル基、シクロヘ
キシル基などの脂環族基、又はフエニル基、ナフ
チル基などの芳香族基であり、R2は水素又は前
記のアルキル基又は脂環族基あるいはフツ素、塩
素、臭素、ヨウ素などのハロゲン原子あるいはニ
トロ基あるいはシアノ基あるいは前記のアルキル
基を構成成分とするアルコキシ基などであるよう
なN―フエニルカルバミン酸エステル類が挙げら
れる。
好ましいのは、N―フエニルカルバミン酸メチ
ル、N―フエニルカルバミン酸エチル、N―フエ
ニルカルバミン酸n―プロピル、N―フエニルカ
ルバミン酸iso―プロピル、N―フエニルカルバ
ミン酸n―ブチル、N―フエニルカルバミン酸
sec―ブチル、N―フエニルカルバミン酸iso―ブ
チル、N―フエニルカルバミン酸tert―ブチル、
N―フエニルカルバミン酸ペンチル、N―フエニ
ルカルバミン酸ヘキシル、N―フエニルカルバミ
ン酸シクロヘキシル、N―フエニルカルバミン酸
2,2,2―トリクロロエチル、N―フエニルカ
ルバミン酸2,2,2―トリフルオロエチル、N
―o又はm―トリルカルバミン酸メチル、N―o
又はm―トリルカルバミン酸エチル、N―o又は
m―トリルカルバミン酸2,2,2―トリフルオ
ロエチル、N―o又はm―トリルカルバミン酸プ
ロピル(各異性体)、n―o又はm―トリルカル
バミン酸ブチル(各異性体)、N―o又はm―ク
ロロフエニルカルバミン酸メチル、N―o又はm
―クロロフエニルカルバミン酸エチル、N―o又
はm―クロロフエニルカルバミン酸プロピル(各
異性体)、N―o又はm―クロロフエニルカルバ
ミン酸ブチル(各異性体)、N―o又はm―クロ
ロフエニルカルバミン酸2,2,2―トリフルオ
ロエチル、N―2,6―ジメチルフエニルカルバ
ミン酸メチル、N―2,6―ジメチルフエニルカ
ルバミン酸エチル、N―2,6―ジメチルフエニ
ルカルバミン酸プロピル(各異性体)、N―2,
6―ジメチルカルバミン酸ブチル(各異性体)、
N―2,6―ジメチルカルバミン酸2,2,2―
トリフルオロエチル、N―2,6―ジブロモフエ
ニルカルバミン酸メチル、N―2,6―ジブロモ
フエニルカルバミン酸エチル、N―2,6―ジブ
ロモフエニルカルバミン酸プロピル(各異性体)、
N―2,6―ジブロモフエニルカルバミン酸ブチ
ル(各異性体)、N―2,6―ジブロモフエニル
カルバミン酸2,2,2―トリフルオロエチルな
どのN―フエニルカルバミン酸エステル類が用い
られる。
本発明で用いるメチレン化剤としては、例えば
ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、トリ
オキサン、テトラオキサン、ジアルコキシメタ
ン、ジアシロキシメタン、1,3―ジオキソラ
ン、1,3―ジオキサン、1,3―ジチアン、
1,3―オキサチアン、ヘキサメチレンテトラミ
ンなどが挙げられるが、これらのメチレン化剤の
中で特に好ましいものはホルムアルデヒド、パラ
ホルムアルデヒド、トリオキサン及び炭素数1〜
6の低級アルキル基を有するジアルコキシメタ
ン、例えばジメトキシメタン、ジエトキシメタ
ン、ジプロポキシメタン、ジペンタノキシメタ
ン、ジヘキシロキシメタン及びジアセトキシメタ
ン、ジプロピオキシメタンなどの低級カルボキシ
ル基を有するジアシロキシメタンなどであり、こ
れらは単独で用いてもよいし2種以上混合して用
いてもよい。
本発明方法は無溶媒でも実施できるが、必要に
応じて適当な溶媒中で実施することもできる。こ
のような溶媒としては、例えばペンタン、ヘキサ
ン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、n―
ヘキサデカン、シクロペンタン、シクロヘキサン
などの脂肪族又は脂環族炭化水素類、クロロホル
ム、塩化メチレン、四塩化炭素、ジクロロエタ
ン、トリクロロエタン、テトラクロロエタンなど
のハロゲン化炭化水素類、メタノール、エタノー
ル、プロパノール、ブタノールなどのアルコール
類、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベン
ゼン、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン、
ブロモナフタリン、ニトロベンゼン、o―又はm
―又はp―ニトロトルエンなどの芳香族化合物
類、ジエチルエーテル、1,4―ジオキサン、テ
トラヒドロフランなどのエーテル類、酢酸メチ
ル、酢酸エチル、ギ酸メチルなどのエステル類、
スルホラン、3―メチルスルホラン、2,4―ジ
メチルスルホランなどのスルホラン類、酢酸、プ
ロピオン酸、モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、ト
リクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸などのカルボン
酸類、メタンスルホン酸、トリクロロメタンスル
ホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸などのス
ルホン酸類及び水などが挙げられる。
本発明方法を実施するに当り、メチレン化剤と
N―フエニルカルバミン酸エステルとのモル比は
特に制限はないが、通常N―フエニルカルバミン
酸エステル1モルに対してメチレン化剤を0.01〜
10モルの範囲で用いるのが好ましく、さらに好ま
しくは0.05〜5モルの範囲である。メチレン化剤
の使用量が少なすぎると未反応のN―フエニルカ
ルバミン酸エステルの残存率が多くなり、一方多
過ぎるとフエニル基を3個以上有する多核体のポ
リメチレンポリフエニルカルバミン酸エステルの
生成割合が多くなるので好ましくない。
また本発明の方法において用いられる触媒は、
N―フエニルカルバミン酸エステル1モルに対し
て通常、そのスルホン酸基が10-5〜10モル当量に
相当する範囲の量で使用され、特に5×10-4〜5
モル当量の範囲が望ましい。触媒量が10-5モル当
量未満では実質的に反応が遅くなる。一方、10モ
ル当量以上使用しても特に効果の向上が認められ
ないので工業的に有利でない。
本発明の反応は250℃以下、好ましくは10〜200
℃の温度で行われるが、さらに好ましい温度は80
〜180℃の範囲である。
また、本発明方法は通常、常圧下又は加圧下で
行われるが、必要に応じて減圧下で行うこともで
きる。
反応時間は反応温度、触媒の種類と量、溶媒の
有無及び量、原料組成、反応方法などの他の反応
条件によつて異なるが、通常数分〜数時間であ
る。
また、本発明の反応方式としては、特に制限は
なく、例えば無機酸化物に―R―SO3Hを結合さ
せた触媒を反応混合物中に懸濁させて行う方法
や、固定床として行う方法などがある。また回分
式で行つてもよいし、あるいは連続式に行つても
よい。
本発明の触媒は固体であるから塩酸、硫酸など
の通常の液体酸触媒のように装置を腐食すること
がなく、反応液成分からの分離回収や反応の連続
化が容易であり、かつ廃酸水溶液を出さないなど
工業的に極めて有利な点を有している。
また、本発明の触媒を、N―フエニルカルバミ
ン酸エステルとメチレン化剤との反応触媒として
用いる場合、高選択率でメチレン―ビス―(4―
フエニルカルバミン酸エステル)を得ることがで
きる。
次に実施例によつて本発明をさらに詳細に説明
するが、本発明はこの例によつて限定されるもの
ではない。
なお、反応生成物は高速液体クロマトグラフイ
ーを用いて分析した。
実施例 1 シリカゲル(10g)をトルエン(30ml)中に懸
濁させ、3―クロロプロピルトリメトキシシラン
(8ml)を加え、次いで混合物を窒素雰囲気下に
還流温度で5時間かくはんし反応させた。反応生
成物をロ別し、メタノールで15時間ソツクスレー
抽出し、真空乾燥した。このクロロプロピルシリ
カに亜硫酸ナトリウムの飽和水溶液(100ml)を
加え、混合物を還流下、窒素雰囲気下に24時間か
くはんした。冷却後シリカ生成物を分離し、蒸留
水で洗浄して残存亜硫酸塩を除去した。このシリ
カ生成物を次いで1N硝酸で酸性化したのち、蒸
留水で洗浄し、真空乾燥した。このシリカ生成物
は0.9重量%の硫黄を含有していた(以下、この
生成物をスルホプロピルシリカと示す)。このス
ルホプロピルシリカ2g、N―フエニルカルバミ
ン酸エチル8.25g及びジメトキシメタン1.9g及
びスルホラン80mlをオートクレーブに入れ、120
℃で2時間反応させた。反応後、反応液を分析し
たところN―フエニルカルバミン酸エチルの反応
率は63%、メチレン―ビス―(4―フエニルカル
バミン酸エチル)の収率は44%でその選択率は70
%であつた。また3核体以上のポリメチレンポリ
フエニルカルバミン酸エチルは選択率18%で形成
されていた。
上記反応後の反応液からろ過により分離回収し
たスルホプロピルシリカを用いて同様の反応を繰
り返したところ、N―フエニルカルバミン酸エチ
ルの反応率は62%、メチレン―ビス―(4―フエ
ニルカルバミン酸エチル)の選択率は72%、ポリ
メチレンポリフエニルカルバミン酸エチルの選択
率は15%で実質的に同じ結果が得られ、触媒能の
低下は認められなかつた。
実施例 2 シリカゲルを2規定HCl中、4時間加熱還流し
たのち、ろ過、水洗及びアセトン洗浄を行い、次
いで200℃で1昼夜乾燥させた。この前処理を行
なつたシリカゲル(5g)と2―フエニルエチル
トリクロロシラン(2ml)とを無水ジオキサン
(100ml)中で4時間還流下で反応させた後、ろ過
し、ジオキサン及びアセトンで順次洗浄を行い、
次いで乾燥させた。この生成物を20vol%のクロ
ルスルホン酸を含むクロロホルム(100ml)中で
加熱還流を3時間行なつたのち、洗浄、乾燥を行
つて、0.6ミリ当量/gのスルホン酸基を有する
固体酸触媒を得た。
この触媒をカラムに充てんし、N―フエニルカ
ルバミン酸メチル10wt%及びトリオキサン0.5重
量%を含むニトロベンゼン溶液を20ml/hrの流速
でカラム下方より注入した。このカラムを110℃
に保ち定常状態になつたのち、生成液を分析した
結果、N―フエニルカルバミン酸メチルの反応率
は45%で、メチレン―ビス―(4―フエニルカル
バミン酸メチル)の選択率は75%、ポリメチレン
ポリフエニルカルバミン酸メチルの選択率は13
%、残りは2,4′―体を含む二量体であつた。
実施例 3 実施例2と同様の前処理を行なつたシリカゲル
(5g)を過剰量のチオニルクロリドの還流下で
7時間反応させたのち、減圧下に160〜180℃で未
反応物及び吸着物質を除いた。このようにして約
1.7ミリ当量の塩素を含むクロル化シリカが得ら
れた。このクロル化シリカを無水テトラヒドロフ
ラン中、ベンジルリチウムと反応させてベンジル
化シリカを得た。次いで、これを35%発煙硫酸中
に加え室温で5時間反応させた。水洗後、120℃
で1昼夜乾燥させることによつて約1.2ミリ当
量/gのスルホン酸基を有するスルホベンジルシ
リカを得た。
この触媒を内径12mm、長さ20cmのステンレス製
カラムに充てんした。N―フエニルカルバミン酸
エチル13wt%及びジエトキシメタン2wt%を含む
スルホラン溶液を30ml/hrの割合でカラムの下方
より注入した。このカラムを120℃に保持し、定
常状態になつたのち、生成液を分析した結果、N
―フエニルカルバミン酸エチルの反応率は43%
で、メチレン―ビス―(4―フエニルカルバミン
酸エチル)の選択率は73%、ポリメチレンポリフ
エニルカルバミン酸メチルの選択率は10%であつ
た。この縮合反応は10時間後もほぼ同様の成績で
あつた。
比較例 1 スチレン―ジビニルベンゼンの架橋ポリマーを
基体とする市販されているMR型の強酸性イオン
交換樹脂を用いて実施例3と同様の条件下で反応
を行つた結果、反応初期にはN―フエニルカルバ
ミン酸エステルの反応率は40%でメチレン―ビス
―(4―フエニルカルバミン酸エチルの選択率は
60%であつたが、3時間後には反応率は25%に低
下し、メチレン―ビス―(4―フエニルカルバミ
ン酸エチル)の選択率も48%に低下していた。10
時間後にはさらに低下し、反応率は10%、選択率
20%であつた。
実施例 4 シリカアルミナ(Si/Al=6/4)を実施例
2と同様に前処理を行い、過乗量のチオニルクロ
リドと7時間還流下で反応させたのち、減圧下に
160〜180℃で未反応物及び吸着物質を除いた。こ
のようにして約1.2ミリ当量の塩素を含むクロル
化シリカアルミナが得られた。無水ジオキサン中
でこのクロル化シリカアルミナと2―アミノエタ
ンスルホン酸を80〜100℃の温度で10時間反応さ
せることによつて2―スルホエチルアミン化シリ
カアルミナ(1ミリ当量/g)を得た。
この触媒を内径12mm、長さ20cmのステンレスカ
ラムに充てんした。N―フエニルカルバミン酸エ
チル16wt%及びトリオキサン1wt%を含む酢酸―
スルホラン(10/90容量比)溶液を、15ml/hrで
カラム下方より注入した。このカラムを110℃に
保ち、定常状態になつたのち、生成液を分析した
結果、N―フエニルカルバミン酸エチルの反応率
は48%で、メチレン―ビス―(4―フエニルカル
バミン酸エチル)の選択率は73%、ポリメチレン
ポリフエニルカルバミン酸エチルの選択率は15%
であつた。
実施例 5 水ガラス10gを溶解した100mlの水溶液に1g
のフエニルトリメトキシシランの0.5%水酸化カ
リウム水溶液20mlを加え、かきまぜて均一な水溶
液とし、これに冷却した5%硫酸水溶液を十分か
きまぜながら徐々に加え、PHを6に調整した。こ
の溶液を放置しゲル化させ、約5時間後にこのゲ
ル状物質をイオン交換水で十分洗浄したのち、
150℃の温度で5時間乾燥させた。得られたフエ
ニル化シリカを20%(容量比)のクロルスルホン
酸を含むクロロホルム中に加え、還流下に5時間
反応させた。ろ過、洗浄、乾燥することによつて
スルホフエニルシリカ(1.1ミリ当量/g)を得
た。
この触媒3g、N―フエニルカルバミン酸エチ
ル8.25g、トリオキサン1.35g及びニトロベンゼ
ン50mlをオートクレーブに入れ、130℃で1時間
反応させた。反応後、反応液を分析したところN
―フエニルカルバミン酸エチルの反応率は85%
で、メチレン―ビス―(4―フエニルカルバミン
酸エチル)の選択率は75%、ポリメチレンポリフ
エニルカルバミン酸エチルの選択率は17%であつ
た。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 ケイ素又はアルミニウムあるいはその両方の
    酸化物を主成分とする無機酸化物に、スルホン酸
    基をもつ炭素数30以下の有機残基又は炭素数30以
    下の有機ケイ素化合物残基が結合した触媒の存在
    下で、N―フエニルカルバミン酸エステルとメチ
    レン化剤とを反応させることを特徴とするN―フ
    エニルカルバミン酸エステルの縮合方法。 2 無機酸化物がシリカである特許請求の範囲第
    1項記載の縮合方法。
JP56170990A 1981-10-26 1981-10-26 N−フエニルカルバミン酸エステルの縮合方法 Granted JPS5872552A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0732992U (ja) * 1993-11-17 1995-06-16 株式会社アドバンテスト プリント基板実装ボードを装填するためのガイド機構。
US9695819B2 (en) 2011-12-22 2017-07-04 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Rotary compressor with cylinder immersed in oil

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH0732992U (ja) * 1993-11-17 1995-06-16 株式会社アドバンテスト プリント基板実装ボードを装填するためのガイド機構。
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