JPS6338021B2 - - Google Patents

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JPS6338021B2
JPS6338021B2 JP57076519A JP7651982A JPS6338021B2 JP S6338021 B2 JPS6338021 B2 JP S6338021B2 JP 57076519 A JP57076519 A JP 57076519A JP 7651982 A JP7651982 A JP 7651982A JP S6338021 B2 JPS6338021 B2 JP S6338021B2
Authority
JP
Japan
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acid
group
phenylcarbamate
isomer
same
Prior art date
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Application number
JP57076519A
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JPS58194852A (ja
Inventor
Tomoya Watanabe
Shinsuke Fukuoka
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
Application filed by Asahi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP7651982A priority Critical patent/JPS58194852A/ja
Publication of JPS58194852A publication Critical patent/JPS58194852A/ja
Publication of JPS6338021B2 publication Critical patent/JPS6338021B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、ジフエニルメタンジカルバメート類
の製造法に関するものであり、さらに詳しくは、
分子内にメチレンアミノ結合(―CH2―N)を
有するジカルバメート化合物とN―フエニルカル
バメートとを反応させることによつて、ジフエニ
ルメタンジカルバメート類を製造する方法に関す
るものである。 ジフエニルメタンジカルバメート類は、ホスゲ
ンを使用しないでジフエニルメタンジイソシアナ
ート(MDI)を製造するための前駆体として有
用な物質である。特にその4,4′―体である4,
4′―ジフエニルメタンジイソシアナート(いわゆ
るビユアーMDI)は、ポリウレタンエラストマ
ー、スパンデツクス、人工皮革用コーテイング材
などの原料として、近年需要が急増している。し
たがつて、その原料となり得るジフエニルメタン
ジカルバメート類を工業的に有利に製造できる方
法を開発することが望まれている。 従来、このジフエニルメタンジカルバメート類
を製造する方法としては、例えば、N―フエニル
カルバメートとホルムアルデヒド、パラホルムア
ルデヒド、メチラール、トリオキサンなどの縮合
剤とを、鉱酸、有機スルホン酸、固体酸などの酸
の存在下において反応させる方法が知られてい
る。 この場合、強酸を大量に用いる、反応温度を高
くする、反応時間を長くするなどの比較的厳しい
条件下で反応を行なうと、目的とするジフエニル
メタンジカルバメート類以外に、例えば、一般式 (式中、Rはアルキル基、芳香族基または脂環
族基、zは1以上の整数を表わす。)で示される
多核体のポリメチレンポリフエニルカルバメート
がかなり多量に生成することも知られている。 一方、比較的温和な条件下では、メチレン基が
カルバメート基の窒素原子と結合したメチレンア
ミノ結合(―CH2―N)を含み、ベンゼン環を
2個または3個以上有する2核体または3核体以
上の多核体がかなり多量に副生することも知られ
ている。 このメチレンアミノ結合を有する化合物は、熱
分解によつてイソシアナートを与えないので、で
きるだけその存在量を減少させることが望まれて
いる。その一つの方法として、これらの化合物を
実質的に無水の条件下で、少なくとも75%硫酸以
上の強さを有するプロトン性酸またはルイス酸の
存在下に、50〜170℃の温度で反応させることに
よつて、窒素原子に結合しているメチレン基をベ
ンゼン環と結合させる転位反応の方法が提案され
ている(特開昭54−59264号公報)。 しかし、この方法では、多量の濃硫酸やパラト
ルエンスルホン酸を使用しなければならず、その
分離および回収のためには繁雑な操作と多大の費
用を要する。また、反応生成物中にこれらの酸が
少量でも含まれると、次の熱分解工程において副
反応を起したり、装置の腐食をひき起したりする
ので、これらの酸は生成物から完全に除去されな
ければならない。そのために反応生成物の水洗、
乾燥が必要となり、さらに水洗によつて排出され
る廃酸水の処理も必要となつてくる。 また、ビス(N―カルボアルコキシアニリノ)
メタンを酸触媒の存在下に加熱することによつ
て、ポリメチレンポリフエニルカルバメートを得
る方法(特開昭56―7749号公報)も提案されてい
るが、この方法では、転位反応を起させると同時
に縮合反応も併発し、ジフエニルメタンジカルバ
メート以外に3核体以上のポリメチレンポリフエ
ニルカルバメートが副生してくる。 そこで、本発明者らは、このようなメチレンア
ミノ結合(―CH2―N)を有するジカルバメー
ト化合物を用いて、前記のような欠点のない方法
でジフエニルメタンジカルバメート類を製造する
方法について鋭意検討を重ねた結果、メチレンア
ミノ結合を有するジカルバメート化合物を転位さ
せるのではなく、N―フエニルカルバメート類と
特殊な酸の存在下に反応させることによつて、容
易にかつ高選択率でジフエニルメタンジカルバメ
ート類を製造できることを見出し、この知見に基
いて本発明を完成するに至つた。 すなわち、本発明は、25℃の水溶液中でのpKa
値が4以下のカルボン酸の存在下に、一般式
()および/または() (式中、R1は水素またはアルキル基、ハロゲ
ン原子、ニトロ基、シアノ基、アルコキシ基、脂
環族基などの置換基、xは0〜4の整数を表わ
し、xが2以上の場合は、R1は同じものであつ
てもよいし、異なる置換基であつてもよい。R2
はアルキル基、芳香族基または脂環族基を表わ
し、さらに、R2はその1個以上の水素が前記の
置換基で置換されたものであつてもよい。)で示
されるメチレンアミノ結合(―CH2―N)を有
するジカルバメート化合物と、一般式() (式中、R3は水素またはアルキル基、ハロゲ
ン原子、ニトロ基、シアノ基、アルコキシ基、脂
環族基などの置換基、yは0〜4の整数を表わ
し、yが2以上の場合は、R3は同じものであつ
てもよいし、異なる置換基であつてもよい。R4
はアルキル基、芳香族基または脂環族基を表わ
し、さらに、R4はその1個以上の水素が前記の
置換基で置換されたものであつてもよい。また、
R3はR1と、yはxと、R4はR2とそれぞれ同じで
あつてもよい。)で示されるN―フエニルカルバ
メートとを反応させることを特徴とする一般式
() で示されるジフエニルメタンジカルバメート類の
製造法を提供することにある。 本発明の方法において、主な反応は次のような
式で表わされる。 および/または、 副生するN―フエニルカルバメートが、再度一
般式()または()で示されるジカルバメー
ト化合物と反応して、次のようなジフエニルメタ
ンジカルバメート類も副生してくる場合もある。 本発明は、前記の反応を、25℃の水溶液中での
pKa値が4以下のカルボン酸の存在下に行なうこ
とを特徴としており、これらのカルボン酸は、先
行技術の転位反応で用いられているような酸とは
異なり、反応生成物からの分離および回収が、例
えば蒸留などの方法により容易に実施でき、しか
も、反応生成物中に残存させないことも容易であ
る。 このような25℃の水溶液中でのpKa値が4以下
のカルボン酸としては、例えば、ギ酸、フルオロ
酢酸、ジフルオロ酢酸、トリフルオロ酢酸、クロ
ロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、ブロモ
酢酸、ジブロモ酢酸、トリブロモ酢酸、ヨード酢
酸、ジヨード酢酸、トリヨード酢酸などのハロゲ
ン化酢酸類;α―フルオロプロピオン酸、α,α
―ジフルオロプロピオン酸、α―クロロプロピオ
ン酸、α,α―ジクロロプロピオン酸、α―フル
オロ酪酸、α―クロロ酪酸などのα―ハロゲン化
およびα,α―ジハロゲン化脂肪族カルボン酸
類;シアノ酢酸、α―シアノプロピオン酸、α―
シアノ酪酸などのα―シアノ脂肪族カルボン酸
類;アセト酢酸、ジクロロアセチル酢酸、フルオ
ロアセチル酢酸などのアシル酢酸類;メトキシ酢
酸、エトキシ酢酸、クロロフエノキシ酢酸(各異
性体)、シアノフエノキシ酢酸(各異性体)など
のアルコキシ酢酸類およびフエノキシ酢酸類;ク
ロロ安息香酸(各異性体)、フルオロ安息香酸
(各異性体)、ジフルオロ安息香酸(各異性体)、
ブロモ安息香酸(各異性体)、トリクロロ安息香
酸(各異性体)などのハロゲン化安息香酸類;サ
リチル酸、ジヒドロキシ安息香酸(各異性体)、
トリヒドロキシ安息香酸(各異性体)などのヒド
ロキシ安息香酸類;ニトロ安息香酸、ジニトロ安
息香酸などのニトロ化安息香酸類;グリコール
酸;乳酸;リンゴ酸、ジメチルリンゴ酸、ジヒド
ロキシリンゴ酸などのリンゴ酸類;酒石酸、ジメ
チル酒石酸、ジヒドロキシ酒石酸などの酒石酸
類;クエン酸;マロン酸、ジメチルマロン酸類な
どのマロン酸;シユウ酸;マレイン酸;フマール
酸;マンデル酸;フタール酸(各異性体)、ハロ
ゲン化フタール酸(各異性体)などのフタル酸
類;フランカルボン酸;チオフエンカルボン酸;
チオ酢酸、シクロプロパン―1,1―ジカルボン
酸;スルホ酢酸、ジフルオロスルホ酢酸などのス
ルホ酢酸類;ジフルオロマロン酸、ジクロロマロ
ン酸などのハロゲン化マロン酸類;1,2―ジフ
ルオロコハク酸、パーフルオロコハク酸、パーク
ロロコハク酸などのハロゲン化コハク酸類などが
あげられる。 これらのカルボン酸の使用量は特に制限された
ものではないが、通常、一般式()および/ま
たは()で示されるメチレンアミノ結合を有す
るジカルバメート化合物に対して、10-3〜104
モルの範囲で使用される。これらのカルボン酸を
溶媒として用いてもよい。さらにこれらのカルボ
ン酸は1種でもよいし、2種以上混合して用いて
もよい。 本発明で用いられる一般式()および/また
は()で示されるメチレンアミノ結合を有する
ジカルバメート化合物は、どのような方法で製造
されたものであつてもよい。例えば、相当するジ
アミノ化合物とクロルギ酸エステルとの反応によ
つて容易に製造することができる。また、一般式
() (式中、R1およびxは前記の通り)で示され
るN―フエニルカルバメート類をホルムアルデヒ
ド、パラホルムアルデヒド、トリオキサン、メチ
ラール、アシラールなどのメチレン化剤と比較的
温和な条件下で反応させることによつて製造する
こともできる。この場合、メチレンアミノ結合を
有し、ベンゼン環を3個以上含むような()お
よび()の高級同族体である3核体以上の多核
体あるいはジフエニルメタンジカルバメートおよ
びポリメチレンポリフエニルカルバメートが共存
する系で本発明の方法を実施してもよい。 本発明で用いられるもう一つの原料であるN―
フエニルカルバメートは、一般式() (式中、R3,R4およびyは前記の通り)で示
される化合物であつて、例えば、前記の一般式
()においてR4がメチル基、エチル基、2,
2,2―トリクロロエチル基、2,2,2―トリ
フルオロエチル基、プロピル基(n―,iso―)、
ブチル基(n―および各種異性体)、ペンチル基
(n―および各種異性体)、ヘキシル基(n―およ
び各種異性体)などのアルキル基、またはシクロ
ペンチル基、シクロヘキシル基などの脂環族基、
またはフエニル基、ナフチル基などの芳香族基で
あり、R3が水素または前記のアルキル基または
脂環族基あるいはフツ素、塩素、臭素、ヨウ素な
どのハロゲン原子あるいはニトロ基あるいはシア
ノ基あるいは前記のアルキル基を構成成分とする
アルコキシ基などであるようなN―フエニルカル
バメート類が挙げられる。 好ましいのは、N―フエニルカルバミン酸メチ
ル、N―フエニルカルバミン酸エチル、N―フエ
ニルカルバミン酸n―プロピル、N―フエニルカ
ルバミン酸iso―プロピル、N―フエニルカルバ
ミン酸n―ブチル、N―フエニルカルバミン酸
sec―ブチル、N―フエニルカルバミン酸iso―ブ
チル、N―フエニルカルバミン酸tert―ブチル、
N―フエニルカルバミン酸ペンチル、N―フエニ
ルカルバミン酸ヘキシル、N―フエニルカルバミ
ン酸シクロヘキシル、N―フエニルカルバミン酸
2,2,2―トリクロロエチル、N―フエニルカ
ルバミン酸2,2,2―トリフルオロエチル、N
―oまたはm―トリルカルバミン酸メチル、N―
oまたはm―トリルカルバミン酸エチル、N―o
またはm―トリルカルバミン酸2,2,2―トリ
フルオロエチル、N―oまたはm―トリルカルバ
ミン酸プロピル(各異性体)、N―oまたはm―
トリルカルバミン酸ブチル(各異性体)、N―o
またはm―クロルフエニルカルバミン酸メチル、
N―oまたはm―クロルフエニルカルバミン酸エ
チル、N―oまたはm―クロルフエニルカルバミ
ン酸プロピル(各異性体)、N―oまたはm―ク
ロルフエニルカルバミン酸ブチル(各異性体)、
N―oまたはm―クロルフエニルカルバミン酸
2,2,2―トリフルオロエチル、N―2,6―
ジメチルフエニルカルバミン酸メチル、N―2,
6―ジメチルフエニルカルバミン酸エチル、N―
2,6―ジメチルフエニルカルバミン酸プロピル
(各異性体)、N―2,6―ジメチルフエニルカル
バミン酸ブチル(各異性体)、N―2,6―ジメ
チルフエニルカルバミン酸2,2,2―トリフル
オロエチル、N―2,6―ジブロムフエニルカル
バミン酸メチル、N―2,6―ジブロムフエニル
カルバミン酸エチル、N―2,6―ジブロムフエ
ニルカルバミン酸プロピル(各異性体)、N―2,
6―ジブロムフエニルカルバミン酸ブチル(各異
性体)、N―2,6―ジブロムフエニルカルバミ
ン酸2,2,2―トリフルオロエチルなどのN―
フエニルカルバメート類が用いられる。 これらのN―フエニルカルバメート類(一般式
())において、R3がR1と、yがxと,R4がR2
と同じであるものが特に好ましく用いられる。 本発明方法は無溶媒でも実施できるが、必要に
応じて適当な溶媒で実施することもできる。この
ような溶媒としては、例えば、ペンタン、ヘキサ
ン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、n―
ヘキサデカン、シクロペンタン、シクロヘキサン
などの脂肪族または脂環族炭化水素類、クロロホ
ルム、塩化メチレン、四塩化炭素、ジクロルエタ
ン、トリクロルエタン、テトラクロルエタンなど
のハロゲン化炭化水素類、メタノール、エタノー
ル、プロパノール、ブタノールなどのアルコール
類、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベン
ゼン、モノクロルベンゼン、ジクロルベンゼン、
ブロムナフタリン、ニトロベンゼン、o―または
m―またはp―ニトロトルエンなどの芳香族化合
物類、ジエチルエーテル、1,4―ジオキサン、
テトラヒドロフランなどのエーテル類、酢酸メチ
ル、酢酸エチル、ギ酸メチルなどのエステル類、
スルホラン、3―メチルスルホラン、2,4―ジ
メチルスルホランなどのスルホラン類および水な
どが挙げられる。さらには、酢酸、プロピオン
酸、モノクロル酢酸、ジクロル酢酸、トリクロル
酢酸、トリフルオロ酢酸などの脂肪族カルボン酸
類およびハロゲン化脂肪族カルボン酸類も用いら
れ、これらのカルボン酸の酸無水物類も用いるこ
とができる。 本発明の方法を実施するに当に、原料である一
般式()および/または()で示されるジカ
ルバメート化合物と、一般式()で示されるN
―フエニルカルバメートとの量比はいくらでもよ
いが、原料中におけるメチレンアミノ結合(―
CH2―N)と等量以上のN―フエニルカルバメ
ートを用いることが好ましい。もちろん、それよ
りも少ない量であつても、目的とするジフエニル
メタンジカルバメート類は得られるが、反応速度
が小さくなる。逆に等量よりも多いN―フエニル
カルバメートを用いることは、反応速度を促進す
る効果があり、好ましい方法である。 本発明の反応は250℃以下、好ましくは10〜200
℃の温度で行なわれる。 反応時間は反応温度、酸の種類と量、溶媒の有
無および量、原料組成、反応方法などの他の反応
条件によつて異なるが、通常数分〜数時間であ
る。 本発明方法は通常、常圧下または加圧下で行わ
れるが、必要に応じて減圧下で行うこともでき
る。 また、本発明の反応方式としては、特に制限は
なく、回分式で行つてもよいし、あるいは連続式
に行なつてもよい。 次に実施例によつて本発明をさらに詳細に説明
するが、本発明はこれらの例によつて限定される
ものではない。 なお、反応生成物は高速液体クロマトグラフイ
ーを用いて分析した。 実施例 1 N―フエニルカルバミン酸エチル50gとトリオ
キサン4.54gを98%硫酸2.1gの存在下、50℃で
3分間反応させ、生成物をカラムクロマトグラフ
イーによつて分離し、一般式()において、x
=0,R2=C2H3である化合物(以下、2核N―
体と呼ぶ)を得た。これを3.42g(10mmol)と
り、N―フエニルカルバミン酸エチル0.83g(5
mmol)と、トリフルオロ酢酸17g(149mmol)
とともに50mlナスフラスコに入れ、撹拌下、72℃
で10分間反応させた。単蒸留によつてトリフルオ
ロ酢酸を留去した後、反応混合物を分析した結
果、2核N―体は全て消費されており、ジフエニ
ルメタンジカルバミン酸ジエチルが3.42g生成し
ており、N―フエニルカルバミン酸エチルは0.83
g回収された。 実施例 2 実施例1と同様の操作で得た2核N―体3.42g
(10mmol)とN―フエニルカルバミン酸エチル
0.83g(5mmol)をスルホラン10g中に溶解さ
せ、50mlナスフラスコに入れ、トリフルオロ酢酸
0.114g(1mmol)を加え撹拌下に72℃で10分
間反応させた。結果は、2核N―体はすべて消費
されており、ジフエニルメタンジカルバミン酸ジ
エチルが3.42g生成していた。また、N―フエニ
ルカルバミン酸エチルは0.83g回収された。 比較例 1 2核―N体3.42g(10mmol)をトリフルオロ
酢酸17g(149mmol)とともに50mlナスフラス
コに入れ、72℃で10分間反応させたが2核N―体
はほぼ全量回収された。 比較例 2 ガラス製オートクレーブを用いて、反応条件を
110℃で2時間にすること以外は、比較例1と同
条件で反応を行なつたところ、2核N―体は60%
が反応しており、ジフエニルメタンジカルバミン
酸ジエチルが42%の収率で得られた。また、その
他に、次式に示す化合物(3核体) が収率9%で、N―フエニルカルバミン酸エチル
が収率9%で副生していた。 実施例 3 実施例1と同様の操作で分離した一般式()
においてx=0,R2=C2H5である化合物(以下、
2核N,N′―体と呼ぶ)を3.42g(10mmol)用
いる以外は、実施例1と同条件下に反応を行なつ
た。その結果、2核N,N′―体は全て反応して
おり、ジフエニルメタンジカルバミン酸ジエチル
が3.42g得られた。また、N―フエニルカルバミ
ン酸エチルは0.83g回収された。 実施例 4 2核N,N′―体を3.42g(10mmol)用いる以
外は、実施例2と同条件で反応を行なつた。結果
としては、2核N,N′―体が全て反応し、2核
N―体0.27g(8%)ジフエニルメタンジカルバ
ミン酸ジエチル3.15g(92%)が生成していた。
この際、3核体などの副生物は見られず、加えた
N―フエニルカルバミン酸エチルは全て回収され
た。 比較例 3 2核N,N′―体を3.42g(10mmol)用いる以
外は、比較例1と同条件で反応を行なつたが、2
核N,N′―体は10%のみが反応し、2核N―体
6%、メチレンアミノ結合(―CH2―N)を含
む3核体が6%、N―フエニルカルバミン酸エチ
ルが2%の収率で生成しているにすぎなかつた。 比較例 4 比較例3の条件下、反応時間を3時間にして同
様の反応を行なつたところ、2核N,N′―体の
90%が消費されており、新たに2核N―体が収率
60%で、メチレンアミノ結合(―CH2―N)を
含む3核体が15%N―フエニルカルバミン酸エチ
ルが収率15%で生成していた。 実施例 5 2核N―体1.71g(5mmol)と2核N,N′―
体1.71g(5mmol)の混合物を、実施例1の条
件下に反応させた。その結果は、2核N―体およ
び2核N,N―体の全量が反応しており、ジフエ
ニルメタンジカルバミン酸ジエチルが3.42g生成
していた。また、加えたN―フエニルカルバミン
酸エチルは0.83g回収された。 実施例 6〜9 実施例2の条件下に、種々のカルボン酸を用い
て反応を行なつた結果を表1に示す。
【表】 実施例 10 N―フエニルカルバミン酸エチル5gと37%ホ
ルムアルデヒド水溶液1.2gを50%硫酸5.9gとと
もに、90℃で2時間反応させ、有機層を分離して
N―フエニルカルバミン酸エチル0.5g、2核N,
N′―体0.59g、2核N―体0.73g、MDU2.77g、
3核体0.21gメチレンアミノ結合(―CH2―N
)を含む3核体0.2gの組成からなる混合物を
得た。この混合物に、トリフルオロ酢酸45g、N
―フエニルカルバミン酸エチル3gを加え、80℃
で20分間反応を行なつた。その結果、2核N,
N′―体、2核N体およびメチレンアミノ結合
(―CH2―N)を含む3核体は全て消費されて
おり、MDUが4.09gおよび3核体が0.41g生成
していた。また、N―フエニルカルバミン酸エチ
ルは3.5g回収された。 比較例 5 実施例10の条件下、N―フエニルカルバミン酸
エチルを加えずに反応を行なつた。その結果、2
核N,N′―体0.44g、2核N―体0.42g、
MDU0.48g、メチレンアミノ結合(―CH2―N
)を含む3核体0.2gが消費され、3核体0.59
gが生成した。また、この他にベンゼン環を四つ
以上含むようなウレタン0.72gの生成が見られ
た。また、N―フエニルカルバミン酸エチルは
0.435g増加し、0.935g生成していた。 実施例 11 2核N―体3.42g(10mmol)、N―フエニル
カルバミン酸メチル1.06(7mmol)g、および
トリフルオロ酢酸20gを用いて、撹拌下に、70℃
で15分間反応させた結果、2核N―体は全て消費
されており、ジフエニルメタンジカルバミン酸ジ
エチル1.37g(4mmol)、混合エステルである
ジフエニルメタンジカルバミン酸メチルエチル が1.97g(6mmol)生生成していた。N―フエ
ニルカルバミン酸メチルは0.15g(1mmol)消
費されており、新たにN―フエニルカルバミン酸
エチルが0.99g(6mmol)生成していた。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 25℃の水溶液中でのpKa値が4以下のカルボ
    ン酸の存在下に、一般式()および/または
    () (式中、R1は水素またはアルキル基、ハロゲ
    ン原子、ニトロ基、シアノ基、アルコキシ基、脂
    環族基などの置換基、xは0〜4の整数を表わ
    し、xが2以上の場合は、R1は同じものであつ
    てもよいし、異なる置換基であつてもよい。R2
    はアルキル基、芳香族基または脂環族基を表わ
    し、さらに、R2はその1個以上の水素が前記の
    置換基で置換されたものであつてもよい。)で示
    されるメチレンアミノ結合(―CH2―N)を有
    するジカルバメート化合物と、一般式() (式中、R3は水素またはアルキル基、ハロゲ
    ン原子、ニトロ基、シアノ基、アルコキシ基、脂
    環族基などの置換基、yは0〜4の整数を表わ
    し、yが2以上の場合は、R3 は同じものであつ
    てもよいし、異なる置換基であつてもよい。R4
    はアルキル基、芳香族基または脂環族基を表わ
    し、さらに、R4はその1個以上の水素が前記の
    置換基で置換されたものであつてもよい。また
    R3はR1と、yはxと、R4はR2とそれぞれ同じで
    あつてもよい。)で示されるN―フエニルカルバ
    メートとを反応させることを特徴とする一般式
    () で示されるジフエニルメタンジカルバメート類の
    製造法。 2 カルボン酸がα―ハロゲン化カルボン酸であ
    る特許請求の範囲第1項記載の方法。 3 α―ハロゲン化カルボン酸トリフルオロ酢酸
    またはトリクロロ酢酸である特許請求の範囲第2
    項記載の方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS5459264A (en) * 1977-10-03 1979-05-12 Atlantic Richfield Co Diphenylmethane and dicarbamate homolog and production of polymethylpolyphenylcarbamate homolog

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