JPS643548Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はプレス機械の上下のフレーム間に設
置して使用する回転タレツトを有する金型装置に
関し、特に、小型のプレス機械にも設置可能とし
たものである。

従来、いわゆるスワンネツク金型と呼ばれる金
型装置は、長い上部アームの先端部にパンチを着
脱交換自在に備え、下部アームの先端部にダイを
着脱交換自在に備えている。この種の金型装置に
おいては、パンチとダイは一対しか装着できず、
使用頻度の多いパンチ、ダイが複数ある場合に
は、パンチ、ダイの着脱交換に時間を要し、作業
能率向上に問題がある。

そこで、前述のごとき金型装置における上部ア
ームおよび下部アームにそれぞれ上下のタレツト
を回転自在に装着し、上記タレツトに複数のパン
チ、ダイを着脱可能に装着する構成とすることも
可能であるが、このようにタレツトを回転自在に
設ける構成においては、タレツトに装着したパン
チと上部アームとが干渉することのないように、
上部アームを高く形成しなければならず、小型の
プレス機械には使用困難になるという問題点があ
る。

この考案は、上述のごとき問題に鑑みて考案し
たもので、以下図面を用いて、本考案の実施例に
ついて詳細に説明する。

第１図に金型装置１をプレス機械３に設置した
説明図を示す。金型装置１は、上アーム５と下ア
ーム７とを一体的に設けてホルダを形成し、上ア
ーム５の下方に上タレツト９を、下アーム７の上
方に下タレツト１１をそれぞれ回転自在に設けて
いる。又、下タレツト１１に複数のダイ１３を配
設すると共に、該ダイに対応して最上部が少なく
とも上アーム５の下側を通過する高さ位置まで傾
倒自在のパンチ１５を配設して設けている。プレ
ス機械３の上フレーム１７と下フレーム１９との
間に上記金型装置１を挿入しラム２１でパンチ１
５の頭部を押し下げ、穴明け作業等を行なう。パ
ンチ１５は作業位置では起立させ、他の位置では
傾倒、例えば90゜回転して横倒させるようにして
いる。従つて上アーム５を低く製作することが可
能であり、金型装置１の高さＨを低くすることが
できる。

第２図及び第３図に金型装置１の拡大側面断面
図及び平面図を示す。上タレツト９には複数のパ
ンチ１５を、下タレツト１１には複数のダイ１３
をそれぞれ対応して配設する。上タレツト９は上
端にスプロケツトSPR１を備えた上回転軸２５
を有する。下タレツト１１は下端にスプロケツト
SPR２を備えた下回転軸２７を有する。ホルダ
の胴部２３に上下両端にスプロケツトSPR３，
SPR４を備えた伝導軸２９を設けそれぞれ前記
スプロケツトSPR１、及びSPR２とチエン３１、
及び３３を介して連動している。ダイ１３の位置
決めは下アーム７に設けたエアシリンダ３５で下
タレツトに設けた位置決め孔３７に位置決めピン
３９を挿入するようにしている。第３図中央部付
近に示した付号４１は上タレツトの位置決め孔の
位置を示している。

パンチ１５を回転ケース３７に上下動自在に備
え、該回転ケース３７は傾倒軸３９に軸支する。
回転ケース３７にはケース本体と直交する背板４
３を設け、該背板４３の背面にはキー溝４５を設
けている。上アーム９の加工位置には前記キー溝
４５の設けられた背板を固定すべく固定装置４７
を設けている。第４図に固定装置の詳細説明図を
示した。固定装置４７は固定板４９、爪部材５
１、リンク５３等で構成している。固定板４９に
は背板４３の背面に設けたキー溝４５に嵌合する
キー５５と、爪部材５１をピン５７で結合するピ
ン穴５９とを設けている。爪部材５１とリンク５
３とはピン６１で結合する。左右のリンク５３，
５３はピン６３で結合している。一方の爪部材は
省略して示している。第３図に示されるように、
加工位置で回転ケース３７を引起すと背板４３は
直立し、固定板４９のキー５５と背板４３のキー
溝４５とが篏合する。ピン６３を２点鎖線で示す
位置から左方に移動させるとリンク５３を介して
爪部材５１が実線で示すように揺動し、背板４３
を把持する構成である。

所望のパンチ及びダイの組合せを選択して上下
のタレツトに取付け、タレツト回転時にはパンチ
を横倒させ、選択されたパンチとダイの組み合せ
を加工位置に選び、パンチを引越しピン６１を移
動させて固定し加工作業を行なえば良い。タレツ
ト回転時にはパンチを傾倒させるようにしている
ので上アーム５の下側を低く製作することがで
き、金型装置１の高さＨを低く製作することがで
きる。

以上のごとき実施例の説明より理解されるよう
に、要するに本考案の要旨は実用新案登録請求の
範囲に記載のとおりであるから、その記載より明
らかなように、本考案は、複数のパンチ１５を装
着した上タレツト９を上アーム５に回転自在に備
え、上記各パンチ１５と対応する複数のダイ１３
を装着した下タレツト１１を上アーム７に回転自
在に備えてなる金型装置に関するもので、上記各
パンチ１５は上タレツト９の外方向へ横倒自在に
設けてあるものである。したがつて各パンチ１５
を横倒したときには、各パンチ１５は上タレツト
９の放射方向に指向することとなり、各パンチ１
５が互に干渉するようなことがないものであり、
パンチ１５を比較的多く配設できるものである。
またパンチ１５を横倒自在の構成としたことによ
り、上アーム５を低く設けることができ、全体的
構成を低くできるものである。

また、本考案は、各パンチ１５にはキー溝４５
あるいはキーを備えた背板４３が設けてあり、上
アーム５の先端部にはキー５５あるいはキー溝が
設けてあり、上記キー５５とキー溝４５は、各パ
ンチ１５の直立時に係脱自在なものである。さら
に、上記キー５５とキー溝４５とを係合した状態
に保持自在の固定装置４７を設けてなるものであ
る。

したがつて本考案によれば、キー５５とキー溝
４５との係合によつてパンチ１５を直立した状態
において正確に位置決めできるものである。ま
た、上記キー５５とキー溝４５とを係合した状態
に保持する固定装置４７が設けられていることに
より、パンチング加工時にパンチ１５が横倒にな
るようなことがないものである。

なお、この考案は上記実施例に限定されるもの
ではなく、他の態様においても実施し得るもので
ある。

【図面の簡単な説明】

図面はいずれもこの考案の実施例を示し、第１
図は金型装置をプレス機械に設置した説明図、第
２図は金型装置の詳細を示す拡大側面断面図、第
３図は金型装置の平面図、第４図は固定装置の説
明図。 １……金型装置、３……プレス機械、５……上
アーム、７……下アーム、９……上タレツト、１
１……下タレツト、１３……ダイ、１５……パン
チ、Ｈ……金型装置の高さ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上アーム５と下アーム７とを上下に離隔して備
   えてなる金型装置にして、上アーム５の先端部側
   の下部に水平に回転自在に設けたタレツト９と対
   向した下タレツト１１を下アーム７の先端部側に
   回転自在に設け、上記下タレツト１１の複数箇所
   に設けた各ダイ１３と対向した各パンチ１５を上
   タレツト９に装着して設け、上記各パンチ１５
   を、上タレツト９の外方向へ横倒自在に設けると
   共に、各パンチ１５にキー溝４５あるいはキーを
   備えた背板４３を設け、各パンチ１５の直立時
   に、前記上アーム５の先端部に備えた垂直なキー
   ５５あるいはキー溝に上記背板４３のキー溝４５
   あるいはキーを係脱自在に設けると共に、上記キ
   ー溝４５とキー５５とを係合した状態に保持自在
   の固定装置４７を設けてなることを特徴とする金
   型装置。