JPS643217Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、自動車用ラジオの非接地型のアンテ
ナに関するものであり、ウインドガラスの視界を
妨げることが無く、またアンテナ取付位置の制約
も少なくし、アンテナの指向性の落ち込みを防止
し、対フエージング性能の向上を図ることを目的
としている。

従来、自動車用ラジオのアンテナとしては、ホ
イツプ・アンテナ，ピラー・アンテナ等の接地型
アンテナや、デフオガ熱線やワイヤをアンテナと
するウインド・シールド・アンテナ、またはウエ
ザーストリツプやシーラー内にアンテナ線条を埋
設したり貼着したもの、あるいはトランク・リツ
ド・アンテナ等の非接地型のアンテナ等が使用さ
れているが、前者はアンテナとボデイーとの接触
が悪くなつたり、風切音を発生する欠点があり、
後者はウインドガラスの中央部に位置して視界を
妨げるとか、取付位置に制限が存するとか、別個
のアンテナ線条を配設しなければならない等の欠
点を有している。そして、ボデイーのプラスチツ
ク化が進むにつれ、非接地型アンテナのニーズが
高まる反面、アンテナ取付位置の制約も大きくな
つているし、他面、カーFMラジオの受信性能の
上では、従来のいずれのアンテナも、指向性の落
ち込みを多かれ少なかれ持つており、フエージン
グ雑音や音の歪が問題となつている。

本考案は、最近における自動車のウインドガラ
スまわりの材料とか構造の変化に対応し、実用新
案登録請求の範囲に記載するアンテナ構造とする
ことにより、ウインドガラスの内周縁に塗着，形
成され、接着剤の付着を良好にすると共に、ウイ
ンドガラスと窓枠との接着部分を外部から視認さ
れないように掩蔽する化粧ストリツプを使用し
て、複数個のアンテナを容易に形成できるように
し、非接地型アンテナの取付位置の制約の改善
と、複数個のアンテナによるスペース・ダイバー
シチイ、FM受信による対フエージング性能の向
上と、指向性の落ち込みの防止ならびにアンテナ
配置時の工数と部品点数との削減等を図つたもの
である。

以下、図示例についてその構成を説明する。

第１図，第２図は、実施の１例を示しており窓
枠の化粧ストリツプ１，２は、ウインドガラスＧ
の内側周縁に固着されており、通常セラミツク塗
装膜あるいはセラミツク焼結膜であり、第２図に
示されるように、ウインドガラスＧが窓枠３へ取
り付けられた状態では、窓枠３のボデイー４にウ
インドガラスＧを接着する接着剤５と、該接着剤
５の流出防止用のダム６とが、外部から視認され
ないように掩蔽するものである。

この実施例の場合、化粧ストリツプ１，２に
は、金属の微粉末が多量に混入、包含され、また
はこれに強誘電体，強磁性体の両者またはその一
方の微粉末が混入，包含されてアンテナエレメン
トとされており、電磁界を集中しうるように構成
されている。

第１図から明らかなように、アンテナエレメン
トを形成する化粧ストリツプ１，２は、ウインド
ガラスＧの上縁部において互いにスリツト７で隔
離されているとともに、側縁部および下縁部の非
アンテナエレメントたる化粧ストリツプ８とも、
スリツト９，１０で隔離されており、各化粧スト
リツプ１，２の長さ、すなわちアンテナエレメン
ト長さは、FMの中心周波数（国内の場合83M
Hz）の約λ／２とされ、半波長ダイポールを形成
している。

窓枠３を構成するモール１１はプラスチツク製
であり、ボデイー４もプラスチツク製であるが、
このボデイー４が金属製の場合は、化粧ストリツ
プ１，２に対し、所定値以上の間隔を存して誘起
された電圧を乱すことのないように配慮し、感度
低下を防止する必要がある。

化粧ストリツプ１，２に誘起された放送波電界
はフイーダ１２，１３によりラジオ１４に供給さ
れ、スピーカー１５から音声として取り出され
る。

この構造のアンテナエレメントたる化粧ストリ
ツプ１，２は、第３図に示される自動車のフロン
トウインド１６、フロントサイドウインド１７、
リヤサイドウインド１８、リヤウインド１９のい
ずれにも設けることができ、サン・ルーフ２０に
設けてもよく、その接地位置には格別の制約が無
い。

またアンテナエレメントたる化粧ストリツプ
１，２から誘起電圧，電流を取り出す起電点は、
窓枠上の任意の位置でよく、図示のごとく上縁部
に限定されるものでは無い。

第４図に示す実施例は、第１図，第２図に示す
アンテナエレメントたる化粧ストリツプを、ウイ
ンドガラスＧの上縁部と両側縁部とに、化粧スト
リツプ２９，３０，３１，３２として配置し、ア
ンテナエレメントとし、起電点を２個所として誘
起された放送波電界をフイーダ３３，３４，３
５，３６で位相補償器３７にフイードし、自動車
の左右のスペースダイバーシチイと指向性との向
上を図つたものである。

第５図に示す実施例はアンテナエレメントたる
化粧ストリツプ３８，３９を、ウインドガラスＧ
の全周に配置したものであり、第６図も同様に単
一のアンテナエレメントたる化粧ストリツプ４０
をウインドガラスＧの全周に配置した実施例を示
しており、共に、特にAMの感度の向上を図つた
ものである。なお、これ等の実施例では、起電点
も最も効率の良い任意の個所に選定される。

第７図に示す実施例はフロントウインドガラス
G₁と、リヤウインドガラスG₂とに、それぞれア
ンテナエレメントたる化粧ストリツプ４１，４
２，４３，４４を設け、スペースダイバーシチイ
部材として使用し、フエージングの改善を図つた
ものである。なお、フロントとリヤのいずれか一
方のアンテナエレメントを従来と同様のホイツプ
アンテナあるいはピラーアンテナに代えても同一
の作用を生ずる。図中符号４５は位相補償器であ
る。

本考案に係る自動車用ラジオアンテナは、以上
説明した構成、作用のものであつて、自動車のボ
デイーがプラスチツク化される傾向に対応し、非
接地型アンテナとしてのアンテナ取付上の制約を
すべて解消しうる効果を奏する。

また、アンテナエレメントの複数個所への設置
や、複数の起電位置の設定が容易となり、FMラ
ジオのフエージング雑音の消去、指向性の改善を
図りうる効果を奏する。

またアンテナエレメントが窓枠の化粧ストリツ
プそのものとなるので、視界を妨げることが無い
と共に、アンテナエレメントがウインドガラスの
裏面側に位置するので、走行時のアンテナの損
傷，故障が少なく、風切音を発生しないのみでな
く、外観を良好ならしめうるし、化粧ストリツプ
の取付工程のみで、アンテナの配設も完了するの
で、部品点数，工程数の節減が図れる等の効果を
も奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は実施の１例を適用したウインドガラス
の裏面図、第２図は第１図に示すウインドガラス
を窓枠に取り付けた状態における第１図中−
線相当位置の拡大断面図、第３図は本考案の適用
される自動車の略示斜面図、第４図は異なる実施
例を適用したウインドガラスの裏面図、第５図お
よび第６図もそれぞれ異なる実施例を適用したウ
インドガラスの裏面図、第７図は更に異なる実施
例を適用したフロントおよびリヤのウインドガラ
スの裏面図である。 １，２…化粧ストリツプ、３…窓枠。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ウインドガラスの内周縁に細幅に塗着形成さ
   れ、接着剤の付着を良好にすると共に、ウインド
   ガラスと窓枠との接着部分を外部から視認されな
   いように掩蔽する窓枠の化粧ストリツプが、金属
   の微粉末を多量に混入、包含させられているアン
   テナエレメントとされている自動車用ラジオアン
   テナ。