JPH1093317A - サイドガラスアンテナ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ＡＭ帯の受信感度が良好で、ＦＭ帯の指向性
を改善した自動車用サイドガラスアンテナを提供する。 【解決手段】 アンテナ素子２はサイドガラス７の窓枠
エッジ８に沿ってほぼ１周にわたり配置され、アンテナ
素子２の給電端子４はサイドガラス７の１つのコーナに
近接配置され、５ｍｍ以上の間隔で５本以上の水平素子
３が配置されたサイドガラスアンテナ１０。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、自動車のリヤクウ
ォータ窓等に付設される自動車用サイドガラスアンテナ
に係り、特に、ＦＭ帯の指向性を改善した自動車用サイ
ドガラスアンテナに関する。

【０００２】

【従来の技術】自動車のリヤクウォータ窓に付設される
自動車用サイドガラスアンテナは、例えば、特公平３−
６３８４４号公報等にて開示されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】自動車の一方の片側
（例えば左側）のサイドガラスに対して従来のアンテナ
パターンでサイドガラスアンテナを設けると、前記一方
の片側（左側）の方向に対しては良好な指向性が得られ
るが、他方の片側（右側）の方向に対しては良好な指向
性が得られず、図７に示す指向特性図のように、前記他
方の片側の方向から到来した電波の受信感度が劣ること
がある、という課題がある。

【０００４】本発明は、上記した従来技術の課題を解決
するためになされたものであって、その目的は、自動車
の片側にサイドガラスアンテナを設ける場合に、左右両
方向（水平方向）に対して良好な指向性を得ることにあ
る。また、サイドガラスアンテナを設けたサイドガラス
の見通しを良好にし、或いはサイドガラスの視界を広げ
ることにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】請求項１に係るサイドガ
ラスアンテナは、アンテナ素子はサイドガラスの窓枠エ
ッジに沿ってほぼ１周にわたり配置され、アンテナ素子
の給電端子はサイドガラスの１つのコーナに近接配置さ
れ、５ｍｍ以上の間隔で５本以上の水平素子が配置され
ていることを特徴とする。

【０００６】アンテナ素子をサイドガラスの窓枠エッジ
に沿ってほぼ１周にわたり配置することで、サイドガラ
スのデザイン上の見栄えを良くすることができると共
に、このサイドガラスの視界を広げることができる。５
ｍｍ以上の間隔で５本以上の水平素子を配置すること
で、指向性を改善して特定方向に対するディップをなく
すことができる。また、ＡＭ帯の受信感度をピラーアン
テナと同等またはそれ以上にすることができると共に、
受信周波数の広帯域化を図ることができる。

【０００７】請求項２に係るサイドガラスアンテナは、
アンテナ素子はサイドガラスの窓枠エッジに沿ってほぼ
１周にわたり配置され、アンテナ素子の給電端子はサイ
ドガラスの１つのコーナに近接配置され、５ｍｍ以上の
間隔で５本以上の水平素子が等間隔に配置され、前記水
平素子がアンテナ素子の内側にほぼ均一に分布している
ことを特徴とする。

【０００８】アンテナ素子をサイドガラスの窓枠エッジ
に沿ってほぼ１周にわたり配置することで、サイドガラ
スのデザイン上の見栄えを良くすることができると共
に、このサイドガラスの視界を広げることができる。５
ｍｍ以上の間隔で５本以上の水平素子を配置すること
で、指向性を改善して特定方向に対するディップをなく
すことができる。また、ＡＭ帯の受信感度をピラーアン
テナと同等またはそれ以上にすることができると共に、
受信周波数の広帯域化を図ることができる。前記水平素
子をアンテナ素子の内側にほぼ均一に分布させること
で、水平素子に透明電極を使用しない場合でも、水平素
子の間隔を広げてサイドガラスの見通しを良くすること
ができる。

【０００９】請求項３では、請求項１〜２記載のサイド
ガラスアンテナにおいて、水平素子を透明電極で構成し
たことを特徴とする。

【００１０】水平素子を透明電極で構成することで、少
なくともアンテナ素子の内側を透明にでき、サイドガラ
スのデザイン上の見栄えを良くすることができると共
に、このサイドガラスの視界を広げることができる。

【００１１】請求項４では、請求項１〜３記載のサイド
ガラスアンテナにおいて、アンテナ素子と窓枠エッジと
の間隔が５〜５０ｍｍであることを特徴とする。

【００１２】窓枠エッジとアンテナ素子との間隔が狭す
ぎると、この間に形成される静電容量等により微弱なＡ
Ｍ／ＦＭ受信信号が窓枠エッジから車体アースに漏洩し
て受信感度が低下する。窓枠エッジとアンテナ素子との
間隔が広すぎると、アンテナ素子自体が小さくなりＡＭ
帯の受信感度が低下する。そこで、アンテナ素子と窓枠
エッジとの間隔を５ｍｍ以上としてＡＭ／ＦＭ受信信号
にあまり影響を与えない間隔とし、５０ｍｍ以下として
ＡＭ帯の受信感度の低下を防止して、ＡＭ／ＦＭ帯で良
好な受信感度とする。

【００１３】

【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に示す実施形
態に基づいて説明する。

【００１４】図１のサイドガラスアンテナ１０では、ア
ンテナ素子２はサイドガラス７の鉄板の窓枠エッジ８に
沿ってほぼ１周にわたり配置され、アンテナ素子２の給
電端子４はサイドガラス７の１つのコーナに近接配置さ
れている。

【００１５】アンテナ素子２を窓枠エッジ８に沿ってル
ープ状に配置することで、サイドガラス７のデザイン上
の見栄えを良くすることができると共に、サイドガラス
７の視界を広げることができる。

【００１６】また、サイドガラスアンテナ１０では、５
ｍｍ以上の間隔で５本以上（図１では８本）の水平素子
３が等間隔で配置されている。また、水平素子３とアン
テナ素子２との間隔も５ｍｍ以上である。水平素子３を
等間隔で配置して、水平素子３をアンテナ素子２の内側
にほぼ均一に分布させることで、水平素子３に透明電極
を使用しない場合でも、水平素子３の間隔を広げてサイ
ドガラスの見通しを良くすることができる。

【００１７】図２は、図１のサイドガラスアンテナ１０
を左側のサイドガラスに備えた自動車について、ＦＭ帯
の８０ＭＨｚにおける指向性を示す指向特性図である。
水平素子３が５本以上の場合には、これと同様の指向特
性図が得られた。

【００１８】図７は、図６のサイドガラスアンテナ５０
を左側のサイドガラスに備えた自動車について、ＦＭ帯
の８０ＭＨｚにおける指向性を示す指向特性図である。
図６のサイドガラスアンテナ５０では、アンテナ素子２
はサイドガラス７の窓枠エッジ８に沿ってほぼ１周にわ
たり配置され、アンテナ素子２の給電端子４はサイドガ
ラス７の１つのコーナに近接配置され、補助アンテナ素
子９がアンテナ素子２の上辺と右辺とに沿って配置され
ている。

【００１９】図７の指向特性図では、サイドガラスアン
テナが設置されていない右方向にディップがある。図２
の指向特性図では、サイドガラスアンテナが設置されて
いない右方向にディップがない。すなわち、サイドガラ
スアンテナに複数の水平素子を設けることで、サイドガ
ラスアンテナが設置されていない方向のディップをなく
することができる。

【００２０】図３は、図１のサイドガラスアンテナにつ
いて水平素子３の本数とＡＭ帯の受信感度の比較図であ
る。ピラーアンテナの受信感度を基準にしており、水平
素子３の本数はアンテナ素子２以外の本数であり、水平
素子３を等間隔に配置したものである。水平素子３を５
本以上とすることで、ＡＭ帯の受信感度をピラーアンテ
ナと同等またはそれ以上にすることができる。

【００２１】図１のサイドガラスアンテナ１０では、ア
ンテナ素子２と窓枠エッジ８との間隔は５〜５０ｍｍと
している。

【００２２】窓枠エッジとアンテナ素子との間隔が狭す
ぎると、この間に形成される静電容量等により微弱なＡ
Ｍ／ＦＭ受信信号が窓枠エッジから車体アースに漏洩し
て受信感度が低下する。窓枠エッジとアンテナ素子との
間隔が広すぎると、アンテナ素子自体が小さくなりＡＭ
帯の受信感度が低下する。そこで、アンテナ素子と窓枠
エッジとの間隔を５〜５０ｍｍとして受信信号にあまり
影響を及ぼさない間隔とし、ＡＭ／ＦＭ帯で良好な受信
感度とする。なお、この間隔を２５〜５０ｍｍとしても
よい。

【００２３】図４は、本発明に係るサイドガラスアンテ
ナの一例の構成図である。このサイドガラスアンテナ１
１は、アンテナ素子２と水平素子３を、図中の上から
１，２，８番目の水平素子３では図中の左側で接続し、
３〜７番目の水平素子３では図中の右側で接続したもの
である。この場合も、図２と同様の指向特性図が得られ
た。

【００２４】図５は、本発明に係るサイドガラスアンテ
ナの一例の構成図である。このサイドガラスアンテナ１
２では、水平素子３の本数を１０本にし、アンテナ素子
２に沿ってその内側にループ状のアンテナ素子５を設
け、給電端子４からアンテナ素子６を延ばしたものであ
る。この場合も、図２と同様の指向特性図が得られた。

【００２５】なお、水平素子３は、透明電極で構成して
もよい。図４，図５において、アンテナ素子２と水平素
子３とを、水平素子３の両端で接続してもよい。また、
上記実施形態は本発明の一例であり、本発明は上記実施
形態に限定されない。

【００２６】

【発明の効果】請求項１に係るサイドガラスアンテナに
よれば、アンテナ素子をサイドガラスの窓枠エッジに沿
ってほぼ１周にわたり配置することで、サイドガラスの
デザイン上の見栄えを良くすることができると共に、こ
のサイドガラスの視界を広げることができる。５ｍｍ以
上の間隔で５本以上の水平素子を配置することで、指向
性を改善して特定方向に対するディップをなくすことが
できる。また、ＡＭ帯の受信感度をピラーアンテナと同
等またはそれ以上にすることができると共に、受信周波
数の広帯域化を図ることができる。５ｍｍ以上の間隔と
することで、従来のパターン精度で水平素子のアンテナ
パターンを形成できる。

【００２７】請求項２に係るサイドガラスアンテナによ
れば、アンテナ素子をサイドガラスの窓枠エッジに沿っ
てほぼ１周にわたり配置することで、サイドガラスのデ
ザイン上の見栄えを良くすることができると共に、この
サイドガラスの視界を広げることができる。５ｍｍ以上
の間隔で５本以上の水平素子を配置することで、指向性
を改善して特定方向に対するディップをなくすことがで
きる。また、ＡＭ帯の受信感度をピラーアンテナと同等
またはそれ以上にすることができると共に、受信周波数
の広帯域化を図ることができる。５ｍｍ以上の間隔とす
ることで、従来のパターン精度で水平素子のアンテナパ
ターンを形成できる。前記水平素子をアンテナ素子の内
側にほぼ均一に分布させることで、水平素子に透明電極
を使用しない場合でも、水平素子の間隔を広げてサイド
ガラスの見通しを良くすることができる。

【００２８】請求項３に係るサイドガラスアンテナによ
れば、水平素子を透明電極で構成することで、少なくと
もアンテナ素子の内側を透明にでき、サイドガラスのデ
ザイン上の見栄えを良くすることができると共に、この
サイドガラスの視界を広げることができる。

【００２９】請求項４に係るサイドガラスアンテナによ
れば、アンテナ素子と窓枠エッジとの間隔を５〜５０ｍ
ｍとすることで、ＡＭ／ＦＭ帯で良好な受信感度を得る
ことができる。

【００３０】以上から、本発明によれば、ＦＭ帯の指向
性を改善し、ＡＭ帯の受信感度をピラーアンテナと同等
またはそれ以上にした自動車用サイドガラスアンテナを
提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るサイドガラスアンテナの構成図

【図２】自動車に図１のサイドガラスアンテナを設けた
場合の指向特性図

【図３】水平素子の本数とＡＭ帯の受信感度の対応図

【図４】本発明に係るサイドガラスアンテナの構成図

【図５】本発明に係るサイドガラスアンテナの構成図

【図６】従来のサイドガラスアンテナの構成図

【図７】自動車に図６のサイドガラスアンテナを設けた
場合の指向特性図

【符号の説明】

２，５，６…アンテナ素子、３…水平素子、４…給電端
子、７…サイドガラス、８…窓枠エッジ（ボデーフラン
ジ）、９…補助アンテナ素子、１０〜１２，５０…サイ
ドガラスアンテナ。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 菱田 彰 愛知県豊田市トヨタ町１番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 アンテナ素子はサイドガラスの窓枠エッ
   ジに沿ってほぼ１周にわたり配置され、 アンテナ素子の給電端子はサイドガラスの１つのコーナ
   に近接配置され、 ５ｍｍ以上の間隔で５本以上の水平素子が配置されたサ
   イドガラスアンテナ。
2. 【請求項２】 アンテナ素子はサイドガラスの窓枠エッ
   ジに沿ってほぼ１周にわたり配置され、 アンテナ素子の給電端子はサイドガラスの１つのコーナ
   に近接配置され、 ５ｍｍ以上の間隔で５本以上の水平素子が等間隔に配置
   され、前記水平素子がアンテナ素子の内側にほぼ均一に
   分布したサイドガラスアンテナ。
3. 【請求項３】 前記水平素子を透明電極で構成した請求
   項１〜２記載のサイドガラスアンテナ。
4. 【請求項４】 前記アンテナ素子と前記窓枠エッジとの
   間隔は５〜５０ｍｍである請求項１〜３記載のサイドガ
   ラスアンテナ。