JPS639718Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ビル屋上、ベランダ等に取付けられ
る格子付等の手摺の上下部における水平屈折部の
出隅、入隅による角度が種々異なるため、当該隅
部を任意の角度で接続可能なようにするジヨイン
ト金具に関するものである。

従来、この種の手摺上下における笠木の水平屈
折部の接続は、笠木の水平屈折部の下面間を、予
め打抜加工等により折曲形に形成した板片を用い
て現場で組合せるようにしていたため、板片の水
平屈折角度に合つた笠木の端部間接続しか行え
ず、従つて種々の水平屈折角度をもつ多数の板片
を用意する必要があり、作業能率が悪く、仕上げ
の点でも不都合が多いという欠点があつた。

また、前述した欠点を解消するために、実公昭
52−55238号公報に示されているように、蝶番の
両辺を平面溝状の取付金具に設けた両側板に挿通
して支持し、取付金具の溝底板を手摺の水平屈折
部の入隅側面の固着すると共に、取付金具に蝶番
の両辺を固着することで、手摺の水平屈折角度の
調整ができるようにしたジヨイント装置が知られ
ている。

しかし、このジヨイント装置は部品数が多く構
造が複雑であるだけではなく、取付金具が手摺の
入隅側面に固定されるなど、手摺の厚さ内にジヨ
イント装置を収容できないため、外観がよくない
上に、水平屈折部の対向端面間の隙間やジヨイン
ト装置をカバーで覆うことが困難であるという問
題があつた。

本考案は、前述した問題を解決し、手摺の笠木
等の水平屈折部の厚さ内に収容できて外観がよ
く、また手摺の支柱で容易に覆うことができ、更
に普通の蝶番と同じ部品数で構成が簡単であつて
安価なものでありながら、水平屈折部の屈折角度
の調整が容易にできるジヨイント金具を提供する
ことを目的としている。

この目的を達成するために、本考案の手摺の屈
折部におけるジヨイント金具は、中央に取付孔
５，５を有しかつ手摺水平片４の幅と略同じ見込
み幅にした１対の水平取付片６，６の対向端一側
部に、水平取付片６，６の見込み幅の略半分の幅
にした支柱１５内挿入用垂下片７，７を垂設し、
水平取付片６，６の対向端部他側に対向端に向つ
て水平取付片６，６の幅が狭くなるように切欠部
１３，１３を形成し、前記垂下片７，７の切欠部
１３，１３側縁部から対向方向に、垂直な枢軸１
４で枢着される枢着片８，８を突設したものであ
る。

以下、実施例図に基づき本考案を詳述する。第
１図において、１は笠木、２は笠木１と下レール
１２との間に垂設された竪格子である。笠木１は
第４図に示すように、断面略逆Ｕ字形に形成する
と共に、その両側片３，３間下部に手摺水平片４
を設け、かつ両側片３，３の下端が内方向に少許
彎曲するように垂設形成する。第２図において、
６は中央に取付孔５を有し、かつ手摺水平片４の
幅と略同じ見込み幅に形成し、さらに一隅に切欠
部１３を設けた水平取付片であつて、水平取付片
６，６の対向端部一側下方には、水平取付片６の
幅の略半分の幅にした支柱内挿入用垂下片７を垂
設する。８は垂下片７，７の切欠部１３，１３側
縁部から対向方向に突設した枢着片であり、枢着
片８，８は垂直な枢軸１４で枢着させてある。
尚、切欠部１３，１３は、水平取付片６，６の幅
が垂下片７，７の幅と同じ対向端に向つて狭くな
るように形成されている。９は以上のようにして
構成されたステンレス製のジヨイント金具であ
る。１０は前記手摺水平片４とジヨイント金具９
の水平取付片６，６とを蝶締するためのビス、１
１は笠木１，１間の当着端部外周に接着剤等を用
いて装着した逆Ｕ字形のカバーバンドである。第
５図乃至第７図は、本考案によるジヨイント金具
の他の実施例であつて、それぞれ垂下片７の上下
方向の寸法が短いもの、中程度のもの及び長いも
のを示している。尚、前記枢着片８，８の突設位
置は垂下片７の他方の端部から突設することも可
能である。１５は屈折コーナー部の支柱である。

本実施例は前記の構成であつて、ジヨイント金
具９の水平取付片６，６を笠木１，１の手摺水平
片４，４下面にビス固定する際に、予め枢着片
８，８の中心が第３図に示すように笠木１，１間
の継目の笠木幅方向の中央すなわち主柱１５内の
中央にくるようにしておいてから、笠木１，１間
の端面を当着させるようにすれば、出隅、入隅に
よる角度が、屋上或はベランダにより任意に変化
していても、その笠木１，１間の角度の微調整を
容易に行うことができるのである。従つて、この
微調整の容易化及び適確化から水平屈折部の接続
を迅速かつ強固に行うことができるようになつた
のである。又、その取付位置も、第３図に示すよ
うに上向く字形の屈折接続に限らず、下向く字形
の屈折接続も可能である。

しかも、水平取付片６，６の水平片４，４下面
への固定部は、笠木１，１の両側片３，３により
隠されており、又、枢着片８，８間の枢着部は笠
木１，１間の水平屈折部下に垂設された状態とな
つているから、外観上も見栄えが良いのである。

更に、本実施例に係るジヨイント金具を支柱１
５と組合せて使用することで、ジヨイント金具９
は支柱内部に隠されるため、見栄えが非常によ
い。

以上説明したように、本考案によれば、水平取
付片６，６の見込み幅を手摺水平片４の幅と略同
じ幅にし、水平取付片６，６の対向端一側部に、
これら幅の略半分の幅にした支柱１５内挿入用垂
下片７，７を垂設し、垂下片７，７の切欠部１
３，１３側縁部から枢着片８，８を対向方向に突
設し、枢着片８，８を垂直な枢軸１４で枢着する
ようにしたので、手摺の笠木１，１等に屈折部の
屈折角度の調整が容易にできるものを、普通の蝶
番と同様な部品数の簡単な構造で安価に提供でき
る。

また、本考案によれば、枢着片、枢軸が笠木
１，１等の幅方向中心すなわち前記支柱１５内中
心部に位置し、枢着片、枢軸および水平取付片を
支柱内にも収容でき、その他の部分も手摺の厚さ
内に収容できるので手摺の構成部材や笠木等の継
目を覆うカバーバンド１１で容易に覆うことがで
きて外観がよく、更に水平取付片６，６の対向端
部他側に対向端に向つてこれらの幅が狭くなるよ
うに切欠部１３，１３を形成したことで、屈折角
度の調整時に水平取付片６，６の入隅側端部が当
接するまでの回転角度が大きくなり、笠木１，１
等の角度調整範囲を大きくできるという効果が得
られる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る手摺の屈折部におけるジヨ
イント金具の実施例を示したものであつて、第１
図は手摺の斜視図、第２図はジヨイント金具の分
解斜視図、第３図は水平屈折部のジヨイント金具
取付状態を示す平面図、第４図は固定部の縦断正
面図、第５図、第６図及び第７図は、それぞれジ
ヨイント金具の他の実施例による斜視図である。 １……笠木、２……竪格子、３……両側片、４
……手摺水平片、５……取付孔、６……水平取付
片、７……垂下片、８……枢着片、９……ジヨイ
ント金具、１０……ビス、１１……カバーバン
ド、１２……下レール、１３……切欠部、１４…
…枢軸、１５……支柱。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 中央に取付孔５，５を有しかつ手摺水平片４の
   幅と略同じ見込み幅にした１対の水平取付片６，
   ６の対向端一側部に、水平取付片６，６の見込み
   幅の略半分の幅にした支柱１５内挿入用垂下片
   ７，７を垂設し、水平取付片６，６の対向端部他
   側に対向端に向つて水平取付片６，６の幅が狭く
   なるように切欠部１３，１３を形成し、前記垂下
   片７，７の切欠部１３，１３側縁部から対向方向
   に、垂直な枢軸１４で枢着される枢着片８，８を
   突設したことを特徴とする手摺の屈折部における
   ジヨイント金具。