JPS638767Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は精紡機におけるリングレール昇降装置
に関する。

一般にリングレールを昇降せしめ、ボビン上に
所要のコツプを形成せしめる手段としては、例え
ば特公昭51−2971号に示す如く、一端を軸支し、
かつハートカムにより揺動されるリフテイングレ
バーに駆動軸を回動自在に設け、該駆動軸には、
その先端にセーパーホイールを取付けると共に、
リングレール昇降用索条を巻付ける巻取ドラムを
連繋し、リフテイングレバーの揺動毎にセーパー
ホイールは適所に設けられた爪に係合して回動さ
れ、これにより巻取ドラムを回動し索条を順次巻
取ると共に該ドラムの揺動によりリングレールを
昇降せしめる構造が採られている。

しかしこの構造によるときは、リフテイングレ
バーは大型大重量となり、取付調整時に労力を要
すると共に支点軸部に大きい荷重が加わり、構造
的に無理が生ずる欠点があつた。

本考案はかかる点に鑑みてなされたもので、上
記巻取ドラム及び該ドラムの回動手段を、ハート
カムにより揺動されるリフテイングレバーとは別
個の固定されたハウジングに取付けることにより
重量大なるハウジングを揺動させないため構造的
に無理がなくしかもリングレールの急速降下等の
自動化に好適ならしめることを目的とする。

以下、本考案を図面に示す実施例に基づいて詳
細に説明する。

図において、リングレール昇降装置１は、リン
グレール（図示省略）昇降用のチエン又はベル
ト、ロープ等の索条２を巻取る固定の巻取機構３
と、これに並設されハートカム４により揺動され
るリフテイングレバー５とに分離形成せしめる。

巻取機構３は、精紡機適所、例えばスピンドル
レール６に取付けられる固定ハウジング１０に駆
動軸１１が回動自在に取付けられており、該駆動
軸先端にはセーパーホイール１２が止着され、他
端は遊星歯車の減速機１３を介して駆動モータＭ
に連結され、中央適所にはウオーム１６が止着さ
れている。また固定ハウジング１０には上記駆動
軸１１と直交して従動軸１７が回動自在に設けら
れ、該従動軸１７にはリングレール昇降用索条２
を巻取る巻取ドラム１８と、上記ウオーム１６に
噛合するウオーム歯車１９とを備え、ウオーム１
６とウオーム歯車１９とにより歯車機構１５が形
成される。

リフテイングレバー５は、一端が固定軸２０に
回動自在に支承されており、適所にハートカム４
に当接されるカムローラ２１を備え、これにより
ハートカム４の回動に伴ないリフテイングレバー
５は周知の如く揺動される。このリフテイングレ
バー５には、更に前記索条２に係合し且つ前記巻
取ドラム１８と対応位置する牽引用ホイール２２
を備え、先端の押圧部２３は前記セーパーホイー
ル１２を回動する爪送り機構２５に対設される。

該爪送り機構２５は、駆動軸１１に中央部が揺
動自在に支承される揺動アーム２６と、該アーム
先端に回動自在に取付けられ、かつセーパーホイ
ール１２に対向する係合爪２７と、該係合爪２７
をセーパーホイール１２から外すための爪外し部
材２８とを備え、セーパーホイール１２には必要
により逆転防止のためのストツパー爪３０が対設
されている。

揺動アーム２６の他端には、前記リフテイング
レバー５の押圧部２３に対設される受部材３１が
取付けられる。この受部材３１は略逆Ｌ字状と
し、揺動アーム２６に取付けられる調節ボルト３
２により上下方向に調節され、締付ボルト３３に
より揺動アーム２６に止着され、取付位置の調節
により一定振幅のリフテイングレバー５の揺動に
対し揺動アーム２６の回動角度、即ち係合爪２７
によるセーパーホイール１２に対する回動角度を
任意に調節する。

爪外し部材２８は、ソレノイド３５と該ソレノ
イド３５と前記係合爪２７とを連結する連結バー
３６とよりなり、連結バー３６は係合爪２７に対
し、該２７のセーパーホイール１２との係合部と
は反対側に接続され、ソレノイド３５の牽引によ
り、係合爪２７は揺動アーム２６との軸支点３７
を中心として回動され、セーパーホイール１２と
の係合が外される。

３８はストツパ爪３０に対設される爪外しレバ
ーであり、連結バー３６に取付けられ、かつスト
ツパ爪３０に設けられる押上ピン３９に対設さ
れ、ソレノイド３５の牽引時該爪３０を押し上げ
るようテーパ面４０が形成されている。

図中、４５は駆動軸１１の先端に形成される角
軸で、手動ハンドル（図示省略）を挿入するよう
にしたものであり、４６はセーパーホイール１２
及び爪送り機構２５を覆うカバー部、また４７は
巻取ドラム１８の回動角度を規制するリミツトス
イツチを収納するスイツチボツクスである。

上記構成において、コツプ成形のためのビルデ
ング運動に際しては、ハートカム４の回動により
リフテイングレバー５は揺動され、牽引用ホイー
ル２２の上下運動により索条２を牽引または弛緩
せしめ、これによりリングレール（図示省略）は
昇降される。

同時にリフテイングレバー５の揺動は押圧部２
３において揺動アーム２６の受部材３１を押圧
し、これに伴ない係合爪２７を前後移行せしめ、
セーパーホイール１２を順次回転せしめる。該セ
ーパーホイール１２の回動は、駆動軸１１を介し
て巻取ドラム１８を回動し、索条２を巻取り、リ
ングレールを順次上昇せしめる。

満管時においては、爪外し部材３８のソレノイ
ド３５を作動せしめることにより係合爪２７及び
ストツパ爪３０はセーパーホイール１２から外さ
れ、同時に駆動モータＭにより巻取ドラム１８は
巻戻され、リングレールは所定の降下速度で且つ
リミツトスイツチで検知される所定位置まで降下
する。

巻始め時のパンチ巻きに際しては、爪外し機構
２５により停止爪２７及びストツパ爪３０をセー
パーホイール１２から外し、駆動モータＭの所定
回数の正逆回転により所定速度で行われる。尚、
上記巻始め及び自動玉揚機による管糸交換の再上
昇に際しリングレールを所定位置まで上昇させる
ためには、駆動モータＭによつて行わしめてもよ
く、あるいは操作ハンドルを角軸４５に装着し、
手動により駆動軸１１を回動させてもよい。この
場合並びに前記揺動アーム２６による駆動軸１１
の回動を容易ならしめるため、駆動軸１１と減速
機１３との間に適宜のクラツチを介入せしめるよ
うにしてもよい。

以上の如く本考案によるときは、索条巻取ドラ
ムと該ドラムの回動手段即ちセーパーホイール及
び該ホイールに対する爪送り機構等は、リフテイ
ングレバーとは区分された固定ハウジングに取付
けるようにしたから、構造上の制限はなく、且つ
重量大なるハウジングを揺動させないため無理が
なく従つてリングレールの昇降、満管時の急速降
下、巻始め時のバンチ巻等を自動的に行わしめる
ための減速モータ等の取付け及び保守にきわめて
効果的であり、かつリフテイングレバーは構造簡
単で作動を確実にすることができる等の利点を有
する。

【図面の簡単な説明】

第１図は全体平面図、第２図は巻取機構の一部
切欠した正面図、第３図はリフテイングレバーの
正面図、第４図は爪送り機構の正面図、第５図は
第４図におけるＸ−Ｘ線に沿う爪送り機構の平面
図、第６図は第４図におけるＹ−Ｙ線に沿う縦断
面図、第７図は受部材の左側面図、第８図は爪送
り機構の要部の斜視図、第９図はストツパ爪の爪
外し要領説明図である。 １……リングレール昇降装置、２……索条、３
……巻取機構、４……ハートカム、５……リフテ
イングレバー、１０……固定ハウジング、１１…
…駆動軸、１２……セーパーホイール、１５……
歯車機構、１８……巻取ドラム、２２……牽引用
ホイール、２５……爪送り機構。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 先端にセーパーホイールを有する駆動軸を回動
   自在に支承し機台適所に固定されるハウジング
   と、これに並設されハートカムにより揺動される
   リフテイングレバーとに分離形成し、前記駆動軸
   は歯車機構を介してリングレール昇降用索条の巻
   取ドラムに連繋され、リフテイングレバーの先端
   はセーパーホイールの爪送り機構に対設されると
   共に上記昇降用索条に係合される牽引用ホイール
   を備え、該リフテイングレバーの揺動により上記
   索条に対し牽引と弛緩とを反復行わしめ、かつセ
   ーパーホイールを順次回動せしめることを特徴と
   する精紡機におけるリングレール昇降装置。