JPS6365032B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 発明の分野 本発明はリボンカートリツジに関し、特にその
中で回転できるよう装着された供給スプールのハ
ブと、その供給スプールから引出されて、一旦カ
ートリツジの外に出、そしてまたカートリツジの
中へ戻つてきたリボンを受取るためカートリツジ
中に装着された巻取スプールのハブとを具備する
リボンカートリツジに関する。このカートリツジ
は、リボン案内用の、枢支され且つ一体構造の腕
部を含む。

背景技術の説明 タイプライタ用のリボンカートリツジは、その
脱着を行い易く、手を汚さずに済むので便利であ
る。通常のカートリツジは、制御下でほどかれる
よう装着される転写媒体の供給スプールハブと、
使用済みのリボンを巻上げるよう装着されたハブ
とを具備する。

カートリツジと一体の、枢支されたリボンガイ
ド即ちリボン案内部材であつて、そこに既に工場
などでリボンを通し終えているというようなカー
トリツジは従来から知られている。例えば特公昭
44−2198号はその１例である。この場合、使用時
にリボンを処理する必要は全くない。このこと
は、リボンが非常に薄くて位置付けにくいという
ように、リボンを処理しにくいような場合、特に
有益である。

本発明のカートリツジは、カートリツジの筐体
中にバネを具備していて、これがリボン案内部材
の中央の上部を押し、該案内部材を下向きに偏倚
する点で従来技術と異なる。タイプライタは、１
回１回の印刷動作時にリボン案内部材の腕部を上
に押して印字を行なう。このカートリツジはまた
その中央上部に別の機能をもたせている点即ち、
カートリツジの処理時に手動でリボンを上昇させ
るよう把持し易くなつている点でも従来技法と異
なる。

発明の概要 本発明によれば、カートリツジの一部としてリ
ボン案内部材としての腕部が装着される。カート
リツジの中心部の上の方にはバネを内蔵する筐体
があり、このバネがリボン案内部材の中央上方部
を押してリボン案内部材を下向きに偏倚する。こ
のタイプライタは、１回１回の印刷動作時にリボ
ン案内部材の腕部を上向きに押す。この案内部材
の中央上方部はカートリツジの処理中に手動でリ
ボンを上昇させるよう把持できるという別の機能
も有する。

これはカートリツジの上壁に一体に成形された
筐体中に弾性部材、例えばコイルバネを１個設け
ることによつて達成される。これは、設計上の諸
要求に応え且つ諸機能を同等に達成するため、２
個又はそれ以上のバネを設けているものに比べて
も安価な構成を提供する。

実施例の説明 第１図に示すように、供給スプール３（第２
図、尚、本明細書では「スプール」を捲回された
リボンの意味で使用する）から供給されるタイプ
ライタ用のリボン１又はその同等物がワイヤ７の
垂下り脚部５を通されるリボンカートリツジで本
発明が実施される。この好適な実施例のカートリ
ツジは、横方向に互いに離隔されているが、一体
構造の１対のリボン案内用の腕部９を具備してい
る。この腕部９は、カートリツジに枢着され、カ
ートリツジの上面中央部のバネ筐体１３中のバネ
１１によつて下向きに偏倚されている。

カートリツジは上壁１５、側壁１７及び底壁１
９（第２図）を具備する。リボン１は、ワイヤの
脚部５の辺りで側壁１７に形成された出口孔２１
を通つてカートリツジから外へ出る。リボン１
は、側壁１７に、出口孔２１と反対側に設けられ
た入口孔２３を通つて再びカートリツジの中へ入
る。

第２図のリボン１は、巻取スプール２５の方へ
指し向けられ、巻取ハブ２７に巻かれる。今日良
く知られているように、タイプライタ側の駆動ス
プロケツトがカートリツジの底壁１９の弓形の溝
２９に入り、巻取スプール２５の周面と接触して
リボンを巻きつける。巻取ハブ２７は、滑らかな
面を有する軸３１をスプール２５の上部に有し、
この面に第２のワイヤ３２の端部が置かれる。

ワイヤ３２は軸３１との接触点からワイヤ装着
用の柱状部３３（第３図）までどこにも接触せず
に延びている。装着用柱状部３３は、カートリツ
ジの上壁１５と一体である。ワイヤ７は、ワイヤ
３２の一部ではなく、供給スプールのハブ３７の
張出部３５の廻りにしつかりと巻きつけられてい
る。ワイヤ７は、リボン１がカートリツジから出
るときリボン１が引掛けられる垂下り脚部５を形
成するよう所定の位置までほぼ直角に変形され
る。脚部５の鉤状端部３９は、リボン１が脚部５
の下方に滑り落ちないようにする。

第３図は、スプールやハブがカートリツジ中に
ないときのワイヤ３２の位置を示すことによつて
カートリツジ中でのワイヤ３２がどのように装着
されているかを示すものである。柱状部３３は、
その３面に溝４１を有し、それらにワイヤ３２の
ほぼ矩形の部分４３（第２図）の各対応する辺が
挿入されるようになつている。柱状部３３上の溝
４１は、供給ハブ３７及び巻取ハブ２７の中心同
志を結ぶ線に平行な面である側面を３つ有する輪
郭を形成する。換言するならば、第１図の面は腕
部９相互間のリボン１の径間に平行である。

ワイヤ３２は、矩形部４３とハブ２７まで延び
る直線部４９との接合部４５のところで曲げられ
ている。従つて、第２図の場合、ワイヤ３２は接
合部４５のところで（上部からみて）反時計廻り
方向に40度曲げられており、これによつてワイヤ
３２の直線部４９を第３図の弛緩位置に位置づけ
ている。完成したカートリツジ中での直線部４９
の位置は第２図に示す。直線部４９は、巻取ハブ
２７が存在する筈の位置を横切つて引張られる。
ハブ２７が挿入され、そして直線部４９が釈放さ
れる。40度の曲げは、直線部４９の端部を巻取ハ
ブ２７の軸３１に向かつてしつかりと偏倚させる
ところの復帰力即ち戻す力を与える。

上述の形状のワイヤ７は、カートリツジ中の供
給スプール用として市販され、知られている張力
付与装置とほぼ同じものである。従つてそれにつ
いては詳細に説明しない。ワイヤ７の一端はカー
トリツジに固着されている。その端部を担持して
いる垂下り脚部５は、リボン１が給送されるにつ
れてリボン１によつて引張られる。これによりハ
ブ３７の廻りに通常はしつかりと把持している筈
のワイヤ７が弛緩し、ハブ３７が回転して供給ス
プール３からリボンが給送できるようになる。

ワイヤ３２のほぼ矩形の部分即ち矩形部４３
は、柱状部３３上で把持する為の偏倚力を生じる
ため実際には幾分曲げられている。この曲げは、
矩形部４３のうち接合部４５の次の角部４３の接
合部５３のところに与えられている。この曲げは
内向きである。従つて矩形部４３の弛緩時には矩
形部４３の中央の脚部５５の長さが、接合部４５
と矩形部４３の端部４７との２点間の距離よりも
約１／３倍分位大きくなつている。尚、上述の寸
法が単なる設計上の事項に過ぎないことは明らか
であろう。接合部４５について開示された角度が
増すと、カートリツジが組立てられた後の直線部
４９の曲げはもつと大きくなる必要があり、従つ
て大きな偏倚力が生じる。矩形部４３の内側の曲
げの度合は、その部分が柱状部３３をその撓みに
よつて把持するときの偏倚力を制御する。その把
持の際の偏倚力がワイヤ３２を所定の場所に維持
しておくための摩擦を生じる。第３図にもつとも
分り易く示すように、適度な剛性を有するプラス
チツク・デイスク５７がカートリツジには含まれ
る。その中央の孔は供給スプールのハブ３７を収
容している。上壁１５は、供給スプール３とワイ
ヤ７との間の面内にデイスクを保持する一連の畝
部即ちリブ５８を有する。デイスク５７は、ほぐ
れようとするリボンの圧力の下でリボンの側面を
支え、リボンがコーン状にならないよう保持す
る。デイスク５７は、またワイヤ７が不所望の動
きをしないようそれを拘束する働らきも有する。

また、ワイヤ３２の直線部４９の端部は、ハブ
２７へ鋭角的に突込むような接触を行なうよう45
度に切られている。

如上の通り、ワイヤ７及び３２と、それらをハ
ブ２７及び３７やリボン１との関連を以つて装着
する態様を説明したが、リボン案内部材の腕部９
との関連がない限り、本発明とはあまり関係な
い。本発明は、弾性部材、好適にはバネ１１を１
個内蔵する中央筐体１３、並びにリボン案内用の
腕部９と一体構造の中央部分６０に特徴を有する
が、以下にその詳細を説明する。

リボン案内用の腕部９は、その具体的な構成と
して、リボン１を摺動できるように保持するため
の１対の互いに離隔したヨーク６１を含む。腕部
９は、カートリツジの前方、中央部付近にピン６
２で枢支される。ピン６２は、筐体１３及びバネ
１１の下方の隔たつた位置にある。ピン６２は側
壁１７と一体であり、腕部９中の孔６４と係合す
る。

１対あるうちの夫々の腕部９は、孔６４から上
方に延びる部分６６と、更にそれにつながる水平
の中央部分６０とを含む。後者は筐体１３に隣接
した位置にあつて、バネ１１と接触し、それによ
つてバネ偏倚される。孔６４から外方に延びてい
るのは、カートリツジの曲面部をほぼ取囲むよう
な形状の曲面部７０である。曲面部７０は、外向
きの棚部７４を有する直線部７２につながる。棚
７４は、バネ１１がリボン案内用の腕部９をピン
６２の廻りに前方に回動するとき、それを棚部７
６上に落着かせるよう作用する。棚部７６は底壁
１９の張出部によつて形成される。

直線部７２はヨーク６１及び広い巾の底部８０
につながる。底部８０は真直ぐな上向きの傾斜を
もつリボン案内面８２を有する。本実施例では、
これらの構造が全てリボン案内用の腕部９と一体
であり、単一の部材として成形されている。

筐体１３は、外へ張出した張出部８４を上部に
有しており、バネ１１が押されるとき張出部８４
の下で中央部６０が動けるようになつている。通
常のタイプ動作中は、タイプライタ側の構造体８
６（第１図）が案内面８２を実際の印刷時に押
す。またカートリツジの取扱い中に、オペレータ
が指でそのカートリツジの中央部６０を把持し、
これによつて腕部９を上向きに回動させ、ヨーク
６１中のリボン１を上昇させても良い。棚８４の
下に押込められた中央部分６０の位置を、第１図
及び第３図に示す。カートリツジが装着されると
きやタイプライタが印刷動作の合い間にあるとき
などはバネ１１が伸びている状態にあるが、この
ときの位置を第４図では実線で示す。このとき腕
部９はもつとも下方の位置にある。このとき腕部
９の棚部７４はカートリツジの棚部７６に接して
いる。

最終的に完成されたカートリツジは、第２図及
び第３図に示した内部の主要な各構成部品ととも
に第１図に示したような外観を有する。このカー
トリツジは、これに適合するタイプライタ上に位
置づけられる。このときカートリツジの中央部６
０を指で把んで内向きに押すのが望ましい。普通
の従来例と同様、このカートリツジもタイプライ
タの対応する部材と嵌合して印刷位置に据え付け
られる。タイプライタ側の駆動用スプロケツト
は、カートリツジの底部の弓形の溝２９のところ
から入り、巻取スプール２５の外面に保持され
る。駆動スプロケツト及び溝２９の相互作用は、
米国特許第3731781号などで知られている。タイ
プライタ側の部材８６が案内面８２と接触し、そ
れを上方に回動させる。すると腕部９が回動し、
そのときリボン１が実際の印刷動作に合わせて上
昇される。

ワイヤ３２の直線部４９は、巻取られたリボン
が逆回転しようとするのを防ぐ働らきがある。ハ
ブ２７がリボンをほどく方向に回転するとき、そ
の回転方向は、直線部４９の端部に向かう方向と
なる。直線部４９は、ハブ２７の中心に向かつて
力を加えられるので、ハブ２７とかみ合うことに
なる。直線部４９の端部のところが45度になつて
いて尖つているので、これはそのかみ合いを、よ
り強固にする働らきがある。これは直線部４９の
長さ方向に沿う力を与えるから、曲げに対する強
い抵抗力を与える。ハブ２７を制動するための強
い反作用の力が生じる。好適な実施例では、ハブ
２７が固い合成樹脂でできているので、ワイヤ３
２の突込むような作用を受けて僅かに凹む。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の実施例のカートリツジを示
すためそれを手前上部からみたときの斜視図であ
る。第２図は、第１図のカートリツジ内の主要な
部材と、リボンとをカートリツジの底壁とともに
示すため後方からみたときの斜視図である。第３
図は、リボン案内用の腕部をカートリツジに装着
する態様を示すため底壁とリボンスプールとを外
した状態の底面図である。第４図は、第１図の線
４−４に沿う側断面図である。 １……リボン、３……供給スプール、９……リ
ボン案内用腕部、１１……バネ（弾性部材）、１
３……筐体、１５……上壁、１７……側壁、１９
……底壁、２１……出口孔、２３……入口孔、２
７……リボン巻取り用のハブ、３７……リボン供
給用のハブ、６０……中央部、６１……ヨーク、
６２……ピン、６４……孔、６６……直立部、７
０……曲面部、７２……直線部、８６……（タイ
プライタ側のリボン上昇用の）部材。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ リボン案内部材を具備するリボン・カートリ
   ツジに於いて、 リボンを巻きつけるための第１ハブ及び第２ハ
   ブと、 上記第１ハブに巻かれるリボンを収容するため
   の空間及び上記第２ハブに巻かれるリボンを収容
   するための空間を囲撓する壁部であつて、上記両
   ハブの一方から上記リボン案内部材を経て上記両
   ハブの他方へ上記リボンを通すための出入口を含
   む上記壁部と、 弾性部材を上記カートリツジの外側中央部に保
   持する筐体と、 上記弾性部材の力が加えられる中央部、該中央
   部から分岐して延びる２つの部分及び該２つの部
   分の夫々の先端に設けられたリボン案内部を有
   し、上記弾性部材からの力が加えられる箇所から
   離れた箇所で上記壁部に枢着されているリボン案
   内部材とを有する上記リボン・カートリツジ。