JPH0339263Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はタイプライタ等に使用されるリボンカ
セツトに関するものである。

〔従来技術〕

従来、この種のリボンカセツトはカセツトケー
ス内に印字リボンが巻回された供給スプールと巻
取りスプールとを収納し、印字動作とともに駆動
ローラにより巻取りスプールを回転駆動して供給
スプールの印字リボンを所定量ずつ巻取り、その
巻取り径の増大に伴つて、ケース内に設けられた
ガイド部の案内によつて巻取りスプールがケース
内底面を摺動移動されるように構成されていた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

従来のリボンカセツトにおいて、印字リボンを
巻取るにつれて巻取り径が大きくなり、巻取りス
プールがケース内底面を摺動移動される。従つ
て、巻取りスプール内底面との間の摩擦抵抗が大
きくなり、巻取りスプールの移動が円滑に行なわ
れない欠点があつた。

〔考案の目的〕

本考案は前記の従来技術の問題点を解消するた
めになされたものであり、巻取り径が大きくなつ
ても、巻取りスプールの移動が円滑になされるリ
ボンカセツトを提供することを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案のリボンカセツトは前記の問題点を解決
するために、巻取りスプールに巻取られた印字リ
ボンをカセツト面より離間させると共に、巻取り
スプールの傾きを防止する支持部材を、ガイド部
に沿つてハ字状に拡がるように形成している。

〔作用〕

前記構成により、巻取りスプールは、ハ字状の
支持部材によつてケース底面から離間されるため
摩擦抵抗が小さくなり、また、印字動作とともに
駆動される駆動ローラにより回転駆動されて印字
リボンを巻取り、そして、ガイド部の案内により
巻取り径の増大に伴つて支持部材上を傾くことな
く円滑に移動する。

〔実施例〕

以下、本考案を具体化した一実施例を図面を参
照して説明する。

第１，２図において、ケース１０の左右上部に
は２本の腕１０ａが設けられており、同図右側の
腕１０ａの上端には印字リボン１２の送出口１３
が、左側の腕１０ａの上端には印字リボン１２の
送入口１４がそれぞれ形成されている。

ケース１０内部の右方には、供給スプール１６
が未使用の印字リボン１２を巻回して配置され、
その中心軸にはテンシヨンばね１７の湾曲部１７
ａが軸支されている。このテンシヨンばね１７の
一端１７ｂはケース１０に取付けられ、他端１７
ｃは印字リボン１２に係合して印字リボン１２を
第１，２図の時計方向（矢印Ａ方向）に付勢して
いる。供給スプール１６の上方には鍔１８ａ付の
リボンガイドが突設され、印字リボン１２を送出
口１３へ案内している。

また、ケース１０内部の左方には、リボンガイ
ド２０が取付けられ、印字リボン１２を送入口１
４から巻取りスプール２１まで案内する。その巻
取りスプール２１はリボンガイド２０の下方に配
置され、その中心には係合ピン２２が立設されて
いる。その巻取りスプールは、周面中間部に多数
の歯状突起２３が設けられ、且つモータ（図示し
ない）の駆動軸２４に固着された駆動ローラ２５
により回転駆動される。このとき巻取りスプール
２１はトーシヨンばね２６により第１，２図にお
いて常時反時計方向（矢印Ｂ方向）つまり駆動ロ
ーラ２５に圧接するように付勢されている。この
トーシヨンばね２６は一端２６ａがケース１０に
立設された係止ピン２７に係止されるとともに巻
き部２６ｂが支持ピン２８に軸支され、他端２６
ｃは係合ピン２２に係合している。

ケース１０の上蓋１１内面には、円弧状の案内
溝３０が設けられ、第３図に示すように巻取りス
プール２１の係合ピン２２の上端がこの案内溝３
０と係合して、巻取りスプール２１は案内溝３０
に沿つて移動する。またケース１０内部の底面１
０ｂには、案内溝３０を挟むように案内溝３０に
沿つてハ字形リブ３１が形成され、巻取りスプー
ル２１をケース１０から離間させている。

また、送出口１３及び送入口１４付近のケース
１０の先端部分には、第５図に示すように、係合
片１０ｃが形成され、断面コ字状になつている。
上蓋１１には前記係合片１０ｃと噛み合うように
切欠部１１ａが形成される。従つて、従来のよう
に印字リボン１２がケース１０と上蓋１１との間
の隙間に入り込んで印字リボンの巻取りができな
くなることが起らない。

更に、第６図に示すように、ケース１０の係合
片１０ｃの係合部に、係合面が段状になるるよう
に突片３３を形成し、上蓋１１の切欠１１ａの係
合部に、突片３３と噛み合う凹部３４を形成すれ
ば、第７図に示すように、より一層印字リボン１
２のケース１０と上蓋１１との隙間への入り込み
を防ぐことができる。

以上記述したように構成された本実施例の動作
について説明する。

第１図において印字動作にともない駆動ローラ
２５が回転駆動されると、その歯状突起２３によ
り巻取りスプール２１がハ字状リブ３１上で回転
される。これにより供給スプール１６に巻回され
た印字リボン１２はテンシヨンばね１７に付勢を
受けながらリボンガイド１８に案内され、印字リ
ボン１２の送出口１３から送入口１４を経て、リ
ボンガイド２０に案内されて巻取りスプール２１
に巻取られる。

また、印字動作を続けていくと第２図のように
供給スプール１６のリボン径は減少していき、一
方、巻取りスプール２１の巻取り径が増大してい
く。このとき、巻取りスプール２１はその巻取り
径の増大とともにその係合ピン２２が上蓋１１の
案内溝３０に沿つて案内され、ハ字形リブ３１上
を第１，２図の右方向に移動されていく。

この場合には、巻取り径が増大してもケース１
０の底面１０ｂと巻取りスプール２１とは離間さ
れているため、摩擦抵抗が小さく、従つて巻取り
負荷が大きくならない。そして、ハ字形リブ３１
がハ字状に拡がつているので、巻取りスプール２
１がトーシヨンばね２６の付勢力を受けても傾く
ことがなく、容易に印字リボン１２を巻取ること
ができる。

〔考案の効果〕

本考案は前記した構成により、巻取りスプール
とケースとを離間させることにより、印字リボン
の巻取り動作において巻取り負荷を小さくするこ
とができ、また、巻取り径が増大しても巻取り負
荷はほとんど変わらない。

さらに、リブがハ字状に設けられているので、
巻取りスプールがトーシヨンばねの付勢力を受け
て傾くこともない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を具体化した実施例の上蓋を取
り外した状態を示す平面図、第２図は第１図にお
いて巻取りスプールの駆動状態を示す平面図、第
３図は第２図における３−３線に従う断面図、第
４図は第２図における４−４線に従う断面図、第
５図は第１図における右腕先端部分の拡大斜視
図、第６図は第５図の同部分を改良した拡大斜視
図、第７図は第６図における７−７線に従う断面
図である。 図中、１０はケース、１１は上蓋、１２は印字
リボン、１６は供給スプール、２１は巻取りスプ
ール、２２は係合ピン（ピン）、２３は歯状突起、
２５は駆動ローラ、２６はトーシヨンばね、３０
は案内溝（ガイド部）、３１はハ字形リブ（支持
部材）である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ケース１０内に収納され印字リボン１２が巻回
   された供給スプール１６と、 中心にピン２２が
   立設され前記供給スプール１６から供給された印
   字リボン１２を巻取るための巻取りスプール２１
   と、 周面に多数の歯状突起２３が形成され前記巻取
   りスプール２１を駆動するための駆動ローラ２５
   と、 一端が前記巻取りスプール２１のピン２２に係
   合されるとともに他端がケース１０に係止され、
   巻取りスプール２１を前記駆動ローラ２５に圧接
   する方向に付勢するトーシヨンばね２６と、 前記ピン２２と係合し且つ前記巻取りスプール
   ２１の印字リボン１２の巻取り径の増大に伴つ
   て、その巻取りスプール２１の移動を案内するガ
   イド部３０と を備えたリボンカセツトにおいて、 前記巻取りスプール２１に巻取られた前記印字
   リボン１２をカセツト面より離間させると共に巻
   取りスプール２１の傾きを防止する支持部材３１
   を、前記ガイド部３０に沿つてハ字状に拡がるよ
   うに形成したことを特徴とするリボンカセツト。