JPH033597B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 発明の分野 本発明は、リボンカートリツジに関する。特に
カートリツジ中で回転できるよう装着された供給
スプールと、該供給スプールから出て再びカート
リツジへ戻るリボンを受取るようカートリツジ中
に装着された巻取スプールのハブとを具備するリ
ボンカートリツジに関する。リボンの動きを制御
するためにこのカートリツジの内部には可撓性の
部材が設けられる。

背景技術の説明 タイプライタ用のリボンカートリツジは、その
脱着を行ない易く手を汚さずに済むので便利であ
る。通常のカートリツジは、制御下でほどかれる
よう装着される転写媒体の供給スプールと、使用
済みのスプールを巻上げるよう装着されたハブと
を具備する。

カートリツジをタイプライタから取出したとき
に巻取スプールからリボンがほどけると、リボン
がからまつてしまう。リボンがほどけ得るような
カートリツジを挿入すると、そのリボンをオペレ
ータが手で締め直すことや印刷位置を経て使用済
みのリボンが巻取られるよう確保することなどが
必要となる。米国特許第3356202号に示すように、
カートリツジ内部の板バネなどで巻取スプールと
高摩擦接触を行なうカートリツジ構成の場合、摩
擦による逆回転止め（back check）が自然に与
えられ、特別の機構は必ずしも必要でない。他の
カートリツジ構成でもリボンの寸法や他の物理的
な関係からリボンがほどけることはそれ程重要な
問題になつていない。

IBMテクニカル・デイスクロージヤ・ブレチ
ンの第18巻第４号（1975年９月号）の第1093頁に
「リボン抗力ワイヤ（Ribbon Drag Wire）」と題
するE.J.Lenny氏の論文があるが、そこに開示さ
れるカートリツジは、カートリツジ中の供給スプ
ールのハブのまわりに摩擦制動器として巻かれた
ワイヤを使用している。そのワイヤの一端はカー
トリツジに止められ、その他端に形成された下向
きの端部にリボンが引掛けられる。リボンが給送
されるにつれて、その端部のところでリボンがワ
イヤを引張り、ハブのまわりに巻かれた部分を開
く。この結果、供給スプールが動けるようにな
る。本発明によれば、リボンカートリツジに装着
された内部のワイヤはその一端が巻取スプールの
ハブと接触するようになつている。その端部は、
リボンが巻取り方向と反対向きに移動するときハ
ブとかみ合い（engage）、又リボン巻取り方向に
移動する時ハブに対し自由に摺動するよう位置決
めされている。これが供給スプールの任意の角位
置でリボンがほどけないよう物理的な抵抗を与え
る。

米国特許第81729号や同第131402号には、同様
な一方向係合を行なう装置の制動機構が開示され
ている。又米国特許第3409113号には、枠の装着
された巻取スプールに対して作用する制動面とし
て、偏心した面を有する制動部材、特にバネ偏倚
され、中心のところで枢支され、しかも可撓性で
ない制動部材が開示されている。カートリツジで
リボンがほどけるのを妨ぐため可撓性部材の端部
を用いるという技法はまだ知られていない。

従つて、本発明では、１本のワイヤ部材がハブ
と接触するよう位置付けられているだけなので安
価な構造であり、これによつてハブが取り得る任
意の位置でハブからリボンがほどけないよう作用
する。摩擦による保持とは異なるが、積極的な保
持を与える典型的な代替例は、リボン給送機構に
おいてつめ、ラチエツト等をカートリツジの内部
又は外部に装着したものを含むが、これはもつと
複雑で高価であり、しかもその動作位置を無段階
で変えられるようにすることなどはできない。

発明の概要 本発明の実施例の装置によれば、リボンカート
リツジ中に可撓性の端部が位置付けられ、その端
部が巻取りハブとしつかりと接触している。この
可撓性部材はリボン給送中その部材の本体側から
その端部の方向に向かつて回転するハブの側面に
位置付けられていてリボンが自由に摺動できる。
リボン給送方向と反対向きにハブが回転しようと
すると、ワイヤの端部がハブの動きを阻止してハ
ブの中に突刺さり、これによつてリボンがほどけ
る方向にはハブが回転しないようにする。

かくしてリボンカートリツジに内蔵され、巻取
スプールがどの回転角度にあつてもこれの逆回転
を止める機構が、カートリツジ取出時の巻取スプ
ールのほぐれを防ぐための機構として安価に提供
される。ハブに対して偏倚された部材しか動作す
るものがなく、しかもタイプライタにはこれを補
助する機構が全く必要ない。

実施例の説明 第１図に示すように、供給スプール３（第２
図）から供給されるタイプライタ用のリボン１又
はその同等物がワイヤ７の垂下り脚部５を通され
るリボンカートリツジで本発明が実施される。こ
の好適な実施例のカートリツジは、横方向に互い
に離隔されているが、一体構造の一対のリボン案
内用の腕部９を具備している。この腕部９は、カ
ートリツジに枢着され、カートリツジの上面中央
部のバネ筐体１３中のバネ１１によつて下向きに
偏倚されている。タイプライタ側の構造体１４
が、腕部９の底部と接触しており、リボン１が実
際の印刷動作のため上昇される際に腕部９を上向
きに回動させるよう該構造体１４が上向きに回動
する。

カートリツジは上壁１５、側壁１７及び底壁１
９（第２図）を具備する。リボン１は、ワイヤの
脚部５の辺りで側壁１７に形成された出口孔２１
を通つてカートリツジから外へ出る。リボン１は
側壁１７に、出口孔２１と反対側に設けられた入
口孔２３を通つて再びカートリツジの中へ入る。

第２図のリボン１は、巻取りスプール２５の方
へ指し向けられ、巻取ハブ２７に巻かれる。今日
良く知られているように、タイプライタ側の駆動
スプロケツトがカートリツジの底壁１９の弓型の
溝２９に入り、巻取スプール２５の周面と接触し
てリボンを巻きつける。巻取ハブ２７は、滑らか
な面を有する軸３１をスプール２５の上部に有
し、この面にもう一本のワイヤ３２の端部が置か
れる。

ワイヤ３２は軸３１との接触点からワイヤ装着
用の柱状部３３（第３図）までどこにも接触せず
に延びている。ワイヤ装着用の柱状部３３は、カ
ートリツジの上壁１５と一体である。ワイヤ７
は、ワイヤ３２の一部ではなく、供給スプールの
ハブ３７の張出部３５のまわりにしつかりと巻き
つけられている。ワイヤ７は、リボン１がカート
リツジから出るときリボン１が引掛けられる垂下
り脚部５を形成するよう所定の位置までほぼ直角
に変形される。脚部５の鉤状端部３９は、リボン
１が脚部５の下方に滑り落ちないようにする。

第３図は、スプールやハブがカートリツジ中に
ないときのワイヤ３２の位置を示すことによつて
カートリツジ中でのワイヤ３２がどのように装着
されているかを示すものである。柱状部３３は、
少なくともその両側の２面、本実施例ではその３
面に溝４１を有し、それらにワイヤ３２のほぼ矩
形の部分４３（第２図）の各対応する辺が挿入さ
れるようになつている。柱状部３３上の溝４１は
供給ハブ３７及び巻取ハブ２７の中心同志を結ぶ
線に平行な面である側面を３つ有する輪郭を形成
する。換言するならば、第１図において溝４１の
面は腕部９相互間のリボン１の径間（スパン）に
平行である。

ワイヤ３２は、矩形部４３とハブ２７まで延び
る直線部４９との接合部４５のところで曲げられ
ている。従つて、第２図の場合、ワイヤ３２は接
合部４５のところで（上部からみて）反時計回り
方向に40度曲げられており、これによつてワイヤ
３２の直線部４９を第３図の弛緩位置に位置付け
ている。完成したカートリツジ中での直線部４９
の位置は第２図に示す。直線部４９は、巻取ハブ
２７が存在するはずの位置を横切つて引張られ
る。ハブ２７が挿入され、そして直線部４９が釈
放される。40度の曲げは、直線部４９の端部を巻
取ハブ２７の軸３１に向かつてしつかりと偏倚さ
せるところの復帰力即ち戻す力を与える。

上述の形状のワイヤ７は、カートリツジ中の供
給スプール用として市販され、知られている張力
付与装置とほぼ同じものである。従つてそれにつ
いては詳細に説明しない。ワイヤ７の一端はカー
トリツジに固着されている。その端部を担持して
いる垂下り脚部５は、リボン１が給送されるにつ
れてリボン１によつて引張られる。これによりハ
ブ３７のまわりに通常はしつかりと把持している
はずのワイヤ７が弛緩し、ハブ３７が回転して供
給スプール３からリボンが給送できるようにな
る。

ワイヤ３２のほぼ矩形の部分即ち矩形部４３
は、柱状部３３上で把持するための偏倚力を生じ
るため実際には幾分曲げられている。この曲げ
は、矩形部４３のうち接合部４５の次の角部４３
の接合部５３のところに与えられている。この曲
げは内向きである。従つて矩形部が弛緩している
ときは矩形部４３の中央の脚部５５の長さが、接
合部４５と矩形部４３の端部４７との２点間の距
離よりも約1/3倍分位大きくなつている。なお、
この寸法は単なる設計上の事項に過ぎないことは
明らかであろう。接合部４５についての上述の角
度が増すと、カートリツジが組立てられた後の直
線部４９の曲げはもつと大きくする必要があり、
従つて大きな偏倚力が生じる。矩形部４３の内側
の曲げの度合は、その部分が柱状部３３をその撓
みによつて把持するときの偏倚力を制御する。そ
の把持の際の偏倚力がワイヤ３２を所定の場所に
維持しておくための摩擦を生じる。第３図にもつ
とも分り易く示すように、適度な剛性を有するプ
ラスチツク・デイスク５７がカートリツジには含
まれる。その中央の孔は供給スプールのハブ３７
を収容している。上壁１５は、供給スプール３と
ワイヤ７との間の面内にデイスクを保持する一連
の畝部即ちリブ５８を有する。デイスク５７は、
ほぐれようとするリボンの圧力の下でリボンの側
面を支え、軸に巻いたリボンが望遠鏡の伸縮胴の
ように軸方向にせり出さないよう保持する。デイ
スク５７は、またワイヤ７が不所望の動きをしな
いようそれを拘束する働きも有する。

また、ワイヤ３２の直線部４９の端部は、ハブ
２７へ鋭角的に突刺さるような接触を行なうよう
45度に切られている。

如上の通り、上記実施例はほぼ矩形４３を利用
して、ワイヤ３２を装着することのほか、ワイヤ
７の形状や、ワイヤ７が供給スプール３及び供給
スプール・ハブ３７とどのように相互作用してい
るか、またワイヤ７とリボン１とがどのように相
互作用しているかなどを開示した。就中、直線部
４９並びに巻取ハブ２７とがどのように相互作用
しているかが本発明では重要である。

最終的に完成されたカートリツジは、第２図及
び第３図に示した内部の主要な各構成部品ととも
に第１図に示したような外観を有する。このカー
トリツジは、これに適合するタイプライタ上に位
置付けられる。普通の従来例と同様、このカート
リツジもタイプライタの対応する部材と嵌合して
印刷位置に据え付けられる。タイプライタ側の駆
動用スプロケツトは、カートリツジの底部の弓形
の溝２９のところから入り、巻取スプール２５の
外面に保持される。駆動スプロケツト及び溝２９
の相互作用は米国特許第3731781号などで知られ
ている。

このリボンがほどけるのを止める機構の動作は
第４ａ図及び第４ｂ図に沿つて説明する。直線部
４９を横切る矢印はそれを戻すようにバネが与え
る偏倚力の方向を示す。第４ａ図は、リボンを巻
取るよう通常の方向に回転する巻取ハブ２７を示
す。直線部４９の本体部分は、ハブ２７の回転運
動がその本体部分からその端部に向かう方向にな
るよう、ひいてはハブ２７との摺動的な接触が生
じるように位置付けられる。従つてハブ２７の回
転運動は実質上妨げられない。

第４ｂ図は本発明に固有の回転止め動作を示
す。ハブ２７がリボンのほどける方向に回転する
とすれば、その回転方向は直線部４９の端部に向
かう方向になる。直線部４９がハブ２７の中心に
向かつてしつかりと押しつけられているので、こ
れはハブ２７とかむことになる。直線部４９の端
部に45度の角度が与えられているので、この角度
は上述のハブ２７とのかみ合い係合をより一層促
進する尖つた部分を与える。これは直線部４９の
長さ方向に沿う力を与えるので、曲げに対して強
い抵抗を与える。ハブ２７を制動するよう働く強
い反力が生じる。好適な実施例では、ハブ２７が
固い合成樹脂で出来ており、ワイヤ３２の先端が
突刺さるような作用に従うようになつている。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の実施例のカートリツジを示
すためそれを手前上部からみたときの斜視図であ
る。第２図は、第１図のカートリツジ内の主要な
部材とリボンとを示すため後方からみたときの斜
視図である。第３図は、バネ・ワイヤの装着態様
とそのバネが緩められたときの位置とを示すため
底壁の一部とスプールとを外したカートリツジの
底面図である。第４ａ図及び第４ｂ図は、制動動
作を説明するための図である。 １……リボン、３……供給スプール、２７……
巻取スプール・ハブ、３２……ワイヤ、３３……
ワイヤ装着用柱状部、４３……矩形部、４９……
ワイヤ部分。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ リボンが巻かれている供給ハブ及び該供給ハ
   ブから外部に送出されて戻されたリボンを巻取る
   巻取ハブを有するリボンカートリツジにおいて、 尖鋭な一端を有する係止用の可撓性部材の他端
   を上記カートリツジに固定し、 上記巻取ハブの少くとも上記可撓性部材の一端
   が当接する部分の円周面を、上記可撓性部材より
   も相対的に軟質で且つ滑らかな表面とし、 上記可撓性部材の尖鋭な一端は上記巻取ハブの
   円周面に対し、上記リボン巻取方向の回転時には
   上記円周面上で滑り、上記巻取ハブのリボン巻取
   方向とは反対の方向に回転しようとすると上記相
   対的に軟質の滑らかな円周面に鋭角的に突刺さる
   ように位置決めされた構成を特徴とする、無段階
   の逆転阻止機能を有するリボンカートリツジ。