JPS6364550B2 - - Google Patents

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JPS6364550B2
JPS6364550B2 JP59191371A JP19137184A JPS6364550B2 JP S6364550 B2 JPS6364550 B2 JP S6364550B2 JP 59191371 A JP59191371 A JP 59191371A JP 19137184 A JP19137184 A JP 19137184A JP S6364550 B2 JPS6364550 B2 JP S6364550B2
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JP
Japan
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raw silk
silk
sericin
collagen protein
protein derivatives
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JP59191371A
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JPS6170074A (ja
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  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)
  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はセシリンを付着している生糸に対し独
自の加工を施すことにより得られる伸縮性内蔵の
形状記憶生糸及びその製造方法に関する。
〔従来の技術〕
従来、絹は合成繊維と異なり、単なる撚糸加工
して熱処理を行だけでは、永久的捲縮性は付与さ
れないことは周知である。絹に捲縮性を与えるた
めに、疎水性を有する樹脂加工を施し、熱に対し
てその撚糸状態を固定させるようにしたものは、
既に公知(特公昭37―16853)であるが、これは
絹の表面を樹脂で被覆するため絹本来の品質を完
全に生かすことができないとともに、設備の大型
化及び製造工程の複雑化を余儀なくされる欠点が
ある。
次に、生糸を精練する段階に於いて、芒硝
(Na2SO410H20)を基剤とした精練方法による捲
縮絹糸の製造方法(特公昭47―14043)があるが、
この方法は、石鹸と芒硝を併用して生糸の精練を
行い、その生糸を被覆しているセリシンの10%を
残留させ、その残留したセリシンの効果により捲
縮性を付与させるが、芒硝に精練抑止する効果が
あるところから精練斑が起り易く、又生糸のセリ
シンは蚕の飼育時間(春蚕、夏蚕、秋蚕、晩蚕)
及び蚕の品種により、アルカリ(石鹸、ソーダ
類)や精練薬剤等による溶解度が異なるので、一
定量のセリシンを残留させる精練は、一品種なら
ばともかく実際には捲縮性にバラツキが多く、均
一化された製品を生み出すことは困難である。
又、一定量のセリシンを生糸に残留させるた
め、生糸に練絹の光沢、風合、感触を充分発揮さ
せる事ができない欠点、残留セリシンがムラにつ
くことにより捲縮性のバラツキが必ず起こる欠
点、尚且動物性繊維は高温、高圧に弱いため前記
特公昭47―14043の如く温度148〜153℃、圧力3.9
〜4.5Kg/cm2の処理条件下では、絹の強度並びに
耐久力をかなり損ずる等多くの欠点を有する。
ところで生糸は、ヒブロインとセリシンから出
来ている。このヒブロインは、16種類以上のアミ
ノ酸から構成され、その中で主体をなすアミノ酸
は疎水性のグリシンとアラニンと呼ぶ2種類で、
グリシンが40%以上、アラニンが30%以上で、こ
の両者で全体の4分の3以上を占める。これらの
多種類のアミノ酸がペプチド結合により長くつな
がり、鎖状となつているのだが、グリシンやアラ
ニンは、ある部分では交互に整然と配列している
のに対し、別の部分ではグリシン、アラニンも含
めて総ての種類のアミノ酸が順不同で不規則に並
んでいる。全体の4分の3を占めるグリシンとア
ラニンの配列した部分の並び方は整然としている
ので、これを結晶性部分と呼び、残りの4分の1
は多種類のアミノ酸が不規則複雑に連結し分子の
並び方の乱れている部分で非結晶部分と呼ばれ
る。そしてコラーゲン蛋白誘導体{分子構造
RCONH(R″CHCONHCHR″)nCOOX X=ナ
トリウム、カリウム、アンモニウム、その他の有
機アミン、アルコール R=C12〜C18の飽和、不
飽和脂肪酸}の溶液で生糸を処理することにより
前記非結晶部分のヒブロイン中にこれが吸収さ
れ、加撚、加圧、加熱されることにより非結晶部
分が安定し、加撚の応力を生かし恒久的捲縮性を
付与されることが判明した。
このような観点から発明されたのが、本件発明
者及び特許出願人と同一人に係る特許1218009号
(特公昭58―39934)である。同発明は生糸を精練
しセリシンを完全に除去し、これにコラーゲン蛋
白誘導体を吸着させ、S又はZ方向に2000〜
2800T/M加撚し、水分を飽和状態迄吸湿させ、
温度130〜140℃、圧力3〜3.5気圧の条件下で10
〜20分間セツトし、その後、先の撚方向と反対方
向(Z又はS方向)に解撚し、綛状となし飽和蒸
気にて平均して捲縮性を付与することを特徴とす
るものである。(第3図参照)これによれば絹の
品質、光沢、風合を損なうことなく絹に形態固定
性を与え、伸縮性を付与できるものである。
しかしながら、セリシンを付着してなる耐久性
に富む生糸に対して捲縮加工を施すことができれ
ば、この伸縮生糸はセリシンに覆われているため
ヒブロインを傷めることなく製織、製編するには
非常に良好であり、且又製織、製編後に精練する
ことにより、非常に弾力に富んだ布地、編地が得
られ洗濯、染色によつても何等変化のない好適な
布地、編地を得ることができるのであるが、セリ
シン膜を通してヒブロインに、コラーゲン蛋白誘
導体、又はヒブロイン蛋白誘導体を混入したコラ
ーゲン蛋白誘導体を如何に吸収させるが課題であ
り、その解決が待たれた。
尚、未精練の生糸に樹脂加工をして、捲縮生糸
を製造する方法は既に存在するが、これは精練後
も合成樹脂が分子中に残留してしまうことから、
絹本来の風合をそこね、しかも染むらが出やすい
という致命的な欠点を有するとともにその装置等
も複雑で大がかりなものとならざるを得ず、また
強撚するには水撚糸(八丁撚糸)を使うため非常
にコスト高とならざるを得ないという幾多の問題
点を有していた。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明は、セリシンを付着してなる生糸に、独
自の加工を施すことにより、セリシン膜を通して
絹のヒブロインにコラーゲン蛋白誘導体、又はヒ
ブロイン蛋白誘導体を混入したコラーゲン蛋白誘
導体を吸収させ、従来の技術の項で述べた如く優
れた諸特性を有する捲縮性を得ることのできる形
状記憶生糸及びその製造方法を提供することを目
的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
上述した問題点は、セリシンを付着したる生糸
に、コラーゲン蛋白誘導体、又はヒブロイン蛋白
誘導体を含むコラーゲン蛋白誘導体を吸着させた
ことを特徴とする形状記憶生糸、及び精練せずセ
シリンを付着している生糸に、コラーゲン蛋白誘
導体又はヒブロイン蛋白誘導体を含むコラーゲン
蛋白誘導体を吸着させ、S又はZ方向に1000〜
3500T/M加撚し95〜100℃の沸湯の中で15〜30
分間煮沸し、直後に急冷し圧力3〜3.5気圧、130
〜140℃の条件下で10〜15分間蒸気セツトを行い、
次に最初と反対方向に解撚し捲縮性を付与し、綛
糸状、又はコーン巻状の捲縮を内蔵する形状記憶
生糸を得ることを特徴とする形状記憶生糸の製造
方法によつて達成される。
〔実施例〕
次に本発明の一実施例を述べる。
まず、コラーゲン蛋白誘導体もしくは、コラー
ゲン蛋白誘導体とヒブロイン蛋白誘導体との如何
なる割合での混合物であつても構わないが、これ
を生糸の重量の5〜10倍量の水に溶かし、3〜8
%の重量濃度の溶解液を作る。前記溶解液濃度
は、捲縮の程度及び蚕の種類、飼育時期により適
宜選択する。
ヒブロイン蛋白誘導体の分子構造式は次の通り
である。
X=Na、H Y=1/2(SO4) R″、R=C1〜C10の不飽和、飽和の炭化水素 次に生糸21中2本合糸してZ方向に200回/m
撚糸を施し、これを綛揚げして、前記コラーゲン
蛋白誘導体等の20〜30℃の溶解液中に20〜30分間
浸漬し、生糸の重量の30%の溶解液を生糸に含浸
させ、その後脱水し、60℃以下で水分含有率が約
11%になるまで乾燥する。
この乾燥した生糸にS方向に3000回/m撚糸
し、ボビンの侭95〜100℃の熱湯中で15〜30分間
煮沸し、直後に冷水中に漬け冷却し、次に3〜
3.5気圧、130〜140℃の蒸気セツトを10〜15分間
行い、Z方向に解撚すると、第1図に示す如く、
表面をセリシンに覆われた綛糸状、又はコーン巻
状の捲縮性を内蔵する生糸が得られる。
次にこの生糸を精練すれば内蔵の伸縮性が直ち
に表れるものである。
この実施例によれば第2図に示す如く生糸を精
練すると35〜40%の伸縮が得られる。
すなわち、本発明によれば、セリシンが水溶性
蛋白であることに着目し、急な温度変化によりセ
リシン蛋白の表面に亀裂を生じせしめ、その亀裂
を通してコラーゲン蛋白誘導体並びにヒブロイン
蛋白誘導体を絹のヒブロインに吸収させるもので
あり、これにより絹のヒブロイン蛋白の配列が合
成繊維の如く「緻密」になり、熱可塑性が得られ
るものである。そのヒブロインの熱可塑性はセリ
シン膜内に内蔵されているため表面上は生糸の侭
と殆ど変わらない状態の伸縮糸が得られる。
しかしこの糸を湯並びにアルカリ溶液に浸しセ
リシンを除去すれば、内蔵の伸縮性が直ちに表
れ、つまり形状記憶生糸を得ることができるもの
である。
〔効果〕
しかして本発明によれば、伸縮生糸はセリシン
に覆われていることからヒブロインを傷めること
がなく、製織、製編に非常に好適であり、且又製
織、製編後に精練することに依り、非常に弾力に
富んだ布地、編地となり、ちりめん製造等にも容
易に利用することができるとともに洗濯、染色に
よつても何等の変化も生じない安定した布地、編
地が得られるものである。さらには皺に殆どなり
難く、又、加撚する撚数により伸縮内蔵生糸の伸
縮度を自由に10〜40%迄調整する事が可能である
等幾多の有用な諸効果を発揮することができるも
のである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の、表面をセリシンに覆われた
伸縮性を内蔵する形状記憶生糸を顕微鏡で拡大撮
影(13倍)した状態の写真像、第2図は第1図に
示す形状記憶生糸を精練した状態を顕微鏡で拡大
撮影(13倍)した状態の写真像、第3図は従来方
法の、生糸を精練し完全にセリシンを除去したも
のに対しコラーゲン蛋白誘導体を吸着させた状態
の絹糸を12500倍の電子顕微鏡で拡大した状態を
示す写真像である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 セリシンを付着したる生糸に、コラーゲン蛋
    白誘導体、又はヒブロイン蛋白誘導体を含むコラ
    ーゲン蛋白誘導体を吸着させたことを特徴とする
    形状記憶生糸。 2 精練せずセシリンを付着している生糸に、コ
    ラーゲン蛋白誘導体又はヒブロイン蛋白誘導体を
    含むコラーゲン蛋白誘導体を吸着させ、S又はZ
    方向に1000〜3500T/M加撚し95〜100℃の沸湯
    の中で15〜30分間煮沸し、直後に急冷し圧力3〜
    3.5気圧、130〜140℃の条件下で10〜15分間蒸気
    セツトを行い、次に最初と反対方向に解撚し捲縮
    性を付与し、綛糸状、又はコーン巻状の捲縮を内
    蔵する形状記憶生糸を得ることを特徴とする形状
    記憶生糸の製造方法。
JP59191371A 1984-09-12 1984-09-12 形状記憶生糸及びその製造方法 Granted JPS6170074A (ja)

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