JPS6362282B2

JPS6362282B2 -

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Publication number: JPS6362282B2
Application number: JP58247684A
Authority: JP
Priority date: 1983-12-29
Filing date: 1983-12-29
Publication date: 1988-12-01
Also published as: EP0149247A3; JPS60141311A; DE3478903D1; KR850004908A; EP0149247B1; US4614103A; EP0149247A2; KR910005830B1

Description

【発明の詳細な説明】〔発明の利用分野〕本発明は小径の作業ロールを使用した圧延機に
関するものである。

〔発明の背景〕

より薄くかつより硬い材料の良好な圧延、一層
の省エネルギー化の促進、更にはエツジドロツプ
の一層の改善等の観点から、より小径化した作業
ロールを用いた圧延機（特開昭56−66307号）が
提案されるに到つた。しかしこの圧延機は、第１
図に示されるように、被圧延材２を圧延する作業
ロール３が小径であり駆動トルクを伝達しきれな
いという欠点をカバーするため、駆動装置４によ
つて中間ロール６を駆動させ、この中間ロール６
を介して作業ロール３を駆動するようになつてい
る。

中間ロール６は駆動装置４によつて矢印方向に
回転させられるが、中間ロール６とロール面を接
触させて配置されている補強ロール７および作業
ロール３との接触摩擦力によつて中間ロール６に
は被圧延材進行方向に向う水平力F₁が働き、一
方、作業ロール３には中間ロール６および被圧延
材２との接触摩擦力によつて被圧延材進行方向反
対方向に向う水平力F_Wが働く。

この水平力F_Wのため小径である作業ロール３
は被圧延材入側に撓み、これがため圧延材の表面
には数条のハ字形状のマーク（一般には、これを
ヘリボンマークという）が形成され、製品として
の品質を低下させたり、適切な形状に圧延できな
いという問題点があつた。

そこで、小径の作業ロール３の被圧延材入側へ
の撓みを防止するため、作業ロール３のロール面
を被圧延材入側より支持したり、あるいは作業ロ
ール３のロール面を被圧延材出側より支持すると
ともに作業ロール３をロール軸長手方向任意の個
所で積極的に変位させて圧延材の形状制御をしよ
うとする圧延機が提案されている。

しかし、小径の作業ロールの被圧延材方向への
撓みを確実に防止することはできず、より薄くか
つより硬い材料の良好な圧延、省エネルギの改善
等の要請を満足するまでには達していない。

まず、前者の作業ロールを被圧延材入側方向か
ら支持する方式では、特開昭55−30390号公報に
おいて開示されており、第２図および第３図に示
されるように、補強ロール１８はロール軸方向に
分割されており、作業ロール１３は支持ロール１
９を介して分割補強ロール１８によつて被圧延材
入側からロール面を支持されている。補強ロール
１８は、第３図に示されるようにピン１８Ａによ
り補強ロール軸受箱２０にピン接合されたフレー
ム２１に回転可能に連結されており、フレーム２
１はハウジング２２に固定されたブラケツト２４
に設置されたロツド２５、および調整ネジ２６に
より水平方向に位置決めされる。この方式の圧延
機では次のような欠点がある。

補強ロール１８が軸方向に分割されており被
圧延材板幅内に補強ロール１８のロールエツジ
が位置することとなり、補強ロールのエツジマ
ークが支持ロール１９および作業ロール１３を
介して被圧延材へ転写し被圧延材の品質を大幅
に低下させる。

支持ロール１９の作業ロール１３に対する位
置決めがロツド２５および調整ネジ２６により
行われるため、迅速な位置決めができないとと
もに、ロツド２５、調整ネジ２６、フレーム２
１間のガタの存在によつて適格に位置決めする
ことが難しい。さらに、作業ロール１３に撓み
を生ずることなく確実に支持するに至つていな
い。

この圧延機ではロール数が多いため、構造が
複雑で操業および保守上不利は避けられない。

一方、後者の積極的に作業ロールを水平方向に
変位させる方式には、特開昭56−89305号公報に
おいて開示されており、第４図において示される
ように、上下一対の作業ロール３３のロール軸
は、上下から作業ロール３３のロール面を支持す
る中間ロール（図示せず）の軸心に対し、被圧延
材出側にわずかにずらして配置されており、この
作業ロール３３のロール面は被圧延材出側から支
持ロール３９によつて支持され、この支持ロール
３９のロール面は分割補強ロール３８で支持され
ており、分割補強ロール３８の各ロール軸はそれ
ぞれ押し板３５に軸支されてハウジングに設置さ
れたテーパウエツジ３６によつて第４図左右方向
にその位置を変えることができるようになつてい
る。これにより作業ロール３３のロール形状を積
極的に変えることによつて被圧延材の断面形状を
良好なものにしようというものである。

しかし、この特開昭56−89305号に係る圧延機
にも以下の欠点がある。

支持ロール３９の位置決めがテーパウエツジ
３６によるメカストツプのみであり、確実に支
持ロール３９および分割作業ロール３８を支持
もしくは変位させることは困難である。

分割補強ロール３８を用いているため、前記
同様被圧延材にエツジアークが転写し製品とし
ての品質が低下する。

作業ロール３３のロール形状を変化させるた
めに、押し板３５、テーパウエツジ３６を多く
必要とするので構造が複雑であるとともに、テ
ーパウエツジ３６による支持ロール３９の位置
決めが難しい。

〔発明の目的〕

本発明の目的は、簡潔な構造によつて作業ロー
ルの被圧延材入側方向への撓みを確実に防止する
ことのできる圧延機を提供することにある。

〔発明の概要〕

本発明に係る圧延機は、作業ロールを被圧延材
入側から支持する支持ロールのロール軸を梃子式
揺動アームによつて支持し、圧延機ハウジングに
設けられたメカニカルストツプによつて前記揺動
アームを係止させるとともに、揺動アーム駆動装
置によつて前記揺動アーム内に被圧延材進行方向
に作用するプレストレスを発生させたことを特徴
とし、この構成によつて作業ロールは被圧延材入
側方向から支持ロールによつて確実に支持される
こととなつて前記目的が達成されるのである。

〔発明の実施例〕

以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明す
る。第５図、第６図、および第７図は本発明に係
る圧延機の一実施例を示す図である。

これらの図において、被圧延材２を圧延する上
下一対の小径の作業ロール４３がそのロール軸を
ベアリング４４Ａを介しメタルチヨツク４４に取
付けられてハウジング４２内に設けられており、
上作業ロール４３Ａは上方から、下作業ロール４
３Ｂは下方からそれぞれ中間ロール４６を介して
補強ロール４７で支持されている。中間ロール４
６および補強ロール４７は、それぞれ作業ロール
４３Ａ，４３Ｂの上下方向への撓みを防止するた
めのロールで、中間ロール４６、作業ロール４３
のロール軸に上下方向の荷重を与えて上下方向の
ロールベンデイング力を作用させることのできる
ロールベンデイング機構６９Ａ，６９Ｂを備えて
いる。

被圧延材入側（第５図右方）には、作業ロール
４３の入側方向への撓みを防止するための支持ロ
ール４９が設けられ、作業ロール４３のロール面
を被圧延材入側から支持している。支持ロール４
９はベアリング５２と軸受箱５３を介してセパレ
ータ５４Ａで連結されているアーム５４に取り付
けられ、軸受箱５３はアーム５４に対し被圧延材
進行方向前後に移動できるようになつている。

符号４８は、支持ロール４９に当接し支持ロー
ル４９を補強する補強ロールで、そのロール軸は
ベアリング５５を介してアーム５４に取り付けら
れており、被圧延材２にエツジマークが転写され
ないように補強ロール４８、支持ロール４９の面
長は被圧延材２の最大板幅より大きく形成されて
いる。

支持ロール４９および補強ロール４８の取り付
けられたアーム５４には車輪５６が設けられてお
り、ハウジング４２に設けられたガイドレール５
８に沿つて第５図および第６図矢印Ａ方向に摺動
できるようになつている。

また被圧延材入側上方および下方位置に、支持
ロール４９と平行に延びるシヤフト６０がハウジ
ング４２に取り付けられ、垂直アーム５７がこの
シヤフト６０に枢着されてシヤフト６０を枢軸と
して揺動できるようになつている。垂直アーム５
７の下端部と前記アーム５４とはピン６２によつ
て連結され、一方、アーム５７の他端部は、ハウ
ジング４２にブラケツト６３を介して設置された
油圧シリンダ６４のシリンダロツド６４Ａに連結
されており、油圧シリンダ６４が作動することに
よつて垂直アーム５７をシヤフト６０まわりに揺
動させ、これによつて支持ロール４９を矢印Ａ方
向に摺動させるようになつている。

また、ハウジング４２にはテーパーウエツジ６
６が設けられており、垂直アーム５７がこのテー
パーウエツジに当接してその揺動が妨げられるよ
うになつており、これによつて支持ロールの位置
決めができるようになつている。すなわち、テー
パーウエツジ６６内の油圧シリンダ６６Ａを作動
させてテーパーウエツジの楔部６６Ｂを摺動さ
せ、楔部６６Ｂの垂直アーム５７側への突出量を
調節することによつて、垂直アーム５７の先端部
の位置、つまり支持ロール４９の作業ロール４３
との距離を調整できるようになつている。

また、垂直アーム５７を第５図矢印Ｂ方向に回
動するように油圧シリンダ６４を作動させて垂直
アーム５７にプレストレスを付与することができ
る。油圧シリンダ６４による力をＦ、油圧シリン
ダ６４から梃子である垂直アーム５７のアーム支
点（シヤフト６０）までの距離をL₁、アーム支
点（シヤフト６０）からピン６２までの距離を
L₂とすると、プレストレスはテーパーウエツジ
６６に働らく反力Ｒ（＝L₁／L₂F）に等しく、こ
れが垂直アーム５７に貯えられることとなる。こ
の垂直アーム５７に貯えられているプレストレス
の存在により、被圧延材２の圧延時に作業ロール
４３を圧延材入側方向に撓ませようとする力が働
いても、支持ロール４９は垂直アーム５７に内在
する被圧延材進行方向へのプレストレスによつて
支持されるので、作業ロール４３は水平方向に撓
みを生ずることがない。特に、作業ロール４３が
撓み易い加減速時においても作業ロール４３に撓
みを生じさせることなく確実に支持できる。な
お、レバー比L₁／L₂を大きくすることにより、
小さなシリンダ力により大きなプレストレスを垂
直アーム５７に付与させることができる。

次に支持ロール４９の位置決め手順を説明す
る。

まず油圧シリンダ６４に低い圧力を与えて支持
ロール４９を作業ロール４３に軽く押し付け、ア
ーム５４、垂直アーム５７からなる梃子式リンク
機構内のガタを殺す。次に油圧シリンダ６６Ａに
よりテーパーウエツジの楔部６６Ｂを移動させる
ことにより、支持ロール４９を適切な位置に位置
決めする。この支持ロール４９の位置決めが終る
と、油圧シリンダ６４を高い圧力に切換え垂直ア
ーム５７にプレストレスを発生させることにより
支持ロール４９の支持が完了する。

本実施例によれば、作業ロール４３のロール面
を支持ロール４９、補強ロール４８を介して被圧
延材入側より支持するとともに、補強ロール４８
のロール軸を支持する垂直アーム５７内に被圧延
材進行方向へ作用するプレストレスが付与されて
いるので、簡潔な構造にして作業ロール４３の被
圧延材入側への撓みを確実に防止することができ
る。

また、被圧延材２の入側通板部７０には、操業
および保守の両面からある程度のスペースを設け
る必要があるが、本実施例によれば、支持ロール
４９を取付けたアーム５４を被圧延材入側に向つ
て上下方向拡開状態に傾斜させて配設し、支持ロ
ール４９に平行なシヤフト６０を枢軸として揺動
可能な垂直アーム５７にアーム５４を連結したリ
ンク機構を備え、このリンク機構作動用シリンダ
６４をハウジング４２の上方および下方に設置し
ているので、入側通板部７０には広いスペースを
形成することができる。

本実施例では被圧延材２の最大板幅より、作業
ロール４３、支持ロール４９および補強ロール４
８の各面長を大きく形成しているので、圧延材に
エツジマークの転写のおそれがない。

さらにまた、作業ロール４３の硬度をH_W支持
ロール４９の硬度をH_SU、補強ロール４８の硬度
をH_Bとすると、H_W＞H_SU＞H_Bなる硬度差を設
け、特にシヨアー硬度で10〜20H_S前後の硬度差
をそれぞれ設けることにより、ロールのエツジマ
ークの被圧延材２への転写を確実に防止すること
ができる。

本実施例によれば、支持ロール４９はガイドレ
ール５８に沿つて移動できるようになつているの
で、第７図に示されるように、作業ロール４３の
組み替え時に支持ロール４９を作業ロール組み替
えの邪魔にならない位置に迅速に移動させること
ができる。

また前記実施例では、油圧シリンダ６４によつ
て垂直アーム５７を揺動させるように構成してい
るが、油圧シリンダにかえて、ネジあるいは油圧
シリンダとネジの組み合せ、ウオームジヤツキ
等、垂直アーム５７に所定の荷重を付与できるも
のであればその他の手段であつてもよい。

また前記実施例では、支持ロール位置決め装置
としてテーパーウエツジ６６を使用しているが、
このテーパーウエツジ６６にかえて垂直アーム５
７を係止させかつ垂直アームを僅かに回動させる
だけの微調整可能なものであれば他のメカニカル
ストツプ、例えばカムのようなものであつてもよ
い。

第８図、第９図、第１０図はそれぞれ可逆式圧
延機、４段圧延機、５段圧延機に本発明を適用し
た実施例をそれぞれ示すものであり、支持ロール
を支持する機構その他は前記第１実施例と同様で
あるため同一の符号を付すことによりその説明は
省略する。

〔発明の効果〕

以上の説明から明らかなように、本発明によれ
ば、簡潔な構造にして作業ロールの被圧延材入側
への撓みを確実に防止することができる圧延機が
得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の圧延機に生じるロール水平力の
方向を示す図、第２図は従来の圧延機の一部を断
面とした側面図、第３図は第２図に示す線−
に沿う断面図、第４図は従来の別の圧延機の要部
平面図、第５図は本発明に係る圧延機の一部を断
面で示した側面図、第６図は第５図に示す線−
に沿う断面図、第７図は垂直アーム近傍の動き
を示す動作図、第８図は本発明を可逆式圧延機に
適用した実施例を示す図、第９図は本発明を４段
圧延機に適用した実施例を示す図、第１０図は本
発明を５段圧延機に適用した実施例を示す図であ
る。４２……ハウジング、４３……作業ロール、４
６……中間ロール、４８……補強ロール、４９…
…支持ロール、５４……アーム、５７……垂直ア
ーム、６０……枢軸であるシヤフト、６２……ピ
ン、６４……油圧シリンダ、６６……テーパーウ
エツジ。

Claims

【特許請求の範囲】１被圧延材を圧延する上下一対の作業ロール
と、この作業ロールのロール面を被圧延材入側か
ら支持する支持ロールとを備えた圧延機におい
て、前記支持ロールのロール軸は梃子式揺動アー
ムによつて被圧延材入側から支持され、この梃子
式揺動アームは圧延機ハウジングに設けられたメ
カニカルストツプによつて係止されるとともに、
この梃子式揺動アームには揺動アーム駆動装置に
よつて被圧延材進行方向に作用するプレストレス
が付与されていることを特徴とする圧延機。２前記支持ロールのロール面長を被圧延材の最
大板幅より広くしたことを特徴とする特許請求の
範囲第１項記載の圧延機。３作業ロールのロール面硬度を前記支持ロール
のロール面硬度より大きくしたことを特徴とする
特許請求の範囲第１または第２項記載の圧延機。４前記支持ロールはそのロール面を被圧延材入
側から補強ロールによつて支持されており、作業
ロール、支持ロール、補強ロールの各ロール面長
を被圧延材の最大板幅より広くしたことを特徴と
する特許請求の範囲第１項記載の圧延機。５前記作業ロールのロール面硬度を前記支持ロ
ールのロール面硬度より大きくするとともに、支
持ロールのロール面硬度を前記補強ロールのロー
ル面硬度より大きくしたことを特徴とする特許請
求の範囲第４項記載の圧延機。６前記一対の作業ロールはそのロール面を上下
方向が中間ロールに支持されるとともに、作業ロ
ールおよび該中間ロールのロール軸にはロールベ
ンデイング機構によつて垂直方向の荷重が作用す
るように構成されていることを特徴とする特許請
求の範囲第１項ないし第５項のいずれかに記載の
圧延機。