JPS6361487B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明はオイルパンのバツフルプレート取付方
法に関する。

（従来の技術） 一般に、内燃機関においてはシリンダブロツク
の下部にオイルパンを設けてオイルを貯留するよ
うになつている。そして、オイルパンの内部には
バツフルプレートを設け、車両走行中のオイルの
動揺を抑制するようになつている。

第１図、第２図はかかる公知のオイルパンを示
しており、オイルパン１は合成樹脂層を両側から
薄鋼板でサンドウイツチ状に挟んで形成される制
振鋼板からなり、その内部にバツフルプレート３
が取付けられる。

平板状のバツフルプレート３の両端はフランジ
状に折り曲げられて取付部４が形成され、この側
壁２にスポツト溶接５で固着することが一般的で
あつた。

（発明が解決すべき問題点） しかし、これまでバツフルプレート３の両端を
スポツト溶接すると、バツフルプレート溶接部に
初期ひずみがかかることを避けられず、このため
バツフルプレート３へのオイルの衝突や、バツフ
ルプレート３の取付部４にオイルパン側壁２から
伝達されるエンジン振動により、スポツト溶接５
の部分に亀裂がはいりやすいという問題があつ
た。

これに対し、実願昭56−151591（実開昭58−
57518号公報）として第３図に示すオイルパンの
バツフルプレートが提案されている。これはバツ
フルプレート３に湾曲部６を設け、この湾曲部６
でバツフルプレート３にかかる衝撃や振動を吸収
するものである。

しかし、バツフルプレート３の製造過程におい
て、寸法誤差が生じることはやむをえず、例え
ば、第４図に示すように両取付部５間の長さが、
オイルパン１の両側壁部２間の幅より短かく形成
された場合、これをスポツト溶接により固着しよ
うとすると、上記と同様にバツフルプレート３に
はひずみが生じ、スポツト溶接の固着部分に初期
応力が生じる。したがつてエンジン運転中は振動
も加わり、固着部分に亀裂が入りやすく、甚しい
場合にはバツフルプレート３がオイルパン１から
分離してしまう。

本発明はこのような従来の問題を解決すること
を目的としている。

（問題点を解決するための手段） 上記目的を達成するために本発明では、オイル
パンの内側壁にバツフルプレートを取付けるにあ
たり、バツフルプレートを少なくとも２個の部材
に分割したものとして用意し、予め前記内側壁に
それぞれの部材の内壁側の一端を固着し、その後
にそれぞれの部材の互いの前記一端とは反対側に
位置する接合部を重合して連結するようにした。

（作用） 従つて、オイルパンとバツフルプレートとのあ
いだの固着部に応力が残留することはなく、充分
な耐久性が与えられる。

（実施例） 以下、添付図面に基づき本発明の実施例につい
て説明する。

第１の実施例としては、第５図に示すように、
バツフルプレート３を等辺Ｌ字型断面をした２個
のアングル７と平板状のプレート８とに分割して
形成する。まず、アングル７の取付部７Ａをオイ
ルパン１の側壁２Ａ，２Ｂにスポツト溶接５によ
り固着して二つのアングル７をオイルパン１に取
付ける。側壁２Ａ，２Ｂに垂直なアングル７の連
結部７Ｂにプレート８の両端を面接合させ、スポ
ツト溶接９により固着し、１個のバツフルプレー
ト３を形成する。

また、第２の実施例として第６図に示すように
バツフルプレート３を等辺Ｌ字型断面をした１個
のアングル７と、一辺が長いＬ字型断面をしたＬ
字型プレート１０とに分割する。それぞれの取付
部７Ａ，１０Ａをオイルパン側壁２Ａ，２Ｂにス
ポツト溶接５により固着し、最後にアングル連結
部７ＢとＬ字型プレート１０の端部１０Ｂとを面
接合させ、スポツト溶接１１により固着し、１個
のバツフルプレート３を形成する。

上記構成によれば、バツフルプレート３の取付
部７Ａ〜７Ａ間（第５図）、あるいは取付部７Ａ
〜１０Ａ間（第６図）の長さをオイルパン側壁２
Ａ，２Ｂ間に、一致させることが可能であり、溶
接部５に生じる初期応力を最小限におさえること
ができる。

また、第３の実施例としては第７図に示すよう
に、バツフルプレート３を１個のアングル７と、
１個のプレート１２とに分割し、プレート１２は
取付部１２Ａと湾曲部１２Ｂとプレート１２Ｃと
からなり、取付部１２Ａを側壁２Ａにスポツト溶
接５により固着し、アングル７の取付部７Ａをス
ポツト溶接５により側壁２Ｂに固着し、最後にア
ングル７の連結部７Ｂとプレート部１２Ｃの端部
とをスポツト溶接により固着して、１個のバツフ
ルプレート３を形成する。

第８図に示す第４の実施例は上記プレート１２
に液状に複数の湾曲部１２Ｂを設けたものであ
る。

上記構成によれば、オイルパン側壁２Ａ，２Ｂ
の振動は湾曲部１２Ｂで吸収される取付部固着箇
所にかかる応力を一層低減できる。

第９図に示す第５の実施例はバツフルプレート
３を１個のアングル７と１個のＬ字型プレート１
３とに分割し、Ｌ字型プレート１３は取付部１３
Ａのプレート部１３Ｂとからなり、プレート部１
３Ｂの端部に段付部材１４を固着し、プレート部
１３Ｂの端部に隙間１５を形成する。アングル７
はその段付部７Ａをオイルパン側壁２Ａにスポツ
ト溶接５により固着し、Ｌ字型プレート１３はそ
の間隙１５にアングル連結部７Ｂを挿入し、取付
部１３Ａをオイルパン側壁２Ｂにスポツト溶接５
により固着する。

アングル連結部１７Ｂの両面にはゴム、樹脂等
の部材１６を設け、金属接触による摩耗を防止す
る。

上記構成によれば、オイルパン側壁２Ａ，２Ｂ
の振動を、間隙１５とアングル連結部７Ｂとの摺
動により吸収し、固着箇所に過大な応力が加わる
ことを防止する。

（発明の効果） 以上のように、本発明はバツフルプレートを２
個以上の部材に分割し、それぞれの部材をオイル
パンに固着した後に連結するオイルパンのバツフ
ルプレート取付方法としたため、バツフルプレー
ト取付時に生じる初期応力を最小限におさえるこ
とができ、バツフルプレートの固着箇所の耐久性
を向上させられるという効果が得られる。

また、本発明は分割構造のバツフルプレートの
端部同士を互いに重合して連結する取付方法とし
たので、当該連結部に当板等の補助的な部材を必
ずしも設ける必要が無く、従つて材料的にむだが
無く低コストで実現することが可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例の平面図であり、第２図は同図
のＡ―Ａ線に沿う断面図である。第３図は他の先
行技術例の平面図である。第４図は前記従来例な
いし先行技術例の要部断面図である。第５図〜第
９図はそれぞれ本発明の第１実施例〜第５実施例
を示す要部断面図である。 １…オイルパン、２…側壁、３…バツフルプレ
ート、７…アングル、８…プレート、１０…Ｌ字
型プレート。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ オイルパンの内側壁にバツフルプレートを取
   付ける方法において、バツフルプレートを少なく
   とも２個の部材に分割し、予め前記内側壁にそれ
   ぞれの部材の内壁側の一端を固着し、その後にそ
   れぞれの部材の互いの該一端とは反対側に位置す
   る接合部を互いに重合して連結することを特徴と
   するオイルパンのバツフルプレート取付方法。