JPS636008B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は調理具に関し、ステンレス等の伝導性
の悪い金属よりなる調理具本体の外底面に、アル
ミニウム等の伝導性のよい伝熱板を接合したもの
において、伝熱板の厚みを局部的に薄くして凹部
を形成することにより、凹部面の温度を本体内底
面の温度に対応させて、調理具外底面より調理物
の温度制御が確実に行なうことができる調理具を
提供せんとするものである。

従来、ステンレスより成る調理具は、サビや腐
食に対して強いといつた利点を有するものである
が、一方その熱伝導性が悪いために、調理物が局
部的に熱せられて焦げつくといつた欠点を有して
いた。

またこのステンレスの熱伝導性の悪さをおぎな
うために、ステンレス製の調理具の外底面にアル
ミニウム等の伝導性のよい金属よりなる均熱板を
圧接接合して熱伝導を良くし、調理物に均一に熱
が伝わるようにして、調理物の局部的な焦げつき
を防止したものがあるが、この場合、均熱板の厚
みは均一に熱を伝えるために通常４mm程度とかな
りの厚みが必要である。

このように構成された調理具の均熱板の外底面
に温度検知装置を当接させ、調理具の下面から加
熱を行なう加熱体への通電を前記温度検知装置の
出力により制御して、調理物の温度を一定に保と
うとすると、均熱板の厚みがかなりあるため、均
熱板外底面の温度は前記加熱体の加熱により急激
に上昇するが、調理具本体の内底面、すなわち調
理物との接触面の温度は均熱板に比べかなり遅れ
て上昇する。その結果、調理具本体の内底面の温
度が調理をするのに十分な温度となつていないの
に、均熱板の外底面の温度が高いために温度検知
装置により加熱体への通電が停止されて、調理具
本体の内底面の温度は低いままの状態を呈する。

また、水煮き等鍋料理を行なつた場合には、水
が沸騰しないうちに加熱体への通電が停止され、
調理物が生煮えの状態となるなど良好な調理がで
きないといつた欠点を有していた。

本発明は上記従来の欠点を解消するもので、以
下、本発明の一実施例を図面を参照して説明す
る。

１は鍋で、有底筒状でステンレス鋼製の鍋本体
２と、この鍋本体２の外底面に圧接接合された厚
さ４mm程度のアルミニウム製の均熱板３と、この
均熱板３の外底面に圧接接合された厚さ約１mm程
度で鍋２と同材質のステンレス鋼製のバランス板
４より構成されている。また前記均熱板３及びバ
ランス板４の略中央はバランス板４のステンレス
鋼を削り取るとともに、均熱板３のアルミニウム
をその厚みが約１mm内外となるように切削して、
凹部５を形成してある。また鍋本体２の上面には
段落部を形成して蓋６が載置されるようにしてあ
る。

尚、７は鍋１の加熱及び温度制御を行なう電気
調理器で、その構成を説明すると、８は外ボデ
ー、９は外ボデー８上に支持された内ボデーで内
底部に加熱体１０が取付金具１１にて固着されて
いる。

また内ボデー９の内底面略中央は上方へふくら
ませて凸部１２を形状し、この凸部１２の上面開
口にはスプリング１３にて上方に付勢され、鍋１
が加熱体１０上に載置された時に凹部５に圧接す
る受感金具１４が第１支持金具１５及び第２支持
金具１６に支持されて、摺動自在に取付けてあ
る。

１７は温度を検知して抵抗変化するサーミスタ
等の温度検知器で、板バネ１８にて受感金具１４
の内面に圧接されている。また１９は第１支持金
具１５，第２支持金具１６を取付ける支持板で内
ボデー９の外底面に取付けられている。

２０は温度検知器１７の出力を受けて加熱体１
０への通電を制御する制御装置で、表示板２１に
取付けた温度設定器２２により、所望の温度が得
られる。

２３ははかまで、その内部に前記制御装置２０
が収められ、下部開口を裏板２４で閉塞してあ
る。２５ははかま２３下面に取付けられた脚であ
る。

また２６はタイマーで給電スイツチを兼ね備え
ている。

以上の構成において、次にその動作を説明す
る。

調理物を入れた鍋１を加熱体１０の上に載置す
ると、受感金具１４が凹部５に圧接する。

次に温度設定器２２でもつて所望の温度に設定
してタイマー２６を駆動させると、加熱体１０へ
の通電が開始され、調理物が加熱される。この加
熱により、凹部５の温度も上昇するが、この凹部
５における均熱板３の厚みは１mm内外と他の部分
に比べて薄くしてあるので、加熱体１０よりの熱
伝導による熱影響を受けにくく、従つて凹部５の
温度は鍋本体２の内底面の温度より若干高い状態
でこの鍋本体２の内底面の温度（あるいは調理物
の温度）に追従する。また当然のことながら温度
検知器１７の温度は受感金具１４が凹部５に圧接
しているから凹部５の温度とほぼ等しくなる。

すなわち本体２の内底面の温度に温度検知器１
７の温度が追従し、所望の温度に到達すれば、制
御装置２０の働きにより、加熱体１０への通電が
制御されて鍋本体２の内底面（あるいは調理物）
の温度を一定に保つことができる。

また付言すれば、凹部５に均熱板３のアルミニ
ウムを薄厚にて残存させることにより、凹部５上
の鍋本体２の内底面と、凹部５上以外の同内底面
の温度差を小さくすることができる。すなわち鍋
本体２の内底面の温度はほぼ均一となる。

以上の説明から明らかなように本発明によれば
鍋本体と、この鍋本体の外底面に圧接接合した均
熱板を有する調理具において、鍋本体との接合面
よりの均熱板の厚みを局部的に薄くして凹部を設
けたことにより、温度制御装置を有する電気調理
器と組み合せて使用した場合、温度制御が確実に
行なえ、良好な調理結果が得られる。

また均熱板の外底面に鍋本体と同材質のバラン
ス板を圧接接合することにより、鍋本体と均熱板
の熱膨張率の差より起るソリや変形が防止でき、
加熱体と鍋との密着性を良好にし、熱効率を高め
るといつた効果を有するなどその工業的価値は大
なるものがある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す調理具を底部
より見た全体斜視図、第２図は同要部断面図、第
３図は同調理具を電気調理器に載置した状態を示
す縦断面図である。 ２……鍋本体、３……均熱板、４……バランス
板、５……凹部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 鍋本体と、この鍋本体の外底面に接合された
   均熱板とを有し、前記均熱板の厚みを局部的に薄
   くして凹部を設けてなる調理具。 ２ 凹部以外の均熱板の外底面に、鍋本体と同材
   質のバランス板を接合してなる特許請求の範囲第
   １項記載の調理具。