JPS6238586Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は鍋体が着脱できる電気調理器に関し、
鍋体と発熱盤の密着性を高めて熱効果を向上させ
るとともに、密着性底下に伴う発熱盤の異常高温
化を防止して安全性、耐久力に優れた電気調理器
を提供しようとするものである。

従来この種の鍋着脱式電気調理器は第３図に示
すように、外周発熱部２および内周発熱部３から
なり、かつこれらに発熱体４，５および６，７，
８，９，１０を収納した発熱盤１と、鍋体１１、
前記発熱盤１を保持する筐体等から構成されてい
た。鍋着脱方式の電気調理器においては、鍋体底
面と発熱盤表面の密着度が極めて重要である。し
かし経済面からみた鍋体１１の平面加工精度にも
限界があるとともに実用時の加熱、冷却の繰り返
しによる経時的変形も生じ、第３図に示すような
空〓１２を発生させているのが実態であつた。こ
のため外周発熱部２に通電した場合は良好である
が、中心部が最も大なる空隙を有するため、内周
発熱部３に通電した場合には極めて熱効率の悪い
ものになつていた。さらにこの種の発熱盤は中央
部に最も熱が集中する性質と相まつて、発熱盤の
内周発熱部３自体が異常に高温化するなど、安全
性、耐久性の両面においても大きな欠点を有して
いた。

本考案は上記従来の欠点を解消するもので、以
下本考案の実施例について添付図面を参照して説
明する。

第１図で、１は発熱盤で、外周発熱部２と内周
発熱部３とから構成されて両発熱部２，３にはそ
れぞれ選択的に通電可能になつているとともに支
持筐体１４にて保持される。１３は鍋体で、底面
部における上記内周発熱部３とほぼ同じ面積部は
突出部１７となし、その突出高さＡは発熱盤外径
Ｄの４×10^-4〜20×10^-4相当分としている。例え
ば外径Ｄが250mmの場合、0.1〜0.5mmとなる。こ
こに示した鍋体１３の底面は、理想的な平面度を
保つた状態を表わしているが現実的には変形が生
じており、この状態を第２図により説明する。

鍋体１３の底面が変形してわん曲している場
合、突出部１７の存在により内周発熱部３と鍋体
１３の底面部との空〓１５は極めて小さくなり、
また内周発熱部３の外径端１６が突出部１７と密
接するので、伝導熱の供給を受けて極めて熱効率
の良いものとなる。

以上の説明から明らかなように本考案によれ
ば、内周発熱部と外周発熱部を有する板状の発熱
盤と当接する鍋体底面部の前記内周発熱部に当接
する部分に、外周発熱部外径の４×10^-4〜20×
10^-4に相当する突出高さで下方に突出する突出部
を設けているため、実用時の加熱・冷却の繰り返
しによる経時的変化、すなわち鍋体の底面中央部
分が変形して上方にわん曲した場合においても、
突出部の存在により、発熱盤の内周発熱部と鍋体
の底面部との空隙を極めて小さくすることがで
き、またこの場合、内周発熱部の外径端が突出部
に密接するため、伝導熱の供給も受けやすくなつ
て熱効率を向上させることができるとともに、発
熱盤の異常過熱も防止することができ、その結
果、安全性の向上がはかれるとともに、耐久性の
低下も防止することができるものである。

なおこの場合において、発熱盤や鍋体が多角形
であつても、又発熱体がシーズヒーター式、埋込
式、スペース式であつても同様の効果を示すこと
は明らかである。さらに最内発熱体に囲まれる部
分に肉ぬすみを施こしたり、凸部に適宜同様の部
分的な肉ぬすみを設けて部分的に空隙を大となし
た場合でも充分本考案の効果は期待できる。

【図面の簡単な説明】

第１，２図は本考案の実施例を示す調理器の要
部断面図、第３図は従来例における要部断面図で
ある。 １……発熱盤、２……外周発熱部、３……内周
発熱部、１１，１３……鍋体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 内周発熱部と外周発熱部を有する板状の発熱盤
   と当接する鍋体底面部の前記内周発熱部に当接す
   る部分に、外周発熱部外径の４×10^-4〜20×10^-4
   に相当する突出高さで下方に突出部を設けた電気
   調理器。