JPS6357245B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

（産業上の利用分野） 本発明は一輪式田植装置に係るものである。 （従来技術） 従来一輪式田植装置は公知である。 （発明が解決しようとする問題点） 田植装置には、四輪乗用型、二輪歩行型、一輪
歩行型その他の型があり、四輪乗用型及び二輪歩
行型においては、機体が左右方向に転倒するとい
う現象は生じないが、一輪歩行型においては、一
輪のため、そのハンドルを確実に両手で持つてい
ないと、左右側に転倒することがあつた。 前進しながら植付作業をしているときは、片手
を放したとしても比較的安定しているが、Ｕター
ンするときは、必然的に機体を傾けるので、両手
で確実にハンドルを持つて、機体を支えないと転
倒するのである。 したがつて、一輪タイプの田植装置での理想的
な構造としては、直進しているときは、歩き易い
速度で前進し、Ｕターンするときは、自動的に、
旋回し易い速度に減速されるとよい。また、直進
しているときは、急に減速されると困るので、安
全機構を設けるとよい。 （問題を解決するための手段） そこで本発明は、歩行型の一輪式田植装置にお
いて、該田植装置には、原動機２から植付走行用
歯車３０を介して植付速度で進行する機構と、前
記原動機２から旋回走行用歯車３１を介して植付
走行速度より遅い速度の旋回走行速度で進行する
機構と、前記植付走行用歯車３０と前記旋回走行
用歯車３１とに選択的に係合する走行クラツチ３
２と、植付装置７の植付クラツチ３７と、歩行操
縦ハンドル１０と、該ハンドル１０を持つた侭操
作できる握式植付操作レバー４５とを設け、該操
作レバー４５と前記植付クラツチ３７とを、前記
操作レバー４５を握らないときは前記植付クラツ
チ３７は入となり、前記操作レバー４５を握つた
ときは前記植付クラツチ３７は切となるように連
結し、前記操作レバー４５と前記走行クラツチ３
２とを、前記操作レバー４５を握らないときは前
記走行クラツチ３２が前記植付走行用歯車３０と
係合して植付走行速度で進行し、前記操作レバー
４５を握つたときは前記走行クラツチ３２が前記
旋回走行用歯車３１と係合して旋回走行速度で進
行するように連結させ、かつ前記操作レバー４５
と前記走行クラツチ３２の間に、一方と他方に切
替えうる切替装置５６を設けて、該切替装置５６
を一方に切替えたときは前記操作レバー４５によ
り前記走行クラツチ３２を切替え得るが、該切替
装置５６を他方に切替たときは前記操作レバー４
５を握り操作しても前記走行クラツチ３２は切替
わらないように構成した一輪式田植装置としたも
のである。 （実施例） 図により説明すると、１は機体で、機体１の前
端には原動機２を設ける。３はミツシヨンケース
であり、ミツシヨンケース３には伝動ケース４の
前端を固定又は軸着し、伝動ケース４の後端には
車軸５を突出させ、該車軸５に一個の車輪６を取
付ける。前記機体１は車輪６の両側を後方に伸び
て、その後端には植付装置７，７と苗タンク８を
設ける。９は伝動ケースである。 １０は左右一対の歩行用操縦ハンドルであつ
て、前記機体１の後端に取付けられている。 １１，１２は左右側のサイドフロートで、該サ
イドフロート１１，１２の中間よりも稍後部寄り
に、上方に突出する突起１３，１３を設け、該突
起１３，１３を前記機体の伝動ケース９に、軸１
４により軸着する。 サイドフロート１１，１２の前端には、フロー
トリンク１５，１６の各下端を軸１７，１８によ
り軸着する。フロートリンク１５，１６は上下方
向に長い長孔１９を有し、該長孔１９に機体１よ
り突出するピン２０，２１を挿入させる。 第５図において２２は出力軸、２３は中間軸、
２４は変速軸、２５は走行クラツチ軸で、出力軸
２２には歯車２６が、中間軸２３には歯車２７と
歯車２８が、変速軸２４には歯車２９がそれぞれ
固定されている。 変速軸２４には植付走行用歯車３０と旋回走行
用歯車３１が所定の間隔を置いて遊嵌されてお
り、その中間に走行クラツチ３２が摺動自在に嵌
合されている。３３は植付走行用歯車３０と噛合
う歯車、３４は旋回走行用歯車３１と噛合う歯
車、３５は走行クラツチ、３６は車軸５に嵌めら
れた歯車である。 前記変速軸２４には、植付クラツチ３７が設け
られる。３８は変速軸２４に遊嵌されている歯
車、３９は歯車３８と噛合う歯車、４０はその
軸、４１はベベルギヤ、４２は同ベベルギヤ、４
３は中間軸、４４はリードカム軸である。 前記操縦ハンドル１０には、操縦ハンドル１０
を握つた侭操作できる自転車のブレーキハンドル
のような握式植付操作レバー４５が設けられる。
４６は該握式植付操作レバー４５に一端が結合し
ているワイヤーで、ワイヤー４６の他端にはバネ
４７を介してアーム４８を取付ける。４９は戻し
バネである。 アーム４８は軸５０に軸着されており、シフタ
ー５１が取付けられている。シフター５１は、前
記走行クラツチ３２に係合している。 しかして、ワイヤー４６のアウター５９には回
動片５５を固定し、回動片５５の基部はその近傍
位置に設けた軸５４に軸止し、また、回動片５５
の基部には切替装置５６の基部を固定し、切替装
置５６は操作盤５８の案内溝５７に係合する。案
内溝５７はＡ部とＢ部を有し、切替装置５６がＡ
部に係合するとアウター５９を動かしてワイヤー
４６が緩んでバネ４７を緩め、握式植付操作レバ
ー４５を握つても走行クラツチ３２は切替わらな
くなる。切替装置５６がＢ部に係合するとアウタ
ー５９が緊張してバネ４７を緊張させ、握式植付
操作レバー４５を握ると走行クラツチ３２は切替
る。 （作用） 次に作用を述べる。 原動機２を始動し、圃場内に入り、握式植付操
作レバー４５を握らないと、ワイヤー４６は緩む
から、戻しバネ４９の弾力でシフター５１は第３
図で時計回転し、走行クラツチ３２は植付走行用
歯車３０と噛合う。同時に、握式植付操作レバー
４５は握らないので、植付クラツチ３７に至るワ
イヤー５２も緩んで、植付クラツチ３７はバネ５
３により歯車３８と噛合う。 その状態で、走行クラツチ３５を歯車３６に噛
合せると、 出力軸２２→歯車２６→歯車２７→歯車２８→
歯車２９→変速軸２４→走行クラツチ３２→植付
走行用歯車３０→歯車３３→走行クラツチ３５→
歯車３６→車軸５→車輪６ と回転が伝つて一輪式田植装置は早い速度で前進
する。 他方、 変速軸２４→植付クラツチ３７→歯車３８→歯
車３９→軸４０→ベベルギヤ４１→ベベルギヤ４
２→中間軸４３ と回転が伝わり、植付装置７およびリードカム軸
４４が回転し、植付装置７により植付け、リード
カム軸４４により苗タンク８を移動させる。 圃場終点では旋回するが、そのとき操縦ハンド
ル１０は握つた侭、握式植付操作レバー４５を握
る操作をすると、 ワイヤー４６→バネ４７→アーム４８→シフタ
ー５１→走行クラツチ３２ と伝達され、走行クラツチ３２は植付走行用歯車
３０より外れて、旋回走行用歯車３１に噛合う、
従つて、 旋回走行用歯車３１→歯車３４→走行クラツチ
軸２５→走行クラツチ３５→歯車３６→車軸５→
車輪６ と回転が伝わり、自動的にゆつくりした旋回走行
速度になる。 また、ワイヤー５２は緊張するから、植付クラ
ツチ３７を同時に移動させて植付クラツチ３７と
歯車３８を切離し、植付部を停止させる。 しかして、ワイヤー４６のアウター５９には回
動片５５を固定し、回動片５５の基部はその近傍
位置に設けた軸５４に軸止し、また、回動片５５
の基部には切替装置５６の基部を固定し、切替装
置５６は操作盤５８の案内溝５７に係合してお
り、案内溝５７はＡ部とＢ部を有し、切替装置５
６がＡ部に係合するとアウター５９が緩んでバネ
４７を緩め、握式植付操作レバー４５を握つても
走行クラツチ３２は切替わらなくなり、切替装置
５６がＢ部に係合するとアウター５９が緊張して
バネ４７を緊張させ、握式植付操作レバー４５を
握ると走行クラツチ３２は切替るようにしてある
から、握式植付操作レバー４５を誤作動させて
も、植付中急に低速にならない。 （効果） すでに述べたように、従来公知の田植装置のう
ち、一輪走行型は、ハンドルを確実に両手で持つ
ていないと、左右側に転倒することがあつた。前
進しながら植付作業をしているときは、片手を放
したとしても比較的安定して転倒することはない
が、終点でＵターンするときは、必然的に機体を
傾けるので、両手で確実にハンドルを持つて強力
に、機体を支えないと転倒する。また、直進して
いるときは、急に減速されると困るので、安全機
構を設けるとよい。 しかるに本発明は、歩行型の一輪式田植装置に
おいて、該田植装置には、原動機２から植付走行
用歯車３０を介して植付速度で進行する機構と、
前記原動機２から旋回走行用歯車３１を介して植
付走行速度より遅い速度の旋回走行速度で進行す
る機構と、前記植付走行用歯車３０と前記旋回走
行用歯車３１とに選択的に係合する走行クラツチ
３２と、植付装置７の植付クラツチ３７と、歩行
操縦ハンドル１０と、該ハンドル１０を持つた侭
操作できる握式植付操作レバー４５とを設け、該
操作レバー４５と前記植付クラツチ３７とを、前
記操作レバー４５を握らないときは前記植付クラ
ツチ３７は入となり、前記操作レバー４５を握つ
たときは前記植付クラツチ３７は切となるように
連結し、前記操作レバー４５と前記走行クラツチ
３２とを、前記操作レバー４５を握らないときは
前記走行クラツチ３２が前記植付走行用歯車３０
と係合して植付走行速度で進行し、前記操作レバ
ー４５を握つたときは前記走行クラツチ３２が前
記旋回走行用歯車３１と係合して旋回走行速度で
進行するように連結させ、かつ前記操作レバー４
５と前記走行クラツチ３２の間に、一方と他方に
切替えうる切替装置５６を設けて、該切替装置５
６を一方に切替たときは前記操作レバー４５によ
り前記走行クラツチ３２を切替え得るが、該切替
装置５６を他方に切替たときは前記操作レバー４
５を握り操作しても前記走行クラツチ３２は切替
わらないように構成した一輪式田植装置としたの
で、圃場内に入り、握式植付操作レバー４５は握
らないと、植付クラツチ３７に至るワイヤー５２
は緩んで、植付クラツチ３７は入になつて植付け
し、走行用の走行クラツチ３２は植付走行用歯車
３０を噛合つて、一輪式田植装置は植付けに適し
た速度で前進する。 終点に至り操縦ハンドル１０を握つた侭、握式
植付操作レバー４５を握ると、植付クラツチ３７
は切になつて植付けは停止し、走行クラツチ３２
は植付走行用歯車３０より外れて、旋回走行用歯
車３１に噛合い、ゆつくりした旋回に適した走行
速度になるので転倒を防止する。 この操作は、握式植付操作レバー４５の握り操
作のみであるから、操作容易であり、また構造簡
単なので、実施化も容易である。 また、握式植付操作レバー４５を誤作動させて
も、植付中急に低速にならない。

【図面の簡単な説明】

第１図は側面図、第２図は平面図、第３図は要
部の結合図、第４図はミツシヨンの平面図、第５
図は動力伝達系統図、第６図はクラツチの噛合図
である。 符号の説明、１……機体、２……原動機、３…
…ミツシヨンケース、４……伝動ケース、５……
車軸、６……車輪、７……植付装置、８……苗タ
ンク、９……後部機体、１０……操縦ハンドル、
１１，１２……サイドフロート、１３……突起、
１４……軸、１５，１６……フロートリンク、１
７，１８……軸、１９……長孔、２０，２１……
ピン、２２……出力軸、２３……中間軸、２４…
…変速軸、２５……走行クラツチ軸、２６……歯
車、２７……歯車、２８……歯車、２９……歯
車、３０……植付走行用歯車、３１……旋回走行
用歯車、３２……走行クラツチ、３３……歯車、
３４……歯車、３５……走行クラツチ、３６……
歯車、３７……植付クラツチ、３８……歯車、３
９……歯車、４０……軸、４１……ベベルギヤ、
４２……ベベルギヤ、４３……中間軸、４４……
リードカム軸、４５……握式植付操作レバー、４
６……ワイヤー、４７……バネ、４８……アー
ム、４９……戻しバネ、５０……軸、５１……シ
フター、５２……ワイヤー、５３……バネ、５４
……軸、５５……回動片、５６……切替装置、５
７……案内溝、５８……操作盤、５９……アウタ
ー。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 歩行型の一輪式田植装置において、該田植装
   置には、原動機２から植付走行用歯車３０を介し
   て植付速度で進行する機構と、前記原動機２から
   旋回走行用歯車３１を介して植付走行速度より遅
   い速度の旋回走行速度で進行する機構と、前記植
   付走行用歯車３０と前記旋回走行用歯車３１とに
   選択的に係合する走行クラツチ３２と、植付装置
   ７の植付クラツチ３７と、走行操縦ハンドル１０
   と、該ハンドル１０を持つた侭操作できる握式植
   付操作レバー４５とを設け、該操作レバー４５と
   前記植付クラツチ３７とを、前記操作レバー４５
   を握らないときは前記植付クラツチ３７は入とな
   り、前記操作レバー４５を握つたときは前記植付
   クラツチ３７は切となるように連結し、前記操作
   レバー４５と前記走行クラツチ３２とを、前記操
   作レバー４５を握らないときは前記走行クラツチ
   ３２が前記植付走行用歯車３０と係合して植付走
   行速度で進行し、前記操作レバー４５を握つたと
   きは前記走行クラツチ３２が前記旋回走行用歯車
   ３１と係合して旋回走行速度で進行するように連
   結させ、かつ前記操作レバー４５と前記走行クラ
   ツチ３２の間に、一方と他方に切替えうる切替装
   置５６を設けて、該切替装置５６を一方に切替た
   ときは前記操作レバー４５により前記走行クラツ
   チ３２を切替え得るが、該切替装置５６を他方に
   切替たときは前記操作レバー４５を握り操作して
   も前記走行クラツチ３２は切替わらないように構
   成した一輪式田植装置。