JPS6223301Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は移動農機における旋回時の自動減速装
置に関する。

すなわち、両輪を同時に操向できるよう連動連
設した両輪間のタイロツドをステアリングハンド
ルにより左右動させるよう操縦自在にして構成し
た移動農機において、機体の旋回時にハンドルを
切ると車速が自動的に低下して作業がやりやすく
なるとともにエンジンの出力カバーも可能となり
路上走行では転倒しないよう良好に旋回すること
ができ、旋回時に走行変速レバーにより減速操作
を行なわないでも自動的に良好に減速して操縦が
容易となり、好適に実施できるよう提供するもの
である。

次に、図面に示す実施例について説明する。

第１図は一部を省略した農用４輪トラクターの
側面図を示し、エンジンＥを搭載する機体前部の
下方に横設した車輪支持フレーム９の両端側には
前輪である両輪１ａ，１ｂをそれぞれ軸架し、左
側輪１ａはナツクルアーム５により、また右側輪
１ｂはアーム６によりそれぞれ操向できるように
装設するとともに、ナツクルアーム５の一端側と
アーム６の先端とを横方向に移動できるタイロツ
ド２により連動連繋し、機体の中央部に装設した
ステアリングハンドル３により回動させることが
できる操作アーム７と前記ナツクルアーム５の他
端とをプルロツド８により連動連繋して構成す
る。

また、後輪である両駆動車輪４ａ，４ｂを軸架
した車軸ケース１０の前方にはミツシヨンケース
１１を連設するとともに、前記エンジンＥ側とミ
ツシヨンケース１１の間の連結ケース１２内には
クラツチ部１３等を装設し、車輪ケース１０の上
方にはシート１４等を装設し、前記連結ケース１
２内には無段変速機Ａを装設するが、該無段変速
機Ａは、エンジンＥ側からの伝動軸１５に、割プ
ーリーである無段変速プーリー１６を架着し、ミ
ツシヨンケース１１側に伝動する伝動軸１７には
受動プーリー１８を軸架し、両プーリー１６，１
８にはベルト１９を掛廻し、一端を支軸２０に枢
支したアーム２１の先端に軸架するプーリー２２
をベルト１９に当接できるように装設し、側方の
支持金２３とアーム２１の中間部との間にはプー
リー２２がベルト１９より離れる方向に引張する
引張スプリング２４を連繋して構成する。

前記タイロツド２の中間部にはコ状の引掛金具
２５を一体に形成するとともに該引掛金具２５内
にセンサーＢを係合するが、該センサーＢはピン
製で機体の腹部に中間を支軸２６により枢支した
リンク２７の先端に前記センサーＢを垂下するよ
う固設して、タイロツド２が左右動するとセンサ
ーＢの係合によりリンク２７が支軸２６中心に回
動できるように枢支し、機体の腹部に装着したガ
イド２８にはワイヤー２９を挿通するとともに、
ガイド２８の先端部２８ａより延出したワイヤー
２９の端部を前記リンク２７の後端に連繋して構
成する。

また、前記アーム２１の近傍にはガイドローラ
ー３０を軸架し、前記ガイド２８より延出するワ
イヤー２９をガイドローラー３０に掛合してその
端部をアーム２１に連結し、ワイヤー２９が前方
側に引かれると引張スプリング２４に抗張してア
ーム２１を回動させながらプーリー２２をベルト
１９に押圧させ、ベルト１９が無段変速プーリー
１６に食い込む状態で減速伝動することになるよ
う装設して構成する。

したがつて、ステアリングハンドル３を操作し
てプルロツド８を矢印イ方向に引きながらナツク
ルアーム５を回動させるとともにタイロツド２を
矢印ロで示すように左横方向に移動させると、第
４図に示すように両輪１ａ，１ｂを同時に操向し
て矢印ハで示すように機体を右方向に旋回させる
ことができることになる。

その場合、タイロツド２が移動するのにともな
つて、引掛金具２５に係合するセンサーＢも移動
させることになり、第４図に示すようにリンク２
７が回動させられると、ワイヤー２９が矢印ニで
示すように前方側へ引かれることになり、そこ
で、ワイヤー２９の引作動によりアーム２１が回
動させられるとともにプーリー２２がベルト１９
に対し矢印ホで示すように圧接し、ベルト１９が
第５図に示すように無段変速プーリー１６に食い
こんで、駆動車輪４ａ，４ｂに減速伝動する状態
となり、機体は減速して旋回することになる。

また、その状態で、旋回が大きくなるほど、減
速が大となる。

機体が左方向に旋回する場合も、前記同様に減
速されることになる。

このように本考案、両輪を同時に操向できるよ
う連動連設した両輪間のタイロツドをステアリン
グハンドルにより左右動させるよう操縦自在にし
て構成した移動農機において、車輪の操向操作に
連動するセンサーを作動自在に装設し、駆動車輪
への伝動径路中に無段変速機を介装するととも
に、前記センサーの作動により無段変速機を低速
伝動側に切換できるよう連動操作自在に装設し
て、前記ステアリングハンドルの切り量の大小に
応じた量の低速側への変速度合となるように構成
したから、機体の旋回時にハンドルを切るとその
ハンドル切り角に応じて減速量を適切に変更する
ことができ、旋回に必要な減速が簡単に得られて
作業がやりやすくなるとともにエンジンの負担を
小さくできて出力カバーも可能となり、また、旋
回時にハンドル切れ量に対応する確実で適切な減
速を行えるため安全性が特に高く、路上走行では
転倒しないよう良好に旋回することができ、さら
に旋回時に走行変速レバーにより減速操作を行わ
ないでも自動的に良好に減速して操縦が容易とな
り、好適に実施できる特長を有する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は一部を
省略した農用トラクターの側面図、第２図は要部
の平面図、第３図は無段変速機の側面図、第４図
および第５図は第２図および第３図のそれぞれの
作動説明図である。 １ａ，１ｂ……両輪、２……タイロツド、３…
…ステアリングハンドル、Ｂ……センサー、４
ａ，４ｂ……駆動車輪、Ａ……無段変速機。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 両輪を同時に操向できるよう連動連設した両輪
   間のタイロツドをステアリングハンドルにより左
   右動させるよう操縦自在にして構成した移動農機
   において、車輪の操向操作に連動するセンサーを
   作動自在に装設し、駆動車輪への伝動径路中に無
   段変速機を介装するとともに、前記センサーの作
   動により無段変速機を低速伝動側に切換できるよ
   う連動操作自在に装設して、前記ステアリングハ
   ンドルの切り量の大小に応じた量の低速側への変
   速度合となるよう構成したことを特徴とする旋回
   時の自動減速装置。