JPS6356535B2 - - Google Patents

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JPS6356535B2
JPS6356535B2 JP53112156A JP11215678A JPS6356535B2 JP S6356535 B2 JPS6356535 B2 JP S6356535B2 JP 53112156 A JP53112156 A JP 53112156A JP 11215678 A JP11215678 A JP 11215678A JP S6356535 B2 JPS6356535 B2 JP S6356535B2
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JP
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trigonal selenium
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selenium
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JP53112156A
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JPS5454038A (en
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Emu Hoogan Ansonii
Daburyuu Radoraa Junia Richaado
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Xerox Corp
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Publication date
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Publication of JPS6356535B2 publication Critical patent/JPS6356535B2/ja
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    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G5/00Recording members for original recording by exposure, e.g. to light, to heat, to electrons; Manufacture thereof; Selection of materials therefor
    • G03G5/02Charge-receiving layers
    • G03G5/04Photoconductive layers; Charge-generation layers or charge-transporting layers; Additives therefor; Binders therefor
    • G03G5/08Photoconductive layers; Charge-generation layers or charge-transporting layers; Additives therefor; Binders therefor characterised by the photoconductive material being inorganic
    • G03G5/087Photoconductive layers; Charge-generation layers or charge-transporting layers; Additives therefor; Binders therefor characterised by the photoconductive material being inorganic and being incorporated in an organic bonding material

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
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  • General Physics & Mathematics (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、ゼログラフイー用の像形成部材に関
するものであり、特に新規な像形成部材に関する
ものである。
ガラス質および無定形のセレンは、商業的なゼ
ログラフイの分野において再使用可能な光導電体
として広く用いられてきた。しかしながら、この
物質のスペクトルレスポンスは、概して可視領域
のうちの青−緑部分、すなわち52オングストロー
ム以下に限られている。
セレンは、三方晶系または六方晶系セレンとし
て知られている結晶状態も示す。三方晶系セレン
は、セレン整流器を製造するに際して用いられる
半導体の技術分野において良く知られている。
従来、三方晶系セレンは、暗中において導電性
が比較的高いために、ゼログラフイーの分野にお
いて光導電性層として一般的に用いられていなか
つた。もつとも、電気的に活性な有機材料の如き
他の物質又はガラス質セレンのごとき光導電性物
質から成るマトリツクス中に三方晶系セレン粒子
を分散させたバインダー型の形状において三方晶
系セレンが用いられ得ることはあつた。
電気的に活性な有機物質から成る比較的厚い層
によつて覆われた三方晶系セレンの薄層は、従来
からのガラス質セレン型の感光体に比してスペク
トルレスポンスと感度の優れた有用な複合型
(composite)感光部材を形成することも知られ
ている。そのような装置と方法は、米国特許第
3961953号に記載されている。
バインダー中に分散される場合であれ又は複合
型光導電装置において発生材料として用いられる
場合であれ三方晶系セレンを用いるときには、ゼ
ログラフ法において感光材がサイクル工程を受け
た後で三方晶系セレンは暗減衰が大きいことが知
られている。これは疲労暗減衰と称される。更
に、ゼログラフ法においてサイクル工程を受けた
後は、感光体は初期のように多量の電荷を受容し
なくなる。
このように、疲労暗減衰とは、部材(すなわち
感光体)がゼログラフサイクル中に少なくとも一
度像消去(erase)され、その後、該部材が再荷
電されて暗減衰が再び測定されたときのものであ
る。このような場合の暗減衰を疲労暗減衰
(fatigued dark decay)と称する。
米国特許第3685989号は、ナトリウム、リチウ
ム、カリウム、ルビジウムまたはセシウムの少量
によつてドープされたガラス質セレンまたはセレ
ン−ヒ素合金から成る光導電層を開示している。
従来の技術が教示するように、ガラス質または
無定形セレンが良好な光導電性材料であることが
知られているからといつて、ゼログラフ法におい
て光導電性材料として三方晶系セレンが使用でき
るか否かは予測できない。米国特許第2739079号
の教示によれば、三方晶系セレンは導電性がかな
りあり、(電荷)発生材料(generating
material)としては不適当であるということにな
る。更に、松下電器産業(株)の出願による特公昭43
−16198号は、電荷発生層とその上の電荷輸送物
質の層とから成る多層型装置において電荷発生物
質として導電性の大きい光導電性層を用いてはな
らないことを開示している。したがつて、米国特
許第2739079号が教示するように三方晶系セレン
は導電性が大きいからガラス質または無定形セレ
ンが良好な光導電性物質としてゼログラフ装置に
おいて用いられてきたという理由だけでは、三方
晶系セレンがゼログラフ装置において光導電性物
質として用いられ得るということはわからなかつ
た。かくして、三方晶系セレンがゼログラフ装置
に用いられた場合にガラス質または無定形セレン
と同じように挙動することを示唆するものとして
ガラス質または無定形セレンに関する先行技術が
類似する先行技術であるということはできない。
米国特許第3312548号は、セレンおよびヒ素か
ら成り約10〜10000ppmの濃度のハロゲンにドー
プされた組成物から成る光導電性絶縁層を有する
ゼログラフ板を開示している。
1971年8月26日に付与されたベルギー特許第
763540号(対応する1970年12月1日出願の米国特
許出願第94139号、現在は放棄済)は、少なくと
も2つの電気的作動層を有する電子写真用部材を
開示している。第一の層は電荷キヤリアを光発生
させ且つ光発生したホールを隣接する活性層に注
入することができる光導電性層から成る。活性層
は、目的とする使用スペクトル領域においては実
質的に非吸収性であるが、光導電性層から光発性
ホールの注入を受け該ホールを活性層を通つて輸
送させるという点において「活性」な透明有機材
料から成る。活性なポリマーは不活性なポリマー
又は非重合物質と混合されることもできる。
米国特許第3926762号は、導電性支持基体上に
三方晶系セレンの薄層を直接付着させることから
成る光導電像形成装置の製造法を開示している。
米国特許第3954464号は、支持基体上に存する
電気的活性有機物質の層上にガラス質セレンの薄
層を真空蒸着させ、三方晶系セレン層上に電気的
絶縁性の又は電気的活性な有機物質の比較的薄い
層を形成させることから成る感光性像形成装置の
製造法を開示している。この方法においては該装
置を充分な時間で高温まで加熱することが続いて
行なわれ、ガラス質セレンを結晶質の三方晶形態
に変化させる。
米国特許第3961953号は、支持基質上にガラス
質セレンの薄い層を真空蒸着させ、ガラス質セレ
ン層の上に電気的に活性な有機物質の比較的厚い
層を形成させることから成る光導電像形成装置の
製造法を開示している。該方法に引続いて部材が
高温に充分な時間加熱されると、ガラス質セレン
が結晶質の三方晶形態に変化する。
かくして、本発明の目的は上記の欠点を克服し
たゼログラフ法による反復像形成に好適な新規な
像形成部材を提供するにある。
本発明の他の目的は、暗減衰を制御することの
できる、ドープされた三方晶系セレンを用いた像
形成部材を提供することにある。
本発明のさらに別の目的は、反復して行われる
電荷の受容性が改良され、ゼログラフ法にに用い
たとき、初期およびサイクル工程後の双方におい
て暗減衰が改良されたドープされた三方晶系セレ
ンを用いた像形成部材を提供することにある。
前記の目的およびその他の目的は、本発明に従
い、有機樹脂バインダ中に分散された粒子状の光
導電性物質の層から成る像形成部材を提供するこ
とによつて達成される。該粒子状光導電性物質
は、(三方晶系セレンの重量を基準にして)約
0.01から約12.0重量%のナトリウム、リチウム、
カリウム、ルビジウムおよびセシウムから選ばれ
る物質の一つによつてドープされた三方晶系セレ
ンから成る。ドープ剤(すなわち、ナトリウム、
リチウム、カリウム、ルビジウムおよびセシウ
ム)によつてドープされた三方晶系セレンは、三
方晶系セレンがバインダ中に分散された光導電性
物質として用いられているときに、初期(すなわ
ち、像形成部材が荷電および放電される前)にお
いても、あるいは疲労暗減衰の場合(すなわち、
像形成部材が一通りのゼログラフ工程を受けた
後、つまり、荷電され消去され、その後暗中で再
荷電された場合)でも受け入れ難くて望ましくな
い量の暗減衰が起らないようにする。三方晶系セ
レン感光体の感度と暗減衰はそれぞれ、三方晶系
セレンにドープ剤を入れ又は三方晶系セレンから
ドープ剤を取り除くことによつて、減少又は増加
れ得る(例えば、第5図および第6図参照)。
本発明の代表的な応用例は、上述のように、有
機樹脂バインダ中に分散され、ナトリウム、リチ
ウム、カリウム、ルビジウム若しくはセシウム又
はこれらの混合物によつてドープされた粒子状の
三方晶系セレンを有する単一の光導電性層を含
む。これは、感光装置そのものとして使用され得
る。本発明の他の代表的な応用例は、少なくとも
二つの作動層を有する感光部材を含む。第一の層
は、光導電性物質、即ち、有機樹脂中に分散され
ナトリウム、リチウム、カリウム、ルビジウム若
しくはセシウム又はこれらの混合物によつてドー
プされた粒子形状の三方晶系セレンから成る層で
ある。この層は、電荷キヤリアを光発生させこの
光発生電荷キヤリアを隣接する電荷キヤリア輸送
層へ注入することができる。電荷キヤリア輸送層
は透明な有機重合体、又は非重合物質から成り有
機重合体中に分散されたときにその有機重合体が
活性、すなわち電荷キヤリアを輸送することがで
きるようになるものである。電荷キヤリア輸送物
質は、目的とする使用領域において可視光線ない
しは輻射線に対して実質的に非吸収性
(nonabsorbing)であるが、光発生した電荷キヤ
リア(例えば、ホール)を粒子状三方晶系の層か
ら注入することができ該キヤリヤを活性層を通つ
て輸送して活性層の自由表面上の表面電荷を選択
的に放電させることができるという点においては
「活性」である。
しかしながら、全可視領域において透明な物質
に活性物質の選択を限定するのは本発明の意図す
るところではない。例えば、透明な基体を有する
ものを用いれば、活性物質層(即ち、電荷輸送
層)を光が通過することもなくその基体を通つて
像形成に必要な露光が行なわれる。この場合に
は、使用波長領域において活性層が非吸収性であ
る必要はない。可視領域において活性物質が完全
に透明であることを要しない他の応用例として
は、レーザーから放出される輻射線のように狭バ
ンド輻射の選択的記録、スペクトルパターン認
識、カラーコード複写のごときカラーゼログラフ
イーが挙げられる。
本発明の他の実施例として、支持基体上に存す
る電気的活性な電荷輸送物質から成る第一の層、
該活性層を覆う本発明の光導電性層、および、該
光導電性層を覆う電気的活性な電荷輸送物質から
成る第二の層から構成される像形成部材が挙げら
れる。この部材は米国特許第3953207号に詳しく
記載されており、参考のために本明細書において
もその内容を記載する。
本発明の他の代表的な応用例としては、絶縁性
有機樹脂物質から成るマトリクス物質と、ナトリ
ウム、リチウム、カリウム、ルビジウムおよびセ
シウムのいずれかでドープされた粒子状三方晶系
セレンとから成る光導電性絶縁性層によつて構成
される感光部材が含まれる。該層中に存するドー
プされた粒子状三方晶系セレンの実質的にすべて
のものは粒子−粒子間接触状態にあり、層の全厚
にわたつて交叉する三方晶系セレンから成る多数
の通路を形成している。層の容積を基準にして、
約1〜25%の容積濃度で三方晶系セレンの通路が
存在している。
本発明の効果は、特に添付図面を参照すること
によつて以下の説明から明らかになるであろう。
それらの図面をより良く理解するためには幾つ
かの術語の定義をしておかなければならない。本
明細書において用いる「休止暗減衰(rested
dark decay)」という語は、(感光)部材を休止
(rest)させた後初めて初期表面電位(単位はボ
ルト)にまで荷電し、しかる後暗中に放置した場
合の該部材の電圧降下(即ち、表面電位降下)の
量を意味する。電位の降下は、荷電後0.06秒、荷
電後0.22秒、および荷電後0.66秒で測定する。こ
の「休止暗減衰」においては、テスト(即ち、ゼ
ログラフ法によるサイクル工程)の前に少なくと
も30分間暗中において感光材が休止させられてい
る。
次に、本発明における「疲労暗減衰(fatigue
dark decay)」なる語は、荷電後0.06秒の表面電
位の0.22秒後、更に、0.66秒後における降下を意
味する。これらの測定は、感光材を暗中に保存し
ながら行なわれる。「疲労暗減衰」とは感光剤が
少なくとも1回ゼログラフサイクル工程に供さ
れ、しかる後、放電(電荷消去)され、感光剤が
休止される前(好ましくは、感光剤が荷電された
後、30分経過する前に)テストされることを意味
する。感光剤のプロセス速度は30インチ/秒であ
る。
第1図において、番号10は、支持基体11と
その上に存するバインダ層12から成る像形成部
材を表わす。基体11は、任意の適当な導電性材
料から構成されることが好ましい。代表的な導電
体は、アルミニウム、鋼、ニツケル、真ちゆう、
及びこれらに類似するものから成る。基体は剛性
または可撓性であり、また、従来から存するよう
な任意の厚さをとることができる。代表的な基体
としては、スリーブ、シート、ウエブ、プレー
ト、シリンダおよびドラムから成る可撓性ベルト
が挙げられる。支持基体は、また、ペーパーベー
スの上に存する薄い導電性被覆物;アルミニウ
ム、ニツケル又はヨウ素銅のごとき薄い導電性層
で被覆されたプラスチツク;薄い導電性被覆物、
クロム、または酸化スズで被覆されたガラスのご
とき複合構造をとることもできる。
更に、所望に応じて、電気的絶縁性の基体が用
いられてもよい。この場合においては、従来から
周知のダブルコロナ放電によつて絶縁性部材上に
電荷が保持される。絶縁性基体を用いたり、ある
いは基体を全く用いない他の変形態様としては、
表面を荷電するに際して導電性バツキング部材な
いしはプレート上に像形成部材を置き該バツキン
グ部材と接触させることが挙げられる。像形成
後、像形成部材は導電性バツキングから剥離され
る。
バインダ層は、三方晶系セレン粒子13を含
み、このセレンは、約0.01から約12.0重量%(三
方晶系セレンの重量を基準)のナトリウム、リチ
ウム、カリウム、ルビジウムおよびセシウム又は
これらの混合物から選ばれる任意の材料によつて
ドープされている。ドープされた三方晶系セレン
は、配向されることもなくバインダ14中に無秩
序に分散されている。
バインダ物質は、米国特許第3121006号に開示
されているような任意の電気的絶縁性樹脂から成
る。該特許の内容を本明細書中に参考のために含
ませる。電気的に不活性ないしは絶縁性樹脂を用
いるときには、光導電性粒子間に粒子−粒子接触
が生じていることが重要である。このためには、
バインダ層の容積で少なくとも約15%の量で光導
電性物質が存在していることが必要であり、バイ
ンダ層中における光導電体の最大量には制限は存
しない。マトリクスないしはバインダが活性な物
質から構成されていれば、光導電性物質はバイン
ダ層の体積で約1%又はそれ以下で存在していれ
ばよく、バインダ層中の光導電体の最大量に制限
はない。バインダ層12の厚さは重要ではない。
約0.05から40.0ミクロンの層厚さが満足すべきも
のであることがわかつた。
バインダ物質14は、Saran(ダイケミカル社
が入取できるポリ塩化ビニルとポリ塩化ビニリデ
ンとの共重合体)、ポリスチレン、およびポリビ
ニルブチラールポリマーから成ることもできる。
第1図に示すようなバインダ層12中に使用さ
れている三方晶系セレンは、三方晶系セレンの重
量に基づき約0.01から約12.0重量%の、ナトリウ
ム、リチウム、カリウム、ルビジウムおよびセシ
ウムから成る群から選ばれる物質によつてドープ
されている。好ましいドープ用物質はナトリウム
である。ドープ剤の最も好ましい量は約0.1から
約1.0重量%で存在する。しかしながら、この量
は、バインダの使用に応じて(例えば、電気的に
不活性なバインダが用いられる場合)、変り得る
ものである。基体と電荷発生層(即ち、ドープさ
れた三方晶系セレン)との間に電荷ブロツキング
層を追備させるのが好ましいこともある。
ドープされた三方晶系セレン粒子の好ましい大
きさは、直径が約0.01ミクロンから約10ミクロン
である。ドープされた三方晶系セレン粒子のさら
に好ましい大きさは、直径で約0.1ミクロンから
約0.5ミクロンである。
第1図に示す部材10は、随時、電気絶縁性の
有機樹脂物質によつて被覆されてもよい。
本発明の他の実施態様では、第1図に示す構造
のものにおいて、ドープされた三方晶セレンがバ
インダ層12の厚さ方向にわたつて連続的な通路
すなわち粒子−粒子よる鎖を形成するように修正
される。この修正態様は第2図によつて図示され
ており、該図には、ドープされた三方晶系セレン
13が粒子−粒子鎖を形成している様子が示され
ている。さらに詳しくは、第2図の層12は、層
14の厚さにわたつて存在する多数の交叉する光
導電性連続通路を形成するドープされた三方晶系
セレンから構成され、該光導電性通路は層の体積
を基準にして約1〜25体積%の濃度で存在する。
第2図の層14は、また、ドープされた三方晶系
セレンが層中で粒子−粒子接触をして部材の厚さ
方向にわたつて交叉し合う光導電性通路を形成し
ているものであり、光導電性通路は層の体積を基
準にして約1〜25体積%の濃度で存在している。
第3図に示す像形成部材13は、支持基体11
と該基体上に存するバインダ層12、およびバイ
ンダ層12の上に配備された電荷輸送層15から
成る像形成部材の形状を成している。バインダ層
12は、第1図に記載のバインダ層12と同じ形
状を成し、又同じ物質を含有することができる。
活性層15は、ドープされた三方晶系セレンバ
インダ層からの光発生ホールと電子の注入を受
け、それらのホール又は電子を有機層を通つて輸
送して表面電荷を選択的に放電することができる
透明な有機重合体または非重合性材料から成る。
この特性、即ちホールを輸送することができる
性質を有する重合体は、ヘテロ原子(例えば、窒
素、酸素またはイオウ)を含み得る多核芳香族炭
化水素から成る反覆単位を有することが見出され
た。代表的な重合体としては、ポリ−N−ビニル
カルバゾール(PVK)、ポリ−1−ビニルピレン
(PVP)、ポリ−9−ビニルアントラセン、ポリ
アセナフタレン、ポリ−9−(4−ペンテニル)−
カルバゾール、ポリ−9−(5−ヘキシル)−カル
バゾール、ポリメチレンピレン、ポリ−1−(ピ
レニル)−ブタジエンおよびピレンのN−置換ポ
リアクリル酸アミドが挙げられる。アルキル、ニ
トロ、アミノ、ハロゲンおよびヒドロオキシ置換
重合体を含む上記のごとき重合体の誘導体も含ま
れる。例えば、代表的なものとして、ポリ−3−
アミノカルバゾール、1,3−ジブロモ−ポリ−
N−ビニルカルバゾールおよび3,6−ジブロモ
−ポリ−N−ビニルカルバゾールがあり、そのよ
うな誘導体の一般式は、 である(但し、XおよびYは置換基であり、nは
整数である)。更に、これらの重合体の構造異性
体も含まれ、代表的な例として、ポリ−N−ビニ
ルカルバゾール、ポリ−2−ビニルカルバゾール
およびポリ−3−ビニルカルバゾールが挙げられ
る。共重合体もまた含まれ、代表的な例は、N−
ビニルカルバゾール/メチルアクリレート共重合
体、および1−ビニルピレン/ブタジエンの
ABA、およびABブロツク重合体が挙げられる。
代表的な非重合性物質としては、カルバゾール、
N−エチルカルバゾール、N−フエニルカルバゾ
ール、ピレン、テトラフエン、1−アセチルピレ
ン、2,3−ベンゾクリセン、6,7−ベンゾピ
レン、1−ブロモピレン、1−エチルピレン、1
−メチルピレン、ペリレン、2−フエニルインド
ール、テトラセン、ピセン、1,3,6,8−テ
トラフエニルピレン、クリセン、フルオレン、フ
ルオレノン、ペンタスレン、トリフエニレン、
1,2,5,6−ジベンズアントラセン、1,
2,3,4,−ジベンズアントラセン、2,3−
ベンゾピレン、アトラキノン、ジベンゾチオフエ
ン、ナフタレン、および1−フエニルナフタレン
が挙げられる。非重合物質は機械的性質が劣性で
あるので、活性な重合物質か又は不活性な重合体
バインダと一緒に用いられることが好ましい。代
表的な例としては、活性重合体としてのポリ−N
−ビニルカルバゾール中にカルバゾールを混合さ
せたもの、又は非活性バインダ中にカルバゾール
を混合させたものが挙げられる。非活性バインダ
物質としては、ポリカーボネート、ポリアクリレ
ート、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタ
ン、およびセルロース重合体が挙げられる。
使用する重合体(少分子量の簡単な化学構造単
位の反復によつて構成される大分子)は、その反
復単位が適当な芳香族炭化水素(例えば、カルバ
ゾール)を含み、且つ、ホールの注入と輸送を支
持するものであるということを理解しておかねば
ならない。(しかしながら)輸送層として用いら
れ得る重合体の種類を限定するのは本発明の意図
するところではない。ポリエステル、ポリシロキ
サン、ポリアミド、ポリウレタンおよびエポキシ
類は、ブロツク共重合体、ランダム共重合体また
はグラフト共重体(芳香族反復単位を含有するも
の)と同様に、活性物質として採用され得る各種
の重合体の例である。更に、不活性重合体又は非
重合物質と活性重合体とから成る適当な混合物も
使用され得る。ある種の非活性物質の一つの機能
は、可塑剤として使用して活性重合体層の機械的
性質を向上させることにある。代表的な可塑剤と
しては、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ
カーボネート樹脂、1−フエニルナフタレンおよ
び塩素化ジフエニルが挙げられる。
上部の輸送層15は、必要な透明性を有すると
共に負電荷キヤリアを輸送する性質を示す芳香族
又は複素環式化合物から成る電子受容(アクセプ
ター)物質である。本発明の範囲にある代表的な
電子受容物質としては、無水フタル酸、四塩化無
水フタル酸、ベンジル、無水メリツト酸、S−ト
リシアノベンゼン、塩化ピクリル、2,4−ジニ
トロクロロベンゼン、2,4−ジニトロブロモベ
ンゼン、4−ニトロビフエニル、4,4−ジニト
ロビフエニル、2,4,6−トリニトロアニソー
ル、トリクロロトリニトロベンゼン、トリニトロ
−O−トルエン、4,6−ジクロ−1,3−ジニ
トロベンゼン、4,6−ジブロモ−1,3−ジニ
トロベンゼン、P−ジニトロベンゼン、クロルア
ニル、ブロムアニル、およびこれらの混合物が挙
げられる。更に、活性輸送層15に使用されるの
に好適な物質に範囲内にあるものとしては、上述
の物質の(化学)構造を適正に修正したものも含
まれる。但し、それらの修正化合物は所望の電荷
キヤリア輸送特性を有するものでなければならな
い。
必要な透明特性を有する芳香族または複素環化
合物から成る電子受容体はすべて本発明の範囲内
にあるものであるが、特に、ニトロ基(−
NO2)、スルホン酸イオン(−SO3)、カルボキシ
基(−COOH)およびシアノ基(−CN)のごと
き強い電子吸引置換基の一つ以上を有する芳香族
化合物または複素環式化合物によつて良好な電子
輸送特性が得られる。この種類の物質としては、
適応性と優れた電子輸送性を有するために、2,
4,7−トリニトロ−9−フルオレノン
(TNF)、2,4,5,7−テトラニトロフルオ
レノン、トリニトロアントラセン、ジニトロアク
リデン、テトラシアノピレン、およびジニトロア
ントラキノンが好ましいものである。
当業者には明らかなように、重合体としての全
体構造中に上述のごとき芳香環又は複素環から成
る電子受容体部分を有する任意の重合体は活性輸
送物質として作用する。輸送物質として使用され
得る重合体の種類を限定するのは本発明の意図す
るところでなく、そのような重合体は活性な電子
受容体部分を有して電子輸送性のある重合体であ
ればよい。従つて、そのような芳香環部分を含有
するブロツク共重合体、ランダム共重合体または
グラフト共重合体と同様に、ポリエステル、ポリ
シロキサン、ポリアミド、ポリウレタン、および
エポキシも使用できる各種の重合体の例の中に含
まれる。更に、後述するように、電子的に不活性
な重合体の中に活性な電子受容物質が高濃度で分
散されたものも採用され得る。
活性層はホール又は電子を輸送する作用を行な
うのみならず、更に、摩耗又は化学的侵食から光
導電性層を保護し、かくして感光像形成部材の操
作寿命を長くする。
第3図および第4図の層15によつて形成され
る電子的活性層ないしは活性層とは、該物質が、
発生物質(即ち層12)からの光発生したホール
または電子の注入を支持し、且つ、該ホール又は
電子を活性層15を通つて輸送して活性層15上
の表面電荷を放電させることができることを意味
する。
活性層、即ち電荷輸送層15が透明でなければ
ならないことが要求される理由は、輻射線の大部
分が電荷発生層12によつて利用され充分な光発
生が起こるからである。
電荷輸送層15は、ゼログラフ法において有用
な波長の光(即ち、4000〜8000オングストロー
ム)に露光されても無視し得る程度の放電しか起
こさない。したがつて、電荷輸送層15は光導電
体が使用される領域の輻射線に対しては実質的に
透明である。活性層15は実質的に非光導電性物
質であり、発生層12からの光発生ホールの注入
を支持するものである。
上述のように、活性物質を選択するに際して全
可視領域において透明な材料に限定することは本
発明の意図するところではない。例えば、透明な
基体を用いれば、活性物質の層に光を通過させる
こともなく該基体を通つて像形成に必要な露光を
行なわせることもできる。
本発明において発生層12と一緒に使用される
活性層は、照射の存在しないときには活性輸送層
上の静電荷が伝導されない(即ち、活性輸送層上
で静電潜像を形成させ且つ保持させない)程度の
絶縁性である物質である。
一般的には活性層の厚さは約5〜100ミクロン
であるべきであるが、この範囲外の厚さも使用さ
れ得る。電荷発生層12に対する活性層15の厚
さの比は約2:1から200:1に保持すべきであ
り、場合によつては400:1のごとき大きな値で
もよい。しかしながら、この範囲外の比も使用さ
れ得る。
本発明の他の実施例においては、第3図の構造
を修正してナトリウムでドープされた三方晶系セ
レン粒子がバインダ層12にわたつて連続的な鎖
を形成するようにする。この態様は第4図に示さ
れており、該図においては、ドープされた三方晶
系セレン粒子物質13が連続鎖を形成しているこ
とを除いては第3図のものと基本構造と材料は同
じである。同様の図は第2図においても粒子物質
13に対して示されている。
本発明の各種の実施例の他の一つにおいては、
部材が電気絶縁性物質によつて被覆されてもよ
い。そのような被覆層を用い、そして基体と光導
電性(すなわち電荷発生)層との間に電気ブロツ
キング層を用いない場合においては、その電気ブ
ロツキング層の代わりに電荷注入層を用いるべき
である。電気絶縁性被覆層を用いるときには基体
と光導電性層との間に電荷を注入するための接触
が存しなければならない。
本発明の別の実施態様においては、第1図の層
12や第2図の層12に類似する層から成る光導
電性層が、TNFのごとき電子輸送物質を電気的
不活性バインダ中に含ませたものやPVK/TNF
(ポリビニルカルバゾール/2,4,7−トリニ
トロ−9−フルオレノン)からなる複合物とホー
ル輸送物質層との間にサンドイツチ状に挟持され
てもよい。TNFが単独で用いられる場合には、
TNFは不活性な重合体物質の中に混合されて層
の機械的強度を大きくするようにすることが好ま
しい。この形状は正電荷によつてゼログラフ像形
成するに際して用いられるのに好適である。輸送
層の位置が逆になれば、負電荷を用いるのに好適
になる。かくして、広い意味では、この態様は三
層の複合感光体から成るものといえる。このよう
な装置は第1図および第2図における層12のご
とき光発生層(即ち、ドープされた三方晶系セレ
ンがバインダ中に無秩序に又は幾何学的に分散さ
れたもの)が2つの電気的活性層によつてサンド
イツチ状に挟持されることから成る。上述したよ
うに、一つの実施態様においては、片方が正電荷
即ちホールを輸送する層であり他方が電子即ち負
電荷を輸送する層である二層間で挟持ないしは積
層されている。
他の実施態様においては、両側共をホール及び
電子を輸送する層、例えば両側共をPVK/TNF
複合物で構成してもよい(片側を充分に薄くして
発生層までに光が吸収されるようにする)。
本明細書において用いる「電気的活性
(electrically active)」なる語は、物質が発生層
からの光発生電荷キヤリアの注入を支持すること
ができ、且つ該電荷キヤリアを活性層を通つて輸
送して活性層の表面電荷を放電させることができ
ることを意味する。
本明細書中で用いる「電気的不活性
(electrically inactive)」なる語は、物質が、発
生層からの光発生電荷キヤリアの注入を支持する
ことができず、その電荷キヤリアを該物質を通つ
て輸送することができないことを意味する。
本明細書中で「電荷キヤリア(charge
carrier)」という語を用いた場合、その語は光発
生したホールと電子の両方を意味する。
第3図と第4図において、活性層15は、電気
的不活性の重合体物質に対して有用な添加物であ
つて該物質を電気的活性にする活性用化合物から
成すことができる。次に挙げる化合物が電子的不
活性な重合体物質(即ち、発生物質からの光発生
ホールの注入を支持することができず、該ホール
を輸送することができない物質)に添加されて、
該電気的不活性重合体物質を電気的活性、すなわ
ち、発生物質からの光発生ホールの注入を支持す
ることができ且つ該ホールを活性層を通つて輸送
して活性層上の表面電荷を放電することができる
ようにする。
本発明の好ましい態様の一つにおいては、次に
挙げる化合物から成る活性用化合物を添加するこ
とによつて電気的不活性の樹脂物質を電気的活性
にすることから成る電気的活性層によつて、第3
図および第4図に示す活性層15が構成される: (1) 次式で表わされるN,N′−ジフエニル−N,
N′−ビス(フエニルメチル)−〔1,1′−ビフエ
ニル〕−4,4′−ジアミン 有機バインダ中に分散されたN,N′−ジフ
エニル−N,N′−ビス(フエニルメチル)−
〔1,1′−ビフエニル〕−4,4′−ジアミンは、
隣接する発生層(即ち、光導電性層)と共に使
用され電子写真法において荷電−光放電サイク
ルに供されるときにはトラツピングを起こすこ
となく極めて効率的に電荷を輸送することが見
出された。何千回ものサイクル工程にわたつて
残留電位の蓄積は生じない。
バインダ中に分散されたN,N′−ジフエニ
ルN,N′−ビス(フエニルメチル)−〔1,1′−
ビフエニル〕−4,4′−ジアミンが電荷発生層
(即ち、光導電性層)に隣接して用いられると
きには、発生層で光発生し該層から注入される
電荷の界面トラツピングは生じない。バインダ
中に分散されたN,N′−ジフエニル−N,
N′−ビス(フエニルメチル)−〔1,1′−ビフエ
ニル〕−4,4′−ジアミンを含有するこのよう
な輸送層が紫外線照射に供されるときには、電
荷輸送の劣化は起こらない。
(2) 電気的不活性の重合体物質に添加されて該物
質を電気的活性にする他の活性用化合物は、 但し、R1は、水素、オルト−CH3、メタ−
CH3、またはパラ−CH3から成る群から選ば
れ、R2は、オルト−CH3、メタ−CH3、及び
パラ−CH3から成る群から選ばれる。
好ましい物質は、N,N′−ジフエニル−N,
N′−ビス−(2−メチルフエニル)−〔2,2′−
ジメチル−1,1′−ビフエニル〕−4,4′−ジ
アミン;N,N′−ジフエニル−N,N′−ビス
(3−メチルフエニル)−〔2,2′−ジメチル−
1,1′−ビフエニル〕−4,4′−ジアミン;N,
N′−ジフエニル−N,N′−ビス(4−メチル
フエニル)−〔2,2′−ジメチル−1,1′−ビフ
エニル〕−4,4′−ジアミン;N,N,N′,
N′−テトラ(2−メチルフエニル)−〔2,2′ジ
メチル1−1,1′−ビフエニル〕−4,4′−ジ
アミン;N,N′−ビス(2−メチルフエニル)
−N,N′−ビス(3−メチルフエニル)−〔2,
2′−ジメチル−1,1′−ビフエニル〕−4,4′−
ジアミン;N,N′−ビス(2−メチルフエニ
ル)−N,N′−ビス(4−メチルフエニル)−
2,2′−ジメチル−1,1′−ビフエニル〕−4,
4′−ジアミン;N,N′−ビス(3−メチルフエ
ニル)−N,N′−ビス(2−メチルフエニル)
−2,2′−ジメチル−1,1′−ビフエニル〕−
4,4′−ジアミン;N,N,N′,N′−テトラ
(3−メチルフエニル)−〔2,2′−ジメチル−
1,1′−ビフエニル〕−4,4′−ジアミン;N,
N′−ビス(3−メチルフエニル)−N,N′−ビ
ス(4−メチルフエニル)−〔2,2′ジメチル−
1,1′−ビフエニル〕−4,4′−ジアミン;N,
N′−ビス(4−メチルフエニル)−N,N′−ビ
ス(2−メチルフエニル)−〔2,2′−ジメチル
−1,1′−ビフエニル〕−4,4′−ジアミン;
N,N′−ビス(4−メチルフエニル)N,
N′−ビス(3−メチルフエニル)−〔2,2′−ジ
メチル−1,1′−ビフエニル〔−4,4′−ジア
ミンおよびN,N,N′,N′−テトラ(4−メ
チルフエニル)−〔2,2′−ジメチル−1,1′−
ビフエニル〕−4,4′−ジアミンである。
最も好ましい物質は次のものである。
N,N,N′,N′−テトラフエニル−〔2,
2′−ジメチル−1,1′−ビフエニル〕−4,4′−
ジアミン: N,N,N′,N′−テトラ−(3−メチルフエ
ニル)−〔2,2′ジメチル−1,1′−ビフエニ
ル〕−4,4′−ジアミン: N,N′−ジフエニル−N,N′−ビス(3−
メチルフエニル)−2,2′−ジメチル−1,
1′−ビフエニル〔4,4′−ジアミン: 電気活性層、即ち、光発生ホール輸送層15
は、目的とする使用領域における可視光線ない
しは輻射線に対して実質的に非吸収性である
が、光導電性層、即ち、電荷発生層からの光発
生ホールの注入を許し、電気的活性な電荷輸送
層を通つてこの光発生ホールを輸送して活性層
の表面上に存するか又は基体と輸送層との界面
に存する表面電荷を選択的に放電させる点にお
いては「活性」である。
従来技術とは異なり本発明のN,N,N′,
N′−テトラアリール−ビトリルジアミン類が
有機バインダ中に分散すると、該層が発生層に
隣接して使用され電子写真法において荷電/光
放電サイクルに供されたときには、電荷のトラ
ツピングを生じることなく電荷を極めて効率的
に輸送することが見出された。何千サイクルに
わたつても残留電位の蓄積は起こらない。
(3) 電気的不活性な重合体物質に添加されて該物
質を電気的活性にする他の化合物は次のもので
ある。
但し、Xはオルト−CH3、メタ−CH3、パラ
−CH3、オルト−Cl、メタ−Clおよびパラ−Cl
から成る群から選ばれる。上式の化学名はN,
N′−ジフエニル−N,N′−ビス(アルキルフ
エニル)−〔1,1′−ビフエニル〕−4,4′−ジ
アミンであり、但し、アルキルは2−メチル、
3−メチルおよび4−メチルから成る群から選
ばれる。又は、上記化合物はN,N′−ジフエ
ニル−N,N′−ビス(ハロフエニル)−〔1,
1′−ビフエニル〕−4,4′−ジアミンとである
とも言え、但し、ハロ(ハロゲン)は2−クロ
ロ、3−クロロおよび4−クロロから成る群か
ら選ばれる。
バインダ中に分散された本発明の置換N,
N,N′,N′−テトラフエニル−〔1,1′−ビフ
エニル〕−4,4′−ジアミンが電荷発生層に隣
接して輸送層として用いられるときには、発生
層で光発生し該層から注入された電荷の界面ト
ラツピングは生じない。紫外線照射に供された
ときには、本発明の置換N,N,N′,N′−テ
トラフエニル−〔1,1′−ビフエニル〕−4,
4′−ジアミン類を含有する輸送層中では電荷輸
送の劣化は起こらなかつた。
更に、バインダ中に分散された本発明の置換
N,N,N′,N′−テトラフエニル−〔1,1′−
ビフエニル〕−4,4′−ジアミンは高負荷にお
いても充分に高い(Tg)を有し、前に論じた
ように低い(Tg)に伴なう問題を解決した。
(4) 電気的不活性な重合体物質に添加されて該物
質を電気的活性にする他の活性用化合物は、次
の式で表わされるビス−(4−ジエチルアミノ
−2−メチルフエニル)フエニル−メタンであ
る。
上述の電荷輸送層のすべてにおいて、電気的不
活性な重合体物質を電気的活性にする活性用化合
物は、約15から75重量パーセント、好ましくは、
約25から50重量パーセントの量で存在すべきであ
る。
活性層15は、米国特許第3121006号に記載さ
れているごとき電気的不活性樹脂物質の任意のも
のから成ることができ、該特許の内容を本明細書
中においても記す。
電気的不活性な樹脂物質の好ましいものはポリ
カーボネート樹脂である。好ましいポリカーボネ
ート樹脂は、約20000から約100000、好ましくは
約50000から約100000の分子量(MW)を有する。
電気的不活性の樹脂物質として最も好ましい物
質は、ゼネラルエレクトリツク社からLexan145
として入取できる分子量(MW)約35000から約
40000のポリ(4,4′−イソピロピリデン−ジフ
エニレンカーボネート;ゼネラルエレクトリツク
社からLexan141として入取できる分子量(MW
約40000から約45000のポリ(4,4′−イソプロピ
リデン−ジフエニレン−カーボネート);フアー
ベンフアブリケンバイヤ社(Farbenfabricken
Bayer A.G.)からMakrolonとして入取できる
分子量(MW)約50000から100000のポリカーボ
ネート樹脂;及びモーベイケミカル社(Mobay
Chemical Company)からMerlonとして入取で
きる分子量(MW)20000から約50000のポリカー
ボネート樹脂である。
代りに、上述したように、活性層15は光発生
した電子を輸送物質から成ることもできる。
第5図(例1)は、光導電性物質として(ドー
プされていない)三方晶系セレンが電気的活性な
バインダ中に分散されたものを(電荷)発生層と
し、輸送層で被覆されたことから成る感光体の休
止暗減衰と疲労暗減衰を示している。この部材は
例に記すような方法で作られた。負コロナ電荷
密度は約1.2×10-3c/cm2であり部材の厚さは約25
ミクロンであつた。荷電の前に部材は約15時間、
暗中で休止させた。しかる後、該部材を最初1280
ボルトの最大値まで荷電(荷電後0.06秒の測定
値)した。感光材を暗中で維持しながら22秒後で
は、その休止暗減衰は60ボルトであつた(即ち、
表面電位は1220ボルトに降下した)。0.66秒後に
おいては、表面電位は1140ボルトとなり、140ボ
ルトの暗減衰があつたことが示された。
第5図に示すように、部材を最初1100ボルト
(荷電後0.06秒の測定値)の最大値まで荷電する
ことによつて疲労暗減衰を得た。この最大値は、
休止暗減衰において部材が当初荷電されることが
できた値よりも180ボルト低い。暗中で0.22秒間、
保持された後、部材は放電して920ボルトとなり
疲労暗減衰は180であることを示した。0.66秒後
には部材は放電して770ボルトとなり、疲労暗減
衰は330ボルトであることを示した。
この暗減衰は、0.22秒後から0.66秒間の表面電
位変化と、0.22秒後における表面電位との比(パ
ーセント)として表わすと便利であり、例えば、
サンプル1においては、休止暗減衰及び疲労暗減
衰について、それぞれ8%および16%である。
第5図から理解されるように、初期(即ち、15
時間の暗中休止後)の部材の表面上に存する電荷
の電圧は、ドープされた部材に関しては、ゼログ
ラフサイクル後の部材表面上の電荷電圧と殆んど
同じである。しかしながら、ドープされていない
三方晶系セレンについては、表面電位の値に測定
可能な差が存する。換言すれば、休止暗減衰と疲
労暗減衰間の降下は、ドープされていないものに
ついては大きく、ドープされたものについては低
い。
第5図に示すサンプル1、即ち、ドープされて
いない三方晶系セレンにおいては、休止部材(即
ち、少なくとも15時間、ゼログラフによるサイク
ル工程を受けなかつた部材)に対する疲労部材
(即ち、少なくとも30分間、ゼログラフ法による
サイクル工程を受け放電された部材)の荷電後、
0.06秒、0.22秒、および0.66秒における表面電位
の差は、それぞれ、180、300および370ボルトで
ある。しかしながら、ドープされたサンプル(即
ち、第5図におけるサンプル2〜8)において
は、実験の測定誤差範囲内において殆んど差はな
い。
第5図(サンプル1〜8)から、感光材の光導
電性物質として使用するに当たり三方晶系セレン
をナトリウムでドープすることによつて次の事が
示されている:(1)ドープされていない三方晶系セ
レンを含有する感光剤の疲労後の表面電位は、ド
ープされた疲労三方晶系セレンを含有する感光剤
の表面電位よりも小さい。即ち、ドープされた部
材の疲労したものは、ドープされた部材の疲労し
たものよりも多くの電荷を受容(しかも、該ドー
プされた部材が休止させられた場合と同程度に)
する。ドープされない部材の表面電位は、ドープ
された部材の表面電位よりも、はるかに小さく、
はるかに速い。(2)更に、ドープされた部材の休止
暗減衰及び疲労暗減衰に比べて、ドープされない
部材は暗中0.06秒、0.22秒および0.66秒後におけ
る休止暗減衰および疲労暗減衰の双方とも大き
い。
第6図は、光導電性物質としてドープされた三
方晶系セレンとドープされない三方晶系セレンを
含有する部材の光誘起放電曲線(photo−
induced discharge curyes:PIDC)を示すもの
であり、これらのPIDCはエルグ/cm2で表わす感
光剤中の露光に対する表面電位を示すものであ
る。各サンプルのPIDCは、2つの異なる時間、
即ち、露光後0.06秒および露光後0.5秒において
採取した。30インチ/秒の感光剤プロセス速度に
対して、荷電後0.16秒において露光装置を設置す
る。第5図のサンプル1のPIDCはグラフの下方
の2つの曲線として示されている。その上方の2
つのPIDCは、第5図のサンプル3に対するもの
である。次の2つのPIDCは第5図のサンプル4
に対するものである。更に次の2つのPIDCはサ
ンプル6に対するものである。次のPIDCはサン
プル7に対するものであり、最上方のPIDCがサ
ンプル8に対するものである。
四角で囲まれた点は露光後0.5秒のPIDC点であ
り、丸で囲まれた点は露光後0.06秒のPIDC点で
ある。
第6図を調べると、部材1即ち、第5図のサン
プル1(ドープされない三方晶系セレンを含有す
る感光剤)に関しては、露光後0.06秒後のPIDC
と露光後0.5秒のPIDCが時間と共に変化している
ことからそのPIDCが不安定であることが明らか
である。しかしながら、ドープされた三方晶系セ
レンを含有する部材3(第5図のサンプル3)は、
部材6,7および8と同様にPIDCは安定である。
即ち、露光後0.06秒と露光後0.5秒との間では、
PIDCは時間によつてほんの僅少しか変化しない。
事実、部材7および8においては、露光後0.06秒
のPIDCと露光後0.5秒のPIDCは殆んど同じであ
り、PIDCの変化はない。これらの曲線は互いに
重ね合わせることができる。かくして、感光剤中
に含有される三方晶系セレンをドープすることに
よつて、感光剤から暗減衰を除去できるか又は少
なくとも制御することができて、これらのドープ
された部材のPIDCを安定化することになる。最
も重要なことは、ドープされた部材においては、
PIDCが時間の函数として変化しないことである。
しかしながら、ドープされない部材においては、
PIDCは時間の函数として変化する。この事実は、
像形成能に大きく影響する。例えば、複写機がベ
ルト形状の感光剤を用い該感光剤がドープされな
いセレンであつて部材がフラツシユ露光された場
合、ベルトは通常は現域域まで移動する。ベルト
上の潜像の先端(loading edge)は像の後端
(frailing edge)より前に現域域に進む。この場
合、ドープされない部材のPIDCは時間の函数と
して変化するから、感光剤の先端におけるPIDC
は後端におけるPIDCと異なることになる。かく
して、現像された潜像は満足できないものとなる
であろう。PIDCは一端から他端の間で許容でき
ない程度に変化してしまう。この影響は感光剤の
プロセス速度の函数として変わり、即ち、該速度
が大きくなればなるほど該影響も大きくなる。光
導電性物質としてドープされた三方晶系セレンを
含有する感光剤を用いた場合にはこのようなこと
は起こらない。なぜならば、そのような部材の
PIDCは時間の函数として変化しないからである。
そして、このような条件によつて良好な印写特性
が得られる。
第6図に示す各サンプルのPIDCから理解され
るように、サンプルの感度はすべてNaのドーピ
ング濃度の函数である。更に、第5図から解るよ
うに、暗減衰もNaドーピング濃度の函数である。
かくして、Naドーピング濃度に応じて、PIDCは
安定となり、時間と共に変化しなくなる。しかし
ながら、上述のように、ドープされていない部材
においては感度が許容できるものであつても、該
部材(サンプル1)はPIDCが不安定であり、時
間と共に変化する。更に、暗減衰は許容できない
ものである。
好ましい態様の一つにおいては、粒子状の三方
晶系セレンがナトリウムに露される。好ましい方
法は、水酸化ナトリウムによつて三方晶系セレン
を洗うことである。三方晶系セレンを水で洗い、
しかる後、ナトリウム溶液で洗つてもよい。三方
晶系セレンの各粒子の外部表面上のナトリウムの
量は、水酸化ナトリウム濃度を変えることによつ
て変えることができる。この方法によれば、三方
晶系セレン粒子の内部表面上のナトリウムの量も
変化させる。過剰のナトリウム(例えば、水酸化
ナトリウム)が除去され、残るナトリウムの量に
応じて、三方晶系セレンの電気的性質が変化す
る。ナトリウムの好ましい量は、存在する三方晶
系セレンの全重量を基準にして、約0.01重量パー
セントから1.0重量パーセントの範囲で変化する。
しかしながら、0.01から12.0重量%が用いられ
る。水酸化ナトリウムの他には、炭酸ナトリウム
(Na2CO3)、重炭酸ナトリウム(NaHCO3)、酢
酸ナトリウム(NaC2H3O2)およびセレン酸ナト
リウム(Na2SeO3)が溶液中にナトリウムを導
入するために用いられ得る。更に、この他の塩を
使用することもできる。同様にして、リチウム、
カリウム、ルビジウムおよびセシウムの水酸化物
および塩を用いることもできる。
好ましくは、粒子状三方晶系セレンの大きさは
その直径が約0.01ミクロンから約10ミクロンの範
囲にあり、最も好ましい大きさは直径が約0.1ミ
クロンから0.5ミクロンである。この大きさは、
三方晶系セレンの粒子が表面/体積比の高い値を
有するという点において重要である。比較的に小
さな(セレン)粒子の表面に比較的大量のナトリ
ウムが配備される。これによつて、暗減衰の表面
因子が制御される。しかしながら、これらの粒子
はまた、小さな割れ目や裂け目を有していること
が好ましい。ドープ剤(例えば、ナトリウム、リ
チウム、カリウム、ルビジウム及びセシウム)が
該割れ目や裂け目中に沈着することが好ましい。
これが、三方晶系セレン粒子の体積全体としての
暗減衰(バルク暗減衰)を制御する助けとなる。
即ち、ドープ剤をそのような割れ目や裂け目に導
入すると、バルクにおける電荷のトラツピングを
制御し除け助けとなる。かくして、三方晶系セレ
ン粒子の外部表面と内部表面の両方がドープされ
ていることになる。更に、三方晶系セレン粒子の
内部表面(即ち、割れ目や裂け目)をドープする
ことによつて、光のすべてが該粒子の表面まで停
止するわけではなく粒子の内側、即ち内部まで進
行し、そこで該物質(三方晶系セレン)を励起す
るのであろう。ドープ剤が割れ目や裂け目に配置
されたときには、該ドープが暗放電を除く助けと
なる。即ち、ドープ剤は、三方晶系セレンの各粒
子のバルク放電を助ける。前に述べたように、三
方晶系セレン粒子の表面と内部の両方が、該粒子
の表面と割れ目(裂け目)との両方に存在するド
ープ剤によつて助けられるものと考えられる。
NaOH,NaHCO3,NaCO3および
CH3COONaおよびNa2SeO3のごとき塩も、Seを
水と反応させて得られた調製液から残存するセレ
ン酸(H2SeO3)を中和する作用をする。
次の例は、ドープされた三方晶系セレンを含有
する部材を作る方法に関連して本発明を明確にす
る。特に言及していない限りは、パーセントは重
量による。これらの例は、本発明の各種の好まし
い実施の態様を示すためのものである。
例 ドープされない三方晶系セレンの調製:磁気ス
ターラを備えた500mlのエーレンマイヤーフラス
コで、試薬級水酸化ナトリウム(NaOH)100g
を100mlの脱イオン水中に溶解させる。溶解が終
了したとき、X−級の無定形セレンのビード
(Canadian Copper Refineriesから入取できるも
の)23.7gを添加する。得られた溶液を85℃にお
いて5時間撹拌する。しかる後、脱イオン水を添
加して全体積を300mlにする。溶液を1分間撹拌
する。熱を除去し、溶液を少なくとも18時間消化
させる。
上記の溶液は、その後、粗いフリツトガラスの
ロートを通して、3700mlの脱イオン水を含有する
真空ガラス中にろ過する。添加中、水は撹拌され
ていなければならない。全体積は4である。溶
液を5分間撹拌する。30パーセントの試薬級過酸
化水素(H2O2)の10mlを2分間で溶液に一滴ず
つ添加する。溶液を更に30分間撹拌する。しかる
後、溶液から三方晶系セレンが沈殿し、適当な大
きさの粒子状三方晶系セレンが生成する。沈殿し
た三方晶系セレン(個体)を沈降させる。その
後、上澄をデカントし、且つそれを脱イオン水で
置換する。上澄の抵抗が脱イオンの抵抗に等しく
なるまで、この洗じよう操作を繰り返す。その
後、三方晶系セレン(ドープされていない)をNo.
2ろ紙でろ別する。このドープされていない三方
晶系セレンを、空気を強制対流させているオーブ
ン中において18時間60℃で乾燥する。最終的に得
られるドープされていない三方晶系セレン粉のナ
トリウム含有量は20ppmであり、他の金属不純物
は20ppmよりも少ない。収率は80パーセントであ
る。
例 ドープされない三方晶系セレンの調製:磁気ス
ターラ及び滴下ロートを備えた500mlのエーレン
マイヤーフラスコ中に、試薬級水酸化ナトリウム
(NaOH)100gを入れ、100mlの脱イオン水に溶
かす。溶解が終了したときに、CCR(Canadian
Copper Refineries)から入取できるX−級無定
形セレンビードの23.7gを添加する。しかる後、
溶液を85℃に加熱し、5時間撹拌する。それから
脱イオン水を添加して溶液の全体積を300mlにす
る。溶液を1分間撹拌する。熱を除去し、溶液を
少なくとも18時間消化させておく。粗いフリツト
ガラスロードを通して、上記溶液を脱イオン水を
含有するフラスコ中にろ過する。添加中は水は撹
拌されていなければならない。水の量は、沈殿が
生じたときに、スラリの全体積が4となるよう
にする。次の酸のうちの一つの化学量論的量を添
加する:12規定HClの208、16規定HNO3の150
ml、36規定H2SO4の70ml、17.4規定CH3COOHの
138ml、又はH2SeO3の155g、これを稀釈して所
望の濃度(普通は1.2規定)とする。しかる後該
溶液をできるだけ迅速にポリセレニド(ポリセレ
ン化物)溶液に添加する。用いる一つの操作にお
いては、酸を2に稀釈(1.2規定)し、ポリセ
レニド溶液2に添加する。添加後、溶液を1/2
時間撹拌する。粒径は所望のとおりである。
続いて行なう特別の操作は、該固体(即ち、沈
殿した三方晶系セレン)を沈降させることであ
る。上澄をデカントし、それを脱イオン水で置換
する。上澄の抵抗が脱イオン水の抵抗に等しくな
るまで洗じよう操作を繰り返す。しかる後、三方
晶系セレンを、No.2のろ紙上でろ過する。空気を
強制対流させているオーブン中で、セレンを60℃
で18時間にわたつて乾燥させる。最終的に得られ
るドープされていない三方晶系セレン粉中のナト
リウム含有量は20ppmである。他の金属不純物は
20ppmよりも少ない。収率は95パーセントであ
る。
例 ナトリウムでドープされた三方晶系セレンの調
製:例または例のいずれかの方法で作られた
三方晶系セレンを用いる。該三方晶系セレンは完
全に洗じようされ、できるだけ多くの上澄をデカ
ントしなければならない。しかる後、0.6N(規
定)の水酸化ナトリウム(NaOH)溶液を再度
添加して体積を4とする。NaOHの代わりに、
0.6NのNa2CO3、NaHCO3,CH3COONa,
Na2SeO3を用いてもよい。溶液は1/2時間撹拌さ
れなければならない。18時間固体を放置して沈降
させ、且つ水酸化ナトリウム(NaOH)又は
Na2CO3,NaHCO3,CH3COONa,Na2SeO3
液と接触したままの状態にしておく。溶液をデカ
ントし、上澄を保持する。ドープされた三方晶系
セレンをNo.2ろ紙でろ過する。保持した上澄でビ
ーカーとロートを洗う。空気を強制対流させたオ
ーブン内で、ドープされた三方晶系セレンを60℃
で18時間乾燥させる。ナトリウム濃度は、三方晶
系セレンの重量を基準にして約1.0重量パーセン
トである。他の金属不純物はすべて30ppmより少
ない。
例 電気的活性な樹脂バインダ中に分散されたドー
プされない三方晶系セレンを含有する部材の調
製:5ミルのアルミナイズドMylar基体を塩化メ
チレン(CH2Cl2)で洗う。そして、該アルミナ
イズドMylar基体を環境温度で乾燥させる。温度
20パーセント以下及び温度82〓のグラブボツクス
中で、クロロホルム(CHCl3)とトリクロロエタ
ン(体積比4:1)中に溶かした1/2パーセント
のデユポン49000接着剤(デユポン社販売のポリ
エステル)の層を該基体上にバード(Blrd)ア
プリケータで塗着する。該層の湿潤時厚さは1/2
ミルである。この層をグラブボツクスで1分間、
さらに、100℃のオーブン中で10分間乾燥させる。
上記の方法の代わりに、アルミナイズドMylay
に、エタノールに溶かした1/2%のモンサント
(Monsant)B72A(ポリビニルブチロール)をバ
ードアプリケータで塗着してもよい。この場合、
湿潤時厚さは1/2ミルである。この層をグラブボ
ツクス中で1分間、更に、100℃のオーブン中で
10分間乾燥させる。
20体積%のドープされない三方晶系セレンを含
有する発生層は次のように調製される: 2オンスのコハク製びんの中に、0.8グラムの
精製PVKと14mlの1:1THF/トルエンを添加
する。この溶液に、100gの1/8インチのステンレ
ス鋼シヨツトと0.8gのドープされない三方晶系
セレンを添加する。この混合物を72時間ボールミ
ル上に配置する。しかる後、得られる溶液をバー
ドアプリケータで上記の界面層上に被覆する。湿
潤時の厚さは1/2ミルである。しかる後、こうし
て得られた部材を真空下に100℃で13時間焼成す
る。乾燥厚さは2ミクロンである。
例 活性バインダ中に分散されたドープされない三
方晶系セレンを含有する部材の調製:5ミルのア
ルミナイズドMylar基体を塩化メチレンで洗う。
このアルミナイズドMylar基体を環境温度下に乾
燥させる。湿度20パーセント以下、温度82℃のグ
ラブボツクス中で、CHCl3(クロロホルム)に溶
かした1パーセントのHytrel(デユポン社販売の
ポリエステルブロツク重合体)の層を1/2ミルの
バードアプリケータで基体上に塗着する。層の湿
潤時厚さは1/2ミルである。この層をグラブボツ
クス内で1分間、更に、100℃のオーブン内で5
分間乾燥させる。しかる後、ベンゼンに溶かした
1パーセントPVKから成る第二の層をバードア
プリケータで塗着する。湿潤層が1/2ミルになる
ように塗着する。この層をグラブボツクス内で1
分間、更に、100℃オーブン中で5分間乾燥させ
る。
25体積%(部材の全体積を基準)のドープされ
ない三方晶系セレンを含有する層は次のように調
製される:2オンスのコハクびんの中に、0.328
gのPVK,0.0109gのTNFおよび14mlのベンゼ
ンを入れる。100gのステンレス鋼シヨツトを添
加し、更に、例または例において調製したド
ープされない三方晶系セレン0.44gを添加する。
こうして得られた溶液をペイントシエカー上に1
時間入れておく。しかる後、7mlのベンゼンを添
加する。得られる溶液を1分間ローラミルに入れ
ておく。しかる後、上述のように調製したアルミ
ナイズドMylar基体上に1/2ミルのバードアプリ
ケータを3回通過させることによつて、該基体上
に前記の溶液を塗着する。各通過間において、溶
液を1分間乾かす。しかる後、このようにして得
られた部材を真空下に18時間100℃で焼成する。
乾燥後の厚さは2ミクロンである。
例 電気的活性な樹脂バインダ中に分散されたドー
プされた三方晶系セレンを含有する部材の調製:
5ミルのアルミナイズドMylar基体を塩化メチレ
ン(CH2Cl2)で洗う。該アルミナイズMylarを
環境温度下に乾燥させる。20%以下の温度及び82
〓の温度を有するグラブボツクス内で、CHCl3
(クロロホルム)とトリクロロエタンとの4:1
体積比の溶液中に溶かした1/2パーセントのデユ
ポン49000接着剤の層を、バードアプリケータで
該アルミナイズド基体に被覆して1/2ミルの湿潤
厚さとする。得られた被覆物を、グラブボツクス
内で1分間、更に、100℃のオーブン内で10分間
乾燥させる。この操作の代わりに、エタノールに
溶かした1/2パーセントのモンサント
(Monsanto)B72A(ポリビニルブチラール)の
層をバードアプリケートで塗着してもよい。湿潤
厚さは1/2ミルである。その後、こうして得られ
た部材を、真空下に100℃で18時間焼成する。乾
燥厚さは2ミクロンである。
例 電気的活性な樹脂バインダに分散されたドープ
されている三方晶系セレンから成るナトリウムで
ドープされた三方晶系セレン部材の調製:5ミル
のアルミナイズドMylar基体を塩化メチレン
(CH2Cl2)で洗う。該アルミナイズドMylarを環
境温度下に乾燥させる。湿度20%以下及び温度82
〓のグラブボツクス内で、CHCl3(クロロホルム)
に溶かした1パーセントのHytrel(デユポン社か
ら入取できるポリエステルブロツクポリマー)を
バードアプリケータでアルミナイズドMylar上に
塗着して、乾燥厚さを1/2ミルとする。得られる
被覆物をグラブボツクス内で1分間、更に、100
℃のオーブン内で5分間乾燥する。ベンゼン
(C6H6)に溶かした1パーセントのPVKから成
る第2の被覆を部材上に施して、1/2ミルの乾燥
厚さを生じさせる。この層をグラブボツクス内で
1分間、更に、100℃のオーブン内で5分間乾燥
させる。
2オンスのコハクびんに0.328gのPVK、
0.0109gのTNF及び14mlのベンゼンを入れるこ
とによつて、25体積パーセントのドープされた三
方晶系セレンを含有する部材を調製する。これ
に、ステンレス鋼シヨツト100gと、例のよう
に調製したドープされた三方晶系セレン0.44gと
を加える。このようにして得られた溶液を1時間
ペイントシエカー中に入れておく。しかる後、7
mlのベンゼンを加える。この溶液をロールミルに
1分間入れておく。その後、バードアプリケート
を3回通過させることによつて該溶液を被覆す
る。各通過間おいて溶液を1分間乾燥させる。得
られる部材を真空オーブン内において100℃で18
時間、焼成する。乾燥した層は約2ミクロンの厚
さを有する。
例 N,N′−ジフエニル−N,N′−ビス(3−チ
ルフエニル)−〔1,1′−ビフエニル〕−4,4′−
ジアミンの調製:機械的撹拌装置を備えアルゴン
で覆われた500mlの丸底三つ首フラスコに、360g
(1モル)のN,N′−ビフエニルベンジデン、
550g(2.5モル)のm−ヨードトルエン、550g
(4モル)の炭酸カリウム(無水物)、50gの青銅
触媒及び1500mlのジメチルスルホキシド(無水
物)を入れる。この不均相混合物を6日間還流条
件下に付す。その後、混合物を冷却する。2000ml
のベンゼンを添加する。しかる後、暗色のスラリ
ーをろ過する。ろ液を4時間抽出する。しかる
後、ろ液を硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過す
る。減圧下でベンゼンを除去してしまう。ウオル
ム(Woelm)中性アルミナを用いて黒色の生成
物にカラムクロマトを行なう。生成物をn−オク
タンから再結晶することによつて無色の結晶生成
物が得られる。融点は167〜169℃。収量は360g
(65%)。
例 発生層が輸送層で被覆されたことから成る複合
光導電性部材の調製:5ミルのアルミナイズド
Mylar基体をCH2Cl2で洗う。該基体を環境温度
下に乾燥させる。湿度20パーセント以下で温度82
〓のグラブボツクス内で、CHCl3とトリクロロエ
タンの体積比4:1の溶液に溶かしたデユポン
49000接着剤の層をバードアプリケータで該アル
ミナイズドMylar基体に被覆する。湿潤厚さは1/
2ミルである。該層をグラブボツクス内で1分間、
更に、100℃のオーブン内で10分間乾燥させる。
この代わりに、エタノールに溶かした1/2パーセ
ントのモンサントB72A(ポリビニルブチラール)
をアルミナイズドMylarにバードアプリケータで
塗着させてもよい。湿潤厚さは1/2ミルである。
その層をグラブボツクス内で1分間、更に、100
℃のオーブン内で10分間乾燥させる。
20体積%のドープされないセレンを含有する発
生層は次のようにして調整される:2オンスのコ
ハクびんに0.8gの精製PVKと14mlの1:
1TNF/トルエンを加える。この溶液に、1/8イ
ンチのステンレス鋼シヨツト100gと、例また
はのようにして調製したドープされない三方晶
系セレン0.8gとを加える。このようにして得ら
れた混合物を72時間ボールミル上に入れる。しか
る後、該溶液をバードアプリケータで上記の界面
層上に被覆する。湿潤厚さは1/2ミルである。そ
れから、この部材を真空下に18時間、100℃で焼
成する。乾燥厚さは2ミクロンである。
このようにして得られた発生層に、次のように
して調製される電荷輸送層を被覆する:50重量パ
ーセントのMakrolon(Larbensabricken
BayerA.G.から入取できる分子量が約50000から
約100000のポリカーボネート樹脂)を含有する輸
送層を50重量パーセントのN,N′−ジフエニル
−N,N′−ビス(3−メチルフエニル)−〔1,
1′−ビフエニル〕−4,4′−ジアミン(例のよ
うにして調製)と混合する。得られる溶液に15重
量パーセントの塩化メチレンを混ぜる。これらの
成分のすべてをコハクびんに入れて溶解させる。
混合物をバードアプリケータを用いて発生層の頂
面に被覆して、乾燥厚さが25ミクロンの層とす
る。湿度は15%又はそれ以下である。溶液は70℃
で18時間、真空下に焼成される。得られる部材に
ついて、第5図と第6図に示す部材と同じテスト
を行なう。即ち、電気絶縁性樹脂バインダに分散
されたドープされない三方晶系セレン(光導電性
物質)を発生物質として、電荷輸送物質で被覆さ
れたことから成るこの感光剤の休止暗減衰と疲労
暗減衰を次のようにテストする。荷電前に15時
間、部材を暗中で休止させる。しかる後、該部材
を当初1280ボルトの最大値(荷電後0.06秒におい
て測定)まで荷電する。該感光剤を暗中に保持し
ながら0.22秒後においては、その休止暗減衰は60
ボルト、即ち、表面電位は1220ボルトに降下す
る。0.66秒後には表面電位は1140ボルトであり、
暗減衰は140ボルトである。
疲労暗減衰は部材を当初1100ボルトの最大値
(荷電後0.06秒に於いて測定)に荷電することに
よつて得られる。この値は、休止暗減衰テストに
おいて部材が当初荷電されるよりも180ボルト低
い。部材は暗中で0.22秒間保持された後、放電し
て920ボルトになり、疲労暗減衰が180ボルトであ
ることを示す。0.66秒後に於ては、部材は放電し
て770ボルトになり、疲労暗減衰が330ボルトであ
ることを示す。
例 輸送層で被覆された発生層から成る複合光導電
性部材の調製:5ミルのアルミナイズドMylav基
体を塩化メチレンで洗う。この基体を環境温度下
に乾燥させる。湿度20パーセント以下で温度82〓
のグラブボツクス内で、クロロホルムに溶かした
1パーセントHytrelの層をバードアプリケータ
で該アルミナイズドMylar基体に被覆する。この
層の湿潤厚さは1/2ミルである。該層をグラブボ
ツクス内で1分間、更に、100℃オーブン内で5
分間乾燥させる。ベンゼンに溶かした1パーセン
トのPVKから成る第二の層をバードアプリケー
タで該層に被覆する。この層の湿潤厚さは1/2ミ
ルである。該層をグラブボツクス中で1分間、更
に、100℃オーブン中で5分間乾燥させる。
25体積パーセントのドープされない三方晶系セ
レンを含有する発生層を次のように調製する。2
オンスのコハクびんに0.328gのPVK、0.0109g
のTNF、及び14mlのベンゼンを加える。該溶液
にステンレス鋼シヨツト100gとドープされてい
ない三方晶系セレン0.44gを加える。こうして得
られた混合物を1時間ペイントシエカー上に置い
ておく。しかる後、7mlのベンゼンを加える。そ
の後、該溶液をローラミル上に1分間置いてお
く。しかる後、バードアプリケータで3回スラリ
ーを通過させることによつて溶液を被覆する。各
通過間においては1分間を与えて溶液が乾燥する
ようにする。18時間、真空下に100℃で該溶液を
焼成する。層の乾燥厚さは2ミクロンである。
このようにして得られた発生層に、次のように
して調製される電荷輸送層を被覆する。50重量パ
ーセントのMakrolon(Larbensabricken Bayer
A.G.から入取できる約50000から約100000の分子
量を有するポリカーボネート樹脂)を含有する輸
送層を、例のようにして調製したN,N′−ジ
フエニル−N,N′−ビス(3−メチルフエニル)
−〔1,1′−ビフエニル〕−4,4′−ジアミンの50
重量パーセントと混合する。得られる溶液に15重
量パーセントの塩化メチレンを混ぜる。これらの
成分をすべてコハクびん中に入れ、溶解させる。
バードアプリケータを用いて発生層の頂面に該混
合物を被覆して乾燥厚さが25ミクロンとなるよう
にする。湿度は15%又はそれ以下である。溶液を
真空下に18時間70℃で焼成する。得られる部材を
第5図および第6図のようにテストする。
例 XI 輸送層で被覆された発生層から成る多層像形成
部材の調製:5ミルのアルミナイズドMylar基体
を塩化メチレンで洗う。該基体を環境温度化に乾
燥させる。湿度20パーセント以下で温度82〓のグ
ラブボツクス内で、クロロホルムとトリクロロエ
タン(体積比4:1)に溶かした1/2パーセント
のデユポン49000接着剤の層をアプリケータで該
基体に被覆して、湿潤時厚さが1/2ミルになるよ
うにする。該層をグラブボツクス内で1分間、更
に、100℃オーブン内で10分間乾燥させる。この
方法の代わりに、エタノールに溶かした1/2パー
セントのモンサントB72A(ポリビニルブチラー
ル)をバードアプリケータによつてアルミナイズ
ドMylarに被覆してもよい。この場合の湿潤厚さ
は1/2ミルである。該層をグラブボツクス内で1
分間、更に、100℃のオーブン内で10分間乾燥さ
せる。
ナトリウムでドープされた三方晶系セレン20体
積パーセントを含有する電荷発生層は次のように
調製される。2オンスのコハクびんに、0.8gの
精製されたPVKと、14mlの1:1TNF/トルエ
ンを入れる。この溶液に1/2インチのステンレス
鋼シヨツト100gと、例のようにして調製した
ナトリウムでドープされた三方晶系セレン0.8g
とを加える。
得られる溶液を72時間ボールミル上に置いてお
く。しかる後、バードアプリケータを用いて上記
の界面層上に該溶液を被覆する。湿潤厚さは1/2
ミルである。その後、該部材を真空下に100℃で
18時間焼成する。得られた乾燥厚さは2ミクロン
である。
上記のごとくして得られた電荷発生層の上に電
荷輸送層を形成する。電荷輸送層は、Makrolon
(Larbenfabricken Bayer A.G.販売の約50000か
ら約100000の分子量を有するポリカーボネート樹
脂)と例のようにして調製するN,N′−ジフ
エニル−N,N′−ビス(3−メチルフエニル)−
〔1,1′−ビフエニル〕−4,4′−ジアミンとの50
−50重量パーセントの溶液から成る。この溶液を
15重量パーセントの塩化メチレンに入れる。これ
らの成分のすべてをコハクびんに入れ、溶解させ
る。該成分を電荷発生層の頂面上にバードアプリ
ケータを用いて被覆し、25ミクロンの乾燥被覆物
となるようにする。湿度は15パーセント又はそれ
以下である。該溶液を真空下に70℃で18時間焼成
させる。
得られる部材を第5図および第6図(サンプル
6)に示すようにテストする。即ち、ドープされ
た三方晶系セレンを含有する光導電性部材の休止
暗減衰と疲労暗減衰をテストする。休止暗減衰に
関しては、部材を当初1260ボルト(荷電後0.06秒
の測定値)の最大値まで荷電したところ、0.22秒
後には該部材は放電して1200ボルトになり休止暗
減衰は60ボルトである。
0.66秒後には、部材は放電して1190ボルトとな
り、休止暗減衰は70ボルトである。疲労暗減衰
は、部材を当初1300ボルトの最大値(荷電後0.06
秒に於て測定)まで荷電することによつて調べら
れ、暗中で0.22秒後には、該部材は放電して1210
ボルトになり、疲労暗減衰は90ボルトであること
が示される。0.66秒後には、部材は放電して1190
ボルトになり疲労暗減衰は110ボルトであること
を示す。
例 XII ドープされない三方晶系セレンからなるバイン
ダ層の調製:30体積パーセントの三方晶系セレン
を含有する三方晶系セレンバインダ層を次のよう
に調製する:2オンスの清浄なガラスびんに、1
オンスの1/8インチステンレス鋼シヨツト、7.5g
のFlexclad片(グツドイヤー社から入取できる
ポリエステル)、11.5gの三方晶系セレン(例
またはのように調製)、及び21.0mlのクロロホ
ルムを加える。該びんを1時間ペイントシエカー
に入れておく。しかる後、得られるスラリーを真
空デシケータに入れ、スラリー中の空気泡を真空
除去する。該スラリーを多間隔バー(multiple
clearance bar)を用いて5ミルのアルミニウム
基体上に被覆する。湿潤時の厚さは10ミルであ
る。層を60℃で2時間乾燥し、更に、150℃で20
分間加熱する。
得られたプレートのテストは、該プレートを20
ボルト/ミクロンの電場に対して荷電し、8×
1012光子/cm2・秒で5800オングストロームの波長
下に放電させることによつて行なう。プレートは
上記条件下に充分放電し、可視像を形成するのに
用いられ得るものである。
該部材を、更に、第5図および第6図に示すよ
うにテストする。但し、該部材は正コロナによつ
て荷電する。ドープされない三方晶系セレンを含
有する部材は、光導電性物質としてドープされた
三方晶系セレンを含有する部材に比較すると、暗
減衰が大きくPIDCが不安定である。
例 ドープされた三方晶系セレンから成るバインダ
層の調製:例のように調製したドープされた三
方晶系セレン30体積パーセントを含有する三方晶
系セレンバインダ層を次のように調製する:2オ
ンスの清浄なガラスびんに、1オンスの1/8イン
チステンレス鋼シヨツト、7.5gのFlexclad(グツ
ドイヤー社販売のポリエステル立方体)、11.5g
のドープされた三方晶系セレン(例のように調
製)、及び21.0mlのクロロホルムを加える。該び
んを1時間ペイントシエーカーに入れておく。し
かる後、スラリーを真空デシケータに入れ、スラ
リー中の空気泡を真空除去する。多間隔バーを用
いて5ミルのアルミニウム基体上にスラリーを被
覆する。湿潤厚さは10ミルである。該層を60℃で
2時間乾燥し、更に、150℃で20分間加熱する。
得られたプレートの電気的テストは、30ボル
ト/ミクロンの電場にプレートを荷電させ、8×
1012光子/cm2・秒で5800オングストロームの波長
において該プレートを放電させることによつて行
なう。プレートは上記の条件下に充分放電し、可
視像を形成するのに用いられ得るものである。
部材は、更に、第5図および第6図に示すよう
なテストに供される。しかし、該部材は正コロナ
によつて荷電される。ドープされた三方晶系セレ
ンを含有する部材は、例XIIにおいて調製された部
材(即ち、ドープされない三方晶系セレンから成
るもの)に比較して、暗減衰が小さく、更に、例
において調製された部材に比較して、安定し
たPIDCを有する。
例 幾何学的に制御された感光剤に含まれるドープ
されない三方晶系セレンの調製:光導電性物質
(即ち、ドープされない三方晶系セレン)が幾何
学的に制御されて含有されている感光剤を次のよ
うに調製する: 部材は8体積パーセントのドープされない三方
晶系セレンを含有するようにする。4オンスの清
浄なガラスびんの中に、2オンスの1/8インチス
テンレス鋼シヨツト、4.5gのドープされていな
い三方晶系セレン(例またはのように調製)、
及び18.75mlの1:1イソプロピルアルコール/
イソブチルアルコールを加える。それを150RPM
で6時間ボールミル上に供する。得られたスラリ
ーに、噴霧乾燥されたFlexclad(グツドイヤー社
から入取できるポリエステル)14.4g、及び1:
1イソプロピルアルコール/イソブチルアルコー
ル30mlを添加する。それを150RPMで18時間ボ
ールミル操作に供する。
スラリーを100メツシユのふるいでろ別し、し
かる後、10分間放置して空気泡を除去させる。多
間隔バーを用いて5ミルのアルミニウム基体上に
該スラリーを被覆する。この層を50℃で3時間乾
燥させる。しかる後、175℃において20分間で融
着させる。
三方晶系セレンは該部材内で粒子対粒子接触を
成しており、層の全厚さにわたつて互に交叉して
いる多数の通路または鎖の形成している。上述し
たように、ドープされていない三方晶系セレンか
ら成る通路又は鎖は、層の体積を基準にして、8
体積パーセントの濃度で存在する。
得られた部材について、第5図及び第6図に示
したようにテストを行なう。但し、該部材を正コ
ロナで荷電する。ドープされない三方晶系セレン
を含有する部材は、光導電性物質としてドープさ
れた三方晶系セレンを含有する部材に比較する
と、暗放電が高く且つPIDCが不安定である。
例 幾何学的に制御された感光剤に含有されるドー
プされた三方晶系セレンの調製:幾何学的に制御
された光導電性物質(ドープされた三方晶系セレ
ン)を含有する感光剤を次のように調製する: この部材は、8体積パーセントのドープされた
三方晶系セレンを含有する。4オンスの清浄なガ
ラスびんに、2オンスの1/8インチステンレス鋼
シヨツト、4.5gのドープされた三方晶系セレン
(例に従つて調製)、及び18.75mlの1:1イソ
プロピルアルコール/イソブチルアルコールを加
える。これを150RPMで6時間ボールミル操作に
供する。こうして得られるスラリーに、噴霧乾燥
したFlexclan(グツドイヤー社販売のポリエステ
ル)14.4gと、1:1イソプロピルアルコール/
イソブチルアルコール30mlとを添加する。これ
を150RPMで18時間ボールミル操作に供する。
得られるスラリーを100メツシユのふるいでろ
過し、その後、10分間放置して空気泡を除去す
る。10ミルの多間隔バーを用いて5ミルのアルミ
ニウム基体上に該スラリーを被覆する。このスラ
リーを3時間、50℃において加熱する。しかる
後、175℃において20分間溶融させる。
三方晶系セレンは該部材内で実質的に粒子対粒
子接触しており、層の厚さ方向にわたつて互に交
叉する多数の通路又は鎖を形成している。前述し
たように、ドープされた三方晶系セレンの通路又
は鎖は、層の体積を基準にして8体積パーセント
の濃度で存在する。
第5図および第6図に示すようなテストを部材
について行なう。但し、該部材を正コロナで荷電
する。ドープされた三方晶系セレンを含有する部
材は、光導電性物質としてドープされない三方晶
系セレンを含有する部材に比較すれば、暗放電が
小さく且つPIDCが安定である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による像形成部材の一例を図示
するもので、樹脂バインダに分散された粒子状三
方晶系セレンが基体を被覆することから成るもの
である。第2図は、本発明による像形成部材の一
例を図示するもので、電気的絶縁性の有機バイン
ダ内に幾何学的に分散された粒子状三方晶系セレ
ンが基体を被覆することから成るものである。第
3図は、本発明による像形成部材の一例を示すも
ので、電荷キヤリア輸送層によつて被覆された電
荷キヤリア発生層から成る複合感光剤であり、該
電荷キヤリア発生は有機樹脂バインダに三方晶系
セレンを分散させている。第4図は、本発明によ
る像形成装置の一例を示すもので、電荷キヤリア
輸送層と電荷発生層とから成る複合感光剤であ
り、該電荷キヤリア発生層は絶縁性バインダに幾
何学的に分散されているナトリウムでドープされ
た三方晶系セレンの粒子から成るものである。第
5図は、光導電性物質としてドープされた三方晶
系セレン及びドープされていない三方晶系セレン
を含有する感光剤の休止暗減衰と疲労暗減衰を示
すものである。第6図は、第5図に示す部材の光
誘起放電曲線(PIDC)を示すものである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 有機樹脂バインダに分散された粒子状の光導
    電性物質からなる層を有し、該粒子状光導電性物
    質が、ナトリウム、リチウム、カリウム、ルビジ
    ウムおよびセシウムからなる群から選ばれる物質
    の約0.01から約12.0重量パーセント(三方晶系セ
    レンの重量基準)でドープされた三方晶系セレン
    よりなることを特徴とする像形成部材。 2 有機樹脂バインダに分散された粒子状の光導
    電性物質からなる層を有し、該粒子状光導電性物
    質が、ナトリウム、リチウム、カリウム、ルビジ
    ウムおよびセシウムからなる群から選ばれる物質
    の約0.01から約12.0重量パーセント(三方晶系セ
    レンの重量基準)でドープされた三方晶系セレン
    よりなる像形成部材であつて、該層中のドープさ
    れた粒子状三方晶系セレンの実質的にすべてが、
    多数の交差する三方晶系セレン通路を形成するよ
    うに、実質的に粒子対粒子接触をしており、該三
    方晶系セレン通路が前記層の容積に対して、容積
    濃度で約1乃至25%存在していることを特徴とす
    る像形成部材。 3 ナトリウム、リチウム、カリウム、ルビジウ
    ムおよびセシウムから選ばれる物質の約0.01から
    約12.0重量パーセント(三方晶系セレンの重量基
    準)でドープされた三方晶系セレンよりなり、有
    機樹脂バインダに分散された粒子状の光導電性物
    質を含む電荷発生層と、これに隣接した電荷輸送
    層とを有する像形成部材であつて、前記光導電性
    物質が、電荷キヤリアを光発生させ、電荷キヤリ
    アを注入することができ、前記電荷輸送層が、前
    記光導電性物質が、電荷キヤリアを光発生させ、
    注入するスペクトル領域で、実質的に非吸収性で
    あり、かつ前記光導電性物質からの光発生した電
    荷キヤリアの注入をサポートし、その電荷キヤリ
    アを該電荷輸送層中を通して輸送することができ
    ることを特徴とする像形成部材。 4 ナトリウム、リチウム、カリウム、ルビジウ
    ムおよびセシウムから選ばれる物質の約0.01から
    約12.0重量パーセント(三方晶系セレンの重量基
    準)でドープされた三方晶系セレンよりなり、有
    機樹脂バインダに分散された粒子状の光導電性物
    質を含む電荷発生層と、これに隣接した電荷輸送
    層とを有する像形成部材であつて、前記電荷発生
    層中のドープされた粒子状三方晶系セレンの実質
    的にすべてが、多数のからみあつた三方晶系セレ
    ンのパス中の該処理剤中で、実質的に粒子対粒子
    接触をしており、該三方晶系セレンのパスが前記
    層の体積に対して、体積濃度で約1乃至25%存在
    し、前記光導電性物質が、電荷キヤリアを光発生
    させ、電荷キヤリアを注入することができ、前記
    電荷輸送層が、前記光導電性物質が、電荷キヤリ
    アを光発生させ、注入するスペクトル領域で、実
    質的に非吸収性であり、かつ前記光導電性物質か
    らの光発生した電荷キヤリアの注入をサポート
    し、その電荷キヤリアを該電荷輸送層中を通して
    輸送することができることを特徴とする像形成部
    材。
JP11215678A 1977-09-14 1978-09-12 Imaging element Granted JPS5454038A (en)

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DE (1) DE2830673A1 (ja)
FR (1) FR2403586A1 (ja)
GB (1) GB1603468A (ja)
NL (1) NL189627C (ja)
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BR7805962A (pt) 1979-04-24
FR2403586B1 (ja) 1984-06-15
GB1603468A (en) 1981-11-25
NL189627B (nl) 1993-01-04
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NL7809329A (nl) 1979-03-16
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JPS5454038A (en) 1979-04-27
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