JPS635632Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は米飯保温器等の電気調理器に関し、温
度制御性能の向上を目的とするものである。

従来、保温兼用炊飯器は、内枠に捲装された側
面ヒータと、内枠内底部に設けた炊飯ヒータと、
蓋に設けた蓋ヒータとを発熱させて鍋内部の米飯
を約70℃の一定の保温温度に維持するものであつ
た。この保温温度を維持させる手段として内枠の
外面に感温素子を取付け、この感温素子により鍋
内温度を間接的に検知し、上記各ヒータへの通電
を制御していた。

上記感温素子の取付構成は、側面ヒータの近傍
に位置して、内枠に取付具を固定し、この取付具
に、感温素子を固定していた。この場合、例えば
側面ヒータから感温素子に熱伝達される経路は、
側面ヒータから内枠と取付具を介して感温素子に
伝わる経路となり、側面ヒータの内枠への捲装状
態、取付具の内枠への固着状態、感温素子の取付
具への固定状態という三種類の状態によつて熱伝
達量が変化する。従つて、同一感温特性の感温素
子を用いても、製品ごとに制御温度が異なるとい
う欠点があつた。また、側面ヒータと感温素子の
間の距離が一定でなく、熱伝達距離が異なること
によつても熱伝達量が異なり、制御温度が異なる
という欠点もあつた。

本考案は上記従来の欠点に鑑みてなされたもの
で、ヒータから感温素子への熱伝達量を一定にし
やすく、温度制御がより正確に行える電気調理器
を提供しようとするものである。

以下に本考案の実施例について添付図面を参照
して説明する。

図において、１は筒状の外枠、２は外枠１の内
側に設けられた有底筒状の内枠、３は内枠２の内
底部に配置した炊飯ヒータ、４は炊飯ヒータ３上
に着脱自在に載置された鍋、５は断熱構造の外
蓋、６は鍋４の上方開口部を覆う内蓋である。７
は外蓋５内に設けられた蓋ヒータ、８は内枠２の
外周面に固定された良熱伝導性の取付具、９は内
枠２の外周面に捲装された側面ヒータである。こ
の側面ヒータ９の端部は取付具８にかしめ固定さ
れている。１０は取付具８に取付けられた感温ス
イツチ、１２は鍋底部の温度を検知して炊飯動作
を完了させる磁性サーモスタツトである。

上記構成において、炊飯開始スイツチ１１を動
作させると、炊飯ヒータ３に通電され炊飯が行わ
れる。鍋底の温度が上昇し、この温度上昇を磁性
サーモスタツト１２が感知して動作し、スイツチ
１１を動作させ、炊飯が完了する。この状態で
は、側面ヒータ９，蓋ヒータ７，炊飯ヒータ３に
より保温回路が構成される。なお、炊飯完了直後
においては、鍋内の米飯は100℃近くになつてお
り、感温スイツチ１０がOFFであるため上記保
温回路には通電が行われない。この後、鍋内米飯
の温度が約70℃に低下すると、感温スイツチ１０
がONとなり保温回路に通電が行われる。その
後、感温スイツチ１０がON，OFFを繰返し、鍋
内の米飯を約70℃の一定温度に保つ。この場合、
感温スイツチ１０と側面ヒータ９が一つの取付具
８に固定されているため、側面ヒータ９の熱は取
付具８を介して感温スイツチ１０に伝達される。
従つて、側面ヒータ９の取付具８への取付状態
と、感温スイツチ１０の取付具８への取付状態と
の２つの状態によつて熱伝達量が決定され、感温
スイツチ１０の感温精度が向上する。また、従来
は内枠という大きな熱容量を有するものを介して
熱伝達が行われていたが、本実施例では熱容量の
小さな取付具８を介して行われ、側面ヒータ９か
らの熱は一定量だけ感温スイツチ１０に伝達され
る。従つて、鍋内の米飯の温度は製品によらず一
定となる。さらに側面ヒータ９と感温スイツチ１
０の間隔は一つの取付具８によつて決定されるた
め、そのバラツキはほとんどなくなる。

以上の説明から明らかなように、本考案によれ
ば、調理物の温度は製品によらず一定となるとと
もに、ヒータと感温素子の取付けは一つの部品で
よく、製造が容易となるなど、その実用的価値は
大なるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す電気調理器の
一部欠截正面図、第２図は同電気回路図、第３図
は同要部の拡大断面図である。 １……外枠、２……内枠、４……鍋、８……取
付具、９……側面ヒータ（ヒータ）、１０……感
温スイツチ（感温素子）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 筒状の外枠と、この外枠の内側に設けられた内
   枠と、この内枠に収納された鍋と、前記内枠に捲
   装されたヒータと、前記内枠に固定され前記ヒー
   タの端部を固定した良熱伝導性の取付具と、この
   取付具に取付けられた感温素子を備えた電気調理
   器。