JPS6332657Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 本考案は、水等の液体を加熱するための電気ポ
ツトに関するものである。

〔従来技術〕

従来、液体、例えば水を加熱する電気ポツトに
おいては、内容器の外壁にサーモスタツトを設
け、このサーモスタツトが設けられた部分におけ
る温度が予め設定した一定の温度に到達した時
に、上記サーモスタツトがオフ状態となることを
利用して電気ポツト内の水を加熱するためのヒー
タへの通電を遮断するようにしていた。

上記サーモスタツトにおけるオフとなる温度
は、例えば、95℃というように、大気圧下におい
て、かつ海抜０メートルの高度における水の沸点
である100℃より低い温度に設定してあるため、
容器内の水が完全に沸騰することがなかつた。

従つて、水道水等を加熱する場合において、水
を消毒する際に使用される塩素等によりその臭気
が残留する又は水を煮沸することによる十分な殺
菌効果を収めることができないという問題点があ
つた。

そのため、最近は加熱される水の温度が沸点に
到達した時、沸騰した水から発生する大量の蒸気
を電気ポツトの外部蓋体に設けた蒸気導入用通路
に導入し、この蒸気導入用通路内に設けたサーミ
スタ等から成る温度を検知するための素子により
水の温度の変化を検知して制御回路を動作させる
ことにより、水を加熱するためのヒータへの通電
を遮断する形式のものが出現してきている。

しかしながら、上述の場合においては、上記温
度を検知するための素子を電気ポツトの外部蓋体
に設けなければならないため、かつ内容器本体の
内部に設けられた制御回路と電気的に接続しなけ
ればならないため、また、電気ポツトの外部蓋体
を電気ポツト本体から着脱自在に構成するために
は、上記温度を検知するための素子と上記制御回
路との電気的に接続された部分における機構が複
雑となり、上記接続部分における接触不良等によ
る故障等の原因又は、電気ポツトの製造費の高騰
等の要因となるため、問題点を残していた。

〔考案の概要〕

本考案は上述のような従来の問題点を解決する
ためになされたものであり、電気ポツトの外壁に
設けた感熱素子と、この感熱素子により検知した
液体の温度に基づいて液体の温度上昇率を演算
し、この演算結果に応じてヒータをオン・オフ制
御する制御回路内の制御手段と、その温度上昇率
が予め設定された所定の温度上昇率以下になつた
ことを検出する上記制御回路内の検出手段とを備
え、上記制御手段は上記検出手段の検出出力を受
けて上記ヒータをオフに制御するようにした電気
ポツトを提案することを目的とするものである。

〔考案の実施例〕

以下、本考案の実施例を添付の図面を参照して
説明する。

第１図は電気ポツトの本考案の一実施例による
基本的構造を示す要部断面図である。

第２図は内容器内における水と内容器の外壁に
設けた温度を測定するための素子との温度上昇を
表現するグラフである。

これらの図において、１は水等の液体を収容す
る内容器であり、該内容器１の外周下端部にはヒ
ータ２が設けられている。３は上記内容器１の外
壁に設けられた温度を測定するための素子であ
る。４は該温度を測定するための素子３からの信
号により水等の液体の温度上昇率を演算し、該温
度上昇率が予め設定した所定の値以下となつた
時、ヒータ２への通電を遮断する制御回路であ
る。５は上記内容器１の外側を囲繞する外枠組立
部である。６（図示せず）は外蓋組立部であり、
上記外枠組立部５と着脱自在に設けられている。

次に、上記のような構成を有する電気ポツトの
動作について説明する。

ヒータ２へ通電すると、内容器１内における水
等の液体は加熱され、水等の液体の温度が上昇す
る。その温度上昇の状態は第２図における直線Ａ
により表現される。同時に、温度を測定するため
の素子３の温度も、同図における曲線Ｂに示され
るように、水等の液体の温度よりも多少時間的に
遅延して上昇する。

やがて、時刻T₁において水等の液体の温度が
沸点に到達すると、水等の液体の温度は上昇しな
くなるため、その温度上昇率は零となる。同様
に、時刻T₂において温度を測定するための素子
３の温度上昇率も零となる。

従つて、内容器１内における水等の液体の温度
が上記温度上昇曲線Ｂ上におけるいかなる点にあ
るかを検知することが可能であるならば、内容器
１内における水等の液体の状態も判明することに
なる。

即ち、温度を測定するための素子３により測定
した温度に基づいて制御回路４が温度上昇率を算
出し、その算出した温度上昇率を常時点検してい
れば、時刻T₂以前においては、上記温度上昇率
は正の値を保持し、また、時刻T₂以後において
は、上記温度上昇率は零となり、内容器１内にお
ける水等の液体の温度が沸点に到達したこと、即
ち、内容器１内における水等の液体の状態が沸騰
した状態に到達したか否かを容易に判定できる。

そこで、時刻T₂になつたとき、即ち、温度上
昇率が零となつたとき、制御回路４から出力する
制御信号により、ヒータ２への通電を遮断するよ
うにすることにより、一度沸点に到達した状態の
水等の液体、即ち沸騰した液体、例えば湯を得る
ことが可能となる。時刻T₁と時刻T₂との時間の
差は水等の液体を一定の時間沸騰している状態を
維持するために利用することが可能となり、特別
な遅延回路を設ける必要性もなく、有効に利用す
ることが可能となる。

〔考案の効果〕

本考案は、以上説明したように、温度上昇率を
制御信号として、その制御信号によりヒータへの
通電を制御するように構成したため、回路を内容
器側の本体に全て収容することが可能となるた
め、電気ポツト等の組立てが容易となり、信頼性
の高い動作特性を得ることが可能である。また、
電気ポツトを使用する場所の標高及び液体の種類
に依存しない沸騰状態を得ることができる電気ポ
ツトを提供することができるため、その実用価値
が非常に高いという優れた効果を奏するものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は、電気ポツトの本考案の一実施例によ
る基本的構造を示す要部断面図、第２図は液体と
温度を測定するための素子との温度上昇を示すグ
ラフである。 １……内容器、２……ヒータ、３……温度を測
定するための素子、４……制御回路、５……外枠
組立部。図において同一符号は同一部分又は相当
部分を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 液体を加熱する容器の外壁に設けられ液体の温
   度を測定する感熱素子と、この感熱素子により検
   知した液体の温度に基づいて液体の温度上昇率を
   演算し、この演算結果に応じて液体を加熱するヒ
   ータをオン・オフ制御する制御手段と、上記演算
   された液体の温度上昇率が予め設定された所定の
   温度上昇率以下になつたことを検出する検出手段
   とを備え、上記制御手段は上記検出手段の検出出
   力を受けて上記ヒータをオフに制御する事を特徴
   とする電気ポツト。