JPH03925Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本案は、湯沸し保温機能を有する電気ポツトに
関するものである。

（従来技術とその問題点） 一般に、この種の電気ポツトにあつては、容器
の空焼き防止等の器体保護の為に、容器内の水位
がある一定水位以下に低下した時に給水の指示を
目的として報知器を動作させるようになつてお
り、このような給水指示レベル感知手段は従来よ
り種々提案されている。その一例として、容器の
外側壁に給水指示レベルより上方に位置すべく数
ワツトの小容量のヒータを設け、容器内の水位が
給水指示レベル以下に低下した時上記ヒータ部の
温度上昇を温度感知器にて感知し報知器を動作さ
せるものが提案されているが、このものではヒー
タが数ワツトという極めて小さい容量である為、
水位が給水指示レベル以下に低下してから報知器
が動作するまでに数分という長い時間を要し、実
用面から余り好ましいものではなかつた。

上記ヒータの容量を大きくして上記時間を短縮
することが考えられるが、ヒータの容量を大きく
した場合、報知器の動作後給水されずに長時間放
置されると、ヒータの熱による温度過昇状態に陥
入り、ヒータの劣化、温度感知器の熱損等を招く
危険が高くなり、又これを防止する為には当該ヒ
ータの電源回路を切る必要があり、実用に障害を
有するものである。

（考案の目的） 本案はかかる点に鑑みてなされたもので、正特
性の半導体ヒータを用いることにより、容器内の
水位が給水指示レベル以下に低下してから報知器
が動作するまでに要する時間を短縮すると同時
に、給水されずに長時間放置された場合にも温度
感知器の熱損等を招く危険がなく、又電源遮断の
必要のない電気ポツトを提供するものである。

（考案の構成） 本案は、液体を収容する容器と、該容器の底部
にあつて液体を加熱する主ヒータと、容器の外側
壁にあつて給水指示レベルより上方に位置する正
特性の半導体ヒータと、該半導体ヒータと熱的に
密に設けた温度感知器と、該温度感知器により制
御され給水を指示する報知器とを具備する構成と
することにより、所期の目的を達成するものであ
る。

（実施例） 以下図面に示した本案の実施例について詳細に
説明する。

第１図は本案の実施例におけるジヤーポツトの
要部構成説明図である。第１図において、１はポ
ツト外装体、２は液体を収容する容器、３は容器
２の底部外周に設けた主ヒータ、４は導出管を兼
ねる水位表示管で、下端を容器２の内底面に開口
しかつ上端を注出管に連結する。５はアルミ等の
熱伝導性の良好な金属よりなる感熱板６とこの上
端に巻着したサーマルリードスイツチ７よりなる
温度感知器、８は正特性サーミスタの如き正特性
の半導体ヒータである。上記温度感知器５及び半
導体ヒータ８は共に給水指示レベルｘより上方位
置にあり、半導体ヒータ８は感熱板６を介して容
器２の外側壁に取着する。

次に、第２図の電気回路図において、９はラン
プ、圧電ブザー等の報知器で、サーマルリードス
イツチ７のON、OFFにより制御される。１０は
液体の温度変化に応動してON、OFFする保温サ
ーモで、主ヒータ３の通電を制御する。尚、半導
体ヒータ８は常時通電状態にある。

上記構成において、今容器２内の湯が給水指示
レベルｘ以上にあつて、保温されている時、半導
体ヒータ８の熱は容器２内の湯に奪われ、温度感
知器５のＡ点の温度は第３図に示すように100℃
近辺で安定しており、サーマルリードスイツチ７
はOFF状態にある。従つて、報知器９は停止し
ている。

而して、湯の注出により容器２内の水位がＴ点
で給水指示レベルｘ以下になると、半導体ヒータ
８の熱は容器２内の湯に奪われない為、Ａ点の温
度が第３図のように急上昇する。すると、上昇途
中においてサーマルリードスイツチ７がONする
ことにより報知器９を動作させ、給水を指示する
ことになる。一方、半導体ヒータ８は自己制御に
より発熱量が小さくなつて行き、Ａ点の温度が第
３図に示すようにある温度（キユーリー点）まで
上昇すると、それ以上上昇せず安定することにな
る。従つて、半導体ヒータ８として、例えば150
℃程度にキユーリー点を有しかつ特にサーマルリ
ードスイツチ７の動作温度程度まで高い発熱量を
有する特性のものを選定しておけば、報知器９に
よる給水指示にかかわらず給水されずに放置され
たところで温度感知器５の熱損を招く危険がな
く、又水位が給水指示レベルｘ以下に低下してか
らサーマルリードスイツチ７がON、即ち報知器
９が動作するまでの時間も数10秒程度に短縮する
ことができる。

（考案の効果） 以上の如く本案によれば、容器内の水位が給水
指示レベル以下に低下してから報知器が動作する
までの時間を短縮することができ、しかも給水さ
れずに放置されたところで温度感知器の熱損を招
く危険がない等、従前の欠点を解消でき、頗る実
用的なものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案の実施例におけるジヤーポツトの
要部構成説明図、第２図は同電気回路図、第３図
は第１図のＡ点の温度上昇カーブを示す図であ
る。 ２：容器、３：主ヒータ、５：温度感知器、
７：サーマルリードスイツチ、８：半導体ヒー
タ、９：報知器。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 液体を収容する容器と、該容器の底部にあつて
   液体を加熱する主ヒータと、容器の外側壁にあつ
   て給水指示レベルより上方に位置する正特性の半
   導体ヒータと、該半導体ヒータと熱的に密に設け
   た温度感知器と、該温度感知器により制御され給
   水を指示する報知器とを具備してなる電気ポツ
   ト。