JPS6351181B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPS6351181B2
JPS6351181B2 JP11142480A JP11142480A JPS6351181B2 JP S6351181 B2 JPS6351181 B2 JP S6351181B2 JP 11142480 A JP11142480 A JP 11142480A JP 11142480 A JP11142480 A JP 11142480A JP S6351181 B2 JPS6351181 B2 JP S6351181B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
compounding agent
polyester
paint according
heat curing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired
Application number
JP11142480A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS5736159A (ja
Inventor
Hiroshi Shibata
Shiro Mazaki
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nitto Electric Industrial Co Ltd filed Critical Nitto Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP11142480A priority Critical patent/JPS5736159A/ja
Publication of JPS5736159A publication Critical patent/JPS5736159A/ja
Publication of JPS6351181B2 publication Critical patent/JPS6351181B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Paints Or Removers (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
この発明はポリエステル系塗料の加熱硬化用配
合剤に関する。この発明の主たる目的はエナメル
ワニス等の電気絶縁塗料としての優れた高濃度型
ポリエステル系ワニスを提供する点にある。 従来より一般的に使用されてきたポリエステル
系電気絶縁塗料は塗料中の樹脂成分が15〜40重量
%程度の低濃度塗料であつた。このため一回の塗
布による塗膜厚は極めて薄くなり、例えば電線被
覆等を施す場合には所定の塗膜厚とするために5
〜10回もの塗布を行なう必要があつた。一方この
ようなポリエステル系塗料を高濃度型に調製した
場合には次のような弊害が生じる。すなわち一般
に用いられるテトラブチルチタネート等の硬化剤
を配合するに際して溶液が高濃度であるため加熱
して低粘性として撹拌混合を行なう必要がある
が、この時部分的ないし全体的にゲル化が起こ
る。その結果塗装した場合に塗膜に平滑さが失な
われて塗膜特性が極めて劣悪になる。また硬化剤
を配合した塗料を高温下で保持(溶融状態を維持
するため)した場合に増粘が激しく、部分的ない
し全体的にゲル化が進行して塗料として使用に耐
えなくなる。 従つて、溶剤の使用量が少なく塗布回数を低減
し得る高性能の高濃度型ポリエステル系塗料が強
く要望されているにもかかわらず、一般的に前記
低濃度型塗料を使用せざるを得ない現状である。 上述の如き状況に鑑み、高濃度型でしかも高温
安定性に優れたポリエステル系塗料について鋭意
研究を重ねてきた。その結果分子中に架橋点とな
りうるヒドロキシル基または/およびカルボキシ
ル基を有する飽和ポリエステル系樹脂とTi
(OR)4〔Rは有機基を意味し、4個のRは同一で
あつても異なつていてもよい〕で表わされる低分
子有機チタン化合物を加熱下で混合すれば部分的
ないし全体的にゲル化が起るが、さらに加熱を継
続することによつてゲルが分解して液状状態とな
ること(加熱下で)が判つた。またこの得られた
均一な状態の生成物を同様なポリエステル系樹脂
に配合すれば極めて良好な加熱硬化剤として機能
し、しかも樹脂成分が50〜98重量%の熱安定性に
優れた高濃度型ポリエステル系塗料が容易に得ら
れることも究明され特願昭54−16454号として特
許出願した。この特許出願の技術において、生成
物が均一な状態の生成物になる機構については現
在のところ必らずしも明確ではないが次のように
考えられる。すなわちまずポリエステル高分子の
ヒドロキシル基または/およびカルボキシル基位
置にTi(OR)4からなる低分子有機チタン化合物
が結合して架橋によるゲルを形成すると共に
ROHが遊離する。次に引き続く加熱により上記
の結合した有機チタン化合物がさらに遊離ROH
の存在下でエステル交換触媒として機能して他の
ポリエステル高分子のエステル構造部に作用し、
ポリエステル高分子とROHとのエステル交換が
行なわれる。このエステル交換によりポリエステ
ル高分子がある程度分断されてゲルが分解し、結
果的に三次元網状構造を有さない有機チタン化合
物―ポリエステル樹脂からなる高分子化合物が生
成することによるものと推定される。 得られた均一な状態の生成物は常温では通常液
体ないし半固体状であり、有機チタン化合物構造
部になおRO基を有するためこれを飽和ポリエス
テル系樹脂に配合して塗料を調製すればその硬化
剤として機能する。しかも高安定性に極めて優れ
るので樹脂分が50〜98重量%という高濃度型塗料
を調製するために加熱下で混合してもゲルを形成
することがない。さらに生成物(配合剤)自体な
らびに配合剤を配合した高濃度型塗料を高温下で
長期間維持しても増粘やゲル化を生じないという
効果を有する。しかしながらこの様にして生成し
た配合剤(上記の生成物)はゲル分解の際にかな
りの量の低分子量物を、副生することが確認され
た。この副生低分子量物は、ポリエステル系塗料
に、配合され焼付塗膜を得る際に大半は焼付条件
下、即ち高温下で飛散し焼付炉付帯の排気管に凝
縮して、焼付炉の性能を著しくそこない、また飛
散量が極めて多い場合には、大気中にまで飛散し
大気汚染の一因になると共に皮膜内に固定された
場合には皮膜の可塑化を促進し耐熱性などの特性
を低下させるという弊害を有する事が判明した。
本発明者らは、このような事情に照して鋭意研究
の結果、高温加熱処理下でのゲル分解生成物(上
記配合物)を適当な条件で減圧反応を行なう事に
より、低分子量物の除去およびゲル化を判なわな
い再結合反応の進行の結果、有機溶剤に可溶性の
樹脂組成物を得ることを見い出した。 即ち本発明はポリエステル系塗料の加熱硬化用
配合剤であつて、分子中に架橋点となりうるヒド
ロキシル基または/およびカルボキシル基を有す
る飽和ポリエステル系樹脂とTi(OR)4および/
またはZr(OR)4〔Rは有機基を意味し、4個のR
は同一であつても異なつていてもよい〕からなる
低分子有機金属化合物とを原料とし、これらの混
合物を少なくとも部分的なゲル化状態から均一な
状態となるまで加熱処理した後減圧反応を経て得
られるポリエステル系塗料の加熱硬化用配合剤に
関するものである。 この様にして得られた配合物は前記の硬化剤と
しての性能と、高温下での安定性を具備すると共
に、焼付時の昇華量が極めて少なく、良好な特性
を有する皮膜を与えるのである。 この発明における低分子有機チタン化合物と
は、一般式Ti(OH)4〔ただし、Rは有機基を意味
し、4個のRは同一であつても異なつていてもよ
い〕で示されるケトン系、芳香族系および炭化水
素系などの各種の有機溶剤に可溶性のものであ
る。このような化合物のなかで好適には上記式中
のRがアルキル基、ヒドロキシアルキル基および
置換ないし非置換のフエニル基ならびに化学式−
CH(CH3)COOH,−CH(COOH)CH2COOH,
−CH(COOH)−CH(OH)COOHおよび−C
(CH3)=CHCOCH3で表わされる有機基より選ば
れた基からなる化合物を選定するのがよい。また
上記のアルキル基としては炭素数4以上、通常4
〜36であることが望ましい。 この理由は、上記特定の化合物によるとゲル化
反応で生成する遊離のROHの沸点が比較的高く
なるため、これを系内に残した状態で前述したエ
ステル交換反応を行なわせるに好都合であるため
である。 一般式中の少なくともひとつのRがアルキル
基、ヒドロキシアルキル基もしくは置換ないし非
置換のフエニル基である場合の上記各基の具体例
としては次のものがある。まずアルキル基として
はn―プロピル基、イソプロピル基、n―ブチル
基、イソブチル基、tert―ブチル基およびn―オ
クチル基がもつとも望ましく、他にn―ペンチル
基、1―メチルブチル基、2―メチルブチル基、
1―メチル―1―エチルエチル基なども好まし
い。またヒドロキシアルキル基としてはそれぞれ
末端にヒドロキシ基を有するヒドロキシエチル
基、ヒドロキシプロピル基、ヒドロキシヘキシル
基、ヒドロキシオクチル基などが挙げられる。さ
らに置換ないし非置換のフエニル基としては、た
とえば次の一般式において、 X,Yが水素、水酸基、メチル基、エチル基、
カルボキシル基があつて、かつX,Yが同一また
は異なる基であるものなどが挙げられる。 低分子有機チタン化合物の配合量は飽和ポリエ
ステル系樹脂に対して一般に3〜25重量%、好ま
しくは6〜16重量%の範囲が好ましい。過少であ
れば硬化剤としての性能が不充分となり、また過
多であれば塗料特性の低下を招来する。 分子中に架橋点となり得るヒドロキシル基また
は/およびカルボキシル基を有する飽和ポリエス
テル系樹脂としては一般的な飽和ポリエステル系
塗料に使用される種々のものが使用できる。耐熱
性等の点から縮重合成分中の飽和多塩基酸成分が
芳香族系化合物であり、また多価アルコール成分
としてトリス(2―ヒドロキシエチル)イソシア
ヌレートを含むものが良好である。また同様の観
点から分子中にアミド結合または/およびイミド
結合を有する変性ポリエステル樹脂を使用するこ
とも望ましい。 飽和多塩基酸成分の具体例としてはテレフタル
酸、無水フタル酸、イソフタル酸、ジメチルテレ
フタレート、アジピン酸、ナフタレンジカルボン
酸などの二価カルボン酸ないしその誘導体、トリ
メリツト酸、無水トリメリツト酸、ピロメリツト
酸、ビフエニルテトラカルボン酸、ベンゾフエノ
ントリカルボン酸、ベンゾフエノンテトラカルボ
ン酸、ブタンテトラカルボン酸、シクロペンタテ
トラカルボン酸などの三価以上のカルボン酸ない
しその誘導体が挙げられる。 多価アルコール成分としてはエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘ
キサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエ
チレングリコール、トリエチレングリコールのよ
うな二価アルコール、グリセリン、トリメチロー
ルプロパン、ペンタエリスリトール、トリス(2
―ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのような
三価以上のアルコールなどが挙げられる。 ポリエステル分子中の架橋点となり得るヒドロ
キシル基または/およびカルボキシル基は、一般
的には多塩基酸成分または/および多価アルコー
ル成分として三価以上のものを原料の一部ないし
全部に使用することにて導入される。 分子中のアミド結合または/およびイミド結合
は、ポリエステル製造原料の他種成分としてジア
ミノジフエニルメタン、ジアミノジフエニルエー
テル、ジアミノジフエニルスルホン、ジアミノベ
ンゼン、ヘキサメチレンジアミン、ノナメチレン
ジアミンなどのジアミンのようなポリアミンの使
用により導入できる。多塩基酸成分の種類ないし
配合割合に応じてアミド結合、イミド結合もしく
はアミドイミド結合が導入されたポリエステルを
製造できることは周知のとおりである。 このような構成からなる飽和ポリエステル系樹
脂は一般に分子量分布が500〜1000000好適には
1000〜500000で、数平均分子量が1000〜300000好
適には3000〜50000程度のものである。好適には
架橋点となり得るヒドロキシル基または/および
カルボキシル基を分子内に2個以上有し、その架
橋間分子量(理論値)が通常200〜5000程度のも
のを使用するのがよい。架橋間分子量が大きすぎ
ると塗料の耐熱特性とくに熱軟化温度を損ないや
すく、また逆に小さすぎると可撓性を損なうた
め、いずれも望ましくない。 反応操作は、一般に加熱下で有機溶剤を全く含
まないか、もしくは、通常約20重量%までの割合
で含む飽和ポリエステル系樹脂に低分子チタン化
合物を単独もしくは通常化合物濃度が60重量%以
上となる様な有機溶剤溶液にして添加する。その
後、撹拌混合してゲルを生成させ、さらに均一状
態になるまで撹拌、均一状態になつた時点で減圧
反応することにて行なう。 使用する有機溶剤としては、通常低分子有機チ
タン化合物、飽和ポリエステル系樹脂および両者
の反応物からなる均一な生成物を共に溶解しうる
ようなクレゾール、キシレノール、キシレノール
酸などの有機溶剤を選定するのがよい。また反応
温度を充分に確保できるような高沸点の溶剤を使
用するのが望ましい。 反応の際の有機溶剤の使用量は、一般的に上記
した通りであるが勿論これらより多くても差支え
ない。しかしながら、後の減圧下で溶剤は溜去さ
れるので経済上等の観点より通常上記した如き溶
剤量が使用される。 ゲル化は、低分子有機チタン化合物の添加と共
に生起し、通常は粒子状のゲル塊が液中に増加し
ていく現象として観察され、肉眼でも充分に確認
できる。 ゲル形成後の反応温度は主として低分子有機チ
タン化合物の種類、とくにRの種類により異なる
が、一般には100〜240℃までの温度とするのがよ
い。またゲル分解より均一状態化への過程で反応
によつて系内温度が次第に上昇するので最終的な
系内温度が上記の温度領域、とくに好適には180
〜240℃となるように加熱を調節することが望ま
しい。240℃を越える温度では劣化の恐れがある。 反応による系内温度の上昇の程度と均一状態へ
の移行に要する時間は使用する低分子有機チタン
化合物の種類と量並びに飽和ポリエステル系樹脂
の種類によつて異なる。例えば低分子有機チタン
化合物ではTi(OR)4のRがアルキル基である場
合は炭素数が大きいものほど温度上昇が大であり
均一化に要する時間が短かく、フエニル基ではさ
らに温度上昇が大であるという傾向が認められ
る。この様にして均一状態に移行し終つた反応物
はこのままでもポリエステル系塗料の加熱硬化用
配合剤としての機能を発揮するが本発明に於ては
塗料焼付時の皮膜化効率、焼付塗膜の耐熱性を勘
案すれば更に減圧反応を経る事が肝要である。 この減圧反応は、通常150℃〜240℃好ましくは
180℃〜220℃、減圧度160mmHg以下の減圧下で
行なうが、温度が低すぎる場合は、低分子量物の
除去および、再縮合による低分子量物の高分子量
化反応が期待通り進行し得ず、逆に温度が高すぎ
る場合には異常高分子量化によるゲルの再発生を
招来する。減圧反応に要する時間は使用した低分
子有機チタン化合物の種類と量、並びに飽和ポリ
エステル系樹脂の種類、分岐度によつて異つてく
るが、通常30分〜3時間程度で完結する。尚減圧
反応に移行する前の生成物(有機溶剤を含むもの
では溶剤を揮散させたもの)は環球法による軟化
点が70℃〜87℃であり、通常500〜600000の分子
量分布、1000〜180000の数平均分子量を示すもの
であるが、減圧反応経過後の生成物の軟化点は通
常90℃〜110℃であり、2000〜800000の分子量分
布、3000〜250000の数平均分子量を示すのが一般
的である。 これが低分子有機チタン化合物―ポリエステル
樹脂からなる高分子チタン化合物であることは、
少なくともアセトン、メチルエチルケトン、ベン
ゼン、トルエン、キシレン、ノルマルヘキサン、
シクロヘキサンおよびメチルシクロヘキサンから
選ばれた有機溶剤に溶解せず、この不溶分が燃焼
によつて酸化チタンを生成することなどにより確
認される。 このように、均一状態の生成物は上述した特定
の有機溶剤に不溶性であり、このことは前記低分
子有機チタン化合物とポリエステル樹脂との反応
終点を肉眼以外の手段で確認する場合に便利であ
る。何故なら上述した有機溶剤はいずれも低分子
有機チタン化合物を溶解させる能力はあり、また
ポリエステル樹脂に対する溶解能は非常に低い。
したがつて反応物を適宜サンプリングして、上述
した特定の有機溶剤を加えて撹拌混合すると、反
応物中に未反応の低分子有機チタン化合物が存在
するときはこの化合物だけが液中に溶出し、ろ過
後の残査重量とサンプリング量との間に差異が生
じてくる。一方未反応の低分子有機チタン化合物
が全く存在しないときはその差異はほとんど認め
られず、ポリエステル樹脂との反応が完結したこ
とが判る。 この発明の上記の生成物は飽和ポリエステル系
樹脂塗料の加熱硬化用配合剤として極めて有用で
ある。一般に前記の生成物を、配合後(即ち本発
明の配合剤とこれに配合する飽和ポリエステル系
樹脂)の樹脂分(配合剤製造原料としての飽和ポ
リエステル系樹脂を含む)に対して配合剤製造原
料としての低分子有機チタン化合物が通常1.0〜
15重量%、好ましくは3.0〜8.0重量%となるよう
に、配合前の塗料樹脂分(即ち飽和ポリエステル
系樹脂)100重量部に対し無溶剤換算で20〜150重
量部、好ましくは80〜120重量部配合すればよい。 これによつて得られる塗料は250〜500℃の温度
で迅速に硬化する塗料となる。また上記生成物自
体が高温安定性に極めて優れているため50〜98重
量%の樹脂成分を有する高濃度型ポリエステル系
樹脂塗料とすることができ、従来のこの種塗料に
対して塗布回数を大幅に低減することが可能であ
る。この場合に後述塗料試験でも示されるように
従来の低濃度型塗料の多数回塗布による同程度の
厚みを有する塗膜に対して性能的に何ら遜色のな
いものとなる。またこの塗料は溶融状を呈する高
温下で長期間保持しても増粘やゲル化が生じ難い
(150℃〜170℃の密封保存下にて1週間〜1ケ月
程度保存可能)という大きな利点があり、長期の
連続塗装や高温下の長期保存においても変質せ
ず、実用性の点からも非常に優れたものである。 この発明の配合剤を配合させるべき塗料の主樹
脂分は飽和ポリエステル系樹脂であり、これは前
記した配合剤の原料用飽和ポリエステル系樹脂と
ほぼ同じ樹脂である。しかし塗料配合において両
者が同一成分である必要はない。 以下、この発明を実施例にて示す。実施例にて
使用した飽和ポリエステル系樹脂は何れも縮重合
成分として記載した原料の記載モル比混合物を
200〜250℃で加熱して反応させて得られたもので
ある。 なお本発明においては今迄に説明してきたTi
(OR)4で示される低分子有機チタン化合物の代り
に、Zr(OR)4で示される低分子有機ジルコニウム
化合物を使用しても同様の効果が得られることが
確認された。 Zr(OR)4のRの定義、本発明の技術の中での使
い方等は、すべてTi(OR)4と同様である。なお
またこのようなTi(OR)4とZr(OR)4を混合して用
いることもできることは勿論である。また低分子
有機ジルコニウム化合物を用いる場合は、場合に
より上記一般式のRの炭素数が2ケおよび3ケの
アルキル基を用いることもできる。 実施例 1 縮重合成分がテレフタル酸、エチレングリコー
ル、グリセリン(モル比1.0:0.6:0.4)である飽
和ポリエステル樹脂(数平均分子量10000)300g
とクレゾール30gを撹拌機、温度計および還流器
が付設された1000ml四つ口フラスコに入れ、150
〜180℃の温度下で撹拌混合した。撹拌を続けな
がら15gのテトラブチルチタネートを10gのクレ
ゾールで希釈した液を添加した。添加と同時に粒
子状ゲルが生成して添加終了時点では多数のゲル
粒子が液中に分散した状態となつた。続いて昇温
して系内温度を200〜230℃に維持して溶剤を還流
させながら5時間撹拌して反応を行なつた。この
反応によりゲル粒子が認められない均一状態で環
球法による軟化点が75℃の生成物を得た。この生
成物をさらに200〜220℃、50mmHgで1時間減圧
反応させて軟化点95℃の本発明の配合剤を得た。 配合剤の特性を下記第1表に示す。 実施例 2 縮重合成分がイソフタル酸、ジメチルフタレー
ト、無水トリメリツト酸、エチレングリコール、
グリセリン、ジアミノジフエニルメタン(モル比
0.1:0.5:0.4:0.6:0.4:0.2)であるアミド―イ
ミド変性飽和ポリエステル樹脂(数平均分子量
5000)300gとクレゾール30gを実施例1と同様
な四つ口フラスコに入れ、150〜180℃の温度下で
撹拌混合した。撹拌を続けながら15gのテトラブ
チルチタネートを10gのクレゾールで希釈した液
を添加したところ、実施例1と同様のゲル化状態
となつた。続いて昇温して系内温度を200〜230℃
に維持して溶剤を還流させながら4時間撹拌して
反応を行なつた。この反応によりゲル粒子が認め
られない均一状態の液を得た。さらにこの液を
230℃、20mmHgで30分間減圧反応を行ない、本
発明の配合剤を得た。 実施例 3 縮重合成分が無水フタル酸、イソフタル酸、エ
チレングリコール、グリセリン(等モル比)であ
る飽和ポリエステル樹脂(数平均分子量5000)
300gを撹拌機、温度計および還流器が付設され
た1000ml四つ口フラスコに入れた。80〜100℃の
温度下で撹拌を行ないながら35gのテトラブチル
チタネートを徐々に添加したところ、実施例1と
同様のゲル化状態となつた。続いて昇温して系内
温度を200〜230℃に維持して6時間撹拌を続けて
反応を行ない均一状態の液を得その後180℃〜200
℃で100mmHgで2時間減圧反応を行なつて配合
剤を得た。配合剤の特性は第1表に示す通りであ
つた。 実施例 4〜10 第1表記載の縮重合成分からなる飽和ポリエス
テル系樹脂の第1表記載量とクレゾール30gを実
施例1と同様のフラスコに入れた。次に第1表記
載の温度下で撹拌を行なつた後、撹拌を続けなが
ら第1表記載の低分子有機チタン化合物および/
または低分子有機ジルコニウム化合物の第1表記
載量を10gのクレゾールで希釈した液を添加し
た。何れも添加開始と同時に粒子状ゲルが生成し
て添加終了時点では多数のゲル粒子が液中に分散
した状態となつた。続いて昇温して系内温度を第
1表記載の範囲に維持しつつ溶剤を還流させなが
ら第1表記載時間撹拌して反応を行なつた。この
反応によりゲル粒子が認められない均一状態の液
を得た。その後、第1表記載の減圧条件で減圧反
応を行なつて配合剤を得た配合剤の特性は第1表
に示すとおりであつた。表中のTHEICはトリス
(2―ヒドロキシエチル)イソシアヌレートであ
る。(以下同様) 各実施例にて得られた配合剤は何れも密封下で
170℃、30日間の保存によつても分子量の変化や
粘度の変化が認められず、高温保存安定性に極め
て優れることが確認された。 比較例 1〜5 第2表に記載の如く前記実施例1,2,4,
5,10より減圧反応工程を除いたものであり、そ
れら生成物の特性を第2表に併記する。
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
〔塗料試験例〕
第3表記載の縮重合成分からなる飽和ポリエス
テル系樹脂(製法は実施例使用のものと同じ)
300gに、100〜140℃の加熱下で実施例にて得ら
れた各々の生成物の第3表記載量を添加混合し、
高濃度型エナメルワニスを調製した。このエナメ
ルワニスを100〜140℃の加熱状態で用いて1.0mm
径の銅線に塗装回数3回、焼付速度6/分、焼付
温度430℃にて焼付塗装を施して絶縁電線を製造
した。この電線に付きJIS C―3003に準じて各種
性能試験を行なつた。塗装特性および塗膜性能は
第3表に示す通りであつた。 なお塗膜効率とは、
皮膜重量/エナメルワニス不揮発分重量×100で表わさ
れる 数値で、不揮発分中のどの程度の量がワニス皮膜
となるかを示す指標として用いた。 第3表中の市販品Aとは溶剤系ポリエステルワ
ニス(日東電工社製デラコートE―220G、濃度
40%)であり、市販品Bとは溶剤系ポリエステル
イミドワニスであり、両者共に室温で用い、塗装
回数6回、焼付速度6m/分、焼付温度450℃に
て焼付塗装したものである。
【表】
【表】
【表】 上記塗装試験でも明らかなように、この発明の
塗料配合剤を用いた高濃度型ポリエステル系樹脂
塗料によれば、非常に少ない塗布回数にて従来の
一般的な溶剤系(低濃度型)ポリエステル樹脂塗
料による塗膜に対して性能的に何ら遜色のない塗
膜を得ることができる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 ポリエステル系塗料の加熱硬化用配合剤であ
    つて、分子中に架橋点となりうるヒドロキシル基
    または/およびカルボキシル基を有する飽和ポリ
    エステル系樹脂とTi(OR)4および/またはZr
    (OR)4〔Rは有機基を意味し、4個のRは同一で
    あつても異なつていてもよい〕からなる低分子有
    機金属化合物とを原料とし、これらの混合物を少
    なくとも部分的なゲル化状態から均一な状態とな
    るまで加熱処理した後、温度150〜240℃、減圧度
    160mmHg以下の圧力で減圧反応を経て得られるポ
    リエステル系塗料の加熱硬化用配合剤。 2 少なくともアセトン、メチルエチルケトン、
    ベンゼン、トルエン、キシレン、ノルマルヘキサ
    ン、シクロヘキサンおよびメチルシクロヘキサン
    から選ばれた有機溶剤に不溶性である特許請求の
    範囲第1項記載のポリエステル系塗料の加熱硬化
    用配合剤。 3 Rがアルキル基、ヒドロキシアルキル基およ
    び置換ないし非置換のフエニル基ならびに化学式
    ―CH(CH3)COOH、―CH(COOH)
    CH2COOH、―CH―(COOH)CH(OH)
    COOHおよび―C(CH3)=CHCOCH3で表わされ
    る有機基より選ばれた基である低分子有機金属化
    合物を原料とする特許請求の範囲第1項または第
    2項記載のポリエステル系塗料の加熱硬化用配合
    剤。 4 低分子有機金属化合物がTi(OR)4であり、
    かつアルキル基が炭素数4以上の基である特許請
    求の範囲第3項記載のポリエステル系塗料の加熱
    硬化用配合剤。 5 アルキル基が炭素数4〜36の基である特許請
    求の範囲第4項記載のポリエステル系塗料の加熱
    硬化用配合剤。 6 低分子有機金属化合物がZr(OR)4であり、か
    つアルキル基が炭素数2以上の基である特許請求
    の範囲第3項記載のポリエステル系塗料の加熱硬
    化用配合剤。 7 アルキル基が炭素数2〜36の基である特許請
    求の範囲第6項記載のポリエステル系塗料の加熱
    硬化用配合剤。 8 低分子有機金属化合物の使用量を飽和ポリエ
    ステル系樹脂に対して3〜25重量%とした特許請
    求の範囲第1項ないし第7項のいずれかに記載の
    ポリエステル系塗料の加熱硬化用配合剤。 9 飽和ポリエステル系樹脂が分子中にアミド結
    合または/およびイミド結合を有する変性ポリエ
    ステル樹脂である特許請求の範囲第1項ないし第
    8項のいずれかに記載のポリエステル系塗料の加
    熱硬化用配合剤。 10 加熱処理の温度を100〜240℃までの温度と
    した特許請求の範囲第1項ないし9項のいずれか
    に記載のポリエステル系塗料の加熱硬化用配合
    剤。
JP11142480A 1980-08-12 1980-08-12 Horiesuterukeitoryohaigozai Granted JPS5736159A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11142480A JPS5736159A (ja) 1980-08-12 1980-08-12 Horiesuterukeitoryohaigozai

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11142480A JPS5736159A (ja) 1980-08-12 1980-08-12 Horiesuterukeitoryohaigozai

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS5736159A JPS5736159A (ja) 1982-02-26
JPS6351181B2 true JPS6351181B2 (ja) 1988-10-13

Family

ID=14560821

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11142480A Granted JPS5736159A (ja) 1980-08-12 1980-08-12 Horiesuterukeitoryohaigozai

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS5736159A (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPS5736159A (ja) 1982-02-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
BR0008834B1 (pt) composição para revestimento de condutores de metal, processo de revestimento que envolve o uso da mesma, uso da referida composição, bem como condutor elétrico revestido.
US4127553A (en) Electrical insulating resin composition comprising a polyester resin or ester-imide resin
US3931418A (en) Process for the production of insulating coatings on electrical conductors
JPS6351181B2 (ja)
JPS6246582B2 (ja)
JP4440535B2 (ja) ポリエステル系絶縁塗料の製造方法
JPS6328934B2 (ja)
JPS6253535B2 (ja)
JP5176109B2 (ja) 電気絶縁用樹脂組成物及びこれを用いたエナメル線
KR820000991B1 (ko) 전기 절연 수지조성물
JPS6211033B2 (ja)
KR820000992B1 (ko) 전기 절연 수지조성물
JPH064815B2 (ja) 溶融塗装用ポリエステル系樹脂組成物
JPH03243676A (ja) 塗料組成物及び絶縁電線
JPS6081221A (ja) はんだ付け性を有する樹脂組成物
JPS6232229B2 (ja)
JPS621979B2 (ja)
JP2963190B2 (ja) ポリエステルイミド及びワイヤーエナメルの製造方法
KR820000990B1 (ko) 전기 절연 수지조성물
JPS6213386B2 (ja)
JPS58174441A (ja) 耐熱性樹脂組成物
JP2003138203A (ja) ポリエステル系絶縁塗料の製造方法
JPS6241606B2 (ja)
JPS63189456A (ja) はんだ付け性を有する樹脂組成物
JPS6341168B2 (ja)