JP2003138203A - ポリエステル系絶縁塗料の製造方法 - Google Patents

ポリエステル系絶縁塗料の製造方法

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JP2003138203A JP2001337992A JP2001337992A JP2003138203A JP 2003138203 A JP2003138203 A JP 2003138203A JP 2001337992 A JP2001337992 A JP 2001337992A JP 2001337992 A JP2001337992 A JP 2001337992A JP 2003138203 A JP2003138203 A JP 2003138203A
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propylene carbonate
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Kazuhiro Sunochi
和宏 須之内
Masao Ikeda
正雄 池田
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Ukima Chemicals and Color Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来から使用されているフェノール系溶剤を
使用しないで、有害毒性が解消され、上記溶剤を用いた
場合と同等の耐熱性等の特性を有するポリエステル系絶
縁塗料の製造方法を提供すること。 【解決手段】 ポリエステル系樹脂が溶剤に溶解してな
る絶縁塗料を製造する方法において、プロピレンカーボ
ネート中で原料成分を加熱反応させ、プロピレンカーボ
ネートに溶解した、分子中にイミド環を有するポリエス
テル系樹脂の溶液を形成させることを特徴とするポリエ
ステル系絶縁塗料の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリエステル系絶
縁塗料の製造方法に関し、さらに詳しくはプロピレンカ
ーボネート溶剤中で原料成分を反応させ、プロピレンカ
ーボネートに溶解した耐熱性に優れたポリエステル系樹
脂の溶液を得る絶縁塗料の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から電気絶縁塗料として、種々のポ
リマーを被膜形成成分として用いるものが提案され、且
つ広く使用されており、その用途や要求性能等に従って
各種のグレードのものが使用されている。近年、電気機
器類の小型化および高性能化に伴い電気絶縁塗料に要求
される性能も高度なものとなり、耐熱性が高く、且つ特
性バランスの良いポリエステル系絶縁塗料の需要が増加
している。
【0003】ポリエステル系絶縁塗料の主溶剤として
は、フェノール、クレゾールまたはクレゾール酸のよう
なフェノール系溶剤が用いられている。これらのフェノ
ール型溶剤は、強い刺激臭を有し、皮膚接触で薬傷を呈
すなど、一般的な他の塗料に用いられている溶剤に比較
しても有毒有害性が高い溶剤である。フェノール系溶剤
は特定化学物質に指定されており、日本産業衛生学会で
はフェノールおよびクレゾールの許容濃度はいずれも5
ppmと勧告している。また、フェノールを含む物質ま
たはクレゾールを含む物質は医薬用外劇物にも該当す
る。このため、塗料にフェノール系溶剤を使用する場合
には、材料の管理から始まって、塗料廃棄物の管理に至
るまで、多大な注意が必要となっている。
【0004】以上のような事情から、絶縁塗料の製造お
よび使用における作業環境の向上や廃棄物の処理対策上
などにおいて、フェノール系溶剤を使用しない絶縁塗料
の開発は積年の課題であり、すでに幾つかの提案がなさ
れているが、必ずしも満足できるものではない。例え
ば、樹脂合成時の溶剤としてエチレングリコールモノメ
チルエーテルやプロピレングリコールモノエチルエーテ
ルなどの一般式R1O(CHR2−CH2O)nHで表され
るいわゆるグリコールエーテル系溶剤(式中のR1およ
びR2は、水素原子またはアルキル基、nは整数であ
る。)を使用する方法、または、過剰のアルコールを使
用し、反応終了時に減圧等にて除去する方法が提案され
ている。
【0005】前者は、樹脂合成に用いる溶剤末端の水酸
基と、生成したポリエステル系樹脂とが反応してポリエ
ステル系樹脂の分子鎖を切断するため、樹脂合成時の溶
剤として使用できないことは勿論、塗料製造条件に大き
な制約が生じる。この制約を解決してポリエステル系樹
脂を含む絶縁塗料を製造しても、絶縁塗料を焼き付けて
エナメル線にする際に焼き付け炉内で同様の反応を呈す
ために、仕上がったエナメル線の耐熱性等の特性が低下
してしまう。後者は、過剰のアルコール中で反応させる
ために、生成するポリエステル系樹脂の重合度が小さく
なるため、このポリエステル系樹脂を含む絶縁塗料を焼
き付けたエナメル線の絶縁被膜は可撓性及び耐熱性など
の特性が低下してしまう。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、従来から使用されているフェノール系溶剤を使用し
ないで、該溶剤を用いた場合と同等の耐熱性等の特性を
有するポリエステル系絶縁塗料の製造方法を提供するこ
とである。
【0007】本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意
検討した結果、プロピレンカーボネート中で原料成分を
反応させ、プロピレンカーボネートに可溶なポリエステ
ル系樹脂を合成し、得られる樹脂の溶液を導体に塗布及
び焼き付けることにより、フェノール系溶剤を用いた場
合と実質的に同等の特性を有する絶縁被膜が形成される
ことを見い出し、本発明を完成した。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、ポリエ
ステル系樹脂が溶剤に溶解してなる絶縁塗料を製造する
方法において、プロピレンカーボネート中で原料成分を
加熱反応させ、プロピレンカーボネートに溶解した、分
子中にイミド環を有するポリエステル系樹脂の溶液を形
成させることを特徴とするポリエステル系絶縁塗料の製
造方法が提供される。
【0009】
【発明の実施の形態】次に本発明についてさらに詳細に
説明する。本発明の絶縁塗料の製造方法は、プロピレン
カーボネート(炭酸プロピレン)を溶剤とし、上記溶剤
中で原料成分を反応させ、生成した分子中にイミド環を
有するポリエステル系樹脂(以下では単にポリエステル
系樹脂と称することがある。)が上記溶剤に溶解した溶
液を形成させることが特徴である。
【0010】分子中にイミド環を有し、プロピレンカー
ボネートに溶解するポリエステル系樹脂を合成する原料
成分は、芳香族ジイミドジカルボン酸およびこれ以外の
多価カルボン酸ならびに多価アルコールである。尚、芳
香族ジイミドジカルボン酸は、反応系中で他の原料成分
の存在下に芳香族トリカルボン酸あるいはその無水物と
芳香族ジアミンなどを原料成分として反応させて生成さ
せることもできる。
【0011】芳香族ジイミドジカルボン酸は、例えば、
芳香族トリメリット酸無水物2モルと芳香族ジアミン1
モルとを反応させて得られる下記の構造を有する芳香族
ジカルボン酸である。芳香族ジアミンとしては、例え
ば、ベンジジン、4,4′−ジアミノジフェニルエーテ
ル、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、p−フェニ
レンジアミン、4,4′−ジアミノビフェニル、4,
4′−ジアミノジフェニルケトンなどが挙げられるが、
4,4′−ジアミノジフェニルメタンが好ましい。芳香
族ジアミンに代えて、例えば、4,4′−ジイソシアネ
ートジフェニルメタン、4,4′−ジイソシアネートジ
フェニルエーテルなどの芳香族ジイソシアネートを用い
ることもできる。
【0012】芳香族ジイミドジカルボン酸以外の多価カ
ルボン酸あるいはその誘導体としては、例えば、コハク
酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸等の脂肪族ジ
カルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、
ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、トリ
メリット酸、ヘメリット酸等の芳香族三価カルボン酸、
ピロメリット酸等の芳香族四価カルボン酸等の芳香族多
価カルボン酸あるいはこれらの酸無水物、低級(アルキ
ル基の炭素数が1〜4程度の)エステル化物等が挙げら
れる。これらは1種または2種以上を組み合わせて使用
することができる。芳香族三価カルボン酸あるいはその
無水物は前記の芳香族ジイミドジカルボン酸の原料と同
時に多価カルボン酸として使用することができる。好ま
しい多価カルボン酸は、芳香族ジカルボン酸および芳香
族三価カルボン酸であり、なかでも好ましいのはテレフ
タル酸およびトリメリット酸である。
【0013】多価アルコールとしては、例えば、エチレ
ングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリ
コール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオ
ール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコ
ール、スピログリコールなどの脂肪族二価アルコール、
グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリ
ットなどの脂肪族三価以上のアルコール、トリス(2−
ヒドロキシエチル)イソシアヌレート(THEIC)な
どの環状の三価以上のアルコールなどが挙げられる。好
ましい多価アルコールは、二価アルコールと三価アルコ
ールの併用である。二価アルコールは全アルコール当量
の5〜95当量%が好ましく、さらに好ましくは45〜
90当量%である。二価アルコールとしては、エチレン
グリコール、プロピレングリコール、1,6−ヘキサン
ジオールが好ましく、三価アルコールとしてはグリセリ
ン、THEIC、トリメチロールプロパンなどが好まし
い。
【0014】上記の原料成分を用いてプロピレンカーボ
ネート中で分子中にイミド環を有するポリエステル系樹
脂を製造する場合、全多価カルボン酸成分中の酸基と全
多価アルコール成分中の水酸基の当量比(OH/COO
H)が、好ましくは1.2〜3.0、さらに好ましくは
1.5〜2.5となるように多価カルボン酸と多価アル
コールを反応させる。上記の当量比が1.2未満では反
応系の粘度が高くなり、反応制御に難があり、3.0を
超えると反応生成物の上記ポリエステル系樹脂の分子量
が小さくなりすぎ、得られた絶縁塗料を導体に塗布およ
び焼付けた際のスタックロスが多くなるとともに、良好
な硬化が行われず、絶縁被膜としての性能が不十分とな
る。
【0015】ポリエステル系樹脂中のイミド基の含有量
(イミド当量)は、絶縁塗料に要求される耐熱性に応じ
て任意に変更できるが、通常、樹脂中のエステル当量と
イミド当量の合計に対して5〜50当量%であり、好ま
しいイミド当量は10〜40当量%である。
【0016】本発明におけるポリエステル系樹脂の製造
方法は、特定の溶剤中での製造することを除き、従来公
知の絶縁塗料用のポリエステル系樹脂の製造方法がいず
れも使用でき、特に限定されない。以下に好ましい実施
態様を示す。本発明においても反応を促進するために触
媒を使用することが可能であり、また好ましい。使用で
きる触媒としては、例えば、テトラプロピルチタネー
ト、テトラブチルチタネート、テトラクレジルチタネー
ト、トリエタノールアミンチタネートなどのチタン酸エ
ステル、ジブチルチンオキサイド、スタナスオキサイド
などのスズ化合物、酢酸亜鉛、酢酸鉛、プロピオン酸亜
鉛等の有機酸金属塩などが挙げられる。これらは1種ま
たは2種以上を組み合わせて使用することができる。触
媒の使用量は、通常、全原料成分量に対して2重量%以
下の量で使用される。
【0017】プロピレンカーボネート、芳香族ジイミド
ジカルボン酸またはその原料成分、およびこれ以外の多
価カルボンまたはその誘導体ならびに多価アルコールを
反応容器に仕込み、触媒の存在下または非存在下に、1
80〜270℃の温度に加熱および反応せしめ、分子中
にイミド環を有する所定のポリエステル系樹脂を合成す
る。上記のポリエステル系樹脂の製造方法は一例であ
り、原料成分の分割添加およびその際の添加順序や反応
温度等は種々変更できることを理解すべきである。
【0018】上記の方法により製造されるポリエステル
系樹脂は、プロピレンカーボネートに溶解した溶液状態
であり、そのままの濃度で、あるいはプロピレンカーボ
ネートや希釈剤で適当な濃度に調整して絶縁塗料として
使用される。絶縁塗料における主溶剤は、プロピレンカ
ーボネートであり、希釈剤として、例えば、脂肪族およ
び芳香族ナフサやキシレンなどの芳香族系炭化水素を使
用することができる。
【0019】こうして調製されたポリエステル系絶縁塗
料は、そのままでもエナメル線製造に供することができ
るが、より良い特性を発現させるために従来のポリエス
テル系絶縁塗料に使用されている硬化剤や硬化触媒など
の各種添加剤を配合することができる。硬化剤として
は、従来のポリエステル樹脂系絶縁塗料で用いられてい
る硬化剤がいずれも使用でき、特に限定されない。例え
ば、好ましい硬化剤としては、ポリイソシアネートのイ
ソシアネート基をフェノール、クレゾール等でマスキン
グした安定化ポリイソシアネートが挙げられる。この具
体例としては、ジフェニルメタンジイソシアネートのキ
シレノールマスキング体、ジフェニルメタンジイソシア
ネート/トリメチロールプロパンのキシレノールマスキ
ング体、トリレンジイソシアネートの三量体のフェノー
ルマスキング体等を挙げることができる。その添加量
は、ポリエステル系樹脂に対して、通常1〜15重量%
程度である。
【0020】また、ナフテン酸亜鉛、オクチル酸亜鉛等
の有機酸金属塩やテトライソプロピルチタネート、テト
ラブチルチタネート、テトラクレジルチタネート、トリ
エタノールアミンチタネート等のチタン酸エステル等が
硬化触媒または硬化剤として使用でき、その添加量はポ
リエステル系樹脂に対して、通常0.5〜15重量%、
好ましくは1〜10重量%の範囲である。
【0021】他の添加剤としてはフェノール系ホルムア
ルデヒド樹脂が挙げられる。上記樹脂としては、フェノ
ール、クレゾール、キシレノール、レゾルシン等のフェ
ノール類とホルムアルデヒドから得られる樹脂及びそれ
らの変性樹脂を挙げることができる。その添加量は、ポ
リエステル系樹脂に対して、通常0.3〜20重量%程
度である。
【0022】
【実施例】以下に実施例及び参考例を挙げて本発明をさ
らに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限
定されるものではない。
【0023】実施例1 攪拌機、温度計および冷却管を備えた2リットルのフラ
スコに、トリメリット酸無水物179g、エチレングリ
コール179g、グリセリン44gを仕込み160℃ま
で加熱し、200℃まで6時間かけて昇温させた後、プ
ロピレンカーボネート289gを仕込み反応を停止させ
た。100℃まで冷却した後、この系にトリメリット酸
無水物230g、4,4′−ジアミノジフェニルメタン
119g及び触媒としてテトラブチルチタネート0.7
gを仕込み、150℃で5時間保持した後、200℃ま
で5時間かけて昇温し、この温度で5時間反応させた。
反応液にプロピレンカーボネート318g、日石化学社
製ハイゾール#100を68gを加え、不揮発分50%
のポリエステル系樹脂溶液を調製した。この溶液に樹脂
分に対して3重量%のテトラブチルチタネートを加え、
不揮発分50重量%、30℃における粘度40dPa・
sのポリエステル系絶縁塗料を得た。得られたポリエス
テル系絶縁塗料を、有効炉長2.5m横型焼付炉、焼付
温度500℃、ダイス6回塗布および線引速度24m/
分の条件で直径0.32mm径軟銅線に塗布及び焼付を
行った。得られた絶縁電線の特性をJIS C3003
に準じて測定した。結果を表1に示す。
【0024】実施例2 攪拌機、温度計および冷却管を備えた2リットルのフラ
スコに、プロピレンカーボネート289g、エチレング
リコール179g、グリセリン44g、トリメリット酸
無水物409g、4,4′−ジアミノジフェニルメタン
119g及び触媒としてテトラブチルチタネート0.7
gを仕込み、150℃で5時間保持した後、200℃ま
で5時間かけて昇温し、この温度で5時間反応させた。
反応液にプロピレンカーボネート318gおよび日石化
学社製ハイゾール#100を68gを加え、不揮発分5
0%の樹脂溶液を調製した。この溶液に樹脂分に対して
3重量%のテトラブチルチタネートを加え、不揮発分5
0重量%、30℃における粘度40dPa・sのポリエ
ステル系絶縁塗料を得た。実施例1と同様にして、得ら
れた絶縁塗料を用いた絶縁電線の特性を測定した。結果
を表1に示す。
【0025】実施例3 攪拌機、温度計及び冷却管を備えた2リットルのフラス
コに、プロピレンカーボネート164g、エチレングリ
コール74g、トリス−2ーヒドロキシイソシアヌレー
ト313g、ジメチルテレフタレート218g、トリメ
リット酸無水物144g、4,4′−ジアミノジフェニ
ルメタン74g及び触媒としてテトラブチルチタネート
0.7gを仕込み、200℃まで6時間かけて昇温し、
この温度で5時間反応させた。反応液にプロピレンカー
ボネート392gおよび日石化学社製ハイゾール#10
0を98gを加え、不揮発分50%の樹脂溶液を調製し
た。これに樹脂分に対して3重量%のテトラブチルチタ
ネートと2重量%のフェノールホルムアルデヒド樹脂を
加え、不揮発分50重量%、30℃における粘度50d
Pa・sのポリエステル系絶縁塗料を得た。実施例1と
同様にして、得られた絶縁塗料を用いた絶縁電線の特性
を測定した。結果を表1に示す。
【0026】参考例1 実施例1においてプロピレンカーボネートの代わりにク
レゾール289gを用いて反応を停止させ、反応液にプ
ロピレンカーボネートの代わりにクレゾール622gお
よび日石化学社製ハイゾール#100を101gを加
え、不揮発分40%の樹脂溶液を調製した。これに樹脂
分に対して3重量%のテトラブチルチタネートを加え、
不揮発分40重量%、30℃における粘度40dPa・
sのポリエステル系絶縁塗料を得た。実施例1と同様に
して、得られた絶縁塗料を用いた絶縁電線の特性を測定
した。結果を表1に示す。
【0027】参考例2 実施例4においてプロピレンカーボネートの代わりにク
レゾール164gを用いて反応させ、反応液にプロピレ
ンカーボネートの代わりにクレゾール392gおよび日
石化学社製ハイゾール#100を98gを加え、不揮発
分45%の樹脂溶液を調製した。この溶液に樹脂分に対
して3重量%のテトラブチルチタネートと2重量%のフ
ェノールホルムアルデヒド樹脂を加え、不揮発分45重
量%、30℃における粘度50dPa・sのポリエステ
ル系絶縁塗料を得た。実施例1と同様にして、得られた
絶縁塗料を用いた絶縁電線の特性を測定した。結果を表
1に示す。
【0028】
【0029】
【発明の効果】本発明の絶縁塗料は、従来のフェノール
系溶剤を使用した絶縁塗料の有毒有害性を大きく下回
り、従来のフェノール系溶剤を使用した絶縁塗料と異な
り特別な管理を必要としない。また、前述の実施例にあ
るように塗料は高濃度化され省資源にも有効である。本
発明の絶縁塗料を、軟銅線などの導体上に常法に従って
塗布することで、従来のフェノール系溶剤での絶縁塗料
で得られたものと同等のエナメル線特性を得ることがで
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 池田 正雄 東京都中央区日本橋馬喰町1−7−6 大 日精化工業株式会社内 Fターム(参考) 4J038 DD101 DG262 GA09 JA43 JC38 KA03 KA04 KA06 NA21

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステル系樹脂が溶剤に溶解してな
    る絶縁塗料を製造する方法において、プロピレンカーボ
    ネート中で原料成分を加熱反応させ、プロピレンカーボ
    ネートに溶解した、分子中にイミド環を有するポリエス
    テル系樹脂の溶液を形成させることを特徴とするポリエ
    ステル系絶縁塗料の製造方法。
  2. 【請求項2】 原料成分が、芳香族ジイミドジカルボン
    酸およびこれ以外の多価カルボン酸ならびに多価アルコ
    ールである請求項1に記載のポリエステル系絶縁塗料の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 芳香族ジイミドジカルボン酸を、芳香族
    トリカルボン酸無水物と芳香族ジアミンとを用いて反応
    系中で生成させる請求項1または2に記載のポリエステ
    ル系絶縁塗料の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の方法で得られるポリエ
    ステル系絶縁塗料に硬化剤および/または硬化触媒を混
    合してなることを特徴とするポリエステル系絶縁塗料。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013037976A (ja) * 2011-08-10 2013-02-21 Sumitomo Electric Wintec Inc 絶縁性材料
CN109096886A (zh) * 2018-08-01 2018-12-28 江苏恒兴制漆有限公司 一种耐软化击穿漆包线漆及其制作方法

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