JPS6350543Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はパイプインパイプ工法における分岐部
挿入管に関する。

パイプインパイプ工法は、老朽化した既設管路
内に新管を挿入することにより管路の敷設変えを
行なう工法である。しかし、既設管路の途中にた
とえばＴ字形の分岐部が存在する場合には、この
分岐部に対応する新管もまたＴ字形となり、通常
の一体鋳物のＴ字形新管を用いた工法では、Ｔ字
形の分岐部が邪魔になつてこのＴ字形新管を既設
管路内に挿入できず、この分岐部は開掘工法によ
り施工しなければならないという問題がある。

そこで本考案は、既設管路における分岐部にも
新管を挿入可能なようにすることを目的とするも
のである。

この目的を達成するため本考案は、既設管路の
分岐部の分岐側に対向可能な孔部を有するととも
にこの孔部の周囲にフランジ座を有し、かつ前記
分岐部の本管側に挿入可能な直管状の分岐用新管
を設け、前記フランジ座に接続可能な内フランジ
と、前記分岐部における分岐側管路内に挿入可能
な管部と、管部の先端外周に形成された先細り状
のテーパ部とを有する連絡管を設け、前記フラン
ジ座と内フランジとの間に環状の第１のシール材
を設け、前記分岐側管路の内面と連絡管のテーパ
部との間に環状の第２のシール材を設け、前記連
絡管よりも分岐管の奥側に押輪を設け、前記押輪
を貫通するとともに、前記連絡管の先端面に管軸
方向に螺入され、前記押輪を連絡管に締結させて
この押輪により前記第２のシール材を押圧させる
ねじ体を設けたものである。

したがつて、分岐用新管と連絡管とはそれぞれ
単独に既設管路の分岐部に挿入でき、その後の接
続により前記分岐部に応じた新たな分岐管を構成
できるため、このような分岐部をもパイプインパ
イプ工法で施工できるのみならず、連絡管と分岐
側管路との間のシール作業は、分岐用新管と連絡
管との接続作業に関係なく独立して、しかも連絡
管よりも奥側における分岐用新管の内部の広い空
間内にて容易に実施できる。

以下、本考案の一実施例を図面にもとづいて説
明する。第１図において、１は地中に埋設された
既設管路であり、その途中にはＴ字形分岐部２が
設けられている。３は本管、４は分岐側管路とし
ての分岐管である。５は本考案による分岐部挿入
管であり、両端に受口６を有するとともに分岐管
に対向する孔部７を有して、本管３内に挿入され
る直管状の分岐用新管８と、孔部７を介して分岐
用新管８に連通可能であるとともに、本管３を経
由して分岐管４内に挿入される連絡管９とで構成
されている。

第２図〜第３図に示すように、分岐用新管８の
孔部７の周囲にはフランジ座１０が形成され、ま
た連絡管９の一端側には内フランジ１１が形成さ
れて、両者は内フランジ１１に植込まれた植込ボ
ルト１２とナツト１３とにより互いに接続可能と
なつている。内フランジ１１には、フランジ座１
０に対向する環状のシール材嵌込溝１４が形成さ
れ、環状の第１のシール材１５が嵌め込まれてい
る。この第１のシール材１５は内フランジ１１と
フランジ座１０を接合するときに押圧され、これ
によりシールが施される。

第２図および第４図に示すように、連絡管９の
他端側の外周には、先細り状のテーパ部１６が形
成され、このテーパ部１６と分岐管４の内面との
間には、環状の第２のシール材１７が配置されて
いる。１８は連絡管９の管部１９よりも分岐管４
の奥側に配置された押輪であり、管部１９の先端
に管軸方向に植込まれた植込ボルト２０と、この
植込ボルトに螺合するナツト２１とにより、前記
管部１９の他端側の先端に取り付けられ、これに
より第２のシール材１７を押圧している。なお２
２は第２のシール材１７用の周方向ひとつ割りの
バツクアツプリングで、テーパ部１６に外嵌され
ており、シール材１７の作用を確実にさせるため
必要に応じて使用する。

分岐部挿入管５をＴ字形分岐部２に設置するに
は、まず押輪１８、第２のシール材１７、バツク
アツプリング２２および連絡管９を本管３に挿入
した後予め分岐管４内に預けておき、連絡管９の
シール材嵌込溝１４には第１のシール材１５を嵌
め込んでおく。次に分岐用新管８を本管３内に挿
入し、その孔部７を分岐管４に向けて配置する。
その後植込ボルト１２、ナツト１３により内フラ
ンジ１１とフランジ座１０とを互いに接合固定
し、分岐用新管８と連絡管９とを互いに固定する
とともに両者間にシールを施す。

これとともに、連絡管９のテーパ部１６と分岐
管４の内面との間にバツクアツプリング２２と第
２のシール材１７とを配置し、押輪１８を植込ボ
ルト２０、ナツト２１により連絡管９の管部１９
の先端に取り付けて、この押輪１８によりシール
材１７を押圧する。これにより、連絡管９と分岐
管４との間のシールが施されるとともに、両管
９，４が互いに固定される。

この後、第１図に示すように本管３内に直管２
３，２３を挿入して分岐用新管８に接続すれば、
この部分の工事が完成する。

なお、上記においては、本管側にのみ新管を挿
入し、分岐側は既設の分岐管４を再利用する例を
示したが、分岐側にも新管を挿入する場合には、
この新管が分岐側管路となつて連絡管に接続され
る。

また、上記実施例ではＴ字形の分岐部について
のみ説明したが、本考案は、十字形の分岐部や、
分岐管が本管に対し斜め方向に接続されてなる分
岐部等にも適用可能である。

以上述べたように本考案によると、分岐用新管
と連絡管とはそれぞれ単独に既設管路のＴ字形分
岐部に挿入でき、その後の接続により前記分岐部
に応じた新たな分岐管を構成できるため、このよ
うな分岐部をもパイプインパイプ工法で施工でき
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図はその
概略構成を示す全体図、第２図は要部の断面図、
第３図〜第４図は第２図における要部の拡大図で
ある。 １……既設管路、２……Ｔ字形分岐部、３……
本管、４……分岐管（分岐側管路）、７……孔部、
８……分岐用新管、９……連絡管、１０……フラ
ンジ座、１１……内フランジ、１５……第１のシ
ール材、１６……テーパ部、１７……第２のシー
ル材、１８……押輪、１９……管部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 既設管路の分岐部の分岐側に対向可能な孔部を
   有するとともにこの孔部の周囲にフランジ座を有
   し、かつ前記分岐部の本管側に挿入可能な直管状
   の分岐用新管を設け、前記フランジ座に接続可能
   な内フランジと、前記分岐部における分岐側管路
   内に挿入可能な管部と、管部の先端外周に形成さ
   れた先細り状のテーパ部とを有する連絡管を設
   け、前記フランジ座と内フランジとの間に環状の
   第１のシール材を設け、前記分岐側管路の内面と
   連絡管のテーパ部との間に環状の第２のシール材
   を設け、前記連絡管よりも分岐管の奥側に押輪を
   設け、前記押輪を貫通するとともに、前記連絡管
   の先端面に管軸方向に螺入され、前記押輪を連絡
   管に締結させてこの押輪により前記第２のシール
   材を押圧させるねじ体を設けたことを特徴とする
   パイプインパイプ工法における分岐部挿入管。