JPS6350259Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、新規にして産業利用性多大な係止用
条片付き帯枕に関する。

従来、婦人用着物の着つけ時における帯結びは
甚だ困難且つ煩雑で、特に当今の若い女性にとつ
て、帯結びを短時間に具合良く行うことは至難で
あり、かかる帯結びの困難性・煩雑性が近時にお
ける女性の着物離れの原因となつていることは、
周知の事実である。

本考案は、着つけに練達しない女性でも、自分
一人で以て、文庫結びなどの振袖用の変り結びで
も、簡単，確実に而も短時間に帯結びをなし得る
帯枕を、極めて廉価に提供することを目的とす
る。

次に、本考案の構成を１実施例を示す図面につ
いて具体的に説明する。

１は、帯枕、２は、該帯枕１に被覆されるとこ
ろの、公知の帯枕カバーである。

３は、本考案の要部をなす係止用条片であつ
て、ゴムバンド等の伸縮自在の材質で以て形成さ
れ、その中央部において、第１図に示す如く、帯
枕カバー２における収納帯枕１裏面中央部位に、
斜交状に固着されるものとし、４は、該固着部を
示す。

５，５は、前記係止用状片３両端部に付設した
１対の面フアスナーであつて、伸縮性を有する係
止用条片３両端部３１，３１を、前記固着部４を
中心として帯枕１裏面部において捲回するか、或
は帯枕１前方に捲回して、当該係止用条片３の両
端部３１，３１を相互貼着し、以て帯枕１表裏面
上において、適宜形成せられた帯の羽根等を緊
締，係止自在ならしめる如く構成されるものとす
る。

この場合において、面フアスナー５，５は、第
３図の如き態様でも良いが、第１図及び第２図に
示す如く、一方の面フアスナー５を、相互に若干
の間隔を隔有する２個の面フアスナー５１，５２
より成る複合構成とすれば、１対の面フアスナー
５，５の相互貼着によつて形成される無端状の係
止用条片３の係止用空隙部を大小自在に調整し得
て、効果的である。

次に、６は、前記係止用条片３の固着部４表面
に付設される取付片であつて、該固着部４表面と
の間に挿通孔７を形成して、以て、第１図に示す
如く、前記係止用条片３と同一構成の別異の係止
用条片３′を挿抜自在に帯枕カバー２に取付け得
る如くなすものとする。従つて該係止用条片３′
は、取付片６を介して帯枕カバー２に取付けられ
て前記係止用条片３と交叉する場合には、該係止
用条片３同様に、両端部３１′，３１′を帯枕１裏
面部において捲回するか、或は帯枕１前方に捲回
して、当該係止用条片３′の両端部３１′，３１′
を相互貼着し、以て帯枕１表裏面上において、適
宜に形成せられた帯の羽根等を緊締，係止自在な
らしめるものである。

而して、前記係止用条片３′は、必要に応じて、
取付片６の挿通孔７より脱去して、以て、両端部
３１′，３１′の相互貼着によるところの、帯結び
時における羽根，帯あげ等の固定に使用すること
ができる。

次に、本考案の効果を説明する。

(a) 本考案帯枕においては、帯枕カバー２におけ
る収納帯枕１裏面中央部位に付設されるところ
の、１対の面フアスナー５，５を付設した伸縮
自在の係止用条片３，３′の新規構成により、
予め形成された帯の羽根或は帯あげを当該帯枕
１に簡単且つ確実に固着し、然る後、これを背
中にまわして、当該帯枕１被覆の帯枕カバー２
の両端部２１，２１を身体前方で結ぶだけで以
て、帯結びが完了する事となり、文庫結びなど
振袖用の変り結びを含めた各種帯結びを、和服
着つけに練達しないものでも、他人の手を借り
る事なく、一人で簡単・確実に行うことがで
き、その構成よりして極めて安価に製造し得る
事と相まつて、産業利用性は多大である。

(b) 帯枕カバー２における収納帯枕１裏面中央部
位に斜交状に固着された係止用条片３は、伸縮
性を有し、且つ両端部に相対応する１対の面フ
アスナー５，５が付設されているため、帯枕１
の表裏両側において捲回して面フアスナー５，
５により両端部３１，３１を相互貼着し得、一
方、係止用条片３′は、取付片６を介して帯枕
カバー２に取付けられて前記係止用条片３と交
叉する場合には、該係止用条片３同様に帯枕１
の表裏両側において捲回して面フアスナー５，
５により両端部３１，３１を相互貼着し得ると
共に、取付片６の挿通孔７より脱去して用いる
こともできる。更に、係止用条片３が帯枕カバ
ー２における収納帯枕１裏面中央部位に固着さ
れているため、係止用条片が平行して帯枕に取
付けられているものと異なり、使用に際し係止
用条片の配置が左右対称である必要性が少な
く、係止用条片３と係止用条片３′を独立して
用いることができる。

従つて、係止用条片３′を取付片６により取
付け、係止用条片３及び係止用条片３′の両者
を帯枕１の表面側において捲回して用いるこ
と、両者を帯枕１の裏面側において捲回して用
いること、一方を帯枕１の表面側、他方を裏面
側において捲回して用いること、係止用条片
３′を取付片６の挿通孔７より脱去して帯枕１
の表面側または裏面側の任意位置において用い
ること等、各種帯結び態様における必要に応じ
た多彩な使用法を提供して帯結びの簡単，確実
性を高めるものである。

因みに、本考案帯枕においては、係止用条片
３，３′の外に、これら係止用条片３，３′と同
一構成の別異の係止用条片（図示を略す。）を
付加することにより、帯結び時におけるより多
様の要請に即応し得ることとなる。

(c) 係止用条片３は、帯枕１自体でなく帯枕カバ
ー２に固着されるものであり、係止用条片３′
は挿通孔７に挿抜自在であるから、帯結びの種
類や結び方の好み等に応じ、従来存する種々帯
枕を自由に選択使用することができ、また、帯
枕１を除去することにより、係止用条片３′は
勿論、帯枕カバー２と共に係止用条片３をも洗
濯することができるので、帯枕カバー２のみな
らず係止用条片３，３′に付着する汚れによる
帯の汚損をも容易に防止し得る。

(d) 係止用条片３′を取付片６を介して帯枕カバ
ー２に取付け、前記係止用条片３と交叉させ、
両者を帯枕１の表裏何れかの面において捲回し
て用いる場合、羽根等に対し、中央部への緊締
力が作用するので、係止用条片が平行して帯枕
に取付けられているものと異なり、帯結びの際
または帯着用中に羽根等が左右に広がつて行く
ことを防ぎ得る。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図は、本考案の１実施例を示すも
のであつて、第１図は背面図、第２図は正面図で
ある。第３図は、係止用条片の面フアスナーの別
の実施例を示す斜視図である。 図面中、１は、帯枕本体、２は、帯枕カバー、
２１，２１は帯枕カバー両端部、３，３′は係止
用条片、３１，３１，３１′，３１′は係止用条片
両端部、４は固着部、５，５，５１，５２は面フ
アスナー、６は取付片、７は挿通孔である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 両端部に相対応する１対の面フアスナー５，
   ５を付設した伸縮自在の係止用条片３中央部
   を、帯枕カバー２における収納帯枕１裏面中央
   部位に斜交状に固着して、係止用条片両端部３
   １，３１の相互貼着による羽根等係止自在なら
   しめると共に、該係止用条片３固着部４表面
   に、別異の係止用条片３′を挿抜自在ならしめ
   る挿通孔７を形成する取付片６を付設して、該
   係止用条片３′の挿通孔７挿脱により任意に決
   定される係止用条片３′の態様により、適宜羽
   根等係止自在ならしめたことを特徴とする、係
   止用条片付き帯枕。 ２ １対の面フアスナー５，５の１方が相互に若
   干の間隔を隔有する２個の面フアスナー５１，
   ５２より成る、実用新案登録請求の範囲第１項
   記載の係止用条片付き帯枕。