JPH0124115Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 技術分野 本考案は、和装帯の改良に関する。

従来技術 従来、帯結びを簡単にするための種々の工夫が
なされている。その一例として付け帯が挙げられ
る。これは、帯を胴回り部分と太鼓の部分とに二
分して別に仕立て、太鼓の部分であらかじめお太
鼓を結んだ形に作つておき、胴回り部分を身体に
回して着装した後、後中心にお太鼓を適宜方法で
取り付けるようにしたものである。また、種々の
小物類を使用して、簡単に結べるようにした帯も
考えられている。

しかし、上述の付け帯の場合、帯を三つに切断
してしまうので一般的に高価である帯の商品価値
が下がり、かつ、着用する人の体格によつては、
胴回り部分の前柄が前中心からずれてしまう不都
合が生じた。また、種々の小物類を使用する場合
は、帯結びが煩瑣となり、かつ、小物類が帯を損
傷させる欠点も生じた。

目 的 本考案は、上述の如き実情に鑑みてなされたも
ので、特に、帯に面フアスナーを効果的に取り付
けることにより、帯を切断したり、又、小物類を
使用したりせずに簡単に結ぶことができ、しかも
型くずれしにくい帯を提供することを目的として
なされたものである。

構 成 第１図は、本考案による帯１０の一実施例を説
明するための背面図で、図中、ａは手さき、ｂは
胴回り部、ｃはお太鼓止まり、ｄは太鼓部、ｅは
たれ先を示し、胴回り部ｂおよび太鼓部ｄの表裏
所要個所には複数個の面フアスナー１〜７が縫着
等適宜方法で取り付けられている。２０は腰布団
で裏側に面フアスナー８が同様に取り付けられて
いる。尚、本実施例の場合、面フアスナー１およ
び３は胴まわり部の裏側に、２は表側に取り付け
られている。また、面フアスナー４は、太鼓部ｄ
の表側お太鼓止まりｃの近傍に、面フアスナー
５，６は太鼓部裏側に、面フアスナー７は太鼓部
裏側たれ先ｅの近傍に取り付けられている。

第２図乃至第５図は、本考案に係る帯を結ぶ場
合の各状態を示す図で、第２図に示すように、先
ず帯１０の面フアスナー７に腰布団２０の面フア
スナー８を接着させて帯１０に腰布団２０を取り
付け、次に面フアスナー５と６を接着させてあら
かじめお太鼓部分を作つておく。次に、第３図に
示すように、縫目を上に手さきａを身体の左肩に
おいて、胴回り部ｂのやや斜めに取り付けた面フ
アスナー１を背中心に当て、帯１０を一回りさせ
面フアスナー２を背中心に持つてくる。更に、帯
１０をもう一回りさせて面フアスナー３を背中心
に持つてきて、前記面フアスナー２と接着させ
る。次に、第４図に示すように、手さきａを下側
に折り返して、現われた面フアスナー１と、太鼓
部ｄ表側の面フアスナー４を接着させる。その
後、面フアスナー１と４の接着部分下（裏側）に
帯枕（図示せず）を当て前で結ぶ。手さきａを縫
い目を上に輪を複にしてお太鼓の中に通す。手さ
きａの上に帯締め（図示せず）を通して前で結び
帯揚げ（図示せず）で整える。

尚、図示実施例においては、袋名古屋、名古屋
帯の場合を示したが、本考案は図示例のものに限
定されるものでなく、袋帯を二重太鼓に結ぶ場合
等にも適用でき、更に面フアスナーの形状、位
置、個数等も適宜変更可能である。

効 果 以上の説明から明らかなように、本考案による
と、帯に取り付けた面フアスナーにより帯を切断
したり、小物類を使用したりすることなく帯を結
ぶことができるので、帯自体を損傷することがな
く帯の商品価値を下げることがない。また、帯結
びが簡単になり型くずれが少なく、更に、面フア
スナーは縫着等の方法で帯に取り付けられている
ので、位置の調節が容易であり、着る人の体格に
合わせることが可能である。太鼓結びが１人で出
来ない初心者また出来る人も簡単に太鼓結びがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案による帯の背面図、第２図
は、たれ部の断面図、第３図乃至第５図は、帯結
びの各状態を示す図である。 １〜８……面フアスナー、１０……帯、２０…
…腰布団、ａ……手さき、ｂ……胴回り部、ｃ…
…お太鼓止まり、ｄ……太鼓部、ｅ……たれ先。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 帯の胴回り部および太鼓部の表裏所要個所なら
   びに腰布団にあたる個所に面フアスナーをとり付
   け、所定の面フアスナー同志を接着することによ
   り、お太鼓部分の形成、胴回り部との接着、及
   び、腰布団の取り付けが可能なことを特徴とする
   和装帯。